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自動倉庫計算機制御システム

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∪・D・C・る58.78.011.5占:る81.323]:る29.113-772

日産自動車株式会社相模原部品センター納め

自動倉庫計算機制御システム

Computer

Controlled

AutomaticⅥねrehousing

and

lnformation

SYStem

for

Sagamihara

Parts

Center

of

Nissan

Motor

Coり

Ltd.

The H旧IC-700compute「cont「oIsvstemhas「ecentlygoneintooperationatthe

Sagamih∂「a Pa「ts Cente「.Nissan Moto「Coり Ltd.Withits huge multi-StOried′

∂utOmated warehouse.this Parts Centerserves as∂distribution centerwherep∂rtS

fo「alltvpes of Nissan∂UtOmObilesare control事ed†0rdistribution to after-SerVice

Stations bothinJapan and ab「oad.lnitsscaleand†unctionthisdistributioncenter

fo「se山cepa「ts「anksamongthela「gestinthewoHd.

The HIDIC-700compute「svsteminsta帖d hereisimendedforhigh efficiency.

SmOOth ope「ation of the Cente「pe「fo「m】ng SUCh functbns as supervisln9and

COnt「Olofimentorv.cont「olof10ad hand=ng machinery′dispatching oforders.

excha=g-=g Ofi=fo「matio=With=PPe「0「de「comp=te「S CO=Ce「=1=g Warehousi=g′ disてribuてio=andinvento「y of parts.For this

purpose,thecomputerhasincorpo-「atedsuch

newtechniquesaswa「ehousescheduIing.algo「ithmfo「adjustIngbalance

Ofload between machine「y and workers.tracking and automaticcontroloflGad

hand=ng machine「y′ COmPlicatedinfo「maてion processlng′ COnVenientinq山「v

SyStem.etC. □

言 技術革新による新技術の開発およぴ†各軸化社会における多 様化,サービス惟の向_r二などの社会的ニーズとがあいまって, 耗業界の姿は大きく変わろうとしている。i充適業界や各椎の 製造業をはじめ各産業界の流過部門においても,従来の人手 にたよる方式から,新技術をフルに採り入れた新しい流通シ ステムヘと脱皮すべく,各種の開発が進められている。中で も倉倖と呼ぼれる部分は,i充過システムの1 ̄一桁となる部分で あl),合理化の必要性が大きく叫ばれている。しかし,これ ら流通関係の本格的な亡汁算制御システムは,開発の臼はまだ 浅く,ソフトウェア,ハードウェアともに多くの改良,開発 が進められつつある。/ナ回の日産自動車株式会社相模J京こ絹品 センター(以下,部品センターと略す)のi汁算機制御システム は,多くの新しい技術を採り入れた本格的な自動倉ノ卓制御シ ステムてこ、ある。 凶 部品センターの概.要 2.1 日産自動車株式会社のサービス部品受注出荷システム 部品センターは,自動車補イ倭用部品のサ叩ビスセンタ【で あり,岨内約470J占および海外各地約200J占の販売店に対し 耶一打Ⅰを供給する。この部品センターの吉光明に先だち,まず臼 庵自動車株式会社のサ【ビス部品総fナ管理システムにつきそ の概略を図1によって説Lリーゴする。全国の各販売J占からの注文 の形態は,言E期注文,不左期注文および緊急注文の3種類が ある。定期注文は,各販売店ごとに如月決められた日に注文 書が計算センターに郵送され,不定期および緊急注文は,テ レックスまたは電話により注文が′受け付けられる。これらの 注文品は計算センターでまとめられて,部品センターに送ら 部品メーカーおよび内製部品工場 納入指示 1毒懸㌍蛋・駁触感真車■棚㈱顔 (カード)

納品 棚ぎ泡噺髄噛 (カード) 安島敏夫* 川村忠良* 宅間 豊** 川野正一郎** 高木照夫** 浜田萱蔓*** 都島 功**** 東京本社 HITAC 8400 相模原部品センター HIDK;700 7もぎゐJo 月ノ才mα T(‡dαyO5んi付αぴαm址γd y㍑Jα鬼α m克郎〝lα 〟αざαオcんぎro 方αⅧα乃O mγ加O Tαん8gi +Vo占加ゐ∫γ0 〃α仇αdα ′5αO T㍑ざん∫md 不定期・緊急注文

■轡棚済監艇地軸細販

(テレックス.または電話) 定期注文 (メール) 冗 (リスト) 3号棟自動倉庫管理・制御

「-一十

「 配置卓 出庫 入庫 システム システム システム スタツ如”〃卜川崎確楯え 保 管 エ リアからピッキング 2号様に茎Tずる 2号棟に進Tずる 2号棟自動倉庫管理・制御 先行梱包 システム ク作入先 レ案出行 l指庫梱 ン示棚包

圭冨舅…

ユール作成 ヤ・電動台車の制御 出庫 入庫 システム システム H-TAC8400への検収通一 入庫パレットの格納棚割付 スタッカクレーン・の制御 電動台車・コンベヤの制御 出庫作業スケジュール作成 出庫棚の割付 作業指示表作成 スタッカクレーンの制御 コンベヤの制御 400への検収通知 匡= サービス部品総合管理システム サービス部品の受注から出 荷に至るまでの部品総合管‡里システムおよぴHIDIC 700の主要処理業者を示す。

Fig.1TotalManagement System fo「Service Parts

*】_l在日土的巾株式会什手‖摸蚊眺.1J】センター **

(2)

日産自動車株式会社相模原部品センター納め 自動倉庫計算機制御システム 日立評論 VOL.56 No.3 246 れる。部品センターでは,HIDIC700によF)出庫スケジュール をたて各販売店ごとに部品をまとめて出荷する。なお,HIDIC 700のおもな業務内答は図1に示すとおりである。 2.2 部品センターのレイアウト この部品センターは,オール日産の各販売店に対し,部品 を円卓骨,迅速に供給することがその任務である。センターは, 格納部品の性質によってこれを大きく4ブロックに分割し,

1号棟(とう)(平屋)には特殊長尺品を,2号棟(高層自動お

よび平屋)にはパネル品を,3号棟(高層自動)には小物品

をそれぞれ格納しており,また4号棟(平屋)は輸出部品の

集約,梱包(こんぼう)場となっている。この中の2,3号棟

の自動倉庫においては,入出庫管理,在庫管理,機械の制御, 作業指示などすべての管理業務および運営が,HIDIC700に よって行なわれ,さらに入出荷および在庫関係の情報がHIDIC 700と横浜の計算センターにある上位計算機,HITAC8400と の間で交換されている。図2は部品センターのレイアウトを 示すものである。 2.3 部品センター計算考幾制御システムの特色

(1)上位計算機を含めたハイアラキ構成をとり,内外の日産

自動車株式会社の各ディーラー向け全部品を一括管理し,注 文に応じて短納期に納入サービスができるシステムとなって いる。

(2)広範囲な情報処理を行ない,緊急注文,機械故障時の対

策,在庫管理上の問題などの異常処理対策もきめ細かく行な われている。

(3)クレーン,コンベヤなどの機械の自動制御を行ない,運

搬の省力化を図っている。

(4)各種の高度なスケジューリングアルゴリズムを採用し,

膨大な量の部品を効率よく処理している。 (5)設備の故障発生や誤動作に対する安全性と,システムの 信頼性および復旧処理の迅速性が考慮されている。

(6)プロセス

ディスプレイ装置によるインクワイアリ シス テム,作業指示書の作成,アラーム メッセージの出力などに よるマン マシン コミュニケーションの充実が図られている。 などがおもな特色としてあげられる。 本稿では,主として2,3号棟自動倉庫の運用方式およぴ HIDIC 700計算機システムについて述べる。

臣】 自動倉庫の運用

3.1 2号棟の運用 2号棟は,パネル部品と呼ばれるボンネット,ドア,フェ ンダーなどの大物板金物の格納を主体としており,部品の種 類は約320種と少ないが,1部品あたl)の格納パレット数が非 ′削二多く,かつ部品の種類によってその数も数パレットから 数百パレットとばらつきが大きい。 2号株運用の特記すべき点は,先行梱包という概念を採り 入れたことである。部品の荷姿としては,裸,段ボール梱包, ピロパック梱包の3種類があり,販売店の地1或によr)運搬経 路,方式が異なっているため,それに応じて部品の荷姿を合 わせる必要がある。従来は,受注後裸部品を出庫してそろえ て梱包していたが,取扱い部品が大きいこと,出荷量のばら つきがそのまま梱包作業に影響して,梱包資材の手配,作業 人員にロスが生じ,さらに受注から発送までの期間が長くな るために,本システムでは,あらかじめ梱包品の出荷量を過 去の実績から推測して,数日前に梱包し保管しておく方法を とった。これによr),梱包作業負荷の平滑化およびサービス 期間の短縮をねらったものが先行梱包システムである。 3号棟(自動倉庫) (7,700坪) 発1号棟(平屋)送(19即0坪) 小物晶(クレーン10台)

特物品 ン部品種類二30,000種 格納棚数:17,200棚 部品種類:4.200種 掌災:滋心こ:"、℃∧ ッド オーバ 4号棟 (15,400坪)2号棟(自動倉庫およ甲平屋) (12.900坪) 大物パネル晶(クレーン8台) 輸出集約場 格納棚数:22.000榔自動倉庫別 部品種類:320種 図2 部品センターのレイアウト 部品センター全体のレイアウトで, 2,3号棟の自動倉庫の位置付けを示す。

Fi9.2 Layout of Sagamihara Parts Center

カエバレットコンペヤ

/由

[岨

空パレット供給コンペヤ 受入コンペヤ

阿仁トーーーーー一瓶

電動台車(8台)

雫慧磐

J

ツク (格納棚)  ̄ 22,桝6槻 (†8列×1椅連X12段 -64唖)

[山

庫入 コ ン ペ ヤ

[洲州仙

入庫側 (1階)

T卜.ミ⊥

ビック人外 ビック搬出 コンベヤ コンペヤ 再入庫 ≡葛 設定盤 詣

国耶

瓦[皿

8レーン(絹列) ビック出水

ビック筆ハレット

スタッカタレーン (8台) ビック入出庫 コンペヤ ピッキング場

格納槻

脚梱包ストレージ

(13ストレージ ス媚 テ包 一再 シ入 ヨ月■ ン

重苦回E

ン 区13 2号棟レイアウト ウト(平面図)を示す。

回砿

電動台車 =3台)

高層 ラック 出庫側 (1階) 先行 梱包側 (2階) 2号棟大物パネル物品自動倉庫の概略レイア

Fig・3 Layout of the Automated Warehouse for Large

Assembly Pa「ts 一矢に2号株運用の概要を図3によって説明する。

(1)入

庫 パネル部品を積んだトラックがバレタイズ場に到着すると,

入庫作業者がバレタイズを行なう。バレタイズに必要な空(か

ら)パレットは,作業者の要求により自動的に空パレット供 給コンベヤに供給される。バレタイズされた部品は,受入れ

(3)

日産自動車株式会社相模原部品センター納め 自動倉庫計算機制御システム 日立評論 VO+.56 No.3 247 コンベヤ上に一一時待機し,くぎりのついた所でパレット数が 設定されるとこれが計算機に登録され,以降は計算機により 自動的に入庫される。 ′受入れコンベヤ上のパレットは,電動台車に載せられる。 電動台車は,入庫設定磐の前で停止し,部品名,員数,パレ ット番号などがカードおよぴスイッチにより設定された後, 人樺コンベヤの所まで移動しパレットを降ろす。パレットは 入唾コンベヤにたくわえられ,スタッカクレーンが入庫サー ビスに入るまでここにとどまる。 空車になった電動台車は,空パレットコンベヤから空パレ

ットをとって元にもどる(空のままもどる場合もある)。

スタッカクレーンは,出庫サービスの休憩時問および出庫 終了後に入庫サービスを行ない,入庫ストレージ上のパレッ トを椰(たな)に格納する-一方,棚から空パレットを空パレッ トコンベヤ上に運び出す。

(2)先行梱包

昼間スタッカクレーンは入俸,出庫サービスに専念してい るため,棚と梱包作業場間のパレットの出し入れは,入出庫 作業の終了後に行なわれる。 まず梱包すべき部品のパレットが,スタッカクレーン,梱 包出庫コンペヤ,電動台車を経て梱包ストレージ上に並べら れる。これらのパレットは翌日の昼間に電動台車により梱包 ステーションに送られ,梱包場へ出される。梱包されたパレ ットは次々に梱包再入庫ステーションに運ばれ,電動台車に よって再び梱包ストレー■ジに送られる。このとき,電動台車 は途中再入庫設定盤前で一時停止し,パレット情報が設定さ れる。 梱包ストレージ上の梱包済みパレットは,電動台車,梱包 入庫コンペヤ,スタッカクレーンによって運ばれ,再び棚に 格納されて注文を待つ。

(3)出

庫 出庫作業は昼間の大部分の時間スタッカクレーンを独占し てしまう。クレーンはスケジューリングされた順序に棚の指 示された位置からパレットを運び出し,ピック出庫コンベヤ を経てピッキング場まで搬送する。ピック作業者は,作業指 示書やピック表示盤の指示に従って作業を行なう。通常のピ ッキングを行なうときは,必要員数だけピックし,ニれを対 出庫コンペヤ 欄数17,224棚 (20列×80連×11段-スタッカ 面の集荷用パレットに積み替える。ピックの終了したパレッ トはピック入庫コンペヤ,スタッカクレーンによって再び棚 に格納される。 パレット内の全部品を出庫するユニット出庫の場合には, ピック出ノ章コンベヤからピック入出J章コンベヤを経て外部へ 出J車される。 3.2 3号棟の運用 3号棟格納部品は,すべて小物部品であー),部品の種類は 約4,200種と2号棟に比べてはるかに多い。そのため3-号棟で は多■打丁目の部品の組み合わせから成る多様な出庫要求に応じ て,該当パレットから必要な数の部品をピッキングし,組み 介わせる作業が重要なポイントとなり,販売店ごとの部品の 同期比と機械設備の負荷バランスとの競合が問題となる。本 システムではこの両者を両立させるような運用スケジュール アルゴリズムが考慮されている。(6)(7) 2号棟格納部品とのおもな相違点は,部品点数が多く,1 部品あたりのパレット数が少ないために,1部品1アイルに なっていること,入庫と出庫が同じ側にあること,作業者が スタッカクレーンに乗ってピックすることおよび先行梱包を 行なわないことなどである。 以下に3号株運用の概要を図4によって説明する。

(1)入

庫 トラックで入荷した部品は,バレタイズされ受入れ検査ス トレージコンベヤで検査された後,受入れストレージコンベ ヤに並べられる。所要量がストレージされると,入庫設定盤 から各パレットの情報が設定され,計算機によって行先アイ ル(レーン)が決定され,電動台車,入庫コンベヤを経てス タッカクレーンにより所定の棚に格納される。所定の入庫コ

ンベヤが満杯(ばい)の場合は,いったんパレットをオ【パフ

ロ【コンベヤに待避させることにより,後続のパレットの動 きを妨害することなく入庫作業が続行される。

(2)出

出庫は,トレー付スタッカクレーンに作業者が搭(とう)来

し,計算機で決定された棚を順次ピッキングしつつ移動する。 作業者は,出庫要求のある部品の棚から,販売店別,部品別 に要求数量をピックレヾケソトに入れる。そして,行先集約 ラインを光電管分岐月ヨマーカにセットし,バケットをトレ…

ノ l11◆ ′/ I ハ ツ コ/へ 集約場 梱包場 格納棚 J 1 l l廿 / l l l廿 I

▲書,p洩.亡ユ.b、W夕′文)ご芯.,胱._、ノ々一ご)三..戦.。∼_・璧

彗慧緩発送場へ 詞 隊′ …澤琵琶轟麒■。き〟■_■¶ J l】 ll l 】 怒戊屯-Y糊a芦リーマ長一乙∧・■占′ ̄批u▲㌔、号・他†粉ヨT仏諒三l譲

ミぼ 丘ヨ・--・ 意顎イ狐捌〉毘ヲ;・き≡(炉…農芸号㌧ぎ楳冠喜惑翌l 簸きフ¥モ蛍光昆燃費〟ぢ∫。 諒L )琴 きj発と漸湛監渕姿隅′ l ・■・ t一台手 (5せ) ㌢ J l l ヽ 空バレッ 或∧三w洲椰JFニラ止ゞ〆々芯ニ)モ甜沢毛旛諸留}、 ♯ 臆1 注馳モ灯狐′ゾ,∫∫人_読y-∂た′ま志・ム胱椚鮮→ ̄1雑 376棚) J l Jl l l l】♯ ll廿 I 漫,.痢。m+.、.【.∬.、_.心ノ_.、ノ.†。拗礼ユご。。y上、てて、迂 鑑別脚∬肌櫛、斤;、ぶ._÷_ご,ご〕、,...感ワ

ト宅喜説ミ認淵軽警怒登珊莞′_. ング場

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ヽ \ l l / / ′/ ト⊃ンーくヤ + 】 l l Jl Jl 111♯ l】l≠ l l ll ll ll ll l十I l≠ J クレ /l l】 ll l l 11】廿 111 llll廿. l】ll廿・\

蔓萱喜≡…喜…………:-……・(曽盲)

】 ヽ、、、_ノ バレタイズ場 r/1111 ll 、\ 〆 ーン(10台)入庫コ、 図4 3号棟レイアウト 3号棟小物部品自動倉庫の概略レ イアウト(平面図)を示す。

Fig.4 +ayout of the

Auto-mated Warehouso for SmaI】 Assembly Pa「ts

(4)

日産自動車株式会社相模原部品センター納め 自動倉庫計算機制御システム 日立評論 VOL.5・6 No.3 248 に載せる。バケットはバケット搬送コンベヤを経て集フ的場へ 送られる。 また,出荷要求量が1パレット以上になる場合には,パレ ットごと庫外に出庫し,複数人員でピックする。この場合は, スタッカクレーン,出庫コンペヤ,電動台車を経て′受入れス トレージコンベヤへと搬送され,J事外ピッキング場へ運ばれ る。 なお,ピッキングにより空になったパレットは,スタッカ クレーンにより出庫コンベヤへ搬出され,電動台車,空パレ ットコンベヤへと運ばれ,バレタイズ場へ供給される。

(3)配置換え

3号棟は,各アイルとも三つのブロックに分けられている。 これらは入庫側から奥の方向へ順次入J章エリア,出庫エリア, 保管エリアと呼ばれる。主として,入庫エリアはパレットの 入樟,空パレットの保管に,出庫エリアはピッキングに,保 管エリアは部品の保管に使われる。 入庫時間は短時間であるため,一時入庫エリアに入庫して おき,回転率の低い部品のパレットを後で保管エリアに移す。 またピッキングで空になったパレットは,翌日ただちに出庫 できるように出J車エリアから入庫エリアに移す。これにより 空(あ)いた棚には保管エリアからパレットを移してピッキン グに備える。 これらの作業は,格納棚間のパレ:ソトの移動作業であり, これを酉己置換えと称する。 3,3 技術的課題 本システムの設計にあたり取り上げられた技術的課題のお もなものは次のとおりであり,以下に述べる計算機制御シス テムおよび運用スケジュー′レ方式は,これらの課題を満足す るよう考慮されたものである。

(1)サービス時間(受注から出荷まで)の短縮

(2)省人化

(3)設備能力の有効活用

(4)安全,確実,効率の良い倉庫の運用

(5)作業負荷の平滑化

(6)複雑,多岐にわたる情報の迅速,正確な処理

(7)大容量ファイルのオンライン高速処理と高信頼化 (8)自動倉庫機械のオンライン制御 (9)人間工学的に配慮されたシステム (1qI使いやすく充実したマン マシン コミュニケーション シ ステム

(11)2,3号棟の同時処理とシステム信頼件の確保

【】

計算機制御システム

4.1ヰ幾器構成 本システムは,膨大な情報およびファイルの処理,多数の 高速入出力機器および荷役機械のオンライン制御を行なう必 要上,大形制御用計算機HIDIC700を採用した。図5にハー ドウェア機器構成を示すが,大容量ファイルの記憶には磁気 ディスクを,大量の帳票出力には高速ラインプリンタを,プ ログラムの格納には磁気ドラムを,各種問合せ用にはカラ∬ デイスフロレイ装置を採用し,また各高速入出力機器は,特に HIDIC700特有の入出力高速処理用プロセッサに接続し処理 能力の向上を図っている。 ヰ.2 ソフトウェア 本計算機システムのおもな処コ聖機能は,図6に示すように, オンライン用システム

プログラム(プロセス

モニタ システ

ム)のもとに,機械利子卸,情報処理,スケジュール,問合せ

処理,ユーティ りティなどのアプリケーション プログラムが あり,きらに各帖報ファイル群の一一打管理を行なうファイル 管王堅プログラムがあって,これらが有機的に結でナし効率よく オンライン処理が行なわれる。同図の括弧内の数字は各プロ す⊃ グラムの容量比率を示し,ファイル才洋の数字は各ファイルの 谷:違をメガバイト単位で示したものである。なおプログラム 違はでナ計約320k語である。 4.2.1 システム ソフト 叫 オンライ ン タスクのスーパーバイザリブログラムである プロセス モニタ システムと本格的なデータ ベース システ ムに対するファイル サボ【ト用プログラムとしてデータ マ ネジメ ント システムが採用されている。 4.2.2 在庫ファイルの構造 在嘩ファイルは,部品番号をキーと した1トランズアクシ ョンごとに処理できるように,ランダム ファイルとする必要 がある。本システムでは,ランダム処理だけでなく,スケジ タイプ ライタ

鮎姦

カラー ディスプレイ 4デッキ 磁気ディスクパック 瑞気 テープ カード せん孔境 ライン プリン (60メガバイト) 設定盤 プロセス 入出力叢茸 プnセス 入出力美荘 ピッキン 設定蟹 3台 3台 リレー 格納箱 リレー 格納箱 図5 H】DIC了00システムハードウェア機器構成 ムのハードウェア機器の概略構成を示す。 設定盤 7台 長一 〔 ンベヤはかi HIDIC 700システ

Fjg.5 Hardware Structure ofトト700Compute「Systems

枚械制御 (24%) 情報処理 (27%) スケジュール (18%) 問合せ処理 (7%) (6%) ユーティりテイ (14%) r-■=-l + 在庫 8.2MB 現在位置 0.1MB 棚 0.5MB スケ 実績 0.7MB (4%) 情報ファイル群 ジュール 3.5MB 注:MB=メガバイト 図6 ソフトウェア機能ブロック HIDIC700のソフトウェアの概略体 系を示す。

(5)

日産自動車株式会社相模原部品センター納め 自動倉庫計算機制御システム 日立評論 VOL.56 No・3 249 エール,帳票作成のためにシーケンシャル処理もあるので, インデックス,シーケンシャルファイルとした。このため, Ffiり御用トラッキング テーブルにもEBCDIK12けたの部品番号 をそのまま記憶するのではなく,部品番号のシーケンス番号 で代用することができ,ファイル サーチ時間の知縮,記憶容 量のデ別減にも役だった。 4.2.3 ユーティリティ ㌢ (1)ソートマmソ ファイル処手引ま,処理時間触縮のためにシーケンシャル処 理を主体としているが,レコーードを部品番号順,販売斤引暇, 注文番号順と処理の途LPで何度も並べ替える必要がある。こ のため,一年用タスクとしてソ「トマ〉-ジを設けた。これは, コンソールから単独にでも,他のスケジュール タスクなどか らでも起動することができる。

(2)ジャ【ナル

磁気テⅦプに計算機の処理経過を記録しておき,処理内容 の分析や,システムのバックアップに利用する。 (a)プロセス入出力装置と外部機音詩とのイ言号招′壬の記錨 (b)在庫ファイル,棚ファイルなどへの書込み記鎚 (C)設定盤などからの入力記録 4.2.4 オンライン入出力機器処理プログラム /卜回のシステムには,タイプライタ,プロセス ディスプレ イなどのような低速または/ト容量の出力機器とライン プリン タのような高速大量のデータ出力用機器が多数接続されてい る。そのため,各機器がその特長を生かした使い方ができる ようソフトウェア,ハrドゥェア上の考慮を払い,処理遅れ の少ないプログラム構成にしている。 4.3 マン マシン コミュニケーション 多数の機器を駆使し,一人量の物と情報を相手に道営される 自動倉樺システムでは,マン マシン コミュニケーションは きわめて重要である。たとえば,在庫怖幸艮や移動ご物品の情事艮

の確認,情報の修正,機器故障の状況肥(は)握と迅速な処置,

誤推作や機器の誤動作の嫡出と人へのj卓絶など,各種の情報 が人間と計算機および機寸城の間でひんばんに ̄交枚される。そ のため本システムでは,プロセス ディスプレイ装置を使った たインクワイアリ システムを採用するとともに,誤拙作や機 械の放障,その他各種異常内容の印字および重要事項の確認 印ヰニを行なうための専用タイプライタを設置した。図7は, プロセス ディ スプレイ装置の一例を示すものである。 また,現場ノ\の作業指示や,現場からの設定帖幸艮を入ブJす るための設て起盤も,倉庫システムとして欠かすことのできな いものの一 一つである。図8はその-・例をホすものである。 田 運用スケジュール 5.1運用スケジュールの基本思想 この部品センターの自動倉庫システムにおいては,一一定の 設備をできるだけ効率よく使用し,しかも円滑に逆用するこ とが重要なことである。そのためには,システム運用の最適 スケジュールを立て,これに従った適用を行なうことが必要 となる。ここにその最適連用スケジュ【ルの我本思想につい て,図9により説明する。 倉庫システムの機能は,格納,入庫,梱包,出庫のサブ シ ステムに分けることができる。一方,設備能プJとしては,格 納能力,すなわち実質的にどれだけの品物が格納できるかと いう能力と,稼動能力,すなわちどれだけの品年勿を単位時間 に倉庫内外に出し入れできるかとし、う能力の二つが「基本とな る。本システムの最適連用スケジュールにおいては,まず第 図7 プロセスディスプレイ装置 の一表示例を示す。

Fi9.7 P「ocess Disp【ay

∴遠 慮 拗 必‥恕 プロセスカラーディスプレイ装置 海壷、 ミん、′…:;三惑 図8 設定盤 現場設定盤の一例を示す。 Fig.8 0pe「ator's Console

-一に,ニれらの設備指旨力を各サブ システムに対してどのよう に配分するのが最も効率よく,経済的であるかということと, 第二に,クレーンの故障,アイル間の在庫量の不一)F衡,注文 形態の変化など,各種の条件変化によって生ずる設備能力の 低下を放小限に才甲えうるような適応制御方式を追求した。 二の適応制御 ̄方式は,たとえば稼動効率と格納効率との間 の融通性を凶ること,すなわち特にクレーンなどが忙しく, 稼動了指力が問題となる場合には,格納効率を多少ぎせし、にし て稼動効率を上げたり,あるいは格納ブロック間の融通性を 強化することなどを考慮したものである。 5.2 運用系の且標分担 図l飢ま,以上の基本思想に基づき,部品センターの削票を 各適用系の目標としてブレーク ダウンし,各サブ システム にどれだけの効果を分担.させているかを概念的に示したもの である。各目標の分純量は同図に示すとおりであるが,これ らの目標を各サブ システムに分担させる1祭には,どれだけの 効果があるか、プログラムの処理性はよいか,具体的に評価 できるかを検討したうえで決定されなければならない。 最適運用の手法としては,ヒューリステイクな手法による もの,線形計画法や整数計画法などの高度な数学的手法を用 いたものなどを有効に使い分けている。 5.3 運用スケジュールの多+段階構成 上記の連用系における連用スケジュールを実現するにあたっ ては,時間軸上において,アイル間,各設備間の負荷のバラン

(6)

運 用 系 吏 己.笥・ ;;ミ ョ

設備亀力の各運用系への貴涛配分

姦斗用

部品センターの白襟 日産自動車株式会社相模原部品センター納め自動倉庫計算機制御システム 日立評論 VO+.56 No.3 250 設備能力 部品センターの自構 適応制御方式 稼動効率と癌納効率間 格納プロ・ブタ間などの 融通性の強化 図9 運用スケジュールの基本思想 部品センター運用のための最適 スケジュールの基本的な考え方を示す。

Fig・9 Phi10SOPhy of Sched山i=g Argorithms

スを図る手段を対象サブ システムの負荷の変動周期に応じ て,それぞれ期単位,日単位,時間単位,時々刻々など,マ クロなレベルからミクロなレベルに至るまでを分類し,図Il に示すような運用スケジュールの多段階構成をとる。これは, ちょうど生産計画の大日程,中日程,小日程計画の考え方に よく似ている。 期単位の管理には,格納品目の最適アイル割付,販売店の 最適集約ライン割付などがあり,これらはシステム立上りの 時点では最適に部品を配置しても,長期にわたる需要パター ンの変化によって,それが最適でなくなるために再割付を行 なうものである。 日単位,時間単位,時々刻々の管理についても,ここにあ げた運用スケジュールによって最適運用が行なわれている。 5.4 運用スケジュールのシミュレーション結果 以上の最適運用一スケジュールに対する評価のためにシミュ レーションを行なったが,その結果の一例について述べる。 出庫の際の販売店アイル割付方式によっては,1台のクレ ーンが故障した場合,スケジュールによりカバーしない場合 には,他のアイル間負荷バランスが25%程度悪くなるのに対 して,スケジュールにより10%程度改善され,また出庫パレ ット割付方式によっては,クレーンが忙しいために稼動能力 を上げることを目的として,わずかな端数パレットを作り, 格納効率を1.5%下げることにより,稼動効率を約10%向上さ せることができる。その他の各スケジュールについても同様 で,目標に対する効果が確認されている。 団

言 本部品センターは,昭和48年8月から稼動を開始したが,こ の相模原部品センターの設立および計算制御システムの導入に よって,日産自動車株式会社の補修用部品のサービス体系は一 段と前進した。本システム導入によるおもな効果をあげると,

(1)サービス部品の納期の短縮が実現し,部品販売店へのサ

ービスが向上した。

(2)大幅な省人化が達成された。

(3)情報の一元管理による管理能率の向上と信頼性の向上お

よび有力なインクワイアリ システムの導入による情報の即時 入手が可能となった。

(4)作業負荷の平滑化が図られた。

(5)輸送効率の向上ならびにマテリアルハンドリング,流通

運 用 系 榊鳩舶 組 期ごと 毎 日 樺 色H 用 題社 手法 ヒューリステイク ヒュー1jステイク 線形計画法 整数計画法 ヒューリステイク 在庫平衡度 稼動効率 格納効塞T 出荷集約性 作業優先度 運用系の 白襟卦担 決定要因 春

曇平助果

地離 一 評価性 図10 運用系の目標分担 各運用サブシステムの各員標に対する効果 の分担量を示す。

Fig・柑 Objecいves Shared by Each Subsystems

設備能力の貴大利用 曹 紆野≡苛■:: l諾自臣茎 》三 皇 ;≡一旨 弓■秒 ≡ 毒■ 0格納品目のアイル割付 ̄ 0販売店の集約ライン割付 0入出庫パレットのアイル割付 0凍売店のアイル割付 0翌日の梱包品一目の決定-○入出庫煩序の決覚 0クり-ン作業の複合対決定 0電動台車炸菓の渾合対決軍 ̄ 図It 運用スケジュールの多+設階構成 運用スケジュールをマクロな ものからミクロなものまでに分類し,二れをハイアラキ構成とL,各スケジュ ールを有機的に結合させていることを示す。 一Fig,llScheduling Hie「a「Chy 経費の節減が図られた。 などである。 今後ますます流通システムの合理化が進められ,流通セン ターを中心に,生産工場からユーザーに至る流.通ネット ワー ク システムがクローズアップされてくることであろう。本稿 の内容が多少なりとも役だつことになれば幸いである。 最後に,本システムの完成にご協力いただいた石川島播磨 重工業株式会社,大福機工株式会社の各位ならびにその他の 関係各位に深謝する次第である。

参考文献

(1)科学技術庁計画局桶:「2000年までの科学技術+:科学技術と 経済の会(昭46-10) (2)宅間,浅田,川野,三森:「生産管理および倉庫のオンライン 計算制御+,52,1157日立評論(昭45-12) (3)森田,川崎,川本,平井:「日立制御用計算機HIDICシリー ズ+,55,509日立評論(昭48-5) (4)桑原,桜川,片岡,神内:「HIDICオペレーティングシステ ム+,55,521日立評論(昭48-5) 高橋:「倉庫の自動化設計+,日刊工業(昭46) 都島,三森:「物流変換機構+,電気学会全国大会(昭47)

S.Mitsumori,T.Sato,Ⅰ.Tsusllima:"A Nem Automatic Warebouse System Witb Higb Picking Efficiency”,

ORSA/TIMS/AIIE.Joint NationalMeeting,Atlantic

参照

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