R .ドーンブッシュの開放経済学 1 ) の貨幣的側面 ( 田
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(2) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑46ー. 第5 5 巻著書 2号. P=P*e. 2 1 4. (2). の成立をみる(ただし*印は外国を表わす〉。初期の名目貨幣供給量 M を所 与とし,その後のその変化を国際貿易取引からのみ生じるものと仮定する。す なわち. M=B=‑eM*. (3). である。ただし, B は貿易収支を表わす。さて,名目支出 E は名目所得から保 蔵 (hoarding)を差引し、たものである。また,保蔵 H は貨幣フローの超過需要 ν (L‑M)に等しい。そこで,支出繭数は. E=py‑.v(kPy‑M)となどなお,. アプソープ乙/ョン・アプローチから PY=E+Bであり ,B=M=v(L‑.M) す なわち M=v(kPY‑M)=H(P, l I めとなる。 均衡においては,世界全体で財市場の需給均等が成り立たねばならない。す なわち,. Y十 Y*=( l / P )(E十 e E * ). (4). となり,保蔵で表わせば. H=‑eH*. (5). となる。第 1図は,世界市場の均衡を (5)式によって表わしたものである。 自国の保蔵 H は,国内価格 Pの増加函数である。すなわち. H =ν(L‑M)=. , (1)式の貨幣ストック需要 L=kPYと実質所得一定の仮定より, H(P,M)は 価格 Pに比例して増大する。これに対し,外国の負の保蔵 ‑eH*=‑.eH 汽P/e,. M勺 は , 所 与 の eおよび M*に対して,価格 Pの減少函数として描かれる。 そこで. (5)式の成立は, されてくる。しかし,. 第 1図の H 曲線と ‑eH*曲線の交叉する a点で示. ζ iの a点は,自国の貿易収支が黒字を呈し,そのため自. 国の貨幣供給の増大 M と外国の貨幣供給の減少ー eM*を引起し H 曲 線 と ‑. eH*曲線を乙/フトさせ,かくして両曲線を b点、で交文させ名目貨幣残高をゼロ とするに至るまでの,一時的な短期の均衡点を示しているにすまないものとい (4) 貨幣市場均衡のとき限界支出性向は 1となる。なお,支出函数Eは , Dornbusch(1980) " and p.120では E=VM(Vは乗数)と規定している。その詳細は, Dornbusch,R e a lB a l a n c ぉ , andt h eHoardingF u n c t i o n,I n t ef" M. Mussa,Consumpt加 1,R n a t i O n a l . Econ R e v . Vol .1 6,n o " 2,June1 9 7 5にみることができる。 リ.
(3) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ R ・ドーンブ yvュの開放経済学の貨幣的側面(1). 2 1 5. ‑47‑. える。かくして,長期的均衡は, α点でなく b点においてのみ達成される。な お ,. ζ. のような長期均衡点は,上記の各国貨幣最の変化のみならず,為替相場. eの変動による両曲線の乙/ブトによっても実現されろることは, 言ろまでもな いことである。 第. 1 区i. いま,このそデ Jレにおいて, 初期の均衡点が垂直軸上の b. p. 点にあるもの(初期の H=.‑. eH*=0) と仮定し, 為替相. 日. 場切下げ(~> 0,ただし〈. PII..一一~. 印は変化率〉の影響を考えて. b. 一. eH*. みよろ。 (5)式を eとPで微 分し. eHネ H,-~eH. B. : : ‑. v*M*e. 戸一一一一一一一 , ‑ vM十 ν*M*e. *. ハ. (2)式から得る. p =キ 主. 十 6 と初期条件を用い亡,. (6). ̲ u. ~. を得る。これを (3)式に代入すると, r. , , * 九A*o. ~ヘ. dB=dM=vMI 一一一一ニム一一 i L vM十 円M*e J. (7). となる。すなわち,自国の貿易収支は,為替切下げによって改善されることに. I象限および第 なる。この関係を第 2図でみると次のようになる。第 2図の第 I. IV象限には,それぞれ白国と外国の貨幣市場の均衡関係を示す MjP=kY曲線 および M*jP*=k*y*曲線を描いている。それらは,実質所得一定の下では直. I I象限には,両国の価格関係を表わす P=eP*を直 角双曲線となる。また,第 I 線 OAとして描いている。他方,. 第 I象限には,世界の総貨幣供給量を M と. するときの M = M十 eM*直線を描いており,. 自国の貨幣増加と外国の貨幣減. 少の関係を示している。すなわち,自国と外国の所与の初期貨幣保有高は E点 で示され,. また為替相場切下げ後の貨幣保有高は E '点で示されている。為替. 相場変化後の直線市厄*は,縦軸の切片言ピ M*deだけ増大させ横軸の切片を.
(4) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑48ー. 第5 5 巻 第 2号. 一(M/P)de だけ減少させた. 2 1 9. 2 図. 第. 車線として E 点線の M'M*'I 交を中心に回転してくること. J. になる。さらに,その為替相. I I象限の P = 場切下げは,第 I. eP*直線をも OAから OA'へ 四. と回転させてくる。かくして,. M守. 貿易収支の黒字とそれに伴う 号 氏. 各国貨幣置の変化が, OAの みならすご MM*曲線をも新し. 7 ミ. u. t 1 ¥. いM'M*'曲線へと変化させ,. も. 長期の新均衡点を E '点 に 移. 動させてくる。もし,貨幣量の変化 M ,M 朱がなく以前の貨幣保有量を示す E 点にとどまるならば,各国において長期の均衡が達成されないことは,上関か ら明らかである。 ドーンブツ乙/コは,以上のようなモデルを次のようにして貿易財と非貿易財 の存在するこ財のケースに拡張すよごいま,貿易財と非貿易財をそれぞれ Tと. Nの添字を付して示すと,実質所得 Yと実質支出 kは , Y=XT+(PN/PT)XN. (8). E=DT十. (9). (P ,,/PT)D N. で規定されてくる。そこで貿易財および非貿易財の両市場の均衡は, XN(PN/PT)=Drv(P,, /P T• E ) XT(P N/ P 7 ' )=ÐT(PN/PT•. となる。これらの. ( 10 ). E ). ( 1 1 ) ( 8 )' "( 1 1 )式の関係を図示すれば,第 3図および第 4図を. ・ (5) Dombusch,R .,o p "c i t .( D e c .1 9 7 3 ) および Dombusch,R .,R e a landMone‑ N a t i o n a l Monetary t a r yA s p e c t so ft h eE f f e c t so f ExchangeR a t e Changes,( P o l i c i e sandt h eI n t e r n a t i O n a lF i n a n c eSystem,e d .b y .A l i b e r,1 9 ( 4 , pp,6 4 ‑ 8 1 ).
(5) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ R' ドーンブッ νコーの開放経済学の貨幣的側面(1). 2 1 7. -49~. 得る。いま,第 3閣において,貿易開始後の生産点が生産可能曲線上を S点か ら C点へ移動すると仮定する。他方,その場合の消費点は,所得{支出線を. ORとすれば,実質所得 E如何に依存し OR上の T,I,Nのような各点 i によって 示されてくる。そのうち J点は,所得が支出に等しく (Y=E), 一方で貿易財 第. 3 図. 市場で超過供給と非貿易財市. Xr. 場で超過要需を持つ点であ. E. る。非貿易財市場での需給が 均等となり ( 1 0 )式 が 成 立 す. Y. R. るよろな場合は,支出水準 E を減少して,予算線が N点を 通る場合である。しかし,こ の N 点では貿易財市場は,. CNだけ超過供給となってく る。他方,貿易財市場での需 必 N. 、 ‑pNIP1)0. 給が均等となり ( 1 1 )式が成立 するような場合は,支出水準. Eを増大し,予算線が T点を通る場合である。 しかし,. この T点では非貿易. j 話市場は.CTだけ超過需要となってくる。このような諸関係を,. 価格 P N / P Zを想定して導出し, ば,第 4図の. S 点は第. 種々の相対. それらをまとめて描くと第 4図をうる。例え. 3図の. S} 誌に対応し, 第 4図の価格. ( P N / P T )0 は,第 3図の予算 線の勾配に〈絶対値で)等し くなっている。また,小文字 の n,t ,J の各点は,第 3図の. /'. N,T,I仰 に 対 応 す る 。 :PN'P1)o f ーフゲーオーーミ すなわち. yE曲線の右方は. Y>Eの領域を,その左方は. IN. E '. t. ' 1. 』 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一‑ E, y.
(6) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑ 50‑‑. 2 1 8. 第5 5 巻 第 2号. Yく : Bの領域をあらわし,また. NN曲線の上方は非貿易財市場の超過供給の領. 域を,その下方は非貿易財市場の超過需要の領域を,さらに TT曲線の右方は 貿易財市場の超過需要(貿易収支赤字Jの領域を,モの左方は貿易財市場の超 過供給(貿易収支黒字)の領域を,あらわしている。かくして,第 4図の 曲線と. YE. NN曲線およひ TT曲線は, (8)(9)式と(10 )式および ( 1 1 )式の諸. 関係を示したものといえる。 上記の (8)(9)式と同じように(1)(2)式をも実質援で表わして,. L=kY=k(Xr+PlVX"I/Pr ). (1つ. PT=N/e. (2 つ. と書き改める。ただし , L = = . L / P Tである。保蔵は. M) となり,また支出函数は. H=ν(L‑M)=H(PlV/ P T,. E=Y‑Hとなる。そして,予算制約式はー. (8). (9)式を用い,. H=(X7‑DT )+( PlV/P )(XN‑DN ) T と書きうる。かくして,非貿易対市場の需給が均衡. ( 1 2 ). (XN=DN )す る 上 記 の. NN曲線では貿易収支黒字(貿易財の超過供給)は保蔵 H に等しくなり, 他 方実質所得が実質支出に等しくなり ( Y=E)保!裁がゼロとなる (H=0)YE 曲 線上では貿易収支赤字(貿易財の超過需要〉は非貿易財の超過供給に等しくな る。また, (3)式は. M=B=‑eM*. (3 つ. となる。そしてこの場合,短期均衡は,各国の非貿易財市場の需給が均等とな る状態として定義される。この短期均衡では,貿易財の需給は不均等であり貿 易収支の赤字あるいは黒字の状態を含んでいる。そして,当然の ζ ととして, 貿易収支黒字は計画された保蔵に等しくなる。これに対して,長期均衡は,非 貿易財市場が均衡でかつ. B=0であるような状態として定義されることにな. る 。 第 5図は, これらの短期および長期の均衡を図示したものである。保戯曲線. H 'は,所与の為替相場と貨幣供給量の下で非貿易財価格に関し;憎加函数とし ‑C,右上りに措かれてくる。他方,非貿易財市場均衡の NN曲線は,右下りと.
(7) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 2 1 9. R ・ドーンプッ. νュの開放経済学の貨幣的側面(1). し℃描かれる。すなわち,それは,もし PN/P rを一定とすれば. ‑ 51‑. ( 1 0 )式にみる. ように保蔵 H の増加が実質支出の減少を意味することよりして第 4図で考察 した非貿易財市場の超過供給を作り出し,そのため非貿易財市場の需給を等し くするように PN/P rを下落させる必要があるからである。ちなみに ,P=P N/. ハU. JU. M H. 一N. 一 D. 丁十. 制H. 一 L n y 宜 ︑ 川 一au. ︑ ︑ ︐. 晶. 一N 一"リ τ r. ︿. 一 一AM. Prとし ρ=d ρ / ρ とすれば, NN曲線の勾配が負となることは, ( 1 0 )式から ( 13 ). となり,また H=H( ρ,M)および M=M/PrとM=const.を考慮すると H曲 線の勾配が正であることは,. 、.司. f. ρ=す dH>O. ( 1 4 ). となることより明らかであ右;ただし ,e N三 (8XN/ゆ ) ( ρ' / X T jN = = ' ‑ ( ρ/ N)>0,. DN)C 8 D 8 ρ十 (8DN/8E)(8Y/8ρ))>0, mN=( 8 D 8 E )ρ>0, α三 ( 8 H / 8 ρ〉ρ N/ N/. 'と非貿易財市場均衡曲線 NNとの交点。は,上 >0である。この保蔵曲線 H に規定した短期の均衡を表わしている。そして,一時的に相対価格かが成立し, 貿易収支の赤字 B 'とそれに伴ラ貿易ストックの減少を生じてくる。貨幣の名目 量の減少は,為替相場を所与とする限り,保蔵計画表 H'=H'(PNIPr,M) を. H 曲線へ下方に νフトさせる。かくして,保蔵曲線と するような場合の交点すなわち. NN曲線とが縦軸で交文. S 点、において長期均衡が実現することになる。. なお,以上の短期均衡の点 αは第 3図における. N点 あ る い は 第 4図における. NN線上の点に対応し,他方長期均衡の点 S は第 3図の S点あるいは第 4図の s点に対応している。そして,第 5図 の 短 期 均 衡 価 格 ム は 第 3図 の 相 対 価 格. (PN/PT)0に相当している。したがって,保蔵計画 H(PN/Pr,M) ゆえに貨幣 ストックに対する需要および供給 ν(L‑M) の状況如何によって財市場におけ る相対価格並びにニ財の生産および消費の関係が影響されてくることになる。 勿論,これらの関係は,価格と賃金の伸縮性並びに資源、の自由移動性や完全雇 用,さらに各国で不胎化政策をとらないこと等を条件としている。 (6) DOInbusch,R .,D e v a l u a t i o n,Money,andN o n t r a d e d G∞d s,A.E.R. ,Vol . 6 3,no、 5 Dec, 1 9 7 3.
(8) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑52‑. 第5 5 巻. 2 2 0. 第 2号 第. 以上のドーンブツキノェの貿. 5 図. PN;P1. 易財と非貿易財の二財モデノレ. H '. 〆. において,為替相場切下げの /〆. N. ". /. ﹀ ar u. ︾っし市川. ddro. Zコ. よ衡 の均 次の と期 る長 みに て期 え初. をる 果な 効に. が第 5図の. /. .H. ノ. /. / ' 〆 H". po. ノ. /. S点にあり為替相 S. 場切下げが行われるものとす. g. b,,/. 四一ーーーうf. /. /. g. /白. る。名目貨幣鼠を一定とする それは貨幣の実質価値. と ,. /. /. 〆'・. ¥¥N. /. 〆. a 〆'. ,/ ,. M=M/Pr=M/ne を 減 じ (外国の価格 P~ を一定とする〉. /'. 一一 官. o. 」一一一一一一一一一 H B. それによっ℃相対価格が不変にとどまる限り S点を q 点の方へ右に移動させる. 、 点v l,NNl曲線の上方の領域にあり, 非貿易財の超過供給 ことになる。 この S) を引起す。かくして,短期均衡点 bが得られるまで, P~e の下絡を生じてくる。そ乙で,保蔵曲線 H' は,. 相対価格. PN/ P1'=P 7 ' i !. H"へと乙/ブトする。. カ ミ. くして,為替相場切下げは,切下げ国の貿易収支を改善することになる。ちな ろ え に ,. 1 0 )式と世界全体の貿易財市場需給の均等式 H十 H*= これらのことを (. Oを用いて求めてみる。先ず ,H=H( ρ,M)を全徴分し. dH=α ρ 十 βP1' を得,. これに上記の ( 1 3 )式を代入して. dH=γβPr を得ぷ;〉ただし, β三一泊(8H/8M)>0,γ正. ( 1 5 ). 1/0十 α0)>0,o=mヘ仰N 十. 町 〉 ρ D ρ Oであよどこのは 5 )式 はp そ の 制 過 程 か ら し て , 既 に 非 貿 易 財 市 場の均衡条件を示す ( 1 0 )式の関係を含んでいる。 そこで,. (7) 上記の. 残されたものは,. dH=dP+βPrでt=const,とすると ,dH=βPTを得る。この βPlは ,. 点への移動を表わしている。この βPl と(15 )式の値と は , 'Yだけ異なっている。との 7 は q点から b点への移動を生じるものであるといえ る 。 (8) 完全な代替性を仮定するとわ=∞で o=0となる。 第 5~ において S}.えから q.
(9) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 2 2 1. R ・ドーシプッ. νュの開放経済学の貨幣的側面(1). 世界全体の貿易財市場詰給均等式 H十 H*=0である。. 山 ‑. これから. 53. dH+dH*=. βγPy 十 β*ゲ~(PT-e)=O を主浮き,整問し℃. ら. β*'y*. 士ーバ. 青函7丙豆‑;‑eニ. LT‑. υ ι. ,. O<()く 1. ( 1 6 ). を得る。この ( 1 6 )式を ( 1 5 )式に代入し,. dH=βγ(}e>O. ( 1 7 ). を得る。これが求める為替相場切下げの貿易収支に与える効果である。各係数 は,すべて正値である。ゆえに,これは貿易収支が改善することを示している. 17 )式を ( 1 3 )式に代入し t = ‑8 ' β, , /( } e をラる。 ことになる。なお, (. また,同. じような方法で外国についてゑ*='8β*,,/*i(Iーめを得る。そこで,. 為様相場. の切下げが,切下げ閣の相対価格 P r v / P Tに与える効果は負であり,. その他の. 国に与える効果は正である。また,このような為替相場切下げの背後には,貿 吋生産部門への資源の移動と非貿易財への国内需要の乙/アトが生じ,生産部 易j 門聞の資源の再配分による生産要素の相対価格変化と所得分配の変化が起って いることは,いうまでもない。さらに,上記の第 5図の煩期均衡点 bは,貿易 収支黒字と国内通貨車の拡大を伴っているので,そこに反くとどまることので きない点であるといえる。すなわち,各国の貨幣供給量の変化は,いずれ保戯 曲線を再び H 曲線の方へ i/フトさせることになるからである。その結果,最終 的な為替相場切下げの長期効果(切下げ国からみて〉は,単に名目貨幣の増大 とその切下げに比例した貨幣価絡の騰貴だけとなる。そこに,何等の実質的な 効果も残さないのである。 最後に,以上と同じようなこのこ財モデルて"あるが,貿易財と非貿易財の二 財でなく,ニ種の貿易財のみからなるケースについてドーンプッ. νュのモデノレ. を考察することにする。保蔵函数 H=H(Pl,P2 ,M)は,一決同次であるから, 第 2財をニュメ. ν i ーノレにとり H=H(Pl/P2,M) と規定することができる。. (9) 条件 Oく Oぐ 1から,相対価格の変化率は為替切下げ率より小さくなる. ま. ( t ‑ く ら 。. ( 1 0 ) D o r n b u s c h,R .,C u r r e n c yD e p r e c i a t i o n,H o a r d i n g s,a n dR e l a t i v ePI ' Ic e s,J " P" E",V oL 8 1,n o " 4,J u l y / A u g,1 9 7 3 ".
(10) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 54ー. ←. 2 2 2. 第5 5 巻 第 2号. た,実質支出は.E=Y‑Hである。したがって,. 各財に女寸ずる超過需要函数. ~i.. Di ( P I / P 2,E)‑‑X, (PI / P 2 ),. i=1,2. ( 18 ). として示されてくることになる。他方,両国の価格関係を示す式は,. Pi=pte. ( 19 ). となる。したがって , PUP~=P I/h である。そこで相対価格をすべて PdP2 で書ぎ改めると, このモデノレの均衡関係は,世界全体の各財の超過需要の和が ゼロとなる. Di (PI /P 2, E)+m(pdp2, E*)‑Xi(PI /P2)‑Xf(P I /P2)=0 i= 1, 2. ( 2 0 ). 並びに両国の保蔵の和がゼロとなる. H(PI /P2, M)十 H*(PI /P 2 .M竹 =0. ( 2 1 ). に よって示すことができる。 i. この. ( 2 0 )( 2 1 )両式の三方程式からなるドーシブッ乙/ュのモデノレは, 各国の. 予算制約関係 Y=E+Hおよび Y*=E*十 Hへすなわち. (PdP2)(DI(P P 2,E)‑XI(PI / P2))+(D2(PI /P 2 . E) 1I ‑X2(P1/ P 2 ) )+H=0. ( 2 2 ). (PI /P 2 )(D f C PI /P 2, E*)‑Xf(PI /P 2 ) )+( D 2 ( P I / P 2, E*) ‑X~ (PI /P 2 ) )十 H*=0. ( 2 3 ). から導出される. (P1/P2)(DI‑XI)+(D2‑X2)+H+H*=0. ( 2 4 ). の関係よりして,そのうち一つの方程式の独立でないことが容易に見出され る 。 以上のドーシブッ乙/ュの二種の貿易財モデノレを図示すると次のようになる。 第 6図は,所与の名目貨幣量と所与の為替相場の下で描かれたものである。. EDi=O曲線は;世界全体として第 i財の超過需要がゼロであるという ( 2 0 )式 i=1,2),H=‑H*曲線は世界全体の保蔵の和がゼロであるという を表わし (.
(11) isillit‑‑. OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ. 争. 2 2 3. R・ ド ーンプッ l. νュの開放経済学の貨幣的倶u商(1). 6 ~J. 第. 第. 7. ロヮA. P1. ED2ニ. o. ~. /Q /. b. ‑55‑. / a ' ///J// 〆. H(PJ /P2,MI. ED1=O. / 〆r. *. 2. M. /. Dl. 口H. 判. O. ‑ P. /¥P1/ P2. 日ニ ‑H*. ・P? ・一一一一ーゼァー H*. ハ. 1. Wl. リ. M. M,‑H*. ( 21)式を表わしている占これに対し破線 OQは一定の相対価格 P l /P2= c o n s t . を表わす直線である。そこで,交点、 αは , ( 2 0 )式と ( 21)式が同時に成り立つ 均衡点を示すことになる。そして,ここに示した実線の三曲線のうち一曲線は, 均衡解をうるために必要でないことがわかる。いま ,OQ線上を上方に a '点ま. lと P 2がともに上昇す で(例えば)移動するものとする。これは,貨幣価格 P ることであり,価格水準の比例的騰貴を意味している。この関係を第 7図に移 して考えると,それは,名目貨幣量的と Pt /P 2を所与として描いた H 曲線と H*. 曲線の交点で示される価格 P2 が P~ から P~ へ騰貴することを意味してくる。 そして,その価格凡では,距離 ABで示される世界的な保蔵の超過需要(財の 超過供給〉が生じてくることになる。. このことからみて,. /P2= 第 6図の Pt. c o n s t . を表わす OQ線上に沿った α点からゲ点への移動は ,H+H*>Oの状 態を引起こすことがわかる。さて,他方策 6図の H=‑H*線上に沿った α点か ら b点、への移動は,一国の出超が他国の入超に等しく (H=‑H*)維持すると. /P2の変化を意味している。そこで,その効果は ,( 2 0 )式の第 きの相対価格 Pt 1財の世界的超過需要方程式と ( 21)式を用いて次のように導出することがで きることになる。先ず, ( 2 0 )式を微分し , lp‑mldH‑mfdH*=0. を得る。ただし,. ( 2 4 ). ρ=Pl/P2,ρ=dρ / ρ ,L 1=ED2 ( 可十 ポ十 ml‑m1) く Oであり, l. ( 1 1 ) これらの曲線 φ勾配は, ( 2 0 )( 2 1 )式から容易に導出しうる。.
(12) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 2 2 4. 第5 5 巻 第 2号. ‑56ー. η,7 1 *は補償された超過需要の弾力性 , ml,mt は第 1財 の 限 界 支 出 性 向 で あ. る。なお, ( 2 4 )式の第 1項はマー乙/ヤノレ・ラーナーの安定条件に関わり,第 2 項および第 3項は保蔵に関する項である。そこで, ( 2 4 )式に dH=‑dH*の関 係を代入して. d ρ 十 (mt‑ml)dH=0. を 得 ・. 2 ;この (25)式は,. ( 2 5 ). 第1;はの超過需要をゼロに維持しながら. G 点から. b. 点、へ動くとき必要とされる関係を示している。次に, ( 21)式を微分し. (α 十α*) 良一 (β+β*) 九十 β*~ = 0. ( 2 6 ). を得る。こ れに H=H(Pl/P2,M)菌数を微分して得る関係式を用いて, i. 整理. すると,. dH= ( 8 ‑ ‑ 8 * ) P十 γ8. ~V. を得る;ただし , o= α〔β/(β+β*))>0,o*吉川〔β / ( β 十β*)J>0,γ吉 β〔β*. / ( β 十β * )J > 0,α三 (8H/8ρ〉ρ>0,計三 (8H吋 ρ)ρ>0,βE一M( 伺 8H刈 /8M). >O, β s* = : =一 一M 凶 ¥ 1 ' 埼 i ペ. 一. 関係を無視したときの曲線 H = H*に沿う α a " J 点友から b点への移勤を示してい る。そこで, ( 2 5 )式と ( 2 7 )式とを同時に成立させる関係を求めると, 〈. ρ. 1 . . *. 叫 れ ー 悼. ー〈. ヲ竺ー(I+A)γe. dH=(1十入〉 γ;. ( 2 8 ) ( 2 9 ). を得る。ただし,入芸 ((ml‑m t )(o‑o * )J /( L 1一 (mlー n の(o‑o*)JミO であ る。この関係は, ( 2 0 )( 21)の両式を維持しながら a点から b点へ移動する場合 の関係を示したものといえる。そこで, ( 2 8 )( 2 9 )式は,. 為替相場を切下げる. ( 1 2 ) M u n d e l l,R " .lntemationalTrade,1 9 6 8 " pp.11‑16. ( 1 3 ) これら ( 2 4 )( 2 5 )式から第 6図の ED1=O曲線の勾況を導出しうる。それは正負ゼ ロのいずれでも妥当する。ちなみに .dH=‑dH*を代入した ( 2 5 )式の b点でみる と,安定条件ムく 0でかつ,m*l‑ml>Oのときのみ,右上りの ED1=O曲線が得ら れることになる。 ( 1 4 ) M+M*=const. とし H吉 M/Pzおよび M *‑=‑M*/P *=M 匂/んであることに注意 2 して整理すれば容易に導出しちる。.
(13) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 225. R' ドーンプッ. νェの開放経済学の貨幣的側面(1). ‑57‑. ときの均衡解を表わす町ものとみることもできる。ゆえに,為替相場切下げの効 果は,上二式にみるように,入の値如何に依存してくる(ただし , ml~mr>O と仮定している)。すなわち,もし o=o*ならば,為替相場の切下げは P1 / P 2を 上昇させ,貿易収支を改善させどまた. a ‑ . a 叫. O ならば,. その正負を確定. / P 2が保蔵函数に与える効果 α,α*の二国閣 できない。すなわち,相対価格 P1 の差異に依存することとなる。 以l::,われわれは,. ドーンブツ乙/ュの初期 ( 1 9 7 3年頃〉の論文を中心に彼の. 考えをみて来た。その最も単純なニ国二貨幣でー財からなるモデノレと貿易財非 貿易財のこ財からなるモデノレおよび二種の貿易財のみからなるモデノレ等を考察 するとさ1",そのすべてについて共通に存在する特徴は,周知のように,貿易収 支を貨幣現象として把え,実質変数がその貨幣ストックの需要のみを通じて貿 易収支に作用してくるとする点にある。すなわち,それは,最も単純なー財モ デノレについて再記すると,次式のよろに集約されてくる。. PY=E十H. ( 3 0 ). H=B=M=ν(L‑M). ( 3 1 ). L=PkY. (1). および,二国聞の関係として. である。. P=P*e. (2). M=B=‑.eM*. (3). M(const.)= M+eM*. ( 3 2 ). ( 3 0 )式における支出額 Eは , ( 31)式で事前的に決定される保蔵 H や. 生産関係から与えられてくる実質所得 Y と異なって,事後的に決められる変数 として規定されている。したがって,それは,通常の支出函数のようにリアル に関する事前的決:富によって決定されるものではない。このことは,例えば, ( 1 5 ) この ( 2 9 )式は, 1)=ゲ で,L =kP'[Y,L*=k*P1*Y*,H=u(L‑M), H*=日 ( L * l. ‑M*) とすると,以前の(7)式と同じ型式のものになってくる。 ( 1 6 ) Kemp,D .S .,A M o n e t a r yViewo ft h eB a l a n c eo fP a y m e n t s(TheMonetary Attroach t oI n t e r n a t i o n a lA d j u s t m e n t,e d s . dy B .H. Putman a n dD .S . 1f o r d,1978,p . p . 49‑64) Wi.
(14) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑58ー. 第5 5 巻 第 2号. 226. 貿易財と非貿易財のニ財のモデルを描いた第 3図 に つ い て み る と , 超 過 需 要. CTや超過供給 CNを導くような支出 E が ( 31)式の保蔵額 H の大きさ,すな わち貨幣需要 Lの大きさに依存して事後的にのみ決定されてくる性質をもつこ とから容易に理解しうるところである O したがっ‑C,貿易収支 B のみならず, 相対価格 P N/PTゆえに生産量(一財モデルを除く,他の二財モデルでは両財 31)式の関係を通じてのみ,決定されてくるこ の相対的生産量)のすべてが ,(. とになる。 次に,ハイ・パワード・マネーの発想に基づいて,園内貨幣供給量を対外準 備資産 R と圏内信用 D の和 (M=R十 D) として規定すると, ( 31)式は,. R=B=v(L‑M). ( 3 3 ). となる。にれは,対外準備資産(国際通貨)に対する需要函数を表わしている ものと解釈することができる。そこで,上記のドーンブツ乙/ュの特徴は,単に 国際通貨の需要を各国の国内貨幣に対する需給の差のみの函数として把えた結. n. 果であるとみることがでさる。モこにある係数 νは,圏内の貨幣ストックに対 する需給の差を国際通貨準備の変動に結びつける係数であり,もし Rを国際通 貨のプローと解すれば,国際通貨フローと国内貨幣のストックとを結ぶ調整の スピード係数であるといえる。したがって,先ず第ーに,為替相場切下げのよ うな為替相場変動のケースにおいて,なおそれを一定不変として用いる根拠 は,何処にあるのか明確にしえな L、点に問題が生じる。すなわち,為替相場が 変動すれば, vの値は変化し ν=ν ( e ) となる。そして,. その為替相場の切下げ. 3 3 )式の関係を通じ直ちに貿易収支の大いさに作用してくる答である。そ は , ( 1 6 )( 1 7 )( 2 8 )( 2 9 )の各式の修正を必要としてく して,このことは, (6)(7)(. る。さらに,極端なケース,すなわち完全に自由な変動する為替相場を考える と,このときの貿易収支は,理論上常にゼロとなる (B=0)。そこで,それは. 31)および 国際通貨の変動 Rが 国 内 の 貨 幣 の 超 過 需 要 に 関 わ る と す る 上 記 ( ( 3 3 )式を全く意味のない函数にしてくる。そして,圏内貨幣に対する超過需要 が対外取引によっ七満される (M=R=B)ことは,理論上も実際上も期待しえ なくなる。ゆえに,このようなモデノレを維持する限り,その理論と自由変動栢.
(15) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ R. ドーシブッ乙/ュの開放経済学の貨幣的側面(1). 2 2 7. ‑.59ー. 場制の両立は考えられず,対外取引に従事する貿易業者の不満の絶えざる蓄積 によって最後には固定相場制に対する強い要請となってはねかえってくること になる。次に第二として,上記ドーンプッヰ/ュのモデ Jレは..,国際通貨フローに 対する需要函数が全く圏内の貨幣の需給だけの反映であるとする点に問題が生 じる。すなわち,それは,国際取引に必要な国際通貨に対する独自の保有動機 を,すべて無視している。自国の国内通貨がそのまま国際通貨でもあるような 基軸通貨国を除いて,他のすべての国は,園内の貨幣に対する需給と一応別に, 国際取引のために国際通貨を保有するというような国際通貨に対する取引需要 や予備的需要および投機的需要の各種動機を持たねばならない。例えば,一国 の対外準備の保有高が極端に減少するケースを考えると,それは,その国の破 産を意味し,対外信用を大きく損い,国際取引の全般的な崩壊を導くことにな る。ゆえに,当該国の国際通貨に対する増加要求は,園内貨幣の超過需要如何 にかかわらず,存在するとみねばならない。 一見して明らかなように, ( 3 1)式は,以上の諸々の問題点を除外しても,各 国の国内貨幣の需要函数を L=kPYとすることから,過度に単純化した形で記 述されているといえる。この点をより一般化するように拡張し例えば利子本の 導入や予想を考慮するととは,. ドーンプッ. νュ自身によっても取扱われてい. る。しかし,われわれは,それらの諸点へ進む前に,上記の単純化されたモデ ノレの範囲内で,. ドーンブッ乙/ュの考えた貨幣的側面からリアノレの側面への作用. に関して,彼の示す若干の政策効果分析とともに, より詳細に考察することと しよう。. I I 若干の政策提言の考察 先ず,前節において述べたこ種の貿易財のケースについて,為替相場切下げ. 2 8 )式 ( 2 9 )式を第 6図や第 7図と同じ方法で図示すれば,第 8 効果を表わす (. ( 1 7 ) F u j i t a,M.,担dN. Miyata,The Demand f o rI n t e r n a t i o n a lC u r r e n c i e s and R e s e r v e s,KobeE c o n o m i c s& B u . s i n e s sReview,2 4 t hAnnualR e p o r t,1 9 7 8 ..
(16) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑60‑. 第5 5 巻. 第 2号. 2 2 8. 図および第 9図を得る。為替相場の切下げは, もし相対価格 ρ=P J /P 2を不変 に維持すれば, 第 8図の外国の保蔵 ‑H* を同率で上方、へ νフトさせることに なる。そして, その乙/ブト率は ( P;‑PP/P222である O このことは, もし切. l,P 2が不変であれば外国価格の同率の下港と実質所得に較べ 下げ国の価絡 P た実質支出の増大すなわち外国の保蔵の減少を導くこととなり,他方もし切 F げ国の国内価格が切下げ本と同じ率で騰貴すれば外国の保蔵を不変に残すこと となる. ζ. とからし て , 明らかである。 そこで,第 8図において,市場の均衡は, l. 8 図. 第. 主 事. 9 図. Pl ¥ ¥. ノ 一 ︑⁝ P¥ ︑ 1山 ︑} 2 ︑ P. Q. 2¥. A '. HIpO,M:. 第. O. H. P *. ¥. ¥. 一 M. ︑ 可 ︑ ︑. 中. 02 P A. EDFO. * (,f V l*. H 占. O. B. pO. I. ' M, ー 1ホ. 一 一 一 一 一 一 一 一 一‑P2 H =,‑H*の点で決定される。ゆえに,均衡価格は,園内価格における (P;‑. Pg)/pg の騰貴と,外国価格における (p~. ‑ p ;)/Pgの下落によっ て表わされて l. , OBに相当する貿易 くる。かくして,両国の保蔵 H および負の保蔵 ‑H*は 収支黒字を生じることになる。 このとき,各財の市場では, 第 9区!でみるよう な関係が得られている。すなわち,第 9図において,為替相場の切下げは,価 格水準を初期の AO点に維持するとすれば,. 自国の実質支出を不変に残し他方. で外国の実質支出の上昇と両財市場での超過需要を作り出すことになる。 しカミ し , もし自国の価格が切下げに逆比例し A"点で示される水準まで上昇するな らば, そのときは外国の実質支出を不変のままにし他方で自国の実質残高の減 価による実質支出の減少を通じ両財市場で超過供給を作り出してくる。 そこ ( 1 8 ) Dombusch,R .,C u r r e n c yD e p r e c i a t i o n,H o a r d i n g,a n dR e l a t i v eP d c e s,J,P . E" Vo l .8 1,noρ4J u l y !Aug" 1 9 7 3,.
(17) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 2 2 9. で ,. R .ドーンブッシュの開放経済学の貨幣的側面(1). ‑ 61ー. これらの中聞の例えば A '点へ移動するものとみなければならない。. しか. し,この A ' ) 誌での実質支出の変化は ,(mr‑ml)dHだけの第 1財の超過需要 を生じ ,(mt‑mz)dHだけの第 2財の超過需要を生じてくる。もし,両国の限 界支出性向が等しいならば (mt=mi'i=1,2) この両財の市場での超過需要 はゼロとなり,したがって. A '点上で EDl=0曲線と ED z =0曲線並びに H=. ‑H*曲線の三つが互いに交叉し相対価格合不変に残し均衡に到達することに なる。しかしながら,もし m~>mz のよろな分配効巣があるとすれば , A' 点にl. おいて第 2財の超過需要と第 1財の超過供給を発生させ,相対価格が W 点、へ移 動して,はじめて均衡に到達するようになってくる。そこで,かかる場合の為 替相場切下げの効果は,向財の価格水準を為替相場の切下げ率以下に騰貴させ ることと,相対価格を変化させることであるということになる。そして,その ような変化の下で,第 8図でみたような切下げ国の貿易収支黒字が生じてくる のである。 以上のよラなドーンブッ乙/ュの為替相場切下げ効果を,通常のロビンソシ・ メジラ -:!Å~i の切下げ効果と比較してみると,次のようになる。ドーンブッシュ. によれば,通常の価格弾力性による切下げ効果の分析は,輸出および輸入両財 に関する供給函数や需要函数がそれらの名目価格のみの函数であるとし,相対 価格や実質所得並びに実質支出に全く無関係であると仮定 し,さらに予算制約 y. を考慮に入れて考えるならば為替相場切下げの結果輸出および輸入の各財市場 におい℃生じる jl.}~および供給曲線の乙/ブトが個々別々の互に独立に生じうる. ような状況にある場合のみ妥当する理論であるといラことになる。そこで,こ れらのことをみるために,二種の貿易財以外に別の財例えば非貿易財が存在す るケースを考え,. ドーンフ ツ己/立にしたがし、次のように分析を展開することと e. する。. ( 1 9 ) 第 9図の A'点は H=‑Hネ曲線上にあることを注意してほしい。なお m2*く m2 のケーヌも充分考えうるが省いている。 ( 2 0 ) Dombusch,R . .,E x c h a n g eR a t e sa n dF i s c a lP o l i c yi n aP o p u l a rM o d e lo f I n t e r n a t i o n a lT r a d e,A . .E R. VoL 6 5n o . 5D e c .1 9 7 5 . ゎ.
(18) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑‑‑62‑. 第5 5 巻 第 2号. 230. いま,二種の貿易財相互間の相対価格 ρ=P I / P 2を一定とし,上記モデ lレを 一種類の貿易財と非貿易財のみからなるかの如くに取扱い,財政々策によって 非貿易財市場の需給の均衡を保持しその価格を常に一定とするものと仮定す. 0図によってみ る。この関係を前節に掲げた第 3図と類似した形式で描いた第 1 第. 1 0図. てみることにする。ただし,非貿易 財の限界支出性向は 1と仮定する。 そこで,第 1 0図の BC曲線(所得支. XT.Dl. 出曲線〉は横軸に水平の直線とな る。初期値 S o点は,. 長期均衡点を. 表わしている。貿易によって相対価 格. PT / PN. は騰貴し,生産均衡点を. n u. ‑. S o点から A 点へ移動させ, XN1D N. 消費均. 衡 点 を ふ 点 か ら C点へ移動させる。 そして,非貿易財の超過需要 BCを 生じ,他方貿易財の超過供給 ABを. 生じる。そこで,非貿易財の名目価格を一時定に保持するために,政府は,非貿 易財の超過需要 BCを,所得税の賦課によって吸収せねばならない。必要な所 得税の増加は,非貿易財の限界支出性向を lとすれば,非貿易財の超過需要 BCに等しくなる。その所得税賦課は,. 予算線を内側に乙/ブトさせ,消費均衡. 点を C点から B点へ移動させる。かくして,. 非貿易財の限界支出性向を 1と. する仮定と政府の所得税賦諜の仮定によって,貿易財の超過偽恰(貿易収支) に何の影響も与えずに非貿易財の超過需要だけを除去することになる。このよ うに非貿易財の名目価格を一定に維持するならば,そのときの貿易収支は,非 貿易財の価格 PN と全く無関係になり,貿易財のみの名目価格に関する函数と なってくる。同じ議論は,外国についても妥当するから, ロビンソン・メツラ ーのケースと同じような形式で. B=B(P)=X(P . , )ー ( P m / P ,.) M(P 悦). ( 3 4 ). B * = B * ( P * )=(P-:'/P:)X*(P~)-M*(P~). ( 3 5 ).
(19) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 231. R ・ドーシプッ. と規定されてくる。. ( 3 6 ) し だ た. P=P*e. ‑63‑‑. νコの開放経済学の貨幣的側面(1). Bおよひ B*は両国の実質貿易収支,. は両国の輸出供給, Mおよび M*は両国の輸入需要を表わし,. xおよび x *. また. P および 匁. l. Pm は切下げ固からみた輸出財と輸入財の名目価格を表わしている O なお, P は合成された貿易財の名目価格である。初期において, れる。 そして,上記の合成財の仮定から. P =Pω=p と仮定さ 叫. P /P= c o n s t . である。 叫. " ,. 為替相場が切下げられ ( 3 6 )式 の 関 係 を 通 じ て 非 貿 易 財 と 較 べ た 貿 易 財 の 相. oから A点へ乙/ブ卜するものとする。勿論, 対価格が初期の長期均衡点 S. この. 場合上記の仮定によって非貿易財の名目価格は, 一定に保持されている。生産 資源は非貿易財の生産から貿易財の生産に,支出は貿易財から非貿易財の方に 乙/ブトされる。 その結果切下げ国の貿易収支に黒字を生じてくる。 しかしなが ら ,. 1図に 示 との過程を第 8図と同じような方法で図示し考察してみると, 第 1 l. す如く新しい短期均衡点、での切下げ国の価格騰貴は為替相場の切下げ率 (P"‑. P O ) /poより小さな値 (P'̲PO)/poとなり,一方外国の価格下落は (P"‑P')j po となることがわかる。そして, その点での世界貿易財市場の均衡条件は. ( 3 7 ). B(P)= ‑B*(Pje). によって与えられる。ただし,第 1 1図が以前の第 8図 と 異 な る 重 要 な 点 は 第. 1 1図では貿易収支の黒字あるいは赤字を各国の国内貨幣の超過需要の函数とし て把えていな L、点にある。そこで,第 1 1図は,保蔵曲線でなく貿易収支を示す 第. P. B(P)曲線または ‑B*(P/e) 曲線を. 1 1 図. 描いているのである。かくして,新 しい短期均衡点において為替相場切 下げ国は貿易収支の黒字 OBを生じ. 0 てくる。 このとき,外国では,第 1 図とは逆に,予算線の勾配の絶対値. 、 、 ¥. 言(P). ¥¥IP ¥. P. ¥. ー ー み ど 目 、 、. 、 、 ¥一吉 * ( P / e '). 1 ¥ B. i. pO. がより小さくなり,貿易財の相対価 一B*(P/e0). 格が下落してくる。そして, そのた めに貿易財の生産縮少と非貿易財の. O. B.
(20) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑ 64ー. 第5 5 巻 第 2号. 232. 生産拡大が起り,他方で貿易財の需要増大と非貿易財の需要減退が起る。そこ で,非貿易財の超過供給を除去するため,政府による課税の軽減が行われる。 そして仮定から非貿易財の限界支出性向を 1とすれば,切下げ国の黒字に等じ 3 7 )式が成り立 い外国の貿易収立の赤字が生じ℃くることになる。かくし‑‑C, (. つ。しかし,この場合に,切下げ国の課税の増大と外国のその軽減の大きさは, ともに貿易収支に等しくなる。そこで,為替相場切下げの効果は,切下げ国か ら外国への所得のトランスファーと全く同じ結果になってくる。にの閣の関係 は , ( 3 4 )式および ( 3 5 )式を Pm/Px=1,Pm=Px=Pと置いて微分し五注目ー. P悦 , M* 口 --'1J*P~. X=EP向 X*=E*P~ と定義して得る 可. dB P dB* p* dPま つ‑‑σ=E‑十可 , dP* M*CT*= E十万本 ψ. b. ( 3 8 ). を用い, 庁*. 〈. ー庁. 〈. ( 3 9 ). P=ー弓‑‑ . ‑ e, p*= --:~-:;;- e 。十 σσ 十 σ~. となる。ただし .q および刊は,非貿易財と貿易財の閣の相対価格変化に関す る貿易財の超過供給(貿易収支黒字〉の弾力性である。 ( 3 9).式は,非貿易財価 格を一定とするとき,為替相場の切下げによって生じる貿易財の価格変化が非 貿易財と貿易財の聞の代替可能性に依存することを表わしている。 ( 3 4 )式 を 微. 3 9 )式を用いると, 分し ( ー. 庁庁*. ( 4 0 ). dB=X耳~e. を得る。したがって,非貿易財の名目価格を一定に保持する場合の為替相場切 (ね). 下げに伴って生じる貿易収支への効果は,常に正となる。ただし,. この場合,. ニ種の貿易財のそれぞれの市場が均衡であるためには,たとえば輸入財の市場 ( 2 4 ). についてみれば, ( 3 9 )式 を 輸 入 財 の 弾 力 性 の 定 義 に 代 入 し た M =ー可Pm= ( 2 1 ) これらの弾力性は,いわめる補償された弾力性である。 ( 2 2 ) この ( 3 9 )式は, ( 3 7 )式を微分し定義式を用い, さらに ( 3 6 )式を微分し ( 3 7 )式に 代入するととにより導出される。 ( 2 3 ) σロ Oまたは σ*=0のときは dB=0となる。 ( 2 4 ) 輸出財の市場は,非貿易財布場均衡の下での三財モデルでは,当然輸入財市場の哀 側とし導かれてくる。.
(21) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ R ・ドーンブッ νコの開放経済学の貨幣的側面(1). 2 2 3. 65‑. 庁 * へ ー 庁 * 五両手~e (ただし P~, =P*) の値から得る. 一η子晶玉 e,X*=t*Pト.̲̲.E*. 庁 n ‑ * r. c . *. 柄 、 八. dM‑dX*=X 一 一十 一つ ァ│一一...一一一一 一一一 r l e σ σ不 lE不十可ネ E 十可. ( 41 ). の(院がゼロとなることを必要とする。しかし,それは E内ーポ可ミ Oである限り 満されなし、。このとき輸入価格すなわち交易条件 Pm/Pxは,変動する傾向に ある。そこで,上例において,交易条件の変化を認めるならば, ( 3 4 )( 3 5 )式を 名目価格表示に改め ( 3 6 )式を Pm=P' : teと P方 =Pte と置き,. それらを微分し. 上記の価格弾力性の諸定義を用いて. dB=pxXr 主主自主土色三~~~_(J 二1二位--1 ~. ( E十可*)( E *十 η J. . l. ( 4 2 ). と改めねばならないことになる。この ( 4 2 )式は,いわゆるメッラーの安定条件 である。そして,この場合,交易条件に関わるご穫の貿易財の名目価裕変化は, 一 可. ︐. ハE. F二中. * 一 一. 一E. ︿. P. 一 一叫. p,.=一一十一可色 ァ2 本 E. ( 4 3 ). となる。かくして,とれらの考察から,われわれは,為替相場の切下げが, ( 4 0 ) 式にみるように輸出と輸入の両財聞の相対価格を不変に維持する場合常に貿易 収支を改善するけれども, ( 4 2 )式にみるようにその交易条件が変化する場合に はロビンソン・メツラーの安定条件式に帰着することを見出す。しかも,この 後者のクースにおいて,なお背後に非貿易j 討の名目価格を一定に保持するよう な政策が存在することを認めねばならないのである。 以上白からして,. ドーンプッ. νュは,. ロビンソシ・メツラーの安定条件の理論. が,各国において二種の貿易財のほかに別の財例えば非貿易財の存在を仮定し その名目価格を不変に維持するような所得税の斌課政策をとっていること,並 びに交易条件 P / Pxの変化の分析や貿易財 叫. と非貿易財の閣の相対価格の変化. からくる代替効果の分析を陽表的に取扱っていないこと,さらに実質所得およ ひ実質文出の効巣を全く無祝していること等の性格をもった理論であると結論 するのである。勿論,それが交文勝力性を無視していることは,輸出および輸 入がともにその名目価格のみの函数であることから,自明である。.
(22) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 第5 5 巻 第 2号. ‑ ‑66ー. 23. さて最後に,われわれは,これまで考察したドーンプッ. νュの分析を参考に. して彼の述べる安定化政策に関する提言を考察してみることにしよラ。その概 要は次の通りである。先ず,単純化して二種の貿易財の相対価格を不変とし, あたかも一種類の合成された貿易財と非貿易財のみが存在するかのようなケー スに限定して,所得税 Tの斌課を直接分析の中に明示した形で ( 4 0 )式を再度 求めてみる。乙の場合,為替相場切下げ閣の貿易収支は, B=B(P, Y‑T). ( 4 4 ). となる。ただし, Y ‑ Tは可処分所得である。これを微分し. ( 4 5 ). dB=uXP十 (1 -m~)dT/P. を得る。ここで, (l‑‑mけは貿易財に支出する限界性向を表す。第 1 0凶で説明 したよろに所得税 Tは,非貿易財市場の需給を均衡に保持するため dBに等し ( 2 8 ) 一 いだけの増税を行わなければならない。すなわち , dB=dT/Pである。そこで,. ( 4 5 )式から dB/X=( σ/mN> P=σP. ( 4 6 ). を得る。 ζ の (46) 式は,第 10図でのべたように m.~=. 1であれば, ( 3 8 )式に等. ヘ. t :. 干(P y*ーT*)を微分し σ*=σ*/m しくなる。外国に対しても,同様に B*=8 と置き上記の ( 4 0 )式を書きかえると, 一 庁 * dB=X 一一一一三一;:‑‑‑‑‑e σmN'*十 σ*mN. ( 4 7 ). ( 2 5 ) D o r n b u s c h,R . ,A l t e r n a t i v eP r i c eS t a b i l i z a t i o nR u l e sa n dt h eE f f e c t so fE x ‑ c h a n g eR a t eR e g i m e s,Manchester School,Vol .4 3 .S e p .1 9 7 5 . ( 2 6 ) B は非貿易財で表わした貿易収支,B は貿易財で表わした貿易収支である。 ( 2 7 ) Xx,X川を輸出および輸入財の産出高,Dx,Dn るをその需要とすると, B=B(P,Y‑T)=(Xx‑Dx)一(Dm‑X地〉となる。以下で Z,=Y‑.T,X=,=Xx‑Dx, M,=Dm‑Xm,P"=Pr/Pへとし,すべ℃非貿易財で表示する。. dB 8X 8M 8DxdY 8DmdY ,{8Dx,8D地 ¥ dT 一一一一一一一一一一一一一一一一 1 一一+ーートーとなる。これに,補償 dP 8P 8P 8Z dP 8Z dP+ . ¥ 8Z 8ZIdP ~.~ ‑u 一 一 1 8Dx,8Dm¥P= された勝力性をうるため dY=dPM及び dY=dPXと置き, 1 一一+一一叶 8Z .8ZI dB X , mT dT とすると,一一 一=‑ ι Pー+ームーーをうる。 dP . P dP ~ ,. ,. ‑ 0. ( 2 8 ) 添字 T,Nを貿易財,非貿易財を示すものとする。 Y,=PXT+X " " o そして予算事 約から ,PDl十 D . ' v= PXl+ X , " ‑Tと なる。 J j ' .貿易財市場を均衡にとる (XN=DN). と,B=XT‑DT=T/Pをうる。初期に T=0なら dB dT/Pである。 巴.
(23) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑ 67ー. R' ドーンブッ乙ノュの開放経済学の貨幣的側面(1). 5 2 3. を得る。この ( 4 7 )式が ( 4 0 )式と相違する点は,非貿易財の支出性向を明示し ていることである。すなわち, ( 4 0 )式においては,mN=m' f , =1である。とこ ろで,. ドーンプッi/立にしたがい σ および σ*を各国の総隊力性と呼ぶ。その. とき切下げ国の貿易収支は, ( 4 7 )式よりして,その総弾力性が大であればある ほど,すなわち補償された貿易財の超過供給の弾力性が大であればあるほど, あるいは非貿易財の限界支出性向が小であればあるほど,その黒字をより大き. 3 9 )式も書きかえると(ただし ,P I V= c o n s t. くすることになる。次に,上記 ( であるから P=d(P r / Pけ /(Pr / P7 V )=P Tとおく ), 公. =. σ*. ハ. 〈. r , T一 一 -==---..~ー ー '町一 e. . . σ 十 σ* ~,. ー 庁. ー 八. P ' ! = ‑ = " : :‑ 品 『 十σ 本. ( 4 8 ). 6. となる。したがって,切下げ国の貿易財価格は,外国の総弾力性が大であれば あるほど,また自国の総蝉力性がノj ¥であればあるほど,より大きく変化するこ とになる。換言すれば,それは,外国の補償された弾力性が大であるかあるい は外国の限界支出性向が小て あれば,また自国の補償された弾力性が小である v. かあるいは自国の限界支出性向が大であれば,より大きく変化することにな る 。 さ‑C,土記のモデ/レで予め仮定されていた非貿易財市場の需給の均衡は,貿. i n t e r n a lb a l a n c e )を 易財および非貿易財の二財モデルにおいては,対内均衡 ( 維持することとして表わされてくる。そこで,以下このような対内均衡を得る 政策手段につい℃考察することにする。ドーンブツヰ/ュは,名目支出を E,名 目可処分所得を Y‑T ,利子率を. f. として,保蔵を名目税額 T と名目所得額 Y. の加重平均すなわち Y‑‑E=や( r)T十c1ーや ( r ) ) Yと仮定する。そこで,名目 支出の名目可処分所得に対する割合は,ちょうど. φ ( 刊になる。すなわち E=. φ(r)( Y‑T) である(ただし, φ F く 0)。非貿易射の市場が需給均衡にあると き,貨幣表示の貿易収支 PTBは,保蔵額 Y.‑Eに等しくなる。ゆえに,. PTB=Y‑E=φ(r)T+C 1 ーや ~))Y. ( 2 9 ) mN,mXがゼロのとき,対内均衡は成立せず,政策遂行不能となる。. ~OO.
(24) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 236. 第5 5 巻 第 2号. ‑68ー. となる。課税および貿易収支の初期値をゼロとし φの初期{r自 を 1 とすると, PrdB=dT‑‑φ 'Ydr. (50). の関係を得る。なお, ( 4 4 )式で記述したように課税額および所得水準を非貿易. J j;Jによる表示に改めるならば, ( 5 0 )式の右辺は,PN を乗じる形となり,そこ ) ( 5 0 )式の PrdBは,PNdB凶;しい(長は貿易 に何等本質的な差異を生じな♂:. 財表示の貿易収支,亘は非貿易財表示の貿易収支究そこで,課税額と利子制, 4 7 )式を通じて為替相場の切下げ(下落) 貿易収支の長息子を作り出し,そし,( (. に関係することになる O. 2凶のような ( 5 0 )式によっ℃課税額と利子率の変化の関係をみるため,第 1 長長曲線を描く。すなわち,非貿易財市場を均衡にあるとして, が初期にゼロであるときの等貿易収支曲線を描くと. まず貿易収支. Oを得る。それは, (50) B OB. 'Yく Oから,右下りとなる。一定額の貿易収 式の左辺をゼロと置き dT/dr=φ 支の黒字を生じる場合の等貿易収文曲線は,. O曲線よりも右上方に ν その βoB. ブ卜した形で描かれてくる。すなわち,より高い課税額と利子本の組み合せを 示す曲線となる。そこで,この場合,非貿易財の市場を均衡に維持するときの 課税額と利子本の組み合せは,利子率を一定的にするなら の増加を,. さもなければ. E O点で示される税. 'までの上昇を必要とする E '点で示される利子率の r. ことを示している。 ドーンブツ乙/:0‑は,このよラな利子本の変動が貨幣市場の需給によって決定 されるものと考える。ゆえに,. この場合,. 前節の (33)式のように貨幣市場の. 4 9 )式 の 所 得 税 と 利 超過需要が直接貿易収支に作用するとする考えに代つ‑C ( 子率による貿易収支への影響を表わす関係式を規定することによって,貨幣市 場の間接的な貿易収支への作用を想定することになる。貨幣市場の需給均等式 は , V=TMjPN . ( 3 0 ) いま,かりに貨幣表示の税を TMとすると,非貿易財表示の税額は Y となる。初期値 T¥=Oとすれば ,dTM=P d Pを得る。一方,yM=P.~.Y.\ である から, (50) 式は PTdB=P.~dT'i -cþ'p'i YYdr' となる。ー ー . , B=BMjPrとなる。 PNB三 PTB ( 3 1 ) 貨幣表示の貿易収支を BM屯すると ,B=BM/P と ーの関係をうる。ゆえに, をうる。初期値 8 = 0および B=Oとすれば,P dB PTdB 5 0 )式の PTdBに等しくなる。 (47) 式の両辺に P 、l を乗じると,その他~'l, (. 、. 、. 詰.
(25) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 237. R ・ドーシブッ. νェの開放経済学の貨幣的側首 (1). ‑ 6.9‑. M=k(r)Y,グ く O のように規定される。 ただし,. ( 51 ). Yt : i貨幣所得 (Y=PTXl十PNXN)であり,. M. は貨幣供給量である。上記の ( 4 9 )式 ( 5 0 )式およひ第 ] 2図で前提されていた非 貿易財市場は,所得税をぞロ (T=0 )とするとき, X~(PN/PT) ヱコ DN(P~/Pl ,. で規定される。. ( 5 2 ). B(r)). ζ の式の右辺は,前節. ( 1 0 )式の Dv=DN(PN/PT,E) に支出 E. =Y‑B=c t (r)(Y‑T)/P1 を代入したものとして即解することが できる。 した 第. 1 2 図. 第. 1 3 ~. r. N ¥. T. r. B ' ¥. B O. N. ¥ ¥ 長 。. 1 ¥ l ¥. /¥. '¥. / ¥. !¥. じ/ ¥ ¥ t. : ¥. 。 ι 一一一回目一一回一みI?‑一一ー‑‑‑‑‑‑.‑"'0.. l ¥. r. , ¥ ¥. r0. M. E¥ ¥. ¥. 』. W. s i ¥ ¥ N. ¥¥E. ー斗寸一一一. 言 '. E ¥. BO. I. L. 崎. N. Pd. PN '. ヵ:って, この ( 5 2 )式を描いた第 1 3区!の N N曲線は,貿易財価格 P T = c o n s t .の 下で dr/dPrv={8(Xv‑D } /φ'Y<Oとなることよりして,右下り N)j8(P N/PT) になる。他方, ( 5 1 )式を描いた. LM曲線は, M および PT の一定の下で ,dr/. i. /8Pけ/げ>0となり,右上りの曲線として儲かれよ 〉かくして, dP戸 一 (k8Y 両曲線の交点 Sは,両市場の均衡を表わしている。そのとぎの利子率 第1 2図の. ' ' ' 0に対応する。所得税. r oは ,. Tの賦課あるいは為替相場変動による Prの変. 化は,第 1 3図の N N曲線を上方に vプトさせることになる。なお, T=0のと. 5 0 )式 か ら し て 貿 易 収 支 を 黒 字 に す きの N N曲線に沿う左上方""の移動は, ( ( 3 2 ) oY/oPv>0である。その理由は , OY/OPV=(OX T/ oP)PT+(oX ' v joP)Pv+p.¥XV (ただし Pl=cOnsL),均衡では dXy/dXT=‑PT,P'i が成 : i L .つから ,OY/OPV=Pl. x、 : : > . 0となるととによる。.
(26) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 238. ‑70‑. 第5 5 巻 第 2号. る。そして,それは,第 1 2図の. B OB O曲線を右方に乙/プトさせる。. 以上のドーンプッ乙/ュのモデノレにおいて,われわれは,二国の名目貨幣最 M,. M*並びに課税額 T,T*をそれぞれ所与とし,さらに為替相場 eを 与 え る な. nを 同 時 に. , f 'および各国の貿易財価格 PT, らば,各国の非貿易財価格 Pv,P 決定することができる. ζ. とにな. ¥ 影響を考えてみる。それは した第四図の. Z ! :そ こ で , こ の モ デ 円 為 替 相 場 の 切 下 げ の. eの変化によって生じる貿易財価格の騰貴に比例. NN曲線の右方ヰ/プトを生じ,他方で第 12隠!の s O B O曲線の貿易. 収支黒字に応じた右方i/ブトをもたらす‑( B ' B '曲線)。もし T=Oならば,B O B O 曲線の右方乙/ブトは,第 1 2図にみる如く,利子率を r ':まで上昇させることにな る。そのためには, (51)式にみるぶろに,名目貨幣量の増加を必要としてくる。 しかしながら,もし名目貨幣 E 誌を一定に維持するとすれば,騰貴した貿易財価. 3図の 格は,名目所得を増大させるから,第 1 とになる。この. LM曲線を左方へ乙/プトさせるこ. LM曲線の左方乙/プトが,既に乙/ブトしている N ' N '曲線と丁. 度E '点で交叉する場合にのみ,国内の非貿易財の価格を一定に維持すること. が可能になる。ところが,そのときの左方乙/ブトの額は ,(PTXr / PNXN)PTで 示され,デフレ的効果を意味してい. 2 1そして,そのデフレ的効果は,所得内. の貿易財の分前 PTXz /P"IXNが大きいほど,また総弾力性 σ が小で PTの変化 が大なほど,さらにより多くの所得の変化を必要とするような利子率変化の. 'が IJ¥'であるほど,および利子率変化の支出への影響 貨幣需要への作用 k. φ 'が. ( 3 3 ) 可処分所得を ( 3 7 )式に加え B( PN/P l ',y ‑T)+E(P , f "/ P , . r y*一戸)=0とする。 * ( 5 0 )(49)の雨式と貨幣所得定義式および P1=P eを代入し,他方で ( 5 2 )式に貨幣 7. 所得定義式と ( 5 0 )式を代入して, x ' V(P"I/P1)=DN(PN/P l ' , M, T ) X~ C P " f . r !CPT/e ) J=DX( P ' M C P 1/ e ), M*,T * l. 長 )PN/PT,M,T )+B*C(PT/e)/PX,1 骨 * , T 水1 =0 の三式をうる。これから ,. M , M*,T ,r*および eが所与のとき,PN,p ' トP1を決め ることカ1できる。 7P7 ‑ ; : ( 3 4 ) ( 5 0 )式を r一定の下で P1で微分すると ,P,'i=ー 玄X 詰 士一P 1をうる。.
(27) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 239. R. ドーンプッ. 大で Bの変化を大きくし. vュの開放経済学の貨幣的側面(1). B O B O曲線がより一入きく乙/プトするほど,. ‑71ー 大きくなる. ことになる。ここに, M と PN をともに一定に維持することがかなりの困難を 伴うことを改めて言う必要はない。したがって,通常は貨幣供給の増加を生じ ることになる。 このような切下げ当事閣と外国の二国がともに自国の非貿易財価格を. 4. 定に. 維持する政策を行うクースのほかに,自国が非貿易財の価格を一定に維持し外 国が貿易財の価格を一定に維持するケースと,その逆のケースとが考えられ る。前者のケースでは,切下げ闘の相対価格の騰貨は為替相場の変化率に等し. P1'=e),貿易収支の変動は国内の総弾力性のみに依存するものとなる く(. ( d B. ZσXe) 。このとき,貿易財価格 P~ を一定に維持する政策をとる外国において. は,切下げ闘の貿易収支の黒字に相当する貿易収支赤字を生じんがために, ( σ. / o ‑* ) eにみあろだけの非貿易財価格の騰貴 P Zが生じ亡いなければならない。 かくして,切下げ国および外国の両国国内価格水準は,ともに上昇してくる。 一方,後者のケースでは,との逆の現象が起る o すなわち,切下げ国の貿易財 の価格 Prは不変に維持され,外国の貿易財価格 PFはその切下げに応じ下落 してくる。そして,切下げ国の非貿易財の価格. P N は,貿易収支黒字を生じる. ために下溶する。かくして,この場合は,両国ともに価格水準の下落を経験す る。以上考察したすべてのケースにおいて,切下げ国の貿易収支は黒字となり. 外国の貿易収支は赤字となる。したがって,切下げ国の利子率の上昇と外国の 利子率の下落を生じることとなる。他方,名目所得は,上記の各々のケースに. 51)式からみて,各国の名目貨幣量の変化 よって異なる変動をする。そこで ,( は,これら利子家の変化と名目所得の変動の組み合せ如何で異なることとなる。 例えば,上記の最後のケースでは切下げ国の名目所得は下落し利子率は上昇し 貿易収支黒字にも抱わらず名目貨幣量を減じることになり,また前者のケース では外国の名目所得は上昇し利子率は下落し貿易収支赤字にも抱わらず園内の ( 3 5 ) 本節 ( 4 6 )式から得る。. 〈 ー ^ . ~ 一一 ( 3 6 ) dB=dB*すなわち ー σXe=σ* p*X*から ,p~_.p書=ー (σ/σ*) e. であるから Pt=(σ/σ*)eとなる。. を得る。 p~= 0.
(28) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 第5 5 巻 第 2弓. ‑72ー. 240. 名目貨幣量を増大させることとなる。. 1 郊において,われわれは, 以上, この第 2. ドーンプツ乙/コの 1 9 7 5 年代の論文. を中心に為替相場切下げの効果とそれに関わる若干の政策手段を考察してき. iで考察した保践による分析から出発して,彼の考えと通常 た。彼は,先ず前宣1 のロビンソン・メツラーの安定条件との差異を分析する。そして, ロビンソシ ・メッラーの安定条件が,二種の貿易財以外に別の財例えば非貿易財を背後に. I. 仮定しその名目価格を不変に維持するように所得税を課す場合にのみ妥当する 理論である乙と,および実質所得や実質支出の効果を無視し,かつ交易条件の 変化や貿易財と非貿易財. の間の相対価格変化の効果を陽表的に分析していない. こと,等の指摘を行う。次に彼は,それらの分析から導出したモデノレによって 若干の政策提言を行う。この場面での彼の分析方法は,既に第 1節で考察した 分析と多少趣きを異にしたものとなっている。その理由の一つは所得税と利子 率を導入し安定化政策に関する提言を行なおうとしたためであるといえるが, しかし主なものは前節の ( 3 3 )式のような貿易収支と貨幣市場の超過需要との 直接的関係を断ち切って,それに代って政策変数である T と r (Mを通じて〉 を導入した ( 4 9 )式を設定したためであるといえる。そして,この場合,貨幣市 場は,利子率を決定するものとせられ,均衡式で規定されるとととなった。こ のよろな前節との差異は,貿易収支が黒字(赤字〉であるに抱わらず,貨幣供 給量を減少(増大〉させるケースが起りうるとする上記最後の叙述に,明確に 現われてくることになる。前節のモデルでは,ここにのべるような現象は,お よそ起り得ないものである。 ドーシブッ乙/ュがロビンソシ・メツラーの安定条件を批判する場合に注意す べき点は,そこに貿易収支の黒字あるいは赤字から生じる国際通貨準備の変動. R に関し何等の言及も行っていないことである。われわれは,既に前節の末尾 で ,. ドーシブツ乙/ュ・モデノレが国際通貨準備の変動 Rに触れているけれども,. その保有動機について何ものべていないことを指摘した。国際間の取引が単な る物々交換取引でない以上,国際通貨の授受とその保有の存在を認めなければ ならない筈である。モの点で前節の ( 3 3 )式. R=B=v(L.‑M) の関係式は,. た.
(29) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 2 4 1. R ・ドーシブツジュの開放経済学の貨幣的側面(1). ‑73‑. とえ係数 uを一定としており初歩的接近であるとしても,注目に値するもので あるといえる O しかしながら,この観点、からみる│繰り,この第 2節のロビシソ ン・メツラーの安定条件に関する批判並びにその後に行った若干の政策提言に おいて彼が用いた理論は,第 1節の分析に較べて,かなり後退したものとなっ. i f r 'jにおいては,切下、 ており,決して満足しうるものではない。すなわち,第 2 げ国の貿易収支 Bと外国の貿易収支. B *とは (37)式によって直接等式で結びつ. けられ,その聞に存在すべき国際通貨の保有は全く消去されでしまっており, そして各国国内の貨幣市場はこの貿易収支と直接的な関連を持たずにただ利子 港の決定を通じてのみ間援的に関連づけられるにすぎないものとなっているの である O いま,かりに各国国内の取引が貨幣交換取引として充分に理論つ叩けら れたとしても,直ちにそれによって二国聞の取引が国際通貨によって交換され ることの保証にはならなし、。また,為替相場 eを導入しその変動によるこ国聞 の貿易の影響を示したとしても,それに}よって直ちに国際通貨による交換が取 扱われその影響が分析されたとすることはできなし、。為替相場は,二国聞の奥 質通貨の単一なる換算比率であるにすぎないからである。かくして,われわれは 結局,. ドーンブツヰ/ュの第 2 i 町 i の分析を,ニ国間取引を物々交換であるとして. 分析したものであると結論せざるを得ないことになる。 そこで最後に,われわれは,前節のドーシブツヰ/ュの立場にもどって,貿易 財と非貿易財のご財ケースにつを,貨幣賃金と非貿易財の貨幣価格の下方硬直 性を仮定し,その仮定の下でのドーンプッ. νュの分析を示し て,本節を終わる 1. ことにする。次の第 1 4 図は前節の第 3図と同じものである。 S O点は,貿易収支 と非貿易財市場の両者がともに均衡にあるよろな初期均衡状態を表わしてい る。いま,需要の構成が変わり非貿易財から貿易財へ乙/フトするものとする。 同定為替相場と非貿易財価格の. F方硬直性を与えると,非貿易財の相対価格. PヘIP1は,不変のままに残される。したがって,生産は以前の S O点で行われ,. ( 3 7 ) D o r n b u s c h,R .,R e a la n dM o n e t a r yA s p e c t so ft h eE f f e c t so fE x c h a n g eR a t e N a t i o n a lM o n e t a r yP o l i c i e s and t h el n t e r n a t i o n a l F似 a n c i c q j C h a n g e s, ( d .b yZ " AI ib e r,1 9 4 7p p .6 4 ‑ 8 1 ) System,e リ. 仲.
(30) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑74ー. 第5 5 巻 第 2号. 2 4 2. そのときの需要は原点からの半 i 白線O R上の I点においてなされる。. J点で. は,実質所得・は;実質支出に等しくなる。しかしながら,貿易財の超過需要(貿 易収支赤字)と非貿易財の超過供給が生じてくる。そこで,もし政府が何の干 渉も行わないものとするならば,非貿易財の市場は,貿易収支の均衡がなりた ち ,. かつ非貿易財の需給が等しくなるような E点で均衡を達成することにな. る。このときの非貿易財の生産の減少は,その需要のみによって決定され失業 第. 1 4 図. を伴ってくる。そして,それは'". R. 初期の需要乙/フトが大であれば, また非貿易財の限界支出性向が大 であれば,それだけ大きくなる。 これに対し,政府が拡張政策を遂 行し完全雇用に達するまで所得以 上の支出を行うものとすれば,非 貿易財の生産 x ?vにみあち需要ーが 生じるような E '点 に お い て 均 衡. XN. XN に到達することになる。しかしな. がら,この場合には E ' S O に等し. い貿易収支の赤字を生じてくる。との赤字は,初期の需要乙/プトと貿易財の限 界支出性向が大なるほど大きくなることは,言うまでもない。 5 図 第 1. 以上の拡張政策は,貿易収支の赤字を伴う. 3 3 )式を通じて貨幣供給量の縮少をも 限り, (. Xr. たらす。したがっ句て,失業を回避するために は,断えず拡張政策を連続して行う必要が出. 、 ¥. てくる。そこで,政府は,このような不断の 連続的な拡張を行う代りに,非貿易財の需要 者に奨励金を与えて初期に生じた需要乙/ブ}. ¥. ¥ ¥. . 、 E. ¥¥. 、 、、 、. を相殺することを考えることになる。このと きは,第 1 5図にみるように,需要者が直面す. X : ‑ ‑ ;.
(31) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 243. R' ドーンプッ. ν2の開放経済学の貨幣的側面 (1). ‑75‑. Oにおいて対内および対外バランスを同時 る相対価格をゆがめ初期の均衡点 S に達成することが可能記なる。この S O点での均衡は,E点、での均衡に較べて, 失業を伴わないだけ優れたものといいろる。同様のことは,為替相場の切下げ によっても達成することができる。すなわち,為替相場の切下げは,貿易財の 価格 PT の騰貨をもたらし,切下げ国の実質賃金を引下げ,. 貿易財の生産を増. ,を下落せしめて,初期 7 大させる。他方で,それは,非貿易財の相対価格 PN/P. の需要乙/ブトを是正する。かくしむこのよろな為替相場切下げの効果は,結 局,上図の. S '点において長期均衡を導くことになる。しかしながら,この長期. '点での均衡が達成されるためには,貨幣当局による名目貨幣量の増大を必 のS 要 としている。もし貨幣供給量を一定のままに維持するならば,切下げによる b. 貿易財価格 PT の騰貴によって,この貨幣供給量の実質価値を減じ, 他方で生 産の拡大に伴うより多くの実質残高需要を生じることになり,その結果デフレ 的圧力を招来し失業と貿易収支の赤字とをもたらす傾向を生むからである。. (つづく).
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