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同時性両側性乳癌の一例

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(1)

同時性爾側性乳癌の一例

東京女子醤學尋門思惑外科教室(主任 三藤教授)

小 口 五 百 子

孚L癌に關する症例報告中,爾側乳腺に焚生せるものの症例は極めて稀少なり。余は二 項:近本症の一例を維験せるを以て藪に本例を追加報告せんとす。 症 例

患者米Cせ○,37歳,家婦

家族法 父母及び祀父母は共に臓浴皿1にて死亡し,癌腫に就ての家族的遺面的素因を認めす。, 同胞は8人なるも,肋膜炎にて3人,腹膜炎にて1人,腸「チブス」にて」1入,原 因不明の疾患にて2人,脚ち患者を除く他は凡て死亡せり。夫は健在,2免を有し 共に健在。 既往歴 幼年期には麻疹の他に著患を識らす。17厳痔核に悩めるも讐治を受くる事なく放. 置す。22歳大揚加答兇,27歳膀胱炎に罹患せるも,性病は:否定す。初維は14歳, 爾來規則正しく月経時苦痛は訴へす。24議にて現在の夫と結婚し2児を得たり。流・・ 早産無し。 現症歴 9年前最後の分娩後授孚L中より右側孚L房内に鑓豆大,1個の小腫瘤を獲見したるも 疹痛,獲赤,腫脹等の自畳的苦痛を感ぜざる爲め放置したるに,約2年前より徐々に 該小腫瘤は増大し來り,時々肩脾部,背蔀,胸深部に牽引痛を言え,2,3日後には特 別の治療を施す事なしに輕快する様な釈態なりしと。省其頃より右側上牛身の席重感 を毘える1魔ノi氣付きたり0 1年前より右側腋窩部に1個の栂指頭大の腫瘤を認め徐々に増大しつつありて殊に 此の1/2年前より右側乳房内腫瘤の増大に件って急速に増大する傾向ありたり。1週 間前より該部に鈍痛を感ずと。 一第 9 着∋ 482一

(2)

此等に加へて約2ケ丹前より左側乳房内にも小腫瘤あるを見出し,尾久第二病院を 訪れたるに手術を勧告せられて昭和13年12月27日,本院に塗院せられたるものなり。 現在症 全身所見 急冷正常,皮膚箱々蒼白,三度の?lilf[Lを認む。榮養駄態中等度,少しく痩削せりQ 舌は漁潤にして三度の白苔にて被はるるも食慾旺盛⊃呼吸,脈穂正常にして緊張良‘v 整なり。時々咳呵軟あるも激しからす喀疾なし。 頭部正常,頸部細長にして側頸部山側共に3,4個の淋巴腺腫大を認む。 胸廓は左右相封性,和々無力型に近し。 心臓濁三界正常大,心音三々低調なれど雑音は羅回せられす。 肺臓は打診上三音,聴診せるに右上は全鰹的に呼吸音二三,少しく粗雑に感じ,且 つ前下部にロ申三音に似たる三音を旧く。三二に於ても同様に呼吸音弱く,肺尖部lc僅 かに非有響性水泡音あり。 「レ」線検査上 右肺下葉は略々手掌大,境界不明瞭なる陰影を呈し,横隔膜三二は 左側より右側は梢々高位に存し・外側1!2は圓滑なる面を表はせるも内側V2は肋膜横 隔膜面と癒着して上方lc引き寄せられて弓HJ・こに膨隆し,少しく凹凸不同なる面をなす。. 爾側肺門部淋巴腺は中等度に腫大し,左側肺門部より翰六外側にて縦に5個の扁豆 大,周圏との境界明確なる二形の濃き陰影散在し,右側封濡位にも同様の陰影2個を認 む。三等陰影が三友化せる結核浸潤竈なりや,乳癌の淋巴道による三二竃なりやは, 稜熱,激しき咳漱,喀二等を認めざる故速断し難し。 心臓陰影に:は病白勺愛化を認めす。 腹部及び四肢には認むべき二化無し。 血液所見 出」目し時臣1:1 分 30 赤少 赤血球沈降速度:中等領6・5,

血液型:A型

thL色素量:7226(ザーリー氏法) 勃気」自げ仁山:448x104 白Ifit−1求撒:7460 白血球種別: (1) 中性嗜好性白血1球 67.0% 一第 9 巻 483一

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198 小口=同時性雨側性乳癌の一例

f分葉型 61.5%

/桿状型 5.5%

(2)「エオジン」嗜好性白血球 (3)魚心性嗜好性白血球

く4)淋巴球

∫大淋巴球 7.5%

’L小淋巴球 10.5% (5)移行型及び箪核細胞 2.0% o% 18.0% 13.5% ワ。セルマン氏及び井出氏徽減反慮:陰性 ボテロ氏癌晶出1中等度陽性 尿及び糞便検査にては特別の所見を認めす, 局所々見

(1)右側乳房

外上1/4領域に三島卵大,境界不明瞭の膨隆を讃し,孚L房外下部及び乳量は梢々上 方に牽引せられ,燭慰するに境界明確なる晶々楕圓形,周縁鋸歯状の1個の腫瘍を心 知す。軟骨檬硬度,表面は粗大凹凸不同なり。 腫瘍と皮膚及び下床との癒着は輕度にして上下の移動性は梢々制限せらるるも,左 右方向には移動性大なり。黙迫過敏,座痛認めす。被覆皮膚に於ける漁疹,獲赤,静 脈櫨張を認めす。 (2)北側腋窩部 1個の境界明瞭,晶々正忌形に近く,小鶏卵大にして軟骨檬硬度を有せる淋巴腺腫 張を腸知す。下床との癒着かなウ張く,乳房のものより移動性制限せらる。皮膚との ・癒着認めす。 (3)左側乳募 外上1/4領域師ち,右側と封稻位に輕き隆起を視るも,外観上右側乳房程著明なら す。燭診ecては山気大,軟骨様硬度の可動性腫瘍を誰明す。跳痛無し。被覆皮膚異常 無し。 (4)弓田腋窩部 前腋窩線上に於て,帥ち大胸筋外縁に滑って,2,3個扁豆大より小指頭大の淋巴腺 腫脹を燭れ,此の硬度強靱にして軟骨檬に達せつ㌔移動性大なり。 〈5)爾側々頸部,鎖骨上及び下窩

一第9巻484一

(4)

扁豆大より小欝1豆大の淋巴腺腫脹を誰明し,弾力性強く一々硬き感・あり。撒は各々 3,4個なり。三園及び下床皮膚との癒着無し。 手術所見及び術後の経過 以上述べたる局所々見より同時性雨側性乳癌の診断の下に手術に移行せり。(12丹 30日) 「パントポン,スコポラ.ミン」0.65a,c,,「パントポン」O.6c.e.の織留一二に加へて0・5 %「ツトカイン」溶液浸潤麻僻の下に,先づ右側乳房切断術並びに右側腋窩淋巴腺廓清 を型の如く施行す。次v・で右側前腋窩線上に系勺3cmの創を造り綿紗挿入によりてlfit 液,淋巴液潴溜を防ぎたり。 手術野ic於て該腫瘍と大胸筋との關係を槍せる所大なる癒着も認めす。腋窩に於て は前述せ’る淋巴腺の他に小豆大より小指頭大に至る4,5個の比較的強靱性の硬度の 淋巴腺腫脹を認めたり。 八面v・て左側乳腺の摘出術を行ひ,大胸筋は全く三訂係の欺態に在りし爲,その儘 残留し,省大胸筋縁に滑った淋巴腺の撒個を点出して術を二三せり。其際左側腋窩を 皮下より濁診せ・るに全く1個口淋巴腺腫大も認めす。 患者は術によく堪えたりと難も翌日脚ち,第1日には38.2。C乱獲熱あり,績帯緊 縛の溜め謎々呼吸淺試論となり,且つ頻数を示せり(27一一30)。脈拙激81−91・匪歌に は攣化なし。 第2日髄温最高37.5。C,脈搏正常,呼吸数27,全身朕高眼に見えて恢復し,続々 一微笑を心す程度となりたり。 第3日最高温温37.3。Cs呼吸数24−27,第4日最高艦温37.5。C,呼吸数・21−24 第1同心帯交換を行ひたるに手術創異常無し。此の日より剛甲關飾の蓮動を行はしめ たり。第5日催高山く正常に露りて最高37.0。C,呼吸数21,起坐を許す。二日に至りて 全く手術的侵襲の影響より脱したり。第7日一部抜山第8日全部按縣,右側手術創は中 央部に爪甲大の1燃閏部を淺して他は全部第一期癒合を螢みたり。第9日歩行開始,第12 日右側腋窩に封孔創を心したるまま輕映退院せり。其後約2週間の通院にて全治せり。 二二の危惧の爲め「レ」線後照射を勧め4,5同行ひたるも家庭の事情許さす止むな く中止のまま・今日に至るQ瀟3ケ月を経て通信に依り來院を求め診察せる所,遺憾 乍ら左側腋窩部に揖揖頭大・乙甲性に富み・張靱なる1個の淋巴腺縛移を認めたり。 組織學的所見 1)左側乳腺 一舞;9巻485一.

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:!eo 小口=同時性爾側性乳癌の一例 「ヘマトキシリン,エオジノ重染色標本の三振大に於て見るに,其の或ものは孤立 し,或ものは2,3相近接せる鞘々大なる癌集あり。 各個の三二を見るに凡そ略々同様の構造を示す,帥ち癌細胞は一暦或は二暦に並列 せる三子細胞(Kubus芝二ellen)より成り,各々高高構造を有し.,内側に狭き管腔を持つ。 癌細胞の原形質は比較的盟富にして均等に染色せられ,核は圓形或は楕圓形又は不 正形なるも,何れも大にして原形質の略々中央を占め,其の染色状態は甚だ可良。所 々に濃染し或は崩潰せんとするものを認む。 聞質は甚だ貧弱にして且つ特に鳥形細胞の浸潤を認めす。 癌巣周縁に於てば小圓形細胞,造結締織細胞,結締織細胞等の圏続ぜ『るを認め,「プ ラスマ 細胞の集籏を讃す。 癌二間結締織中には所々Ilこ淋巴裂隙ありて,其の内腔に癌細胞の充墳像を認む。 充柏レ出拍L等の炎症性攣化を見す0 2)同側溝巴腺 淋巴腺横断面に於ける約2/3は癌綿弓の轄:移を誰し,個有淋巴腺構造を全く浩失せ り。 輕移癌組織の構造は右側乳腺部に於けると同様にして爾他の淋巴腺組織にては濾胞 の縮少,或は沿失著明なり。 3) 左{則孚L腺 同様に「ヘマトキ・シリン,エオジン」重染色標本にて見るに,切片中の大部分は癌 組織に依りて占められ,三々太き結締織繊維束を除V・ては凡て相密集せる癌細胞群な り。 癌細胞の配列の欣態は概ね小腺様構造を呈するも管腔は狭く,多くは相密集せる歌 態なり。 癌細胞は各々甚だ大にして原形質は頗る豊富,rエオジン」に気品し室胞形域を認め らる。 中央に位する核の周縁には幅点き透明帯を認むる事多し。核は楕品形,或は圓形に して甚だvk 3 核分裂像も所々に認めらる○ 間質の弓形細胞浸潤は著明ならす⊃高下の結締織中には出thし,細胞浸潤を認めす。 4)同側淋巴腺 被膜に接しで不規則なる癌紬胞樽移ありて該細胞群の構造嬉:寸々左側孚L腺癌のそれ 一貿;・ 9「巻 4S6一一一一

(6)

に似たり。爾他の淋巴腺構造は2,3の胚濾胞の浩失,或は蹟大回を認むるの他著墾 を見す。 以上の組織的所見に依りて二二乳癌は何れも腺癌に屡するものにして所謂般子細胞 癌(緒方教授).と見徹すべきものなり。 考 按 乳癌獲生は一側なる場合多く,爾側性の場合は稀有とせられ,その稜生頻度を見る に,総乳癌証紙に封ずる爾側性乳癌の比率は,竹田谷氏の統計lcよれば,1歌米に於て 最:低0.31%(Scheu氏),最高6・71%(Anger氏)にして,又Ornatzkij氏4.0596, Firr− ao氏2%等の比率と合せ亭均2.72%なり。本邦に於ては最低0.92%(横山氏),最:高 6.42%(河野氏)にして,その李均比率は3・21%なり。伺その中爾三共に原獲性なりし ものは約1.6%なりとす。 男子の場合には女子の場合に比し一層.稀少にして,女子の約1・0%に相當す。 盤面年齢に就て激米及び本邦諸家の平均年齢は一側性乳癌に於て49・3年,爾側性の 場合はそれより3,4年若くして45.9年なり。余の症例に於ては37歳にて來点せるも,最 初腫瘤を自ら彊見せる時は28歳,悪性憂化せりと思惟せらるる時期は35歳にして 平均年齢より遙に若年なり。 腫瘍の大さに關して,一般続計によれば一側性のものに於ても,爾側性のも㊧に於 ても共に鷲卵大以上のもの44−45%,鶏卵大のものそれに次V・で多く印ち16−35% .を占む。余の症例に着ても鷲卵大を示せり。 虚言性乳癌に於て左右側の大さを比較するに,竹田谷氏の記載せる爾側性乳癌報告 .症例31例中記載明かなる20例に就て絡括せる所を見るに≠(の如し。 左右同大なるもの 同時に獲生して同大のもの L右側術後左側に生じ同大のもの 右側に最:三三見せられ左側より大なるもの 右側に最初獲見せられ左側より小なるもの 左側に最初獲見せられ右側より大なるもの 同時に獲見せられ左側の大なるもの

4例

3例!

f

1例1

6例

3例

6例

1例

部ち大膿同時性乳癌の場合には左右同大の事多く,獲生時期を異にしたる同時性の 場合も術後歩歩性に獲生せし場合も先行せる側の方が大なる事多く,左右の差は殆ど

一第9巻487一

(7)

202 小口=同時牲爾側性乳癌の一例 無き事判明せり。余の例に於ても此の統計的槻察に見らるる如く,最初獲見せられた る右側は驚卵大にして左側のものより大なり。 襲生部位は竹田谷氏20・山中,上外1/4領域50%,中央部30%,店内1/4「領域 12.5%,三内1/4領域5.0%,回外1/4領域2.5%,、にして上外1/4領域絶封多撒を 示し,その中にも二二共に上品1/4領域に獲生せし場合25%,一側は上外1/4領域に他 側は中央部に獲生せし場合30%,ありと述べたり。余の例も爾側共に上訴1/4領域 の封稻位に稜見せられ,上訴1/4領域に生する事多きを示す一面明となり得べし。 ’二品偉統計に依れば・之を訴へざるもの58・9%・又は67・7%訴へしもρ41・1%・・ 叉は32・3%にして,その音差は少なれど無痛症例の多き事は品品見期をして自,他壁 的に遽延せしむる一因たるとも見倣し得べし。余の例にても2年前右側腫瘍急速に壇 大し回りてより時k肩二部,背部,胸深部に牽引痛は畳えたるも局所的には回忌約1 週間前乳腺部は無痛なるに右側腋窩部に鈍痛を訴へしものにして大多数の症例ic 一一致 するものなり。 組織學高所見上,爾側性乳癌が各々異れる構造を有するものは竹田二二に依れば,・ 爾側孚L癌報告21例中6例(28.6%)なり。 需品の種類は三生母地の關係上腺癌多く約1/3,硬性癌も約1/3にして当りの1/3’ が二六癌並びに膠様癌なり(竹田谷氏\。余の例も亦腺癌なりき。 淋巴腺蒋移に關し竹田三山は,同時性爾側性乳房腫瘍の20例中爾側腋窩淋巴腺蒋移 を認めたるは12例,約3/5日目と述べfa b「。余σ)例に於ても,爾側々頸部,鎖骨上. 及び下窩に三二性淋巴腺腫脹を誰明せり。 遠回性乳癌に於て一側が他側よりの1口移によるや,或は無關係に原獲せるものなり1 やに就ては從二種k論議せられたり。 willia騨1s氏は(1)二二性乳癌の大高這の患者に於て第2乳癌手術時に他に曹移1蔽 を認めざる事,(2)爾側性乳癌に於て組織的構造の屡々異なる事,(3)全く同時に 爾側乳腺に癌腫を獲生せ’りと認めらるる同時性両側性乳癌に於ては一側乳癌の他側乳 腺に軸移せりとは考ふ能はざる事,(4)績感性乳癌の場合,第2乳腺腫瘍を第1乳 癌の心移と見倣すならば豫後極めて不良なるべきなるにその統計的成績に依れば心後 の良好なる旧記をあげ,二二より集めたる98例を基礎とし,必ずしも爾側性三稜性 乳癌は稀ならすと主張せり。 Billroth氏は原獲性なる診断に際しては次の諸條件を必要とすと論じたり。即ち く1,腫瘍の著明なる解剖學言及び組織的構造の差異,(2)・資生母地からの腫瘍の明確 _第g名き488一

(8)

なろ焚育,t3)各腫瘍の議官はその所驕淋巴腺の偏移より分捕佐されてるる事等にして 髭等諸至当に就ては,Goetze, Oberndorfer, Harbitz氏等も賛する虞なり。

K.Gjankovic氏ぱ自家症例の詳細なる検討の結果,雨側乳腺腫瘍の聞の組織の組. 織學的検査に依ってのみ相互に關係ありゃ,無關係なりやを除外し,或は誰明出來る と論じ,且つ爾側性乳癌の多撒は同時に護生しても,績獲性の場合であって術その闘 敏年間を経過した場合であってさへも殆ど凡ては画面性なりと結論し,■as Ornatzkij 氏も自家症例激例から績獲性に生じたる腫瘍は殆ど凡て最初の腫瘍の縛移せるものと 述べ,本邦竹田谷氏も爾側孚L癌は全乳癌165例中5例(3.03%)を示し,その中原獲 性は約1.6%を示して稀なるものとし,多くは縛移性なりと述べたり。 余の症例に於ては組織所見上,左側は右側より癌細胞豊富にして結締織に乏しく, 且つ細胞械の核分裂像も多数見出され,巳つ爾側腋窩淋巴腺所見は各々所鵬乳腺のそ れに更々同様,然も皮膚との癒着極めて熱度にして,左右封戸位に生ぜし面識等より」 すれば,Virchow氏の「悪性腫瘍の屡々原論性に褒する所には薄移は極めて稀なり」 との論櫨によって左右別kに原稜性に焚生せるものと思考し亡べき鮎あるも,余は導 く如く解溢せんと欲するものなり。崩ち原盗癖と縛移癌との間に組織的所見の多少異 る場合は屡々見らるる所にして,此の場合には右側乳癌より左側乳腺に縛移すると共・ に,各々山側の腋嵩淋巴腺に向って蒋移を形成せしものと思考し得られ,稜生時期よ り見るに右側は約21年前良性腫瘍より悪性攣化せるものにして,かなりの年月を経 過し,左側乳癌は右側腋窩縛移を生じたる後にしt,來白癬2ケ月前に獲見ぜるもの なること等の諸黙より,左側乳癌は右側よりの舟艇なりと解すべきを委當と信ずるも のなり。 結

余は37:歳,家姑に見られたる稀有なる同時性爾側性乳癌の1例を報告せり。 而して体側乳腺に同時に手術的治療を施行し,且つ「レ」線後照射を行ひたるも遺憾 乍ら3ケ月後に左側腋窩淋巴腺の1個の蒋錦鯉を稜見せるものなり。 襲生経過より老ふるに,右側乳腺腫瘍は始め良性腫瘍なりしも最近2年間に悪性応 化をなしたるものなるべし。 鏡槍所見より般子細胞癌(緒方敏授)にして左側は右側の蒋移竈なりと信ず。 稿を終るに臨み種々御懇篤なる御指導,御校閲を賜りたる三藤教授に厚く謝意を捧ぐ。 一穿∫9巷…489一

(9)

204 小口=一同時性爾側性乳癌の.一例

蓼 考女 獄

1) Offergelぜ, H。:. Arch. lclin. Chir., Bd,工55, S’.60,1929. /2).1〈eth, T.:・ Dtsch. Z. Chir., Bd, 246, S. 3SO, 1936.

’3) H.’Gj]nkqv’tc:’ Arch. f. ehir., S. 298, 1939. 4)池田茂夫:日本讐科大學雑誌,8巻,i1號, S.1479,昭12. .5)櫻井明治郎:治療及び慮方,198號,S.1707,昭11. .6) pl:田瑞穗: 聾オ鹸韓琴幸艮,258號, S.89S,旧召11. .7)穗積2F次郎:北越讐撃倉難誌,50if“,8號,8.1111,昭10. 8) 穗積軍次貞B= 日湾ミ長警事新幸長,683軽虎,S.3025,口召10. 9) 武者1E三三∫ミB= 東京磐ミ建新言志,2930號, S, 1316, 日召10.. ’■0) 竹「E[谷勲t 同本タト禾斗學會朶ず〔i誌,37同,6號,S.763, fi召11. }ユ1) 竹R’i谷蕪ヵ:’束西欝學, 第6巷…, 1−4號, 臼召14。 P2) 系田見憲= 日.本タト禾斗學會難誌, 32同, 5髪虎, 口召6. .13)横山健夫:日本外科學會雑誌,26回,3號,大14. ‘14) 西山徳助: 羅警學硯究・,5ttz・10號・ ロ召6・ 1. P5) 屠罰口蕃樹: 日本外禾斗學會券訂巨誌,14同,3號. 『』 P6)久留春三: 日本外科學會雑誌,12同,1號,明治44. =17)野口秀一郎:日本外科學會難誌,9同,5號

第9巻490

(10)

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1霧 一一 岡

(11)

206 小PI=同時性爾側性乳癌・つ一例

小ll論矧掴

第 :岡rレ醐樹淑

第 三 圃 切除標本

民. 』.

・騨轡墜 碁耀妻騒騒鍵翌1灘ll獣1鞭欝灘llili轡1攣’/醗1{1轡灘欝響騒騒轡i肇耀欝辮饗細螺響鱗雛灘 惑 一一 謔X巻492一一一

(12)

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第六岡

第四圖

右側乳腺組織像(弱憤大)

第五岡

同 上(強横大)

鑛、

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左側乳腺組織像(搦搬大)

第七圖

同 上(張籏大)

一町9巻493一

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