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共同海損成立の場合(二)-香川大学学術情報リポジトリ

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(1)

共同海損成立の場合 ︵二︶

久 州 武 三

七 避雉潜入津の詑め陀聾し光る賛同及び之陀関連する損客

船舶が共同の安全のため虻避難港に入るの竺の共同海損行馬である。舶給が航海の途中に於て預定の航路よ

り離脱して避難港に向け航行することは、投荷に於けるが如く直に犠牲を醸すものではないから、嘉共同梅損

行焉にあちぎる如く親られ得る。然し難路することに依って航路の延長を来し、燃料の消費を増加し、船員の給

料及び食料を飴分に要し、やがては入港料及び陸揚費用等の支出を必要ならしめる。而して船長が難路を決意す

る佗際しては、是等の諸費用支出の犠牲を讐Jしても何且避姓港忙入津せんと廃艦したるものなるを以て、難路

盟ハ伺梅損行為の現れであぺ避難粘に向け航行すること埜鼓に北ハ同海損行焉であろ。その直接の結典たる損

害及び費用偲共同海損々宰である。

ドグマ 然し、如何なる範囲までの損寄及び費用を似て共同海田と認むペきやに就て、従来二秤の相容れざる興詮があ

り、各問の判例に於ても甚だ置々であつた。言出ハ岡安金主誌といひ、他盟ハ同利益主薬である。共同安全主義

に於ては、船舶が避搬倦に入り稗荷の陸揚げを完了するまでの費用、即ち、入港料及び積荷の陸揚費用霊ハ同港

弗三億 罪因兢 ︵三Cこ︸ 鵬こ

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(2)

持と認むるも、その以後に於て嬰する費用、即ち積荷の倉敷料、渾積込費用及び出港痢は共同海揖にあらすとな す。蓋し、積荷の陸揚を完了せぼ、之に依って共同の安全は既に得られたるものと見られ得るからである。共同 利益主義に於ては、積荷の陸揚後に於て聾する倉敷料、滞積込費用及び揖港料と碓も航海の完了なる共同の利益 のために文机せられたるものであり、之を支出せざれば共同の利益を全くし得ざる性質のものなれぼ共同梅損な りとなす。欧洲大陸の判例は共同利益主義に依り、英闊の判例は共同安全主義と共同利益、琴義とを併用してゐる 即ち避難港入津の目的が櫓舶の被りたる竪堀渥損たる損害の修繕にあるならば共同安全主韮に依り、入港料及び 積荷の陸揚費用を共同海損となし、積荷の倉敷料はその特別費用として積荷の箪猫の負塘となし、滞積込並に出 盛費用は運賃の特別費用としてその箪濁の負塘となす。之に反して、避難港入津の目的が共同海損行馬に因る損 療の修繕にあるならば、共同利彗義に依り是等の費用姦て共同梅抗と認める︵把日韓戸諸㌍絹紆︶。 狗逸の単著へツクは避難港に於ける費用及び損寄を詮明するに、共同安全主義︵∩ヨヨ○コ・Sa訂ty・Sys訂ヨ︶又は共同 利益主義︵BOヨヨ○コ・beコefテSysけeヨ︶に於けるが如く、共同の安全又は共同の利益等の規範を以てするは常を得たる ものにあらずとなし、先きに述べたる鳩続行馬︵FO官h当d−uコ已の原理に基き別に犠牲主義︵○昔rsysteヨ︶なるもの を鳴へた︵鞘㌍︶。警依れぼ、避難港に入学ることはその目的が共同海損行莞周る損害の修絆にあると革猫 海損たる損宰の修嘩にあると、牌又、燃料の祈充にあるとを問はず、苛も共同の安全のために必要なるものあらば ︼の共同梅抗行為であり、船長が之を決意するに際して、簡明したるが如き費用及び損審は共同の安全のために被 共同尊務成立の場合 ︵三〇三︶ J三

(3)

第主へ懸 弟甲班 ︵三〇四︶▼−四 りたるものなると共同の利益のために被りたるものなるとを間はす、共同梅損行為の直接の結果たるものであつ て、共同海技である。蓋し、船長が共同海損行為の常時橡期したるものはその行焉即ち犠牲の範囲に屈すべきも のなれぼなり。具規約に云へぼ、入港すれば出漁せざるべからざるべく、積荷の陸揚は船舶の修籍のため必安な る限に於て預期せられたる鴻のである。陸揚は革紐込を預想する。船舶の出入並に碇泊中に要する燃料及び食料、 積荷の倉人中に要する倉敷料及び火災保険料も亦常然に預期せられたるものであつて、何れも共同海損々寄であ る。之に反して、船舶が避如港出入に際して坐礁したりとするも、船舶又は積荷が碇泊又は産鹿中に火災に躍動 たりとするも、概して濠響られたるもの鱒あらざるが故に、その限に於て苗海損ではない︵H錮㌘⋮詣△N.︶。投 するに、ヘツクの斯の如き解繹は極めて穏富なるものであつで、避難港に於ける費用の取扱に闘する弼逸その他 欧洲大陸諸国の虚位を、敢も巧妙に詮明せるものである。 ヨーク・アントワープ規定は英国主義を排して大陸主義を探わ、犬腰に於てヘツクの犠牲主産と符合して、左 の如き避難港出入のために被りたる費用並に損害を共同海損として取扱ふっ避難港に代えて哉航港に鋸航したる 場合も亦同様に取故はる。 月 避難港に出入のため要したる水先塞内料、燈婁料、 検疫料、その他り入揖港螢用︵RuleX二a︶.︶ 第十億貝耽麺難港リノ他二於ケル費用

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折舶ガ遇然ナル苛政、犠牲、ソノ他ノ非常ナル事態ノ結英トシテ、共同ノ安全ノタメ必要二迫ラレ避難港一︻ オリヂナル 入り叉ハ舵機払三郎ワタルトキハ、ソノ入梅ノ費用ハ之ヲ共同梅損卜認ム。且、元ノ積荷ノ全部芳クハ一部 ヲ積載シテソノ地ヨザ教航スルトキハ、ソノ出港ノ費用ハ.斯クノ如キ入港叉ハ蹄港ヲ焉シタル結英トシテ必要 トナリクル限二於テ、亦共同海拭卜認ム。 本懐は二八九〇年規定と全然同感である。 本條に謂ふところの偶然なる事故︵芽cideコt︶とは共同海損行為に基かざるものをいひ、犠牲︵Sacrif百︶とは之に 基く損害をいひ、非常なる事態︵Ex叩raOrdiコaryCircums訂コCeS︶とは確乎たる事故荒くは犠牲に属せざる性質のもの であつて、例へぼ航海中燃料の秋乏を来したる場合、船員がコレラ若くはチブスの如き悪疫に襲はれその多数を 失ふに至りたる場合、船舶が海賊若くは交戦国軍艦の追跡を受けたる場合等が之に屈するものとせられてゐる ︵R。璃こ。 右の如き非常の寄態に僚して、入港又は押絵が共同の安全のため為されたるときには、その行為は共同梅抗行 為であり、入港料は共同海拭である。この入港又は鋸港といふ共同海損行馬の結果として出港を見るに至ったと きには、出港料も亦その限︵COrreSPOコdiコ氾eXPenSeS︶に於て共同鯨損たるペきものである。本備後段の規定は之を 明かにしたるものである。 船舶が避難港に入り又は船積地に握りたる後、再びその鞄より敬航するに際しては、兜に持込みたる積荷の仝 共同浄相成立の場合 ︵三〇五︶ 山五

(5)

弟三令 弟四兢

︵三〇六︶一大

部若くは姦を積載して出港するを普通とす宅稀には新なる積荷を以て出港することもある。前の場合た於て

は航海は入港及び出港を通じて職摸せるものであり、出港料は共同海抗たり得るも、後の璧口に於ては、航海は

入港のものと出港のものとに於て全く別個のものであり、出港料盟ハ同海抗たることを待ない。何となれぼ、共

同梅損を惹起せしめたる共同の梅上危険︵COヨヨ0コヨar⋮旨eえく致u−2︶は元の積荷︵Or官a−ca﹁邑を輪迭せざる

こ・との決定せられたる日に於て路焉したるものなれぼなり。本備後段に於て元の積荷を以て云々と規定したるは

尊貴之を明かにしたるものである。

B 積荷、燃料、貯寂品の陸揚及び倉入の荷役賃、倉敷料、 火炎保険料、並に、帝積込、般入の登用︵RulesぞbγX吾︶、 及び、是等の荷役に因つて被る損害︵Ru−eXlこ 第十條B耽 船積港、壷舵港叉ハ避難攣l於テ、種荷、燃料著クハ貯蔵品ノ胎内荷役叉︵陸揚費用ハ、ソノ荷役叉ハ陸揚 ガ共同ノ安全ノタメ必要ナルカ、叉ハ犠牲薯クハ軍政二因竺ア船舶1壷ジグル損害ヲ修繕スル上二於テ必要ヂ アリ、且リノ修繕ガ航海ヲ無事一遍行セシムルタメ紋クペカラザルモノナワシトキ一応り、之孟ハ同海損卜認 ム○

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(6)

本條は﹁八九〇年のものと和典なる。叫八九〇年規鑓に於.ては、積荷の陸揚、余人、再現込のみに就て規定し 燃料及び貯減品に裁ては之痘痕哀しなかったが、叫九二凶年規定に於ては是等を税狩と何様に取扱ふこと1した

また、劃八九〇年規定に於ては積荷等を陛似せゃして船舶内に於て甲胎船より乙船齢陀移動せしむるが如き船内

荷役の費用︵∩。St。;a茎iコn。コb。鼠︶妃就ては之孝明富せざりしも、一九二凶年規定は明文を以て陛抜の費用

と同様に取扱ひ、共同梅損と認めた。

船舶が避難港に入るは共同の安全、乃至は航梅の完了なる北ハ同の利益を目的として之を為すものである。この

日的の禿めに績荷等の荷役費用を支出したるときは共同海損なれども、その他の目的のために被りたるものなら

ぼ、最早避難港入津なる共同海損行為の直接の結英と認め得ざるものであつて、その限に於て共同轄抗ではない

*條咋於て﹁荷役ガ共同ノ安全ノタメ﹂又は﹁修繕ガ航海ヲ無事一岬逢ゎセシムルタメ﹂云々と規定したるは、・之を明

かにしたるものである。

弟十傑C躾

積荷、燃料及ビ貯減品ノ胎内荷夜叉ハ陸揚費用ガ共同晦損クル場合二於テハ、該積荷、燃料又ハ貯政品ノ荷

税込撃−船入費用ハ、ソノ〓凱ノ倉敷料︵火災供瞼ヲ付シクルトキハソノ保険料ヲ合ム︶ト共ニ、之ヲ共同振抗

卜認ム。船舶が航海不能斗ナけニグルカ叉ハ光ノ航海ヲ噂紋セザルトキハ、リノ航鯨不能又ハ航海戯止ノ決定ヤ

ラレクル日以後ノ倉敷料ハ北ハ同振損クルコトヲ待ズ。但シ、税荷ノ陸揚完了前声於テ、航海不能又ハ航海虚止

共同晦握成立の吻合 ︷一エ〇七︶ l七

(7)

ミ、 ︵三〇八︶−八

第羊巻 館四紙

ノ狭長セラレクルトキハ、倉敷料ハ陸揚完了′頁〓二曳ルマデ之ヲ共同海拭卜認ム。 本牧は前節十傑B批との均衡を保って、一八九〇年のものと稗輿なる。二八九〇年規定に於ては、積荷の荷役 費増忙放てのみ規定したるが、山九二四年規定に放て・は燃料及び貯戚品を積荷と同様に取扱ひ、是等のものに踊 する倉敢料、常租込焚用及ど槍入費用を共同湛損と認めてゐる。而して、本條前段に於て﹁胎内荷役叉ハ陸揚費 用ガ共同海転クル場合二於テ﹂云々と規定したるは、尊貴避緋港入津なる共同海損行路の直接の結英として、陸 揚等に次で航海の完了のため被りたるものに限り、共同海損と認 めらるべきことを明かにしたるものである。 兢荷の陸揚費用並に倉敷料が共同海損と認めらるゝときに於ても、積荷が埠頭、河岸若しくは倉庸内に在る問 紅於七被る火災保険料の取扱に放ては、従来疑問があつた。蓋し、積荷が避難港に於て火災に綴るも、概して共 同渥拭にあらざることに就ては既に述べたるが如くであり、之より推論せば火災保険料は共同海技たるを得ざる が如し?然し、現今に於ては避難港に於て陸揚せられたる桟荷は火災保険に付せらるゝを普通とし、陸揚は倉敷 料と共に火災保険料の負培を預想するものである。この限に於て共同海損たるべき費用である︵叩。㌍︶。且、倉敷 料の中には火災保険料を含み、その分離不可能なることあり。仙八九〇年規▲定はこの保険料の取扱に就て規定す るところなかりしも、﹁九二四年規定は明文を以て之を共同海損と認めた。.避難港に於ける費庸が北ハ同渥抗と認 あらる.1は、共同海損行為の結果として生じ、、而も舵檻の完了なる共同の利益を目的として芽出せらる1からで ある。されば、船舶が航海不鞘となり、若しくは先の航海︵Orl号alく。ya笥︶を機摸せざるに至らぼ、その時を以

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て北ハ何の利益は油城し、爾後の倉敷料は積荷の罫偶の魚瘡となり、共同撮拭たるペからざるに至る。本條に於て もその後段に於て之を明かにしたる後、その但苔に於て、航海の不能又ぼ虚血が陸揚完了紹に.於てその決定を見 なるときは、陸揚完了の日に至るまで共同海抱として取扱ふとなす。この但喜ば・一九二四年規衰k於て新に附加 せられたるものであり、同じく附加せられたる十仙條後段の侶麗た封應するものである。 弟十傑︹批の但古並忙十⋮條の但苔は何れ私二九二四年規定に於て附加せられたるものであ少、十億D 統にも亦但宙が附加せられんとしたるも、これのみは抹用せらる1に至らなかった。然し、十億D耽の側 苫に放ては後に蓮ぶるが如く在るを可なりせするものなれども、十傑ぐ批の但書は十二條の但苔と共にそ め有用なる桝以を了解することを縛ないd悪し、航海の不能又は艇止の後と雑も、種苗が陸揚せられて船 舶・積荷が現嘗に分離するに登らざれば、共同の危険は消滅するものにあらざるを以て、陸揚費畑は共同 海技と認めて可なるものなれども、倉敷料は共同の危険が消滅したる後に於て被るものである。︰ルードル ウ氏は航時の不能又は厳此後の陸揚費用を址ハ同梅抗と認むペきものとせば、同山の期似内正於.て被る倉敷 料も同様に共同浩と認めてこそ衡平取得たるもの奈と雫るが如きも︰門m3、暮するこ志村な い。ハララムビデイス拭に依れば、水俣の但沓は故利に陸揚せらる1稲荷と故後に陸揚せらる.1積荷との 細に存する利益の衝突を排除し、殊に荷主が倉敷料の負婚を免れんとして梢荷の引取を避延せんとするを 共同薄絹成立り場合 ′︵三〇九︶ 山九

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第十二傑 陸揚ヲナスニ際シ積荷二生ジクル損害 積荷、駄料又ハ貯就品ノ船内荷役、陛扮、倉入、悶璃込、及ビ船入ノ行雷二際シ、是等ノモノニ生ジクル損 害・損失ハ、是等ノ應鑑三囚ル費用ガ共同海損卜認メラルベキ場合二眼り、北ハ同梅抗トシテ賠償ヲ受クルモノ トス0 本條は十傑B批及びC放との均衡を保って、両八九〇年のものと和典なる。山八九〇年規定に於ては積荷のみ に就て規定したるものを、一九二四年規定に於ては飲料及び貯蔵品を加へ、且陸揚、倉入、及び荷稲込、船人の 荷役の外に船内荷役︵碧t象haコd誉広Yを加へた。

第三懸弗四渋

︵三一〇︶こC 防止せんとの趣旨に出づといふ︵ェ彗成増i。訂こ。管、荷主にして稲荷の引取を撞踵せぼ慧拭職警以 て陸揚することを柑ペく、況や故初に陸揚せらるゝものが故後に陸揚せらる1ものより有利なる地位に置 かれるものと見ざるべからざることあるにも拘らず、更にその倉敷料を共同海抜として取扱ふが如きは甚 しき不公平を放てするといはねばならない。卑見に依れば、本條の但苔は荷主の利益を計りたるものなり といふよりも、寧ろこの規定を承認することは延て十〓條の但番を是認すべき畢由となり、更に十傑D批 の採用せられざりし但沓をも弧ゐるの前提となり、かくて蛤主の利益を計らんとし衷る魂臆匿出づ、るもrの かと思ふ。

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積荷、燃料及び貯蔵品の胎内荷役、陸揚及びか入、河積込及び船入の費用が北ハ同梅損ならば、是等の荷役行為

に因って生じ狩る抗審も亦同山の性質を有し、共同握損たるべきものである。尤も、穀物、石浜及び瀕石の如き

バルクカー∴−− 散秩積荷の自然の減免損に放ては、旗問の飴地がある。記七山般に散村は荷役毎に多少づゝその容租又は真数

を減少するものであり﹂汲も必然的に漆想せられたる損害であるとは雄も、船舶が普通の風波の件用に因り被る

芸の磨渡︵OrdlコaryWearaコdtear︶と同様佗、琵と糾し響る性計のものである︵凋頑咤讐ゝ去れば、

理論上に於ては、本條に謂ふところの荷役の拭害よりこの自然の油耗の叡を麓除七たる残額を以て、共同梅抗の

額となすべきものである︵蹄辞し。

々とあるを以て、積荷の陸揚又は再積込に用ゐたる辟舟の沈没に因る損害も共同渥抗と認めらるゝが如く

解せられざるにあらざれども、英国に放て陸揚又は再積込の荷役行為とは積荷の現蜜なる揚卸しのみ些限

られ、所謂スリングに際して︵ぎthes誉邑若くはフックに因りて︵byhO。旦︶ 盆じたる損寄のみが共同

海抗と認めらるゝに過ぎない。況や、在庫中の火災の損亭又は滞船入の敢痍より生すそ損害の如きは共同

海技行第の直接の結英と見得べからざるものであつて、共同梅損ではない。而して、陸揚並に介入の設備

S︹O

本條の適用、殊にその文言の解繹に就て鱒琵意を聾する。條文には、胎内荷役、陸揚、倉入、荷積込及

共同晦撹成照り塀合 riコ氾㌔e︼Oadぎ山aコm ︵三一一︶ 二一 じたる損害云

(11)

′、

C 避難沌に出入のため並に避難港に於て碇泊中に要したる

癖員の給料、食料、燃料及び貯滅品完u一2SX一−XX・︶ 第十叫條 避難港等二於ケル船員ノ給料及ビ食料 胎船ガ第十傑二摘ゲクル事情ノやニ、叉ハ同條二掲ゲクル修持ノ目的ヲ以テ、或ル港二入り叉ハ碇呵シタル、 トキハ、リノ碇泊中二於テ船長及ビ海員三文排フベキ給料ハソノ食料卜共一て船舶ガソノ航海ノ臓琉二必要ナ ル準備ヲ感へクルカ又ハ撃フベカリシ日マデ、ソノ超過凝泊期間三和常スル胡ヲ限り、共同海拭卜認ム。舵射 ガ航握不能トナリクルカ叉ハ兎ノ航海ヲ臓摸セザルトキ.ハ、ソノ航渥不能叉ハ航晦靡止ノ決定セラレクル日以 後二於ケル、捨長及ビ海員′給料及ビ食料ハ共同渥損クルコトヲ柑ズ。但シ積荷ノ陛拗琴1前二於テ船舶ノ航 海不能父ハ航轟麒止ノ決定セラレクルトキハ、前記船員ノ給料及ビ食料ハ陸揚完了ノ日工至ルマヂ、之ヲ共同 ︵三一三︶ 二二 第三塵 界四‘兢 の甚だしく不完全なる硲に於て残されたる独行荷役︵F。1ne乱d訂什har駕︶ に際して生する損寄、不完全な る倉庫に保管せられたる積荷の雨抗並に遅くべからざる盗難、倉庫の設備なき港に於て膵舟に礪移された る積荷が必然的に被る損害等も、亦荷役行為に際して被る損害にはあらざれども、共同梅抗行為に際して 預攣られたる、讐その直接の托誉認め得べき限に於七共同海損と認めらる両翼軋。

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(12)

握損卜認・ム。

第二十條∴避難港等二向ケ航行ノ費用

′胎舶ガ避難警入違クハ船積港三園胱セルガタメ航海ノ慧ヲ米シタル去二於テブノ航海ノ慧期間

内品費シタル燃料及ビ鹿癒盃、彗、此ノ延長期問内二警クル船長ソノ他ノ姶烏ブ給料及ビ食料ハ、ソノ

入港ノ費用ガ第十億打沈ノ規軍産豊ハ同海拭クル場合主眼り、之ヲ共同梅抗斗認ム。

捨積港、寄航警ハ避難警於ケル超過碇泊期間内晶費シタル飲料及ビ貯蔵品ハ、弟十血條ノ規軍産り

辟表ソノ他′哲ヲ給料ガ共同梅損晶メラル、閑問内ノモノ一転り、之ヲ共同海損去。但シ、共同海技タ

ラザル損害ヲ修繕スルタメ消費シタル燃料及ビ貯裁品ハコノ限。アラズ。

避難讐於て碇泊中に質し食え痕竃㌫給料及び食料が共同告と認めらるべきことに讐は、六九〇年規定

忙於て明言せられてゐる。克二四年規定はその十義解議に於て文字通りに之を摺襲し、且二十傑第遠に於

て避難港に出入わため航海の延長を来したるときに於てその延長期間内︵Du−iコ芸2PrO富at宮。=hヱ○選e︶

に要したる船員の給料及び食料を共同海転と認めた。

云九〇年規定に警は飲料及び貯祀晶の消費は之霊ハ同海拐として取扱はなかったが、完二四年規定に於

ては避難港に出入のため特に質しねるものならば之霊ハ同梅抗と認むる鱒至つね?賛し、避難港入津が共同梅抗

群馬と認むべきものならぼ、燃料及び貯織晶の消費はその行雷の必然的なる結彗あ少、その航海の延長期間に

共同汚損成立の場合 ︵三一三︶ 二三

(13)

第三懲 弗四携

︵三︼四︶ こ四 於て要したるものは常然に北ハ阿海損と認めて可なるものである。更に、その入出粘の造粗に於て消費したるもの 1みならす、避難粘に於て碇泊中に要したるものも亦共同海抜と認めて可なるものである。唯、仰単臓海技たるべ き修踵を質すために拘賛したるものは、斯くの如き修絆費の〓準堅構成するものなれば共同海損たることを得な い。二十礫第二噴の但書は之を明かにしたるものである。 十二條後段の規定たる、船舶の航海不能又は航海靡止彼の賠員の給料及び食料の取扱比、十億C耽後段の規定 に封應するものであり、その但書抜二十條の全文と共に、叫九二四年規定に於て新に附加せられたるものである

避難港に於ける費用に相違して、謄舶が不可抗力に因り、畿航港又は航海の途中に於て、碇泊をなすた

めに聾する費用につき、附言する。

我商法六五二條は右の費用を共同渥損に準ぜしむペきことを規定した。尤も我商法はその六m二條に於

て共同渥損を甚だしく狭く解し、船舶又は積荷につき焉したる魔分に因りて生じたる損害及び費用を北ハ同

洛損とすと規定したるのみであるから、ヨーク・アントワープ規定十傑及び十∵條の規定する避難港浸於

ける諸費用と雌も、我商法の解鐸としては、純然たる共同弥損にあらざるもの1如く、漸くス茄二億の特 別規定に依って北ハ阿藤損に準ぜられ、始め.て同共渥損として取扱はれたるが如し。然し、斯くの如き費用

は避難港入津なる共同溢損得質の直接の結英として又は梢錯行為に因つて支出せられたるものであつて、

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我船法の規定を離れて考ふれば、共同渥損ねるペきや諾ふを保たざる性質のものなるを以て、押紙に改めて 之を論じ率い。唯避難港入籍と血緬係に、不可抗力に因り蟄航抵又は航海の途中に於て碇泊を残すために 要する費用に就てのみ述べる。而して、避難港入津と無闇係に生する碇泊の必姿は、十傑凸既に規嘉した かと同様なる目的、殊に船舶が或る港に碇泊中に於て受けたる拭啓の修繕のためなろことあり、航路若く ストラ′﹁ク は目的港に於ける賊軍危険のため航おの携行が危険なるに基くことあり、船員砦くは仲仕の同研皿⋮傭先の結 ヱムパルゴー 果たることあり、官の鹿分殊に船舶抑留若くは封鎖に因って坐することあり。 賠舶の碇泊中に於て被りたる損害が共同海損行為に因る鳩のならば、その碇泊は共同海抗たる損害の修 荘のため必要なる限りに於て、その直接の結英であり、碇泊の費用の北ハ同海税たるや言を侠たないっ船舶 の損害が共同渥抗行為に基かざるものであり、碇泊が革端麗損たる損寄の修繕にあるならば、碇泊費用の 取扱に裁ては疑問の飴地がある。慧し、その碇泊は績航の物理的不能︵Phys訂nheUコヨ○隻︵h訂叫tderWeiす re岬se︶に基くことあるべく、常に必ずしも共同の安全を目的とする任怒の行焉ではない。修糀の目的に於て は阿叫なりとするも、避難港入津は共同の安全を目的とする任意の行焉であるの意味に於て共同海損行為 たり得ても、碇泊は腋密なる意味に於て共同海損行為と糾し得ざることあるべし。然し、旋泊中に聾する 胎口層の給料及び食料並に燃料等を船主の革鴻負拾となさぼ、船主はその費用の箇約のため完全なる修揮を 施さずして出帆を急ぎ、船舶・積荷に危険計醸すことあるべし。細論上に於ても、柁航の物理的不能がや 共同淳揖成立の場合 ︵三一五︶ 二五

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紆 ︵三〓ハ︶ 二六 弗三一巻 弟四航 みたる後に於ける碇泊は任意の行篤と糾することを待ペく、1少くとも爾後の費用は共同海抱と認めて可な り︵鞘㌍︶。されば、完二四年規芝於ても、碇泊が避難港入管同〓黒革惜の下に於て残されたると 普には、船員の給料及び燃料を共同海損として取扱ってゐる︵R星esXr父冥.︶。 航路若くは目的港に於ける珊寧危険等のため碇泊をなすけ、明かに共同の安全を目的とする任意の行為 に因るものである。然し、共同の危険は摸航に因って生するものであり、船舶・積荷に踊して現存するも のにあらざるを以て、斯の如き碇泊も駿密なる意味に於ては共同輝損行篤と科することを得ない。而も、 千︼條の引用したる、十催貝取の非常の事態︵E告a。rdiコa童C旨uヨStaコneS︶の結英、碇泊をなすものと見得 るかも疑ひなきを待ない。猫逸南淡は六二九條仙項二故に放て、この積の碇泊を後に連ぶべき官の鹿分に 因る濡と同様に取琴その碇泊の諸費用真同臥警認めた︵=警。 船員若くは仲仕の同盟罷業の結果たる碇泊は、続航の絶封的不能に因ることあり、或は船員又は燃料の 不足に因る据航の危険を慮り、任意に質さる1ことあhソ。後者の場合に敷ける碇泊は之を共同振抗行為と 糾し待としても、前者は何等の疑なく斯く稲することを得ない。漸く我商法六克二億の規定に依り、共同 海損に準ぜしめ得るのみ。 官の鹿分、殊に船舶抑留若くは封鎖に因つて生ずる碇泊は、法令若くは官憲の命令に因るものであり、 共同の安仝を目的とする船長の任意の行馬に出づるものではない。へ﹀ツクは共同渥較成立の叫般的嬰件を

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具備する如く払Ⅷ書けれども︵閏e酢︶、暮する。と姦ない。。の杵の牒読は蒜航の琵上の不 能に困るものであり、舶長の任意の行焉ではない。従つて、その碇泊の諸費用は眞の共同潟損ではなぃ。 唯英若除く欧洲大陸諸国に於て腐羞牒牒讐りして、之真岡鯨拭に準ぜしめてゐる︵絹︰硝” cOm.邑.︵亭︺。単著の準共同梅抗と稲するものこれであり、我商婆ハ五二條は之を二般的に規宰したるも のである。 要するに、碇泊干ie∽eコ芳詳eコiコe諸ヨHafeコ一は任意の行焉たることあり、任音の行為たらざることあり。 任意の行為たるときと雄も碇泊は不作為であり、投荷又は避難港入津の如き作篤の北ハ町海航行雷以外に不 作為の共同梅抗宿怨が認めらるべきや、これが眈に側の尿問である。抑も、共同海損の制度を認め、特殊 の抗宰又は費川につき、直接に之を被り又は支出したる航海路係者の革弼の負瘡となさず、舵舶・積荷等 をして共同に分培せしむる朔以は、船主の利益と積荷の利益とが衝突する場合に於て、その利害の衝突を 綬和し、船長をして最洩公平なる應碇を為さしめんとするにある。換言すれぼ、ヘツクの謂ふところの利 益の衝突︵≡eresseコkOコfニkt︶こそ共同海損成立の大前提である。今、碇泊が任意に基かざるときに於ては、 船長が之を決意するに際して、袷舶と稗荷との問に利益の衝突なかりしものであり、従って犠牲なく、厳 密なる意味に於ては共同渥損たるべき揖寄なし。碇泊が任意に出づるときと鍵も、その不作馬の決意に於 ては、投荷の如き作焉の決意に於けるが如く、之を決意するに際して利益の衝突を感すること弧くない。 共同汚損成立の場合 ︵三︼七︶ノニ七

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緊丁∵

第三稔 第四航

︷三一入︶ 土八 従って、碇泊の費用を共同海抗せして取扱はぎるべかちぎるの必嬰は、授荷又は避鰍準八津に於けるが如 く、緊切でない。然し、利益の衝突の存在は之を否認し得ざるを以て、作馬の共同渥抗に於けると甲叫の 原理に依って取扱ふことは、必ずしも不穏蕾ではない。之に反して、任意に出でざる碇泊に於ては、蓬に 夷同海技の原理に依って取扱ふことを得ない。海運政策上より姶主の保護を目的として、衡平︵Equi首︶て ふ極めて鰐き観念の上に立ちて、始めて共同梅拭に準ぜしめ得るのである。

八 代 番 賛 同

船舶が航海の途中に於て損害を被り避難港に入津する場合、その折寄軽微なるときには直ちに修搾を施L航海 を繊細するのを普通とする。この場合に放ける諸費用の取扱に就ては、前項に放て述べた︵Ru︼川SXb−X∫X1.XX.︶ 損害大にして修絆し待ないときには、桝謂航海不能宗。コdeヨ邑iOコ︶の場合であつて、航海は厳止せられる。この 場合には船舶・積荷及び運賃の共同の危険は満城するに至るを以て、爾後生する諸費用は原則として各財産の特 別費用となり共同海抱ではない︵Ru訂XcごXこ。然るに、船舶は之を修繕し積荷を閂び積込みて航海㌃痕出し得 るに拘らす、特殊の事情よりしてぺ積荷は之を他蛤又は鋳造にて目的地に時迭し、或は蛤舶も之を避緋池に於て 修繕せす、目的港その他.の港に曳船し、共起にて修絆するを以て却て有利なることあり。避舞港と目的港どの距 離が遠からざるとき、積荷の性質上市場制場の欒動麗しきもの宋ぐは腐敗し易きもの、避難他に放て修絆するよ

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りも目的港その他の港に於て修絆する方が遥かに低廉なるとき等に於て然りとする。.是等特殊の事情により、普 通ならば避難港に於て被るべかりし費用を節約し若くは損審を回避して、之に代えて、曳船料若くは略迭費用等 別棟の費用が文机せらる1ことあり。これ、代替費用︵Subs叶善臣expeコSeS︶支出の場合である。代替費用は箇約 費用とも、また費用の節約︵K。s什eコerSParコlS︶ともいふ。 叫九二四年ヨーク・アントワープ規定は、その仙般的規定たるF偵及び佃別的規建たる十傑D故に於て之を規 定してゐる。而して、後者は避難港に於て支出せられたる代替費用のみに就て規定し、鵬八九〇年規定を文字過 少に躇襲したるものである。前者は代替費用が避難港以外に於て支出せらるゝ場合を慮り、一九二凶年規定に於 て新に附加せられたるものであり、後者の趣旨を﹁般化したるに過ぎざるものである。

F 條

エクストラ 共同海技卜認ムベカリシ費用二代へテ、、特三文出シクル費用ハ、共同共振拭卜者倣ス。但シ、北ハ同振拡クル ベカリシ費相ヲ回避シタル限度二於テ、共同海技トシテ取扱フモノトス。 第十條D批 損害ヲ受ケクル船舶ガ、ソノ積荷ノ各部ヲ遅速スルー−必婁ナル修紹ヲ施シ得ベキ地二在リクルモ、費川ヲ節 約スルタメ他ノ修絆地文ハ到達港へ曳船セラレタルーキ、或ハ、積荷ノ全部著クハ側部ヲ他ノ船舶二税換へ栂 迭セシメタルトキ、威ハ共ノ他ノ方法一仰依リテ巡迭シタルトキハ、共ノ曳船及ビ租換・略迭又.ハ英ノ何レカノ 共同持撹成立の暢合 ︵孟一九︶ 二九

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第三懸弟四.兢

︵三こ︵︺︶三〇 ∴ノタメ㌔牢㌘要シタル費用ハ︵用鮒鱒配㌶謂︶、諾セラレク″荒ノ割合二於テ、各利高係人之ヲ

分培ス。

一九二凶年規定のF條及び十傑D既に依り、代替費用が共同海技と認めらるべき嬰件並に割常左の如し。 ︵凸︶ 共同海転落るべき代替費用は支出せられたる費用であり、犠牲若くは損害を含まない。 ヽヽエクス1ヲヽヽ ﹂般的規定たるF健の草案に於ては、爽同梅損たるペき費用若くは損害に代えて娼に被りたる拭啓も亦址ハ同 港損と謎め、代替拭等︵Subs旨ted−。SS︶を代懲費用︵Su邑誉什edexp当SeS︶と同様に取扱はんとした。而して、船

舶が遭勤してその蒸溜械を破損したるに於て、汽擢に海水を弘用し因って被りたる拭賓は、曳船科を箇約したる

ものとして代替損害であり、共同拓損と認むべきものなりと主張せられた。然し、代替損害の意味際昧にして恋

頬せられやすきものと認め、採用痘らる1に至らなかった。即ち、代替損寄は共同溢損と認められな甘のである

︵悶㌍琵粘鐸把㌣㌔

︵B︶ 避難港に於ける代替費用が共同韓拭たるためには、船舶の修絆がそのぬに於て可能ならざるべからす。 詳言すれば、帆槽を失ひ若くは機関を破較しっ1も辛じて避難払に辿り若きたる船舶か、その港に於て椎拝せ

られ仝梢荷を秩載して出港し得る場合に於て、費用を箇約するために曳船せられ、稲荷が積換若くは柑港せられ

海るときならざるべか.らず。然し、、蜜務に於ては楷舶の修繕がその他に於て可能ならざるときと雑も、常審者の

癖約により、曳船料苧は琴略安川等畏簑讐して奴慧の傾向豊じっ

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︵C︶ 代替費用が共同海拭たるためには、共同檻損たるペき費用の箇約を目的としたるものならざるべからす。

代替費用は費用の箇約を直接の目的とせすして、航海の遅延に因る積荷の腐敗、苗偵の下落、滞船料の損失等

の如き損失・由審を回避するために支出せらる∼ことあり。、然し、叫九二凶年ヨーク・アントワープ規定は造等 の損失・損審む常に共同縁損にあらすとなすを以て︵Ru訂ハ・︶﹁その代替費用も亦共同渥抗として取扱はる1こと なし。然し、賓務に於ては之を共同琵として取扱ふの特約をなす乙と少からヱ門撃︶。 ︵D︶ 代替費用を分揺すペきものは、硯寄に節約せられたる費用のみである。

代替費用を分塘すべきものは、理論上に於ては箇約せられたる費用並に回避せられたる拭寄ならざるペからず

避難地に於.て積荷の陸抜、倉入㌣再積込等に際して被るペかりし損害、並に迎難港に於て船舶の修躇を待つなら

ば生すべかりし積荷の腐敗又は航醇の遅延に因って生ずペかりし市債の下落に凶る損害等も、亦代替費用を分揺

すべきが如し︹現に、叫九二四年規定の制定に際して、強行荷役︵FOrCedd訂nhar駕︶に囚つて生ずべかりし税村の

損害等には分増せしめて如何との主張があつた。然し、採用せらるゝに至らなかった。かくて、ヨーク・アント

ワープ規先に於ては、現茸に節約せられたる費用にのみ分獲せしめ、回避せられたる損害には分捺せしめない

︵昭m報軒︶。 ︵E︶ 代替安川は共同梅損たるべき費川の節約せられたる割合に於て、共同海打として取扱はる。

先づ例を以て示せば左の如し。

共同海絹成立の場合 ︵三二こ 三1

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緊 右の共同梅転及び革猫海技ねるべき費用を節約するため、支出せられたる曳船斜の中、その代番数用たるべ き額次の如し。

第三懸 第四航

︵三二こ︶ 三ニ ーノ船舶は葦凋梅損たるペき損害を被って避難港にあり。而して、上述の如き特殊の欝怖により、避難港に 於て修繕を施さす、船舶及び積荷を目的港まで曳給して次の費用を繭約した。

曳 給 料

曳船なくば滑資すべかりし燃料

其の他の費用

胎員の給料及び食料 梢蘭の陸揚、倉入、再積込の費用 計︵節約せ=られたる共同棒杭︶ 船 舶 修 紹 費 避難港に於て施すならば聾すべき潮 目的港に於て嬰したる額 善報︵節約せられたる箪弼海技︶ 放計︵箇約せられたる共同海抜及び畢猶海抜︶ 沌戸0003 −u.〇〇〇3 ひ.〇〇〇3 −.〇〇?J ︵− ︵十 沌〇.〇〇〇3 ーひ一〇〇〇ヨ 叫占二︶03 ︵+

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差額■︵代替費用Y

蔓言お

代替費用を節約せられ鞍る共同渥拭及び軍猫梅拭に料常りること次の如しっ

⋮。。×性峰

共同海損誓ぺき額

⋮冨3×瞳帽

澤猫海損たるペき鱒

斯q如く、代替費用はその全額が共同温損として取扱はるものにあらずして、兵同海損たるべき費周の節約せ られたる割合に於七共同海技たり得るの.である?個別的規定たる十億D耽は之を明言してゐる。然る虻仙般的規 定たるF條に於七は、畢忙箇約せられたる限度に於てとなし、由約せられたる割合に於てと規定せす。前例の代 替費用の金額四千園がその仝鶴に於孟ハ同醇拭として政故はるペきが如し。現に、F俵の制定転際してもF催と 十億D択と∨は別個の精算方法を規定したるものに■あらザやと■の主張あ敬しが、穏草で考い。衡平の観念より見て F條も十億。耽の如ぐ解すべきもめで雪︵相関諾錮dnOコ好eコCeも.む9 ︵F︶ 代替費用は共同鯨損たるペき費用の節約せられたる限度に於てのみ共同海鰐である。 代替費用は費用の節約とも稲ぜら′る1が如く、箇約を目的とするものなれども、感々にしてその・目的を遷せす

却て費用を増大せしむることあり。由して、表的に共同海技の成立打ために・は、共同握抗行為は必ずしも好結

果を謝したることを要せざるものとすれば、代替費用に於ても亦箇約の目的を達したることを要せざるペき筈の

ものせある。廃し、′代替費用¢取扱が既に共同安全主義に封する例外の磨碇であ少、五その意周訂思れて、ヨ1 共同埠撹成立の場合・∴ ︵三二三︶ニュ三..

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︵三こ囲︶ 三凶

弟三億 第四硯

ク・アントワープ規定は琶務に於けるが如ぐ、節約せられたる限度に於てのみ共同梅損と認めた。

山九二四年規定の十億・耽の草案に於ては、その末頃の但書として左の規定を存した。

妻トe−e−ト2︵ar笥0−aPU善コOfl−isfO−Wa−J2d什Od2StiコatiOコaSabOくe・Sunhca−笥Shalニeヨaぎ

︼訂bie什OC争質bute︻・〇昏eGeコeralぎera笥aS i〓thad nOtbeeコ訂rwa−ded㌧.

積荷ノ全部叉ハ一部ガ、避難港二於ケル費用ノ箇箇ヲ目的トシテ、ソノ目的地三相迭セラレタルトキ

ハ、リノ捧逸セラレクル積荷ハ時速セラレザリシモノトシテ、共同海損ノ分槍晶ハルコトヲ要ス。

この規定に就てはストックホルムの合議に於て激論を見、途に採用せらるるに至らなかった。然し、こ

の規定の目的とする虚澄は、菅務に於ても常事者の時々の申合せにより歴々密行せらるゝところの取扱に

過ぎざるものであつて、大に衡平を得たるものである。殊に一部の積荷に就てその航梅を迅速に完了せし

め、荷主をしてその積荷の腐敗若くは市偶の欒勤の損失を免れしめんがために相法せられる場合を想像す

るに於てをやである。詳言すれば、緒迭は二カに於ては避難港に於ける費用の節約を目的とするものなれ

オり汐ケル

ども、他方に於ては常該積荷のみの利益のためにせらる1場合もある。然る把、粗造に依って元の船舶

との共同の危険が消滅し若くは海上危険囲倍より脱退したるを理由として、以後避難港に於ける諸費用を

分指するを要せすとせぽ、給舶並にその他の積荷との比較に於て甚だしく不衡平なる結果を来すものであ

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る。何となれぽ、相法せられたる積荷の蹄迭費用は代替費用として共同梅損に準ぜられる。従って、この 時追究用は特迭せられたる常該積荷と纏逸亙られやtて避難準に残れる積荷並笹船舶とに依って、共同し て分塘せられる。然るに、避難地に腐れる積荷並に船舶に生ずる倉敬料及び船員の給食料に裁ては、拇返 せられたる積荷は最早その分稽に興るを嬰せざること1なる。これ、甚だ不衡平である。香、避難港に於 骨る費用を分略すべきもの1減少は、必然的に彼等の負稽を寛からしめる結英ともなる。果して然らば、 畔逢せちる・1積荷と避難港に残る船舶及び積荷との問に利益の衝突を薪に惹起せしめるものであり、斯く の如き結果を招爽することは全く共同海損の本旨にさへも戻るものである。 叫九二四年規定は右の如き面白からざる結英を回避せんがために、﹁拍返せられたる積荷も玲迭せられざ りしものとして共同海抗の分括に興ることを要す﹂と規光したのである。■然し、.時速せられねるものが韓 迭せられざるものと宕倣すれて取扱はる・員は、不穏富に響く。而して、斯くの如き仮定の必要は、⇒−ク・ アントワープ魂定が共同海技成立の仙般的要件として共同安登養主義乃至は共同利主義を奉じ、、犠牲主義 乃至は般繚行為の原理を∴般的に認めなかった罪に由来するのである。 要するに、本十傑D既の仏書の草案は、その趣旨に於て穏雷なるものであるけそども、前述したる櫨績 行為を認めざる限り、主義として是認することを得ない。且、他の規定との均衡上に於ても首骨し得ざる とこるがある。かくて、ストックホルムの合議がこの草案の但蓄を削除したのは、必ずしも非難すること 共同降頻成鹿の場合 ごユニ五︶ 三五

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九 億 修 繕 費 ︵Ru訂と<●︶

船舶が損審を被り、避難港に入津したるに際し、兜づ應急の廃艦として恨修繕の施さる⊥ことあ少。或は、奉 修搾を施さずして、恨修絆のみを以て、出帆せしむることあり。諾し、賠渠等の設備の不完全なるよ少して、溶 くは材料又は労力の不足のため完全に修繕し得ざることあり、之を完全に修繕し待としても此奴的多額の費用を 要することあり、殊に本修繕を施さぽ長日月を要し船舶及び積荷に種々なる費用の嵩むを普通とし、積荷には腐 敗又は市偶の下落等の損害の生することがあるからである。 要するに、恨修絆は左の如き目的のために行はる。 囲 共同の安全のため應急の廃置として、 岡 本修繕が避難港に於て可能ならざるがため掟、 伺 修躇費、又は、積荷の陸揚十倉入、滞積込等の如き修結附随の費用の節約のために、 デ†レーデ 拘 滞船料、又は、積荷の腐敗若くは市偵下落の如き、航梅の遅延に因つて生ずる損失又は損啓を回避せんが ために、 を得ない。 強さ態 第四﹀兢 ︵三こ六︶ 三六

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∵九二凶年ヨーク・アントワープ規定は、その†四億第・劇項に於て、恨修梓費を共伺梅抗として取扱った。

第十四億 恨修繹費

船舶ノ恨修桔ガ船種恕、寄航払著クハ避難健二於テ、共同ノ安灸ノタメ、叉ハ共同梅損犠牲三国ツテ生ジク

ル損害ノタメニ焉サレタルトキハ、リノ憫修確ノ費用ハ之ヲ共同蘭抗卜認ム。但シ、個修籍ガ偶発的ナル帝政

三周ル損害ノタメニ、単三航海′完了ヲ目的トシテ焉サレタルトキハ、該恨修絆ヲ其ノ地二於テ焉サヾリセバ

共伺渥損トシテ支出スべカリシ費用ヲ節約シタル限度二於テ、リノ恨修辟費ラ共同海損卜認ム。

共同海損クルベキ恨修繕費二封シテハ新哲交換′掟除ヲ焉サズ。

本條ノ第山頃は叫八九〇年規定になく、叫九二四年規定に於て新に附加せられたるものでるる。而して、侶修

絆の施さるゝ地が措梢港なると寄航港なると、若くは避難港なるとを問はず、殆ど絶ての恨修繕衷を共同梅損と

怨めるものである。然し、之を共同涯損として取扱ふ根抹に至っては同〓でなく、各場合に依り、共同海技犠牲

として、或は代替費用の原理に依り、或は航海の完了なる共同利益主轟に依り、共同梅損と認めるのである。

本條をその規定の文官忙廃って、左の如く分けて詮明する。

︵尺︶ 恨修絆が共同の安全を目的として︵f。ニhec。ヨヨ。コS乳ety︶施されたるとき 恨修絆が共周の安全を目的として施さる1場合とは、舷舶が浸水しっゝも辛じて避難洛陀到達し、沈没の危険

が切過せるときに於て、或堆胎舶が払濁内庭於て碇泊中火災を起し又は衝奨を奄し、沈没の危険あるが食め忙、

共同海頼成立の吻合 、︵三二七︶ 三七

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井手藤 井甲携

雪#こ久錆 三飢 糖舶及び積荷の共向の安全を目的上し乍、.應急の事常が施さるゝが知音ものせりふ。而し′て恨修繕は頼経的廃位 であり、その性質上永久的慣倍なきものなるため、哀修籍に境だつ七傲分拓資する費用であゆハ﹁樟の犠牲であ る。斯くの如き性質を有する恨修繕が右の如く危険の現存せる場合に於写、・共同の安全のために施されたるもの ならぼ、一般的規定たる尺條に放つ七も常然に共同海損たるべきものである。換言すれぼ、本修揮費が半間海技 た′ると軍猫鯨拭に過ぎざるとを間はす、共同の安全のために施さるゝ恨修繕費は共同渥損である。本傑は之を明 かにしたる塙のである。 ︵B︶ 恨修繹が共同梅損犠牲︵Geuera訂くera笥Sanr彗ce︶に因って船舶に生じだる損害に封して施されたるとき 共同海損犠牲把因って生じたる損審とは、共同海損行馬に因って生じたる損害と同義なるべく、畢充共同渥抗 たる損雫に等しかるべし。・この種の損審を発きに列車したる恨修繕の施さるゝ四偶の動機と到照せしめて、この 場合に於ける恨修繕費が何等の例外なく共同海損たるべきものなりやを吟味すべし。尭づ糾の共同の安全を目的 として施さるゝ場合には、廟に嘩ペたるが如く共同海損である。 何の本修繕費の箇約のため、又はその附随の費用の節約を目的として施さる1場合は、何れ、も共同海損たるべ き損害又は費用の節約を目的とするものなるがために、げ條の規定する代替費用の原理に依っても共同梅損たる べきものlである。何の本修絆が避難港に於て不可能なるときに於て施さるゝ偵修繕に就ては、多少の疑問がある 然し、恨修絆を施さゞれぼハ.胎舶は安却せらる1か又は曳船せられざるペからざるものであり、共同海技たるペ

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き損害を箇約したるものなるを以て、代替費用の原理に準じて共同海損と認めて可なるべし。尤も、代替費用に

関して規定するF傑は、兵同海損たる費用を節約したるものわみに限り、共同韓抗たる損害を節約するものは之

を共同海技と静め得ざるを以てへ木像にはこの鮎に於て多少の矛眉がある。

何の航海の遽延に因つて生する損害の回避を目的として施さる1恨修群衆に至っては、更に大なる疑問がある 之霊ハ同梅拭と詠めることはC保と矛府し、第十億D耽の規定と均術を保たざるものあり。然し、本十四傭の規

定は、共同海損たる損害の恨修繕費に裁ては包括的であり、之を亜ハ同縦揖と認むとなしたるのみであつて、この

場合に裁て特に異なる取扱をなすべき旨を明言してゐない。

︵C︶恨修繕が航海の完了を醸二の目的として︵寄21yt。2コab12旨eaJv2nture什Ob2COヨPleted︶船舶の偶畿的な る事故に因る損害︵芽nideコta−daヨa笥︶に封して施されたるとき

偶畿的なる専政に因る損害とは、概して共同晦損行為に基かざる損害であつて、畢猫撮損たる損害である。而

して、この程の損害に勤して恨修祥の施さるゝ動機は、共同海技たる損宰に封して施さるゝものと異なるところ

なし。即ち、前記の如く大濃掴種類ある。何の共同の安全のために施さる1場合には、常然に共同渥損である。

何の積荷の陸揚、倉入、静穏込等の如き、修絆附随の費用の箇約を目的とするものは、共同梅損たる費用を節

約するものなるを以て、代替費用の原理に依り共同海損である。然し、本修群数白鰭の節約を目的とするものた

誓っては、之豊ハ同港損と認むることを得な∨い。蓋し、露舶の畢猫海抗たる損審の修粍費は畢凋海技であ少、妄

共同梅澤成立の揚合 要一こ九︶ 三九

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買わ

奉三稔 喪中現

今茎Q︶由Q lの節約を旧約として施さる、椴修粍の費用は、衰はゞ瑠璃梅損の代替費用であ、つ▲て、胎主の利益のためにわみせ らるゝものセある。由rLて、とめ恨修糀に伐つで肪舶め碇泊期間を短髄し、共同盛蘭凍る費用を髄約した少とす るも、未だ之盈ハ阿渥損せ認むるに足ら厚い。然L、本修粍紳ハにして非常に多胡を馨し、廃ろ修絆せきるを以て 疲れりとする態度のものならば、癖る婁今の仮修粍は次に遡ぶる本修錯の不可能なるときに質さる.1恨修繕と同 様の意味に於て、航海の完了告晶とし富ものと見ることが果る詣竪。而して、ヨーク・ア㌢トワープ規 定に於ても本十四條第﹁項の後段の規定たる、航海の完了を唯﹂の目的としたるものとして1代替費用に準上て 共同梅損と認めたる1もの1如し七 拘の本修群が避難港に於て不可能なる場合に於て施さる1恨修旅費に就ては、理論上に於ては之を共同輝揖と

認世ざるを可とせん。表皿し、恨修絆を施さゞれば拾潮は資却せらるゝか又は曳船せられざるべからざるものであ

り、その資却の損害又は鬼鹿料はBの場合に於ては共同渥覗なれども、鼓に問題とせるCの窃食止於て・は畢猫海

抱である。との畢猫海技たる拭寄を節約サる恨修絆費は、謂はゞ寓猫梅損の代替費用であつて、共向海技の代替

費用にあらざるを以て、共同梅損たるを得ざるものである。然るに、・﹁九二四年規克は、本修粍の不可能なる場

合に於て施さる1恨修純吏琶代替饗用咋準ぜしめ、恨修糀がその他に於て施されすぼ共同梅損として支出すべか

りし費用を箇約し廃る限度に於て、共同鯨抗として奴扱った。その珊由とするところは、潜し椴修絆を施さすば

赦晦は駿止せらるべきものなれば、板修押は船舶及び積荷が東南庵創泰とするところの航海の発了を唯﹁の眉的

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とし凝るものであるせたすにあるー。而して、痕醇の完了を目的としたるを理由として、恨修絆紀宝ハ同海拐とし

て取扱ひたる′ことの是非は別としても二九二川年規滋が共同海損の成立要件として、共同利益主義を暗に認め

富ものであ為︵崇崇。 ルードルフ氏に依って、“九二四年規晃に謂ふところの航渥の完了を唯二の目的とする恨修繕と.は、判

の本修絆が避難港に於七不可能なるとき、並に何の本修鍾費が非常なる多額を要するときに於て施さる⊥

協のを云ひ、ヨーノク.・ナγトワープ規定偲共同利益主儀の上に立ち、その恨修絆の費用を共同海抗と認め る洩のなるが>余は首骨する七とを得ない。.素より、航渥の完了ほ購舶及び積荷め共同の利益を筋すもの

及るとょを辞はぎるも、航海の完了を以て直ちに共同海揖を成立せしむべき理由となすに足らないと信ず

葛。蓋し、恨修鍾著くは本修純の不可能ならざるときに於て之を修糾し航渥を完了することは、胎主が遅

速契約上魚へ魯然の恭務軒履行するものに外なちぎるものであÅW芳ち。<・B覿.。f≦。什。rざ︶∵英国を 始め碗逸濫苗に於ても同様に解けべし︵謂詰一粥d⊥仰い一報相浦始攣警拭︶・。而も、胎主が七

の償然の哉蘭を履行する・上に於て何等の犠牲を被ってゐ・ない。即ち、何の場合に於ては彼の軍猫の負培た

る∵ペき本修椎柴の箇約を目的とし、何の場合に澱ては同じて川蝉昭海拭たるペせ聾却の損害文政曳給料の節

約を目的呈しrたるやのセ思り、廠修錯に依ってー∵叉の損寄も被つ七ゎない。然るにも拘らす、恨修鍾費を 共同淳掘成恩勿場合 ︵三三一︶ Fq一

(31)

共同梅損として取故ふことは、船主に不営の利得を輿ふるものにあらざるか。 尤も、給主が恨修躇に依って犠牲を被りたるものあらぼ、之を共同悔損と認めて可なり。斯の如き場合 は本修梓のみならす恨修絆と雑も相常多感の費用を要し、船舶のみの利益のためには全然之を修繕せざる を以て寧ろ俊れりとするが如きとき臓がて、稀に見ることあるべきか。而して、この船舶の不利益を忍ん でも之を修繕するにあらすんぼ、積荷を目的地に軸逸することさへ能はぎるが如きときに於て然りとする 詳言すれば、恨修繕費の金額を賠舶のみにて負塘すべきものとせぼ、修繕せざるを優る。若し、給舶のみ ならす積荷及び運賃も分蛤するならば、彼等は航梅の完了に因つて共同の利益を受くるが如きときに於て 共同梅損を成立せしめて可なり。山九二四年規定に謂ふところの航海の完了を唯叫の目的とする恨修繕を 斯くの如き場合に限るならば、阿規定は宰じて首骨し得るものとなる。 拘及び何の場合に於て共同梅損たるべき顧は、恨修絆が其の鞄に於て施されすぼ共同海損として支出す べかりし額を節約したる限度k於てゞある。而して、何の本修縛の可能なるときに於て箇約せられたる費 用は税荷の倉敬料並に胎員の給料及び食料であり、その節約せられたる限度に於て、節約せられたる共同 海損と畢礪海損との割合に依り、恨修絆費の一部が共同海損と認められるのである。規鰭の文言は節約せ られたる限度に於てとなすのみであつて、箇約せられたる割合に依ってと規定しないけれども、代替費用 のところに於て述べたるが如く、斯くの如く解するを以て穏嘗とすべく、十傑D耽の規定とも均衡を保ち

雰三琴 弟四班

︵三三二︶ 四二

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(32)

㈹の航海の遅延に因つて生する損害の回避を目的とするものは、本十四億及びその他の規定の解繹上共同海損 と認むるこ上を得ない。蓋し、之教共同海損と謬むることはC條と矛眉し、十傑D耽の規定と均街を保たない。 而も、本條の規衰は堅猫海損たる損害の恨修躇費に就ては、共同海損たる損害の恨修繕費に於けるが如く、仙般 的に之を共同海揖と認むべきことを明言してゐない。 得るのである︵璃尋。何の本修絆が避難漁這於て可能ならざるときに於て節約せられたる費用笠を確

定すること容易でない。ルードルフ氏は莫大なる費用を賭しても本修縄に必要なる努力を求め、材料を避

難港に取寄せ、鎚て修繕をなさんとする場合を想像してゐる?而tて、。本修繕を為すに必嬰なる是等の費

用藍単猫海拭となし、その間に於て船舶の碇泊期間中に要したる姶員の給料及び食料並に積荷の倉敷料等

を共同海損となし、この笹濁海技及び共同海技の二者が恨修時に依って節約せられたるものと看撤し、そ

の荒針虔って恨修質の叫警共同海損と認めてゐる︵絹地㌻︶。 本條が航海の遅延より生する同叫の損寄の回避を自的とする恨修繕費に就て、共同海損たる損害の修繕 の場合と革礪海扱転る損害の修鍾の場合とに於て、全然その取故を異にしたることは、必ずしも背骨し得 ざるものがある。 共同海相成立の場合 ︵三三三︶ 四三

(33)

雰T「

廟享攣 掬由′抗

芸事劇︶蘭蘭

∵扱挙る常、航海の遅延より生する稲荷の樹敗等を回避せんとして恨修椎の施されたる場合に、その侶修

部費せ共同溢拭′として取叔ふととは、C條と矛眉℃、†條D敬㊥代替費用佗関する規定と拘働を破る。然 し、他方・に瀧て、C條が風琴の遽延濫因つて生する積荷の腐敗等を共同海醜行琴の直接の結兼と認めざる

ことは、正他を得たるものにあらす。且、費用の髄約を目的とせす積荷の腐敗等の回避を目的とする代替

費用が、十條D耽の規琴に伐つ1て、共同海損と認むることを碍ざるにせよ、賓務に於てはかく取扱はるlナ

こと抄からザ。之に加ふるに、恨修絆が積荷の腐敗の如き損審の回避を主たる目的としたるときと雄鳥、

乏に依って船舶の碇泊親閲を短縮し、積荷の倉敷料や姶良の給食料の如き共同縁戚たるペき費用をも節約

tたるものなるべけれぼ、その限度に於七共同梅損と認めてこそ衡平を絹怒るものである。是等の緒断を 考庶に入る1ときは、本備に於ける文言の息賓なる解繹よりして、何の場合に於て共同渥睨たる損賓の恨 修繹費を共伺涯拭とtて取扱ふモとは、寧ろ穏常なるものである。反封払、C傭との矛盾を避け、十億D 鹿盲均衡を保って、皐礪海技たる拭寄の恨修揮費を、共同海抜と認めぎることも亦特徴なるものであノるb

かく概鮎を異にせば、何れの取扱も不可でない。

然し、甲∵の損筈の回避を目的として施さる1恨修結党に就て、共同渥拭たる拭審の場合去串環海損た

る韻審の場合とに依り、その取扱を異にしたることは穏飴でない。蓋し、航海の遅延に因つて生ずる積荷

の階数等庭、C條を度外視するときは、整息に避難港に入り著くは寄航砲に碇泊したる斯くの如せ共同準

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(34)

船舶が渾上を航行するに於七、之に直接の刺客囲係を有する着陸、船舶所有者と遅速人と荷車の三者である。 尤も、〟船舶を運送の細に供する者は噛胎着たることあるも、級舶桝有者忙於て自ら之を為すこと多きを以て、胎卜 舶潮着稟と遅速人草は何﹂人怒るを寧ろ普通とするつ解し、羊の場合よ邸や、.船舶朗有者と運送人とが別個の勒 拭罰馬の直接の結兼ねるものであり、船舶の受けたる損害が共同梅損なると⋮卑猥梅損なるとに依少、二が 直接なる拭専となり他が間接なる損育とながる如き性質わもの.で牲ない。現にヨーぞアントワープ規卑 は、航梅の遅薙に因つで生する避難港に於ける船員の給食料や積荷の倉敷料の取扱に於ても、船舶の損辛 が共同海損なると畢猫梅損奉るとに依り笹別をなさ跨い・。 本十四億の節二項は共同梅拭の精算に闘する規定であ少、偵修繕はその性質上永繚的なる低値なきものなるを 以七、その恨修種安からは本修経費に於けるが如く、第十三僚の規定する新琶交換の抵除をなさゞることを規定 しセゐ▼る。而して、叫八九〇年規定を文字通り匿踏襲したる1ものである。 † 績荷が岡共海損行盛疫園つて滅失毀損したるが詑め陀 若く拭共同渇損だるべき損審を破り佗為が紹㊥陀、生 に詑為遅薦の損央損寄︵R.u−e米く・︶ 興同捧掘旅立嬰揚台 ︵三三五︶︶ 四五︰

(35)

︵三三六︶ 四大 第三.螢 第で四′披 念なることを阻むものではない。而して、給舶所有者の利益の封照は船舶であり、遅速人の利益の封照は運賃で 思り、荷主の利益の封照は積荷である。この船舶、積荷及び道賃は各々彼等の利益を鰹現して海上困鰻を構成し 共同の海上危険に曝されるものなるが、その共同の危険の回避を目的とする共同濾抗行為は、船舶及び積荷又は その何れかの仙を犠牲に供するのみならず、延て運賃にも損害を及ぼすものであるっ積荷が投荷苦くは任意の坐 礁の如き共同梅揖行為に因つて、又は離礁若くは避難港に於ける荷役行馬に因って滅失したるとき、或は共同海 技費用を支耕せんため、薫くは共同梅損たるペき損害を被り航梅に堪えざるに至りたるため、避難港等航海の途 中に於て繋却せられたるとき、或は船舶が共同海損行為に因つて全損に閲し、若くは修柁し得べからざる程度の 損審を被り、避牡払に於て航海不能の官藩を受け、而も距離造賃︵Pl。−ata君i号什︶さへも取得し得ぎる事情あ少 たるときに於て、然りとする︵錯㌍㌢班㌔

運賃の損失・損害は運迭契約の内容灯依り、運送人に封して生することあり或は荷主に到して生するこ

とあり。概して浣著は滅失したる積荷に警造早その義墨せざるものなるを以て︵認山川㌫轡

斯の如き運悠の損失は船主又は傭船者の計算に於て後生する。前排運賃なるも稲荷の滅失毀損の場合、又

は遅速の完了を見ざる場合に於て、返還せらるべきときに於て亦同じ。この種の運賃こそ運賃とし\て海よ の危険忙曝さる1ものでありヽ共同海抜の精算に於ても運賃の共同梅損たるべき損育となつて硯は離る㊨

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のである。之に反して、前彿運貸にして船荷許容の約款に依り、如何なる場合と郎も返還せられざるもの ならぼ、荷主の計罫に於て損失に辟するも.のであり、前耕運賃は概して斯の如き性質の運賃である。而し て、この程の運悠は秘荷の原債の〓部む成し、積荷として海上の危険に曝されるものであり、運賃として 危険に曝されるものではない。従つて、共同海技の精算に於ても積荷の共同海損たるべき損害となつて硯 はれ、運賃として硯はれて釆ないもの 我商法六仙七億に於ては、積荷が投荷その他之を燃料に発雷するが如き共同海続行為に因つて虚分せら れ誓ときに巧給費造船者造賃の金管請求し得る旨を規庶してゐる。彿図南淡︵。。埠轄。ヨ・︶ に於ても亦同様である。この規定に依り、我商法の解繹上に於ては、積荷の滅失に因つて運賃の共同海損 たる損害を生することなし。然し、絶封的に返還せられざる前彿運賃と同様に取扱はれたるものではない 苦し、両者は嘗質的に異なる。共同渥抗の精算に於て、絶剖的に返還せられざる前排撃賃は違蜃としてそ の分槍に興らざるものなれども、鼓に謂ふところの法律の規定に依って支彿ふべき造賃は、運賃として即 ち運送人の計芝於て分塘の轟務窒息で雪︵相誓願鮎︶。前者造管して望の危険に曝されざ るものなれども、後者は運篤として之に曝され、六四二備に謂ふところの共同海損行為に因って保存する ことを得たるものと看倣さる。 船舶の航路不能に依り、避難港等に於て航海の中絶を見たる場合、遅貿殊に向軌道賃の損失軋りや否や 共同捧相成立の場合 ︵三三七︶ 四七

(37)

能の場合に就ては明言しないJd 第十五傑 運賃ノ損失 共阿海拭トモア胎置セラ▲九、瘍今二放テ、.共同海韓卜孫ムノ。㌧ 一九二四年規定は積荷の滅失毀損に因つて生する運賃の損失に放てのみ規産し、船舶の減失嘉くはその航海不 革三義軍 ∴壷慧誓醜 ︵三三八︶∵閏入ブ は、道造人が距離運賃の請求練を有するや否やに依って異なを。義尚婆ハ±二條及び六・二ハ傑匿於虎峰、 船舶が航海の.途中に於て沈逸したるとき、又は修繕すること能はぎるに至りたるとき等に於ては運送契約 は終了し、船主又は僻舵者は道迭の割合に應じて運賃を請求するととを得る旨を規哀してゐる。猫逸商串

︵弱︶窟ても亦同様都督要は書割合藁prOrataf喜茸造聯買ロis叶aコNf賢︶といふ?

英闊に於ては、.運送を完了するにあらすん′ぼ二丈の運賃と雑も請求することを得すとなし、距離運賃を認 めない。︰而して、、距離運賃を認むる邦図に於ては、船舶の滅失毀拭に因つて運賃の共同海技たる損寄を竿 頭ることなしと雅も、之を認めざる英械等に於ては、その共同海拭たる較審を生すべき道理である。カー・1 ヴアーは明かに之を認あてゐるが︵霊撃ヨーク・ノアントワープ規由蒜この場合佐於けろ運賃の堪先年 就.て規定するゞ↑ころなし。 稲荷ノ滅失・疲拭ヨリ生ズル運賃ノ蹟失ハ、、共同渥損行鱒二画ツテ生ジクルカ、又ハ該積荷ノ滅失・毀損ガ

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アドバイザーとして 東京海洋大学 独立行政法人 海上技術安全研究所、 社団法人 日本船長協会、全国内航タンカー海運組合会