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オンライン・コミュニティにおける利用者のニーズと体験に関する研究 [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)オンライン・コミュニティにおける利用者のニーズと体験に関する研究 キーワード:CMC,インターネット,コミュニケーション,コミュニティ,対面場面 人間共生システム専攻 植田 峰悠. 【問題と目的】. ネット上や対面場面での「コミュニティ」におけるニ. 近年、情報通信技術の進歩により、インターネット(以. ーズを測定するための質問紙を作成し、OLC における利. 下、ネット)に代表されるコンピュータを介したコミュニ. 用者のニーズのあり方について、FtFC との比較を通し. ケーション(Computer-Mediated Communication, 以. て検討を行った。その際、コミュニティの利用形態(コ. 下 CMC)活動が急速に普及しつつある。. ミュニティの種類、利用頻度、利用時間)によって CMC. CMC は互いが直接見えない状態で行われるため、対. のもたらす影響が異なるという先行研究から、これらの. 面場面よりも状態不安が低減されたり、自己開示が促進. 項目についても尋ね、 ニーズとの関連について検討した。. されやすいなどの特徴を持つことが明らかになっている (西村,2005 他)。しかし先行研究では、CMC によって利. 2.方法. 用者にどのような変化が起こるかといった、受動的な利. 1)対象者:大学生 198 名,. 用の視点から検討されたものが多く(Kraut ら,1998 他) 、. (男性 122 名,女性 76 名 平均年齢 20.8 歳,SD3.2). 個々の利用者が普段の生活の中で CMC にどのような経. 2)質問紙の構成. 験を求めており、その結果としてどういった体験をして. ※普段よく利用する「人が集まっていて、自由に交流で. いるのかといった、何かを得るための手段としての「能. きる場所」について、ネット上と対面場面両方について. 動的な」CMC 利用の視点から検討された研究は少ない. 尋ね、経験のないものは「なし」と記入するものとした。. のが現状である。. 各場面における質問項目は以下の通り。. そこで本研究では、CMC の場であるネット上の「人が. ○コミュニティニーズ質問項目. 集まっていて、自由に交流できる場所」としての「オン. 「そのコミュニティを利用している理由」について、. ライン・コミュニティ(Online Community, 以下 OLC)」. 予備調査で得られた OLC(対象者 20 名)と FtFC(対象. に注目し、対面場面における同様な「対面コミュニティ. 者 23 名)の結果をまとめ、コミュニティ一般に通じ. (Face-to-Face Community, 以下 FtFC)」との比較を通. る質問内容とし、26 項目からなる「コミュニティニー. して、日常生活の中で CMC に期待されている役割につ. ズ質問項目」を作成した。評定は、「余り感じない」か. いての検討を行う。まず、利用者の両コミュニティに対. ら「とてもよく感じる」の 4 件法とした。. するニーズにはどのようなものがあり、それによってコ. ○コミュニティの利用形態. ミュニティの利用形態がどのように変化するかについて. ・コミュニティの種類. 検討を行う<研究 1>。また、ニーズによってコミュニ. →予備調査の結果から、 OLC は 8つ,FtFCは6つに分類。. ティ利用時の体験がどのように変化してくるのかについ. OLC…SNS(mixi),BBS,日記サイト,メーリングリスト等8つ. ても検討する<研究 2>。これらのことから、CMC に特. FtFC …サークル・部活,級友,バイト先等6つ. 徴的な、利用者が CMC だからこそ得られると感じてい. ・利用期間…利用し始めてからの月数. るものについて明らかにし、CMC の利用が利用者の生. ・利用頻度…1 週間の平均利用日数. 活を支えるような存在として機能するためには、どうい. ・利用時間…利用する日の平均利用時間. った利用が有効であるのかについての知見を得ることを 目的とする。. 3.結果と考察 1)コミュニティの利用形態 OLC と FtFC の利用者数について、Table1 に示す。. <研究1>. 結果から、対象者の約2/3が何らかの OLC を日常的. [OLC における利用者のニーズに関する研究]. に利用していた。これは OLC が既に大学生にとって身. 1.目的 1.

(2) Table2. OLCにおけるニーズ項目の因子分析(因子負荷量) 因子 因子Ⅰ 因子Ⅱ 因子Ⅲ. 近な存在となっていることを示していると思われる。ま た、OLC では利用者の半数が「mixi」というコミュニテ. 因子Ⅰ OLCにおける楽しさニーズ. ィについて回答しており(64/128 名)、FtFC ではサーク ル(74/176 名)や大学の級友(66/176 名)といった大学に関 するコミュニティが過半数を占めていた。. が FtFC よ り も 利 用 期 間 と 利 用 時 間 は 短 い 度は高い F(1,302)= 169.98,p<.01)ことが明らかになった。 このことは、OLC は FtFC と比べてより頻繁に、短時間 ずつ利用されていることを示すものであり、これは OLC Table1.得られた有効度数表 FtF有 FtF無 計 119 9 128 57 13 70 176 22 198. * 16. 5. 12. 4. 8. 3. 4. 4. 1 0. 0 OLC. Ft FC. 8.情報や知識を得ることができるから 4.色々と便利だから 21.自分のよく知らないことについて、 教えてもらったりすることができるから 26.行かなければならない感じになるから 16.すでに習慣になっているから. 2. 1. 0. OLC. Ft FC. ※N=128. .812 .725 .723 .607 .510 .505 .401 .381. - .040 - .028 .000 .249 .161 .040 - .163 - .092. .012 .086 - .128 .144 .247 .039 .233 .261. .054 .135 - .054 .021 .151 .070 .351 .248. - .176 - .010 .279 .020 .321 .309. .791 .731 .641 .634 .446 .358. .180 .132 - .056 - .055 - .066 - .126. - .151 - .044 .118 .169 .161 .312. - .002 .321 .005. .025 - .066 .263. .646 .473 .461. .051 - .134 .178. - .079 .085. .059 .067. .450 .440. - .055 .262. - .051 .084 .067 .317 6.515. - .072 .039 .308 .119 4.180. - .002 .004 - .045 .122 2.905. .934 .831 .697 .362 6.198. 因子③ FtFCにおける道具的サポートニーズ. 3. 2. .761 .757 .649 .530 .521 3.414. 18.自分の能力が磨けるから 24.自分の能力を発揮できるから 20.そこで活動している時の自分が好きだから 14.自分のしたいことができるから 23.同じような趣味を持った人と話せるから 17.気分転換できるから. **. 5. .072 .117 - .160 - .222 .001 1.355. 因子② FtFCにおける自己実現ニーズ. 利用時間数( 時間/日). 6. 12.他人を笑わせたり楽しませるのが好きだから - .019 1.誰かと話すことができるから - .119 15.自分の話を聴いてくれるから .180 10.居心地が良いから .205 11.相手の話を聞くのが好きだから .142 固有値 3.572 因子抽出法: 主因子法 回転法: Kaiser の正規化を伴うオ フ ゙リミン法. 2.気さくに話しかけてくれるから 1.誰かと話すことができるから 3.人に誘われるから 6.自分のことを理解してくれるから 15.自分の話を聴いてくれるから 5.一人でいても面白くないから 11.相手の話を聞くのが好きだから 12.他人を笑わせたり楽しませるのが好きだから. **. 6. .064 - .075 .086. 因子① FtFCにおける交流ニーズ. Figure1.OLC,FtFCにおける利用形態の比較. 7. .692 .644 .492. Table3. FtFCにおけるニーズ項目の因子分析(因子負荷量) 因子 因子① 因子② 因子③ 因子④. に特徴的な利用形態であると思われる。. 20. - .115 .138 .296. 因子Ⅲ OLCにおける交流ニーズ. (F(1,302)=4.67,p<.05、F(1,302)=9.15,p<.01)が、利用頻. 利用頻度( 日数/週). - .075 - .031 - .013 .148 .201 .209. 4.色々と便利だから 8.情報や知識を得ることができるから 21.自分のよく知らないことについて、   教えてもらったりすることができるから. 変数とした分散分析を行った(Figure1)結果、OLC の方. 利用期間( 利用月数). .006 .041 .074 .102 - .103 - .048. 因子Ⅱ OLCにおける道具的サポートニーズ. コミュニティの種類を独立変数とし、利用形態を従属. 度数 OLC有 OLC無 合計. .788 .778 .545 .500 .493 .394. 9.面白いから 25.個人的に好きだから 19.暇つぶしになるから 16.すでに習慣になっているから 17.気分転換できるから 14.自分のしたいことができるから. OLC. Ft FC. 因子④ FtFCにおける楽しさニーズ 9.面白いから 10.居心地が良いから 25.個人的に好きだから 7.素の自分でいられるから. ※ * p<.05, * * p<.01. 2)OLC、FtFC におけるニーズ項目の因子分析. 固有値 因子抽出法: 主因子法 回転法: Kaiser の正規化を伴うオ ブリミン法. OLC、FtFC のそれぞれでフロア効果が見られた項目 を排除し、 残りの項目について因子分析を行った。 結果、. ※N=176. 結果から、どちらのコミュニティにも「楽しさ」「人と. OLC は 3 因子、FtFC は 4 因子が抽出された。(Table2,3). の交流」「道具的なサポート」の3つを求める因子が存. ⅠOLC 楽しさニーズ:「面白いから」「個人的に好きだか. 在することが示された。しかし、FtFC においては、OLC. ら」など、自身の楽しさを求めるニーズ因子. では得点が低く削除された 4 項目を含む「自己実現」に. ⅡOLC 道具的サポートニーズ:「情報や知識」「便利さ」. 関するニーズが存在することが明らかになった。このこ. など、道具的なサポートを期待するニーズ因子 ⅢOLC 交流ニーズ:「誰かと話すことができるから」など、 他者との交流を求めるニーズ因子. とから、OLC は人との交流や楽しさ、情報を得ることな どが求められているが、自己の能力を磨き、発揮したい といったことは求められていないことが示唆された。. ①FtFC 交流ニーズ:「誰かと話すことができるから」な ど、他者との交流を求めるニーズ因子. 3)OLC における利用形態とニーズとの関連. ②FtFC 自己実現ニーズ: 「自分の能力を磨けるから」な. ・利用時間(期間、頻度)とニーズとの関連. ど、自分のしたいことを追求するニーズ因子. OLC の利用期間・利用頻度をそれぞれ高・中・低の3. ③FtFC 道具的サポートニーズ:「情報や知識」「便利さ」. 群に分け独立変数とし、各ニーズの得点を従属変数とし. など、道具的なサポートを期待するニーズ因子. た一要因の分散分析を行った。結果、利用頻度について. ④FtFC 楽しさニーズ:「面白いから」「個人的に好きだ. は、高利用頻度群の方が低頻度群よりも「楽しさニーズ」. から」など、自身の楽しさを求めるニーズ因子. の得点が有意に高いことが示され(F(2,125)=5.47,p<.01)、 2.

(3) 「交流ニーズ」についても同様の結果が見られた. 3.結果と考察. (F(2,125)=5.65,p<.01 他)。一方、OLC の利用期間とニー. 1)コミュニティ利用時における感情体験の因子分析. ズ因子の得点との間には有意な関係が見られなかった. フロア効果が見られた 9 項目を排除した 11 項目につ. (いずれも p>.05) 。このことから、日常生活の中での利. いて因子分析を行った。なお、今回はコミュニティに共. 用頻度が高い者ほど、そこに楽しさや交流を求めている. 通する因子を発見するため、OLC と FtFC の結果をひと. 度合は高いということが示された。しかし、コミュニテ. つにまとめ分析を行った。結果、3 因子が抽出された。. ィに求めるものが高いからといって、長くそこにいたり. (表省略). するわけではないということが推測される。. Ⅰ居心地感:「嬉しい気持ちになる」「寂しさがまぎれ る」など、居心地の良さに関する感情体験. Figure2.利用時間によるニーズ得点の比較. Ⅱ通じ合い感: 「互いの考えていることがわかる」など、. 利用頻度によるニーズ得点の比較 **. 4.0 3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0. 相手とのかかわりの中で感じる、ネガティブ・ポジティブ. ** *. の両方を含む感情体験. 低群( ∼3日) 中群( ∼6日) 高群( 週7日). Ⅲ知的満足感: 「好奇心が満たされる」 「便利だなと感じ る」といった、知的な満足感に関連する感情体験. O- 楽しさN. O- 道具的SN. O- 交流N. 2)ニーズの高低による感情体験の違い. <研究2>. ニーズによって利用時に得られる体験がどのように 異なるかを検討するため、各ニーズの得点を独立変数と. [OLC におけるニーズと体験との関連に関する研究]. し、上位と下位 3 分の 1 の者をニーズの高・低群とし、. 1.目的. 感情体験を従属変数とした一要因の分散分析を行った. コミュニティにおけるニーズによって、利用時に得ら. (Table4)。. れる体験も異なってくるのではないかという視点から、 ニーズと体験との関連について検討を行う。尚、今回は. 結果、FtFC では全てのニーズにおいて得点が高い群. 体験をコミュニティの利用中に感じる感情に注目し、加. の方が 3 つの感情体験も有意に高く感じていることが明. えて、先行研究によって指摘されている「インターネッ. らかになった。しかし、OLC では「楽しさニーズ」には. ト依存症」 (岡田,1998 他)に結びつくとされる「インタ. 同様の関係性が見られたが、 「交流ニーズ」 の高さは知的. ーネットを使いすぎてしまう」 体験として、 「利用時間の. 満足感の高さとは余り関連せず(F(1,84)=3.16,p>.05)、. コントロール感」を取り上げる。. 「道具的サポートニーズ」の高さは知的満足感の高さの みにしか有意な関係を持たない(F(1,84)=52.80,p<.01). 2.方法. ことが明らかになった。これは、対面場面では何らかの. 1)対象者:研究 1 に同じ. コミュニティ利用に関するニーズを持つことが、そのま. 2)質問紙の構成. ま人とのかかわりをもつということにつながっているの. ・感情体験質問項目. に対し、OLC では道具的な利用と交流のための利用と、. 予備調査(対象者 20 名)で、 「OLC を利用している時に. それによって得られる体験が明確に分かれていること. どのようなことを感じるか」について得られた結果を. を示すものであると考えられる。. まとめ、「友人と一緒にいるときに感じる感情」(榎 3)OLC と FtFC におけるコントロール感の違い. 本,1999)の質問項目を参考に項目を加え、20 項目から. OLC か FtFC かを独立変数とし、コントロール感の得. なる「感情体験質問項目」を作成した。評定は、 「ど の程度感じることがあるか」について「ほとんどない」. 点(得点が高い程コントロール感低下)を従属変数とし. から「ほとんどいつもそうである」の4件法とした。. た一要因の分散分析を用いて検討を行った。結果、OLC と FtFC では、コントロール感に有意な差は見られなか. ・利用時間のコントロール感質問項目 「思ったよりそこに長くいてしまったと感じることが. った(いずれも p>.05) 。このことから、ネット上であっ. あるか」について「ほとんどない」から「いつもそう. ても対面場面であっても、そこに居すぎてしまったと感. である」の 4 件法とし、1∼4 点を与えた。. じる体験には違いが見られないことが示された。. 3.

(4) Table4. 各ニーズの高低群における感情体験のt検定 N=43,43 OLC OLC OLC 楽しさN 道具的N 交流N 2.26(0.60) 2.71(0.49) ニ ー ス ゙高群 2.65(0.56) 居心地感 通じ合い感 知的満足感. ニ ー ス ゙低群 f値 ニ ー ス ゙高群 ニ ー ス ゙低群 f値 ニ ー ス ゙高群 ニ ー ス ゙低群 f値. 1.84(0.61) **. 40.58 2.15(0.71) 1.55(0.62) **. 居心地感 通じ合い感 知的満足感 **. ニ ー ス ゙高群 ニ ー ス ゙低群 f値 ニ ー ス ゙高群 ニ ー ス ゙低群 f値 ニ ー ス ゙高群 ニ ー ス ゙低群 f値. 1.83(0.78). 92.58 2.29(0.59). はなく、 「交流のための場」としてのニーズも持つ存在で. 1.72(065). 1.25(0.44). 0.46. あることが明らかになった。また、CMC ならではのコ. **. **. 3.23(0.63). 2.29(0.52). 2.22(0.65). 2.63(0.72). **. った、CMC ツールの特性からのみ利用されているので. 1.68(0.50). 0.46. 85.08 2.90(0.68). 39.27. 本研究により、OLC は「遠くの人と会話できる」とい. 2.16(0.66). 17.46 3.14(0.72). FtFC 交流N. N=59,59. 1.CMC に期待されている役割. **. 52.8. ミュニケーションの手軽さから、より頻繁に、互いのち ょっとしたやりとりに利用されているという、OLC 特有. †. 3.16. FtFC FtFC FtFC 自己実現N 道具的N 楽しさN. 3.44(0.41). 3.22(0.54). 3.20(0.62). 3.36(0.47). 2.16(0.59). 2.21(0.63). 2.53(0.73). 2.16(0.58). **. **. **. 86.49 2.85(0.72). 29.55 2.83(0.70). 152.38 3.16(0.49). 1.82(0.60). 1.89(0.62). 2.09(0.69). 1.83(0.55). **. **. しかし、 「CMC だからこそ得られるもの」については、 FtFC の方がより多くのニーズを持っていることが示さ. **. 188.95 3.06(0.51) **. のコミュニケーション形態を持っていることが示された。. れた。そして、OLC は FtFC と異なり、交流を求める者. **. 146.70 2.81(0.71). 59.50 2.75(0.72). 33.59 2.95(0.66). 192.96 2.80(0.66). は交流の中で感じる感情体験のみを、情報などのサポー. 1.91(0.73). 1.93(0.73). 1.90(0.66). 1.92(0.71). トを求める者は知的な満足感のみを感じることができる、. **. 45.84. **. 37.96. **. 74.48. **. 48.21. より限定的なニーズに対し、より限定された体験をもっ. †. 1≦得点≦4  p<.01, p<.10 ※網掛け部は感情体験得点が有意に高いことを示す。. て応える存在であることが明らかにされた。 4)ニーズの高低によるコントロール感の違い 2. CMC を生活の中で活かす視点. 各ニーズの高・低群を独立変数とし、コントロール感. 上記より、OLC は利用者に必ずしも多くの体験をもた. 得点を従属変数として一要因の分散分析を行った。 結果、OLC,FtFC 共に「楽しさ」と「交流」については、. らす存在ではないが、交流や楽しさを求める者に対して. ニーズ高群の方が、コントロール感の得点が有意に高か. は、居心地の良さや、そこで得られる他者と通じ合える. った(Table5 参照) 。しかし、OLC では道具的ニーズに. 体験をもたらすということが示された。しかし本研究の. つ いて も同 様の 有意な 関係 性が 見ら れた ( F(1,84)=. 結果からは、OLC では、どのニーズを高く持つこともそ. 4.91,p<.05)が、FtFC では道具的ニーズとは有意な関係. の場に長くいすぎてしまう体験と関連していることが示. が見られず(p>.05) 、また FtFC のみに存在する「自己. されている。 実際の利用時間では OLC の方が短いため、. 実現」のニーズともコントロール感は関連しなかった. これをもって依存の可能性を論じることは難しいが、意. (p>.05)。このことから、OLC を利用する際にはどの. 図しない利用時間の増加と関連していることが推測さ. ニーズを高く持つことも利用時間のコントロール感の低. れるため、今後より詳細な検討が求められる。. 下と関連しているものの、FtFC では何らかの利用のニ. また、今回の結果は一般的な大学生の OLC の利用に. ーズを高く持つことが必ずしもコントロール感の低下と. ついて調査されたものであり、個々の OLC の特徴を全. は関連しないということが明らかになった。. て反映しているわけではない。そのため、今後は個々の OLC について個別に論じてゆく必要があると思われる。. Table5. 各ニーズの高低群におけるコントロール感の分散分析 N=43,43 OLC OLC OLC 楽しさN 道具的N 交流N 2.49(0.74) コントロー ル 感 ニ ー ス ゙高群 2.53(0.80) 2.42(0.93) (1≦得点≦4) 2.00(0.82) 1.77(0.81) ニ ー ス ゙低群 1.74(0.76) F値 22.19* * 4.91* 18.62* * N=59,59 FtFC FtFC FtFC FtFC 交流N 自己実現N 道具的N 楽しさN 2.42(0.95) 2.68(0.86) コントロー ル 感 ニ ー ス ゙高群 2.71(0.91) 2.41(0.97) 2.27(0.98) 2.22(0.91) 2.03(0.93) ニ ー ス ゙低群 2.03(0.95) 0.57 1.41 F値 15.72* * 15.29* *. さらに、今回の結果からは、「インターネット依存」が 推測されるような高頻度・長時間の利用者は殆ど見られ なかったが、そのような CMC のヘビーユーザーに焦点 を当てた研究も、これからの CMC との付き合い方を模 索してゆく上では非常に重要になってくるものと思われ る。. * p<.05, * * p<.01 ※網掛け部はコントロー ル 感得点が有意に高いことを示す。. 4.主要引用文献 【総合考察】. Kraut,R.,Patterson,. 本研究の調査結果から、CMC が実際に行われる場で. M.,Lundmark,. S.,Tridas, M. and Scherlis,W.. 1998. V.,Kiesler, Internet. ある OLC は、対面場面におけるそれと共通の特徴も持. Paradox: a social technology that reduces social. つ一方で、異なった特徴も持つ存在であると言うことが. involvement. 明らかになった。. American Psychologist,53. 1017-31 他 4. and. psychological. well-being?.

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