シンポジウム
-地域におけるサポー トシステムの形成
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小宮 山 恵
美 1
)
Ⅰ.令,地域高齢者の トレン ドは認知症予防で
ある
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年1
2
月以 降,
「痴 呆症」
を 「認知症 」へ 呼称変 更 した。 なぜ な らば, この症状 は高齢者 となった場合 に 誰 にで も起 こ りうる可能性があるか らだ。 そ して,「認知症」 とは どんな疾患が背景 にあ り,坐 活するうえでの支障をきたすかを多 くの人々に理解 して いただ く必要性があるか らだ。 この時期 を境 に,メデ ィアに認知症 について多 く取 り 上げ られ,若年認知症の方が実際に自分の病状 を語 られ る機会がで き,認知症が進 む 自分の精神活動の低下 を一 番早 く気 がつ き悩 んでい る状 況が多 くの方 に理解 され た。 高齢者 の不安のなか には,寝 た き りにな らないこ と, 家族 に迷惑かけないこと,そ して,認知症 にならない よ うにす るには どうした らよいか と相談 に加 わる ように なった。 また,区民の関心の高 さとして,平成1
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年度「認知症 っ てなあに ?」
をテーマに講演会 を開催 して,8
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0
名近い 方が訪れた。北区の高齢者の健康問題のひとつに 「認知 症」が トレン ドとなっていることを把握 で きた。Ⅱ.
トレン ドの背景
東 京 都 北 区 は, 人 口3
3
0
,
1
8
3
人,6
5
歳 以 上 高 齢 者7
4
,1
7
1人 と,2
3
区の なか で も高齢化 率 が2
3
.
5%
(平成1
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年4
月1
日現在) と高い。 区民 の4
人 に1
人が概 ね6
5
歳以上 であ る。 また,全 世帯1
6
2
,
8
4
2
世帯 の うち6
5
歳以上単 身世帯 は,2
3
,
3
3
2
世帯 を占めてい る。特 に7
5
歳以上 の後期 高齢者 が,6
5
歳以上高齢者 の4
5
.
1% を占 めている。そのほか,東京都北区は どんなところである か と紹介 させていただ くが,
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3
区の北 に位置 し,名所 は, 飛鳥山 ・旧古河庭園などがある。飛鳥山は桜 の名所 で も ある。 京浜東北線 によって高台 と低地 に分断 され,山の 手の雰囲気 と川の手 (下町)の二面性 を もっている。 この学会のメイ ンテーマである 「少子高齢社会 を生 き る力,支 える力」にもあるが,少子化対策,子育て支援 1)東京都北区健康福祉部高齢福祉課保健師-4
0-では,子供医療費助成制度 (乳幼児∼小 ・中学生 までの 医療費無料化) を早 くか ら取 り入れている。 高齢者 を支 える仕組 み として,平成1
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年度か ら介 護 保険法 の改正 によ り,地域包括支援セ ンター を設置す る こ とが義務付 け られた。直営型3つ に加 え, この平成1
9
年1
0
月か らは,委託型4
つが地域包括支援 セ ンター として動 き始めた。 さ らに平成2
0
年4月 には, 5つが 加 わ り,1
2
ヶ所 の地域包括支援 セ ンター として北 区 を 網羅す る予定である。 実際 どのような業務 を行 っているか とい うと, ①介護予防マネジメ ン ト業務 (新予防給付 を含 む) (勤包括的 ・継続的ケアマネジメ ン ト事業 ③総合相談 ・権利擁護事業 (高齢者虐待,成年後見制 度等) の3本柱 を,保健師 または経験 のある看護師,主任 ケア マネジャー,社会福祉士で連携 しなが ら担 っている。今 までの ように,保健福祉介護の領域が縦割 りではな く, 最初か ら総合相談がで きる仕組み となった。 現在 は,新予防給付 (要支援者への 自立 に向けたケア マネジメ ン ト)が中心 となっているが,今後 は,地域 高 齢者の虚弱 な状態か ら要介護 まで継続的にその高齢者の 住み慣 れた場所や習慣がケアプランに盛 り込 まれ,実施 されることを期待 している。Ⅲ.
地域での活動
地域包括支援 セ ンターが導入 された平成1
7
年度に認 知症高齢者支援 プロジェク トを発足 し,検討報告書 をま とめた。それ に基づ き,「認知症 になって も安心 して住 み続 け られるまちづ くり」 を目標 として,3つの安心 を 柱 として仕組みづ くりを行 って きた。 ①本人 ・家族の安心 (彰認知症高齢者 を支 える事業者の安心 (彰認知症高齢者 を支 える地域の安心 予 防か ら要介護状態 までの継続的 ・包括的サー ビス事業 の整理 を実施 した。Ⅳ.
新 しい切 り口での地域づくり
「認知症 」 をキー ワー ドに地域 におけるサポー トシス テムを形成 した (表1)
。 (手本人 ・家族の安心では,早期発見の場 として,北区 医師会認知症サポー ト医やかか りつ け医認知症対応 力向上研修 を修了 された医師会員の協力 を得 て,「も の忘れ相談」 を3地域で開催 している。 高齢者 に気 軽 に相談で きる場 として,今年度初めて展 開 した。 また,医療機関へ の受診が困難 な高齢者に関 して, 精神科 医師による訪問相談 を適宜行 っている。 高齢 者の見守 りには,「北 区おたがい さまネ ッ トワー ク 事業」がある。 介護者 に対 しては,身近 な場所での認知症介護者 懇談会 を開催 している。介護負担感の共感や地域 の 情報交換 を目的 として,臨床心理士 をグループワー カーに心理的助言や地域包括支援 セ ンター職員によ る具体 的な介護相談 を受 け られるように整備 してい る。 ④認知症 高齢者 を支 える事業者 の安心 で は,「認知症 の人のためのアセスメ ン トセ ンター方式」のなかか ら,北 区版のコア シー トの選択 を行 い,普及のため の研修会 を実施 している。 認知症 に関わる事業者の スキルア ップを目標 とし,ケアの質の底上げにつ な が る仕組みづ くりを行 っている。 ③認知症 高齢者 を支 える地域の安心 で は,平成18年 度 よ り認知症サポー ター養成講座 を地域で実施 して いる。 この講座 は,全 国キャラバ ン ・メイ ト連絡協 議会が主催 してお り, オ レンジリングをサポー ター としての証 として渡す ことになっている。 5年 間で1
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0
万人養成することを目標 としている。北区では, 現在1
,
3
0
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人が受講 してお り,東京都 で第1
位 を誇っ ている。受講生 もさまざまである。年齢 は20歳代 ∼ 80歳代 で,認知症 につ いては,全 く知 らない方 か ら,実際 に介護 を している方 まで集 まる。 この受講者のなかで, もっ と認知症 について知 り 聖路加看護学会誌 Vol
.12No.1March2008 たい,認知症の方 と介護者のために地域 の者 として 付 か してみたい,とい う声があ り,認知症サポー ター 交流会 を2ケ月に1回開催 している。 思いのあるサ ポー ター,社会資源 としての地域包括支援 セ ンター との出会いの場 として設定 したが,大 きくは,2
つ の活動 目標が整理 されて きた。1つめ として,認知 症 について広 く知 ってほ しい啓発活動 と2つめ とし て認知症 の方 と介 護者へ 実 際 に支援 したい活動 で あった。 今年度 に関 しては, この11月 19日に 「認知症 を 知 り・支援す るキ ャンペー ン」 を,認知症サポー ター のPRや認知症 について講演会 を行い,ボ ランテ ィ アス タッフとして,活動 をしていただいた。 これ以外 に,緊急対応 として緊急時の病院ベ ッ ド の確保や緊急 シ ョー トステイ支援事業等 も行 ってい る。V.
今後の展開について
高齢者 の ケアが,介 護保 険法 の改正 に よ り大 き く変 わって きたことには違いない。そのなかで注 目すべ きは, チームケアの強化が掲 げ られてい ることである。継続 的 ・ 包括的ケアは,正 に保健師が地域 のなかで年月をかけて 個の健康課題 を支援 して きたことが システム化 された も のである。 そのなかに,各分野の専 門職が加 わ り, よ り 課題支援 を的確 に行 えるもの となった。 また,行政の保健師 としては,時代 のニーズにあった 施策化 につ ながるものか どうか を 日々検証 しなければな らない。 「認知症」 とい うキー ワー ドをとお して,地域 にお け るサポー トシステムの形成 を整理 して きたが,個 と取 り 巻 く支援者 と地域 の3つが協働 して,地域全体 のチーム ケアにつなが る広が りが なければ,役 に立つ システムに なるか わか らない。 多 くの職場 で働 く看護職が増 えて きた。チームケアの 鍵 も看護職が一役買 うことを期待 したい。-41-表