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内分泌療法によるヒト前立腺間質細胞でのエストロゲン受容体発現の増加

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Academic year: 2021

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Title

内分泌療法によるヒト前立腺間質細胞でのエストロゲン受

容体発現の増加( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

江原, 英俊

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)乙 第1143号

Issue Date

1998-01-21

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/15130

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏名 (本籍) 学位の種頬 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 江 原 英

俊(大阪府)

博 士(医学) 乙第 1143 号

平成10

年1月 21日

学位規則第4条第2項該当

内分泌療法によるヒト前立腺問質細胞でのエストロゲン受容体発現の増加

(主査)教授 河 田

道 (副査)教授 森 秀

教授 玉 舎 輝

論文内容の要旨 ヒト前立腺組鰍こおけるエストロゲン受容体(ER)の存在に関しては,長い間議論がなされてきたが,申請 者はヒト前立腺組織におけるエストロゲンの槙的細胞,すなわちER発現細胞は前立腺問質に存在する線維芽細 胞,筋芽細胞,平滑筋細胞であることを報告した。しかしながら,ヒト前立腺組織におけるER発熱こ影響を与 えるホルモン環境の変化についてはいまだ明らかにされていない。今回.申請者は,前立腺癌症例で内分泌療法 施行前後での前立腺組織におけるER陽性細胞の変化を免疫組織化学を用いて検討し,ホルモン環境の変化が及 ぼすER発現の変化と前立腺組織の変化とを検討した。 <研究方法> 対象は1989年2月から1994年3月までに岐阜大学医学部泌尿器科で前立腺癌と診断された15例である。施行され た内分泌療法は,除葦術とエストロゲン投与が6軌LH-RHアゴニスト単独投与が5例,除畢術のみが2例,LH-RHアゴニストと抗アンドロゲン製剤の併用が1例,抗アンドロゲン製剤投与が1例であった。内分泌療法の施行 期間は1カ月から61カ月で平均14.3カ月であった。 組織学的検討には10%ホルマリン固定パラフィン包埋切片を用いた。まずへマトキシリン・エオジン染色で組 織診断を行った。免疫組織化学はストレプトアビジン・ビオチン法を用いて行った。オートクレイプによる抗原 賦徳化法を用いた。1次抗体はマウスモノクローナル抗ヒトER抗体を使用した。 ERの発現量を以下のような免疫染色のレベルの評価により行なった。まず陽性細胞の数を0:0%,1:10%未 満,2:10%以上50%未満,3:50%以上の4段階に評価した。次に染色強度を0:陰性1:弱染色2:中染色 3:強染色の4段階に評価した。各検体における免疫染色のレベルはt この陽性細胞数の点数と染色強度の点数の 積で評価した。 各症例における内分泌療法前後におけるERの発現量の差について,Wilcoxonの符号付順位検定を行い,p<0・ 05の場合を有意差ありとした。 <研究結果> 1)今回検討した15症例では,内分泌療法後の組織標本において,癌細胞が消失していた例は認めなかったが, viableな細胞で一部壊死に陥っている症例も認めた。特に細胞質の空胞形成や腺管構造の形状の乱れを13例に認 めた。また,非癌部位では腺管の萎縮や腺腔の拡張を11例に認めた。基底細胞過形成を14例で認め.また,扁平 上皮化生は7例で認めた。10例で内分泌療法実施前に比べて正常腺管周囲の問質部分が増加していた。 2)内分泌療法施行前では.多くの症例で正常な腺管周囲の一部の問質細胞の核に淡いER陽性染色を認めた。一 部の症例では線維筋性肥大部分の問質細胞核にもERの陽性染色を認めた。癌細胞および正常腺管上別田胞では ERの陽性染色を認めた例はなかった。癌細胞周囲の問質細胞では明らかなER陽性染色は認めなかった。

(3)

-151-3)15例中13例において,内分泌療法後 ER陽性の問質細胞の数とその免疫染色強度が増加していた。特に正常 腺管周囲の問質細胞が強い核染色を示した。治療前と同じく.正常腺菅上皮のER染色は陰性でありt 治療後に おいても,癌細胞のER染色は陰性であっ七。癌細胞周囲の問質細胞は,5例でERの陽性染色を認めたが,陽性 細胞の数は少なく,その染色強度は同一検体の正常腺管周囲のER陽性問質細胞に比べて弱かった。 4)内分泌療法前後におけるER陽性問質細胞の染色レベルの差は.統計学的に有意であった(p<0.005)。内分 泌療法の種類や実施期間によるER陽性問質細胞の染色レベルの差は特に認めなかった。またt 内分泌療法施行 前の検体のER陽性細胞の染色レベルと治療前血清前立腺特異抗原(PSA)値との間に有意な関係は認めなかっ た。治療前後での血清PSA値の変動と,内分泌療法前後におけるER陽性問質細胞の染色レベルの差との間にも 有意な関係は見い出せなかった。 5)以上より,内分泌療法によるエストロゲン優位な環境は前立腺問質細胞のER発現を増加させ,問質部分の増 加を誘導し.上皮にも組織学的変化を引き起こすことを明らかにした。このことから.前立腺肥大症の発症病理 には.エストロゲン優位な環境で起こる問質の適形成が関与している可能性があることを見い出した。 論文審査の結果の要旨 申請者江原英俊は,前立腺癌症例で内分泌療法施行前後での前立腺組織におけるエストロゲン受容体陽性細胞 の変化を免疫組織化学を用いて検討した結見 内分泌療法によるエストロゲン健位な環境は前立腺問質細胞のエ ストロゲン受容体発現を増加させ.問質部分の増加を誘導し,上皮にも組織学的変化を引き起こすことを明らか にした。本研究の成果はヒト前立腺組織でのホルモン環境とエストロゲン受容体の発現.前立腺組織の変化に新 知見を加えたものであり.泌尿器科学ならびに内分泌学の発展にすくなからず寄与するものと認める。 [主論文公表誌] 内分泌療法によるヒト前立腺問質細胞でのエストロゲン受容休発現の増加 岐阜大医紀45(6):380∼384,1997

参照

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