2013年 夏号
7 月 5 日にオープンした上海最大のショッピングモール 「環球港(グローバルハーバー)」 目 次 Ⅰ.レポート ~外債登記管理手続きの一部審査権限の銀行への委譲について~ Ⅱ.上海で開催される主な見本市・展示会等情報(2013 年 8 月~10 月)Ⅰ.レポート
外債登記管理手続きの一部審査権限の銀行への委譲について
1.はじめに 国家外貨管理局が 2013 年 4 月 28 日付で「『外債登記管理弁法』通知の公布」(匯発 [2013]19 号)を発表し、5 月 13 日より実施されている。本通知では、従来外貨管理局で 審査認可が必要とされていた外債資金(親子ローンのケース等で海外から調達した外貨) の人民元への両替(人民元転)、引出し、元金返済等一部の関連手続きに関する審査認可 権限が銀行に委譲されたほか、引出し後の外貨管理局での登記手続き等が不要になり、 簡素化が図られた。今回は本通知による主な改正点を中心にレポートする。 2.親子ローン利用時の人民元転、返済手続きの流れ 親子ローン利用時の手続きの流れにおいて改正となった点は、以下のとおり。 【従 来】 所 在 地 外 貨 管 理 局 外 債 登 記 ⇓ 所 在 地 外 貨 管 理 局 外債口座開設審査認可 ⇓ 現 地 取 扱 い 銀 行 外 債 専 用 口 座 開 設 ⇓ 日本からの資金受入(親子ローン) ⇓ 所 在 地 外 貨 管 理 局 人 民 元 転 ( 両 替 ) 申 請 ⇓ 現 地 取 扱 い 銀 行 (人民元転)資金の引出し ⇓ 所 在 地 外 貨 管 理 局 借 入 引 出 登 記 手 続 ⇓ 資 金 の 利 用 ⇓ 所 在 地 外 貨 管 理 局 元金返済・利息支払の申請 ⇓ 現 地 取 扱 い 銀 行 元 金 返 済 ・ 利 息 支 払 ⇓ 所 在 地 外 貨 管 理 局 (完済後)外債口座閉鎖の審査認可 ⇓ 現 地 取 扱 い 銀 行 外 債 専 用 口 座 閉 鎖 【実施後】 所 在 地 外 貨 管 理 局 外 債 登 記 (不要)直接取扱い銀行へ ⇓ 現 地 取 扱 い 銀 行 外 債 専 用 口 座 開 設 ⇓ 日本から資金受入(親子ローン) ⇓ (不要)直接取扱い銀行へ ⇓ 現 地 取 扱 い 銀 行 (人民元転)資金の引出し ⇓ (不要) ⇓ ⇓ 資 金 の 利 用 ⇓ (不要)直接取扱い銀行へ ⇓ 現 地 取 扱 い 銀 行 元 金 返 済 ・ 利 息 支 払 ⇓ (不要)直接取扱い銀行へ ⇓ 現 地 取 扱 い 銀 行 外 債 専 用 口 座 閉 鎖 ⇓ 〈追加〉 所 在 地 外 貨 管 理 局 外 債 登 記 抹 消 -1-3.外債登記の定義と主な手続きの原則 外債登記の定義・手続きについては、従来と特段の変更はない。ただし、今回の改正 により、外債借入全額返済完了後(最後の元利返済から)1ヵ月以内に、外貨管理局 で外債抹消登記手続きを行わなければならないことが新たに義務付けられた。 項 目 内 容 外債登記定義 債務者が規定に基づき、国外から資金を借入れた後、規定された方式に 基づき、外貨管理局で外債の契約、引き出し・返済および人民元転・外 貨転等の情報を登記または報告することを指す 外 債 登 記 外貨管理局の審査認可が必要(従来同様) 外債変更登記 外債借入規約に変更が生じる場合には、債務者は外貨管理局において外 債契約変更登記を行う(従来同様) 外債抹消登記 外債借入全額返済完了後(最後の元利返済から)1ヵ月以内に、債務 者は外貨管理局で外債抹消登記手続きを行う(従来までは不要、今回新 たに追加) 4.外貨管理局から銀行に委譲された主な業務 外貨管理局の審査認可が不要となり、外貨管理局から銀行に委譲された主な業務は以 下のとおり。 手続き項目 従 来 実施後 外債専用口座(および必要 に応じて返済専用の元利返 済専用口座)の開設 外貨管理局から口座開設の 審査認可を取得したうえ で、銀行で手続きを実施 取扱い銀行が直接審査して 口座を開設 外債資金の人民元への両 替・引出し/人民元から外 貨への両替・返済 外貨管理局での審査認可が 必要 実需原則に基づき、直接銀 行に関連する必要資料を提 出し、手続きを実施 外債専用口座の閉鎖 外貨管理局での審査認可が 必要※ただし、地域によって取扱いが異 なる。上海の場合は口座閉鎖時に 1 千米ド ル以上の残高がある場合、上海外貨管理局 の審査認可が必要。 銀行が審査したうえで実施 -2-
5.その他留意点等 (1)中国国内借入に対する親会社など海外からの保証の取扱い 現地法人の国内金融機関からの資金借入に対する親会社等の国外担保提供者による 保証については、従来どおり保証が履行された時(スタンドバイL/Cの代位弁済が 行われた際)に所在地の外貨管理局で外債登記手続きを行う必要がある。 なお、保証履行額は、短期外債として投注差(注)管理に組み込まれる。 注.投注差とは、登記上の「総投資額」と「登録資本金」の差額のことで、外債枠とも言 われる。中国の外資企業において、海外から資金を調達する場合、その金額は投注差の 範囲内でのみ認められる。 (2)中長期外債の借換えやロールオーバーに関する規定の明確化 これまで特に明確にされていなかった中長期外債の借換えやロールオーバーに関し て、当該企業の現有外債資金が増加せず、また人民元転も行わない前提のもとで認め られることが明記された。 なお、今回新たに定められた外債抹消登記(外債借入全額返済完了後 1 ヵ月以内に 実施する手続)により、中長期外債枠の既使用金額は影響を受けないとされている。 つまり、外債借入完済後に外債登記を抹消し、再度、新たに外債登記を行って借入を 行う際に、投注差がない場合については、これまで同様に増資等により外債登記枠を 増加させる必要がある。 6.終わりに 今回の通知により、外貨管理局の審査・認可は外債登記(開設・変更・抹消)に対し てのみ実施することとなり、人民元の両替申請時の審査・認可が廃止されたほか、元金 返済利息支払時における承認も不要となった。ただし、これらの手続きは審査権限を取 扱い銀行に委譲することで、手続きの簡素化・効率化を図ったものであり、審査内容を 緩和したものではない。従って、外債借入による人民元への両替は従来同様「実需原則 に基づく」ものでなければならず、資金の使途に関しても、経営範囲に合致しているこ とが条件となり、依然として、厳格な管理が維持されることに変わりはない。 なお、具体的な運用等詳細については、各地の外貨管理局に確認する等注意が必要で ある。 1. 法律上、会計上の助言:本資料記載の情報は、法律上、会計上、税務上の助言を含むものではありま せん。法律上、会計上、税務上の助言を必要とされる場合は、それぞれの専門家にご相談ください。 2. 著作権:本資料記載の情報の著作権は原則として弊行に帰属します。いかなる目的であれ本資料の一 部または全部について無断で、いかなる方法においても複写、複製、引用、転載、翻訳、貸与等を行 うことを禁止します。 3. 免責:本資料記載の情報は、弊行が信頼できると考える各方面から取得しておりますが、その内容の 正確性、信頼性、完全性を保証するものではありません。弊行は当該情報に起因して発生した損害に ついては、その内容如何にかかわらず一切責任を負いません。 -3-