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〔学 会〕東京女子医科大拳々会第54回例会
日時昭和27年4月25臼(金)午後2時
場所東京女:子医大臨床講堂
1.婦人科に関係の深い直腸癌の2例に就て
産婦入科(演)藤谷恒子 石田美枝 妊娠9ケ月に直腸癌と軋癌の合併,直腸癌と子宮体 の癒着穿孔の2例を婦人科に関係1舞い例として報告し た。 症例 (1)患者.福○知○子,32歳,1経。家族 歴:父胃潰瘍,既往なく,初朝13歳以来順調,今回 最:終月経昭和26年5月21日より5日闘以後無月経。 i現病歴: 26年11月より便秘及排便頻回,腹部緊張 強く,27年1月目乳房の小指頭大結節に気付き,触 診で直腸癌,妊娠9ケ月及製革の診断で入院。現症: 左魁房に鳩卵大腫瘤,腋窩鎖骨上窩腺触れ,子宮底贋 上3指横径,児心音左隣棘線上著明,直腸膣間に鶏卵大 cb腫瘤あり,触診で肛門海上5cmに環状硬結湊,り。 手術所見:帝切子宮全摘及根治手術,閻膜リンパ腺3 個触れ,左乳腺腋窩胸骨鎖骨上窩腺呼出,製児21909 健全。捌出標本所見:膨大部後壁は限局性,潰瘍性 癌浸潤,子宮正常。組織所見:単純,腺,扁平細胞 癌,孚L腺,腋窩腺も単純癌,其他変化無し。 症例(2)患者 荒○マ○子,59歳,6経。家族歴 .:父胃潰瘍,母肝癌,既往なし,初潮14歳以来順調,50歳で閉経,不正出血なし。現病歴:昭和25年7
月血便,26年3月下血,27年に入り腹部緊張,腰痛 あり,下剤服用時悪寒悪心嘔吐あり,下腹痛強く,悪 態の膿血性帯下,発熱38.8。C。肛門よりも膿性分泌物 あり,体癌の診断で送られて来た。現症:下腹部緊 張ジ圧痛(÷),子宮は後傾後屈,輪隔不明,体の左後 方に超鶏卵大強靱な腫癌あり,触診で肛門輪上7Cmに 環状の硬結あり。・診断:直腸癌。手術所見:子宮は 三頭大,直腸前面「と癒着強固,剥離不能,肝,リンパ 腺転移⊂一),子宮全摘及根治手術。易拙所見:膨大 部,結腸部に硬結,癒着せる子宮体左卵管角部に穿孔 部あり。組織所見:単純一部円柱上皮癌,子宮穿孔 部は多核白血球浸潤,充血,壊死あり,癌組織を認め ず。2.チフス性脊椎炎について
整形外科 佐 藤 久 チフス性脊椎炎の3例を経験したので報告し,チフ ス性脊椎炎の冨般について述べた。(なお症例の(3) ば三楽病院整形外来患者で麦,る) 症例(工)26歳,男子,洋服業。主訴:腰痛及び左腸 腰筋掬縮。現病歴:27年1月21日突然腰痛を訴え, 2月6日より発熱腰痛は増強す。2月11日からは悪 寒田圃を伴なって発熱し,左腸腸筋拘縮となる。2月 15H当外来を訪れ急性腸腸筋炎として入院,牽引を施 行。白血球数5400。局所所見:腰部前帯は増強し, 財部を後方に突出,左脚を股関節で約140。に屈曲位。 脊柱運動は全く制限されている。牽引により腸腸筋拘 縮は二三日で消失するも,腰椎部硬直強く,腰痛も激 しい。3月12日のレ線材で3.4腰椎閻に骨新生像を 見,Wida1反応をなすにチブス菌に400倍まで陽性, 予防接種はうけていない。チフス性脊椎炎と考えられ ギプス=ルセッ㌔を着用する仁4月25日現在腰痛殆 んど去り,脊柱前屈後屋も可能となる。 レ線上では 3。4腰椎幽々隙の狭小と骨新生あり。 症例(2)13歳,男子(中学生) 本年2月16日突然悪寒国界で発熱,頭痛,某医よ り Aureomycin と Penicillinを用い,一週号で 下熱,3月1臼羅飛びをなし腰部に中川を覚え,以来 腰痛は増強,4月2日に外来を訪れた。局所所見:腰 椎部は軽度後場となり,硬直をなす。膿瘍は認めず。 レ線上,.4.5腰椎間々隙の狭小を認め,カリエスの疑 いで入院,W三dal反応,チフス菌に200倍陽性,4 月17日のレ飛駅で4.5腰椎体聞の骨膜性骨新生を認 む。チフス性脊椎炎としてギブスコルセット着用退院 す。腰痛は殆んど訴えず。 …症例(3)。女子,家婦。主訴:腰痛。 昭和25年2月5日まで腸チブスで駒込病院に入院, 退院後1ケ月で腰痛を覚え増強するので,三楽病院整 形外科外来を訪れた。 局所所見:腰椎部前育の消失,硬直を認む。・第4腰 椎棘突起に圧痛叩打痛あり。レ線上で4.5腰椎問々隙 の狭小と明かな橋状の骨新生像を認める。Widal反応 はこの例では陰性なり,三牲ゴルセットを着用するに 次第に腰痛は軽減す。26年5月にコルセットを除き, 家事に従事している。 以上3例よりして,腰痛が激烈で脊柱硬喜が著明 一 37 r一一126一
で,然も三三を見ない脊椎炎に於いて,レ線上初期に 骨新生像を認めた時は,一応チブス性脊椎炎を疑ってAnamuneseやWidal反応によって脊椎カリエスと
鑑別する必要がある。3.カテテリザチオンによる血圧の電気
白目一描言己装置セこ就て, 生理(演)冨田恒男 米満 澄 本単外科教室の要望に応じてカテテリザチオソによ る心臓内圧の電気的描記装置を試作した。細いカテー テルの先端で圧を測定する為1こは次の2つの条件が満 足ざれなけれぼならない。 1)カテ■・一テルの心臓内末端から他端の受圧装置迄 の問に於て内液の漏れが絶対にないこと。漏れカミある とカテーテル内に液流が起り,内部抵抗の為に測定ざ れる圧が実際の心内圧よりも低くなる。・ 2)同じくカテPテルの心臓内末端から他端め三三 装置迄を含めての内部容積が心内圧変化に応じて変化 することを極小に止めること。その変化が大きいと平 均圧は正しく記録ざれるとしても,心内圧の変化が実 際よりも小ざく記録されろ。操作上の不備から内部に 気泡が含まれた如き場合も同様の誤った結果が得られ る。 上記諸点を十分慎重に検討し野馬部のコンプライア ンスを3mm3!100mm Hg程度に止めてなお十分安定 な電気回路を設計し得た。その原理は星合の報告に基 き之に幾らかの改変を施したもので,受贈部を1極と し,弛の固定極板との間の心内圧変化に伴う微小電気 容量変化を電流変化に変える形式のもみである。 臨床応用の1例を加えて報告した。’ 4.臨床病理懇談会(C.P. C) 既往歴:患者は65歳の男子で,小児時代に腸チフ ス,32歳の蒔肺炎カタル,33歳の時マラリア,45歳 ク塒狸紅熱57歳の時眼底出血に罹患した事がある。 家族歴:特記する事なし。 ぜ 現症:1 Hf年から胃酸過多症となり,過食,飲酒の 後にに園部1こ圧痛があった。昨年12月29日背山の マッサーヂを受けていた時,突然工部に激痛発作があ りその後も圧痛が続いた。 本年1月4日出品があり,食慾なく,室腹痛があっ て次第に蔽疫して来た。 入院時所見及その後の経過:以上の如く患者は腹痛 を主訴として,1月14日入院した。体格はやx小, 眼瞼は蒼白,黄疸はない。緑色の厚い舌苔がある。頸 部のリンパ腺の腫脹は認めず,心臓,肺臓には異常を 認めなかった。肺肝境界VI肋骨,腹部は全体的に抵抗 が強く,特に上腹部で著しく腹壁との癒着を想はしめ た。胃部には弾力ある柔らかな鳩卵大の腫瘤があり, その下部は特に圧痛が強い。肝臓は四横指ふれ下縁は 鋭どく相当に堅い。脾臓はふれない。下腹壁に静脈の 拡張したのを認める。 血液所見:Rote 248万, Hb.55%, Weisse 8500。 種類,中性嗜好白血球(左方移動あり)77%,単tw 4 タ6, リンパ球18%,エオジン’嗜1タ60 血沈:1週中88 2時聞145。 尿所見:黄色透明,弱酸性,比重1020,蛋白(±), 糖(一), ウロピリノーゲソ(一),沈渣: 1視野にRote 2’ C Weisse 3, PseudcylinderC+), Plat− tenepithel(十) 便:潜血反応(瀞),寄生虫卵(一),D伽ls氏反応 (一)0 17!工から強い弛張熱(36.5。Cマ39。C前後)が出 たのでペニシリン60万単位を6日聞注射したが効果 がないので中止したが,1/出隅・ら自然に37。C前後 に解熱した。患者は食:慾も良く,悪心嘔吐もなく,舌 苔もなくなってぎたが,依然腹部の圧痛は消えず肝臓 は次第に増大してきた。2/R下肢に浮腫が現われ, 次1第に強くなってきた。 101皿腫留の部分に穿刺を行った結果悪臭のあるガ スのみが出て有形成分は出なかった。その後干に腹壁 の抵抗が益し,腹水も認められるようになった。 13/∬前回の尿検査の際にはUrobilinogen(一)で あったのに今回には(什)となり,Urobilinも(+) となった。 20!皿:腹部は益々膨隆し肝臓は膳部附近迄増大,強: い鼓腸をともなってしきりに自発痛を訴えるようにな った。 21!皿:意識野濁し遂に死亡す。 猶経過中血液所見星雲幌内の潜血反応は略々上記に 同じ。 一一一 38 一