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地政学概論

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Academic year: 2021

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地政学概論

~introduction to geopolitics~

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本勉強会の目的

 弁論も国家戦略も本質的な差異はない (現状分析、問題点、原因分析、解決策)  分析ツール、モノサシはどうあるべきか →科学的、理論的であるべき、×直観・経験  本勉強会の目的 →国際政治を分析するための理論的枠組みの提供 →その手段としての地政学理論

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目次

Ⅰ 地政学とは何か Ⅱ シーパワー理論 Ⅲ ランドパワー理論とハートランド Ⅳ リムランド理論 Ⅴ パン・リージョン理論 Ⅵ 参考文献 Ⅶ 終わりに

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定義

 地政学の明確な定義はない →「地理(空間)と政治における一般的な関係の考察」 →古来から試みられてきた(EX:『孫子』  地理に付随する軍事・歴史・経済・文化等も対象  マクロ的、大局的な視点 →地理は国際政治において不変の要素 →国家戦略策定のための簡略化されたパラダイム

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学問領域

 国際政治学/国際関係論の一部 →リアリズム論と密接な関係 →主題は戦争と武力行使、主体は主権国家  政策科学 →真理探究よりも実践、結論志向 →客観性に欠ける、悪魔の学問?

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マハン

Alfred Thayer Mahan(1840~1914)

 米海軍少将・海軍史家

 主著『海上権力史論』(1890)  米国、帝政ドイツ、日本(坂の

上の雲)等の海軍戦略に大きな 影響

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シーパワーと海上貿易

 英国が世界の覇権(17~18世紀)を握れたのは何故 か? →強大な海軍による制海権の掌握(七つの海を支配) →海上貿易の拡大、商船隊の保護 →海外市場、植民地の獲得による富の拡大  シーパワー(海上権力) →軍事力だけではなく、その基盤となる海運業、拠点とな る海外基地等を包括する広い概念

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シーパワーに影響を与える諸条件

 地理的位置(シーレーンに接しているか)  地勢的形態(資源及び気候条件を含む) →湾口に富む海岸線の存在  領土の規模(資源と富を供給できる基盤)  人口(必要な船員を供給出来る基盤)  国民性(通商・海運への適性)  政府の性格 →一貫した戦略の存在 →優れた政治制度

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シーパワーの構成要素

☆3つの連鎖  生産  海運  植民地 ☆3つの要素  海軍力  根拠地  商船隊

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マハン戦略Ⅰ

 シーパワーは国益と不可分である →平時戦時問わず海軍力を増強すべき →(EX:「オレンジ・プラン」、英独海軍競争  シーパワーの目的は海洋支配 →その手段としての艦隊決戦 →(EX:トラファルガー会戦、日本海海戦  大艦巨砲主義へ

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マハン戦略Ⅱ

 海軍の支配力は根拠地と海上交通線に依存する  根拠地 →海軍を整備可能な軍港(EX:米軍横須賀基地  海上交通線(シーレーン) →自然に形成された重要な航路  根拠地と海上交通線を維持・保護する必要性

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マハン理論の影響

 米国(セオドア・ルーズベルト大統領) →ハワイ・フィリピン領有、オレンジ計画  帝政ドイツ(ヴィルヘルム2世) →海軍拡張・植民地獲得競争  大日本帝国(秋山真之・佐藤鉄太郎) →戦術面(艦隊決戦主義)での影響  ソ連(セルゲイ・ゴーシュコフ) →ソ連海軍の増強  中国(劉華清) →沿岸防衛から外洋海軍へ

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両立出来ない?

 如何なる大国もシーパワー大国とランドパワー大国である ことは出来ない? →ランドパワー大国でありながらシーパワー大国も目指した国 家(EX:フランス、ドイツ、ソ連)は皆失敗 →シーパワー大国でありながらランドパワー大国を目指した国 家(EX:大日本帝国)も失敗  ランドパワーは他のランドパワーとの競争に晒されている から  現代中国は?

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ランドパワーと

ハートランド

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マッキンダー

 オックスフォード大学地理学 院長、ロンドンスクールオブ エコノミクス学長、下院議員 等を歴任  近代地政学の祖  主著『歴史の地理学的回転 軸』(1904)『デモクラシー の理想と現実』(1919)

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マッキンダーの目的意識

 覇権国家英国の勢力の退潮 →日英同盟(1902)、第一次世界大戦(1914~18)  台頭するランドパワー(ナチス・ソ連)から如何にして 英国・民主主義を防衛するのか  覇権国家の交代(英→米)を如何に円滑に行うか

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マッキンダー史観Ⅰ

☆世界史はランドパワーとシーパワーの闘争の歴史である →ナポレオン戦争(1803~19) ランドパワー:仏 シーパワー:英 →世界大戦(1914~18・39~45)ランドパワー:ドイツ シーパワー:英・米 →冷戦(1945~1989) ランドパワー:ソ連 シーパワー:米

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ランドパワーとは?

 ランドパワー →「平時戦時を通じて陸上交通を維持・保護出来る能力」 →基本的には大陸国家(露・中・独等)  シーパワー →「平時戦時を通じて海上交通を維持・保護出来る能力」 →基本的には海洋国家(米・英・日本等)

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ランドパワーとシーパワー

 シーパワーだけではランドパワーに対抗できない? →ランドパワー・シーパワー間の勝敗は最終的には陸戦で 決定されている。(EX:ナポレオン戦争、第一次・二次大 戦)  橋頭堡の重要性(大陸における足がかり) →戦力の投射が容易になる(EX:両大戦におけるフランス、 冷戦下におけるNATO)

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マッキンダー史観Ⅱ

☆世界史はコミニケーション手段(交通手段)の発達段階 によって区別される  コロンブス以前の時代(~16世紀)馬・ラクダ →ランドパワー優勢、ローマ帝国の滅亡・モンゴル帝国  コロンブスの時代(16~19世紀)船舶 →シーパワー優勢、植民地獲得競争、英国の覇権  コロンブス以後の時代(20世紀)超距離鉄道? →ランドパワー優勢?ドイツ・ソ連の膨張?

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ハートランド理論

 Who rules East Europe commands the Heartland:

(東欧を支配するものはハートランドを制し、)

 Who rules the Heartland commands the

World-Island:

(ハートランドを支配するものは世界島を制し、)

 Who rules the World-Island commands the World.

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出展:The Geographical Pivot of History“, Geographical Journal23, no. 4 (April 1904) APRIL 1904)

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ハートランドとは?

 定義 →必要に応じてシーパワーの侵入を阻止できる地域(大体 旧ソ連領) →北極海の凍結・海洋から遠距離 →技術の発展に伴い変化  何故ハートランドが重要なのか →遊牧民の侵略の起点(文化的背景)、広大な土地・資源 →鉄道網の整備・人口増によって再び脅威に

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ハートランドと東欧

 東欧との関係 →ハートランドへの進入路、膨大な人的資源 →歴史的経緯(第一次世界大戦→第二次→共産主義化 →NATO加盟・ウクライナ内戦)  東欧とハートランドが同一勢力によって支配されること の阻止(ドイツ・ソ連) →東欧諸国の集団的安全保障を画策 →冷戦後に実現(NATO加盟)

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ハートランドと世界島

 世界島 →ユーラシア大陸+アフリカ大陸、膨大な人口と資源  世界島を支配する勢力の登場 →世界の海の“内海”化 →シーパワーの危機

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N・スパイクマン( 1893~1943)

 エール大教授  マッキンダー・マハンの影響  目的意識:日・独から如何に して米国を防衛するか  主著『世界政治の中のアメリ カの戦略』(1942)『平和の 地政学』(1944)

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孤立主義は通用するのか?

 米国の孤立主義的伝統(モンロー主義) →大陸の情勢に関与することを好まない風潮  大陸において決着をつけるべき →南米諸国は米よりも欧州との関係が深い →防衛に必要な資源は南北アメリカ大陸だけでは確保不可 農

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リムランドとは?

 リムランドを制するものは世界を制す →ユーラシア大陸沿岸周辺地帯 →ハートランドと比較して圧倒的に資源・人口・経済力が 豊か →ランドパワー論の一部修正

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リムランド理論Ⅰ

1、勢力を抑止するためにリムランド諸国と同盟を結ぶこ と

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リムランド理論Ⅱ

3、「海洋は防波堤ではなく高速道路である。」 →船舶技術の発展

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封じ込め理論

 J・F・ケナン「ソビエトの行動の源泉」(1947)  封じ込めを主張  トルーマン・ドクトリンとマーシャル・プラン  冷戦の開始  NATOと日米安保

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K・ハウスホーファー

 ドイツ軍少将・ミュンヘン大教授  パン・リージョン理論  ヒトラー『我が闘争』・「大東亜共栄圏」構想の理論的背景  日本地政学に大きな影響  科学的厳密性に大きく欠ける

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思想的背景

 フリードリヒ・ラッツェル『政治地理学』 →国家は生命体であり、その生命力に従って生存圏を拡大 する  ルドルフ・チェーレン『有機体としての国家』 →アウタルキー(経済的自給自足)を主張

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パン・リージョン理論

 生存圏+アウタルキー →国家が発展していくためには、ある程度の生存圏と自給 自足に必要な資源と産業の支配が必要  パン・リージョン →世界を4つにブロック化 →ブロックの支配国同士の勢力均衡によって世界平和を実 現 →最終的にドイツが4ブロックの盟主に

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参考文献

H・J・マッキンダー『マッキンダーの地政学 デモクラ シーの理想と現実』(原書房・2008) A・T・マハン『マハン海上権力史論』(講談社・2010) N・スパイクマン『平和の地政学』(芙蓉書房・2008) 奥山真司『地政学』(五月書房・2004) 曾村保信『地政学入門』(中公新書・1984) 黒野耐『戦争学概論』(講談社・2005) 中川八洋『地政学の論理 拡大するハートランドと日本の 戦略』(徳間書店・2009) コリン・グレイ『核時代の地政学』(紀尾井書房・1982) コリン・グレイ、ジェフリー・スローン『胎動する地政 学』(五月書房・2010)

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地政学とは?

 地政学は不変の要素(地理)と変化する要素(科学技

術・軍事)を扱っている。

→核兵器・インターネットの登場によってどう変わるか

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企画を終えて

 「武装せる預言者は、みな勝利を収め、非武装のままの 預言者は、みな滅びる」 →マキャベリの格言  雄弁部は「大衆の説得」を部是にしている →弁士の「理想社会」を実現するための“手段” →現実社会においては?

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参照

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