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粗粒材料の力学的特性に関する基礎的実験1

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Academic year: 2021

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(1)

粗粒材料の力学的特性に関する基礎的実験1

満 雄*・阿 部 道 雄**

1.まえがき

2. 試料及び試験概要 3. 結果及び考察

 3。1セン断強さτ了のバラツキについて  3.2破砕と強度特性にっいて

4.む す び

1.まえがき

 従来,アースダムなど粗粒材料を用いた構造物は,多分に,経験的な手法を用いて設計 されてきたが,大型力学試験機による粗粒材料の試験が可能となるに従って,その力学的 性質の解明と理論的裏付けが期待されるようになった!)。

 この報告は,大型一面セン断試験機による粗粒材料の力学試験についての基礎的実験 で,粗粒材料の形状・堅さ・供試体厚さの相異によって,セン断抵抗角φ・破砕量がどの ように変化するかを検討したものである。

 特に,今回は鋼球を粗粒材料としてセン断試験を行ない,破砕しない材料として,その 力学的特性を比較検討した。

2. 試料及び試験概要

 試験に用いた材料は,川砂利,砕石,軟岩のいわゆる粗粒材3種類と銅球の合わせて4 種類である。鋼球は粗粒材の破砕が強度特性に如何に影響するかを検討するために,破砕

しない材料として,その強度特性を参考とするために用いたものである。

 それぞれの材料は19.1mm〜9.52 mm,9.52 mm〜4.76皿m,4.76 mm〜2. O mmの 3種類の粒径に分類し,十分に水洗いした後,炉乾燥して使用した。鋼球は球径9.5mm と2.4mmの2種類である。

 供試体の作製方法は上下のセン断箱を組み合わせた後,作製時の材料の破砕を防ぐため に,ゆる詰めの供試体とすることとし,材料をハンドスコップで注意深く注ぎ込む方法を

とった。

 試験には大型一面セン断試験機を使用し,そのセン断箱の寸法は直径30cm,深さ20 cmである。在来型試験機のセン断箱に比べその容積は250倍で,試験機}の構造は改良型 試験機とほぼ同じである2)。

 供試体の厚さを変えた場合,試験結果にどのように影響するかを検討するために,それ ぞれの試験を供試体厚さ20cmと10 cmの二通りについて行なった。

(2)

 供試体質量は,供試体厚さ20cm,粒径19.1mm〜9.52 mmの場合で,川砂利が約 21kg,砕石が約19 kg,軟岩が約17 kg,鋼球(球径9.5mm)が約68 kgであり,供 試体厚さ10cmの場合はそれぞれおよそ半分の量が詰まった。

 試験条件は,ほとんどの場合をUU試験に準じて載荷と同時にセン断を開始したが,

軟岩については一部,破砕後の強度特性を知るために,各荷重段階で最初に使用試験機の 最大荷重(σ=4.Okgf/cm2)をかけ,供試体の沈下(破砕を期待している)が収まった後 に所定の荷重まで除荷してセン断を開始するといった特殊な方法を試みた。

 破砕量の比較は,セン断後に供試体全量についてフルイ分け試験を行ない,各フルイ目 の通過質量百分率をもって比較した。

3.結果及び考察

   3.1セン断強さτ,のバラツキについて

   図一1〜4は,川砂利,砕石,軟岩,鋼球の垂直応力σとセン断強さτfの関係を粒径別   及び供試体厚さ別に示したものである。図一1,2より明らかなように,砕石及び軟岩につ   いてはσ一τfの関係は直線にならず,即ちτ=c+σtanφなるクーロンの公式が適用でき t ないような結果となった。粒径の粗いものほどそれぞれのσにおけるτfのパラツキが広   がる傾向にあり,逆に粒径が細かく粒子間の間ゲキの小さい粒径の試験結果ほどσ一τfの   関係は直線に近づくといえる(図一4)。特に,砕石や軟岩のように角ばった粒子の場合,

  そのセン断面を想像すると,粒子は相互に点あるいは線接触をしているものと考えられ   る。従って,供試体作製条件がゆる詰めであることも原因してか,セン断面における接触   面積は各供試体によってばらつくこととなる。故に,載荷重は同一であっても供試体ごと

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2,0

10

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σ(kgf/cm2)

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図1

(3)

6.0

5.0

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2.0

1.0

o

粒径19.1mm−−9.52mm 供試体厚さ10cm

(銅球径9.5mm)

        ノ        / ノ       / /      / /

   プ/,

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   ノ

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  2.0 σ(kgffcm2)

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3.0

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4、0

図2

6、0

5.0

9

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9 3

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2.0

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σ(kgffcm:)

30 4、0

(4)

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50

4.0

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2.0

1.0

0 1,0 20      30

σ(kgf/cm2)

4.0

図4

に微小部分のσに相異を生じ,結果としてτプにパラツキを生じるものと考えられる。これ に対して粒径の細かい材料ほどセン断面の凹凸が細かく面と面で接触する状態に近づき,

各供試体のセン断面における接触面積がほぼ一定となる。従って,σも載荷重の増加に伴 い順当に増加することとなり,σ一τゾの関係はク・一一 mンの公式に沿うものと考えられる。

 ここで混合粒度の試験結果の一例を示す。図一5は軟岩の19.1mmフルイを通過した試

5.0

e.0

30

ctuoAS︶︶

2.0

1.o

0 1.0   ロむ      ヨむ

σ(kgf/・ml)

4.0

図5

(5)

料の試験結果である。粒径の粗い粒子(19.1mm〜9.52 mm)が混合してあっても,セン 断面の凹凸が細かければ図に示すようにσ一τプは直線関係を示す。

 一方,角ぽった材料に対して丸みを帯びた川砂利の結果をみると,砕石に比べてτ∫の パラツキの範囲は狭く,セン断抵抗角は大きい。これは川砂利が丸みを帯びているため に,ゆる詰めでありながらも詰まり易く,それが同じ粒径の砕石に比べて供試体の凹凸の 細かさを意味する.また,粒子の形のちがいによる噛み合わせ抵抗の差もさることなが

ら,粗粒材の場合密度の増加(詰まり易さ)はセン断抵抗角の増加に結びつく。これは筆 者らが以前に明らかにしている3)。

 次に鋼球の場合は,球径が9.5mmで19.1mm〜9.52 mmの範囲の下限に近く,4 種類の材料のうちでは最もよく詰まるが,完全なる球体であるために噛み合わせ抵抗はほ

とんど期待できない。従ってクーロンの公式にはよく適合するものの,セン断抵抗角は4 種類の材料中最も小さくなったと考えてよい。

 3.2 破砕と強度特性について

 表一1〜4は3種類の材料の19.1mm〜9.52 mmにおけるセン断後の供試体のフルイ分 け試験結果の一例である。9.52mmの通過率をみると,いずれの場合も川砂利,砕石に 比べて軟岩の通過率が突出している。これは当然のことながら,軟岩の粒子自体の硬度の 低さを示している。3.1でふれた,粒子の形状や粒径が及ぼす影響以上に,材料の堅さが

表一1 σ=0. 5 kgf/cm2供試体厚さ20 cm      加積通過率(%)

\聖い52 4.76 2.00 0. 84 0.42 ・251・・…1・・74

川砂利 砕 石 軟 岩

0 1.2 9.2

0.08 2.0

0.05

1.0 0.65 0.62 0. 45 0.30 0.25

表一2σ=0.5kgf/cm2供試体厚さ10 cm      カn積通過率 (%)

\叉19・・52 4.76 2.00 0. 84 0.42 0.25 ・…51…7・

川砂利 砕 石 軟 岩

0.40 0.65 13.2

0. 10

0.20 4.2

0.04 0.10

1. 7

0.08

L1

0.05

0. 90 0.75 0.50 0,45

表一3σ=3.Okgf/cm2供試体厚さ20 cm      加積通過率(%)

.\叉19・・52【4・・76 2.00 0.84 0.42 0.25 ・…51・・74

川砂利 砕 石 軟 岩

4.8 3.5 19.0

1.3 1.3 6.4

0.50

0. 50

2.8

0.30 0.29 1.7

0.25 0.23 1.4

0.15 0.20 1.3

0.10 0.15

0. 80

O.10 0.15 0.80

(6)

表一4 σ=3.Okgf/cm2 供試体厚さ10 cm      加積通過率(%)

て19・・521 ・・ ・・12… 0.84 0.42 0.25

・…51…74

川砂利 砕 石 軟 岩

7.6 6.2 32.5

2.4 2.2 13.5

0.93 0.95 5.5

0.50 0.55

3. 2

0.33 0.41 2.5

0.25 0.35

0.15 0.29

0.12 0.21

1.7 1.2 1.0

粗粒材の強度特性に大きく影響している。硬度の低い材料ほどτ∫のバラツキが大きく,

図一1〜4中の軟岩が示すように,クーロンの公式には全く沿わないような結果を呈する。

 図一1中の●印は,軟岩の19.1mm〜9.52 mm,供試体厚さ20 cmについて破砕後の セン断抵抗を知るために行なった試験の結果である。2の試験概要の項で述べたように特 殊な方法で載荷しているが,その結果は載荷と同時にセン断した試験の結果と大差は認め られなかった。即ち,セン断開始前に加えた4.Okgf/cm2の垂直応力は供試体にτノに影 響する程の大きな変化をもたらすことはなく,従って,破砕の大部分はセン断開始後に発 生するものと考えられる。

 表一1〜4より,σが同じであれば,供試体厚さ20cmより10 cmの方が通過率が多く なる傾向がある。これは図一1〜4に示したセン断抵抗角の差と関連がある。即ち,厚さ 20cmと10 cmの供試体に同じσを加えてセン断した場合に,厚さ10 cmの供試体中の 粒子の移動は,厚さ20cmの供試体中の粒子よりも,より強く拘束される。この粒子の 移動に対する拘束力の差こそセン断抵抗の差であり,また,拘束力の大きい中で移動する 方の破砕量が多くなるのも当然であろう4)。

 今回の破砕量の捕え方には欠陥があった。即ち,各粒径の上限(19.1mm,9.52 mm,

4.76mm)にごく近い粒子の一部が破砕しても,残りの大きい部分は各粒径の下限のフル イ目(9.52mm,4.76 mm,2. O mm)に残留することになるが,この破砕してもなお下 限のフルイに留まる量を未破砕の粒子と定量的に区別することができなかった。これは,

試験前・後の材料の粒度変化を比較する際にも問題となる。

 尚,鋼球に限って,供試体厚さ20cmの方が厚さ10 cmよりセン断抵抗角が大きくな った。この原因については現在のところは不明である。

4. む す び

 大型一面セン断試験機による粗粒材料の力学的特性に関して,基礎的な検討を行なった が,得られた結果を要約すれば下記のようになろう。

 砕石や軟岩のような角ぽった材料は,銅球や丸みを帯びた川砂利よりも,セン断強さ τ∫にバラツキが多く,特に今回用いた軟岩のような材料については,クーロンの公式が 適用できない。

 軟岩を圧密後にセン断しても強度的には圧密しない場合と大差は認められない。また,

τゾに影響する破砕はセン断中に主に発生すると考えられる。

 供試体の厚さを半分にすると,セン断中の粒子の移動に対する拘束力が増加し,その結 果セン断抵抗角φは大きくなり,破砕量も多くなる。

 今後の課題として,破砕の発生条件を更に明らかにし,破砕量の的確な捕え方について

(7)

検討を予定している。

参考文献

1)土質工学会「粗粒材料の変形と強度」昭和61年5月.

2)土質工学会「土質試験法」昭和55年4月

3)森・阿部「粗粒材料の力学的特性に関する基礎的実験」明星大学研究紀要   3月.

4) 阿部「一面セン断試験機の比較実験について」明星大学研究紀要 第12号

第19号 昭和58年

昭和51年1月.

参照

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