全揚圧力の検討例 1), 2)は非常に少ない.
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(2) 土木学会東北支部技術研究発表会(平成25年度). 3.実験結果と考察 図-3 に各々準定常部の全揚圧力 F(以下, 「全揚圧力」 ) z と浸水深 h の関係を示す.各図中には実線で前面浸水深 に基づく「仮想浮力」2)も示してある. 図から,全揚圧力は開口部が無いときは正値(上向き の力) ,開口部が有るときは負値(下向きの力)となるこ とが判る.模型を越流する場合の浮力は,越流水深に関 係なく一定と考えられるが,実験結果は水没後も全揚圧 力の増加を示している.これは,氾濫流が模型を越流す るとき,建物の上面で上向きの揚力も働くためと考えら れる 4).また,開口部を有するときは,開口率が小さく なるにつれて,下向きの力が大きくなる傾向にある.こ れは建物内へ流入した濁水の溜まり易さの差によると考 えられる.本実験の模型に対する開口率の確保方法では, 開口率 20%模型が流入濁水を一番よく溜め易く,一番大. (a) H=7 cm の場合. (b) H=14 cm の場合. 図-3 全揚圧力 Fz と浸水深 h の関係. きな下向きの流入濁水重量を生じさせることなる.この 傾向は最大全揚圧力 Fzmax,全揚圧力 Fz の両方で認められ る.貯水深 hU=27.5 cm のときの模型設置位置における入 射氾濫浸水深 hi は 8.7 cm 程度で,この浸水深位まで模型 が水没するとしたときの模型に働く浮力は 330 gf(3.2 N) 程度となる.開口率 0%模型に働く全揚圧力(●)がこの 値を超える場合は,H=14 cm,hB=0.1 cm の場合を除いて なく,入射津波浸水深位まで建物が水没するとして浮力 を算定する方法 5)は妥当と言える. 図-4 に各々無次元全揚圧力 Fz/Fx と浸水深 h の関係の一 例を示す.7 cm 模型,14 cm 模型ともに,浸水深 h が大 きくなるにつれて,多くの場合で正値,負値ともに小さ くなる傾向が認められ,既報 2)と同じである.また,開 口率 0%模型(窓があっても,壊れない場合を含む)に対 する結果の中に無次元最大全揚圧力と無次元全揚圧力が. (a) H=7 cm の場合. (b) H=14 cm の場合. 図-4 無次元全揚圧力 Fz/Fx と浸水深 h の関係. 0.5 以上となる場合があることも再確認された. 4.おわりに 津波が建物を越流するときは浮力や揚圧力だけでなく, 建物の上面で上向きの揚力も働き,越流水深が大きいほ. 験,土木学会論文集 B2(海岸工学),Vol.69, No.2, pp.326-330, 2013. 3)松冨英夫・大沼康太郎・今井健太郎:植生域氾濫流の. ど大きな全揚圧力となることが判った.. 基礎式と植生樹幹部の相似則,海岸工学論文集,第 51. 謝辞:科学研究費(基盤研究(C),24510244) (松冨英夫). 巻,pp.301-305, 2004.. の補助を受けた.記して謝意を表する.. 4)松冨英夫・山口枝里子・直江和典・原田賢治:東北地. 参考文献. 方太平洋沖地震津波における鉄筋コンクリート造建物. 1)松冨英夫・大向達也・今井健太郎:津波氾濫流の構造. と海岸黒松の被害条件,土木学会論文集 B2(海岸工学) ,. 物への流体力, 水工学論文集, 第 48 巻, pp.559-564, 2004. 2)松冨英夫・決得元基・齋藤雅大:開口部を有する鉄筋 コンクリート造建物に働く津波流体力に関する基礎実. Vol.68, No.2, pp.351-355, 2012. 5)国土交通省国土技術政策総合研究所:津波避難ビル等 の構造上の要件の解説,国総研資料 No.673, 2012.2..
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