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北海道の養護学校における健康診断の実態調査

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Academic year: 2021

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(1)Title. 北海道の養護学校における健康診断の実態調査. Author(s). 照山, 美由紀; 古川, 香菜未; 前田, カンナ; 芝木, 美沙子; 笹嶋, 由 美. Citation. 北海道教育大学紀要. 教育科学編, 59(1): 123-138. Issue Date. 2008-08. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/922. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第59巻 第1号 JournalofHokkaidoUniversityofEducation(Education)Vol.59,No.1. 平成20年8月 August,2008. 北海道の養護学校における健康診断の実態調査. 照山美由紀・古川香菜末*・前田カンナ*・芝木美沙子*・笹嶋 由美*. 北海道鷹栖養護学校 *北海道教育大学旭川枚 臨床医科学・看護学教室. AStudyonHealthExaminationsatSchooIsforChildrenwithSpecialNeeds * TERUYAMAMiyuki,FURUKAWAKanami*,MAEDAKanna,. SHIBAKIMisako*andSASAJIMAYumi* HokkaidoTakasuSchoolforSpecialNeedsEducation. *DepartmentofClinicalScienceandNursing,AsahikawaCampusHokkaidoUniversityofEducation,AsahikawaO70−8621. 要 旨 心身に障害をもつ児童生徒の健康診断については特別な規定や通達はなく,学校保健法,同法施行規則の実 施基準で行うことになっている。しかし,スクリーニングを主体とした現在の健康診断の方法では,それぞれ. の障害の状態に応じた健康診断ができないという指摘があり1),さまざまな困難点があると考えられる。そこで, 養護学校での健康診断の実施状況や方法,実施にあたっての困難点,それら困難点に対する工夫点などを調査 し明らかにすることによって,健康診断をより円滑に行うための資料とすることを目的に本研究に着手した。 北海道内の養護学校40校に勤務する養護教諭を対象に,健康診断の実施に関する調査を行ったところ,身長測 定・体重測定は全ての学校で実施されており,実際ほとんどの子どもで測定できているが,視力測定は92.5%の 実施で,90%以上の子どもに測定できている学校は40.0%と少なかった。しかし,全員実施を目指して,教職員 や学校医,家庭等と共通理解を図り連携し,学校ごとに子どもの実態に合わせたさまざまな工夫を取り入れ,健 康状態の把握に努めている実態がうかがえた。また,検診を実施する際に行われている工夫は,子どもたちに検査・ 検診についてよりわかりやすくするものであり,障害の有無にかかわらず,全ての子どもに有効であると考える。. Ⅰ.緒. 言. 学校で実施されている健康診断は,学校保健法 また同施行規則の定められるところにより実施さ. れている。学校保健法では,第6条と第7条に健. 目の対象学年,方法及び技術的基準が定められて いる。しかし,心身に障害をもつ児童生徒につい ての特別な規定や通達はなく,学校保健法,同施 行規則の実施基準で行うことになっている。 スクリーニングを主体とした現在の健康診断の. 康診断を実施,措置することが定められており,. 方法では,それぞれの障害の状態に応じた健康診. 同施行規則の第2節には,時期や検査項目及び項. 断ができないという指摘がある1)。一言で障害と. 123.

(3) 照山美由紀・古川香菜未・前田カンナ・芝木美沙子・笹嶋 由美. いってもその程度や内容は一人ひとり違い,最近 のように障害が多様化してくるとより一層健康診. Ⅰ.研究対象および方法. 断の実施が困難なものとなる。たとえば,知的な. 2005年11月,北海道内の養護学校48校の養護教. 障害をもつ子どもたちの視力検査では,視力に障. 諭を対象に,無記名自己記入式質問用紙郵送法で. 害があるのか,検査の意図が理解できないのか,. アンケート調査を実施した。回収数40校,回収率. 表現の仕方が不十分なのか判断できないことがし. 83.3%であった。. ばしばある1)。その他の検査においても,恐怖心. 調査内容は,学校で行っている健康診断の実施. が強かったり,拒否して暴れたり,多動であった. 状況(実施項目,各項目における実施学年,実施. り,あるいは全く関心をもたないなどの困難があ. 率,実施者,使用器具)と実施に際しての困難点. り2),検査者の努力と工夫が必要である。. や工夫点などである。. 知的障害を対象とする養護学校の子どもたちの. 調査結果の解析はズ2検定(5以下のセルがあ. 多くは,自己の意思を相手に伝達することが不十. る場合はFisher法を用いた)を行い,有意水準. 分といわれる2)。自ら身体の異常やその程度を訴. 5%をもって有意差があるとした。なお,集計お. えることが困難な子どもに対して,できるかぎり. よび統計解析にはMicrosoftExcelおよびExcel. の諸検査,諸検診を取り入れ,一人ひとりの健康. アンケート太閤Ver.3.0を使用した。. 状態を正しく把握し,早期に疾病や異常を発見し ていくことが健やかな学校生括を送る上で必要で. ある。また,体の不快や不調を早期に発見し,取 り除くことは,健康を保持増進するだけでなぐ情 緒の安定にもつながり,教育的効果の向上にもっ. Ⅱ.結 果 1.対象校の概要. 対象校40校の内訳は,校種別では,小学部・中. ながる。そのため,障害をもつ子どもたちにとっ. 学部・高等部のある学校(以下小・中・高等部と. てはより一層健康診断が重要なものと考える。. する)が60.0%(24校),高等部のみの学校が32.5%. 今までの調査・研究では,養護学校における健. (13校),その他7.5%(3校)であった。障害別. 康診断の進め方について調査されたものがある3)。. では,知的障害を対象とした学校75.0%(30校),. また,養護学校における健康診断の児童の実態や. 肢体不自由を対象とした学校12.5%(5校),病. その実態に合わせた方法での視力検査・歯科検診. 弱を対象とした学校5.0%(2校),不明7.5%(3. の実践も行われており4)5),さまざまな障害をも. 校)であった。. つ子どもたちの健康診断において,多くの困難点 と工夫があることが伺える。. 特別支援教育の導入に伴い,さまざまな障害を. 幼児児童生徒数は16∼173名で,平均は76.8名 であった。「40人以上80人未満」が最も多く32.5% (13校),次いで「40人未満」25.0%(10校),「80. もつ子どもたちがこれまでの「特殊教育」の枠組. 人以上120人未満」22.5%(9校),「120人以上」. みを超えて広く受け入れられるようになる。そし. 20.0%(8校)などであった。. て,健やかな学校生括を送るために,さまざまな 障害をもつ子どもたちがどこでも十分な健康診断 を受けることができるようにする必要がある。 そこで,養護学校の健康診断の実施状況や方法, 実施にあたっての困難点,それら困難点に対する工 夫点などを調査し,明らかにすることによって,障 害をもつ子どもたちの健康診断がより円滑に行われ. るための資科とすることを目的に本研究に着手した。. 124. 2.対象校の養護教諭について. 養護教諭が複数配置されている学校は52.5% (21校)で,養護教諭の合計人数は60人であった. (配置人数不明1校)。3人以上の養護教諭が勤 務している学校はなかった。. 養護教諭の経験校種は,高等学校での勤務が最 も多く41.7%(25人)で,次いで小学校40.0%(24.

(4) 北海道の養護学枚における健康診断の実態調査. 人),中学校38.3%(23人)などであった。養護. 検査,尿検査,眼科検診,耳鼻科検診,歯科検診,. 学校の中では,知的障害を対象とする学校での勤. 内科検診について,実施学年を「全学年に実施し. 務経験が最も多く13.3%(8校)であった。. ている」と「一部の学年にのみ実施している」に. 養護教諭の経験年数は1∼39年で,平均は18.3. 分けてみた。身長測定,体重測定,尿検査は全て. 年であった。「20年以上30年未満」が最も多く. の学校で全学年に実施されていた。歯科検診は. 33.3%(20人),次いで「10年以上20年未満」26.7%. 95.0%(38校),座高測定,視力検査,内科検診. (16人),「10年未満」23.3%(14人),「30年以上」 16.7%(10人)であった。. は共に92.5%(37校)と9割を超える学校で全学 年に実施されていたが,眼科検診,耳鼻科検診は. 養護教諭の現在校での勤務年数は1∼23年で, 平均は5.3年であった。「1年」が最も多く21.7% (13人),次いで「3年」16.7%(10人),「2年」. 共に77.5%(31校)であり,側わん症検診は17.5% (7校)が全学年に実施しているにすぎなかった (図1)。. 13.3%(8人)などであった。 身長測定. 3.健康診断の実施状況 体重測定. 1)実施の有無と実施学年. それぞれの学校において健康診断の各項目の実. 座高測定. 施の有無をみると,身長測定,体重測定,歯科検. 視力検査. 診,尿検査は全ての学校において実施されていた. 側わん症検診. が,側わん症検診は22.5%(9校)と少なかった。 校種別に「/ト・中・高等部のある学校」「高等部. 尿検査. のみの学校」に分けてみると,「/ト・中・高等部. 眼科検診. のある学校」では,寄生虫卵検査を実施している. 耳鼻科検診. 学校が95.8%(23校)であるのに対し,「高等部. 歯科検診. のみの学校」ではどの学校でも実施されていな 内科検診. かった(p<0.01)(表1)。. 学校保健法で全学年を実施対象としている身長 測定,体重測定,座高測定,側わん症検診,視力 表1 健康診断実施の有無 校 全体 n=40. 区= 全学年対象の場合の実際の実施学年(n=40). 一部学年にのみ実施している場合の実施学年で 種. その他 検 定. 小・巾・高 同. 囚全学年に実施ロー部学年に実施国実施学年不明■実施せず. n=24 n=13 n=3 小巾高×高. 身長測定 100.0(40) 100.0(24) 100.0(13) 100.0(3) 体重測定 100.0(40) 100.0(24) 100.0(13) 100.0(3) 座高測定 95.0(38) 100.0(24) 100.0(13) 33.3(1) 視力検査 92.5(37) 95.8(23) 100.0(13) 33.3(1) 聴力検査 92.5(37) 95.8(23) 100.0(13) 33.3(1). Ⅹ線検査 97.5(39) 100.0(24) 100.0(13) 66.7(2) 心電図検査 95.0(38) 100.0(24) 100.0(13) 33.3(1) 側わん症検診 22.5(9) 25.0(6) 23.1(3) 尿検脊 100.0(40) 100.0(24) 100.0(13) 100.0(3). は,座高測定は高校3年のみ,側わん症検診は高 校1年のみで実施してた。「眼科検診」「耳鼻科検 診」は小学部1・4年,中学部1年,高等部1・ 3年,希望者で実施している学校があった。「歯 科検診」「内科検診」は希望者のみ実施している 学校があった。. 学校保健法で一部学年を除くことができるとし. 寄生虫卵検査 62.5(25) 95.8(23) 66.7(2) ** 眼科検診 90.0(36) 87.5(21) 92.3(12) 100.0(3). ている聴力検査,Ⅹ線検査,心電図検査,寄生虫. 耳鼻科検診 95.0(38) 95.8(23) 92.3(12) 100.0(3). 卵検査について,学校保健法の対象学年通りに実. 歯科検診 100.0(40) 100.0(24) 100.0(13) 100.0(3) 内科検診 95.0(38) 95.8(23) 100.0(13) 66.7(2) Fp<0.05 =練p<0.01*椒p<0.005). 施しているかどうかをみたところ,どの項目も対 象学年通りに実施している学校が多かったが,聴. 125.

(5) 照山美由紀・古川香菜未・前田カンナ・芝木美沙子・笹嶋 由美. 員等のみ」に分けてみた。その他の教職員等には. 力検査は,全学年で実施している学校が32.5%(13. 「担任」「担任以外の教員(副担任・学部や学年. 校)と,他の項目に比べて多かった(図2)。. 付きの教員・担当になった教員・保健体育部教員 など)」「理学療法士」「作業療法士」「介護員」な どが含まれる。. 表3に示すように,「養護教諭とその他の教職 員等で協力」が最も多かったのは,身長測定62.5% (25校),体重測定45.0%(18校),座高測定47.4% (18校)であった。「養護教諭とその他の教職員. 田全学年に実施 E法の対象学年に実施□法以外の学年に実施 阿東施学年不明 ■実施せず. 等で協力」の内訳をみると,「養護教諭と担任で. 図2 一部学年を除くことができる場合の実施学年. 協力」「養護教諭と担任とその他の教職員等で協. (n=40). 力」「養護教諭と担任以外の教職員等で協力」が あったが,担任が協力している場合が多かった。 「養護教諭のみ」が最も多かったのは,視力検. 健康診断の各項目で,対象としている者に対し, どのくらいの者に実施できているか実施率を聞い. 査43.2%(16校),聴力検査59.5%(22校)であっ. たところ,表2に示すように全員に実施できてい. た。. ない学校が多くあった。90%以上の者に実施でき. 側わん症検診は「養護教諭や保護者がチェック. ている割合を見ると,身長測定・体重測定は. した後,学校医が検診」66.7%(6校),「内科医. 97.5%(39校)と高く,学校医による検診も全て. が検診」33.3%(3校)であった。. 尿検査は,「養護教諭のみ」で実施している場. 80%以上と比較的高かったが,視力検査は40.0%. 合はなく,「その他の教職員等のみ」が82.5%(33. (16校),聴力検査は52.5%(21校)と低かった。. 校),「養護教諭とその他の教職員等で協力」が 17.5%(7校)であった。. 2)実施者 身長測定,体重測定,座高測定,視力検査,聴. 寄生虫卵検査は,「その他の教職員等のみ」の. 力検査,側わん症検診,尿検査,寄生虫卵検査に. みで,家族または寄宿舎指導員がかかわっている. ついて,実施者を聞いたところ,養護教諭,担任. ものが92.0%(23校)と多かった,. などがあげられていたが,「養護教諭のみ」「養護. 教諭とその他の教職員等で協力」「その他の教職. 表2 健康診断の各項目の実施率(n=40). 実施率 身長測定 体重測定 座高測定 視力検査 聴力検査 ::.・・≡ 心電図 検査 側わん症 検 診 尿検査 寄生虫卵 検 査 眼科検診 耳鼻科 検診 歯科検診 内科検診 100%. 90.0. 90∼99%. 70∼89%. 95.0. 67.5. 20.0. 25.0. 77.5. 70.0. 7.5. 2.5. 15.0. 20.0. 27.5. 7.5 17.5. 2.5. 2.5. 12.5. 20.0. 12.5. 2.5. 5.0. 17.5. 7.5. 5.0. 2.5. 17.5. 62.5. 5.0 27.5. 7.5. 50.0. 7.5. 5.0. 75.0. 10.0. 5.0. 65.0. 17.5. 75.0. 25.0. 10.0. 7.5. 2.5. 5.0. 5.0. 50′−1−・69%. 50%未満 四. 未実施 四 四 5.0 不明 最低値(%) 田. 126. 10.0 7.5. 四. 7.5. 5.0. 5.0. 四. 2.5 5.0. 5.0 77.5. 37.5 10.0. 四 四 四 四 四 四 四 四 四 四 2.5. 82.5.

(6) 北海道の養護学枚における健康診断の実態調査. 表3 実施者の内訳 身長測定 養護教諭のみ. 協. 体重測定 n=40. n=40. 養教と担任. %(枚). 座高測定. 視力検査. 聴力検査. n=38. n=37. n=37. 12.5(5) 15.0(6) 13.2(5) 43.2(16) 59.5(22) 25.0(10) 22.5(9) 18.4(7) 18.9(7) 16.2(6). 養教と担任とそれ以外の教職員等 25.0(10) 20.0(8) 23.7(9). 力 養教と担任以外の教職員等 計. 担任 他 の み. 12.5(5). 2.5(1). 5.3(2). 8.1(3) 5.4(2). 2.7(1) 5.4(2). 62.5(25) 45.0(18) 47.4(18) 32.4(12) 24.3(9) 2.5(1) 2.6(1) 10.8(4) (0) (0). (0). 計. 2.5(1). 2.6(1). 2.7(1). (0). 22.5(9) 37.5(15) 34.2(13) 10.8(4) 16.2(6) 25.0(10) 40.0(16) 39.5(15) 24.3(9) 16.2(6). 3)使用器具. 身長測定,体重測定,座高測定,視力検査,聴力 検査,心電図検査(電極部の形状)の使用器具につ. 「おもちゃ」「マッチングカード」などがあった。 聴力検査では「一般的なもののみ」59.5%(22 校),「一般的なものと特殊なものの併用」32.4%. いて,「一般的なもののみ」「一般的なものと特殊な. (12校)であった。特殊な器具では「音のなるも. ものの併用」「特殊なもののみ」に分けて調査した。. の」7校,「特殊なオージオメータ」「囁語法」が. 身長測定では「一般的なものと特殊なものの併 用」52.5%(21校),「一般的なもののみ」45.0%. 共に3校などであった。「音のなるもの」には「打 楽器」「おもちゃ」「ストップウオッチ」などがあっ. (18校),「特殊なもののみ」1校であった。特殊. た。「特殊なオージオメータ」には「幼児用」な. な器具では「メジャー」17校,「仰臥位身長計」11. どがあった。その他には「日常生活の様子を観察. 校などであった。その他には「手作りの身長計」「壁. する」「指こすり」などがあった。. に貼る身長計」などがあった。. 心電図検査では「特殊なもののみ」の学校はな. 体重測定では「一般的なもののみ」55.0%(22. く,「一般的なもののみ」84.2%(32校),「一般. 校)「一般的なものと特殊なものの併用」25.0%(10. 的なものと特殊なものの併用」4校で全てシール. 校),「特殊なもののみ」15.0%(6校)などであっ. タイプを使用していた。. た。特殊な器具では「座位の体重計」10校,「車 椅子のまま乗ることができる体重計」6校などで. 4.各項目の困難点. あった。その他には「手すり付き体重計」「ストレッ. 1)身長測定・体重測定・座高測定. チャー型体重計」などがあった。. 身長測定では「困難点がある」82.5%(33校). 座高測定では,「一般的なもののみ」84.2%(32. であった。校種別でみると,小・中・高等部のあ. 校),「一般的なものと特殊なものの併用」13.2%. る学校では100%困難点があるとしていたが,高. (5校)であった。特殊な器具では「メジャー」. 等部のみの学校では46.2%(6校)と少なかった. 5校,「仰臥位身長計」3校などであった。. (p<0.005)。困難点の内訳をみると,最も多かっ. 視力検査では「一般的なものと特殊なものの併. たのは「かかとをあわせて立てない」63.6%(21. 用」54.1%(20校),「特殊なもののみ」43.2%(16. 校),次いで「立位をとれない」54.5%(18校). 校),「一般的なもののみ」1校であった。特殊な. などであった。その他では「側わんや脊柱・足な. 器具では「字ひとつの絵視力表」27校,「字ひとつ. どに変形や拘縮があり,測定が困難」が6校で多く,. のランドルト環視力表」23校,「字づまりのひらが. 「数人での介助が必要」「分散法で測定するために. な視力表」9校,「字ひとつのひらがな視力表」4. 誤差が生じる」などもあった。校種別にみると,小・. 校などであった。その他には「自作の2mの視力表」. 中・高等部のある学校では「かかとをあわせて立. 127.

(7) 照山美由紀・古川香菜未・前田カンナ・芝木美沙子・笹嶋 由美. てない」,高等部のみの学校では「静止できない」. 表6 座高測定における困難点の内訳. が多かった。校種別で困難点の内訳を比較すると, 全 体. 「立位がとれない」が小・中・高等部のある学校. 枚 種 小中高 同 その他 検 定. n=25 n=20 n=4 n=1 小中高×高. 測定姿勢とれない 測定嫌がる 器具恐怖 静止できない その他. が有意に多かった(p<0.005)(表4)。 体重測定では,「困難点がある」65.0%(26校) であり,校種別で有意差はなかった。困難点の内. 72.0(18) 85.0(17) 軋0(11) 50.0(10). 100.0(1) * 100.0(1). 40.0(10) 45.0(9) 100.0(1) 32.0(8) 20.0(4) 75.0(3) 100.0(1) 臥0(2) 10.0(2). 訳をみると,最も多かったのは「静止できない」. (漉p<005油p<001地p<0005). 92.3%(24校)であった。その他では「測定姿勢 の保持が困難」2校,「足の長さが違う」などがあっ た。校種別でも「静止できない」が最も多く,有. 2)視力検査・聴力検査. 意差があるものはなかった(表5)。. 視力検査では,「困難点がある」89.2%(33校). 座高測定では,「困難点がある」65.8%(25校). であり,校種別で有意差はなかった。困難点の内. であった。校種別でみると,小・中・高等部のあ. 訳をみると,最も多かったのは「検査方法を理解. る学校では83.3%(20校)が困難点があるとして. できない」87.9%(29校),次いで「集中できない」. いたが,高等部のみの学校では30.8%(4校)と. 81.8%(27校)などであった。その他には,「注. 有意に少なかった(p<0.01)。困難点の内訳を. 視が困難」「マッチングができない」などがあった。. みると,最も多かったのは「測定の姿勢がとれな. 校種別でみると,「遮限器を嫌がる」「文字・数字・. い」72.0%(18校),次いで「測定を嫌がる」44.0%. 記号が読めない」が小・中・高等部のある学校が. (11校)などであった。その他では「おしりの部. 有意に多かった(共にp<0.01)(表7)。. 分の冷たさが気になる」などがあった。校種別で. 聴力検査では,「困難点がある」86.5%(32校). 困難点の内訳を比較すると,「測定姿勢がとれな. であり,校種別で有意差はなかった。困難点の内. い」が小・中・高等部のある学校が有意に多かっ. 訳をみると,最も多かったのは「検査方法を理解. た(p<0.005)(表6)。. できない」84.4%(27校),次いで「合図や反応 ができない」81.3%(26校)などであった。校種 別に困難点の内訳をみると,「レシーバー. 表4 身長測定における困難点の内訳 全 体. 枚 種 小中高 同 その他 検 定. n=33 n=24 n=6 n=3 小中高×高. を嫌が. る」では,小・中・高等部のある学校が有意に多 かった(p<0.05)(表8)。. かかとあわせて立てない 63.6(21) 70.8(17) 50.0(3) 33.3(1). 立位とれない 静止できない 測定嫌がる 器具恐怖 足の長さが違う その他. **. 54.5(18) 66.7(16). 66.7(2). 3)x線検査・心電図検査. 45.5(15) 41.7(10) 66.7(4) 33.3(1) 45.5(15) 54.2(13) 16.7(1) 33.3(1). Ⅹ線検査では,「困難点がある」74.4%(29校). 33.3(11) 41.7(10) 33.3(1) 21.2(7) 25.0(6) 33.3(1). 24.2(8) 25.0(6). 66.7(2). (*p<M5**p<Ml柚p<MO5). 表7 視力検査における困難点の内訳. 表5 体重測定における困難点の内訳. 全 体. %(枚). 全 体. 枚 種 小中高 同 その他 検 定. n=26 n=24 n=6 n=2 小中高×高. 静止できない 立位とれない 測定嫌がる. 92.3(24) 70.8(17) 100.0(6) 50.0(1). 器具恐怖 その他. 19.2(5) 16.7(4) 50.0(1) 23.1(6) 12.5(3) 16.7(1) 100.0(2). 23.1(6) 20.8(5). 50.0(1). 23.1(6) 20.8(5) 50.0(1) かかとあわせて立てない 19.2(5) 16.7(4) 50.0(1). (*p<M5**p<Ml柚p<MO5). 128. 枚 種 小中高 同 その他 検 定. n=33 n=22 n=10 n=1 小中高×高. 検査法理解できない 集中できない 合図反応できない 視力表注視できない 遮限嫌がる. 87.9(29) 95.5(21) 70.0(7) 100.0(1) 81.8(27) 86.4(19) 70.0(7) 100.0(1) 75.8(25) 81.8(18) 60.0(6) 100.0(1) 63.6(21) 72.7(16) 40.0(4) 100.0(1) * 63.6(21) 81.8(18) 20.0(2) 100.0(1). 文字・数字・記号読めない 51.5(17) 68.2(15) 10.0(1) 100.0(1) * 顔に物が触れるのを嫌がる 33.3(11) 40.9(9) 10.0(1) 100.0(1). その他. 15.2(5) 13.6(3) 10.0(1) 100.0(1) (■p<M5蜘p<0.01柚−p<MO5).

(8) 北海道の養護学枚における健康診断の実態調査. 表8 聴力検査における困難点の内訳. 「未経験ことへの抵抗感が強い」「検査者に対する. 枚 種 小中高 同 その他 検 定. 全 体. n=32 n=21 n=10 n=1 小中高×高. 恐怖がある」では,小・中・高等部のある学校が 有意に多かった(共にp<0.05)(表10)。. 検査法理解できない 糾.4(27) 85.7(18) 80.0(8) 100.0(1) 合図反応できない 81.3(26) 85.7(18) 70.0(7) 100.0(1) 表10 心電図検査における困難点の内訳. 聞こえているか分からない 71.9(23) 76.2(16) 60.0(6) 100.0(1). 集中できない レシー/〈−嫌がる. %(枚). 71.9(23) 71.4(15) 70.0(7) 100.0(1) * 46.9(15) 61.9(13) 10.0(1) 100.0(1). 枚 種 小中高 同 その他 検 定. 全 体. (漉p<005油p<001地p<0005). n=33 n=20 n=12 n=1 小中高×高. 器具恐怖. 87.9(29) 90.0(18) 83.3(10) 100.0(1). 静止できない 検査者恐怖 その他. 60.6(20) 65.0(13) 50.0(6) 100.0(1). *. であり,校種別で有意差はなかった。困難点の内. 訳をみると,最も多かったのは「未経験のことへ. *. 6.1(2). 16.7(2). の抵抗感が強い」62.1%(18校),次いで「検診器. (*p<M5**p<Ml柚p<MO5). 具に対する恐怖」55.2%(16校)などであった。 その他では,「検診車がせまく,出入りが大変」「保. 4)側わん症検診・尿検査・寄生虫卵検査. 護者の協力が得られない」などがあった。校種別. 側わん症検診では「困難点がある」「困難点は. に困難点の内訳をみると,小・中・高等部のある. ない」共に4校であり,校種別で有意差はなかっ. 学校では. た。困難点の内訳をみると,「検診の姿勢がとれ. 「未経験のことへの抵抗感が強い」,高等. 部のみの学校では「検診器具に対する恐怖」が多. ない」2校,「検査方法を理解できない」1校,「ど. かった。校種別で困難点の内訳を比較すると,「立. れ程の家庭でできているのか分からない」1校で. 位がとれない」では,小・中・高等部のある学校. あった。. 尿検査では「困難点がある」72.5%(29校)で. が有意に多かった(p<0.05)(表9)。 心電図検査では,「困難点がある」86.8%(33校). あり,校種別で有意差はなかった。困難点の内訳. であり,校種別で有意差はなかった。困難点の内. をみると,最も多かったのは「おむつをしている」. 訳をみると,最も多かったのは「検査器具への恐. で62.1%(18校),次いで「採尿を嫌がる」58.6%. 怖がある」87.9%(29校),次いで「未経験のこと. (17校)などであった。その他には,「介助が必. への抵抗感が強い」81.8%(27校)などであった。. 要な生徒がいる」「スピッツに入れることができ. その他には,「カーテンに仕切られたベッドに一人. ない」「採尿バッグが小児用しかない」などがあっ. で寝ることに不安がある」などがあった。校種別. た。校種別で困難点の内訳を比較すると,「おむ. に困難点の内訳をみると,小・中・高等部のある. つをしている」で小・中・高等部のある学校が有. 学校では. 意に多かった(p<0.005)(表11)。. 「未経験のことへの抵抗感が強い」,高等. 部のみの学校では「検査器具に対する恐怖がある」. 寄生虫卵検査では「困難点がある」12.0%(3校). が多かった。校種別で困難点の内訳を比較すると,. であった。困難点の内訳をみると,「検査を嫌がる」 が1校,「検査を忘れる家庭がある」1校であった。. 表9 Ⅹ線検査における困難点の内訳 全 体. 枚 種 小中高 同 その他 検 定. n=29 n=19 n=8 n=2 小中高×高. 未経験への抵抗感強い 62.1(18) 73.7(14) 50.0(4). 眼科検診では「困難点がある」63.9%(23校) であり,校種別で有意差はなかった。困難点の内. 検診器具恐怖. 55.2(16) 52.6(10) 75.0(6) 検診車乗りたがらない 51.7(15) 57.9(11) 50.0(4). 静止できない 立位とれない 指示分からない その他. 5)学校医による検診. 訳をみると,最も多かったのは,「顔に触れられる. 37.9(11) 42.1(8) 37.5(3). ことを嫌がる」73.9%(17校),次いで「医師に対 *. 10.3(3) 15.8(3) 6.9(2) 5.3(1). 50.0(1) (*p<M5絨p<Ml榊p<MO5). する恐怖がある」65.2%(15校)などであった。 その他には「怖がって限を閉じる」などがあった。. 129.

(9) 照山美由紀・古川香菜未・前田カンナ・芝木美沙子・笹嶋 由美. 表‖ 尿検査における困難点の内訳 全 体. <0.05),「検診器具に対する恐怖がある」(p<. 枚 種 小中高 同 その他 検 定. n=29 n=19 n=7 n=3 小中高×高. おむつしている 採尿嫌がる. 62.1(18) 78.9(15). 0.01)で,小・中・高等部のある学校が有意に多 かった(表15)。. 100.0(3) *. 58.6(17) 63.2(12) 57.1(4) 33.3(1) 尿の出る時間が分からない 48.3(14) 52.6(10) 28.6(2) 66.7(2). 表12 眼科検診における困難点の内訳. 寄宿舎実施が難しい 17.2(5) 10.5(2) 42.9(3) 家族協力が排しい 6.9(2) 10.5(2) その他 20.7(6) 5.3(1) 57.1(4) 33.3(1) (*p<M5**p<Ml柚p<MO5). 校種別に困難点の内訳を比較すると,「顔に触れら. れることを嫌がる」において,小・中・高等部の ある学校が有意に多かった(p<0.01)(表12)。. 全 体. 枚 種 小中高 同 その他 検 定. n=23 n=16 n=6 n=1 小中高×高. 顔に触れられることを馳がる 73.9(17) 87.5(14) 33.3(2) 100.0(1) *. 医師恐怖 検診器具恐怖 指示理解できない 静止できない その他. 65.2(15) 68.8(11) 50.0(3) 100.0(1) 60.9(14) 62.5(10) 50.0(3) 100.0(1) 34.8(8) 31.3(5) 33.3(2) 100.0(1) 26.1(6) 31.3(5). 8.7(2). 100.0(1). 33.3(2) (*p<M5**p<Ml柚p<MO5). 耳鼻科検診では「困難点がある」86.8%(33校) であり,校種別で有意差はなかった。困難点の内. 表13 耳鼻科検診における困難点の内訳 %(枚). 訳をみると,最も多かったのは「検診器具に対す 全 体. る恐怖がある」93.9%(31校),次いで「顔に触れ. n=33 n=22 n=10 n=1 小中高×高. られることを嫌がる」72.7%(24校)などであった。. 検診器具恐怖. その他には,「耳垢を取るので痛みを伴い,恐怖を. 医師恐怖 口あけない 指示理解できない 静止できない その他. 感じる」「鼻鏡を特に嫌がる生徒が多い」などがあっ. た。校種別に困難点の内訳を比較すると,「顔に触. 枚 種 小中高 同 その他 検 定. 93.9(31) 100.0(22) 90.0(9) 100.0(1) ** 顔に触れられることを嫌がる 72.7(24) 90.9(20) 30.0(3) 100.0(1) 54.5(18) 63.6(14) 30.0(3) 100.0(1) 51.5(17) 59.1(13) 30.0(3) 100.0(1) 45.5(15) 45.5(10) 40.0(4) 100.0(1) 39.4(13) 40.9(9) 30.0(3) 100.0(1) 12.1(4) 4.5(1) 30.0(3). れられることを嫌がる」で,小・中・高等部のあ. (*p<M5**p<Ml柚p<MO5). る学校が有意に多かった(p<0.005)(表13)。 歯科検診では「困難点がある」85.0%(34校). 表14 歯科検診における困難点の内訳 %(枚). であり,校種別で有意差はなかった。困難点の内. 全 体. 訳をみると,最も多かったのは「口をあけない」 79.4%(27校),次いで「検診器具に対する恐怖 がある」67.6%(23校)などであった。その他に は「口腔内に器具や指を入れられるのを嫌がる」. などがあった。校種別に困難点の内訳を比較する. n=34 n=20 n=12 n=2 小中高×高. 口あけない 検診器具恐怖. 79.4(27) 85.0(17) 66.7(8) 100.0(2) * 67.6(23) 85.0(17) 41.7(5) 50.0(1). 顔に触れられることを馳がる 50.0(17) 75.0(15) 臥3(1) 50.0(1) *. 医師恐怖 静止できない 指示理解できない その他. 軋1(15) 50.0(10) 33.3(4) 50.0(1) * 29.4(10) 45.0(9) 50.0(1) 23.5(8) 30.0(6) 8.3(1) 50.0(1) 8.8(3). 16.7(2) 50.0(1) (*p<M5**p<Ml柚p<MO5). と,「検診器具に対する恐怖がある」(p<0.05), 「顔に触れられることを嫌がる」「静止できない」. 枚 種 小中高 同 その他 検 定. 表15 内科検診における困難点の内訳. (共にp<0.01)が小・中・高等部のある学校. %(枚). 全 体. で有意に多かった。(表14)。. 枚 種 小中高 同 その他 検 定. n=25 n=17 n=8 n=0 小中高×高. 内科検診では「困難点がある」65.8%(25校) であり,校種別で有意差はなかった。困難点の内. 訳をみると,最も多かったのは「体に触れられる ことを嫌がる」68.0%(17校),次いで「医師に. 体に触れられることを馳がる 68.0(17) 82.4(14) 37.5(3). 医師恐怖 検診器具恐怖 指示理解できない 静止できない その他. *. 32.0(8) 35.3(6) 25.0(2) 20.0(5) 23.5(4) 12.5(1). 4.0(1). 12.5(1) (*pくM5**pくMl榊pくMO5). 対する恐怖がある」60.0%(15校)などであった。 その他には,「医師が毎年変わり,検診内容が異. なっている」があった。校種別で困難点の内訳を 比較すると,「体に触れられることを嫌がる」(p. 130. *. 60.0(15) 70.6(12) 37.5(3). 5.各項目の工夫点 健康診断の各項目ごとに工夫点を自由に記述し.

(10) 北海道の養護学枚における健康診断の実態調査. てもらったところ,多くの工夫点があげられた。. が,本調査結果はそれより高い結果であった。そ. 具体的内容については,資料1・2に示したが,. の理由として,中村ら3)の調査からの20年で,器. 健康診断をスムーズに進めるために,養護教諭だ. 具が充実したことやさまざまな工夫を重ねること. けでなく,複数の教職員等で協力して実施してい. で全員実施を目指し,努力してきた成果と考えら. た。また検査に慣れるための工夫として,測定や. れる。また,これらの検査は,検査への理解と表. 検査について事前に説明したり,練習をしている. 現力を必要とする検査のため,学年が進むにつれ. ところが多かった。さらに子どもたちの実態に合. て実施率が上がるものと考えられる。. わせて測定器具や検査器具を手作りしたり,検査. 寄生虫卵検査では62.5%が実施しており,他の. 方法を工夫することで困難点に対応していた。そ. 項目に比べて低い値を示していた。これを校種別. の他,測定や検査に対する恐怖心や抵抗感を和ら. にみると,「/ト・中・高等部のある学校」が95.8%. げるために音楽をかけたり,付き添ったりしてリ. であるのに対して,「高等部のみの学校」では,. ラックスさせるよう努めていた。. どの学校でも実施されていなかった。これは,寄. 生虫卵検査の実施対象学年が幼稚園,小学校第 6.法令で制定されていないその他の項目につい て. 子どもの実態から必要と判断して検査項目に加. 1・2・3学年となっており,小学校4学年以上 の学年において除くことができるためと考える。. 側わん症検診では,全学年を対象とした項目で. えているものには,体脂肪測定や胸囲測定,脈拍・. あるにもかかわらず,22.5%の実施にとどまった。. 平熱測定,精神科検診があった。胸囲測定,体脂. 実施されていない理由としては,立位がとれない. 肪測定は,肥満やるい痩が多い学校で,身体状況. などの理由により,検診姿勢をとることができな. の把握のため実施されていた。脈才自・平熱測定は,. いことや側わん症である子どもが既に明らかと. 体調管理のために実施されていた。. なっており,スクリーニングする必要がないこと,. 主治医が専門に診てくれていることなどが考えら. Ⅳ 考 察 1.健康診断の実施状況 1)実施の有無と実施学年. 健康診断各項目の実施の有無では,身長測定,. れる。. 学校保健法において全学年に実施するとされて いる項目(身長測定,体重測定,座高測定,側わ ん症検診,視力検査,眼科検診,耳鼻科検診,歯 科検診,尿検査,内科検診)のうち,座高測定,. 体重測定,歯科検診,尿検査は全ての学校におい. 側わん症検診,眼科検診,耳鼻科検診,歯科検診,. て実施されていた。また,Ⅹ線検査,座高測定,. 内科検診では一部の学年にのみ実施している学校. 視力検査,聴力検査,その他の校医による検診に. があった。また,医師の行う検診では,希望者に. おいても,9割以上の学校で実施されており,中. 実施している学校があった。心身に障害をもつ児. 村ら3)の1986年に行われた同様の調査とほぼ同じ. 童生徒は,既にそれぞれの障害に関する医療を受. 結果が得られた。. け,主治医の管理・指導を受けているため1),希. 視力検査・聴力検査では,本調査において全体 で92.5%が実施しており,これを校種別に「/ト・. 望者に実施している学校もあると考えられる。. 学校保健法において一部学年に実施するとされ. 中・高等部のある学校」「高等部のみの学校」に. ている項目(聴力検査,Ⅹ線検査,心電図検査,. 分けてみても,「/ト・中・高等部のある学校」で. 寄生虫卵検査)のうち,聴力検査は32.5%で全学. は共に95.8%,「高等部のみの学校」では共に全. 年に実施されていた。聴力検査は他の検査に比べ,. ての学校で実施されていた。中村ら3)の調査では,. 実施率が低いことから,実施する機会をなるべく. 視力検査と聴力検査は,7∼9剥が実施していた. 多く設けているのではないかと考えられる。また,. 131.

(11) 照山美由紀・古川香菜未・前田カンナ・芝木美沙子・笹嶋 由美. 聴力の障害は,早く発見しないと残された聴力の 活用や言葉の発達に支障があるため,全学年に実. 3)使用器具. 使用器具をみると,身長測定,体重測定では他. 施している学校が多いと考えられる。Ⅹ線検査,. の項目よりも「特殊なもの」を使用している学校. 心電図検査,寄生虫卵検査は,ほとんどの学校で. が多かった。これらの測定は一般に立位で行うこ. 学校保健法通りに実施されていた。. ととされており,立位や測定姿勢がとれない場合. 身長測定・体重測定・座高測定・学校医による. に特殊な器具が使用されていると考えられる。ま. 検診は比較的高い実施率であったが,これらの測. た,体重計では手すり付き,車椅子のまま乗るこ. 定・検診にも,それぞれ困難点はあるが,全員実. とができるものなどさまざまなものがあり,子ど. 施に向け,各学校においてさまざまな工夫がなさ. もの実態に合わせて測定が行われている。. れ,その効果が十分に発揮されているため,高い 実施率を上げているものと考えられる。. 視力検査と聴力検査については,その実施率は. 座高測定では,「一般的なもののみ」は84.2% と多かった。座高測定は,座位で測定できるため,. 一般的な身長計や体重計よりも測定困難なことが. 低く,全員に行えない現状があった。これは,理. 少なく,一般的な座位のもので測定できていると. 解力や表現力など,子どもの発達段階に左右され. 考えられる。. る検査であることも影響していると考えられが,. 視力検査では,「一般的なもののみ」は1校だ. 毎年実施し,検査に慣れさせることも重要と考え. けであり,「特殊なもの」を使用している学校が. る。. 多かった。知的な障害をもつ子どもたちの中には, 視力表の中の一字を注視できない,検査方法を理. 2)実施者. 解していても表現することが難しいこともあり2),. 各項目の実施者を見ると,身長測定,体重測定,. 一般的な字づまりランドルト環の視力表では測定. 座高測定では「養護教諭とその他の教諭等で協力」. 困難な状況にある。それぞれの子どもの実態に合. が多かった。これらの測定では,姿勢保持などに. わせ,さまざまな検査方法の工夫が必要である。. 測定者の人数が必要なため,協力して実施してい. 聴力検査では,「特殊なもの」を使用している. ると考えられる。また,測定に関して,それほど. 学校が32.4%で,幼児用のオージオメータや打楽. 細かな専門的知識を必要としないため,養護教諭. 器など音のなるものなどを使用していた。また,. 以外のさまざまな教職員等が多くかかわっている. 「日常生活の様子を観察する」という場合もあり,. ものと考えられる。. 聴力の正確な値を測定することにとらわれず,日. 視力検査,聴力検査では「養護教諭のみ」が多. く,中村ら3)の調査とほぼ同様の結果であり,. 常生活に必要な聴力があるのか判断することが求 められる。. 専門的な知識がより必要であるためと考えられ る。. 側わん症検診では,実施している学校では全て 何らかの形で学校医がかかわっていた。. 尿検査,寄生虫卵検査では「家族」「寄宿舎指. 2.各項目における困難点と工夫点について 1)身長測定・体重測定・座高測定. 身長測定での困難点の内訳をみると,最も多 かったものは「かかとをあわせて立てない」. 導員」が多かった。尿検査では,採尿は起床直後. 63.6%,次いで「立位を取れない」54.5%などで. の尿について行う。また,寄生虫卵検査は,採卵. あった。その他の記述でも,「側わんや脊柱・足. 用紙を起床時に肛門周辺に貼付するとされている. などに変形や拘縮があり,測定が困難」6校であっ. ことから,家庭や寄宿舎などの施設で行うことが. た。このことから,身長測定では,測定姿勢が最. 適切なためと考えられる。. も大きな困難点であると考えられるが,測定器具 を特殊なものと併用することで測定方法を工夫. 132.

(12) 北海道の養護学枚における健康診断の実態調査. し,測定を可能にしているようである。特殊な測. ないことには視力を求めることが難しい。また,. 定器具として,「メジャー」「仰臥位身長計」が多. 合図や反応ができないことも同様である。これら. くあげられていたが,これは中村ら3)の調査結果. に対して,「事前に視力表を貸し出して練習する」. と同様であった。 体重測定での困難点の内訳をみると,「静止で. 「マッチング法で行う」といった工夫が多くの学. 校でなされており,中村ら3)の調査結果と同様で. きない」が92.3%と最も多く,中村ら3)の調査結. あった。マッチング法を行う際に子どもの好きな. 果と同様であった。「静止できない」という困難. イラストやキャラクターを採用するなどの工夫点. 点は,体重の値を得る際に目盛りが読み取りづら. も多くあげられておりいた。マッチングカードは,. く,正確な値が得にくくなると考えられる。使用. 簡単に手作りでき,子どもの好みなども考慮して. 器具をみると,特殊なものを使用しているところ. 工夫ができる。これは,「集中できない」という. は40.0%であり,座位で測定できるものがあげら. 子どもにも,興味を引くことができるので有効で. れていた。使用器具における測定方法の工夫に加. ある。マッチング法は,言葉が出ない場合も,視. えて,「担任等の教師が子どもを抱いて一緒に測. 力検査方法がよく理解できない場合にも,遊びの. 定し,その後教師の体重を差し引く」「興味をも. ような形で検査が行われるため,精神薄弱児の場. つおもちゃや本を見せる」などがあげられていた。. 合,やりやすい方法と思われる3)。マッチング法. 中村ら3)の調査においても,体重計の上で静止で. ができない子どもに対しては,追視や日常生活の. きない子どもに対して,「先生(親)と一緒に測. 様子を観察する方法がとられている。子どもの実. 定した後,先生(親)の体重を引く」「声かけを. 態に応じて検査ができるように,いろいろな方法. してできるだけじっとさせる」などがあげられて. を準備しておくことが望まれる。. いる。これらの工夫が体重測定の際に行われるこ. さらに,使用器具においては,特殊なものを使. とにより正確な値が得られ,実施率を上げること. 用しているところは97.3%とほとんどであり,そ. ができると考られえる。. の内訳としては,「字ひとつ視力表」が多くの学. 座高測定の困難点の内訳をみると,「測定姿勢. 校で使用されている。中村ら3)も,「精神薄弱児. がとれない」が72.0%と最も多くかった。これに. の場合,字ひとつ式の視力検査の方が望ましいと. 対し,使用器具をみると,「一般的なものと特殊. 思われる」と述べており,マッチング法が多くの. なものの併用」が13.2%で,特殊なものとしてメ. 学校で取り入れられていることに加えて,「字づ. ジャーや仰臥位身長計などがあげられており,. まり視力表」より,「字ひとつ視力表」の方が検. 種々の工夫をしていた。. 査しやすいことが伺える。 また,視力検査は,基本的に視力表から眼まで. 2)視力検査・聴力検査. の距離を5mとしており,距離が離れることも集. 視力検査での困難点の内訳をみると,「検査方. 中できない理由の一つではないかと考える。中村. 法を理解できない」が最も多く87.9%で,次いで. ら3)は,「検査距離が短くなると,他の物が視野. 「集中できない」81.8%,「合図や反応ができない」. の中に入りにくくなり,注視しやすくなると思わ. 75.8%などであった。視力検査は,その検査方法. れる」と述べており,本調査でも「2mの視力表. が本人の知覚や表現力をある程度必要とする自覚. を作成する」といったものがあげられていること. 検査であるため,「検査方法を理解できない」「合. から,子どもの実態に応じて距離も工夫する必要. 図や反応ができない」といった困難点が多くあげ. があると考えられる。. られたと考えられる。. 聴力検査での困難点の内訳は,「検査方法を理. 視力検査は,検査を受けている子どもの表現に. 解できない」が最も多く84.4%,次いで「合図や. よって検査結果を得るので,検査方法が理解され. 反応ができない」81.3%であった。聴力検査も視. 133.

(13) 照山美由紀・古川香菜未・前田カンナ・芝木美沙子・笹嶋 由美. 力検査と同様に,検査方法が本人の知覚や表現力. への恐怖がある」87.9%,「未経験のことへの抵. をある程度必要とする自覚検査であるため,「検. 抗感が強い」81.8%が多かった。普段見ることの. 査方法を理解できない」「合図や反応ができない」. ない器具,検診の様子に抵抗を感じる子どもが多. といった困難点が多くあげられたと考えられる。. いためと考えられる。器具や検査者に対しての恐. 使用器具では,特殊なものを使用しているところ. 怖や未経験のことへの抵抗感は,小・中・高等部. は32.4%であり,その内訳は,「音のなるもの」. のある学校よりも,高等部のみの学校で少ないこ. が最も多かった。「音のなるもの」には,「打楽器」. とから,経験を重ねることにより恐怖や抵抗が減. 「おもちゃ」「ストップウオッチ」などがあり,. 身近なものが活用できることから,多くの学校で. 少すると考えられる。 事前に検査の流れを知らせる,練習する,医師. 取り入れられていると考える。これらのことから,. が白衣を着用しない,検査中に子どもたちがリ. 聴力検査も視力検査と同様に,いくつかの検査方. ラックスできるようなことをするなど,子どもた. 法を用意し,検査を受ける子どもの実態に応じて. ちが検査のことを理解し,恐怖心を減らすような. 検査が行うことが望まれる。. 工夫により,検査が実施しやすくなると考えられ. また,工夫点でもあげられているように,検査. る。また,測定姿勢をとるため,介助者が必要で. を受けている子どもの表情や身体の動きなどの反. あったり,座位で実施することもある。検査時の. 応から聞こえているかどうかを判断することがで. 人手を増やしたり,仰臥位で行うことにとらわれ. きる。これは,検査を進める際に大きな手がかり. ないなど,子どもの実態に合わせた工夫が必要で. となっていると考えられるので,子どもの様子を. ある。. よく観察することが大切である。 4)側わん症検診・尿検査・寄生虫卵検査. 3)x線検査・心電図検査 Ⅹ線検査での困難点の内訳をみると,「未経験. 側わん症検診での困難点の内訳をみると,「検 診の姿勢がとれない」2校であったが,これは,. のことへの抵抗感が強い」62.1%,次いで「検診. 側わん症であるかどうかを調べる検査の際にとる. 器具に対する恐怖がある」55.2%であった。見慣. 姿勢が,普段あまりしないものであり,難しいた. れない狭い検査車とこれから何が行われるかがわ. めと考えられる。. からないという不安が子どもの抵抗感や恐怖心を 高め,実施を困難にしていると考えられる。 これらに対する工夫点としては,「事前に絵や. 尿検査での困難点の内訳をみると,「おむつを している」62.1%,「採尿を嫌がる」58.6%が多かっ た。採尿しなければならないので,普段と違った. 写真を見せて手順を説明したり,指導をする」「検. 形で排尿しなければならないというのが困難点と. 査車やその中の様子も写真で撮らせてもらい,碇. 考えられる。. 示する」ことで検査への見通しをもたせ,「担任. おむつをしている場合は,ガーゼ等をあててお. や他の子どもがやっている様子をみせる」ことで,. き絞って採尿,採尿パックを使用などの工夫があ. 検査に対する不安を取り除く試みがなされてい. る。おむつをしていない場合は,便器を使用する. る。また,子どもの好きな音楽をかけたりして恐. 等,普段と変わらない採尿のしかたを工夫するこ. 怖心を和らげている。これらの工夫で,検査が実. とが必要である。検査方法を絵で示したり,事前. 施しやすくなると考えられることから,子どもの. に練習することにより,検査はスムーズに実施さ. 実態に合わせて取り入れると良いと思われる。そ. れる。また,実際に採尿するのは家庭や寄宿舎が. の際,検査の業者側との事前の打ち合わせや共通. ほとんどなので,家族や寄宿舎指導員との連携が. 理解が必要であり,業者との連携が大切である。. 求められる。. 心電図検査での困難点の内訳をみると,「器具. 134. 寄生虫卵検査で困難点があると回答したのは3.

(14) 北海道の養護学枚における健康診断の実態調査. 校のみであった。実施者は主に家族や寄宿舎指導. するため,これらの検査や検診を実施していると. 員であり,養護教諭の困難点はほとんどないと考. 考えられる。. えられる。. 5)学校医による検診. 学校医による検診での困難点の内訳をみると, 「顔や体に触れられるのを嫌がる」が多かった。. Ⅴ ま と め 北海道の養護学校48校に勤務する養護教諭を対. 象に,健康診断の実施に関する調査を行い,40校. 次いで「医師や検診器具に対する恐怖がある」で. の学校から次のような結果を得た。. あった。検診に対する理解が難しい子どもにとっ. 1)身長測定,体重測定,歯科検診,尿検査は全. て,医師に対する恐怖が大きいく,何をされるの. ての学校で実施されていたが,側わん症検診は. かが理解できず,嫌がったり,恐怖を感じたりす. 22.5%と少なかった。. ると考えられる。 本調査では,検診前に検査の流れを絵や写真等を. 2)学校保健法で全学年を実施対象にしているも ののうち,眼科検診と耳鼻科検診では,全学年. 用いて説明したり,検診器具を見せておくという工. を実施対象としているのは共に77.5%であっ. 夫点が多くあげられていた。事前に指導等を行うこ. た。. とにより,検診方法の理解を促し,恐怖を減らすこ. 3)学校保健法で一部学年を除くことができると. とができると考えられる。検診中は,他の子どもの. なっているもののうち,聴力検査は全学年で実. 様子を見せた方が安心して検診を受けることができ. 施している学校が32.5%と多かった。. るのか,また,他の子どもの様子を見せてしまうと. 4)実施者では,身長測定,体重測定,座高測定. 不安になるので,個別に対応した方がよいのかをそ. で「養護教諭とその他の教諭等で協力」が多かっ. れぞれの子どもの実態に合わせて判断することが求. た。これらの測定では,姿勢保持等に人数が必. められる。さらに,気を紛らわすことをする,担任. 要なため,協力して実施しているものと考えら. に付き添ってもらうなど子どもたちが不安にならな. れる。. い工夫が必要である。担任等と事前によく打ち合わ. 5)視力検査,聴力検査では「養護教諭のみ」が. せをしておくことで,検査はよりスムーズに実施さ. 多かったが,これは専門的な知識がより必要な. れると考えられる。また,医師に白衣を着用しない. ためと考えられる。. で来てもらう,声かけをしてもらう等,医師に対し. 6)使用器具では,各項目とも一般的な器具と特. て協力を求めることによっても検査は実施しやすく. 殊な器具を併用して,子どもの実態に合わせた. なると思われる。. 測定・検査が行われていた。特に視力検査では, 「一般的なもののみ」は1校だけであり,一般. 3.法令で制定されていないその他の項目につい て 胸囲測定,体脂肪測定は,肥満やるい痩が多い. 学校で,身体状況の把握のため実施されていた。 脈拍・平熱測定は,体調管理のため実施されてい. 的な字づまりランドルト環の視力表のみでは, 測定困難な状況にあった。. 7)困難点の有無については,ほとんどの項目で 「困難点がある」と答えている学校が多かった。 8)Ⅹ線検査・心電図検査の困難点として,「未. た。体重測定を月に1回,または週に1回,てん. 経験なことへの抵抗感」「検診器具への恐怖」. かん発作薬の調整や体調管理のために実施してい. 等があげられていたが,事前のさまざまな指導. る学校もあった。また,精神科検診を実施してい. で検査に対する不安を取り除く試みがなされて. る学校もあった。それぞれの学校の子どもの実態. いた。. に応じて,体調管理やより詳しく身体状況を把握. 9)困難点に対する工夫として,検査に慣れさせ. 135.

(15) 照山美由紀・古川香菜未・前田カンナ・芝木美沙子・笹嶋 由美. るため,測定や検査について事前に説明したり, 練習したりしているところが多かった。 10)健康診断を実施しやすくするための工夫とし て,測定器具や検査器具を手作りしたり,検査. かないよー誰にも教えたくない視力検査指民力測定不 隠を出さないための工夫−,健康教室,56(2):70−73. 2005 5)藤井眞喜子・松永雅子:歯みがき一小さな取り組み。 でも確実に結果は出ます−,健,28(4):32−35,1999. 方法を工夫することで困難点に対応していた。 (照山美由紀 北海道鷹栖養護学校養護教諭/. 本調査によって,障害をもつ子どもたちの健康. 旭川校大学院生). 診断を実施する際に,多くの困難点があるが,学. (古川香菜未 旭川校大学生). 校ごとに子どもの実態に合わせてさまざまな工夫. (前田カンナ 旭川校大学生). が取り入れられ,全員実施を目指し,子どもの健. (芝木美沙子 旭川校準教授). 康状態の把握に努めている実態が明らかになっ. (笹嶋 由美 旭川校教授). た。教職員や学校医,家庭等と共通理解のもとに 連携し,また,養護教諭間で健康診断の困難点や. 工夫点の情報交換を行い,よりよい実施方法や工 夫を模索し,それが広がっていくことで,どの学. 校においても十分な健康診断が受けられるように なっていくと思われる。. また,健康診断を実施する際に行われている工 夫は,子どもたちに測定・検査・検診をよりわか りやすくしたり,実施しやすくしたりするもので あり,障害の有無にかかわらず,全ての子どもに 有効であると考える。健康診断には,教育的意義. があるという点においても,子どもの成長・発達 を見守りながら,実施されることが大切であると 考える。. 最後に,本調査にご協力くださいました養護教 諭の皆様に心より感謝申し上げます。. Ⅵ 文 献 1)北海道教育委員会:心身に障害をもつ児童生徒の健 康診断−こんな方法はどうでしょうか−,11,北興道 教育庁学校教育部保健体育課,1986 2)阿部恭子:養護学校における健康診断を児童生徒の 実態に合わせた方法で実施するための考察,福島大学 教育実践研究紀要,36:35−41,福島大学教育学部附属 養護学校,1999 3)中村朋子・新家美恵子:養護学校(精神薄弱児対象) における健康診断のすすめ方について,茨城大学教育 学部紀要(教育科学),郎):97−108,1987 」)大滝別子・斎藤豊彦:ドラちゃんのおめめ,一つ†. 136.

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(17) 照山美由紀・古川香菜未・前田カンナ・芝木美沙子・笹嶋 由美 資料2 健康診断における工夫点(学校医による検診) (枚). 〈測定をスムーズに進める〉. 〈測定をスムーズに進める〉 ・絵や写真,掲示物や保健だよりなどで事前指導(5) ・歯鏡などの器具に触れたり,診察ごっこをして事前に練. ・検診と同じ形式で指導 ・検診の待機中に検診の手順を見られるように掲示. ・複数の教員で介助している(3) ・子どもの情報を医師に伝える(視力検査の結果や前年度 限. の結果等) 〈恐怖心がある・拒否をする〉. 歯. 〈検診姿勢が取れない〉 ・仰臥位で診察してもらう. 三′亡、ノ=bヽ■や、,. 科 検. 科 ・ の の 壬匁を せない. 検. わせる ・氏学 には日羊に、き添って らう. 診. 三/ゝ. 習(5) ・検診の待機中に検診の手順がわかるように絵を掲示(2) ・複数の教員で介助(3). ・、ブラシを寺参し、磨 や、磨 チェックを装う11 〈恐怖心がある・拒否をする〉 ・子どもの実態に応じて診察を貴ける順 を組み える. ・検診を受ける順番を決めないで受けられそうな子から行 三/ゝ う ・気をそらすような声かけ ・医師の方が子どものいる場所に移動して安心できる体位. (2). 診 ・子どものもとへ出向いてもらう ・なるべく器具を使用しないで診察してもらう ・白衣を着用しないでもらう. で検診 ・白衣を着用しないでもらう(3). ・子どもの名前を一人ひとり呼んでもらう. 〈恐怖心がある・拒否をする〉. 〈測定をスムーズに進める〉 ・絵や写真,掲示物や保健だよりなどで事前指導(4). ・事前に器具を見せで慣れさせている(4). 耳. ・医師と打ち合わせ,細部まで把握して掲示で知らせる ・全校集会で事前指導 ・診ご 察っこ等をして練習する(3) ・担任や他の子が検診する様子を見せる(校)。 三′亡、. 鼻. わせる 科 ・子ど の実巨に応じて壬匁察を鼻ける順 を軋み える. 科 検 診. ・。を。う. ・検診の待機中に検診の手順がわかるように絵を掲示 ・複数の教員で介助(3). 内. ・聴診器に触れたり,診察ごっこをして事前に練習(4) ・旦羊や の子が 診 る、子を せる 3 一、−」じヽ 薩ク′、又 ・子どもの実態に応じて見せるか見せないか担任と打ち合 わせる 検. ・その子が安心できるものを予め用意 測定をスムーズに進める. ・複数で介助(3) ・予め医師に子どもの実態や情報を伝える(2 〈自分の目で見えないことによる不安感〉 ・手鏡を準備し本人に見えるようにする 〈口をあけない〉. ・事前に持病や気になることを一覧にして医師に提示(2) ‥付き添う 〈恐怖心がある・拒否をする〉. (2). ・白衣を着用しないでもらう 三分. もらう. ・歯ブラシを持参させて口をあけさせる *困難点に対する工夫として自由記述であげられたものである。複数枚からあげられたものは()内に枚数を示した. 138.

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参照

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