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3.実験結果および考察

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Academic year: 2021

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(1)

熊本大学エ学部附属ものづくり創浩融合エ学教育センター平成17年度年次報告書

高延性を有するB2型金属間化合物の微細構造解析

知能牛産システムエ学科マテリアルコース松田光弘

3.実験結果および考察

本研究ではRM合金組成の中でも等原子比組成のYAg 合金を作製し,それらの機械的性質および組織につい て調査した.また代表的なB2構造であるTiNi合金にお いて不規則な結合を示す逆位相界面(APB)状組織がは

じめて観察されたので以下にその結果を示す.

3.1.YAg合金

図lに溶体化処理材の応カーひずみ曲線を示す.

これより引張強度は160MPa,塑性伸びは約7%であ 1.緒言

金属間化合物は高硬度かつ優れた高温強度を有する とともに,良好な超伝導特性や半導体特性を示すこと で知られているが,必然的に変形能に乏しく常温では 脆いものが多い常温におけるこの脆さは金属間化合 物の最大の問題であり,また難加工`性な面からも製造

コストが高価となる.

近年,等原子比組成の金属間化合物において,室 温で約20%の伸びを有する新規合金が発見されている 1,2).それら合金はRM(R=希土類金属,M=遷移金属)合 金組成であり,ラインコンパウンドかつbcc格子を基 礎とするB2(CsCl)型規則構造から構成されているし かしながら,高延性を有する原因については,試料 表面のすべり線の観察結果と透過型電子顕微鏡(TEM)

観察によるすべり系の結果が一致しないなど不明な点 が多い

そこで,本研究ではこのような高延`性を示す原因 を明らかにするため,主にTEM観察によりB2型金属 間化合物の詳細な微細構造解析を行い本合金系の新し い変形モードの解明を試みるとともに,これら解析結 果をもとに高硬度・高延‘性を併せ持つ新規金属間化合 物の探索を行うことを目的とする

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YAg合金の溶体化処理材の応カーひずみ曲線 2.実験方法

実験には2種類(YAg,TiNi)の合金を供試材とした.

2.1.YAg合金

Arアーク溶解にてYAg合金を作製し,真空中 1073K-36ksの均質化処理後,所定の形状に切り出した 後にlO73K-a6ksの溶体化処理を施した.得られた試 料は引張試験および)、測定を行うとともに,Arイオ ンミリングによって薄膜化後,TEM観察に供した.

2.2.TiNi合金

Arアーク溶解にてTi-45at96Ni合金を作製し,真空 中llO3K-36ksの均質化処理を施した.次に単ロール式 液体急冷法(ロール回転数3000rpm,周速度30m/s)を用 いてAr雰囲気中にて急冷凝固リボンを作製した.得ら れた試料はツインジェット電解研磨により薄膜化後,

TEM観察に供した.

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図2YAg合金の引張破断部近傍の(a)明視野像 および(b)B領域からの電子回折図形

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熊本大学エ学部附属ものづくり創造融合エ学教育センター平成17年度年次報告書

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図4TiNi急冷凝固リボン材の(a)明視野像および (b)9.=001の暗視野像

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図3TiNi急冷凝固リボン材の(a)明視野像,(b)

およびに)B、C領域からの電子回折図形 4.まとめ

2種類の合金のTEM観察により以下の結果が得ら れた.

(1)YAg合金の溶体化処理材において引張強度 160MPa,塑性伸び7%と低延性を示した.これは等原 子比組成からのずれと試料作製時の酸化に起因した ものと考えられる.

(2)TiNi急冷凝固リボン材においてAPBが観察され た.これは液体急冷による冷却速度の増加に伴うBZ 相の規則度の変化に起因したものと考えられる.こ れらAPBの解析は種々の合金における変形機構の解 明のキーポイントになることから今後参考にする.

ることがわかる.本合金は20%の伸びを有すること

が報告されている’)ことから,まずは溶体化処理材を X線回折に供した.その結果,B2構造であるYAg相 の他にAg2Y相が生成していることがわかった.次に 引張破断部近傍のTEM写真を図2に示す.明視野像 ならびにB領域の電子回折図形から本組織はY1O3相 であることがわかる.これは,試料作製時の酸化に より生成したものと考えられる.以上の結果から,

低延性を示した原因は,本試料が等原子比組成から ずれてラインコンパウンドでなくZ相組織となった ことに加え,試料作製時の酸化に起因したものと考 えられる.さらにTEM観察時においても急速に酸化 が進行することから,正確な構造解析を行うために

も今後は観察方法も改善する必要がある.

3.2.TiNi合金

As-spun材の内部構造を図3に示す.(b)および(c)の 電子回折図形からアモルファス相とB2相の2相から 構成されていることがわかる,さらに-部のB2相の 結晶粒内には(a)の矢印で示すような波状のコントラ ストが観察されたので,これについて詳細な解析を 行った.図4(a)にAs-spun材の明視野像,,(b)に回折ベ クトルg*=001の暗視野像を示す.種々のg*ベクト ルを用いて解析したところ,この波状のコントラス トは逆位相界面状組織に特有な兀コントラストであ ることがわかった.これは本合金においてはじめて 観察されたものであり,冷却速度の増加に伴うB2相 の規則度の変化に起因したものと考えられる.

5.今後の課題

(1)RM合金のなかでも等原子比組成かつラインコン パウンドとなる試料を作製する.

(2)試料の酸化を十分に考慮しながらTEMサンプル の作製ならびに観察を行う.(例えばYAg合金では電 解研磨により薄膜化する.)

参考文献

(1)KA、Gschneidncr,A,M・Russell,A・OPccharsky,ct aLNaturcMatcr.Z(2003)587.

(2)A、M・Russcll,Z,Zhang,TA・Lograss0,ct,aLActa Matcr5Z(2004)4033J

r8I:

参照

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