第3学年〇組 理科学習指導案 1 単 元 「化学変化と電池」 2 指導観 ○ 我が国では,2018 年に再生可能エネルギー・水素等関係閣僚会議において「水素基本戦略」を策定し, 2050 年に向け水素社会実現のための行動計画などをまとめた。世界に先駆けて環境負担の少ない水素を 新たなエネルギーとした水素社会を実現するには,国民の水素・燃料電池に関わる理解が不可欠であ る。 本単元は,電解質の水溶液と2種類の金属を用いた実験から,電極での化学変化で発生する化学エネル ギーが電気エネルギーに変換されることをイオンや電子モデルを用いて説明することができるようにな ることをねらいとしている。学習内容としては,化学電池,ボルタ電堆,電極で起こる化学変化,電極 付近の電子の授受,燃料電池,電池のしくみなどがある。これらの学習内容について,電解質水溶液と 金属から電流を取り出す活動を行わせることによって,目には見えない現象である電極付近で電子が生 まれ物質からイオンが発生するという変化を,電子が移動し豆電球に明かりがついたことで電流が流れ たという目に見える現象から捉えさせることができる。また,ここで扱う事象は実験の中だけで起きる ことではなく,生徒たちの身近にあるデジタル家電などで活用されている技術である。このように化学 変化による化学エネルギーを電気エネルギーに変換する仕組みを理解することは,今後,日常生活で活 用していく必要がある燃料電池や化学電池などの安全性を理解する上でも大変意義深い。 ○ 本学級の生徒は,中学校1年生で身の回りの物質,気体の発生と性質,物質の状態変化,水溶液につ いて,2年生では,物質の成り立ち,いろいろな化学変化,化学変化と熱の出入り,電流とその利用に ついて学習することで,化学変化が起こっても,原子の種類や数は変わらず,組み合わせが変わること を学習している。実態調査によると,「イオンという言葉を聞いたことがあるか」という質問には, 94%の生徒が聞いたことがあると答えた。しかし,「イオンについて説明しなさい」という質問には, 「電子が関係するもの」や「マイナスの電気」といった曖昧な表現だが電気と関連付けて答えた生徒は 21%にすぎなかった。このことから,イオンという言葉は身の回りにたくさんあるが,イオンは原子が 電気的に偏ったものであると知っている生徒は少ない。また,「電池はなぜ電気が取り出せるのか」と いう質問には,「電池の中に電気がたまっているから」といった電子と関連付けることができていない 生徒が 50%も見られた。このことから,身の回りで使われているものを理科の学習で学んだことと関 連付けて捉えられていない生徒が多いことが考えられる。今までに学習した化学変化や電流についての 内容とも関連付けながら電池の仕組みについて考えさせることで,身の回りのものにも何かしらの科学 が使われていることに気づかせ,科学的な見方を使って自然の事物・現象を捉えることができるように なると考える。 ○ 本単元の指導にあたっては,日常生活で利用されている電池の仕組みを明らかにする過程で,電解質水 溶液の中でイオンや電子の発生する化学変化が起こることによって電子が移動することを説明できるこ とをねらいとする。そのためにまず,電池に必要な条件を調べさせる。ここでは,電池に必要な条件に 気づかせるために,発生しない金属の組み合わせや水溶液を準備する。その際,電流の流れが何の流れ かを問う。次に,化学電池のしくみを調べさせる。ここでは,金属の種類によって電池の特性が違うこ とに気づかせるために,電流が発生する電池と発生しない電池を提示する。また,電池が電流を生み出 す仕組みを捉えさせるために,電池の各部分で起こる変化を時間軸に従ってモデル化させる。さらに, イオンモデルを用いて電池のしくみを表現させる。ここでは,電子の移動を捉えさせるために,プレゼ ンテーションソフトを使ってイオンの動きを再現させる。また,イオンや電子の動きを捉えさせるため に,電気分解のしくみについて問う。最後に,身の回りで使われている電池のしくみとその特徴につい て話し合わせる。ここでは,身の回りにはたくさんの種類の電池があることを捉えさせるために,家庭 で使われている電池を提示する。また,身近な電池の特徴について捉えさせるために,電流が発生する ことと化学変化の関係性について考えさせ,化学変化が起きるときに生み出されるものを問う。 3 目 標 ○ 日常生活で利用されている電池のしくみについて関心をもち,科学的に探究しようとする。 ○ 化学電池の中で電流が発生する要因を見いだしたり,その仕組みを表現したりすることができる。 ○ 電解質水溶液の中で起きる化学変化を調べる実験の基本操作や結果の整理の仕方を身につけることがで きる。 ○ 化学エネルギーが電気エネルギーに変換される電池のしくみを理解することができる。
4 計 画(6時間) 関:関心・意欲・態度 思:思考・表現 技:技能 知:知識・理解 次 配 時 学習活動・内容 手だて 評価規準 一 本 時 1 電池に必要な条件を調べる。 ・レモン電池 ・2種類の金属 ・電解質水溶液 ○ 電池に必要な条件に気づかせ るために,発生しない金属の組 み合わせや水溶液を準備する。 ○ 金属によって-極になりやす さに違いがあることに気づかせ るために,+極にも-極にもな る金属に着目するよう促す。 思:電池に必要な条件 を金属と水溶液から 考察することができ る。 二 2 2 化学電池のしくみを調べる。 (1) 極付近でどのような変化が 起こっているか調べる。 ・化学電池 ・電子の流れ (2) 化学電池の中で起きる化学 変化からしくみを説明する。 ・化学変化 ・イオン化傾向 ・電極付近の電子の授受 ○ 電池のしくみを捉えさせるた めに,電流の流れが何の流れか を問う。 ○ 電池が電流を生み出す仕組み を捉えさせるために,電池の各 部分で起こる変化を時間軸に従 ってモデル化させる。 ○ 電流が発生する仕組みを一般 化させるために,ほかの電池の 構造図も提示する。 技:化学電池の極付近 で起きる変化を調べ る実験を実施し,結 果を整理することが できる。 知:電流が流れること を電解質水溶液中の イオンの発生と関連 付けて説明すること ができる。 三 1 3 イオンモデルを用いて電池の しくみを表現する。 ・電子の移動 ・備長炭電池 ・果物電池 ・電気分解のしくみ ○ 電子の移動について捉えさせ るために,プレゼンテーション ソフトを使ってイオンの動きを 再現させる。 ○ イオンや電子の動きを捉えさ せるために,電気分解のしくみ について問う。 思:電流が発生する仕 組みをイオンや電子 の流れを表現するこ とができる。 四 1 4 身の回りで使われている電池 のしくみとその特徴について話 し合う。 ・燃料電池 ・リチウムイオン電池 ○ 身の回りにはたくさんの種類 の電池があることを捉えさせる ために,家庭で使われている電 池を提示する。 ○ 身近な電池の特徴について捉 えさせるために,電流が発生す ることと化学変化の関係性につ いて考えさせ,化学変化が起き るときに生み出されるものを問 う。 関:電池に使われる材 料と電池の特徴を関 連付けて捉えようと する。
5 本 時 令和元年〇月〇日(〇) 第〇校時 計画 第二次の1 第1理科室にて (1) 本時の指導観 前時までに生徒は,身近にある電池のしくみを探る活動を通して,電池には金属と電解質の水溶液が必 要なことを学習している。そこで本時では,様々な金属を使って電流を取り出す活動を通して,電池に 必要な金属の条件を見いだすことをねらいとする。そこでまず,2種類の電池の違いを比較し,めあて を確認させる。ここでは,本時の学習の見通しを持たせるために,乾電池とレモン電池を提示する。次 に,電流が取り出せる金属や水溶液の組み合わせを調べさせる。ここでは,電池に必要な条件に気づか せるために,発生しない金属の組み合わせや水溶液を準備する。さらに,結果を交流し,電流を取り出 せる金属や水溶液の組み合わせを考察させる。ここでは,電池に必要な金属の条件をつかませるため に,電流が流れない条件についても問う。最後に,電流が発生するために必要な金属の条件をまとめ, 次時の課題を把握させる。ここでは,次時の課題を捉えさせるために,金属板で起こった変化について 問う。 (2) 主 眼 ○ 電池に必要な条件を探る活動を通して,化学電池には2種類の金属板と電解質水溶液が必要だという こと考察することができる。 (3) 準 備 ①乾電池 ②提示用レモン電池 ③実験方法説明プレゼン ④化学電池実験セット (4) 過 程 学習活動・内容 準備 手だて(○)と評価(◇) 形態 配時 1 2種類の電池を比較し,めあてを 確認する。 ・乾電池 ・レモン電池 めあて 電池に必要な条件を明ら かにしよう。 2 電流が取り出せる金属や水溶液の 組み合わせを調べる。 ・銅板 ・亜鉛板 ・マグネシウムリボン ・食塩水 ・精製水 ・砂糖水 3 結果を交流し,電流を取り出せる 金属や水溶液の組み合わせを考察す る。 ・2種類の金属 ・電解質水溶液 4 電流が発生するために必要な金属 の条件をまとめ,次時の課題を把握 する。 ・化学電池 まとめ ・電解質水溶液と2種類の金属で 電流を取り出すことができる。 ・金属の組み合わせによって電流 の強さやどちらの極になるかが違 う。 ① ② ③ ④ ○ 本時の学習の見通しを持たせるために, 乾電池とレモン電池を提示する。 ○ 電池に必要な金属と水溶液に着目させる ために,レモン電池に使っているものを 問う。 ○ 同じ金属では電流が取り出せないことに 気づかせるために,それぞれの金属板を 2つずつ準備する。 ○ 電解質の水溶液が必要だということをつ かませるために,精製水・電解質の水溶 液・電解質ではない水溶液を準備する。 ○ 電池に必要な金属の条件をつかませるた めに,電流が流れない条件についても問 う。 ○ 発生する電流の大きさは金属によって違 うことに気づかせるために,オルゴール の鳴り方について着目させる。 ◇ 化学電池には,2種類の金属と電解質 水溶液が必要であることを記述すること ができたか。 <学習プリント分析> ○ 次時の課題を把握させるために,金属板 で起こった変化について問う。 一斉 班 班 個 ↓ 一斉 7 25 8 10