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論文審査の結果の要旨

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Academic year: 2021

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論文審査の結果の要旨

氏名:山中 康如

博士の専攻分野の名称 : 博士(生物資源科学)

論文の題名 : ヤマトシロアリにおける人為的外傷に起因する共喰い行動の解析 審査委員 : (主査) 教授 岩田 隆太郎

(副査) 教授 太田 祐子

教授 木口

准教授 西村 知良

要旨

本学位論文は,木材害虫・家屋害虫・文化財害虫として極めて重要な真社会性昆虫ヤマトシロアリにつき,その 社会性に基づく巣内の創傷衰弱個体の共喰いによる処理のメカニズムを,詳細にして精緻な実験操作により検証 したものである。木材を餌とするシロアリ類は,その餌が貧栄養性・貧窒素性であることにより,有機窒素分の確保や 再利用に際して極めて吝嗇であり,社会性の維持のために役立たない創傷衰弱個体は,回復・復帰できないものと して,直ちに共喰いの対象となって処分され,その構成タンパク質は直ちに他個体の栄養補給のために再利用さ れる。しかし,その共喰い行動に至るメカニズムについては,これまでいかなる種においても詳しく解明されてはい なかった。しかしヤマトシロアリでは,体躯表面に生じた傷からヘモリンフ(体液)が滲出すると,通常の健康個体間で 行われるグルーミング(体表面寄生菌の除去が主目的の体表面を舐めあう行動)に際してその滲出点が激しく攻撃 され,これを起点に共喰いが起きることは観察されていた。そこで本研究では,針刺しや触角切除などの人工的な 創傷状態を作りだし,これを負う職蟻および兵蟻個体の創傷箇所およびそれ以外の箇所がどのように攻撃され摂 食されるのかを明らかにした。その結果,触角切除や体躯針刺しなどで体液が滲出することが契機となって共喰い が起きること,共喰いされる衰弱個体はこれへの対抗策として振動行動を起こし,生存をアピールすること,滲出す る体液を抽出して餌に塗布することで摂食が促進されること,その活性成分が下唇腺にあること,などを明らかにし た。これらの知見は,重要害虫であるヤマトシロアリを初めとするシロアリ類の行動制御や防除において極めて高い 価値を有し,全く新しい行動制御法・防除法への展開を可能にするものである。よって本研究は博士(生物資源科 学)の学位を授与されるに値するものと認められる。

以上 平成31221

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図2に実験装置の概略を,表1に主な実験条件を示す.実