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VOL.27 CHEMOT S-1 HERAPY 185 に感 性 を示 して い たが,臨 床 的 に は無 効 で あ った 本 症 る 細 菌学 的 に も検 討 した が,起 炎菌 と考 え られ る細 菌 を 例 で は 基礎 疾 患 と して縦 隔 洞腫 瘍 が あ り,既 に 副 腎

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Academic year: 2021

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Mezlocillinの

内 科 的 感 染 症 へ の 応 用

辻 本 兵 博 ・山 口 防 人 ・丸 山 博 司

星ケ丘厚生年金病院内科

新 し く開 発 さ れ たBAY f 1353(Mezlocillin)はN-置 換ureidomethylpenicillin系 の 半 合 成Penicillinで あ る 。 本 剤 はAmpicillin(ABPC),Carbenicillin(CBPC), Cephalothin(CET)よ り も 強 い 抗 菌 力 を 有 して い る と い わ れ,ま た 広 範 囲 の 抗 菌 ス ペ ク ト ラ ム を 有 し,H. influenzae,Klebsiella,Enterobacter,Serratiaな ど に 対 し て も抗 菌 力 を も つ と い わ れ て い る 事 は 注 目 に 値 す る1)。 他 方,胆 汁 へ の 排 泄 も 良 好 で あ り,胆 道 感 染 症 に も 有 利 に 作 用 す る と 考 え ら れ る2)。 今 回,こ の よ う な 特 性 の あ る 抗 生 剤 を 使 用 す る機 会 を 得,呼 吸 器 感 染 症 を 中 心 に 臨 床 的 検 討 を 行 っ た の で,そ の 概 要 を 報 告 す る 。 1.研 究 方 法 治 療 対 象:当 院 に 入 院 し た 呼 吸 器 感 染 症7例,リ ン パ 節 炎1例,胆 嚢 炎1例,不 明 熱1例,合 計10例 を 治 療 の 対 象 と し た 。 投 与 方 法:投 与 前 に 皮 内 テ ス トを 施 行 し,陰 性 で あ る こ と を 確 認 した 上 投 与 を 決 定 した 。Mezlocillin2gを 電 解 質 溶 液200mlに 溶 解 し,約1時 間 を か け て 点 滴 静 注 した 。 朝 夕2回,1日49の 計 算 とな る。 た だ し,症 例No.10の 重 症 の肺 炎 には1回49,1日89を 投与 した 。投 与 期 間 は 症 例 に よ り異 な るが,4∼23日 間 で あ る。 他 の抗 菌 製 剤 は 併 用 しな か った。 副作 用:患 者 の 訴 え と臨床 的 観察,血 液 ・生 化 学 的検 査 所 見 か ら,血 液,肝,腎 な ど に対 す る副 作用 の検 討を 行 った。 効 果 判 定:治 療 前後 の臨 床 症 状,血 液 な らび に血 清検 査,細 菌 学 的 検査 及 び胸 部X線 像 か ら,総 合 的 に 著効 (♯),有 効(+),無 効(-)と 判 定 した 。 II.治 療 成 績 臨 床 効 果:症 例 とそ の 治 療 成績 の概 要 をTable1に 示 した 。 著効4例,有 効5例,無 効1例 で,有 効率 は90 %と い う好 成 積 を得 た 。 症 例No.8は 原 疾 患不 明 であ り,客 観性 に 乏 しい の で 判 定 保留 す る と,9例 中8例 に 有 効,有 効 率89%と な る。 この成 積 に 関 す る限 り,症 例 数 は 少 な いの で決定 的 な こ とは 言 え ない が,本 剤 の 有効 性 は他 の抗 菌 製 剤 と較 べ 勝 る と も劣 ら な い と考 え られ

Table 1 Clinical evaluation of Mezlocillin treatment against respiratory and other infectious diseases

(2)

る。 細 菌学 的 に も検 討 した が,起 炎菌 と考 え られ る細 菌 を 分 離 し得 た のは3例 に 止 ま った 。 した が っ て,細 菌 学 的 効 果 に つ い て の総 括 的 な 判 定 は 不 可能 で あ っ た。 症 例No.10で は,治 療 前 後 とも喀 痰 中 よ りS. aureus が,そ れ ぞれ1×108/ml,7×103/ml検 出 され た。ABPC

Fig. 1-(1) Case No.4

Roentgraphic

picture before

Mezlocillin treatment.

に感 性 を示 して い たが,臨 床 的 に は無 効 で あ った 。 本 症 例 で は 基礎 疾 患 と して縦 隔 洞腫 瘍 が あ り,既 に 副 腎 ス テ ロイ ドを使 用 中に 肺 炎 を 併 発 した もの で,重 篤 な 状 態 に 悪 条 件 が重 な った た め に 無 効 で あ った と考 え られ る。 症 例:著 効 を得 た 肺 炎,気 管 支 拡 張 症,胆 嚢 炎 の各 症 例 に つ い て詳 述 す る。

Fig. 1-(2) Case No.4

Its right lateral view.

(3)

〔症 例No.4〕 33才,男,熔 接 工 昭 和51年10月9日,咽 頭 痛,発 熱 あ り近 医 で 治 療 を う け た 。 軽 快 せ ず,呼 吸 困 難 を 伴 う よ う に な っ た の で,10 月12日 当 院 を 紹 介 さ れ 入 院 した 。 入 院 時,体 温37.0℃,脈 拍90/分,呼 吸 数26/分,血 圧 120/70mmHg,球 結 膜 黄 染 な く,胸 部 全 般 に 呼 吸 音 粗 で あ る 他 に 異 常 所 見 を 認 め な か っ た 。 赤 血 球483×104/ mm3,Hb14.7g/dl,白 血 球15,800/mm3,CRP8mm,

GOT 21u,GPT 23u,ALP 4.6u,α2-グ ロ プ リ ン15.7 %,マ イ コ プ ラ ズ マCF抗 体1:8以 下 で あ っ た 。 胸 部 X線 像 で は 全 肺 野 に 及 ぶ 散 布 性 陰 影 と特 に 両 上 肺 野 に 濃

Fig. 2 Case No.4 X-p, after 1 week treatment

厚 な 陰 影 を 示 し,重 篤 な 肺 炎 が 想 定 さ れ た(Fig.1-(1) ∼1-(3))。 入 院 直 後 か らMezlocillinの 投 与 を 開 始 した 。 投 与2 日 目 よ り呼 吸 困 難 消 失,3日 目 に は 解 熱,1週 後 に CRPは 陰 性 化 した 。 胸 部x線 像 もFig.2に 示 す よ う に,1週 間 治 療 で 大 幅 な 陰 影 の 減 少 を み,治 療3週 目 に は ほ ぼ 消 失 に 近 く迄 改 善 し た(Fig.3)。 11月2日 に 突 然38.6℃ の 発 熱,翌 日に 全 身 に 発 疹 が 出 現 した 。Table 2に 示 す よ う に,11月5日 の 血 液 像 で はHb12.8g/dl,白 血 球2,200/mm3,血 小 板7.6×104/ mm3,桿 状 核 球11%(242),リ ンパ 球71%(1,562)と な

Fig. 3 Case No.4 X-p, after 22 days treatment.

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* High fever with eruption appeared

, the administration was interrupted.

り,血 小板 と顆 粒 白血 球 の 減 少 が 認 め られ た。 直 ち に本 剤 の投 与 を中 止 した 所,翌 日に 解 熱,1週 後 に は血 液 縁 の正 常 化 と発 疹 の消 失 をみ た 。 この 間,特 に治 療 を加 え る必 要 は な か った 。 〔症 例No.6〕 65才,男,無 職 50年2月 か ら気 管 支 拡 張 症 で当 院 に受 診,入 退 院 を繰 り返 して い る。52年8月19日 か ら喀痰 量1日 約200ml と増 量,発 熱 をみ る よ うに な った 。9月10日 には 呼 吸 困 難 出 現14日 に 入 院 した 。 入 院 時,体 温36.6℃,脈 拍84/分,呼 吸 数26/分,聴 診 上 背 面 に湿 性 ラ音 を 聴 取 した 。 そ れ 以外 に異 常 所 見 を 認 めな い。 検 査 上 貧 血 な く,白 血 球 数7,300/mm3と 正 常 だ が,CRP9mm,α2-グ ロ ブ リン11.0%,血 沈1時 間 値 93mmで あ る。 胸 部X線 像 に は新 しい異 常 影 を 認 め な い 。 入 院 後 の経 過 はFig.5に 示 す よ うに,当 初 ホ ス ホ マ イ シ ン(以 前 に既 使 用)1日4g点 滴 静 注 した。 一 時, 解 熱 傾 向 を示 した が,再 び38℃ 以 上 の 弛 張熱 が続 き, 喀 痰 量 も350mlと 著 明に 増 加 した。9月22日 か らKM 1日2g筋 注 に 変 更 した が病 状 改 善 を み な か った 。28日 か らMezlocillin投 与 開始 した と こ ろ,3日 目 に は 解 熱,呼 吸 困難 消 失,投 与1週 間 目に は 喀痰 量75mlに 減 量,全 身状 態 は 著 し く改 善,著 効 を得 た。 〔症 例No.9〕 76才,男,無 職 51年10月13日 か ら発 熱 と右 季 肋 部 痛 あ り,近 医 受 診 し た が軽 快 せ ず,黄 疸 出現,疼 痛 増 強 の た め,10月20日 入

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Fig. 6 Case No.9 H. K. 76 M Cholecystitis 院 した 。 入 院 時,体 温40.2℃,脈 拍120/分,皮 膚 の 黄 染 著 明 で あ っ た 。 肝1横 指 触 知,胆 嚢 は 腫 脹 し,激 しい 有 痛 性 の 腫 瘤 と し て 触 知 した 。 検 査 で,赤 血 球411×104/mm3, Hb13.3g/dl,白 血 球11,700,肝 機 能 はII49,GOT60, GPT58u,ALP23.2u,LAP712と い ず れ も上 昇 し, Choline E 0.55△pH,CRP9mm,α2-グ ロ ブ リ ン14.7 %,血 沈1時 間 値100mmと 重 態 で あ っ た 。 胆 嚢 炎 と 診 断,Mezlocillinを 投 与 開 始 し た と こ ろ, Fig.6に 示 す よ うに,投 与2日 目 に 解 熱,全 身 状 態 は 徐 々 に 回 復 し た 。6日 目に はII18と な り,GOT,GPT, ALPが 正 常 化,胆 嚢 腫瘤 も消 失 し,著 効 を得 た。 本例 で は激 症 のた め 治 療 前 に十 二 指 腸 液 の採 取 不 能 で あ っ た。 治 療3日 目に 採 取 し得 たB胆 汁 では 細菌 を検 出 し 得 なか った 。 副 作 用:上 述 した よ うに,症 例No.4で は本 剤投 与 21日 目か ら発 熱,発 疹 が 出 現,翌 日に 軽 度 の 顆 粒 球 減 少,血 小 板 減 少 を み たが,投 与 中 止 に よ り約1週 間 で正 常 に 回 復 した。 同時 にGOT,GPTの 軽 度 の上 昇 も投 与 中 止 に よ り正 常化 した。 こ の間 全 く治 療 な しで回 復 して い る。 そ の 他 の症 例 につ い て も,検 査 値 を 表3,4に 一覧 し

Table 3 Hematological findings before and after treatment

(6)

Table 4 Biochemical finding before and after treatment

B: before treatment A: after treatment

た 。症 例No.9,10で 貧 血 が 発 生 した よ うに み うけ られ るが,食 事 を 全 く摂 取 しえ な い 飢 餓 状 態 の 経 過 を た ど り,輸 液 のみ に 頼 った 症 例 な の で,薬 剤 に よ る赤 血 球 の 減 少 とは考 え難 い 。No.9に お け るBUN84.8mg/dl とい う投 与 前 の 値 も同 様 の 理 由 に よる と考 え られ る。 症例No.10で 好 酸 球 の 軽 度 上 昇 を 認 め て い る。 逆 に,治 療 前GOT,GPTの 軽 度 上昇 を認 め た 症 例 No.8,さ らに 胆 嚢 炎 の 為 肝 機能 障 害 を併 発 し たNo.9 は,治 療 後 に 正 常 値 に 回 復 して い る。 III.考 案 そ の半 数 が 重 症 であ る臨 床 例10例 に,Mezlocillinを 点 滴 静注 に よ り投 与 し,効 果 判定 し うる9例 中8例 に 明 瞭 な効 果 を得 た 。 特 に,症 例No.4,5,6,9,10は 重 症 に 属す る症 例 であ った 。No.4は 全 肺 野 に 及 ぶ 肺 炎 で呼 吸 困難 を伴 っ てい た 。No.6は 喀 痰 量350ml/日 で他 剤 無 効 とい う重 態 であ り,No.9は 高 令,高 熱,黄 疸 と全 身 衰弱 とい う不 利 な 条件 が重 な っ て い た。 無 効 であ った がNo.10で は ステ ロイ ド投 与 の必 要 な悪 性 腫 瘍 に 伴 っ た肺 炎 であ った 。 この 重 症 例 中4例80%に 著 効 及 至 有効 例 がみ られ た こ とは,本 剤 の 有効 性 を示 す も の とい え よ う。 No.9の この悪 条件 と重 症 な状 態 の胆 嚢 炎 に 著 効 を得 た ことは,本 剤 の 胆 汁 中 へ の移 行 が 良好 で あ る とい う実 験成 績2)と の 関連 性 の あ る こ とが 推 察 され る。 副 作 用 と して,1例 に発 熱 発 疹,顆 粒 球 減 少,血 小 板 の減 少 を み た。 骨髄 検査 を実 施 して い ない の で,骨 髄 機 能 抑 制 が あ った か ど うか,さ らに は ア レル ギ ー性 の も の か ど うか は 不 明 で あ るが,好 酸 球 の増 加や 発 疹 を伴 っ て い る ことか ら,ア レル ギ ー性 の もの と推 定 した い 。 こ れ らの所 見 は 一 過 性 の もの で投 与 中 止 に よ り,無 治 療 に 拘 らず,速 か に 正 常 に 回復 した 。 Mezlocillinに つ い て臨 床 的 応 用 を 試 み た結 果,重 症 例 に 著効 を うる こ と,有 効 例 では 翌 日に解 熱 や 病 状 の 改 善 を うる こ とが 多 い こ とか ら,本 剤 は切 れ 味 の よい 効 果 を示 す抗 生 物 質 と考 え られ る。 す な わ ち,他 抗 生 物 質 に 勝 る と も劣 らな い 効果 が期 待 で き る と考 え られ る。 間 も な く,double blind試 験 も開 始 され,本 剤 の正 しい 評 価 も下 され る であ ろ う。 IV.ま と め 新 しい 半 合 成 ペ ニ シ リ ン製 剤 で あ るMezlocillinを 呼 吸器 感 染 症 を中 心 とす る 内科 的 感 染 症 に応 用 し,10例 中 4例 に著 効 を,5例 に 有効 とい う良 好 な 結果 を得 た 。 副作 用 と して,1例 に発 熱,発 疹,GOT,GPTの 上 昇 を含 む 顆 粒 球 と血 小板 の減 少 を み た が,投 与 中止 に よ り,無 治 療 で速 か に 回 復 した 。 〔本 論 文 の要 旨は52年10月20日,日 本 化学 療 法学 会 東 日本 支 部総 会,於 札 幌,で 発 表 した 。〕 文 献

1) BODEY, G. P. & T. PAN: Mezlocillin: In vitro studies of a new broad-spectrum penicillin. Antimicrob. Agents Chemother. 11 (1): 74•`79, 1977

2) 第24回 日本 化 学 療 法 学 会 東 日本 支 部 総 会, 新 薬 シ ン ポ ジ ウ ムII, BAY f 1353(Mezlocillin), 1977 (札 幌)

(7)

CLINICAL

EVALUATION

OF MEZLOCILLIN

ON THE

INFECTIOUS

DISEASES

TAKEHIRO TSUJIMOTO, SAKIMORI YAMAGUCHI and HIROSHI MARUYAMA

Department of Internal Medicine Hoshigaoka Koseinenkin Hospital

In clinical studies with mezlocillin, a new semisynthetic penicillin derivative, the following results were

obtained:

Seven patients with respiratory tract infections (lung abscess 2, pneumonia 4, advanced bronchiectasis

1) were treated.

Excellent response was obtained in 2 and good results in 4 patients.

Response to mezlocillin treatment was excellent in one case of severe lymphadenitis and one patient with

cholecystitis, good results were achieved in one patient with fever of unknown origin.

Side effects were observed in a patient with severe pneumonia on 21 th day after intravenous drip

infusion of this antibiotic.

The symptoms, high fever with eruption, slight thrombocytopenia and

granulocytopenia, and slight elevation of GOT and GPT, disappeared without specific treatment after the

administration of this antibiotic was discontinued.

Fig.  1-(3)  Case  No.4  Its  tomographic  picture.
Fig.  3  Case  No.4  X-p,  after  22  days  treatment.
Fig.  5  Case  No.  6  65  M  Bronchiectasis
Table  3  Hematological  findings  before  and  after  treatment
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