• 検索結果がありません。

超伝導体

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "超伝導体"

Copied!
1
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

A - 5

電子情報工学科(木内 研究室)

1. はじめに

超伝導体の工学的な魅力の一つとして、電気抵抗 ゼロでの電流輸送があるが、この特性には限界があ り、その最大値を臨界電流及びその密度を臨界電流 密度𝐽cという。一般に𝐽cは四端子法やSQUID磁力計 を用いた磁化の大きさから評価することができる。

しかし𝐽cは、超伝導体内に存在するクラックや不純 物のために、内部で不均一な分布となる。そのため、

得られる臨界電流密度は試料全体の平均化された値 であり、局所的にどのような電流が流れているかな どの情報を得ることは難しい。一方で、超伝導体内 の磁束の侵入の様子を比較的容易に観測できる手法 として、磁気光学顕微鏡等がある。これらの手法と 四端子法や磁化法とを組み合わせることにより、臨 界電流決定のより詳細な機構解明が可能になる。

したがって、本研究では、比較的容易に超伝導体 内への磁束侵入の様子が評価できる磁気光学顕微鏡 に注目し、その手法を確立し、超伝導バルク材への 磁束の侵入の観察を行った。

2. 磁気光学顕微鏡

電磁波である光が磁性体に入射すると、磁化との 相互作用により、反射光の電界の偏光面が回転する。

これをKerr効果と呼ぶ。Kerr効果には3種類ある が、ここでは極Kerr効果を用いる。この極Kerr効 果では、偏光と偏光の入射面の法線方向に平行な磁 化と相互作用により反射光の電界の偏光面が回転す る。この場合の Kerr 回転角は、光の波数ベクトル と磁化ベクトルのスカラー積に比例し、垂直入射の 時最大になる。[1]

今回作製した磁気光学顕微鏡をFig.1に示す。ま ず、顕微鏡横から照射した光を偏光子に通し、直線 偏光を取り出す。取り出した直線偏光を顕微鏡内の ビームスプリッタを用いて直角に屈折させ、試料に 照射する。試料表面に置いた磁気光学インディケー タで反射した光は、ビームスプリッタ、検光子の順 に通過する。この検光子は偏光子とほぼ直交するよ うに取り付けておく。検光子と偏光子をほぼ直交に することで、試料内に磁化が存在しない場合、反射 光は検光子を通過しない。しかし、試料内に磁化が 存在する場合には直線偏光の偏光面が回転するので 検光子を通過する。

したがって、磁化が存在する部分と存在しない部 分で明暗が異なるので磁束の有無を確認することが できる。

3. 超伝導バルクの観察

本 実 験 で は 、 臨 界 温 度 𝑇c= 91 K の GdBCO(Gd1Ba2Cu3O6.9)バルクを観察した。超伝導 バルクに磁界を加えるために350 mTのネオジム磁

石を用いた。超伝導体の冷却には液体窒素を用いた。

また、Kerr回転角の増幅のため、磁気光学インディ ケータとして長岡技術科学大学の石橋准教授からご 提供頂いたBiYIG(BiXY3−XFe5O12)薄膜を用いた。

4. 結果及び検討

本実験では、ネオジム磁石の上に超伝導バルクを 配置し液体窒素で冷却する磁場中冷却を用いた。こ の手法は超伝導バルクに磁界を着磁させる方法で、

冷却後、バルクとネオジム磁石を切り離し、超伝導 バルクに捕捉される磁束を観察した。観察により得 られた画像をFig.2に示す。この画像には、黄色く 見える部分と赤く見える部分があり、黄色い部分は 磁束量が多く、赤い部分は磁束量が少ない領域に対 応する。このような不均一な磁束分布は、超伝導バ ルク内に不均一な電流の流れがあることを示してい る。そこで、色の違いが明確な部分を取り出し、

SQUID磁力計を用いて直流磁化測定により𝐽cを評

価した。その結果350 mTの磁界中において、黄色 の領域では𝐽c= 1.26 × 108 A/m2、赤い領域では 𝐽c= 3.37 × 107 A/m2であった。したがって、本研究 で作製した磁気光学顕微鏡では、超伝導バルクの磁 束分布の観察が可能であることが確認できた。

Fig.1 磁気光学顕微鏡の概要

Fig.2 磁気光学顕微鏡で得られた画像

5. 参考文献

[1]日本磁気学会 編 磁気イメージングハンドブ ック(2010)

学生番号 12232019 氏 名 大瀧 敦士 論文題目 磁気光学顕微鏡を用いた超伝導体への磁束侵入の観察と臨界電流密度の評価

超伝導体

インディケータ

参照

関連したドキュメント

[r]

The accumulation of the local strain in the 823K-annealed specimen was investigated by the ker- nel average misorientation (KAM) approach using EBSD, and it is suggested

 Schwann氏細胞は軸索を囲む長管状を呈し,内部 に管状の髄鞘を含み,Ranvier氏絞輪部では多数の指

その次の段階は、研磨した面を下向きにして顕微鏡 観察用スライドグラスに同種のエポキシ樹脂で付着 させ、さらにこれを

び3の光学活`性体を合成したところ,2は光学異`性体間でほとんど活'性差が認め

現在政府が掲げている観光の目標は、①訪日外国人旅行者数が 2020 年 4,000 万人、2030 年 6,000 万人、②訪日外国人旅行消費額が 2020 年8兆円、2030 年 15

県の観光促進事業「今こそ しずおか 元気旅」につきましては、国の指針に 基づき、令和 4 年

1200V 第三世代 SiC MOSFET と一般的な IGBT に対し、印可する V DS を変えながら大気中を模したスペクトルの中性子を照射 した試験の結果を Figure