舗装工事を対象とした地上型レーザー
スキャナーの計測精度に関する検証実験
樋口 智明
1・佐田 達典
2・江守 央
3・村山 盛行
4・福森 秀晃
5 1学生会員 日本大学大学院 理工学研究科交通システム工学専攻 (〒274-8501 千葉県船橋市習志野台 7-24-1) E-mail: [email protected] 2正会員 日本大学教授 理工学部交通システム工学科(〒274-8501 千葉県船橋市習志野台 7-24-1) E-mail: [email protected] 3 正会員 日本大学准教授 理工学部交通システム工学科(〒274-8501 千葉県船橋市習志野台 7-24-1) E-mail: [email protected] 4正会員 株式会社フィールドテック(〒110-0016 東京都台東区台東 2-24-8) E-mail: [email protected] 5正会員 株式会社フィールドテック(〒110-0016 東京都台東区台東 2-24-8) E-mail: [email protected] 従来,出来形管理では巻尺,レベルを用いて,幅,長さ,高さの計測が行われてきた.2016 年度から国 土交通省では i-Construction に取り組んでおり,生産性の向上を目標としている.その中で 2016 年 4 月に 地上型レーザースキャナーを用いた出来形管理要領(舗装工事編)(案)が公表され,今後の利用が見込 まれる.本研究は,複数の性能の異なる地上型レーザースキャナーを用いて,出来形管理要領の精度確認 試験方法に沿って実験を行い,計測精度を検証した.その結果,出来形管理要領に規定されている表層の 要求精度に対して,機種の性能に応じて,想定通りに満たす場合と想定通り満たさない場合があったが, 機器の不具合や観測条件に影響されて想定に反して満たさない場合も見られた.Key Words: TLS,pavement construction,point cloud data
1. はじめに
現在,日本の建設施工は,少子高齢化,低い労働生 産性,施工現場の安全確保,社会資本の老朽化等の諸 問題がある1).従来,出来形管理では,巻尺,レベルを 用いて,幅,長さ,高さの計測が行われてきた.しか し,2016 年から国土交通省では i-Construction に取り組ん でおり,GNSS,UAV(ドローン),地上型レーザースキャナー(以下,TLS:Terrestrial Laser Scanner)の導入が
進められている.その中で2016 年 3 月に国土交通省の 地上型レーザースキャナーを用いた出来形管理要領 (舗装工事編)(案)2)(以下,出来形管理要領)が公 表され,今後,利用が増加すると見込まれる. TLS による出来形計測は,従来の施工管理手間の大 幅な軽減と,短時間かつ高密度で詳細な地形や出来形 の形状取得が可能である.一方で計測対象点を指定し た計測が出来ない,計測間隔が均一ではない,また, ソフトウェアを用いた大量の計測点群処理データの処 理が必要である.以上のことから,出来形管理に TLS を用いるための出来形計測手順や管理基準が策定され た. 出来形管理要領では,各現場の制約条件を考慮して TLS の測定精度を確認するために,鉛直方向と平面方 向の精度確認試験を行う. 本研究は,出来形管理要領の精度確認試験方法(以 下,試験方法)に沿って,複数の性能の異なるTLS で 計測を行い,平面方向や鉛直方向の計測精度を求め, 出来形管理要領の要求条件を満たす機種の確認,また, 機種の性能が精度に及ぼす影響を明らかにすることを 目的とする.
2.実験概要
(1) 計測方法 本研究では,機種の性能が精度に及ぼす影響を明ら かにし,出来形管理の要求条件を満たす機種の確認を することを目的としていることから,器械の機構が異 なることによる測定精度の変化を無くすため,照射方 法が同一の機構である,表-1 に示すRIEGL 社の 4 機種 の TLS を用いて実験を行った.したがって,本研究で 得られた結果が,他社の同等製品に対しても適用でき るとは限らない. 実験日時は,2018年 3月 3日で TLSの計測時間帯は, 13時から 16時である. レーザーの照射間隔は,0.20°,0.10°,0.08°, 0.06°(LMS-Z210 は 0.18°,0.108°,0.072°)(VZ-400i は 0.01°も含む)に設定した.また,本研究では鉛 直方向と水平方向のレーザーの照射間隔は同じ値とす る.TLS の器械高を図-1 のように 1.5m と設定した.出 来形管理要領では1m×1mに 100点以上照射されている ことが計測可能距離とされており,各照射間隔におけ る最大距離を式(1)により求めた. tan−1𝐿+0.5ℎ α × 1 2𝐿 tan𝛼2≥ 100 (1) ここで, α:照射間隔(°) L:機器位置から照射点までの水平距離(m) h:TLSの照射部の高さ(m) である. 式(1)で設定したレーザーの照射間隔毎の最大距離の 結果を表-2 に示す. TLS で取得した座標を世界測地系にするために,座 標変換を行う.座標変換を行うために標定点を図-2 の ようにTG01~TG05の 5つ設置した. 鉛直方向の精度を検証するために,出来形管理要領 の試験方法に記載されている図-3 のイメージ図を参考 に,図-4 のように1m×1m の検査面を表-2 で求めた最 大距離に設置し,そしてレベルであらかじめ検査面の 四隅の標高を計測した. 次に,平面方向の精度を検証するために,出来形管 理要領の試験方法に記載されている図-5 のイメージ図 を参考に,図-6 のように10m 以上離して,TLS から照 射方向に向けて左側のターゲットを地面に,右側のタ ーゲットは三脚に載せて設置した.設置場所は表-2 で 求めた最大距離の外側とした.各照射間隔でターゲッ トを移動させたため,TLS の計測ごとにトータルステ ーション(以下,TS)で 2 つのターゲットの中心座標 を計測した.また,TLS はターゲットを抽出するため にターゲットスキャンを行った. その上で,表-1 の 4 機種を用いてターゲットと検査 面を含む範囲を設定した照射間隔で計測した. 表-1 各機種の性能 図-1 TLS設置方法(例) 図-2 標定点設置位置(Google Earth Proの画像より筆者が作成) 表-2 1m×1mに 100点取得できる最大距離 機種名 (A) LMS-Z210 (B) LMS-Z360i (C) LMS-Z420i (D) VZ-400i
スキャナー 画像
測定精度 25mm 12mm 8mm 5mm
測定レート 10000点/秒 12000点/秒 11000点/秒 500000点/秒 ビームの
広がり角 3mrad 2mrad 0.25mrad 0.35mrad
最長測定距離 340m 200m 1000m 800m 照射間隔 (°) 0.20 0’23” 0’22” 0’22” 0’06” 0.10 1’06” 1’30” 1’30” 0’22” 0.08 2’30” 2’21” 2’21’ 0’34” 0.06 - 4’10” 4’09” 1’00” 0.01 - - - 11’46” 計測時間 (水平方向45°) ※LMS-Z210は0.18°,0.108°,0.072° 照射間隔(°) 0.20 0.10 0.08 0.06 0.01 最大距離L(m) 10 16 19 23 70
図-3 鉛直方向の試験方法イメージ図2) 図-4 検査面設置方法 図-5 平面方向試験方法イメージ図2) 図-6 ターゲット設置方法 (2) 解析方法 計測で得た点群データを解析して,平面方向,鉛直 方向の精度を検証した.鉛直方向の精度は,TLS の検 査面の標高平均値とレベルの四隅の平均値との差を求 め,TLS の検査面の標高値の標準偏差,最大値と最小 値の差を比較した.平面方向の精度は,TLS と TS でタ ーゲットの点間距離の差を求め,それぞれのターゲッ トの反射強度の比較をした.
3.
実験結果と考察
(1) 鉛直方向の精度 a) 各距離の検査面の標高値比較 表-2 で示した,1m×1mに取得できる最大距離に設置 した検査面のTLS とレベルとの標高値の差を表-3,図-7 に示す.また,検査面の点群照射画像を図-8,各機種 の要求精度に対する満足度を表-4 に示す. 出来形管理要領の鉛直方向の要求精度は,表層表面 で±4mm以内である. VZ-400i は,図-7 より機器から 23mの地点の検査面で 唯一要求精度を満たすことができた.また,表-3 より, 70m の地点も計測が可能で,要求精度も満たすことが できたことから,従来の3 機種と比べ,1 回の計測で 3 倍の距離を計測することができる. LMS-360i は,図-7 より 19m 地点の検査面のみ要求精 度を満たすことができたが,他の地点では満たすこと ができなかった.また,10mから19m地点ではレベルよ りも標高値が高い結果となり,23m 地点では低い値を 示したため,機器の鉛直軸と水平軸が直交していない などの不具合の可能性がある. LMS-210 は,図-8 より,他機種よりも点群数が多く なる地点はあるが,要求精度を満たすことができなか った.点群数が多くても,各点の座標を正確に計測で きなければ,精度は劣化する. 表-4 より,LMS-Z210 は全てのケースで要求精度を満 足できなかった.表-1 より,測定精度が25mm,ビーム の広がり角が3mradと性能が低いことを反映した結果と いえる.また,LMS-Z360i は 1 つのケースを除き要求精 度を満たすことができなかった.機器の不具合の可能 性に加え,表-1より,ビームの広がり角が2mradと大き いことを反映した結果と考えられる. 表-3 各距離のTLSとレベルとの標高差 1㎡ 1㎡ ※1㎡以内に勾配変化のない平坦な箇所を選定して計測すること。 ※標準反射板や反射シートなどは設置せず、計測面が露出した状態 で計測すること。 要求精度を満足できる範囲 =計測可能距離 標高値(m) 28.074 28.061 28.097 28.072 28.076 レベルとの差(m) - -0.013 0.023 -0.002 0.002 標高値(m) 28.076 28.063 28.083 28.072 28.075 レベルとの差(m) - -0.013 0.007 -0.004 -0.001 標高値(m) 28.077 28.069 28.078 28.073 28.076 レベルとの差(m) - -0.008 0.001 -0.004 -0.001 標高値(m) 28.081 - 28.076 28.077 28.080 レベルとの差(m) - - -0.005 -0.004 -0.001 標高値(m) 28.079 - - - 28.075 レベルとの差(m) - - - - 0.004 10m (0.20°) 16m (0.10°) 19m (0.08°) 23m (0.06°) 70m (0.01°) (D) VZ-400i 機器からの距離 (照射間隔) レベル (A) LMS-Z210 (B) LMS-Z360i (C) LMS-Z420i10m地点(0.20°) 16m地点(0.10°) 19m地点(0.08°) 23m地点(0.06°) 図-7 各距離のTLSとレベルとの標高差比較図(mm) 図-8 1m×1m検査面の照射画像と点群数 表-4 鉛直方向の要求精度に対する満足度 b) 19m 地点の検査面 照射間隔0.08°,機器設置位置から19m地点のTLSの 平均値からの標準偏差,RMS 誤差,最大値と最小値の 差,標高の点群の分布を表-5,図-9 に示す. 表-5 19m地点の TLSとレベルの標高計測値比較 標準偏差(mm) RMS誤差(mm) 最大値-最小値(mm) 標高の点群の分布(m) 図-9 機種毎の鉛直方向の比較図 図-7 より,LMS-Z210 を除いた 3 機種は,要求精度を 満たしている.LMS-Z210 は,図-9 から,機種の性能に より,標準偏差,RMS 誤差,最大値と最小値の差が 4 機種の中で最も大きい値を示した.また,座標変換の 誤差も大きいことから,標高の点群の分布から,レベ ルの標高値から外れた値を多く示している.以上のこ とから最も精度が劣化したと考えられる. 一方,VZ-400i は,図-9 から,いずれの項目でも機種 の性能に応じて,最も良い結果となった.このことか ら計測距離が長距離となっても要求精度を満たすこと ができたと考えられる. (2) 平面方向の精度 a) 各距離の点間(ターゲット間)距離の比較 最大距離におけるTLSの TS とターゲット間距離の結 果を,表-6 及び図-10 に示す.TS よりも長い距離を示 した場合は橙色,短い距離の場合は,青色とした.ま た,各距離のターゲットの点群照射画像を図-11,各機 種の要求精度に対する満足度を表-8 に示す. 出来形管理要領の平面方向の要求精度は,表層表面 で±10mm以内である. LMS-Z210 は,図-11 よりターゲットスキャンができ ず,他機種よりもターゲットに照射される点群数は少 ないことから精度が劣化したと考えられる. LMS-Z420i は,図-10 から,一部を除き要求精度を満 たしておらず,LMS-Z360iよりも精度が劣化している.
機種名 (A) LMS-Z210 (B) LMS-Z360i (C) LMS-Z420i (D) VZ-400i
0.20° 10m地点 点群数(個) 156 123 115 257 0.10° 16m地点 点群数(個) 100 112 122 124 0.08 19m地点 点群数(個) 140 115 111 112 0.06 23m地点 点群数(個) - 113 105 111 0.01 70m地点 点群数(個) - - - 151 照射方向 10m(0.20°) × × 〇 〇 16m(0.10°) × × 〇 〇 19m(0.08°) × 〇 〇 〇 23m(0.06°) - × 〇 〇 70m(0.01°) - - - 〇 (D) VZ-400i (A) LMS-Z210 (B) LMS-Z360i (C) LMS-Z420i 機種名 レベル (A) LMS-Z210 (B) LMS-Z360i (C) LMS-Z420i (D) VZ-400i 平均値(m) 28.077 28.069 28.078 28.073 28.076 レベルとの差(m) - -0.008 0.001 -0.004 -0.001 標準偏差(m) - 0.007 0.006 0.005 0.004 RMS誤差(m) - 0.010 0.006 0.006 0.004 最大値(m) 28.085 28.084 28.089 28.082 28.084 最小値(m) 28.069 28.047 28.064 28.065 28.068 最大値-最小値(m) 0.016 0.037 0.025 0.017 0.016 0 1 2 3 4 5 6 7 8 A B C D 0 5 10 15 20 25 30 35 40 レベル A B C D -8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 A B C D -8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 A B C D -8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 A B C D -8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 B C D 0 2 4 6 8 10
LMS-Z210 LMS-Z360i LMS-Z420i VZ-400i
R MS 誤差( mm ) 28.069 28.071 28.073 28.075 28.077 28.079 28.081 28.083 28.085 (A) (B) (C) (D) TLS平均値 レベル平均値
表-6 TLSと TSのターゲット間距離の比較 10m(0.20°) 16m(0.10°) 19m(0.08°) 23m(0.06°) 図-10 機種毎のターゲット間距離のTSとの差(mm) 機種の性能は良いが,図-11 より,図-6 のように地面に 設置した左ターゲットに,ノイズが生じていることが 原因と考えられる. VZ-400i は,いずれの距離でも最も良い結果を示して る.ターゲットの形状を正確に計測できていることが 精度向上に寄与していると考えられる. 表-7より,LMS-Z210,LMS-Z420iは,10m地点で平面 方向の要求精度を満たすことができなかった.また, 図-10 より,各機種の10m地点で大きく精度が劣化して いる.本検証に用いたターゲットは,座標変換の標定 点のターゲットと同様のものであるため,機器設置位 置から距離を離して設置したほうが良いと考えられる. b) ターゲットの反射強度の比較 各地点のターゲットの反射強度を表-8,図-12 に示す. ただしVZ-400i は,反射強度における器械設置位置離れ るほど暗く表現されてしまう問題を解決するために, 強度情報に距離要素を加えた,反射率を示している3). 図-11 各距離のターゲットの照射画像 表-7 平面方向の要求精度に対する満足度 図-11 より,LMS-Z420i は図-6 のように地面に設置し た各地点の左ターゲットにノイズが生じている.また, そのターゲットは,図-12 より,VZ-400iを除いた2機種 よりも反射強度の値が低くなっている.以上のことか ら,各地点で精度の劣化が生じたと考えられる. LMS-Z420i を用いる際は,地面からなるべく離して,ターゲ ットを設置したほうが良いと考えられる. TS TLS TS TLS 点間距離(m) 12.425 12.406 12.425 12.433 TSとの差(m) - -0.019 - 0.007 点間距離(m) 12.187 12.180 12.221 12.220 TSとの差(m) - -0.007 - -0.001 点間距離(m) 12.500 12.507 12.515 12.514 TSとの差(m) - 0.008 - -0.002 点間距離(m) - - 12.319 12.317 TSとの差(m) - - - -0.002 点間距離(m) - - - -TSとの差(m) - - - -TS TLS TS TLS 点間距離(m) 12.412 12.395 12.397 12.388 TSとの差(m) - -0.017 - -0.009 点間距離(m) 12.197 12.194 12.214 12.213 TSとの差(m) - -0.003 - -0.001 点間距離(m) 12.536 12.526 12.526 12.525 TSとの差(m) - -0.010 - -0.001 点間距離(m) 12.363 12.360 12.302 12.302 TSとの差(m) - -0.004 - 0.000 点間距離(m) - - 12.419 12.423 TSとの差(m) - - - 0.004 70m (0.01°) 23m (0.06°) 19m (0.08°) 16m (0.10°) (C) LMS-Z420i (D) VZ-400i 10m (0.20°) 機器からの距離 (照射間隔) 機器からの距離 (照射間隔) (B) LMS-Z360i (A) LMS-Z210 10m (0.20°) 16m (0.10°) 19m (0.08°) 23m (0.06°) 70m (0.01°)
(A) LMS-Z210 (B) LMS-Z360i (C) LMS-Z420i (D) VZ-400i
左 右 左 右 左 右 左 右 左 右 設置場所 10m 16m 19m 23m 70m VZ-400i のみ 10m(0.20°) × 〇 × 〇 16m(0.10°) 〇 〇 〇 〇 19m(0.08°) 〇 〇 〇 〇 23m(0.06°) - 〇 〇 〇 70m(0.01°) - - - 〇 (A) LMS-Z210 (B) LMS-Z360i (C) LMS-Z420i (D) VZ-400i -20 -15 -10 -5 0 5 10 15 20 A B C D -20 -15 -10 -5 0 5 10 15 20 A B C D -20 -15 -10 -5 0 5 10 15 20 A B C D -20 -15 -10 -5 0 5 10 15 20 B C D
表-8 各地点のターゲットの反射強度 10m(左ターゲット) 10m(右ターゲット) 16m(左ターゲット) 16m(右ターゲット) 19m(左ターゲット) 19m(右ターゲット) 23m(左ターゲット) 23m(右ターゲット) 図-12 ターゲットの反射強度値(dB) (3) 標定点のターゲットの比較 座標変換のために設置した標定点の反射強度,ター ゲットの照射状況の確認を行った. 各標定点の照射画像は図-13,反射強度を図-14,表-9 に示す. 図-13 から,LMS-210 は機器の性能よりターゲットス キャンができないため,照射点数が少なかった.この ことから,座標変換の誤差が生じて,鉛直方向の精度 が劣化したと考えられる. 図-13 標定点のターゲットの照射画像 表-9 標定点の反射強度値 TG01 TG02 TG03 TG04 TG05 図-14 標定点の反射強度値比較図(dB) 左 右 左 右 10m(0.20°) (dB) 369.808 391.077 376.180 420.500 16m(0.10°) (dB) 364.495 402.990 383.670 417.478 19m(0.08°) (dB) 344.271 402.234 394.572 411.186 23m(0.06°) (dB) - - 391.629 391.720 70m(0.01°) (dB) - - - -左 右 左 右 10m(0.20°) (dB) 234.928 381.553 21.462 21.369 16m(0.10°) (dB) 230.620 368.404 19.649 19.721 19m(0.08°) (dB) 218.926 368.188 19.164 18.617 23m(0.06°) (dB) 211.090 323.591 18.224 18.224 70m(0.01°) (dB) - - 21.744 22.565 機器からの距離 (照射間隔) (A)LMS-Z210 (B)LMS-Z360i 機器からの距離 (照射間隔) (C)LMS-Z420i (D)VZ-400i
設置場所 (A) LMS-Z210 (B)LMS-Z360i (C) LMS-Z420i (D) VZ-400i
TG01 TG02 TG03 TG04 TG05 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500 A B C D 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500 A B C D 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500 A B C D 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500 A B C D 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500 A B C D 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500 A B C D 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500 A B C D 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500 A B C D 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500 A B C D 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500 A B C D 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500 A B C D 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500 (B) (C) (D) 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500 (B) (C) (D) TG01(dB) 295.134 376.188 220.572 18.287 TG02(dB) 390.616 467.165 267.988 18.330 TG03(dB) 297.939 341.903 214.452 17.998 TG04(dB) 407.989 415.451 246.071 18.278 TG05(dB) 368.329 383.762 247.853 18.245 (A) LMS-Z210 (B) LMS-Z360i (C) LMS-Z420i (D) VZ-400i 標定点番号
LMS-420i は,他機種と比べノイズが大きく生じてい る.また,図-14 から反射強度の値もVZ-400i よりも小 さい値を示しているため,ターゲットを正確に計測で きなかったと考えられる. TG02,TG04,TG05はアルミ製の三脚の脚にターゲッ トを設置しており,各機種ターゲットスキャンを行っ たが,LMS-Z420i と VZ-400i は三脚の脚も計測している. ターゲットと誤認識したと考えられる.
4.おわりに
本研究では,出来形管理要領に沿って複数の異なる 性能のTLSの精度を検証した. VZ-400i は,鉛直方向と平面方向の精度が全ての距離 で要求精度を満たすことができた.また,LMS-Z210 は, 一部を除き要求精度を満たすことができなかった.こ れらは機種の性能に応じた結果となった.しかし, LMS-Z360i は,器械の不具合が生じた可能性があること, LMS-Z420i は,座標変換の誤差が生じたことによって, 本来の機種の性能に応じた結果とならなかった.機器 の調整,標定点のターゲットの設置方法を適切に行え ば,計測精度が向上すると考える. 本研究でLMS-Z210 は,鉛直方向の精度を全く満たし ていないため,出来形管理に用いることは難しい. LMS-Z360i は,多くのケースで鉛直方向の精度を満たし ていないが,機器の不具合等が発生しない場合,用い ることができる可能性もある.LMS-Z420i は,要求精度 は満たしているが,計測方法を十分注意して行わなけ れば,精度が担保されない場合もある.VZ-400i は,全 てのケースで要求精度を満たしており,他機種と比べ, 計測時間の短縮,長距離の計測が可能であるため,最 も適している. 今後は,標定点の設置方法や出来形計測の最も効率 的な運用方法の検討をしていきたい. 参考文献 1) 国土交通省:建設施工を巡る諸課題に関するニーズ 調査結果について, <http://www.mlit.go.jp/common/000987453.pdf> (入手:2018.6.1). 2) 国土交通省:地上型レーザースキャナーを用いた出来形管 理要領(舗装工事編)(案),pp.1-58,2018. 3) リーグルジャパン総合カタログ,pp.1-8,2016. (2018.10.26 受付)STUDY ON THE ACCURACY OF MEASUREMENT BY TLS IN PAVEMENT WORK
Tomoaki HIGUCHI, Tatsunori SADA, Hisashi EMORI,
Shigeyuki MURAYAMA, and Hideaki FUKUMORI
Conventionally, measurements of width, length, and height have been performed using tape measure and level in management of work done. Since 2016, the Ministry of Land, Infrastructure and Transport is work-ing on i-Construction and aims to improve productivity. Among them, in April 2016 formulation manage-ment procedure (draft) (using pavemanage-ment work) using a terrestrial laser scanner was announced, and it is expected that usage will increase in the future. Although the result could be measured with the accuracy according to the performance of the model, there were cases in which it was not possible to secure the assumed precision due to the malfunction of the equipment and the observation condition.