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不飽和脂肪酸の酸化生成物

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栄 養 と 食 糧 Vol. 35 No. 6 375∼390 1982

不飽和脂肪酸の酸化生成物

京都大学食糧科学研究所

Oxidation

Products

of Unsaturated

Fatty

Acids

Setsuro MATSUSHITA

Research Institute for Food Science, Kyoto University, Uji, Kyoto

不 飽 和 脂 肪 酸 の 自動 酸 化 機構 と して,40年 前,Farmer 一 派 は ラ ジ カ ル機 構 に よ る ヒ ドロペ ル オ キ シ ド生 成 説 を 提 出 した 。 しか しこれ が広 く認 め られ るた め に は,ヒ ド ロペ ル オ キ シ ド(HP)を 精 製 し,化 学 的 に 構 造 を 明 らか にす る こ とが 必 要 で あ る 。 そ こ で,分 子 蒸 留,吸 着 ク ロ マ トグ ラ フ ィー,カ ウ ン タ ー カ レ ン ト,尿 素 分 画,液-液 分 配 クロ マ トグ ラ フ ィー な ど,種 々の 手 段 で も って そ の 精 製 が 試 み られ て き た 。 この 間 の 事 情 に つ い て は Frankel1)の 総 説 に くわ し く述 べ られ て い る 。 当 時 の 研 究 で は 試 料1∼2gを 使 って 分 画 し,そ の 構 造 決 定 に は, 水 素 添 加-脱 水-酸 化的 開 裂 とい う一 連 の 反 応 を 利 用 し た 。 一 方,最 近20年 間 の分 析機 器 の 進 歩 に は め ざ ま し い もの が あ った 。 ガ ス ク ロマ トグ ラ フ ィー(GC)に は, 酸 化 生 成 物 を 誘 導 体 と し てか け る こ と が で き る2)。 また 薄 層 ク ロマ トグ ラ フ ィー(TLC)や 液 体 ク ロマ トグ ラ フ ィー(LC)で は 生 成 物 を そ の ま ま チ ャー ジ す る こ とが で き る。 ヒ ドロペ ル オ キ シ ドの シ ス型 と トラ ンス 型 異 性 体 の分 画に はAgNO3-TLCが 使 用 され る3)4)。さ らに この 研 究 に はGCと 質 量 分 析(MS)を 組 み 合 わ せ たGC-MSが 最 も有 力 な 手 段 とな った5)。 生 成 物 の 構造 決 定 に は1μg以 下 の 試 料 で 目的 を 達 し うる。 ヒ ド ロペ ル オ キ シ ドは 還 元 あ る い は 水 素 添 加 して,不 飽 和 あ るい は 飽 和 のOH化 合 物 と し,さ らに これ を ト リ メ チ ル シ リ ル (TMS)化 あ るい はt-ブ チ ル ジ メ チ ル シ リル(t-BDMS) 化 してGC-MSに か け る もの で あ る 。 これ らの 手 段 を 駆 使 した 研 究 の 進 歩 は 当然 速 や か で あ り,ま た 最 近 の も の が 多 い の で,そ れ らの 成 果 は まだ 成 書 に は くわ し くは 書 か れ て い な い 。 そ こで こ こに 酸 化 生 成 物 の大 要 を整 理 して み た い 。 な お,不 飽 和 脂 肪 酸 に は,自 動 酸 化 の ほか,光 増 感 酸 化 と酵 素 に よ る酸 化 が あ り,そ れ ぞれ 生 成 物 も異 な る の で,そ れ ら を区 別 して 考 え なけ れ ば な らな い。 1. 自 動 酸 化 1) オ レイ ン酸(18:1),リ ノー ル 酸(18:2),リ ノ レ ン酸(18:3)の モ ノ ヒ ド ロ ペ ル オ キ シ ド (MHP) 不 飽 和脂 肪 酸 の 自動酸 化 で は,ま ずMHPが 生 ず る 。 オ レイ ン酸,リ ノ ー ル酸,リ ノ レ ン酸 の そ れ ぞ れ の メチ ルエ ス テ ル の酸 化生 成 物 を,還 元,水 素添 加,TMS化 した も の をGCに か け た 結 果 は 図1∼36)∼8)に 示 され る ご と くであ る。 オ レイ ン酸 メチ ル の 酸 化生 成 物 と し て得 られ る お もな もの は,9, 10-エ ポ キ シ ス テ ア レイ ト,8-, 9-, 10-, 11-OHス テ ア レ イ トと少 量 のdiOHス テ ア レ イ ト で あ る。 リノー ル 酸 メ チル の 場 合 は,9-, 13-ケ トス テ ア レ イ ト,9-, 13-OHス テ ア レイ トと少 量 のdiOHス テ ア レ イ トで あ る。 リ ノ レ ン酸 メ チル の 場 合(図3),ピ ー クIは9-, 12-, 13-OHス テ ア レイ トで,ピ ー クIIは 16-OHス テ ア レ イ ト,ピ ー クIIIとIVはtriOHス テ ア レイ トで あ る 。GCピ ー クの マ ス スペ ク トル に おけ る フ ラ グ メ ン トイ オ ンの 総 計 と既 知 の 合 成OHス テ ア レイ トの もの との 比 較 か ら定 量 も可 能 で あ るが,さ らに 便 利 な マ ス ク ロマ トグ ラ フ ィー に よ る と(2.3)参 照),ピ ー ク面 積 比 か ら異 性 体組 成 比 を 容 易 に 求 め る こ とが で き る。 ま た こ の方 法 に よ る と,単 一 ピー クに 見 え る中 に 隠 れ て い る複 数 の成 分 を見 い だす こ と も可 能 で あ る。 表1は,そ れ ぞ れ の 脂 肪 酸 メ チ ル エ ス テ ル よ り生 ず る MHP異 性 体 の 組 成 比 を マ ス ク ロマ トグ ラ フ ィー に よ り 求 め た もの で あ る6)∼8)。オレ イ ン酸 メ チ ル の場 合,8-, 〒611 宇治市五 ケ庄

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表1. MHP異 性 体 のGC-MS分 析6)∼8) 図1. オ レイ ン酸 メ チ ル の酸 化 生 成 物 のGC-MS6) 図2. リ ノー ル酸 メチ ル の酸 化 生 成 物 のGC-MS7) 11-異 性 体 は9-と10-異 性 体 よ り 少 し多 い 。 リ ノー ル 酸 メ チ ル の場 合 は9-と13-MHPは 等 量 生 ず る 。 リ ノ レ ン酸 メ チ ル の場 合 は9-と16-MHPは12-と13-MHPに 比 べ て高 い割 合 で生 ず る(4.1)参 照)。 天 然 の 油脂 は こ れ ら不 飽 和 脂 肪 酸 よ りな る トリ グ リセ リ ドの 混合 物 で あ る か ら,自 動 酸 化 中 に 相 互 作 用 が あ る 図3. リノ レ ン酸 メチ ル 酸 化 生 成 物 のGC8) か 否 か を見 て お く必要 が あ る。Frankelら7)8)が オ レイ ン酸,リ ノー ル 酸,リ ノ レ ン酸 の そ れ ぞれ の メ チ ル エ ス テ ル の 混 合物 を酸 化 さ せ,そ の 生 成 す るHPを み た の が 表2で あ る 。 オ レイ ン酸 の 場 合 は10-と11-MHPが 他 と重 な らな い特 有 の 生 成 物 で あ るか ら,他 の脂 肪 酸HP の 生 成 量 は そ の 差 引 き よ り計 算 され る。 リ ノー ル 酸 と リ ノ レ ン酸 の 混 合 の 場 合,酸 化 生 成 物 と して は 前 者 に 起 因 す るHPの ほ うが 多 い。 そ れ は リノ レン酸HPが 分 解 され や す く,残 存 量 が 少 な い た め で あ る。3種 の 不 飽 和 脂 肪 酸 の 混 合 で は,低 過 酸 化 物 価(PV)の 場 合 は リ ノ レ ン酸HPが 多 い が,高PVに な る と逆 転 す る 。 大 豆 油 か らの脂 肪 酸 メチ ル エ ス テ ル 混 合 物 を酸 化 さ せ た 例 もあ るが9),上 記結 果 よ り予 想 され る と こ ろ と 異 な らな い 。 MHPの 異 性 体 混 合 物 は 高 速 液 体 ク ロマ トグ ラ フ ィー (HPLC)に よ る と,よ り細 か く分 離 し う る。Chanら10) は リノ ー ル酸 メチ ルMHPを 還 元 後HPLCに よ り8成 分 に分 離 した 。 そ れ らの 画 分 に つ い て,UV, IR, GC-MSに よ って 特 徴 を 明 らか に し,位 置 ・立 体 異 性 を 決 定 した 。 それ ぞ れ は13-シ ス-ト ラ ンス,12-シ ス-ト ラ ン ス,12-ト ラ ンス-ト ラ ン ス,13-ト ラ ンス-ト ラ ンス,16-シ ス-ト ラ ン ス,9-ンス,16-シ ス-ト ラ ン ス,16-ト ラ ン ス-ト ラ ン ス,9-ト ラ ンス-ト ラ ン ス で あ っ た 。9-, 12-, 13-, 16-異 性 体 の 相 対組 成 は33:10:13:44で,や は り9-,

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Vol. 35 No. 6 1982 377 表 2. 18:1, 18:2, 18:3の 酸 化 混 合 物 のGC-MS分 析7)8) 表3. リノ ー ル酸 メ チ ル の 自 動酸 化 に お け るMHPの 立 体 変 換13) 16-異 性 体 が 優 勢 で あ った 。 オ レイ ン酸 と リノー ル 酸 酸 化 生 成 物 のHPLCに よ る分 離 に はNeffら11)の 研 究 が あ る。 な おMHP異 性 体 が 生 成 す る際,シ ス 型 が トラ ン ス 型 に変 換 す る こ とに つ い て は 古 くよ り知 られ て い る と こ ろ で あ る12)。す な わ ち,リ ノ ー ル 酸MHPの 場合,リ ノ ー ル酸 シ ス-ト ラ ンスMHPが 生 ず る が,こ の もの は 時 間 と とも に,よ り安 定 な トラ ンス-ト ラ ンス 型 へ と変換 す る(表3, 4)13)。 温 度 が 高 い ほ ど起 こ りや す く,な お こ の際 抗 酸 化 剤 を 添 加 して お くと シ ス-ト ラ ンス 型 の 残 存 量 が 増 加す る とい う14)。 またMHPの 位 置 の 異 性 化 も 高温 で起 こり15),リ ノ ー ル 酸MHPの 場 合 は20° では 安 定 で あ る が,さ らに上 昇 す る と,9-, 13-MHP間 の 異 性 体 化 が 起 こ って くる 。 こ の反 応は 溶 媒 が ノ ンポ ー ラー な ほ ど起 こ りや す い 。 こ 表4. リノ ー ル酸-MHPの 分解 過 程 に お け る 立 体 異 性 体 の 割合13) の反 応 も抗 酸 化 剤 の 添 加 に よ り抑 え られ,ラ ジ カ ル構 造 を経 由 して変 換 す る こ とが わ か る 。 そ れ は 下 記 の よ うな 機 構 で酸 素 分 子 の交 換 が 起 こ るた め と考 え られ,18O2の 交 換 反 応 に よ り証 明 され る16)。

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378 表5. ア ラ キ ドン酸 メチ ル(MAA)のMHPのGC-MSに よる 分 析18) 表6. 不 飽 和 ト リグ リセ リ ドの 酸 化 に よ り生 成 す る脂 肪 酸MHPの 異 性 体 比19) 自動 酸 化 に よ って 生 成 す るMHPは 酸 素 の結 合 に よ っ て 二 重 結 合 が 移 動 し,も ち ろ ん18:2, 18:3あ る い は 高 度 不 飽 和 脂 肪 酸 に つ い て で あ るが,す べ て共 役 型 とな る こ とに 注 意 しな け れ ば な らない(2. 3)参 照)。 また,リ ポ オ キ シ ゲ ナ ー ゼ に よ る 以 外 は,生 成 す る MHPは す べ て ラ セ ミ体 で あ る。 2) ア ラキ ドン酸(20:4) MHP ア ラ キ ド ン酸 の 自動酸 化 生 成 物17)もヘ ム タ ンパ ク質 触 媒 に よ る生 成 物18)も と もに ラ ジ カル 反 応 に 基 づ く も の で,表5に 示 す ご と く,6種 のMHPが 生 ず る 。 この 場 合 も リノ レ ン酸 に お け る と同 様 に,外 側 にHP基 の 入 っ た 異 性 体 含 量 が 高 い 。8-, 12-<9-, 11-<5-, 15-。 3) ト リ グ リセ リ ドMHP 自動 酸 化 さ せ た トリオ レイ ン,ト リ リノ レイ ン,ト リ リノ レニ ン,そ の他 植 物 油 を 自動 酸 化 させ,TLC上 に て分 画 した の ち,そ れ らを 水 素 添 加,メ タ ノ リシ ス し て 遊 離 の 脂肪 酸 と し,GC-MSに よ って 生 成MHPを 測 定 した 結 果 が 表6と7で あ る19)。異 性 体 組 成 に つ い て は 脂 肪 酸 メチ ル(1.1))の 場 合 と ま った く同様 の 結 果 が 得 ら

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Vol. 35 No. 6 1982 379 表7. 大豆 油 と大豆 油 ト リグ リセ リ ドの 自動 酸 化 に よ り得 られ るMHP異 性 体19) 図4. 大 豆 油 の脂 肪 酸 の うちMHPを 形 成 した 不 飽 和 脂 肪 酸 の 割 合19) れ,酸 化 時 間 の 長 短 に よ る異 性 体 組 成 比 には 大 き な変 化 は 認 め られ な か った 。 しか し,図4に は 大 豆 油 の酸 化 に お い て,MHPを 生 成 した 不 飽 和 脂 肪 酸 の 種 類 別 に み る と,PVが 高 くな るに つ れ18:1由 来 のMHPが 増 加 し,18:3由 来 の もの が 減 少 す る こ とが 明瞭 とな る。 ト リ リ ノー ル 酸 グ リセ リ ドの 酸 化 生 成 物 よ りTG-図5. ト リ リ ノ レ イ ン-MHPのHPLC19) MHP区 分 を 集 め,さ らに そ の 画 分 をHPLCに て分 析 した 結 果 が 図5で あ る20)。 酵 素 処 理,IR分 析 結 果 を合 わ せ,そ れ ぞ れ の 異 性 体 構 造 が 判 明 した が,α と β位 の 脂 肪 酸 の ど ち らが 酸 化 さ れ や す い か とい うほ どの 明瞭 な 差 は認 め られ な い 。 4) MHP異 性 体 の 生 成 機 構 ラ ジ カ ル メカ ニズ ム か ら,オ レイ ン酸,リ ノー ル 酸, リノ レ ン酸 のMHP生 成 は 図6∼8に み られ る よ うな機 構 に よる と考 え られ て い る 。 た だ オ レイ ン酸 に お い て生 成 す るMHPの うち,8-と11-MHPが 多 い こ と に つ

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380 い て は,こ の機 構 で は考 え に く く,C-8とC-11に あ ら か じめ酸 素 分 子 が結 合 し,そ の後HP基 の 再 配 置 が 起 こ っ た との考 え方 もあ る5)。 ま た リノ レ ン酸 に お い て も, 生成MHP間 に 差 が あ るが,少 な い 種 に つ い て は,そ れ らが 環 化(4. 1))に よ って 減 少 した 可 能 性 もな し と し な い 。 図6. オ レイ ン酸 の 自動 酸 化 機 構6) 図7. リノー ル 酸 の 自動 酸 化 機 構7) 図8. リ ノ レ ン酸 の 自動酸 化 機 構8) 2. 光 増 感 酸 化 1) 一 重 項 酸 素21) 励 起 酸 素 の 形 は い ろ い ろ あ る が,油 脂 の 酸 化 に 関 与 す る酸 素 種 と して は,基 底 状 態 に あ る三 重項 酸 素3O2と 一 重 項 酸 素,1O2で あ る。3O2で は πx*と πy*軌 道 に 電

子 が1個 ず つ 乗 って い る(〓〓)。 これ が 不 対 電 子 で 反 応 性 に 富 み,い わ ゆ る フ リー ラ ジ カル で あ る。 した が っ て,酸 素 分 子 は2個 の ラ ジ カ ル を もつ。1O2で は 電 子 が 励起 さ れ,二 つ の π*軌 道 の片 方 に電 子 が 移 って,他 方 の π*軌 道 が 空 に な った 状 態 で,(〓-)そ の た め,相 手 化 合物 の 電 子密 度 の 高 い と こ ろに 結 合 しよ う とす る 性 質 が あ る 。 反 応 速 度 は3O2に 比 べ3,000倍 と もいわ れ る。 な お,3O2や1O2は 電 荷 を もた な い の で親 油 性 が 高 く,水 よ り も油 に よ く溶 け る。 こ の こ とは 食 品 の 貯蔵, 加 工 に 当 た って 忘 れ て は な らない こ と で あ る 。 2) 光 増 感酸 化 1O2は 次 の よ うな 光 増 感 酸 化 に よ っ て 生 成 し22)∼24), 1O2は 不 飽和 脂 肪 酸 と反 応 してHPを 生 ず る25) 図9. オ レイ ン酸 メチ ルMHPのTMS誘 導 体 の GC-MS 図10. マ ス フ ラ グ メ ン トイ オ ンの 生 成

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Vol. 35 No. 6 1982 381 図11. オ レ イ ン酸,リ ノ ー ル酸,リ ノ レ ン酸 各 メチ ルエ ス テ ル の 光 増 感 酸 化 生 成 物 の マ ス ク ロ マ トグ ラ フ ィー31) 水 素 添 加,TMS誘 導 体 1S+hν →1S*→3S* 3S*+3O2→1O2*+1S 1O 2*+RH→ROOH Sは 増 感 剤(sensitizer),*は 励 起 状 態 を 示 す 。す な わ ち,不 飽 和 脂 肪 酸 は 増 感 剤 の存 在 下,光 が 当 た る とHP が 生 ず る。 二 重 結 合 へ の1O2の 親 電 子 的 付 加 で あ る。 光 増 感 酸 化 に は メチ レ ン ブル ー が しば しば 実験 に 用 い られ る が26)27),天 然 色 素 と して 植 物 油 脂 につ ね に 混在 す る ク ロロ フ ィル は 増 感 剤 で あ る。 食 添 色素 と して は赤 色 系 の エ リスロ シ ン,フロ キ シ ン,ロ ー ズペ ンガ ル な ど も増 感 剤 で あ る28)。 ま た リボ フ ラ ビ ンに も光 増 感 酸 化 能 が あ る が,こ れ は 1O2を 発 生 す る の で は な く ラ ジ カ ル反 応 を 誘起 す る もの とさ れ て い る24)。 3) マ ス クロ マ トグ ラ フ ィー とMHP異 性 体 の 測 定29)∼36) 光 増 感酸 化 に よ って 生 成 した 不 飽 和 脂 肪 酸MHPを 還 元 あ る い は 水 素 添 加 し,シ リル化 後GC-MSに か け た 例 を 図9に 示 す 。 こ の フ ラ グ メ ン トイ オ ンか らは2種 の 異性 体 が 存 在 す る こ とが わ か る の で あ る が,さ らに 容 易 に 判 定 す るた め マ ス ク ロマ トグ ラ フ ィー とい う手 法 が 用 い られ る 。 図10に お い て,MHPを 水 素 添 加,TMS化 してGC-MSに か け る とA, B二 つ の フ ラ グ メ ン トイ オ ンが 生 ず る。TMSの 結 合 した 両 側 が 切 れ や す い の で あ る 。TMSの 結 合 した 炭 素 の位 置,す なわ ち,HP基 が つ い た 位 置 に よ り,そ れ ぞれA, B二 つ の フ ラ グ メ ン トイ オ ンが 計 算 され る。GC-MSの 測 定 を5秒 間 隔 で 行 な い,コ ン ピ ュー タに 記 憶 せ しめ る。 終 了 後 そ の デ ー タ か ら特 定MHPに つ い て のA, B二 つ の 値 を 同 時 に 示 す 位 置 を 呼 び 出せ ば,図11に み られ る よ うな ピー クを 図12. リノー ル酸 メ チ ル の光 増 感 酸 化 の 機 構 画 く。 オ レ イ ン酸 の 場 合 は2種,リ ノール 酸 で は4種 類, リノ レン酸 で は6種 類 の 異 性 体 が 生 じる こ と が わ か る 。 この 場 合GC図 では 一 つ の ピー クを 示 す に す ぎな くて も,そ の な か に 含 まれ る復 数 の異 性 体 を検 出 し うる。 な お この ピー クの 面 積 比 か ら異 性 体 の組 成 比 を 求 め る こ と が で き る。 光 増 感 酸 化 に お け る生 成MHPの 組 成 比 は 表 1に み られ る ご と くであ っ て,自 動酸 化 の場 合 と対 比 し て み る と興 味 深 い 。1O2に よ る場 合 に は2重 結 合 の 倍 の 数 の 異 性 体 が 生 ず る ので あ っ て,そ の機 構 は 図12に み る ご と く,も との 二 重 結 合 の両 側 炭 素 に酸 素 分 子 が 直 接 結 合 す る。 した が っ て,自 動 酸 化 と異 な り,非 共 役 型 の MHPも 生 ず る。 こ の こ と を利 用 して 自動酸 化 と光 増 感 酸 化 を と もに 受 け た も の につ い て も,両 者 に よ り生 成 し た 分 をそ れ ぞ れ 区 別 す る こ とが で き る(図13)32)。 ト リグ リセ リ ドに お い て も 同 様 に不 飽 和 脂 肪 酸 の 組 成 に 応 じて光 増 感 酸 化 を受 け33),市 販 の 植 物 油 に お い て は 色 素 の添 加 な しで も光 増 感 酸 化 生 成 物 が 生 じ,ク ロロ フ ィル の存 在 を推 測 せ しめ る34)。ま た,大 豆レ シチ ンの 光 増 感 酸 化 生 成 物 も液 体 ク ロマ トグラ フ ィー で 分 画 後,ホ ス ホ リパ ー ゼCで 処 理 し,GC-MSに か け た 結 果,得 ら れ た 脂 肪 酸HPに つ い ては 遊 離 脂 肪酸 に お け る と ま った

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図13. リノー ル酸 メ チ ル の 光 増 感酸 化 に お け る 自動 酸 化 の 寄 与 分32) 図14. 大 豆 リポ オ キ シ ゲ ナ ー ゼ の反 応機 構37) く同 様 であ った35)。 3. リポ オ キ シゲ ナ ー ゼ 植 物 界 に は 広 く リポ オ キ シ ゲ ナー ゼ が 分 布 す る 。 大 豆,小 麦 な どは 活 性 が 高 い。 野 菜,果 物 に も活性 が見 い だ され てい る。 さ らに 動 物 組 織 や 微 生物 に も見 つ か って い る。1, 4-シ ス,シ スーペ ン タ ジエ ン構 造 を 含 む 脂 肪 酸, す なわ ち,リ ノー ル 酸,リ ノ レ ン酸,ア ラ キ ドン酸 な ど に 作 用 す る。 大 豆 リボ オ キ シ ゲ ナ ー ゼは 酵 素1分 子 当 た り1個 の 非 ヘ ム鉄 を 含 み,反 応 は ラ ジ カ ル反 応 で進 む 。 した が って 生 成 す るMHPは 自動 酸 化 と 同 じ く共 役 型 の み を 生 ず る。 た だ し酵 素 作 用 に よ り生 成 す るMHPは 光 学 活 性 で あ る。 反 応 機 構 は 図14の よ うに 考 え られ て い る37)。活 性 酵 素(E・Fe3+)は 基 質 脂 肪 酸 に よ り還 元 され,同 時 に脂 肪 酸 ラ ジ カル が 生 ず る。 そ こ にO2が 立 体 特 異 的 に結 合 し,1個 の電 子 が鉄 か らペ ル オ キ シ ラジ カ ル へ 移 動 す る 。 ペ ル オ キ シ ア ニオ ンはブ ロ トンを 取 って ヒ ドロペ ル オ キ シ ドが 完 成 し,酵 素 は 再 生 す る。 酵 素 に は 種 々の ア イ ソザ イ ムが 存 在 し38),大 豆 に は pH 9.0で 働 く もの1種 とpH 6.5で 働 く2種,合 わ せ て3種 含 まれ る。 リノー ル 酸 に 対 しpH 9.0で 働 く もの は 主 と して13-L-LOOHを 生 ず る39)。 トウモ ロコ シ胚 芽 の もの は9-D-LOOHを 生 ず る 。酵 素 反 応 に よ る場 合 もつ ね に 少量 の ラセ ミ体 が 生 ず る が,こ れ は 脂 肪 酸 ラ ジ カ ル-酵 素 複 合 体 の 一 部 が 解 離 し,自 動 酸 化 す る た め と考 え られ て い る40)。 図15. リノ ー ル酸 メ チ ル の 光 増 感 酸 化 生 成 物 の マ ス クロ マ トグ ラ フ ィー 4. 二 次 生 成 物 MHPは 一 応 第 一 次安 定 生 成 物 と して と らえ る こ とが で き る。 そ れ らは 蓄 積 と同 時 に 分 解 を始 め,多 種 多 様 の 低 分 子 揮 発 性 物 質 へ と変 化す る 。 こ れ らは 悪 臭 を もつ も の が 多 く,二 次 生 成 物 とい え ば 狭 義 に は これ らを 指 す 場 合 が 多 い 。 しか しMHPは 再 酸 化,重 合,分 解 と,種 々 の方 向 へ と変 化 して ゆ く こ と も明 らか とな っ て き た の で,こ れ らは す べ て二 次 生 成 物 に 含 まれ る も の で あ ろ う。 1) 再 酸 化 生 成 物 MHPが 二 次 的 に 酸 化 され る こ と は,反 応 時 の 酸 素 吸 収 量 よ り見 当 は つ け られ て い た が41)∼43),それ らの 構 造 に つ い て も最 近 で はGC-MSを 用 い る こ と に よ って 明確 に な りつ つ あ る。 リノー ル 酸 あ る い は リ ノ レ ン 酸 の MHPを さ らに 空 気 中 に イ ン キュ ベ ー トす る と き,還 元 した形 がdiOH, triOHあ るい は エ ポキ シ型 の 化 合 物 が

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Vol. 35 No. 6 1982 383 得 られ る44)∼47)。diOH化 合 物 を生 ず る も のは ジ ヒ ド ロ ベ ル オ キ シ ド,triOHを 与 え る もの は 一つ の 酸 素 は 環 化 し,そ の うえ 一 つ のHP基 を も つ も の と 推 定 さ れ る48)∼54)。 こ こで リノ ー ル酸 メ チ ル の 光 増 感 酸 化 に お い て 生 ず る diOHあ る い はtriOH化 合 物 の 構 造 を 推 定 す る経 過 を 紹 介 す る。 図15は リノ ー ル酸 メチ ル の 光 増 感 酸 化生 成 物 の マ ス ク ロマ トグ ラ ム で あ る。MHP, diOH, triOH 画 分 が 示 され る。MHPと し て は も ち ろ ん9-, 10-, 12-, 13-MHPで あ るが,diOH画 分 の 与 え る フ ラ グ メ ン トイ オ ンはm/e 173, 187, 215, 259, 273, 301と そ の 他 に -TMSOHと 考 え られ る185 , 213, 227, 271, 299, 313 の存 在 を 示 した こ とか ら,次 の よ うな 構 造 の 可 能 性 が 考 え られ る。

Fragment ions found m/e 173 187 215 259 273 185 (275-TMSOH) 213 (303-TMSOH) 227 (317-TMSOH) 271 (361-TMSOH) 299 (403-TMSOH) 313 (403-TMSOH) triOH画 分 で はm/e 173, 187, 259が 得 られ,ま た -TMSO4と 考 え られ る213 , 299が 得 られ た こ とか ら, 下 記 の 構造 が推 定 され た 。 R=CH3(CH2)4- R'=-(CH2)7COOCH3 OX=-OSi(CH3)3 Fragment ions found m/e 173 187 259 273 213 (303-TMSOH) 299 (389-TMSOH) な おMHPと して は,外 側 にHP基 の つ い た9-と 13-異 性 体(こ れ は 自動 酸 化 生 成 物 に 当た る)と10-と 12-異 性 体 画 分 に 分 け て 再 酸 化 した と き,後 者 はす べ て の 構 造 に 当た る フ ラ グメ ン トイ オ ンを 生 じた が,前 者 は * 印 の構 造 に 当た る フ ラ グ メ ン ト イ オ ン の み を 生 じ た32)44)。 次 に これ らdiOH, triOH化 合 物 の 生 成 機 構 に つ い て 考 えて み る。 た だ し以 下 は 自動 酸 化 の場 合 で あ る 。 リノ ー ル 酸 の 場 合,9-MHPか らス タ ー トし て も,と も に 9, 13-diOHが 得 られ,triOHと して は9, 12, 13-triOH と9, 10, 13-triOHが 同 時 に 得 られ る。 この こ とか ら, triOHの 還 元 前 の 形 は 図16に み られ る よ うに6員 環

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図16. リノー ル酸 の 酸 化 生 成 物 図17. リノ レ ン酸 の酸 化 生 成 物 を 形 成 して い る もの と考 え られ る。 また そ の 前 段 階 に両 方 に 変 化 し う る中 間 構 造 を 考 え な け れ ば な らない 。 ま た 9-, 13-MHP間 の 相 互 変 換 も容 易 に 起 こ り,こ の こ と は 18O 2の 取 込 みか ら も証 明 さ れ る54)。 リ ノ レ ン酸 に お い て は,自 動 酸 化 で4種 のMHPが 生 ず る が,diOHと して は9, 16-diOHが,triOHと して は13, 15, 16-triOHと9, 10, 12-triOHが 得 られ る 。 と ころ が,い った んMHPを 精 製 分 離 してか ら さ ら に イ ンキ ュベ ー トす る と きに は,9, 12, 13-triOH and/or 9, 10, 13-triOHと12, 13, 16-triOH and/or 12, 15, 16-triOHが 得 られ る。 外 側 にHP基 の つ い た9-と16-MHPと,内 側 に HP基 の つ いた12-と13-MHPを 分 け て考 え る と,9-と16-MHPか らは つ ね に9, 16-diOHが 生 成 す る。 ま たtriOHを 形 成 す る も の と して,図17に み る ご と く, 5員 環 を 形 成 した 構 造 の推 定 が 可 能 で あ り,Frankel ら55)はIR, UV, NMRに よ っ て こ の5員 環 の存 在 を実 証 した 。 この 環 状 化 が,1. 1)に お け る12-と13-MHP が ほ か に 比 べ て 少 な い理 由 と も考 え られ て い る。 図17の うち の 囲 い の 中 の部 分,す な わ ち,12-と13-MHPか らス タ ー トした 場 合 に は,そ の 生 成 物 か ら図18 の よ うな6員 環 を 生 じて い る と考 え ざ るを え な い 。 な お,オ レイ ン酸,リ ノ ー ル酸,リ ノ レ ン酸 の そ れ ぞ れ のMHPか ら ス タ ー トした場 合 のdiOHとtriOH化 合 物 の 生 成 速 度 は 図19に み られ る ご と くで あ る 。 ま た リノ レ ン酸 か らは エ ポ キ シ化 合 物 が 生 成 し,そ の 機 構 は 図20の ご と くに 考 え られ てい る55)。 ア ラキ ドン酸 に つ い て は,プ ロ ス タ グ ラ ンジ ン生 成 過 程 に お い て,シ ク ロオ キ シ ゲナ ー ゼに よ っ て エ ン ドベ ル オ キ シ ド型構 造 が 生 ず る こ とは よ く知 られ て い る と こ ろ で あ る56)57)。類 似 の 構 造 は 自動 酸 化 に よ っ て も 生 ず る50)。

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Vol. 35 No. 6 1982 385 表8. オ レイ ン酸 メチ ルMHPOの 熱 分 解 に よ り生 ず る 揮 発 性 物 質 のGC-MS分 析65) 図18. リ ノ レ ン酸MHPか らの酸 化 生 成物 2) 揮 発 性 物 質 MHPあ るい は さ らに 酸 化 され た 化 合 物 が 分解 し,同 時 に 生 じた ラ ジ カル が さ らに相 互 に反 応 す る と き,種 々 複 雑 な化 合 物 が 生 成 す る。 これ ら生 成 物 の蓄 積 した 状 態 が 酸 敗(rancidity)で あ る 。バ タ ー臭 の ジ ア セチ ル と 2, 3-ペ ンタ ンジ オ ン58),ジ ャ ガイ モ臭 の2, 4-ペ ンタ ジ エ ナ ー ル59),魚 臭 の シス-4-ヘ プ テ ナ ー ル59),2, 4, 7-デ 図19. オ レイ ン酸,リ ノー ル 酸,リ ノ レン酸 の そ れ ぞ れ のMHP分 解 速 度

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図20. リノ レン酸MHPか らエ ポ キ シ ドの 生 成55)

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Vol. 35 No. 6 1982 387 表9. リノ ー ル酸 メ チ ルMHPの 熱 分 解 に よ り生 ず る揮 発 性 物 質 のGC-MS分 析65) 図22. 環 状 ベ ル オ キ シ ドの 分 解 推 定 図65) カ トリエ ナー ル60)61),その 他リ ノ ー ル酸 よ り生ず る2-ペ ンチ ー ル フ ラ ン62),リ ノ レ ン酸 か ら生 ず る2-(1-ペ ン テ ニル)フ ラ ン,2-(2-ペ ンテ ニ ル)フ ラ ン63)などが 戻 り臭 あ るい は 酸 敗 臭 を形 成 す る とい わ れ る。 自動 酸 化 時 に 生ず る揮 発 性 物 質 と熱 分 解 に よ る生 成 物 とは,そ の分 解 機構 は 基本 的 には同じ と考 え られ,リ ノ ール酸MHPをGC-MSに 直接投入 した際の生成物か ら推定 して,図21の ごとくに考え られ る64)。分解に際 して最 も切 断 さ れ や す い と ころ はHP基 のつ い た 炭 素 の 両 側 で あ る 。 自 動酸 化 な らび に 光 増 感 酸 化 に よ り生 じたMHP画 分 を直 接GC-MSに か け,熱 分 解 に よ って 生 ず る生 成 物 を み たFrankel65)ら の デー タが 表8∼10で あ る 。 な お温 度 が 高 くな れば(200° 以 上),極 性 物 質 と して は 同 じも のが 生 ず る が,非 極 性 物 質 と して 環 状 炭 化 水 素 が ふ え て くる傾 向 に あ る66)。 表8∼10よ り,オ レイ ン酸 か らは オ ク タ ン,リ ノー ル 酸 か らは ペ ンタ ン,リ ノ レ ン酸 か らは エ タ ンな どの 炭 化 水 素 が生 ず る こ と が わか る が,こ れ は 図22か ら も推 定 され る よ うに,切 断 に よ り生 じた ラ ジ カル が 水 素 原 子 を と っ て 生ず る。 ア ラキ ドン酸 か らは ペ ン タ ンが 生 ず る。 呼 気 中 に これ ら炭 化 水 素 が排 出 され,し か も トコ フ ェ ロ ー ル欠 あ る い は 四塩 化炭 素 や エ タ ノー ル の 投 与 に よ り増 加 す る こ とか ら,生 体 中 に過 酸 化 脂 質 の 生 ず る証 拠 と さ れ て い る67)68)。 3) 重 合 物 自動 酸 化 の ご く初 期 に お い て は,揮 発 性 物 質 の 生 成 に 目を うばわ れ が ち で あ る が,図2369)に み る ご と く,つ ね に 重 合 物 の 量 は そ れ を 上 回 って い る こ とを 忘 れ ては な らな い 。宮 下 ら70)はリノ ー ル 酸 メチ ル の 酸 化 に お い て, PV10程 度 の あ た りか らす で に ダイ マ ー が 生 じて い る こ と を認 め て い る。 結 合は-C-O-O-C-で あ る。

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表10. リノ レ ン酸 メ チ ルMHPの 熱 分 解 に よ り生 ず る揮 発 性 物 質 のGC-MS分 析65) 図23. 脂質酸化過程に吸収 した酸素 の分布69) 加 熱 油 に お い て も 自動 酸 化 と同 じ機構 で反 応 が進 む と 考 え られ るの で,HPの 生 成 を経 て,重 合,分 解 が 進 む が,HPは 高温 では 分解 が速 く,揮 発性 物 質 は 気 化 す る が,重 合 物 は 蓄 積 して くる。 フ ライ ン グに お い て は,重 合 物 は も ち ろん,揮 発 性 物 質 も 多種 多 様 の も の が 生 ず る の で71)72),そ の解 析 は 非 常 に複 雑 と な る 。 今後 の大 きな 課 題 で あ る。 以 上,最 近 の脂 質 酸 化 生 成 物に 関 す る研 究 の進 歩 を ま とめ て み た が,脂 質 酸 化 の大 筋 は お お よ そ 解 明 され た よ うに み え る。 こ の間,ア メ リカ 農 務 省 北 部 研 究 所 の Frankel一 派 の貢 献 が 非 常 に大 きい。 わ れ わ れ も彼 らの 研 究 を 追 い な が ら,さ さや か な 間 隙 を 埋 め る努 力 を 続 け て きた 。 な お この 種 の研 究 と現 在 の研 究 手 法 を 用 い るか ぎ りは,す で に そ の 限 界 が み え は じめ て きた 。 今 後 の残 さ れ た 問 題 解 明 に は 新 しい 研 究 手 段 の 開 発 が 望 まれ る と ころ で あ る 。 文 献

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参照

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