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ラット肝切除後の門脈血行動態に門脈体循環短絡の及ぼす影響

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Academic year: 2021

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Title

ラット肝切除後の門脈血行動態に門脈体循環短絡の及ぼす

影響( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

森, 美樹

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)乙 第1360号

Issue Date

2003-03-13

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/14906

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏 名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 森 美 樹(愛知県) 博 士(医学) 乙第 1360 号 平成15 年 3 月13 日 学位規則第4条第2項該当

ラット肝切除後の門脈血行動態に門脈休循環短絡の及ぼす影書

(主査)教授 虞 瀬 (副査)教授 森 田 啓 之 教授 土 肥 修 司 論文内容の要旨 緒言 手術手技や周術期管理の向上に伴い,拡大肝切除が行われるようになってきた0大量肝切除後には残肝の肝血 管床が極度に減少し,門脈圧が上昇することが予想される0本研究では非致死的とされる70%と,致死的とされ る90%の2種類の肝切除後における門脈圧と門脈体循環短絡率とを検討した。門脈体循環短絡についてはMeredi thらによる脾臓皮下固着法を用い,それに全肝虚血を加えたモデルを用いて門脈体循環短絡への虚血の影響を 検討した。すなわち脾臓皮下固着による短絡作成に加えて,一時的な虚血を行うことによって・より門脈体循環 短絡を生じ易い条件とした。その条件下での70%と90%の肝切除を行うことにより,非致死的と致死的とを分け る肝切除量の差異が門脈圧と門脈体循環短絡とに与える影響を比較検討した0ノ 材料と方法 動物はWistar系ラット雄性4週齢(150g∼180g)を使用した0 Ⅰ)門脈体循環短絡モデルの作成 (1)有茎脾臓皮下固着モデル (2)全肝虚血モデル‥(1)のモデルに皮下固着後14日に肝門部の60分間全肝虚血を行って作成。 Ⅱ)肝切除 Higgins法による70%肝切除およびGaub法による90%の肝切除を行ない・次の各群に分けたo A)実験1 1)正常肝群(CHn群):無処置ラット02)70%肝切除群:subgroupとして以下の3群を作成した0 [短絡非作成群(70Hn群),脾臓皮下固着短絡群(70Hs群),肺臓皮下固着+全肝虚血群(70Hsi群)] B)実験2 90%肝切除群:subgroupとして以下の3群を作成した0 [短絡非作成群(90Hn群),脾臓皮下固着短絡群(90Hs群),肝臓皮下固着+全肝虚血群(90Hsi群)] 門脈圧測定ならびに短絡量を測定

非肝切除群では全身麻酔下に開腹し,肝切除群では肝切除後1時間で再開腹して回碍腸静脈から門脈圧の測定

を行い,同時に色素封入マイクロソフェア(以下MS)24万個を注入し,その後に残肝と肺組織を摘出し,これ らに分布したMSを回収した。さらにMSから色素を抽出して,各組織中吸光度を測定した0これより門脈体循 環短絡率の算出を行った。 結果 門脈圧 A)1)正常肝:5.0±1.4mmHgo

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2)70%肝切除群では70Hn,70Hs,70Hsiのsubgroupでそれぞれ7.2±1.0,8.0±1.0,7.9±1.2mmHgであり 正常肝に比して70%肝切除後の門脈圧は70Hn,70Hs,70Hiの3群でいずれも有意に上昇していたが,3群間に は有意差は認めなかった。 B)90%肝切除後では90Hn,90Hs,90Hsi群でそれぞれ13.8±1.6,12.8±1.2,10.2±1.4mmHgであった。これ らのsubgroup間においては90Hn群と90Hsi群,90Hs群と90Hsi群の間で有意に差を認め,いずれも90Hsi群が有 意に低値であった。 短絡率 A)1)正常肝:0.2±0.3%。 2)70%肝切除群:70Hn,70Hs,70Hsiのsubgroupでそれぞれ0.0±0.0,0.5±0.5,1.1±1.1%であり正常肝 に比して短絡率に有意差は認めなかった。

B)90%肝切除群:90Hn,90Hs,90Hsi群でそれぞれ,1.0≠2.9,13.5±10.6,24.8±10.6%であった。Subgroup

間において,90Hsi群は90Hn群,90Hs群に比して有意に多かった。また90Hs群は90Hn群に比して有意に短絡率 が多かった。 考察 肝切除において,門脈体循環短絡が無い場合には全負荷が残存血管床にかかり,限界まで拡張しても静脈圧が 上昇して血管床の破綻をきたして肝不全を生じると、されている。一方短絡が生じ易い条件下ではその短絡が開く ため門脈圧の上昇は少なく,その負荷は軽減することが予想される。そこでこのような短絡を生じる可能性のあ る条件下に肝切除を行ったときの門脈圧と短絡量の変化を検討した。 70%肝切除後では門脈圧は中等度に増加するが,より短絡を発生しうる条件下においても残存肝血管床に余裕 があるため,70%肝切除後においての短絡量のさらなる上昇は認めなかった。一方,致死的肝切除とされている 90%肝切除後では短絡を発生しうる条件下,すなわち脾臓皮下固着のみあるいは牌臓皮下固着作成後に60分の全 肝虚血を加えたモデルにおいては,短絡量は増加し,門脈圧は後者が前者ならびに無処置群に比してより低かっ た。すなわち短絡量が増加することにより門脈圧の上昇が抑えられたと考えられる。90%肝切除の場合には,脾 臓皮下固着を作成した後に60分の全肝虚血を加えたモデルでは脾臓皮下固着単独のモデルよりも門脈圧はより低 く短絡量はより多かった。従って,90%の致死的肝切除群では門脈圧が上昇すると短絡路形成をされた動物では, その短絡路が開通し,それをさらに増加させる条件下では肝血管床の負荷をより減少させうる事が示された。 結語 短絡路が形成されている動物において,70%までの肝切除では門脈圧,短絡量に影響を与えることが少ないの に対して,さらに20%の肝切除を追加することにより門脈圧,短絡率には大きな影響を与えることが示唆された。 論文幸査の結果の要旨 申請者 森 美樹は,肝切除時における切除量の差異,短絡の存在,虚血の影響を検討し,非致死的肝切除と, 致死的肝切除にはその門脈圧と短絡率に関して受け卑影響に差異があることを明らかにした。 本研究は肝臓外科の進歩に少なからず寄与するものと認める. [主論文公表誌] ラット肝切除後の門脈血行動態に門脈体循環短絡の及ぼす影響 岐阜大医紀 2003;51:132∼135

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