完成した仮教室と子どもたち(2015 年 8 月 ヌワコット郡)
仏教
NGO ネットワーク
ネパール大地震復興支援事業
2015 年度ネパール大地震 被災地 緊急救援事業
第一次
完了報告書
2016 年 3 月
仏教NGO ネットワーク ネパール大地震支援 第一次完了報告 2
仏教 NGO ネットワーク 寄託 ネパール大地震 復興支援事業
事業実施 ・ 報告 : 公益社団法人シャンティ国際ボランティア会
(2015 年度ネパール大地震 被災地 緊急救援事業)
2015 年 4 月 25 日にネパールでのマグニチュード 7.8 の大地震発生を受け、BNN でも復興支援
事業をとして募金の呼びかけをさせていただき、多大なる御浄財を賜りました。ご協力いただきまし
た皆様には心より御礼申し上げます。
BNN へお寄せいただきました御浄財は、総額で 5,283,204 円となりました。お寄せいただいた
御浄財は、BNN のネパール大地震復興支援事業としまして、現地にて活動し、救援事業を実施し
ている「公益社団法人シャンティ国際ボランティア会」(BNN 加盟団体)に寄託させていただき
ました。
本報告書は、シャンティ国際ボランティア会の緊急救援事業第一次完了に伴い、その報告をもっ
て BNN のネパール大地震復興支援事業完了報告書とさせていただき、まとめたものになります。
なお、BNN より寄託させていただきました寄付は、主に、本報告書の 10 ページで報告されていま
す「ヌワコット郡 マヘンドラ小中高校」での仮校舎 2 棟の建設(写真は1棟のみ)に充てられたとの
ことです。
仏教NGO ネットワーク ネパール大地震支援 第一次完了報告 3 Ⅰ.事業概要 1. 事 業 名 称:ネパール中部地震被災地 緊急救援事業 事業① 子どもたちのための学習環境整備事業 (1)仮教室建設(124 棟/248 教室)及びトイレ建設(34 棟) および水タンク設置(14 棟) (2)児童への「スクールキット」(文房具など)配布:89 校 (3)学校への「学校再開支援キット」(ボールなど)配布:89 校 (4)恒久学校の建設:1 棟 3 教室:1 校 事業② 女性たちのための生活再建支援事業 (1) シェルター及びトイレ建設(7 棟) (2) 生活再建に向けた相談業務実施に必要な家具(机・椅子・ボードなど)設置 (3) 子ども用スペース及び遊具や図書(移動式本箱)設置 (4) 子ども向けの活動に関する研修実施:3 日間 2.事 業 対 象 地:ネパール ヌワコット郡、ゴルカ郡、ダーディン郡、カブレ郡(5 頁地図参照) 3.事業実施期間:2015 年 5 月 27 日~2016 年 4 月末(予定) 4.事 業 受 益 者:(1)学校仮教室建設(ヌワコット郡) 91 校 約 9,920 人 (2)シェルター建設 (ヌワコット郡・ゴルカ郡・ダーディン郡・カブレ郡 計 7 村) 約 67,311 人 (間接受益者含む) (3)子ども向け研修会 57 人 合計 約 77,288 人 5.実 施 団 体:公益社団法人 シャンティ国際ボランティア会東京事務所 及び事業担当 〒160-0051 東京都新宿区大京町 31 慈母会館 2、3 階 Tel: (03) 5360-1233 事業責任者 事務局長 関 尚士 事業担当者 緊急救援室長 木村 万里子 同上 緊急救援担当 竹内 海人 同上 アドバイザー 山本 英里
6.現地協力団体:(1)NSET:National Society for Earthquake Technology -Nepal
カトマンズに拠点を置き、科学とテクノロジーで地震に強い建物の設計・建 設などコミュニティの防災に取り組む団体。学校建設を協働実施。
(2)CARDSN: Community and Rural Development Society Nepal
ヌワコット郡で貧困層・人権を阻害された人・女性・コミュニティの中の身 障者/知的障がい者/被迫害者/少数民族を対象に、生活資金・知識・技能の 開発向上に取り組む団体。ヌワコット郡でのシェルター事業を協働実施。
(3)WHR: Women for Human Rights - Single Women Group
ネパール全土で寡婦の権利に関する法制度や平和構築の分野などに取り組 む団体。ゴルカ郡・ダーディン郡・カブレ郡でのシェルター事業を協働実施。
仏教NGO ネットワーク ネパール大地震支援 第一次完了報告 4 II. 被害の状況(地震発生直後~2015 年末) 2015 年 4 月 25 日、ネパールの首都カトマンズの西北約 77kmのゴルカ郡でマグニチュード 7.8 の地震が発生、また5 月 12 日にはカトマンズの東方約 76kmのシンドゥパルチョーク郡にてマグ ニチュード7.3 の大規模な余震が発生しました。この地震によりネパールでは、死者 8,897 人(7 月 6 日付け The Himalayan Times)、全壊家屋 500,000 棟以上、半壊家屋 275,000 棟弱(6 月 2 日付 けネパールSetopati オンライン新聞)の未曾有の被害を出しました。
もともとネパールは一人当たり名目 GDP が 699 ドルとアジアでも最も低い最貧国の一つであり (IMF、World Economic Outlook Databases 2015 April)、建物自体が日干し煉瓦を積み上げただ けの脆弱な作りであった事が、大規模な余震発生と共に被害を甚大化させたとみられています。ま た根強くカースト制度が残り、かつ多くの少数民族を抱えるネパールでは支援のばらつきや、山岳 地帯が多く道路が分断されたりしたための支援の遅れもみられました。 国連や地元 NGO によるとネパールでは人身売買が横行しており、その犠牲となっているのは毎 年12,000 人から 15,000 人に上るとみられています。我々が支援対象地域としたヌワコット郡及び ラスワ郡でも元々人身売買が盛んであり、災害支援を悪用したこれらの被害を未然に防ぐ意味でも、 速やかな学校再開による子どもの保護や、女性が自立して生活するための支援が求められていまし た。 6 月 25 日にはカトマンズでネパール復興に関する国際会議(支援国会合)が開催され、ネパール政府 による被災地調査の結果をふまえ、各国・機関による支援分野・金額が表明されました(日本は約 320 億円)。折しもネパールでは7 月中旬からの会計年度が始まる時期と重なり、被災地支援も「より良い復 興(Build Back Better)」に向けて、開発事業とのつながりを見据えた中長期的な取組が求められている 状況です。 他方、4 月 25 日の地震発生から約半年が経過した被災地では、各支援団体により緊急から復興に向け た支援活動が継続されているものの、憲法制定に係る反政府活動にともなうネパール各地でのバンダ(ゼ ネスト)により移動や外出が制限される事態が発生し、支援活動に少なからず影響を与えています。さ らに9 月 20 日に公布された新憲法制定反対に関して発生したバンダの影響により、石油、ガス、砂糖、 塩その他インドからの輸入品がストップしています。残念ながら現段階で上記の反政府活動は解決する 気配はなく、復興の歩みにも影響が出始めています。
仏教NGO ネットワーク ネパール大地震支援 第一次完了報告 5 【写真】地震後途方にくれる女性たち(ヌワコット郡) III. 事業進捗報告 ●事業目的 ①子どもたちの学習環境整備 郡によっては9 割の校舎が被害を受けたこと により、壊れた校舎、そこに子どもを通わせる ことへの親の不安、教科書や学習道具、制服な どの不足、子どもだけでなく教員も自宅被害が あったりトラウマがあったりと再び勤務でき るのかという課題が生じ、子どもを取り巻く状 況はかなり深刻といえる状況でした。さらにヌ ワコット郡の僻地地域では、震災以前より貧 困・差別等の課題を抱えており、震災後の生活 再建は他地域に比較してより困難な状況に直 面しています。特に、この機に子どものドロッ プアウト(中途退学)がさらに高まることが懸 念され、児童労働や人身売買等の増加に警告が 発せられています。 そこで、仮教室・トイレの建設を行うことにより、子どもたちが安心して学ぶ環境を整えること事業 の目的としました。 ②女性たちのための生活再建支援 一方で、子どもたちの親、特に母親や女児にとってテン トでの避難生活は決して安全とは言えません。非識字者 (文字の読み書きが困難な人々)の多い僻地地域では、生 活再建に向けての相談施設のニーズが高いものの、生活上、 女性や子どもが直面している課題は、男性から発せられる ことは少ない状況でした。特に子どもを抱えた女性や少女 へは、駆け込み寺的な施設が求められていました。夜半、 安心して過ごせる為の場所や暴力等から避難できる場所、 今後の生活再建をどうしていけばよいかわからない女性 への相談業務の開設が必要です。地方では特に女性の非識 字率が高いほか、ネパール語をまともに話すことが できない女性も多く、また、結婚していても旦那さ んが出稼ぎで不在のため、実質上の世帯主として家 事・育児・家計管理など全てを行っている女性も多く、そういった女性へのサポートも必要とされてい ました。 そこで震災前から貧困・差別等の課題がある地域において、地震により家屋や家畜の被害を受け、生 活再建が困難な状況におかれた女性や子どもたちが、安定した生活を取り戻すための支援を行うことも 緊急救援事業の目的としました。 【写真】地震で壊れたヌワコット郡の学校校舎と先生
仏教NGO ネットワーク ネパール大地震支援 第一次完了報告 6
ゴルカ郡
ヌワコット郡
ダーディン郡
カブレ郡
カトマンズ
●事業概要 事業開始前の状況 目指す成果(事業終了時) 成果 【事業①】子どもたちのための学習環境整備事業 学校校舎が大きな被害を受けているとされているヌワコット郡にて、子どもたちが安心し て学べる簡易的な教室(仮教室)およびトイレを建設する。 地震により学校校 舎が被害を受け、 子どもたちが安心 して勉強できる教 育環境が確保され ていない 地震によって被害を受けた学校に 対し、簡易的な仮教室およびトイレ および学用品などが提供され、子ど もたちが安心して学べる教育環境 が整えられる。 *事業対象地:ヌワコット郡 ①仮教室:124 棟(248 教室) ②トイレ:34 棟(17 セット) 水タンク:14 棟 ③学用品および遊具・絵本配布:89 校 ④恒久学校の建設:1 校(3 教室) 【事業②】女性たちのための生活再建支援事業 震災前から貧困・差別等の課題がある地域において、地震により家屋や家畜の被害を受け、 生活再建が困難な状況におかれた女性や子どもたちが、安定した生活を取り戻すための支 援を行う。 地震により生活再 建の困難に直面し ているが、その状 況を改善すること が難しい 地震によって被害を受けた生活困 難な女性や子どもたちが、安心して 生活再建に取り組める環境が整え られる。 *事業対象地:ヌワコット郡、カブ レ郡、ダーディン郡、ゴルカ郡 ①女性向けシェルターの建設:7 棟 ②子ども用スペースの設置:7 棟 ③子ども向け活動研修:3 日間 ●事業地地図仏教NGO ネットワーク ネパール大地震支援 第一次完了報告 7 【写真】地震後:テントでの授業(ヌワコット郡) 【写真】建設作業に携わる地域の人たち(ヌワコット郡) ●事業報告 【事業①】子どもたちのための学習環境整備事業 90%以上の学校が被災したヌワコット郡におい て、84 校を対象に 100 棟 200 教室の竹製仮教室 と14 棟 28 教室の鉄製仮教室の建設を実施、また 17 棟 34 ユニットの学校に付随するトイレの設置 及び 14 棟の飲料水設備(水タンク)を既存のト イレに設置することで、子どもたちが安心して勉 強できる場所を提供し、被災者の教育の機会が維 持され学校教育の継続を支援することができまし た。 ヌワコット郡は初動調査時(2015 年 5 月初 旬)に訪問した地域であり、その時点ではまだ 学校への支援は始まっていませんでした。かねてより首都カトマンズに近い山岳地帯ということから、 人身売買の被害が多く、プロテクション(保護)の分野では迅速な対応が求められていました。なぜな らば、多くの教員やコミュニティは学校が再開することで子どもを保護する機能を期待していたからで す。 6 月より本格的な雨季に入ることから、早急に簡易的な教室およびトイレを作り、子どもたちが少 しでも安心して勉強できる場所を提供することが必要とされていました。ユニセフは教室として使 えるようにと大きいテントを配布しましたが、残念ながら本格的な雨季がはじまる頃には雨と風に よりテントがとばされてしまい役にたたなくなってしまいました。そこで当会は、地震前から学校や 病院などの建物の耐震化や学校・地域での防災教育に取り組みエンジニア・スタッフも数多くいる現地 団体NSET とともに、雨季の状況も想定し、最初から一時的なものといっても 1~2 年は使えるような 教室を設計し、スタッフが学校に赴いて建設の指導を行うなど、そのリソースを十分に生かしながら活 動を実施しました。また、当会は長く学校建設をアジアで行っていることから、その経験を活かし、取 り壊しが容易なことや鉄製仮教室を拡張できるように余白を残すといった中期的な対応を視野に入れた 提案を行い、建設を実施しました。 仮校舎の建設は基本的に各学校が主体となって 行われました。各校の校長先生や学校運営委員会 の代表が資材の調達や労働者の手配を行い、資材 費を抑えながらも、コミュニティの参加が促され るという効果がありました。 また、震災後に仕事を提供するという意味合い から、建設をキャッシュ・フォー・ワーク/Cash for Work 形式(※)で実施しました。この方式を とることで、コミュニティはもちろん、郡教育局 からもコミュニティが主体的に参加しコミュニテ ィに寄与したという観点から評価をいただきまし た。
(※)キャッシュ・フォー・ワーク/Cash for Work とは?
大規模災害の被災地などにおいて、復旧・復興事業に被災者を一時的に雇用し、賃金を支払うことに よって、地域経済の復興や被災者の自立を支援する手法。自ら復興にかかわることで、尊厳と将来への
仏教NGO ネットワーク ネパール大地震支援 第一次完了報告 8 【写真】配布した学用品・遊具セット 【写真】完成した女性向けシェルター(ヌワコット郡) 【写真】子どもたちの遊び場スペース(ヌワコット郡) 希望を取り戻し、地域の絆を強められるとされています。 また、仮教室の建設を終了した学校から随時、文房具・遊具 のほか、絵本の配布を行いました。地震で校舎や家が倒壊し、 学用品をなくしてしまっていた子どもたちにとって、勉強をす るための必需品であるペンやノートのほか、みんなで遊べるサ ッカーボールなどは学校での時間を前向きに楽しくしてくれる ものとして大切なものとなりました。 さらにヌワコット郡では地域に本屋もほとんどなく、学校に 図書室もないという環境から、絵本についてはそれまで触れた ことのない子どもも多く、カラフルな表紙や初めて読むおはな しの世界に大変興味を示し、熱心にページをめくる姿がみられ ました。 【事業②】 女性のための生活再建支援事業 上記の学校建設と同じヌワコット郡のほか、同じく地 震被害が大きかったゴルカ郡、ダーディン郡、カブレ郡 の合計4 郡 7 村にて、7 棟の女性向けシェルターととも に、子どもたちが安心して遊べる場所(チャイルド・フ レンドリー・スペース)の建設を実施しました。 被災地は山岳地帯で平地が少ないため、建物の設計に は工夫が必要でした。ヌワコット郡タナパティ村(右写 真)では、コミュニティの中心である建設地には村の シンボルであるご神木があり、それを取り囲むような特 殊な設計が必要でした。当会で雇用したネパール人エン ジニアと村の人たちが話し合いを重ねて設計を行 い、雨や日差しをしのぐ大きな屋根をつくり、ベンチを設置するなど、いつでも村の人たちが自由につ どえる場にするなどの工夫も行いました。 また、シェルターには女性たちが集まって活動をする スペースのほかに、子どもたちが遊べる部屋を併設しま した。地域の集まりに乳幼児とともに参加される女性も 多く、子どもたちが自由に遊べるスペースがあることに より、話し合いに集中することができるという利点があ ります。子どもたちにとっても、遊具や絵本などで楽し く遊び、学べる機会が提供できます。このような子ども たちのためのスペースは日本の百貨店などではよく見 かけますし、シャンティでもカンボジアなどでの図書館 活動でこういった取組をおこなっていることから、シェ ルター建設の際に子どもたちの遊び場設置を提案しま した。これは、今まで女性たちのための活動をして いた現地協働団体からも新しい有益なアイデアと して、喜んで受け入れられました。女性たちが集まるスペースと子どもたちが遊ぶスペースは仕切られ てはいますが、お母さんがいつでもわが子の様子を確認できるよう、両スペースの仕切りにガラス窓を 設置するなどの工夫を行いました。
仏教NGO ネットワーク ネパール大地震支援 第一次完了報告 9 【写真】研修のワークで発表する女性(ヌワコット郡) 【写真】子どもたちの前で研修成果を披露する女性(ヌ ワコット郡) しかしながら、子どもの遊び場スペースが有効に 活用されるためには、設置した絵本や遊具などをど のように活用して子どもたちが遊びながら学べる ような工夫をし、その担当者である現地協働団地の 職員やケアテイカーの人材育成も必要になってき ます。 そこで、9 月 26~28 日には当会のミャンマー(ビ ルマ)難民キャンプ事業事務所職員(セイラー、 トー)を講師として迎え、現地協働団体の職員 やシェルターでの活動を担うケアテイカーを対象とし、図書館活動を含めた子ども向けの活動に関する 研修会を実施しました。この研修会には、57 名の女性シェルター活動に携わる人たちが参加しました。 【研修プログラム内容】 ・子どもの遊び場、子どもにとっての図書室の意義など基礎的な知識 ・絵本の読み聞かせ ・子どもとの遊び(ジェスチャー、言葉あそび、歌をとりいれた遊び方の工夫など) ・身近にある素材をつかっての遊び道具のつくりかた ・子どもの遊び場スペースの管理方法 研修の参加者のほとんどが今まで上記のような内 容の研修を受けた経験がなく、参加者自身が初めて 見聞きする新しい知識を得ること、学ぶことの喜 び・楽しさを実感していたようでした。研修の最後 には、学んだ「絵本の読み聞かせ」を子どもたちの 前で実際に試してみる機会も設けました。はじめて の挑戦に緊張していた参加者も、子どもたちが楽し んでいる様子や表情を目の当たりにして、自信をも ち、このような活動の意義を改めて感じたという感 想があがりました。 ※チャイルド・フレンドリー・スペース 仮オープンの様子(動画)はこちらからご覧い ただけます:https://youtu.be/avqg4WjDQq8
仏教NGO ネットワーク ネパール大地震支援 第一次完了報告 10 (3)現地の人たちからの声 ●ヌワコット郡 マヘンドラ小中高校(専門学校含)副校長 ボスラム・バッダリさん(55 歳):写真右 600 名の生徒、教員 17 名、幼稚園から専門 学校までの学生が学ぶ大きな学校です。地震 前から教室数が不足しており、生徒数に対応 するために最近教室を増築したばかりでした が、地震により6 教室が使えなくなって困っ ておりました。使っている教室も壁が崩れる 恐れがあり、生徒たちが安心して学べる環境 とはいえない状況です。 そのようななか、日本のみなさまからこの ようにしっかりした構造の学校校舎のご支援 をいただき、たいへん感謝しております。本 学は専門学校まで併設しているので、是非、 子どもたちにはこれからも頑張って勉強し、 上のレベルまで進級して欲しいと思っています。 ●ヌワコット郡 ラムチャンドラ小中学校 学校運営委員会 委員長 チャクラバハールさん(50 歳) まずは委員会を代表して日本のみなさまにお礼を申し上げたい と思います。学校は残念ながら全壊してしまいましたが、みなさ まの支援のおかげで新しい教室のもとで、子どもたちが安心して 勉強を続けることができそうです。 私はソーシャルワーカーの仕事をしており、子どもたちの教育 にも関心があったことから、学校運営委員会のメンバーとして活 動しています。 新しい校舎で子どもたちが快適に学べるよう、建設期間中は毎 日学校に通い、きちんと作業が進んでいるか、建物が設計とおり に行われているかを確認していました。時には作業員に釘などの 処理について指導したりしながら、子どもたちにとって安全な空 間となるよう努めました。 ●ヌワコット郡 ガネッシュマビ小中学校 クリティカさん(9 歳) 将来の夢はお医者さんになることで、算数を頑張 って勉強しています。新しい学校の校舎で勉強でき るのを楽しみにしています。 ※学校建設期間中にインタビューをしました
仏教NGO ネットワーク ネパール大地震支援 第一次完了報告 11 ●ヌワコット郡スンカニ村 ススミタ・ネパリさん(30 歳) ※写真右の女性 村で協働組合員をしています。4 人家族です(夫、 13 歳・11 歳の子ども)。子どもたちの遊び場スペー スに関する研修会に参加しましたが、研修はとても 楽しく、多くのことを学びました。この村ではじめ てできた女性向けのシェルターを利用することが待 ち遠しく、研修で学んだことを活かして活動してい けたらと思います。また、シェルターには子どもた ちを連れていきたいです。子どもたちにはたくさん 勉強して、将来はエンジニアになってくれることを 期待しています。 ●ヌワコット郡バドラタ村 エソダ・カティオダさん(28 歳)女性 普段は協働組合員の活動をしており、両親と暮ら しています。協同組合で使っていた建物は地震で壊 れてしまったため、ご支援いただいた女性向けのシ ェルターで組合の活動が続けられること、みんなで 集まれる場所ができたことに感謝しています。 新しいシェルターでは、会議や組合の活動のほか、 村でのお祝い事などで活用できればと思っていま す。また、自分には子どもはおりませんが、シェル ターの中にできた子どもの遊び場スペースにある 絵本については、子どもたちがどういう反応をする かとても楽しみです。 ●ヌワコット郡サムンドラデヴィ村 ニールマラさん(35 歳) 地震前から女性たちの活動を主導しています。ネパール、とくに 伝統文化が色濃くのこる地方では、男性社会ということで家のこと など全て旦那さんが決めることがほとんどです。女性グループの活 動に参加を促しても、旦那さんが外へ出ることを許してくれない例 もあり、説得に苦労することもあります。地震前は、家庭内暴力や 女性・女児の人身売買などが大きな問題になっていましたが、地震 後はそれらに加え、家や家畜の被害からどう生活をたてなおしてい くか、多忙ななか子どもの世話などもあり、大変な状況でした。 そのようななか、私たちネパールの女性や小さな子どもたちのた めにシェルターをご支援いただき、有難うございます。新しくでき たシェルターで、多くの女性たちが関心を寄せている農業研修など を実施したいと思います。多くの学びを通じて、女性たちの生活が 豊かになることを願っています。
仏教NGO ネットワーク ネパール大地震支援 第一次完了報告
12 (4)活動写真
竹製の仮教室建設:竹を組み合わせる作業員たち(ヌワコット郡)
仏教NGO ネットワーク ネパール大地震支援 第一次完了報告
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竹製の仮教室建設:完成した仮教室の外観(ヌワコット郡)
仏教NGO ネットワーク ネパール大地震支援 第一次完了報告
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完成したトイレ(左)および仮教室(右奥)の外観(ヌワコット郡) 鉄製支柱の仮教室建設:完成した仮教室の外観(ヌワコット郡)
仏教NGO ネットワーク ネパール大地震支援 第一次完了報告
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文房具・遊具配布:配布された絵本に喜ぶ子どもたち(ヌワコット郡)
仏教NGO ネットワーク ネパール大地震支援 第一次完了報告
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完成した女性向けシェルター建設(ヌワコット郡・タナパティ村)
仏教NGO ネットワーク ネパール大地震支援 第一次完了報告
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子どもの遊び場スペース:設置した本棚と絵本(ヌワコット郡・タナパティ村)
仏教NGO ネットワーク ネパール大地震支援 第一次完了報告
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子ども向けの活動に関する研修会:絵本を楽しむ子どもたち(ヌワコット郡・タナパティ村)
仏教NGO ネットワーク ネパール大地震支援 第一次完了報告 19 被災地のモニタリングの様子(2015 年 11 月) BNN より若林恭英 副理事長、茅野俊幸 事務局長も参加 支援した学校を訪問。盛大な歓迎を受けた。(写真左 ヌワコット郡) 建設した仮教室内の様子。(写真右 ヌワコット郡・バドラタ) 訪問した学校の付近の様子。地震によって崩れたままの家屋。(ヌワコット郡・タナパティ村) 倒壊してしまい修復作業が行われているボダナート寺院。(写真左 カトマンズ) 至る所に瓦礫が残っていた。(写真右 カトマンズ・ダルバール広場付近)