「重症心身障害児者の地域生活を考える 平成26年度市民公開フォーラム 医療的ケアの必要な重症心身障害児者の地域への移行と地域生活・在宅生活について市民と共に考えるつどい-」
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(2) 【開催の趣旨】 重症心身障害児者の 2/3 は地域で在宅生活をしており、在宅重症心身障害児者数は全国で おおよそ 27,000 人と推定されており、その多くは在宅医療を必要としている。独立行政法 人国立病院機構下志津病院は重症心身障害児(者)病棟 120 床を運営するとともに、重症 心身障害児者の短期入所事業や通園事業・通所支援事業を通して在宅医療を必要とする障 害児者の支援を行ってきている。2011 年からは周産期医療対策事業としての一時支援事業 を千葉県より受託し、呼吸障害等の在宅医療を必要とするNICU等から地域に移行した 小児(ポストNICU児)の入院受け入れを積極的に実施してきている。 近年、医療の高度化に伴い、重症心身障害児者は、その人数の増加、NICUから地域 に移行する重症心身障害児者の医療レベルの高度化が起こっている。またすでに在宅の場 合には、家族・本人の高齢化に伴う問題も起きている。これらの背景から、在宅等の地域 生活支援、移行支援のニーズが高まり、同時に入所ベッドの空きと新設がないための入所 受入れの限界をうけて、当院では重症心身障害児者の地域の社会資源の開発につながる活 動を行っている。 平成24年度は厚生労働省の重症心身障害児者の地域生活支援モデル事業に応募し、こ れを受託した。このモデル事業では千葉県内の主要な医学部付属病院、基幹病院、医療型 入所施設、在宅診療所、在宅訪問看護ステーション、特別支援学校、当事者団体を委員と する、千葉県重症心身障害児者地域生活支援ネットワーク協議会を設置し、委員による会 議開催、病院のソーシャルワーカー等による実務者会議の開催、調査、市民公開フォーラ ムの開催、家族支援としての当事者団体である千葉県重症心身障害児者を守る会と共に、 在宅福祉の情報交換の座談会開催などを行った。平成25年度も千葉県重症心身障害児者 の地域生活支援ネットワーク協議会の事務局として会議を運営するとともに、在宅福祉の 情報交換の座談会も3回開催した。 今回応募した「重症心身障害児者の地域生活を考える市民公開フォーラム」は、近年増 えている医療ケアのある重症心身障害児者、超重症心身障害児者の地域への移行、地域生 活と在宅生活について、市民と共に考えるつどいとして、在宅の親には福祉政策の動向を 伝える場として、入所の親には高齢化に伴う医療ケアの導入に関する情報提供、地域の市 民に対しては広報と理解の促進、地域の医療機関に対しては重症心身障害児者の地域移行、 地域生活支援への理解の促進として行うものである。 重症心身障害児者に関する講演会等は、まだまだ一般的ではなく、広く市民に公開され ているものの開催は少ない現状である。特に、東京都など都心では比較的多く開催されて いるが、地元に根差したものは少ない。その理由は、重症心身障害児者は遠方の医療機関 を使ったり、療育機関に通ったりと、社会資源が点在して不足していることによる広い生 活範囲があり、そのことが小規模の情報発信を妨げて、地域での受け入れの促進になかな かつながらない要因となっている。フォーラム開催は、貴重な地域の重症心身障害児者の 受入れ促進へきっかけとなるものである。.
(3) 重症心身障害児者の地域生活を考える 平成26年度市民公開フォーラム -医療的ケアの必要な重症心身障害児者の地域への移行と 地域生活・在宅生活について市民と共に考えるつどいー 開催概要 日時:平成26年8月3日(日) 13:00受付. 13:30~16:30. 場所:千葉県教育会館 新館大ホール(千葉市中央区中央 4-13-10)TEL:043-227-6141 対象者:一般市民 参加人数:116名 入場料:無料 主催:千葉県重症心身障害児者地域生活支援ネットワーク協議会、 国立病院機構下志津病院 後援:千葉県小児科医会 プログラム: 総合司会: 千葉県重症心身障害児者地域生活支援ネットワーク協議会 会長 千葉県こども病院 副院長 高柳正樹 事務局 国立病院機構下志津病院 副院長 山本 重則 【講演】 1、千葉県における重症心身障害児者に関わる施策と千葉県小児等在宅医療連携拠点 事業について 千葉県. 健康福祉部 障害福祉課 副課長 澤田浩. 2、千葉市における重症心身障害児者に関わる施策について 千葉市 保健福祉局高齢障害部 障害企画課 課長 根岸淳一 3、地域の開業医が『運命の子』と出会ってから 松永クリニック小児科・小児外科 院長 松永正訓 4、重症心身障がい児への訪問介護について 社会福祉法人ぶるーむ 理事長 野田幸子 5、家族の立場から 千葉県重症心身障害児(者)を守る会 会長 田中鈴子 6、公開討論・質疑応答.
(4) 【展示】 展示ホール:ポスター展示「当院の重症心身障害児者への保育士のかかわり」 国立病院機構下志津病院 療育指導室 ホ ワ イ エ:図書紹介コーナー 展示コーナー・守る会手作り品紹介 . 参加者向けに重症心身障害児者の保育サービスを実施した。. . 広報活動:A4チラシ 2300枚、A3ポスター200枚を印刷。. . 千葉県重症心身障害児者地域生活支援ネットワーク協議会参加施設、関係各機関に 送付し、院内掲示、配布した。千葉県小児科医会の会員には会報発送時にチラシを同 封していただいた。.
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(6) 市民公開フーラム 【総合司会. 高柳】. 皆様、時間になりましたので今日の会を開かせていただきたいと思. います。私は千葉県重症心身障害児者地域生活支援ネットワーク協議会の会長をしており ます高柳と申します。今日は非常に暑い中、私一週間くらい北九州の方に行っていたので すが明らかに千葉の方が暑いです。本当に、皆さんおいでいただいてありがとうございま す。この会ももう 3 年目になるのですが、いくつかの事業をしてまいりましたが、おそら く日本全国こういうような会が地道に活動しているのだと思うのです。そのかいもあって といいますか、今年度の保健の診療報酬の改定で、かなりたくさんの保健収載がおきまし て、みなさんの努力のたまものなのではないかと私は思っています。よく言われることで すけれども、それぞれ皆さんが各ポジションで活躍なさっていると思うのですけれども、 こういうものは足し算より掛け算が大きなアウトプットを生むのは当たり前のことなので、 ぜひ皆様このような会を通じて連携を強めて、重症心身障害児者の生活がより良くなるよ うに皆さんでぜひ頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 【総合司会. 山本】. 皆さんこんにちは。下志津病院の副院長の山本です。この会は平成. 24 年度に厚生労働省の重症心身障害児者の地域生活支援モデル事業を受託しまして、24 年 度に市民公開フォーラムを開かせていただきました。今年度は勇美記念財団の助成を受け まして、また市民公開フォーラムを開催することが出来るようになりましたので勇美記念 財団のほうにもお礼申し上げます。24 年度からモデル事業が始まりまして、地域生活支援 ネットワーク協議会を立ち上げることが出来ました。高柳先生に会長になっていただきま して、協議会の活動を始めさせていただいています。この中で、重症心身障害児者の地域 生活の充実が図られるようになってきたと思います。本日は千葉県、千葉市の行政の方か ら現況をお話しいただけることになっております。また、3題めとして松永先生に最近出 版された運命の子という本が第20回小学館ノンフィクション大賞を受賞されたというこ とで、話題性もあってお呼びさせていただきました。また、社会福祉法人ぶるーむの理事 長、野田幸子さんにも来ていただきました。最後に家族からということで田中さんからお 話ししていただきます。本日5題の演題がありますが、こちらのほう、どうしても確認し ておきたいことだけ質問を受けさせていただいて、あと全体の質疑応答、公開討論を30 分ほど、時間を取っております。そちらの方でお願いしたいかと思います。 講演1【千葉県健康福祉部障害福祉課. 澤田副課長】. ただいまご紹介に預かりました千. 葉県障害福祉課の澤田と申します。地域生活支援と療育支援担当の副課長をしております。 本日はこのようなフォーラムにお招きいただき、ありがとうございます。また貴重な時間 をいただき、ありがとうございます。限られた時間ではありますが、千葉県において実施 しております重症心身障害児者への施策と、昨年度から国のモデル事業として実施してお.
(7) ります小児等在宅医療連携拠点事業についてご説明させていただきたいと思います。それ では早速ですが、始めさせていただきます。 まず、二つの項目のうち県の施策の方ですが、在宅に関わる部分で、皆さんご存じのこ ととは思いますが、児童福祉法に基づいて行われる障害児の相談支援、市町村長が指定し ます障害児相談支援事業所のほうで重心のお子さんも含めてですが、障害児の方の通所サ ービスの相談、あるいは障害児支援、利用計画の作成等が行われています。また、障害者 総合支援法に基づく計画相談支援、こちらも市町村長が指定します特定相談支援事業所に おきまして全般的な障害福祉サービス等に関わる相談、あるいはサービス等利用計画、障 害児支援利用計画作成について支援を行っています。また障害児の入所については児童相 談所等に相談という形で、様々なサービスを利用していただいております。対象、人員基 準等はここにある通りですが、現在の設置状況としましては、千葉市を除いた25年3月 で347か所、26年3月で466か所ということで、少しずつではありますが、増えて いるところです。それからこれもご存じかと思いますが、26年3月、今年度いっぱいま でに全ての障害者障害児の方にサービス等利用計画、あるいは障害児支援利用計画を作成 するということになっていますが、サービスの受給者が 37,000 件余りある中で、実際の計 画の作成というのはまだ 12,000 件余り、三分の一程度ということで進んでいない状況です。 これは全国どこを見ても同じような状況ですが、これに関しては国に対して利用者の方に 不利益が生じないようにということでなんらかの配慮、対応をしていただきたいと要望し ているところです。 続きまして次のスライドですが、今度は児童福祉法に基づく障害児の通所の方の支援と いうことで、主に重心の方に関わるのですが、児童発達支援事業所、児童発達新センター、 あるいは放課後等デイサービス事業所等があるわけですけれども、未就学児を対象として もの、就学児を対象としたもの、それぞれございます。それから人員基準につきましても 医療型、福祉型それぞれにここにあるとおりの専門職を配置するということで、現在これ らの事業所が児童発達支援につきましては県内 127 か所、主たる対象者としまして重症心 身障害児者を対象とすることを掲げているところが 15 か所、放課後デイにつきましても主 たる対象者の障害種別として重症心身障害児者を対象とすることを掲げているところが 211 か所のうち、15 か所ございます。児童発達支援センターにつきましては県内に 29 か所 ございますが、こちらについては医療型、福祉型の考え方がございますが、医療型が県内 9 か所ということで、こういった所で重心の方がサービスを受けられているという状況です。 その次ですけれども、これらのサービスにつきまして県の方で補助制度がございます。 重度障害児等通所事業所特別支援事業補助金、長い名称ですけれども医療的ケアを必要と するような方の通所先確保という目的で経管栄養や痰の吸引等が常時必要な方のケアをし ていただくために、看護師による医療的ケアを実施している場合にその人件費の部分につ いて補助をするというものです。県単事業として 23 年度から実施していますが、どこの事 業所でも、という訳ではなく、千葉市、船橋市、柏市を除いてあらかじめ市町村の方に届.
(8) け出ていただく必要があるのですけれども、そういった事業所に日額 9,825 円と、実際に 支出した対象経費のうちいずれか低い方という基準に基づいて補助をさせていただいてお ります。現在のところ制度化されているのは市川、松戸、浦安の3市ですが今後事業が広 がることを考えております。 それから次のスライドですが、こちらは短期入所に関わる県の補助制度ですが、短期入 所の補助金の一つのメニューということで、他にも単独型や強行を受け入れている事業所 へのものもありますが、こちらのスライドに出しておりますのは重症心身障害者、児を受 け入れている短期入所施設への補助ということで、民設民営の福祉型の短期入所事業所で、 政令指定都市を除きますが、県内の重症心身障害児者を受け入れていただいた施設に補助 をしております。対象事業者はあらかじめ県の方に届け出いただく必要があるのですが、 届け出いただいた事業所に対して終日利用であれば 1 日 5,500 円、夜間であれば 4,000 円 というような単価で補助をさせていただいております。こちらについても現在のところ 5 市1町と限られておりますが、こういった制度を設けているところでございます。 つぎに入所に関わる部分ですけれども、入所については医療型障害児入所施設がござい ます。医療型ということで当然人員配置に医師看護師等医療スタッフを備えていただく、 こちらについては後程、触れますが、柏市に今年度 4 月1日に東葛医療福祉センター光陽 園さんが出来ました。ということで現在 7 カ所、定員 502 名ということで設定をさせてい ただいています。その下に入所待機人数 66 名という人数は標記させていただいております が、県の方で毎年障害福祉サービス利用待機者調査というのを行っておりまして、市町村 や児童相談所が把握している数字を積み上げていくものですが、なかなか全体数の把握が 難しいのですがこれでいくと昨年の4月で 66 名、しかし光陽園ができたことで東葛方面の 待機者が改めて掘り起こされたということで、今現在光陽園さんだけでも 40 名以上待機者 がいるということですので、これは本当に一部の数かなということで理解しています。 続きまして、これが重心の施設の分布図ということで、旭の方の聖母療育園さん、千葉 市桜木園さん、千葉東病院さん、下志津病院さん、千葉リハビリテーションセンター愛育 園さん、それから今回東葛の方に光陽園さんができたということで、まだまだ地域的な偏 りはございますがこのようになっております。それから光陽園さんの簡単な紹介ですけれ ども、社会福祉法人創仁会が作られた東葛医療福祉センター光陽園で、所在は柏市の酒井 根、開設は平成 26 年4月1日、定員としましては計画の定員は長期 70 名短期 10 名という ことですが、開所時の定員としましては長期 30 名となっております。この 30 名となって いる理由としては看護師の方が不足している、看護師の配置基準の関係でなかなか病床数 が増やせない、看護師の方が増えれば病床数が増やせて結果として多くの利用者の方にご 利用いただけるということで、県としましてもこちらの施設の立ち上げに関して支援をし ておりますので、ぜひ皆様の中でもお知り合いの看護師さん等がいらっしゃいましたら、 お声をかけていただければと思います。それから、通所の方で県単の補助制度の話をいた しましたが、スライドにはないのですが入所についても県の支援がありまして、重症心身.
(9) 障害児者の方の受入れに対する補助制度が、何件かございますが、ございます。 それからスライドにあります障害児支援の在り方に関する検討会ということで、国の方 で 26 年の 1 月に有識者、関係者による検討会というのを設置して、今後の障害児支援の在 り方について検討しております。計 10 回の議論を重ねて 7 月 16 日の段階で厚労省の方に 報告書が提出されたということで、検討内容はここに上げました①から⑤、地域における 「縦横連携」を進めるための体制づくりですとか、ライフステージごとの支援の充実等で すが、これらの中で重心の方への部分については、たとえば重症心身障害児者等に係る在 宅医療等の連携ということで、重心を支援するコーディネーターの配置ですとか、重心の 支援センターの設置などが提言されています。あるいは入所施設においては児者一貫した 支援が望ましいということで、障害児入所施設と療養介護が一体的な施設運営ができるよ う、今は特例措置となっていますが、恒久的な制度になるよう提言が行われています。こ の報告書を受けまして厚労省の方としましては、27年度の報酬改定や今後障害者総合支 援法は25年に施行されていますが、施行3年後の見直しを行う際に、あわせて制度の見 直しをしてきたいと考えております。また、県の方としましてもそうした動きを踏まえて、 また対応を考えていきたいと考えております。 続きまして駆け足ですが、2つ目のテーマとしまして、小児等在宅医療連携拠点事業で すが、これは先ほどのとおり国の方で平成 25 年度から開始したモデル事業です。25 年度は 1億 6,500 万、26 年度 1 億 5,100 万と予算化され行われているものです。NICU 等から在 宅に移行される小児等の方々が、在宅で必要な医療や福祉が提供されて、地域で安心して 利用できるよう福祉や教育まで含めた在宅療養を支える体制を構築していこうというもの で、少し細かいのですが左下にある 6 つの大きな柱に基づいて事業を行っています。25 年 度は千葉県を含めて 8 つの都道府県が採択されました。この事業がそれぞれ単年度の事業 ということで 26 年度についても改めて申請を行うようにということで、申請を行って 6 月 6 日になって今年度についても改めて千葉県が採択されています。今年度は 1 件増えて 9 件が採択されています。参考までに申し上げますと、群馬、埼玉、千葉、東京、長野、三 重、長崎、それから神奈川ということで、今年神奈川が加わったことで東京、埼玉、千葉、 神奈川と一都 3 県にまたがったことで国のモデル事業としてはどうかというのはあるので すが、こういったモデル事業を行っているところであります。特徴的なことといたしまし て、他県はすべて医療の方のセクションが実施主体となっておりますが、9都県のうち千 葉県だけ福祉の方が実施主体となっております。千葉県は 25 年度まで障害児等支援訪問看 護センター事業というのを県単で行ってきた経緯がありまして、それを引き継ぐ形でこの モデル事業を行いたいということです。それから重症心身障害児の医療的ケアについて事 業を進めたいということで、国が言っている小児とは重心だけではなくてもっと幅広い物 ですけれども、千葉県としてはそういった形で福祉的視点からこの事業に取り組みたいと いうことで障害福祉課が手を挙げて採択をうけたものです。採択後、7 月に 9 都県が集まっ て各県の事業説明があったわけですけれども、私は出席できなかったのですが、国の方か.
(10) ら高い評価を受けた、事業の進め方、進行管理、全県的な事業の実施、特定の事業所だけ ではなく全県的な取り組みを行っているということで高い評価を受けたということで聞い ております。この事業は県が手を挙げて採択を受けているのですが、実際の事業の実施は 県の方で課題の整理ですとか、進捗管理、事業自体は船橋市にあります医療法人麒麟会さ んのほうで行っていただいているものです。 では、その内容について説明しますが、まず 25 年度の事業について簡単に説明いたしま す。25 年度は年度途中から開始したので限定的ではあるのですが、在宅生活の円滑なスタ ートに向けた支援・取り組みということで、在宅医療に関する社会資源を集めて、ウェブ 上の「つながろうマップ」という形で掲載をしています。また、保護者の方に対するいろ いろな Q&A をまとめた、子どもの在宅療養 Q&A というものを作成し、配布しています。 これもホームページの方でもご覧いただけます。それから、専門職種への実践力向上とい うことで訪問看護師の育成研修であったり、相談支援専門員のガイドラインの作成をして おります。それから、地域ごとの他職種共同支援の実践ということで木更津、あるいは朝 日のような各地域においてシンポジウム・ワールドカフェ・各種研究会等を行っています。 それから、医療機関と地域を結ぶ取組ということで、医師による実践報告会、あるいは 医療機関における一時支援等を行っています。この中で特に特徴的なものとして相談支援 専門員というのが重要なキーパーソンになるだろうということで、先ほどの通りサービス 等利用計画書の作成をしていかなくてはならない部分があり、その福祉的な面からの必要 性、福祉と医療をつなぐキーパーソンになりうるだろうということで、相談支援専門員の 方々が医療的ケアの必要な超重症児、準超重症児の方に対して対応ができるようにガイド ラインを作成して、今年度もこのガイドラインを作って研修を進めていきたいと考えてお ります。千葉県の事業目標としては先ほどの通り、県内全域に置いて関係機関、関係者を 含めて進めていきましょうというのが目標です。次に先ほど国のポンチ絵があったのです が、こちらは県の方で作成いたしましたポンチ絵です。国の絵の方でも相談支援事業所と いうのが出てくるのですが、当然のことながら国の方は訪問診療、訪問看護、医師、看護 師の役割というのを重要に位置付けているのですけれども、それに加えて千葉県としては 相談支援専門員、右側の方の真ん中、青い枠で囲ってありますけれども、この方の役割と いうのを期待しています。左の方に市役所等行政とか地域との橋渡し、真ん中の上の方は 在宅支援のサービスの利用、右の方であれば入院とか入所、施設との連携、下の方は短期 入所、真ん中の下は教育とか療育機関との連携、こういったものとの連携ですとか調整に 役割を果たしてくれるのではないか。もちろん相談支援専門員一人がすべてできるわけで はありませんが、こういった方になるべく医療行為の重要性や内容をご理解していただい て、こういった形で調整が出来ればと考えております。相談支援専門員というのは一定の 実務経験がある方で、県の研修を受けて相談支援事業所に配置されるわけですけれども、 介護でいうケアマネに相当するのですが、医療関係者の方には相談支援専門員という名前 だけでは聞いたこともないとか、中身がどんなものかわからないという方も多いというこ.
(11) とですので、まずは医療関係者との方とのネットワーク作りということも重要なことと考 えております。続きまして 26 年度の事業ということでざっと紹介させていただきたいと思 いますけれども、まず左上の青いところで地域医療・福祉資源の把握と活用ということで、 先ほどの通り社会資源マップを昨年作りましたが、今年度はさらに短期入所の情報ですと か、喀痰吸引のできる事業所、喀痰吸引のできる事業所は徐々に増えてきていますが、小 児の方を対象とした事業所というのはまだ限られているということなので、そういった事 業所について把握して公開してこうと考えています。それから 2 番目の赤いところですが、 在宅医療資源の拡充と専門機関との連携ということですが、まず八千代医療センターさん にご協力いただいて、合同の公開カンファレンスというのを 3 回行います。それから、訪 問診療医の実践報告会ということで、こちらは県の医師会、こども病院さんのご協力をい ただきまして訪問診療医と医療機関の医師の方とのネットワーク作りを目的として、やは り 3 回、8 月、11月、2 月の 3 回、こども病院さんの方で開催をさせていただくものです。 それから、その次の3は訪問看護師の人材育成ということで、これもメニューがいろいろ ありますが、超重症児のアセスメントの研修、新規の申し込みを含めた研修を行います。 それから 4 つめとしまして、医療機関看護師と訪問看護師とのネットワークの構築、5 つめとしまして千葉市と協働し短期入所機関の創出とありますけれども、新たにできた短 期入所施設への支援等に関わる者です。6 点目としましては、今回お配りした資料の中にも チラシをつけておりますけれども、相談支援専門員と医療機関の MSW とのネットワーク 作りということで 10 月 31 日に、やはりこの県の教育会館で「つながろう会」というのを、 開催を予定しています。 それからその下、緑色のところですけれども地域の福祉・行政との連携も重要だという ことで、まず一つ目は保健師の研修ということで在宅療養をされている方の一般相談の窓 口としては保健所の保健師さんが非常に重要な役割を持つということで、保健師の方へも 医療的ケアへの理解を深めてもらおうと新たに実施したいと。それから②ということで他 職種事例検討会、こちらも資料の方につけさせていただいておりますが、相談支援専門員 であったり、行政の関係者、医師、訪問看護師の方の医療関係者の方、あるいは興味をお 持ちの先生方も含めていろいろな職種の方にお集まりいただいて、事例検討会を開催した いと思います。9 月から県内 7 カ所で実施いたしますので、よろしければご参加をいただけ ればと。それから先ほどの相談支援専門員を対象とした研修、市町村との連携会議という のを行ってまいります。それから次のスライドですが、患者家族への個別支援・学校関係 者への理解促進・負担軽減ということで、まず 1 点めとしては当事者家族への相談支援の 提供ということで、これは麒麟会さんの方で実施いたします。次にシンポジウムの開催、 これは 1 月になりますが、千葉市の方で患者、家族、学校関係者の方を対象としたシンポ ジウムを実施いたします。それから、特別支援学校の先生方との意見交換会ということで 卒後支援というテーマで現状のかかわりについて意見交換を予定しています。それから校 長会、教頭会との意見交換というのも実施したいと思っております。それから、その下が.
(12) その他の事業とありますが、千葉大学の看護研究科と合同で、同行訪問の研修プログラム の開発、喀痰吸引の基本研修、3 号研修というものですが、これについても喀痰吸引ができ る方が不足している地域の市町村等と連携して研修を実施していきたいと考えております が、これについてはもうすでに多くの方の応募をいただいているところです。それから 3 点目が医療的ケアのあるお子さん、特に重症児のお子さんに対応できる福祉職、介護福祉 士等の方の人材育成をしていこうということで、これにてついては千葉リハビリテーショ ンセンターさんに協力いただいて実施をしていくものです。ざっと以上のような事業を、 盛り沢山ですが行いたいと考えているものです。 今の説明と重なる部分もあるのですけれども、千葉県独自の取り組みということで改め て整理をしなおしたものがこちらですが、まず独自の取り組みの一つとしては相談支援専 門員の人材育成、昨年度作りましたガイドラインを基にしまして医療的ケアというものに ついての研修をしていく。初心者というのは相談支援専門員としてではなく、小児等に対 する医療的ケアに対して積極的にかかわってこなかった方、そういった方についても研修 と、その下にリーダーというのは主任ケアマネというのではなく、こちらについても小児 等の医療的ケアについて経験が豊富で指導ができるようなかたを各圏域ごとに人材を育て て配置をしていきたいということで、新しい方、経験のある方を含めて研修を行っていき たいということです。それから千葉県独自の取り組みの二つ目としまして、これも当然の ことですが在宅の中では訪問診療医、訪問看護師の役割が非常に大きいということで、先 ほども出てきましたが千葉大の方と連携した人材育成のプログラム、千葉県看護協会と連 携したしまして新卒看護師育成プログラムとありますが、これは訪問看護師の育成を看護 協会さんがされているのですが、その中でも小児等の訪問看護をできる方の育成を一緒に 取り組んでいくというものです。それから集合研修と同行訪問、右の方で訪問診療医療関 係機関医師との合同カンファレンスの実施です。それから主な取り組みの 3 点めとして、 市町村の参加による事業で、他県ではどうしても限定的な取り組みになるのですが千葉県 ではなるべく市町村を絡ませて、広域的な取り組みをしたいということで喀痰吸引の研修 を市町村と連携して行う、市町村との連携会議を行っている、こういったことが特徴です。 以上、ちょっと駆け足ですが私からの説明です。先ほどの通り、資料の中に若干ですが今 後行う研修の案内を載せさせていただいております。関心のある方は、お申込みについて は麒麟会さんのホームページからお申し込みの方ができますので、そちらのほうからお申 込みをいただければと思います。以上、まとまりませんけれども私の方から説明をさせて いただきました。ありがとうございました。 【総合司会. 高柳】. 澤田さん、どうもありがとうございました。二つのことについてお. 話をいただけたということですが、千葉県における重症心身障害児者にかかわる施策、そ れから今行われている千葉県の小児等在宅医療連携拠点事業についてお話しいただけたと 思うのですが、なにかご質問はありますか。.
(13) 【総合司会 山本】 相談支援専門員の分野は大変重要だと思うので、25 年度からずいぶ ん県の方で事業を進めていただいてありがとうございます。そこでちょっと出てきた、病 院と相談支援専門員との連携を深めていくというところで、10 月にこちらで研修を行うと おっしゃたでしょうか。それ以外にもうちょっと相談支援専門員と病院との具体的な試み は他にもあるのですか。 【千葉県. 澤田】. 他職種の中でそういったネットワーク作り、顔の見える関係づくりと. いうのはできると思いますので、事業が盛りだくさんなのですが、いろいろな場面で相違 したことをしていければと思っております。 【総合司会 山本】 だいぶ、この 2 年前に作った重症心身障害児者地域生活支援ネット ワーク協議会の目的とかなり、今の県のものがダブっているところもあるので、その辺を ちょっと今後私の方でもどうやって調整して県と協力して、たぶんそちらのほうに交じっ ていく方が効率的なのかなと思っているのですが。 【千葉県. 澤田】. ただ、私どもは本当に福祉ということで視野が限られているところも. ありますので、逆に教えていただければと思います。 【総合司会. 山本】. はい。また、協力して何かやっていきたいと思っておりますけれど. も、他に会場から何かありますでしょうか。 【総合司会. 高柳】. よろしいですか。あとでも演者の方に全員あげっていただいて総合. 討論をしますけれども。私からちょっと一つ。私は行政のことはちょっとよくわからない のですけれども、この特別支援事業補助金が、実施しているところが非常に限られている というのは、各市町村の財政事情によると理解してよろしいのでしょうか。 【千葉県 澤田】 はい、おそらくそうかと。 【総合司会. 高柳】. これは強制的にやれとかそういうことではなく、そういうことには. ならないのですか。 【千葉県 澤田】 はい。 【総合司会. 高柳】. ならないのですね。県としてはもし市町村さんがこういうことをや. るなら半分補助するとか、三分の一を補助するという、そういう話になるのですね。.
(14) 【千葉県 澤田】 はい、使えます。 【総合司会. 高柳】. 実施するとしたら各市町村の権限といいますか、決める事というこ. とですね。では、各市町村をやらせるように仕向けるにはどんな方法がありますか。県の 方からいうのはあれかもしれませんが。 【千葉県. 澤田】. 県の方は市町村を集めて会議等で案内をするということはさせていた. だいておりますが、やらせるというのはなかなか難しいところがあるのですが。 【総合司会. 高柳】. たとえば、こういう会があるわけですけれども、こういう会で何か. 陳情するとか、そういうような話はできるのでしょうか。 【千葉県. 澤田】. はい。もちろん県の制度を使わず市単でやっていただいてもいいので. すけれども、さまざまな市町村さんに声を上げていただくというのは、一つの方法かと思 います。 講演2【千葉市. 保健福祉局高齢障害部. 障害企画課. 課長. 根岸】. ただいま、ご紹介. いただきました千葉市障害企画課の根岸と申します。時間も限られておりますので、早速 発表に入らせていただきたいと思います。本日発表いたしますのは、昨年度医療的ケアに 関する実態調査を行いましたので、その概要についてお話をさせていただきたいと思いま す。お手元の資料で確認していただいて、1 番目が実態調査の結果ということで、その次に その実態調査を踏まえまして今年度実施することになりました、喀痰吸引等研修支援事業 と短期入所空き状況公開、病院等における短期入所実施支援について、それと桜木園にお ける1、2 号研修を実施することになりましたのでその内容についてご説明したいと思いま す。そして、最後の実態調査を通じて感じました事を皆様にお伝えしたいと思います。 最初に実態調査の結果ということで、昨年度医療的ケアについて実態調査を行いました けれども、この調査を行いました背景といたしまして、社会福祉士及び介護福祉士に関す る法律の一部改正が行われまして、平成 24 年 4 月から一定の研修を受講したヘルパー等が 医療的ケアをおこなえるようになったということです。この後、制度改正という言葉で説 明させていただきますけれども、そういった制度改正が行われたのですけれども、医療的 ケアの行われる人員というのがなかなか増えない、そうしたことから今後の対応を検討す るにあたって医療的ケアの必要な方の実態や、居宅介護などの事業所の意向を把握する必 要があったということでもって、調査の背景ということでございます。対象なのですが、 調査は2種類実施したしました。一つは医療的ケアを受ける側で重心障害児者とその家族 を対象としたもの、もう一つは医療的ケアを実施する側で居宅介護の事業所を対象とした.
(15) ものです。まず最初に、本人及び家族を対象としたものですが、千葉市の実施する調査と いうことですので市内在住の方を対象としております。目的につきましては医療的ケアに 関するニーズや本人及び介護者の生活状況の把握をするというのでございます。期間は昨 年の 5 月13日から 5 月24日です。調査の方法としましては、千葉市重症心身障害児者 を守る会に医療的ケアを必要とする方を抽出していただきまして、アンケート用紙の配布 をしていただいたということです。回収につきましては無記入方式で郵送にて行ってもら うというものです。調査内容といたしましては、本人の障害程度の状況や介護者の年齢や 実施する医療ケアの内容について、介護を行う上での不安や休息の状況、利用しているサ ービス、足りないと感じるサービス、ヘルパー等による医療的ケアに関するニーズなどと なります。回収率ですが、171 配布いたしまして 71 の回収がございましたので、44.4%と いうことになります。ただし、回収いたしました 76 件のうち 12 件は医療的ケアを有さな い方であったため、残る 64 件についてアンケート結果としてまとめました。その結果明奈 になったことなのですけれども、介護者の方は休息をとれずに将来に不安を抱えていると いうことでございます。まる一日介護から離れることが出来たのは一年以上前というのが、 26.6%にあたります。介護を始めてから一度も休めていないという方が 21.9%おられまし て、あわせて 50%弱の方が長きにわたって休息をとれない状況にある等いうことがわかり ました。また、現時点では介護を続けることは可能だけれども、将来を考えると不安であ るとするのが 65.6%、このままでは介護を続けるのが難しいという非常に切迫した要件も 9.4%ございました。明らかになったことの 2 点目ですけれども、医療的ケアを行うサービ スが求められているということでございます。制度改正のよってヘルパー等が医療的ケア を行えるようになったことを知っている方は 70%を超えているという状況です。喀痰吸引 や経管栄養を実施している方 50 人からの 78%の方が今後医療的ケアのサービスを利用し たいと回答しております。それと短期入所のニーズが高いが不足しているということが明 らかになりました。短期入所に関するニーズなのですけれども、月 1 回程度でいいから利 用したいという方が 43 人、 数か月に 1 回でもいいという方が10 人いらっしゃいましたが、 現実は月 1 回利用できている方は 10 人数か月に一回という方は 15 人、年一回という方が 13 人で一度も使ったことがないという方も 7 人、いらっしゃいました。これらの結果から、 介護者の負担軽減を図るために環境整備と、短期入所実施事業所の箇所数の増加、そうい ったことを図らなければならないという課題が明らかになりました。続きまして、医療的 ケアを提供する側になりますが、事業所の実態調査についてでございます。対象は市内の 居宅介護や生活介護などの指定障害福祉サービス等の事業所になります。目的は医療的ケ アの取り組みに関する以降の把握で、期間は昨年の 5 月 17 日から 29 日の間になります。 調査方法は FAX やメールにより配布回収を行ったということになります。調査内容としま しては法改正によってヘルパーが医療的ケアの提供が可能になったことが知っているかど うかということと、特定行為事業者としての登録申請の意向、登録申請しない事業所へ申 請しない理由を聞くものとなります。ここでちょっとヘルパーが医療的ケアを実施する場.
(16) 合の要件について、ご説明させていただきますけれども、医療的ケアを提供するためには まず、当該職員のヘルパーが研修を受け、都道府県から認定を受けることは必要になりま す。それだけではだめでして、あわせて所属する事業所も都道府県から医療的ケアの実施 できる事業所だということで登録されているということが必要となります。前に戻りまし て 2 番の特定行為事業者の登録申請というのは、医療的ケアの実施ができる事業所として 申請する意向があるのかどうかというのを確認するもので、③がその申請をしない理由を 確認するというものでございます。回収率ですが、315 事業所に配布いたしまして、81 事 業所から回答がありましたので、25.7%となります。この結果、明らかになったことですが、 制度改正につきましては 90%近くに事業所が知っていたということです。それと 81 ある事 業そのうち 56.8%にあたる46 事業所が登録申請する予定はないと回答しております。そ の理由を複数回答でお伺いしましたところ、事故のリスクが大きいというのが 22 事業所ご ざいました。次いで、利用の見込みが立たないという事業所も 21 ございました。このうち、 利用の見込みが示されれば検討したいという事業所が 10 事業所ございました。このほか研 修等の費用が負担なのだという風に回答された事業所も 9 事業所あるということがわかり ました。以上が実態調査の結果の報告となりますが、千葉市障害企画課のホームページに 掲載しておりますので、関心がございましたらご覧いただければというふうに思います。 この調査結果を踏まえまして実施することとなりました事業についてご説明いたします。 まずは喀痰吸引等研修支援事業でございます。目的としましてはヘルパー等が 3 号研修を 受講する際に係る費用の助成を実施することにより、医療的ケアを実施できる者を増やし ていこうとするものございます。ここで喀痰吸引等の研修について説明させていただきま すけれども、医療的ケアの研修は 3 種類あります。根拠法令の規定から俗に 1 号研修、2 号研修、3 号研修ということで呼ばれています。1 号研修と 2 号研修は誰に対しても実施で きるのですが、2号研修に関しましては気管カニューレ、経鼻経管栄養に関しては実施で きないということになっております。これに対して 3 号研修は特定の方にしか医療的ケア を実施できないことになっております。 つまり A さんに対して医療的ケアを実施する場合、 A さんに使用している機器を使用しまして、A さんのためだけの研修を行うもので、研修を 終了しても A さん以外へのケアはできないことになっております。1,2号研修と3号研 修も基本研修と実地研修からなっておりまして、基本研修は知識習得のための講義形式の ものとシミュレーターを利用しての研修がございます。実地研修はその名の通り実地にケ アを行い、手技を身につけるものでございます。前に戻って、本事業が対象とする事業は 3 号研修だということになります。助成対象につきましては、市内在住の障害者に医療的ケ アを行うことを予定している事業所ということになります。事業内容としましては、受講 内容の二分の一を助成するというもので、上限が設定されております。上限はご覧のとお りとなります。6 月までに実績なのですけれども、助成決定件数ですが、32 件となります。 助成を受けた受講人数は28名となります。この助成を通して医療的ケアを受けられるこ とになった人数は8人、申請された事業所の数は5事業所ということで、このうち2事業.
(17) 所は新たに医療的ケアに取り組んでいただけるようになったものでございます。今後も新 規に取り組んでいただける事業所を増やせるよう、お声掛けをしていきたいなと考えると ころでございます。続きまして短期入所の空き情報の公開でございます。これは昨年度か ら取り組み始めた事業でございますけれども、事業概要としましては千葉市のホームペー ジにおきまして重症心身障害児者の受入れをしている短期入所事業所の空き情報を公開す るものです。アドレスはご覧の通りになっております。アクセスいただきますと、千葉市 内にある4事業所に関してご案内をしております。2 事業所は空床利用のため、空き情報を 教えるのは実質的には2事業所になりますけれども、リンクをクリックしていただけます と空き情報を確認できるということになっております。 次に病院等における短期入所実施支援についてでございます。この事業はこれから取り 組むものですが、その事業の概要につきましては、市内の民間医療機関に医療的ケアが必 要な方の受入れを行う空床利用型の短期入所を行ってくれるように依頼するというもので す。この依頼を受けて短期入所を実施する事業所には、必要な知識を習得するための講座 を開設して、講座を受講して人員基準ですとか設備基準ですとか報酬額について確認して いただこうというものです。ただ、これはあるドクターから言われたのですけれども、経 営的な観点から民間病院に協力をいただくというのは難しいのではないかなとご助言をい ただきました。確かにお話を聞いて実績を作るというのは難しいのかなと思いますけれど も、医療的ケアを必要とする方の窮状を知っていただく良い機会かなという風に考えてお りますので、市内の医療機関に声かけをしていきたいと思います。 次に桜木園で実施いたします医療的ケアの研修の実施についてでございます。こちらの つきましては重症心身障害児者入所施設であります桜木園におきまして、1、2号研修を 県から委託をうけまして実施するというものでございます。対象は県内の特別養護老人ホ ームや障害者児の施設等の介護職員などで、定員は 50 人となっております。期間は今年の 8 月25日から来年の 1 月31日までの間ということでもって、千葉市ビジネス支援センタ ー、この近くのきぼーるというところに入っているセンターになりますが、それと千葉市 桜木園で行います。研修内容と受講費用はごらんのとおりとなっております。最後に実態 調査を通して感じたことを所感として述べさせていただきたいと思いますけれども、医療 的ケアの負のスパイラルということで右下のところに書かせていただいておりますが、医 療的ケアの実施者が見つからないということでもって、じゃあ自分たちでやるしかないと 思ってしまうご家庭が多いと感じました。そうなってしまいますと、ニーズが潜在化して しまうということで、ニーズが見えなくなってしましますので、事業所の方は医療的ケア の受容がないのだということでもって思い込んでしまいまして、あえて自分らで取り組ま なくてもいいんじゃないか、ということでますます事業者が増えないということになって しまいます。そうするとまたさらに自分らでやらなくてはいけないとなり、諦めが広がっ てしまうという状況に陥ってしまっているという風に感じられました。そうしたことから、 医療的ケアに取り組んでいるご家庭にはあきらめないでほしいなという風に考えておりま.
(18) す。あきらめて声を上げることをやめてしましますと行政や事業所というのはニーズがな いと思い込んでしまい、皆さんの思いが実現するということは決してないと思います。ま た、個人ではなく守る会を通してみんなで要望するということが重要かと思います。個人 レベルの要望というのはなかなか聞き入れられませんで、集団でもって声を出していくと いうのが大切となります。特に重症心身障害の方は全障害の中でも、マイノリティに属す るものなので会を通じて、声を大きくして要望していくことが有効だというふうに考えま す。それから、根拠を示して要望していくことも大事となります。行政には様々な要望が 寄せられますので、どの要望が優先度が高いのか、あるいは事業化する場合、どのくらい の規模になるのかというのを考慮しなければなりません。ですので、要望は擬態的に数字 などを示して行っていただきたいなと思いっています。それと最後に粘り強く要望してい くことが大事かなと思います。今年は事業化することがたくさんあって無理であってもよ く年度は予算化ということもかなうかもしれませんし、また人事異動で理解のある人や熱 心な人が担当となり要望の実現に大きく力を貸してくれるかもしれませんので、あきらめ ずにみんなで根拠を示して粘り強く行政と付き合っていただきたいなということをお伝え いたしまして、私の発表は終わりにさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。 【総合司会. 高柳】. 根岸さん、どうもありがとうございました。いくつかご発表いただ. きました。実際に会議をしている人たちのお気持ちとか、特に吸引とか医療的ケアに対す る事業者の考えている実態、それから今千葉市がやられている短期入所の空き状況のシス テム化された公開、今後行われる桜木園での 1 号 2 号研修とか、いろいろあったと思いま すけれども、どの話題でも結構です。ご質問ございますでしょうか。 【会場. 来場者A】. 実態をよく知らないので教えていただきたいのですが。診療所の. 医者をやっております。この 1 号2号の研修の件ですが、実際にこれは現在のホームヘル プをやっている人たちに 50 時間の研修時間でもって 4 万円の費用を払って、この研修を受 ける様にというシステムなのでしょうか。 【千葉市 根岸】 そうです。そういうことですね。 【会場. 来場者A】. そうするとその人は、たとえば私がヘルパーでしたら実際には地. 域の利用者さんのところに行ってホームヘルプ活動をしているわけですけれども、それを いったん休んで研修を受けるわけですよね。しかもかなり長い時間、そうすると個人とし て収入はどうなっちゃうのだろう、4 万円の負担はだれが払うのだろう、事業所としても受 けている介護の利用者さんのところのそのヘルパーさんが休む間にだれか代わりの人を送 らなくてはいけないけれど、その保証はどうするのだろうとか、これはヘルパーさんがこ の資格を取りたいと思っても、事業者が自分のところのヘルパーさんにこういった資格を.
(19) 取らせたいと思っても実際にはなかなか実現が難しいハードルなんじゃないかという気が するのですが、現実にはこれはどうやって運営される仕組みなのでしょうか。 【千葉市. 根岸】. はい、これは個人の申し込みではなく事業所で申し込むということ. になっておりまして、確かにおっしゃる通り研修を受けている間、穴が開いてしまします ので実際のヘルプ事業に困難をきたすということもあり得ますので、そのへんは事業所の ローテーションをうまく作ってもらって、場合によっては非常勤の職員を雇っていただい て、ヘルプ事業に支障が出てしまっては本末転倒なので、そういった支障がない形で受講 をしていただきたいなと考えております。実際にそういった形でもって受講をさせている のではないかと思っています。 【会場 来場者 A】 その場合、事業者として 4 万円の受講料以上に正直かかるのです よね。代わりの人を雇って穴を埋めなければならないとしたら、現実には先ほど 3 号研修 で半分の援助負担があるという話がありましたけれども、この 1 号 2 号の研修にも事業所 になんらかの助成がないと、正直事業所としては職員に 1 号 2 号の技術を持ってほしいけ れどもちょっと援助なしで出すのは厳しいという判断があるのではないかなという気がす るのですが、そこらへんはいかがなものでしょうか。 【千葉市 根岸】 そうですね、確かに 1 号 2 号研修の場合、3 号研修に比べて費用負担 が大きいものになっているのですが、この 4 万円というのが、実は県からの委託を受けて いるので、これでも安くなっているものなのです。本当は 10 万とかそのぐらいのお金がか かる事業でございまして、その辺は広く医療的ケアが実施できるということでもって、3 号 研修より非常に好意律的だということでご理解いただいて受講をいただければと考えてお ります。 【会場 来場者B】 このアンケートを回答させていただいた家族の中の一人です。2 月 に桜木園でこのアンケートの結果の説明会に出させていただきまして、とてもいい内容だ なと思って聞きました。ただいま 3 番目と 4 番目の項目についてですけれども、3 番目の短 期入所空き情報で、このように空き情報がシステム化され見やすくなったことはとてもい いことだと思うのですけれども、実際利用者の側としましてはリンクの空床状況へという のを押しますとただ今万章ですという情報しか見ることが出来ないので、やはりこの 4 番 目にあるますように市内の民間医療機関に受け入れを行ってもらうように今後依頼してい けるようにしていきますと、これも 2 月にお話が合ったのでとてもいいことだなと思って いるのですけれども、実際先ほどのお話で病院の先生方にちょっと難しいのではないかと いうお話があったということでしたが、ぜひ利用者側の方といたしましては粘り強く市の 方からの働きかけを継続していっていただきたいと思っております。こういった進捗状況.
(20) というのは今後どちらかの方で、今こうなりましたといった情報というのはお聞きしたり 見たりというのはできるのかどうか、質問させていただきたいと思います。 【千葉市. 根岸】. 民間病院での短期入所の実施ということでしょうか。そうですね。. 特に今のところ応じてくれたところがここですよと公開する予定はございません。実際に 短期入所が始まった際には、空き情報の公開の中に入れ込む型になるのか、その辺は工夫 したいと思いますけれども、現在のところ公開の予定はございません。 【会場. 来場者B】. 現在は実際どこも決まっていないということですが、決まりまし. たら 3 番のような形で公開していただくというようなことでしょうか。 【千葉市. 根岸】. ただ、実施が空床利用というようなことでもって入院した方が一時. 的に帰宅したところを使っての短期入所となるので、ホームページでの公開はやはりちょ っと難しいかなと、今。 【会場. 来場者B】. そうですか。どこかで公開していただかないとさっぱりわからな. いので。 【千葉市. 根岸】. そうですね。皆様へのご案内というのはちょっとこれから工夫して. 考えたいと思います。 【会場 来場者B】 ぜひ前向きによろしくお願いします。ありがとうございました。 【総合司会. 山本】. すみません、私から。今の空床利用のところの件なのですが、愛. 育園にしろ、千葉東病院にしろ、下志津病院にしろ、空床利用型ということにはなってい るのですが、ほぼ空床利用型の定数は決めて運用しているところなのですなので、この空 床利用型で表示できないということですが、実際には表示できるのではないかと思うので、 うちなんかも出してくださいと言われれば状況をお知らせすることはできますたぶん、愛 育園もそうだと思うのですが、一番利用頻度が高い愛育園とかが具体的に情報がわからな いと、たぶん利用者の方もぜひわかりたいと思っていると思いますので、この辺を愛育園 と相談していただいて、ぜひのせていただけるようにと思います。また、私どもの千葉市 ではないのですけれども、千葉市の利用者の方も結構多いので、もしも一緒に乗せていた だけるのでしたら情報の方も提供いたしますので、よろしくお願いいたします。 【千葉市. 根岸】. 下志津病院さんの情報は乗せてほしいという要望はいろいろあるの. ですけれども、今病院側と交渉しております。空き情報というのが常にタイムリーに載っ.
(21) ていればいいのですが、ある程度期間を定めて更新するという形になりますので、なかな か空床型の空き情報というのが、事業者側で公開してくれるのであれば可能かとは思うの ですが、市の方でもって情報を集めて公表するのは難しいかなというふうに感じておりま す。 【総合司会. 高柳】. 私の方で一つ。この事業者の方の調査で登録しているのはわずか. 10%という、これは何が最大のあれなのですかね。個人的にはもっと登録しているのかと 思っていたのですが、思いがけず 10%という、これは経営的にペイしないからあまり手を 上げないのですか、それとも危険が多いからなのか、いろいろファクターはあると思うの ですが最大の原因は何だろうとお考えになっていますか。 【千葉市. 根岸】. やはり、登録の予定なしの理由でもわかるとおり、すごくリスクが. 大きいと感じていらっしゃる事業所が多いとかなと考えております。何かあった時にどう しようかなという心配が大きいのかと考えております。 【総合司会. 高柳】. その不安を解消するには宣伝といいますか、教育といいますかを. もっとしないといけない、つまりこの状況ではだめというのはよくわかるのでこれを解決 するには何がいいのか、それとも介護保険とか健康保険の診療報酬をもっと上げたらいい とかは考えらえるかとは思うのですが、何を変えたら登録事業所が増えると考えていらっ しゃいます、実際の現場にいらっしゃって。 【千葉市. 根岸】. 特別支援学校でも学校の関係者が吸痰をやっていたりしますので、. たしかに危険と伴う行為ではあるかもしれませんが、学校の先生でもやっているのだよと いうのをお知らせして、過度な不安を感じないような PR をしていく必要があるのかなとい う風に感じております。 講演3【松永クリニック. 松永医師】. 松永クリニックの松永といいます。スライドに. ありますようにみつわ台で開業医なのですが、最初に言い訳してしますと、決して僕は地 域医療に詳しいとか、重症心身障害児者に詳しいとかは全くないのですね。ごく普通の開 業医です。医者になって 27 年目なのですけれども、僕のオリジンは小児外科医です。19 年回千葉大学医学部附属病院で小児外科医として働いてきました。僕の専門は小児がんで、 小児がんに関しては日本の中でもっとも詳しい医者だと思うのですけれども、仕事の内容 としては小児がんをはじめ赤ちゃんの手術なのですね。小児外科医として赤ちゃんの手術 をしていますと、障害児の生命倫理について考えざるを得ないのですね。私は昭和 62 年に 医者になったのですけれども、昭和 63 年の冬、強烈な体験をしました。千葉の田舎で双子 の赤ちゃんが生まれて、第一子は死産だったのですね。第一子に引き続いて第二子の赤ち.
(22) ゃんが生まれてきたのですけれども、第2子は腹壁破裂という先天異常でした。一般の方 にはまったくなじみのない外科的疾患ですけれども、小児外科医が手術する病気としては 非常に一般的というか、ポピュラーな疾患で、おへそのすぐわきのところに穴が開いてい いてそこから赤ちゃんの全小腸が脱出、飛び出て生まれてくるのですね。従いまして緊急 的に手術をしなければ、感染もおきますし、体温も失われるし、水分も失われてたちまち 命が持たないということで、この赤ちゃんが大学病院に搬送されてきて、われわれはこの 子の腸を全部おなかの中に納めて、手術をしまして、で、これだけ大量の腸が体の外に出 ている状態で手術によって腸をおなかの中に納めると、おなかがパツンパツンになってし まうのですね。で、自分の力では呼吸が出来なくなってしまいますので、手術の後は一週 間くらい人工呼吸器をつけてこの子の肺の力をサポートしてあげるのです。で、手術が終 わってこの赤ちゃんのお父さん、お母さんは産院にいますから両家のおじいちゃんおばあ ちゃんを呼んで、人工呼吸器がつながっていますけれども腹壁破裂はきれいに治りました よと説明をしたのですが、この赤ちゃんには多指症という奇形があったのですね。左右の 指と左右の足のすべて指は 6 本あったのです。で、両家のおじいちゃんおばあちゃんはお なかのことはどうでもいい、服で隠れる傷ですから。だけど指が 6 本あるということが許 容できない。で、両家のご両親とご家族が私のところにきて人工呼吸器がつながっている 赤ちゃんを今すぐ家に連れて帰りたいと、そういう風に言ってきました。それは当然でき ないということで、そんなことをしてしまえばこの赤ちゃんは生きることが出来ませんか ら、我々は一生懸命親族家族を説得して、どうにかこの赤ちゃんを受け入れてもらったの ですね。まあ、結果はハッピーエンドだったのですが。で、20 歳代の若かった私が考えた ことは一人の生命は地球よりも重いと。まあ、このころそう言う総理大臣が日本にいたの ですね。で、もう一つは生まれてきた赤ちゃんの命は親の所有物ではない、赤ちゃんの命 は赤ちゃん自身のものである、言ってみれば非常に単純でそこの浅い、そういった生命倫 理観を持っていたのですね。で、私自身は小児外科医として研鑽をつんで時間がたってい きました。で、32 歳の時ある先天性異常の赤ちゃんに出会いました。ちょうど今から 20 年前の夏です。日曜日だったのです。この赤ちゃんは生まれた時から、泡ぶくのような嘔 吐があって、新生児科の先生が鼻から管を入れると食道のところでくるっと管がひっくり 返るのですね、つまりこの子は生まれつき食道が閉じているのですね。だから当然ミルク は飲めない、一刻も早く手術をしなければいけないわけです。だけれども、顔つきが若干 普通の赤ちゃんと違っていて、超音波でこの子の脳を観察してみると小脳がほとんどない ような形だったのですね。もしかしたらこの子は染色体の異常があるのかもしれないと考 えたのですが、食道閉鎖という病気は待ったなしなので手術をすることにしました。で、 胸を開いて、閉じている食道と食道を縫い合わせました。手術の後は縫った食道を安静に しなくてはいけないので、胃ろうを入れるのですね。胃の中に直接管を入れて、傷が癒え てもすぐには口からミルクは飲ませず、胃ろうから胃の中にミルクを流し込むと。こうい うふうにして手術をしたのです。で、結局この子は翌日が月曜日なのでそろった段階で、.
(23) なんでそういった手術をしたのだと私は非常に責められました。検査するまでもなく、こ の赤ちゃんの顔貌であるとか、指とか足とかそういうのを見れば 18 トリソミーといわれる 先天性染色体異常であることは明らかであると。そういった赤ちゃんに手術をいったい、 していいのかと、非常に問題になってしまったのですね。もちろん急いでこの子から採血 をしまして血液検査をしましたけれども、18 番染色体が 3 本ある 18 トリソミーという状 態ですね。ちょっと余計なことを言いますけれども、人間の染色体というのは 46 本あって 父親から 1 本、母親から 1 本もらって 46 本が完成して人は生命が完成するわけですけれど も、こういうふうに余分に一本あると、理屈はよくわからないのですけれども生命はうま く生まれることができません。トリソミーというのはもっともよくあるのは 3 種類で、一 番有名なのは 21 トリソミー、ダウン症と呼ばれるものです。特徴的なのは精神発達の遅れ があるということです。平均寿命はよくわかっていないのですが、おそらく 60 才くらいだ といわれています。13 トリソミーと 18 トリソミーは生まれてくる頻度が非常に少なくて、 非常に重い多発奇形を伴います。ひと月で半数の子供がなくなり、一年で 90%の子が亡く なると、非常に重篤な先天異常が 13 トリソミーと 18 トリソミーです。1980 年、ちょうど 僕が食道閉鎖の手術をしたころですが、ある大学病院の先生が重症の新生児をどこまでが んばって治療するかということに関して、治療方針を決めるためのクラスわけって発表し たのですね。クラス A というのはあらゆる治療を行う、さっきの腹壁破裂のようなのです ね。クラス D、治療を中止する、たとえばこれはほとんど脳死に近いような患者さんのこ とを言っているのかもしれません、で、ここにクラス C というのはあって一般的養護、つ まり保護、栄養、清拭、愛情に徹するというクラスが設定されて、このクラス C の例とし て 13 トリソミー、18 トリソミーというのが掲げられたのですね。このクラスわけ、一覧表 は大変不幸なことにこのクラスわけが一人歩きのような形で全国の新生児科に広まってし まいました。広まったクラスわけをして、現場の先生たちが判断を停止するような事態が おきてしまったのですね。だから 13 トリソミーや 18 トリソミーを見ると反射的に治療を してはいけないと、そういうような風潮が 1990 年ごろにあったわけです。で、結局、この 食道閉鎖の手術をした赤ちゃんに関しては新生児科と小児科の間で合同会議が持たれまし て、食道閉鎖の手術をしたのは間違いだった、自然に任せなければいけないという方針に なりました。僕は当時すべてのチームの中の一番下っ端でしたから、上司の命令には従い ますので、自然に任せるという方針の元、手術が終わって一週間でこの胃ろうチューブは 抜きました。口からミルクを飲ませるという方針になったのですけれども、この赤ちゃん はあまり飲む意志もなく、その後痙攣も頻発し、呼吸もどんどん弱くなっていきました。 私は非常にこのことに対して疑問を持ちました。やがて時がたって、いろいろな事情があ って僕は大学病院を去って、開業医になりました。この赤ちゃんのことがあってから、あ る日、某総合病院の新生児科の先生から電話がかかってきました。13 トリソミーの赤ちゃ ん、朝陽君という赤ちゃんが生まれました。この子は今、もう生後 7 か月まで育っていま す。この子を病院の中ではなく在宅で見ていきたい、もし何かあった時に地元の主治医に.
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