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乳児期の母性的態度と母親行動に影響する要因について

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乳児期の母性的態度と母親行動に影響する要因について

On Factors Influencing Maternal Attitudes

and Maternal Behaviors in Infancy

乳児に対す る母親 の態度 と行動には、様 々な要 因が影響 してい る。た とえは、筆者が以前に、本 紀要で論 じた よ うに、出産直後か らの長期に及ぶ 母子分離体験、あ るいは、出産直後の母子接触体 験が、ある条件下では母親行動に影響す ることが 知 られてい る (大薮,1984;1985)。また、 自発 的に産前教育 プ ログラムに参加 した母親には、虐 待や無視 といった母親行動の障害が少ない ことが 知 られてい るが (Egeland& Vaughn,1981)、乳 児 の出産以前か ら存在す る母親のパーソナ リティ 特性や過去経験が、出産後の母親行動に影響す る ことも容易に想像できよ う。た とえば、11歳以前 に生 じた父親 との別離体験、妊娠お よび妊娠に よ る身体的変化に対す る否定的態度、妊娠36週 まで に胎児を一個の人間 として認知できないことは、 母親の子 どもに対す る愛情の開始を遅 らせ る要因 としてはた らいてい る(Robson

&

Kumar,1980)0 また、乳児 の性別、出生順位、家族 の社会経済階 層、乳児の行動傾向、子 どもとの接触経験の多寡 、 夫婦関係、母親の教育水準 とい った要因が、母親 的 な感情 と行動に影響するとの指摘 もみ られている (Leiderman & Seashore, 1975; Egeland & Vaughn,1981;Belsky,198

4

)

o

さて、初めて母親になった女性が、産後の数カ 月の間に一時的な抑欝状態を体験す ることは珍 し い ことではない。そ して、その産後抑欝が、妊娠 中か ら持続 していることもある。 こ うした母親の 抑欝状態 とい う情動障害は、い ったい母親行動に いかな る影響をあたえてい るのであろ うか。そ し て、その結果、子 どもたちの精神発達が どの よう な影響を受け ることになるのであろ うか。 こ うし た問題を取 り上げる研究が、最近かな り多 くみ ら れ るよ うになっている。

Yasushi Ohyabu

た とえは、妊娠時の気分は産後の気分を予測 し (Feldman

&

Nash,1984)、 妊娠中の胎児に対す る感情は、産後のアタ ッチ メン トと密接に関連 し てい る(Leirer,1977)ことが知 られている。 同様 に、最近のFieldらの研究 (Field.1984;Fieldet

a1.,1985)で も、妊娠期に抑欝傾向があ った母親 は、抑欝傾向のない母親 と比較 して、産後3カ月 と5カ月の時点で、否定的な顔の表情が多 く、発 声や乳児を見た り触 った りす る時間が少ないこと が見 出されている。 また、結婚生活の難 しさとか、 子 どもを持つ ことに対す るアソビヴァレソ トな感 情 とい った妊娠中の問題を基準に分析 された抑欝 女性 と非抑蔚女性 とを比較す ると、産後の母親行 動に違いがあることも指摘 されている(Field et a1.,1985)。 そ して、Livingood,(1983)は、 抑 欝的 な母親では、無条件の肯定的関心、 pツキソ グ行動の持続性、乳児を見つめ る時間が少ない こ とを見出 している。 この ように母親の押掛傾向が、産後の母親行動 に影響す ることは多 くの研究が明 らかに して きて いる。 しか し、妊娠中の気分 と、産後期の気分 と が母親行動にお よはす相対的な影響力の強 さにつ いては、今だに不明なままである。 また、気分以 外の変数 との比較 も十分にな されているとはいえ ない。 そ こで次に、中流階層以上の家庭の母親 の妊娠 中 と産後に生 じた軽度な抑欝憤向あるいは不快気 分(dysphoria)や その他 の変数 (妊娠欲求 、子 ど

もとの過去経験、身体的健康感、社会的サ ポー ト、 乳児の状態) と、母性的態度 (母親 としての適切 感、養育に対す る感情、乳児に対す るアタ ッチ メ

ソ ト感情)や母親行動 (愛情表現的接触、養育行 動、乳児-の声 かけ、乳児を見 る、乳児を揺す る)

(2)

との関連を検討 してい るFlemingら(1988)の研究 を見ていきたい。 [Flemingetal.,(1988)

の研究]

対象 とされた母親 は、英語を話す68名の初産婦 であ り、結婚 ・同棲 あ るいは長期間のprimaryな 性関係を有 している。過去に も現在に も重度の精 神的あるいは産科学的既往はない。平均年齢は、 28.0歳 (SD- 5.3)である。 母親 との面接は、妊娠9カ月、生後3日 (2日 と4日の ときもある) 、生後1カ月、生後3カ月、 生後16カ月であ り、 16カ月を除いた各時期に質問 紙が実施 されてい る。 乳児をあや した り、授乳 し ている母親の ビデオ記録は、生後3日、 1カ月、 3カ月で撮影 されてい る。 <質問紙の項 目> ・背景 となる情報

妊娠欲求(desireforpregnancy:3questions relatingtooverallfeelingsabout pregnancy,abortion,etc.)

子 どもとの過去経験(priorexperiencewith children:5questionsrelatingto exprlenCeWith babies,babysitt -ing,etc.)

・気分の状態(mood:10itemssuchasanxious

,

depressed,mood swings,elated) ・身体的健康感

身体的健康感(physicalfeelings:backache, headache,cramps,muscle aches,

constipation)

疲労感 (feelings oftiredness :fatigue

,

naps,stayhome,sleepy,energetic) ・社会的サポー ト

夫やパーートナーに対する感情

(reelngstowardhusband/partner :7items,suchashusbandgetson nerves, reel closer to husband) 母親に対す る感情(feelingstoward mother :4items,suchastrytoavoidtime withmother,mothersourceofs up-port)

- 46

-・乳児の状態

母親に よる乳児の評定(maternalratingsor infant: 7 items, Broussard & Hartner,1970)

・母性的態度

母親 としての適切性の感情

(feelingsoradequacyasamother :9items,sllChasalotlearn,never comrortable,certainwillbeagood feelmother) 養育に対す る感情(feelingsaboutchildcare orcaretaking:4 items,such as childcarerepetitive and boring

,

enjoycaretaking) 乳児に対す るアタ ッチ メソ ト感情

(feelingsofattachmenttothebaby :3 items,such as thinking or babymakesmereelgood,talka lotaboutbaby)

< ビデオに よる行動分析項 目>

(ビデオ記録の最初の10分間の分析) 母親行動

・愛情表現的接触(affectionatecontact:str ok-1ng,poking,orhllgglng infants' headorbody)

・養育行動 (caretaking activities: burping baby,wlplng its face,adjusting the blanket,oradjustingbaby's position)

・乳児-の声かけ(vocalizeto infant:talking, slnglng,Or Otherwise vocalizing toinfant)

・乳児を見 る(visual orientation: looking at infant)

・乳児を揺す る(kinesthetic:rockingorjiggling inrant)

乳児行動 ・泣 き声(cry)

・泣 き声以外の発声(noncry vocalization: precry,babble,gurgle)

・粗大な腕 と脚 の運動(largearm andlegmove -ment)

(3)

<生後16カ月での観察> 家庭におけ る、 日常的な遊び場面での乳児 と母 親 とのイ ソ クラクシ ョンが観察。 ビデオは用い られていない。観察時間は20分。 15秒間毎に行動 の有無が記録。 母親行動 ・肯定的 な声かけ(positive verbal: praise, ・母親 のアタ ッチ メン ト感情 母親の気分 とは、無関係であ った。 (2)母規の妊娠期および産後の抑欝気分 と母規行 動 との関係 愛情表現的接触にだけ統計的有意差がみ られ、 その他の母親行動には有意差がみ られなか った。 なお、乳房授乳 の母親だけが分析の対象にされ approval,laugh ,verbal,affection) ている。

・肯定的 な接触(positivecontact:bug,stroke, pat,kiss,hold)

・教示的 (instructional:help,teach,give/ Showobject)

・否定的な発声(negative verbal:disapproval/

scold,restrain,punish,command) ・中立的 (neutral: statement

,

question

,

lookat) ・養育行動 (Caretaking: feed, wipe face, cbangeclothes) 乳児行動

・肯定的 (positive:help,give/Showobject, physical affection,verbalarfec -tion)

・否定的 (negative:demand,negativever -bal, cry, whine, fuss,physical aggression)

・中立的 (neutral: verbalize,request for attention,requestforcaretaking

,

requestother,lookatmother,app

-roach) ・しがみつき(clinging) 次に、結果について紹介 してみたい。 (1) 母親の妊娠期および産後の抑欝気分 と母性的 態度 との関係 ・母親 としての適切感 妊娠期 と産後の抑欝気分は、いずれ も生後 1カ月 と3カ月時におけ る母親 としての適切 感を弱めている。 しか し、両者を比較すれば、 産後の気分 との関係のほ うが強か った。 ・養育に対す る感情 妊娠期の気分 とは関係が見 られなか ったが、 産後 の抑欝気分は、生後1カ月で も3カ月で も養育感情を弱めてい る。 ・愛情表現的接触(affectionatecontact) 生後3日では、妊娠期で も産後期で も抑欝 群 と非抑欝群 とで、有意な差はなか った。 こ の時点では、 6名の母親に抑欝症状がみ られ てお り、 うち3名には妊娠期か ら抑欝症状が あ った。 生後1カ月では、妊娠期で も産後期でも抑 欝群に分類 された母親の愛情表現的接触が有意 に少なか った。11名の母親に抑欝症状があ り、 うち6名には妊娠期か ら抑欝症状があ った。 生後3カ月では、妊娠期の抑欝群 の愛情表 現的接触は有意に少な く、 3カ月時点での抑 欝群で も愛情表現的接触が少ない傾 向がみ ら れた。 8名の母親に抑欝症状があ り、 うち5 名には妊娠期か ら抑欝症状があった。 また、 抑欝群では、生後3カ月 までに、乳房授乳か ら噛乳瓶授乳に移行す る母親が有意に多 くみ られている。 (3)母子 インタラクシ'ヨンの質 :伴起性の分析 上記の ように、産後抑欝症の母親では、生後1 カ月 と3カ月で、愛情表現的接触が少なか ったが、 伴起的応答のパターンに も違いがみ られた。分析 対象は、乳房授乳の母親だけ。 ・生後1カ月 :非抑欝群の母親は、泣 いている 乳児に養育行動を多 くと り、発声に対 して も 声かけ と養育行動で応答す ることが 多い。特 徴的なことは、乳児の発声 の後では、声かけ や養育行動が多 くなることであ り、愛情表現 的接触 とか乳児を見 る行動はそれ以外の時期 で高い レベルで生 じていることであ る。 一方、抑欝群の母親では、乳児の泣 き声や 発声の後での養育行動は多いが、声 かけで応 答す ることは少なかった。抑欝群の声かけは、 乳児の四肢の運動に対して生 じることが多かった。

(4)

・生後3カ月 :乳房授乳 を してい る抑欝群の母 親が少ないため、統計的分析は不可能。非抑 欝群の母親の結果は、 1カ月時の もの と殆 ど 同 じである。

(

4

)

母性的態度に影響する抑欝気分以外の要因 ・母親 としての適切感 過去の子 どもとの経験は、妊娠期、 1カ月、 3カ月時の母親 としての適切感を高めた。産 後の要田では、 1カ月時において、疲労感が 母親 としての適切感を弱めた。 3カ月時では、 適切感の強い母親は、取 り扱いが難 しくない 乳児であると報告 している。 ・養育に対す る感情 妊娠期におけ る肯定的な養育感情は、子 ど もとの過去経験、夫 との良い関係、疲労感や 身体的不快感の少なさと有意な関係があ った。 しか し、 こ うした産前 の要因は、産後の養育 感情 とは関係がなか った。 1カ月 と3カ月時 におけ る肯定的養育感情は、 1カ月時におけ る夫 との良い関係 と関係 していた。 また、 3 カ月時の肯定的養育感情は、乳児の健康状態 とも関係 していた。 ・母親のアタ ッチ メソ ト感情 妊娠に対 してアソビヴァレソ トであ り、子 どもとの経験が少なか った女性は、 3カ月時 でのみ、アタ ッチ メソ ト感情が弱か った。 産後の要因は、産後のアタ ッチ メン ト感情 と関係なか った。 (5)妊娠期 と産後の抑欝気分が16カ月時の母子 インタラクシ ョンに及ぼす影響 影響はなか った。16カ月の時点 では、母親の抑 欝気分は測定 されていないので、 この時点での抑 欝が母親 と子 どもの行動にあたえる影響について は不 明である。 以上の結果の うち、い くつかの重要な論点を、 Flemingらの考察に もとづいて、整理 してい くこ とに したい。 初めに、妊娠期お よび産後期の抑欝気分あるい は不快気分が、生後1カ月 と3カ月時 での 「母親 としての適切感」 と 「養育に対す る感情」を低下 させたが、 「母親のアタ ッチ メン ト感情」 (いず れ も母性的態度 と分額 されてい る) とは関係 しな か った点か ら見ていきたい。 この研究で対象にされ た ような経済的に恵まれた中流階層以上の健康な女 性では、乳児-のアタッチメソ トが比較的高 く、尚 かつ、そのアタッチメソ トレベルの変動が少な く報 告 されやすい。Flemingらは、抑欝気分 とアタ ッ チ メソ ト感情 とに関連性が見出 されなか ったのは、 そ うした社会経済階層の女性を対象 としたためで あ り、軽度の抑欝気分 ではアタ ッチ メン ト感情に 違 いを生 じさせなかったのであろ うとみな してい る。逆 にいえは、中流階層以下の階層を対象に し た場合には、母親のアタ ッチ メン ト感情に も影響 す る可能性があると考 え られ よ う。 同様に して、母親行動についてみ ると、妊娠期 と産後期の抑欝気分は、 「愛情表現的接触」を低 下 させ るが、 「養育行動」を低下 させ ることはな い点が興味深い。 この結果は、母親の抑欝が、認 知的に よ りコン トロール しやすい手段的(instr u-mental)活動を低下 させず、母子間の情動的 ・社 会的な関係に悪影響を及ぼす とす るLivingoodet al.,(1983)の観察 と一致す るとFlemingらはみな してい る。 この 「愛情表現的接触」は、乳児の頭 や身体を手でなでた り、指先で触 った り、抱 きし め る行動であ り、いずれ もアタ ッチ メソ ト行動 と これ まで分頒 されて きた ものである。 す ると、母親の抑欝気分は、 「赤 ちゃんのこと を考 え るのは楽 しい」 とい った質問項 目に よって 測定 され るアタッチ メソ ト感情 には影響 しないが、 愛情表現的接触行動 (アタ ッチ メソ ト行動)は低 下 させた ことになる。 したが って、 Flemi ng ら のアタ ッチ メソ ト感情 と、従来か ら用い られてい るアタ ッチ メソ ト行動 とは必ず しも同一 の もので はない。母親の抑欝気分は、アタ ッチ メソ ト感情 を測定 しようとす る質問紙の結果には反映 されに くく、身体的な接触形態を取 るアタ ッチ メソ ト行 動のほ うに敏感に反映 され るものの ようである。 上記の論述 との関連で、 もうひ とつ興味深い結 果は、妊娠期 と産額期の抑欝気分は、産祷期 (生 後3日)の乳児 と母親 との相互作用には影響 しな い ことである。 これは、初産で未経験な この時期 の母親は、気分の如何にかかわ らず、乳児 との交 流時間の殆 どを、乳児が乳首に適切に吸いつ くよ - 48

(5)

-うにす ることや、その他の養育行動に費や してお り、他方、乳児 と一緒 に くつろいだ り、愛情表現 的な接触行動をす ることが少ないためであ る。 つ ま り、先述 した ように、 この時期の母親行動の 大部分が、母親の抑欝気分 に よって低下 させ られ ることのない養育行動に よって占め られているた めなのである。 次に、抑欝気分の多寡 に よって違いが現われた のは、乳児の発声 (bothcryornoncry)に対す る 母親の伴起的行動であ る。つま り、非抑欝的な母 親は、乳児の発声 に対 し、発声 と養育行動で応答 す るのに、抑欝的な母親 は、乳児の泣 きには養育 行動で応答す るけれ ども、泣 きではない発声には 声 をかけて応答す ることが少ないのである。母親 の乳児に対す る声かけは、愛情表現的行動 ともア タ ッチ メン ト行動 ともいえる行動の一つであると いえよ う。その ように考 えると、抑欝群の母親の この発声行動の少なさは、先述 した愛情表現的な 接触の少な さと共通 した行動であ ると考え られ る。 抑欝的な母親では、 この ように愛情表現的な行動 の表出が全般的に困難になることが推測できるの である。 子 どもとの過去経験は、産前要因 としては最 も 顕著な効果を もつ要因であ った。つま り、子 ども との過去経験があると、妊娠期、 1カ月期、 3カ月 期の母親 としての適切感、妊娠期におけ る養育感 情、また3カ月期のアタ ッチ メン ト感情をいずれ も高めたのである。Flemingらに よれば、子 ども との過去経験は、母親の気分状態に影響す る主要 な先行 因子 であ ることがす でに見 出 されている けれ ども、 ここで得 られたデータか らも、過去の 専門的な子 どもとの経験やベ ビーシ ック-経験は、 抑欝気分の軽減に役立つか もしれないことが示唆 され る。Flemingらに よれは、それは、おそらく 産後初期の親行動 と関連す るス トレスの効果を変 えて しま うことに よるのであろ うとされている。 そ して、 もし、子 どもとの過去経験 と妊娠中の気 分が母親の態度 と密接な関係を有す るな ら、妊娠 中の気分を改善 した り、子 どもとの経験を提供 し た りす るよう計画 された活動は、母親の態度 と応 答性を改善す ることが可能であろ うと論 じてい る。 我が国では、少子化傾向に伴い未婚女性の子 ども との接触体験が乏 しくなっているが、今後、 こ う した未婚女性や妊娠の心理的健康を保障す るよう な母子保健援助計画が必要になることが予測 され る。 母親行動に対す る社会的サポー トの重要性につ いては、い くつかの研究に よってすでに指摘 され てい る(Belsky,1981;Power& Parke,1984)。 こ の研究で も、夫 との関係が、妊娠期 ・産後期 とも に、母親の養育感情 と関係す ることが知 られたの であ る。最初 の子 どもの誕生に伴 って、今 までの 夫婦関係 とい う2老関係の中に、非常に養育の手 間がかか る乳児が入 り込む ことになるが、それは 家族 のス トレスを増大 させ ることになる(Gross一 maneta1.,1980)0 その とき、夫 との親密な関係が子 どもの誕生に よ り低下 した り(Feldman&Nash,1984)、 家 事 の分担が夫婦関係のあ りかたを決定す るのに重要 な役割を果た しているような場合(Belsky,1984) には、そのス トレスは より大 きな もの となること が推測できよう。 以上の ように、経済的に恵 まれた母親たちの軽 度の抑欝気分や、その他のい くつかの要因は、乳 児期初期の母性的態度 と母親行動を低下 させ るこ とが知 られたが、幸いに して、そ うした影響は16 カ月 の時点では母親の行動に も子 どもの行動に も 明白な形では現われなか った。 しか し、経済的に 恵 まれ ない家庭、母親 の抑欝気分が重 度 なもの であ るとき、 また社会的サポー トがネガテ ィヴに 働 く場合などでは、そ うした影響が長期にわた っ て持続す る可能性は十分に残 されてい る。先に も 触れた ように、 これか らの母子保健活動や家族福 祉活動では、 こ うした母親の精神的健康 の維持を ど う保障 してい くのか とい うことが ます ます重要 な課題 とな るように思われ る。 (1990.1.27受理) 文 献

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参照

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