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BALB/c担癌マウスにおけるステロイド投与が手術侵襲と腫瘍増殖に及ぼす影響について

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Academic year: 2021

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Title

BALB/c担癌マウスにおけるステロイド投与が手術侵襲と腫

瘍増殖に及ぼす影響について( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

安江, 充里

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)乙 第1370号

Issue Date

2003-03-13

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/14923

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏 名(本籍) 学位の種賛 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審■ 査 委 員 安 江 充 里(岐阜県) 博

士(医学)

乙第1370 号 平成15 年 3 月13 日 学位規則第4条第2項該当 BALB/C担癌マウスにおけるステロイド投与が手術偉襲と腫瘍増殖に及ぼす 影響について (主査) (副査) 豊修 重 治澤 佐小 授 授 教教 教授 玉

論文内容の要旨 過大手術侵襲に伴う高サイトカイン血症が周術期管理の面から注目され,この時期に感染症等が併発すると活 性化好中球が過剰刺激され,好中球プロテアーゼや活性酸素の過剰産生により血管壁透過性が冗進し臓器障害に 移行することから,高サイトカイン血症の予防策が種々検討されている0教室でも,三領域郭清を伴う食道癌手 術症例では術後3-6時間目をピークに炎症性サイトカインが急増するがt これが術直前の methylpredonisolone(MP)単回投与で有意に抑制されることを確認した0しかし,ステロイドはinterleukin-1 (IL-1)やtumornecrosfactor(TNF)-a$のfirstcytokineを有意に抑制するため免疫反応遮断状態となり,担癌 生体では残存腫瘍の増殖が促進される可能性が危倶されている0そこで・-申請者らはマウスニ重移植モデルを用

い,腫瘍増殖に及ぼすMP投与の影響を検索した上壱・手術侵襲程度とMP投与の功罪をTbl系及びTb2系サイト

ヵインの変動から推察せんと試みた。

研究対象と研究方法 動物は5週齢BALB/c雄性マウスで,腫瘍は同系マウスの大腸癌株colon26を用いた0腫瘍移植方法はマウス 背部皮下に2×106個のcolon26腫瘍を移植する皮下移植群・及び原発巣として右側腹部皮下に2×106個を・仮想

革移巣として左側腹部皮下に4×105個をそれぞれ移植する二重移植腫瘍(人工転移)一群を用いた。また人工転移

群では,手術侵襲として原発巣を外科的に切除(S)する軽度侵襲群と・外科的切除部に熱傷を加え・さらに剣状 突起下に約3cmの正中切開を加え,腸管を湿滅菌ガーゼで被覆し15分間腹腔外へ露出させる開腹負荷(S+L)する 高度侵襲群を作製し,非処置(C)群との間で比較検討したoMPは,その0・1,1,10mgを0・5ml生理食塩水に溶解 し,皮下移植群では移植一2日目,直前,2・7,21日目に腹腔内へ単回投与し・人工転移群では手術侵襲負荷1時 間前に1mgを同様腹腔内へ単回投与した(MP群,S+MP群,S+L+MP恥検討項目は①腫瘍移植後経時的に平 均腫瘍容積=(長径×短径2)/2を求め,増殖曲線を作成した0②処置後経時的に採血或いは脾細胞を採取し,血 兼中及び脾細胞のTNF-a,interferon(IFN)-γ・IL-4産生能をELISA法にて測定した。 研究結果 腫瘍増殖に及ぼす影響:①腫瘍増殖曲線上MPを移植直前および移植後2日目に投与するとcontrol群に比べ 用量依存性に増殖が有意に促進されたが・移植-2・7及び21日目投与群ではcontrol群との間に差はみられなかっ た。②経日的観察で腫瘍増殖促進現象は,MPlOmg投与時には14日目以降で・1mg投与時には19日目以降で, 0.1mg投与時には28日目以降で観察され・用量依存性に発現時期が短縮した0 仮想転移巣に及ぼす影響‥①移植後14日目の平均腫瘍容積はcontrol群に比べ・S群でね差がみられなかったが, s+L群,MP群及びS+MP群で有意(p<0・001)の増殖促進が観察された0②侵襲程度が同じ場合は・MP併用によ りS+MP群はS群に比べ,3日目以降で有意の増殖促進を示したが・S+L+MP群はS+L群に比べ10日目以降で有意 の増殖抑制が観察された。 サイトカイン産生能:①血菜TNF一αはS+L群が処置後6時間目で有意に増加し,24時間目で低下した0一方・

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MP投与群では全経過を通じて低値のままで,S+L群はMP投与により有意に抑制された。②脾細胞のTNF-a産 生能はS+L群が6,24時間目七有意の高値を示したが,MP併用投与でMP群は6,24時間目とも有意の低値を示 した。③血焚IFN-γ値はS+L群では6時間目に有意の高値を示し,72時間目に著明に低下し,1週目も低値のま まであった。一方,S+L+MP群はS群と同様,各処置後日数ともはぼ同じ値であった。④脾細胞のIFN-γ産生能 はS+L群が6,24時間目で有意の高値を示し,72時間目で有意に減少した.一方,MP併用でMP群,S+MP群及 びS+L+MP群は共にS+L群に比べ有意の低値で,72時間目にS+L+MP群がS+MP群に比べ有意の高値を示した。

⑤血弊Ⅰし4はS+L群が6時間目に有意の高値で;72時間自iこ有意の低値となった。脾細胞のIL-4産生能はS+L群

が6時間目で増加し,24時間目で有意の高値となり,72時間目で有意に低下した。MP併用により6時間目のMP 群は有意の低値を示した. Thl/Th2比と仮想転移巣の増殖曲線:①血祭Thl/Th2比は,-S★L群では24時間目に高値を示したが,その後 72時間及び1過日は低値であった。MP群とS+MP群は全期間をとおして低値で,S+L+MP群は処置前後で著差 はみられなかった。②肺細胞のThl/Th2比は24,72時間目にS+MP群のみ低値を示した。③14日目の時点で仮 想転移巣が増殖促進様所見を示したS+L群とS+MP群のThl/Th2比は全期間をとおして血兼・脾細胞とも低値の ままであった。③増殖促進が観察されなかったS群とS+L+MP群は全期間をとおして高値で,肺細胞のThl/Th2 比は各群間で差はみられなかったが,仮想転移巣の増殖が最も低値であったS群で72時間別羊有意の高値を示し た。 考案と結語 MPを移植直前と移植2日目に投与すると腫瘍増殖が促進したことからMPは腫瘍の着床を有意に促進させた。 また,高度侵襲時のMP直前投与は侵襲軽減策として有用であったが,皮下移植モデルや人工的転移モデルでの 軽度侵襲時にMPを併用投与すると,腫瘍増殖を有意に促進した。この機序の一端を血祭中或いは脾細胞のIFN-γ/IL-4比(Thl/Th2バランス)から検索した結果,仮想転移巣が増殖促進様所見を示したS+L群とS+MP群では Thl/Th2比が低値のままで,増殖促進が観察されなかったS群とS+L+MP群では高値を示した。また,高度侵襲 群では過剰産生されたIL-4(Tb2系)と,72時間目めIFNγ抑制により相対的Th2優位状態となり腫瘍増殖が促進 されたが,処置前MP投与でIFN-γの枯渇が解消され,腫瘍増殖促進が抑制されたと推察している。一方,軽度 侵襲群では宿主Tbl/Tb2バランスは未だ保持された状態で,斯かる環境下で投与されたMPがTh2優位状態を誘 起し,宿主免疫活性を低下させ微小転移巣や残存腫瘍の増殖を促進した可能性が示唆された。それゆえ,担癌生 体で癌細胞の通残や微小転移巣の存在が推察される症例では,術前MP投与は慎重であるべきと推察された。 論文審査の結果の要旨 申請者 安江充里は,BALB/cにcolon

26を皮下移植或いは二重移植モデルを用い,手術侵襲と

methylpredonisolone(MP)併用投与の功罪を詳細に検討した。その結果腫瘍の外科的切除時に開腹を負荷する高 度侵襲群では腫瘍増殖が有意に促進され,Tb2系が優位となったが,MP投与で有意の抑制が観察された。一方, 軽度侵襲時にはMP投与により逆に腫瘍増殖が促進されTb2系優位状態となる可能性が示唆されたことから,残 存腫瘍や微小転移の存在が示唆される症例ではMP投与は慎重であるべきと推察された。これらの研究結果は腫 瘍外科学の発展に少なからず寄与するものと認める。 [主論文公表誌] BALB/C担癌マウスにおけるステロイド投与が手術侵襲と腫瘍増殖に及ぼす影響について Bio t h e r a phy.2003;17:55∼64

参照

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