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に反し,各種筋細胞のMHC遺伝子は,それぞれ
異なった染色体上に存在する可能性を示唆するも
のである.
今後,ヒト心筋MHC遺伝子が14番染色体上の
どの部分にあり,何の遺伝子と隣合っているのか
をさらに詳細に検索し,また様々な状態下でのこ
の心筋MHC mRNA遺伝子発現の変化の機序を
探ることにより,先天性および後天性心臓疾患の
病態機序解明に役立つであろう.
3.ヒト癌細胞における癌遺伝子および染色体
の異常
(内科1)和田眞紀夫・溝ロ 秀昭
(国立がんセンター研究所血清部)
寺田 雅昭
(国立がんセンター研究所がん転移研究室)
横田 淳
成人の悪性腫瘍の中でも肺癌と胃癌は最も頻度
の高い腫瘍であるにもかかわらず,その癌進展に
関与する遺伝子レベルの変化についてはほとんど
報告がない.しかも遺伝子異常の報告の多くは培
養細胞を用いた研究結果であり,これらの異常が
勿〃勿。における肺癌,胃癌の発生,進展において
重要な役割を果たしているか否かは不明である.
我々は肺癌と胃癌の手術材料に関して特定の遺伝
子座の欠失などの染色体異常と増幅などの癌遺伝
子の異常の検索を行なった.胃癌患者35例および
肺癌患者53例から手術時に得られた腫瘍組織およ
び非癌部正常組織より抽出したDNAに対して,
DNA多形性を示し各染色二上の特定の部位を認
識するような27種類のDNAプローブを用い,あ
るいは13種類の癌遺伝子DNAプローブを用いサ
ザンプロット法を行なった.染色体異常に関して
は,肺癌の小細胞癌の7例,腺癌の5例で染色体
3番の短腕の遺伝子座の欠失が認められたのを始
め,比較的高頻度に種々の遺伝子座の門門部位が
認められたのに対して,胃癌においては,染色体
1番の短腕で2例,13番の長腕で3例の遺伝子座
の欠失が認められたものの全体にその頻度は低い
という特徴があった.癌遺伝子の変化に関しては,
肺扁平上皮癌で。一辮鋸,三三細胞癌で。一〃z鋼以外
の彫夕6関連遺伝子の増幅が3例ずつ認められ,特
に1例のN一規鐸増幅は原発巣と一部の転移巣で
のみ認められ,他の転移巣では認められず,癌の
進展に伴って癌遺伝子の増幅が出現する可能性が
示唆された.胃癌においては溺鋼関連遺伝子の増
幅は1例も認められなかったが,胃癌の管状腺癌
の4例で6乃B−2の増幅が認められるなど,癌の
種類あるいは組織型の違いにより癌遺伝子異常に
特異性がある可能性が示唆された.
4.ヒト肝癌より見出された癌遺伝子について
(消化器内科)長原 光
1970年代後半から始まった癌遺伝子に関する研
究は,1980年代始めのNIH 3T3細胞を用いたト
ランスフェクションによる癌遺伝子の検出法によ
り,さらに加速された.現在では,v−oη6に対応す
る。−oηoの遣伝子構造およびその機能の解明,ま
たトランスフェクションによる癌組織からの癌遺
伝子の分離とその意義についての研究が中心と
なっている.
しかし肝癌における癌遺伝子の研究ははかばか
しくなく,やっと1984年頃よりヒト肝臓癌で。一
彿y6遺伝子の発現が高まっているとの報告がな
され,1986年に阪大のOchiyaらによってNIH
3T3細胞を使って新しい癌遺伝子10αが分離され
たにとどまっている.我々は持にHBウイルスの
因子の少ないHBsAg陰性の患者の肝癌組織より
高分子DNAを抽出し,定法に従いNIH 3T3細
胞への遺伝子導入を試みた.現在までに27例の試
料について各々数回のトランスフェクションを繰
り返し,10例で細胞をトランスフォームすること
のできる遺伝子を見出した.この遺伝子は第2次
トランスフォーマントでも完全に保持されてお
り,継代可能であった.しかも10例中9例でヒト
の繰り返し配列である、41%遺伝子の存在様式が
同じであったことより,この遺伝子は同一のもの
と考えられた.またこの第2次トランスフォーマ
ントにはヒト由来の。−H・郷,c−K一燃, N一燃,1規
1αろγ紘v一名げに相同な遺伝子は含まれず,また
.4伽のバγドのパターンより規(ゾー2,3,励4窺認
などとも異なり,新しい癌遺伝子の可能性が高い.
現在ファージベクター,コスミッドベクターを用
いてクローニング中である.この遺伝子が肝癌で
高率に活性化されているとすれぽ,発癌機構の解
明の一助になり得ると考えられる.
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