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静脈―動脈灌流法による補助循環とくに,大動脈弁近傍送血による循環動態への影響と病理学的変化について

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Academic year: 2021

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ムラ セ シグル 氏名〔生年月日〉 本 籍 学 位 の 種 類 学 位 授 与 の 番 号 学 位 授 与 の 日 付 学 位 授 与 の 要 件 学 位 論 文 題 目

村 瀬

医 学 博 士 乙第672 号 昭和59 年7月13 日 学 位 規 則 第

5

条 第

2

項該当(博士の学位論文提出者〉 静 脈 一 動 脈 濯 流 法 に よ る 補 助 循 環 と く に , 大 動 脈 弁 近 傍 送 血 に よ る 循 環 動 態 へ の 影 響 と 病 理 学 的 変 化 に つ い て 論 文 審 査 委 員 ( 主 査 〕 教 授 織 畑 秀 夫 ( 副 査 〉 教 授 和 田 需 郎 , 教 授 梶 田 昭

論 文 内 容 の 要 旨

実験目的 大動脈弁直上より酸素加血を送血する静脈 動脈潅 流法が心筋への酸素付加の面から,呼吸性低酸素症に 対する補助循環として有効であることが,教室の里村 らにより証明されている.しかし少数例ではあるがこ の実験中に急速に悪化死亡する例があるのを認めてお り,これは臨床応用をする際には重大であるので,そ の原因を明らかにするために次の実験を行なった. 実験方法 雑種成犬02 頭を使用し,latirbbaotneP 静脈麻酔を 施行,気管内チューブを挿管し,実験中は間歌的陽圧 調節呼吸で維持した. 潅流は人工心肺体外循環装置のローラーポンプ2台 で脱血送血を行ない,人工肺は模型人工肺 CKolobow 型〉を使用,2-41/min の酸素流量で静脈血を酸素加し た.潅流時聞は 3時間とし潅流量は.003 士5.0m /l

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min で維持した.脱血は中心静脈より行ない送血は大 腿動脈を切開し, これよりチューブを挿入して送血部 位の相違により02 頭を 4 群に分けて実験を行なった. 第1群 5頭 送血部位を大動脈弁直上とした. 第2群 5頭 送血部位を大動脈弁より末檎へ2cm とした. 第

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群 :

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頭 送血部位を大動脈弁より末柏、へ4cm とした. 第4 群 : 5 頭 送血部位を大動脈弁より末梢へ6cm とした. 血行動態の指標として右総頚動脈圧,心拍数,左心 房圧を測定した.又右総頚動脈を採血部位として血液 ガス分析を行なった.実験終了後に肺,肝, '心臓を摘 出し,病理学的検索を行なった. 成績 1)動脈圧は全群とも潅流開始とともに,急激に低下 し そ の 後 第1,第2群は潅流時間の経過とともに漸 次低下傾向を示した.第 3,4群 は 比 較 的 変 動 が 少 な かった. 2 ) 脈圧は潅流時間の経過とともに低下したが201 分 以後は第3 , 4 群が比較的安定した. 3 ) 心拍数は著明な変動はみられなかった. 4 ) 左心房圧は全群とも潅流開始とともに,脱血によ り低下したが,以後著明な変動はなかった.各群にお いて左心房圧と動脈圧の経過をみると,潅流開始とと もに各群とも70% 程度に低下し,その後動脈圧は漸次 低下したのに対し,左心房圧は比較的低下が少なく, 相対的な左心房圧上昇の傾向がみられた.これは第 1 群で著しかった. 5 ) 血液ヵース分析において,実験犬の心拍出量,人工 肺通過後の送血回路の血液酸素分圧を一定として計算 すると,各群の人工肺で酸素加された血液が右総頚動 脈に流入する量は,第1 群を 1 とすると06 分では第2 群48.0 ,第3群76.0 ,第4群490. の割合になった. 6 ) 病理学的所見は肺においては,動脈壁周囲の浮 腫, リンパ管拡張,出血等肺うっ血を示す所見がみら れ,これらの変化は第4群において比較的軽度であっ 7 4 3 一一

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た. 考察および結論 呼吸不全時に補助循環を施行する擦,冠動脈,頚動 脈等重要血管に充分な酸素加血を流すためには,でき るだけ大動脈弁に近い部位よりの送血が必要である が,反面種々の欠点が認められた.すなわち潅流量が 増えれば,中心静脈から吸引する血液量が増えるJので, それだけ心拍出量は減少する.また大動脈弁直上から 注入される血液が心収縮期の大動脈弁開放時に逆流を 生じる.この 2つのことから潅流後に急激な動脈圧低 下と脈圧低下をきたしたものと考えられる.また大動 脈弁開放時の送血による逆流は,左心室の負荷を増大 し,動脈圧の低下と逆に比較的左心房庄の上昇をきた し,肺のうっ血,浮腫をきたす因子となっており,こ れらの変化は送血部位が大動脈弁に近い程著しい傾向 にあった. 臨床上肺不全より離脱するまで長時間補助循環を続 ける必要があることを考えると, この様な左心室の負 荷の増大とそれに伴う肺うっ血,また急激かつ著明な 血圧低下は,酸素分圧が増すとはいえ不利な条件であ る. 一方大動脈弁直上から遠ざかる程,流入血液の総頚 動脈への混入が減少している事実を認めているが,こ れは冠動脈,頚動脈への酸素加血供給の目的からみれ ば,大動脈弁に近い送血が有利であることを示してい る したがって,静脈一動脈潅流法による補助循環にお いては,冠動脈,頚動脈に重点的に酸素加血を送り, しかも心臓および肺に対する負荷を無くすことが必要 であることが明らかとなった. このことを考慮した結果,対策として次の2つの方 法が考えられる.第 1 は左心室の拡張期にのみ送血す る間歌的心拡張期送血であり,第2は送血カニューレ を冠動脈内へ挿入することである.

論 文 審 査 の 要 旨

呼 吸 不 全 に 伴 う 低 酸 素 症 に 対 す る 大 動 脈 弁 直 上 よ り 酸 素 加 血 を 静 脈 一 動 脈 濯 流 法 に て 送 る 方 法 は 有 効 で あ る が , 時 と し て 急 速 悪 化 す る 例 が 実 験 に お い て 示 さ れ た の で , そ の 対 策 に つ い て 検 討 す る 必 要がある. 著 者 は こ の 点 に つ い て 犬 を 用 い て , 送 血 部 位 を 変 え て 検 討 し た 結 果 , 左 心 室 負 荷 の 増 大 , 比 較 的 な 左 心 房 圧 の 上 昇 , 肺 の う う 血 お よ び 血 圧 低 下 な ど が , 大 動 脈 弁 に 近 い ほ ど 著 し い こ と が 分 っ た . し た が っ て 左 心 室 拡 張 期 送 血 , ま た は 冠 動 脈 内 へ の 送 血 が 必 要 で あ る と 考 え ら れ る . 以 上 本 論 文 は 外 科 臨 床 上 益 す る と こ ろ が 大 き く , 学 術 上 価 置 あ る も の と 認 め る . 主論文公表誌 静脈一動脈潅流法による補助循環, とくに大動脈弁 近傍送血による循環動態への影響と病理学的変化 について 東 京 女 子 医 科 大 学 雑 誌 第

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巻 第

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頁(昭和

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日発行〉 割論文公表誌 1)開腹歴のないイレウス例の検討 東女医大誌

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月〉

-744-2 ) 外 科 的 呼 吸 器 疾 患 第2報 当 科 に お い て 最 近 5年聞に経験した肺の良性腰蕩 東女医大誌

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月〉 3 ) 開腹手術後の腹腔内遺残ガーゼの検討 日本医事新報

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年11 月〉

参照

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