写真2.1 年経過したサンドマット
写真4.枯れた雑草 写真5.施工後の状態
リサイクルガラス造粒砂を使用した防草効果の基礎実験
土木学会 正会員 ○ 竹中道路 国松 俊郎 土木学会 非会員 リサイクルガラス造粒砂協会 1.はじめに
現在日本でガラスびんは年間約 135 万トン製造されています.その原料の 95%がガラスをリサイクルし たカレットが使用され,お酒,醤油,牛乳,ビールなどのびんは繰返し再利用されることから,ガラスはリ サイクル率が高いと言えます.しかし青や緑と言った色付きびんは,再生が難しく年間約 45 万トン(平成 23 年実績)が埋め立てられているのも現状であります.そこで筆者らは,色付きびんをリサイクルできる ように特殊な方法で破砕しエッジレス処理したリサイクルガラス造粒砂(以下造粒砂という)は「刺さる,
切れる」を解消し自然砂の代用品として様々な用途検討を実施していますが,その1つとして「防草効果」に 着目し検討した結果を報告する.
2.背景
これまでにこの造粒砂は,山砂,川砂,海砂といった自然砂と同等以上の性質を有し,安全性,透水性,
締固めの良さなどから土木資材として活用され,サンドドレーン工法,サンドコンパクションパイル,埋設 管の埋戻し,雨水貯留槽,透水性舗装のしゃ断砂,インターロッキング舗装の敷き砂などの実績を重ねてき ている.その中でサンドマット工法として造粒砂を t=50cm 施工した個所において 1 年経過後も写真 2 に示 すように周囲は雑草が生い茂る中で造粒砂個所に防草効果が確認された.これはガラスが吸水しないことや 空隙率が約 30%と水はけが良くすぐに乾燥状態になること,栄養分が無いことなどにより種子が飛来して きても発芽しにくい状況を作り出していると考える.
3.試験施工
施工個所は,ネズミとモグラの巣穴があったことから表土を剥ぎとらないことを条件に,雑草が枯れる 12 月に実施した.雑草にはスギナ,アシ,芝といった地下茎の植物やロゼット系(地表に葉を平らに広げ るオオバコやたんぽぽなど)などの各種の雑草が写真3,4のような枯れた状態である.事前に枯葉などは ほうきで除去し造粒砂を手前側t=5cmで,奥側をt=10cmとして経過観察を実施した.
写真1.施工当初のサンドマット
写真3.施工前の全景
土木学会第68回年次学術講演会(平成25年9月)
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4.効果の確認
施工より約 10 カ月の夏も過ぎた 9 月に確認を実施した.造粒砂を施工していない個所(写真6)におい ては,雑草が繁茂しているが,造粒砂施工個所では下記の状況を確認した.
1) 造粒砂 t=5cm 部分では,高麗芝や雑草が生えることが確認され,写真9のように造粒砂を掘り起こ すと高麗芝の葉は退色しているものの草体は大きく地表にまで到達する.この状態であると容易に 繁茂してしまうことを確認した.
2) 造粒砂 t=10cm 部分では一部のロゼット系や地下茎を有するススキが生えていることが確認された が,写真10のように造粒砂を掘り起こすと,高麗芝はほとんど草体を成しておらず葉の色も退色 していることを確認した.また,生えた雑草は写真8のように容易に抜くことができ一度振るった だけで綺麗に砂が落ちることを確認した.
3) 造粒砂は風による飛散や雨水による流出はほとんど見られなかった.
5.まとめ
・t=5cmでは防草効果はなく,草の種類によってはt=10cmで防草効果を確認した.
・造粒砂に粘性がなく雑草が生えた場合にも容易に引き抜くことができる.
・造粒砂の風による飛散や雨による流出はほとんど見られず,土埃による汚れ防止効果が期待出来る.
現在確認中ではあるが造粒砂をt=20cm施工することで防草効果が期待出来る.課題としては粉塵による 目詰まりなどが考えられるが,状況に応じて表面にレーキをかけることなどにより効果を維持することがで きると考える.これらのことから施工時のコストも低減し,除草の維持管理にかかる労力や費用を大幅に削 減できると考える.
地球上で 5000 年も前に人類の知恵から生まれたガラスびんですが,その主成分はケイ素(62.7%)カル シウム(32.4%)で有害物質は溶出されません.使用されなくなったガラスびんを元の姿に戻し地球に帰し ていきます. 写真 11 のように今日もネズミは変わりなく元気です.
キーワード 舗装材料,環境保全,リサイクル,再生材料,ガラス,防草対策
連絡先 〒135-0042 東京都江東区木場 2-14-16 ㈱竹中道路 本社 企画管理室 技術部 TEL03-5646-1051 写真7.試験箇所の雑草
写真9.5cm 部の高麗芝 写真10.10cm 部の高麗芝
写真8.引き抜いた雑草 5cm部
10cm部
写真6.未施工箇所の雑草
写真11.ネズミの巣 土木学会第68回年次学術講演会(平成25年9月)
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