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香川県産のアブラコウモリ Pipistrellus abramus の外部形態について-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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香川生物 5:77∼79(1972)

香jll県産のアブラコウモリ クよpねfr(∼gg〟ざαみrα椚〟ざの

外部形態について

森井陵三 小笠原康裕 渡辺謙 川原省吾 (高 松 南 高 等 学 校)

Externalcharacters of Pi〆strellus abramusin Kagawa Prefecture,Japan

Ryuzo MoRII,Yasuhiro OGASAWARA,Ken WATANABE andShogo KAWAHARA

/小こ・.ごり.,∴・∴いIJ∴.い・′′∴ニ\−.J.∴り//∴.・∴\−.・1・.い../.′∴・‥・′い.・ト、・ト.、∴・−

Of the thirty−three specimensof Pipistrellus abramus(Temminck,1835)collected

bytheauthorsatToyonaka−ChoofMitoyoLguninKagawaPrefectureonJuly30th,1971,

thirteen were adult−females and twentyjuveniles.This population was birth group.The

growthofhind footinjuvenile−grOupWaSObservedasearlyone.Remarkable differences

between adult−andjuvenile−grOuP Were Observedin the otherpartof the body.

77 アブラコウモリ(イエコクモリ)♪オ〆∫わ′β//〟ざα∂γ一 でみると,長年にわたると思われる糞が堆積していた αダガZ‘∫(Temminck,1835)ほ,夕碁に餌を求めて,社 寺,民家の周辺で飛びかう姿を時々見る.また,コウ モリとして普通に親しまれている種で卜屋根裏とか, 板をはり合わせた壁のヰ一等に住んでいる.香川県にお いては,このアブラコウモリについての測息;己録は, 今までに見られない. 筆者等ほ,1971年7月30lこl正午過ぎか ら,17暗頓に かけて,香川県三豊郡豊l」川]‘笠田竹Ⅶ245,香川県立 笠田高等学校の旧校舎等でアブラコウモリの採集を行 ない,成獣の雌13頑と生後約1ケ月の幼獣の雄8風 脚12政の合計33頭を得た.この個体群は明らかに出産 集団である.このようなCOlollyの採集ほ,なかなか できないので,貴重な質料であると思われるから,こ こに記録しておく. なお,調査にあたって多大な御協力をいただいた笠 田高等学校長後藤虎三郎氏,事務長高橋兼職氏,教諭 高橋剛氏に対して厚く感謝致します。 生息状況:香川県立笠田高等学校ほ市外地にあり, 周朗ほ主に水田のため,餌となる昆虫類はかなり豊‘嘉 なように思われる. アゴラコウモリが生息していたのほ,老朽校舎にな っている二階建の屋根裏で,排気窓の近くの土壁の割 れ眉と,農産加工室の土壁のとに坂を重ねてほり合わ せたすきまである.この重ねてはり合わせた板をはい (写真).この糞の上部に2∼3威力噛りそって住ん でいた. 写真 壁と板の間に長年の糞が堆積していた. コウモリが生息しているのに気付いたのほ,毎l]て いねいに清掃をするが,次の日には多くの糞によっ て,下がよごされていたためである.学校当局として ほ,なんとか退治しようとして筆者の所に連絡があっ た.しかし,今の所,退治する方法ほない.これは, コウモリによる公害の1つであろう。なお,ここに生 息していた数は約150頭と思われる. 調査標本:今恒‡の調査によって得られた笠田個体群 33点ほ,液浸標本として,香川県立高松南高等学校に 保存している.捕楽した幼獣群は飛翔することができ

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森井隆三・小笠原康裕・渡辺謙・川原省吾 78 る事の乳房ほ大きく,すぐ確かめられる所から,授 乳期の個体群と思われる.これら幼獣群と成獣群の体 各部の大きさほTablelの通りである 中手骨:幼獣群の中辛屑の関節ほ,まだ十分に骨化 していない中辛骨長は,幼獣群では第2,籍3,葦 4,弗5の順に長くなっているが,成獣群では,第2 中辛骨が−・番短かく,算3,第4,寛5中寺胃・ほほば 同島である でable1月−方′♂γ〝αJcカα7αC′♂γ・ざ♂.′創〆頭廟侮ざα∂7α研〟ざ(ね2沼椚) しかし,これらの両個体群の平均値の95%信頼限界 は重なりあわないので,両個体群紅差があることは確 かである 後足長(爪共):調査した幼獣群と成獣群のそれぞ れの平均イ直の90%信頼限界は壷なりあっているので, 年令紅よる差ほ認め発いこれは,後足長の生長が,

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香川県産のアブラコウモリP査♪∠5如J〟Sα∂㌢・α別働Sの外部形態について 79 早く完了するためと思われるこれは,洞窟棲のモモ あった.これも,平均値の95%信頼限界が互に重なり ジロコクモリ 朗加減s僧αC㌢〃dαCf〆〝5と異なる点で, あわないので,両個体群間には,確かに差がある・こ 生活態のちがいによるものと思われる れほ,本種では脛管長に比して後足の生長が早いこと 脛骨長に対する後足長(爪共)の比(恥ble2): を意味し,脛骨長の早く生長する屋島洞窟のモモジロ 成獣群では,平均5582%,幼獣群では平均6508%で コウモリと異なる点である Taも1e2 脛骨長に対する後足長の比(%) 体各部の成獣に対する幼獣の比(でめ1e3): 8285%,耳珠長飢05%であったいこのことから,アブ 今回捕獲した個体群の調査からみると,前腕長82 ラコウモリにおいては,他の部分に先がけて,これら 88%後足長(爪共)951.00%脛宵長8185%,耳介長 の体各部が,早く生長を完了するものと思われる Tal)1¢3 体各部の成獣に対する幼獣の比(%) の中で一・番早く生長を完了するようである」他に早 く生長する器官として,前腕,脛骨,耳介,耳疎が あげられる 3.後足(爪共)を除くと,体の他の各部は,幼獣群 と成獣群の間に明らかに差がある 4香川県の個体群と,九州個体群,関東個体群の間 には,差は認められなかった 参 考 文 献 1“今泉吉典1970‥日本哺乳動物図説 新思潮社 2。内田周章1966:日本の哺乳類(5)哺乳類科字11 5∼23 3,吉行瑞子1969:モモジロコクモリ叫γ〃f∠ぶ∽α(γ− 0ゐcキγJ〝ざの屋島個体群にみら れた外部形態の変異 哺乳動 雄4107∼111 他の個体群との比較:詳しい資料はないが,九州産 のアブラコウモリほ,前腕長33′・叫ノ34mm前後(内田と) いうことであるから,香川県の個体群と差があるとは 思えないまた,関東地方のアブクコクモリでは,前 腕長32.8∼34“2mm頭胴長48.4∼498mm,後足長 (爪共)72∼82mm,耳介長110∼122mm,脛骨長 11.8∼13Omm(今泉)の測定値があげられている こ.れと比較しても,差があるようには思えない 要 約 1.幼獣(生後約1ケ月)の中辛骨長は,第2,第3 第4,第5の順に長くなっているが,成獣では,第 2中芋骨長が−・番短かく,第3,第4,策5ははぼ 同島であったまた,幼獣の中芋骨の関節ほ骨化が 不十分であった 2後足長の成獣に対する幼獣の比は95%で,体各部

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