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<論文>デジタル社会の創生と経営管理の変革 利用統計を見る

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著者

松行 康夫

著者別名

Matsuyuki Yasuo

雑誌名

経営論集

51

ページ

159-173

発行年

2000-03-15

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00005572/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

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デジタル社会の創生と経営管理の変革

松 行 康 夫 1.はじめに 2.デジタル社会の創生 3.デジタル社会の構築と経営管理  3.1.デジタル社会の構築におけるデファクト・スタンダード  3.2.欧州におけるデジタル社会の構築と経営管理の諸条件  3.3.米国におけるデジタル社会の構築と経営管理の諸条件  3.4.デジタル社会における経営管理の脆弱性 4.デジタル社会の基本的概念枠組みと領域  4.1.デジタル社会の基本的概念枠組み  4.2.デジタル社会の領域と支援システム 5.おわりに 参考文献と註 1.はじめに 技術革新は、社会システムそのものを変革させることがある。現代の技術革新のなかでも、とく に通信と融合した情報技術(information technology :IT)について注目してみたい(1) 。経営学者 であるピーター・ドラッガーも、“現代の情報革命は、人類の歴史上、15世紀のグーテンベルグに よる活版印刷技術の発明以来の出来事である”と述べている。新旧ミレニアム(千年紀)の移変わ りの境界に、現代の情報通信技術を中核とする技術革新とが符合していることの意味は深い。 シュワルツらは、現時点において、世界経済は、これまでの経済回復期を脱出し2020年まで続く 超長期の経済好況期に入った、とする強気の予測に基づく提言をして注目されている(2)。彼らの論 拠は、技術革新の循環からニューエコノミー論を展開しようとしている。1990年代に入り、大量の パソコン利用者の拡大と、インターネット(3)に代表されるネットワーク技術の重層的な利用の拡大 が複合して、情報技術産業における技術革新の大奔流が起きた。しかし、彼らは、そうした現象は、 まだ“ビッグウエーブ”の始まりでしかなく、2003年までには、高速通信システムが普及し、遺伝 子技術(4)などを利用したバイオビジネスや、燃料電池開発(5)などによる新エネルギー産業が台頭し て来るという。 近年の米国経済は、財政赤字の縮小、金利低下、マクロ経済環境の安定、貿易障壁の撤廃に基づ

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く貿易の拡大、民間企業における生産性を始めとする経営効率の向上などに見られるように、だれ もが予想し得ないような繁栄を続けている。このような予想を上回る経済の繁栄に対して、米国連 邦準備理事会議長としてのグリーンスパンは、“わが国は、近年、生産性の高い伸びを記録してい る。このような好業績は、コンピューター・通信の驚くべき性能向上と情報技術によってもたらさ れた”と評言している(6)。しかし、IT関連投資が、多くの非IT産業における生産性を大幅に引 き上げたことを証明する政府統計は存在していないと、IT産業のマクロ生産性への寄与を否定す るエコノミストも、一部ではあるがいることも確かである。このように、現時点では、情報技術の 経済全体に対する影響を評価することはなかなか困難ではあるが、その影響力がきわめて顕著であ ることは否定できない。 上述したように、情報通信分野における技術革新を象徴するものに、インターネットの急速な発 展がある。このようなネットワーク技術が、米国などの先進国で発展を遂げたのは、通信・教育・ 娯楽、近年では電子商取引(electronic commerce:e-commerce,eコマース)のメディアとして、強 い影響力を持っているからである。米国などの企業経営においては、ほとんどすべての産業分野に おける企業がインターネットを、購入費用の削減、仕入先の管理、物流 ・在庫の合理化、生産計 画・顧客対応の効率化などへ利用している。このようなインターネットの利用により、企業経営の 側においてはコストが削減されるが、消費者の側においても商品についての選択幅も拡大するとと もに利便性も向上するため、インターネット経由による有形財 (tangible goods)の販売や、財 ・ サービス(無形財:intangible goods)のデジタル配送などが進展している。 本論では、インターネットなどに象徴される情報通信分野における技術革新が、デジタル社会を 創生させるが、そのことにより新たに形成された社会を構成する個人の行動原理がいかに変貌する かについて検討するとともに、そのような個人の認識の変化が企業・政府などの社会的生産組織体、 地域・職域などのコミュニティにおける経営管理パラダイムも変革させることについて詳細な考察 を加える。 2.デジタル社会の創生 米国商務省は、パケット交換技術の進歩とともに、企業・政府・家庭など広範囲に存在するパソ コンが、インターネットという高速通信基盤によって結合され、グローバルなデジタル ・ネット ワークを利用したデジタル社会(digital community)が出現した事実を、1712年に発明された蒸気 エンジンと、1831年に初めて発電された電気によって引き起こされた産業革命に比定して、デジタ ル革命(digital revolution)と命名している(7)。このデジタル革命の進行によって、即時の通信を可 能にする光接続や、大量の情報処理・記憶を実現するマイクロ・チップによって、1990年代以降に

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おける凄まじいばかりのグローバル経済構造の転換が行われている。1980年代、日本企業による日 本型経営は、多くの欧米企業から先進的な企業経営のモデルとされ、日本経済もまた世界経済にき わめて大きな影響力を保持していたことは記憶に新しい。1990年代、それまでの日本におけるバブ ル経済は完全なまでに崩壊し、日本は“失われた10年(the lost decade)”を迎えると同時に、米国 は再び“世界経済の牽引車”としての役割を担うようになり、グローバル経済の支配的な地位を占 めるに至った。 1946年、世界に先駆けてペンシルベニア大学でプログラム内蔵型コンピュータENIACが完成 した。その大きさは、高さ3メートル、幅50メートルであり、数百万ドルの制作コストをかけて、 1秒当たり5000回の演算速度を実現した。それから四半世紀後である 1971年に、マイクロ・プロ セッサを生産するインテルは、12平方ミリメートルのなかにENIACの12倍の能力を埋め込んだ チップを生産し、当時200ドルの単価を付けた。現在、量販されているペンティアムを実装したパ ソコンは、400MIPS(million instructions per second)以上の命令を処理することが可能になった。 このようなパソコンの処理能力は、2012年までには、10万 MIPS まで向上することが見込まれてい る(8) 1999年秋、ラスベガスで開催されたコンピュータ見本市コムデックスにおける講演会で、マイク ロソフト会長ビル・ゲイツを始めとする経営者たちは、異口同音に“パソコン時代の終焉”を説い ている(9)。このように、IT産業の際だった特徴は、企業間競争に加えて、技術間競争も熾烈であ るといえる。大型汎用コンピュータがパソコンに置き換えられたが、そのパソコンもまた情報通信 技術に代替されようとしている。先端技術分析の専門家であるジョージ・ギルダーは、その急激な 技術代替を“ビットからバンドへ”の変革と表現している(10)。1980年までは、電話は銅線で結ば れており、文書に換算して毎秒1ページ以下の情報しか伝送できなかった。しかし、現在、髪の毛 ほどの極細の光ファイバーを撚り合わせたケーブルによって、毎秒当たり百科事典9万巻分の情報 を伝送することができる。 大手通信会社MCIワールドコムによれば、インターネット基幹網の需要は、半年ごとに倍増す る伸びを示している。このような急激な需要量の増加に対応して、通信回線のブロードバンド化に 伴う供給量の増設は、指数関数的な成長を示している(11)。数年前までは、各家庭に至るまでの通 信網のデジタル化は、2020年以降に完了するといわれてきた。しかし、シスコ・システム(12)の予 測によれば、その時期は前倒しされた2008年までに、全米の家庭のほとんどが、毎秒10メガビット 級の高速通信回線で結合されるとしている(13)。上述した“パソコン時代の終焉”とは、パソコン が消失するということを意味していない。通信回線に接続されるのはパソコンだけではなく、携帯 電話・テレビ・ゲーム機など、様々な情報端末が超高速通信回線によって結合されるように変化す

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ることを意味する。このような状況の推移において、マイクロソフトに象徴されるような少数の巨 大企業だけが適者生存することで市場支配をするのではなく、多様な企業がより広く拡大した市場 において、大・中・小規模の様々な企業が共生できる状況に移行する可能性が潜んでいる。 上述したように、デジタル革命は、新しいミレニアムを迎えて、まだ始まったばかりである。イ ンターネット利用者が急激に増大し、電子マネーや電子商取引に見られるように、その商業的利用 も拡大するにつれて、情報通信産業だけではなく、国民経済全体の成長を促進させる(14)。このよ うな成長とともに、デジタル社会の創生を促進させる主要な要因として、つぎのような4つの要因 を指摘できる。  ① インターネットの広範な普及:1994年に、インターネットは300万人の米国人が利用してい るだけであった。1998年には、世界中で1億人以上の人々がインターネットを利用するに至っ た。2005年には、その利用者人口は、10億人にまで達すると見込まれている。このような需要 の発生によって、コンピュータ・ソフトウエア・情報サービス・通信関連基盤投資などの経済 活動が新規に誘発される。  ② 企業間電子商取引:1996年頃から、米国における企業はインターネットを他企業との取引に 利用し始めた。このような初期的な利用者は、電子ネットワークを生産・購入・配送・販売・ サービス活動に適用することによって、格段の生産性の向上を実現している。2002年には、企 業間取引高は、3000億ドル以上に到達するものと予測されている。  ③ 財・サービス(無形財)のデジタル配送:現時点の米国など、デジタル社会が出現した国で は、ソフト・新聞・音楽CDなどの商品は、パッケージングされて小売店・家庭などへ配送す る必要がなくなってきている。すでに、米国だけでなく多くの先進国において、航空券・証券 などのインターネット取引システムが制度的に確立して来ている。コンサルティング・娯楽・ 銀行・保健・教育・医療などの産業分野においては、インターネットの利活用を本格的に進め るうえで相当の制度的な障害が存在しており、法制の整備を手始めに問題の解決をしなければ ならない。このような財・サービスの電子販売・電子配送は、デジタル社会における経営・経 済の要をなすともいえる。  ④ 有形財の小売り:物として生産・格納・配送される有形財の発注にも、インターネットが利 用されている。小売総額に占める利用総額は、現時点では、まだ、微々たる額に過ぎない。し かし、コンピュータ ・自動車(中古車を含む)・書籍・花卉などの特定商品分野では、イン ターネット販売が急速に普及している。

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3.デジタル社会の構築と経営管理 3.1.デジタル社会の構築におけるデファクト・スタンダード インターネット・イントラネット・電子商取引・デジタル通信・デジタル放送などに見られる情 報通信技術のデジタル化は、デジタル革命が創出していることを示すものである。このデジタル革 命は、産業革命以来の工業社会が、デジタル社会の実現による情報社会に移行しようとする変革を 推進しようとしている。工業社会の中核技術は蒸気・電気などの動力を利用したエネルギーであっ たが、デジタル社会を実体とする情報社会のそれは、コンピューターを中心とする情報技術といえ よう。この情報技術が、新しい通信技術・ソフトウエア技術・製造技術・運用管理技術などと組み 合わされて、情報通信基盤としての社会情報システムを形成する。このような社会技術が、イン ターネットなどに代表されるネットワーク・システムによって、ローカルもしくはグローバルに展 開・普及していく。 デジタル革命によるデジタル社会の構築は、先進諸国を中心として世界同時進行化現象を引き起 こしているのが、大きな特徴である。したがって、これは、グローバルに見て、どこの国にもモデ ルにできる先進的な成功事例はないということを意味する。どの国の場合においても、高いリスク 負担を覚悟しながら、試行錯誤を繰り返しつつ、独自のモデルを構築することが求められている。 デジタル革命による便益を享受しながら、その脆弱性を補正して、政治・経済・社会・文化システ ムなどを社会情報システムのなかに取り込んで、情報社会を構築できた国が、それによる便益を最 も多く得るに違いない。それに後続する国は、最初にその社会技術を確立した国の原則やルールな どに従わざるを得なくなるからである。そこに、デジタル社会の形成に関するデファクト・スタン ダード(de facto standard:事実上の標準)が、実態的に成立することになる。

かねて、松行は、グローバルな企業情報通信の構図を詳細に検討することで、世界各国の情報通 信基盤計画の立案についても関心を寄せてきた(15) 。このような観点から、欧州・米国・アジア各 国において、さまざまなデジタル社会構築に関する基本計画が、近年、盛んに実行に移されている ことに関心を寄せざるを得ない。欧州全体としては、EUにおける通貨統合を切り札として、なか ば強制的ともいえる形で、デジタル社会を構築しようとしている。ドイツ政府の場合、連邦政府18 省のうち10省を移転する、Policom 計画と呼ばれるバーチャル遷都実験を行い、サイバー遷都を実 現しようとしている。この計画は、1994年、ドイツ国立情報処理研究所(GMD)が中心となり、 連邦政府省庁の物理的な移転は極力抑制し、ネットワークで結ばれた電子政府の実用化を目指す実 験を開始した。 因みに、1999年4月、わが国政府は、2001年から新しい中央省庁再編の構図を示す中央省庁改革 関連17法案と中央省庁改革推進に関する方針を閣議決定し、21世紀の中央省庁の具体的姿を示した。

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20世紀末の現在、わが国の中央省庁の数は、1府22省庁であるが、それが112省庁へとほぼ半減す ることになる(16)。また、1999年12月、わが国政府は、国会等の首都機能の地方移転を巡る問題に ついて検討をしてきたが、最終的に3カ所の具体的移転可能候補地への絞り込み作業を終えている。 このような日独両国における公共的意思決定過程から、つぎのように考える。独の場合、デジタル 社会の創生を見通して、予算を極力節約しながらバーチャルな電子政府を実現しようとしている。 これに対して、わが国の場合、リアルな形で集権力の地方分散を実現しようとし、公共事業による 有効需要を喚起する狙いも窺える。わが国の場合、デジタル社会形成への認識があまりにも遅れて いるといわれても、仕方がない。 米国では、クリントン政権におけるゴア副大統領を中心にして、すべての政府機関の長官が決定 に参加し、バーチャル・ガバメント(virtual government )を構築する計画を進捗させている。そこ には、トーマス・ジェファーソンによる “情報は、民主主義の通貨である(Information is a currency of democracy.)”という思想が明確に存在している(17)。そこには、ゴア副大統領が提唱す るNII構想という社会情報インフラの構築が前提とされている。ここでは、とくに政府調達を電 子調達に全面的に切り替えていくことが前提とされている。 アジアにおいても、シンガポールにおけるシンガポールワン計画、マレーシアにおけるマレーシ ア科学回廊計画(Malaysia Science Corridor:MSC)、中国における3大ゴールド計画(the Three Golden Project)、韓国における超高速情報網計画など、デジタル社会の形成を睨んだ先進的計画が 出揃っているといえよう(18)。日本におけるデジタル社会の形成に対する認識は、アジア諸国のな かで、決して突出している訳ではない。 3.2.欧州におけるデジタル社会の構築と経営管理の諸条件 欧州における情報社会構築についての計画は、1994年5月、欧州協議会(European Council)に 提出されたバンゲマン報告書(Bangemann Report)における提言として纏められれている。そのな かで、情報社会を最初に実現した国は、それに追従する国が従う必要のあるルールを先取りして設 定できることによって、莫大な利益を得ることができると表明されている。また、同書は、問題解 決を場当たり的にしかできない諸国家は、向こう10年以内に資源・雇用などの点からも、大きな壊 滅的な打撃を被ると警告している。結論として、欧州連合は、国家の境界を越えて、一体的な情報 社会計画を構築することが、きわめて得策であると主張している。1998年4月から、このような事 業プロジェクトを推進するために、第5次枠組み計画(the Fifth Framework Programme)として、 その研究開発と基盤構築に対処し、そのための具体的なプロジェクトとして、つぎのような10項目 の情報通信技術事業を推進することを求めている(19)

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 ① テレワーキング(teleworking):情報基盤を利用することで、分野・距離によって隔てられ た知識・創造・革新に関する仕事を、そうした障壁を取り払って行うことができる。

 ② 遠隔学習(distance learning):生涯学習・訓練を推進する。

 ③ 大学・研究所ネットワーク(university and research networks):大学と研究機関との連携をす る。

 ④ 中小企業に対する遠隔サービス(telematic services for SMEs):中小企業を情報面から支援す る。

 ⑤ 道路交通管理(road traffic management):デジタルな道路交通管制をする。  ⑥ 航空管制(air traffic control):デジタルな航空路の管制をする。

 ⑦ 医療ネットワーク(healthcare networks):デジタルな医療情報ネットワークを構築する。  ⑧ 電子入札(electric tendering):デジタルな競争入札をする。

 ⑨ 汎欧州行政ネットワーク(trans-European public administration network):欧州全体にわたる行 政経営のためのネットワークを構築する。

 ⑩ 都市情報ハイウエイ(city information highway)

3.3.米国における情報社会の構築と経営管理の諸条件

1991年1月、当時のゴア上院議員(現、副大統領)による、米国における情報社会の構築を意図 して立ち上げた国民運動として、 High Performance Computing Program(HPCP)がある(20)

1993年、クリントン政権が成立してから、米国版の連邦行政改革計画である National Performance Review(NPR)計画が、ゴア副大統領を中心にして実施に移された。これにより、財政赤字の 大幅解消と連邦政府職員の1割以上の定員削減という成果が生まれた(21) 。このNPRで特徴的な ことは、日本における行政改革でつねに問題になる地方分権・民営化・省庁再編などの制度論・体 制論をあまり重視していないことである。むしろ国民にとって実質的な行政サービスの向上、政策 の実施に基づく成果(outcome)を科学的に測定する行政評価システムの導入などに力点が置かれ、 行政経営の現場の改革に注力している。また、ここでの行政管理は、飽くまでも行政経営、公経営 として認識の転換を重視している。政府予算・定員の削減に際しては、民間企業経営で用いられて きたTQM手法など経営管理手法が利用されている。TQCにおけるQサークル(Q-circle)(22) 比定して、小集団活動として政府部内に“再創造チーム(reinventing team)”などが、組織化され ている(23) NPRでは、半年をかけて全行政サービスにおける公務効率を点検した結果、つぎのようなIT 技術を活用した電子政府概念に基づく、新しい行政サービスの方針を提示した。ここで示された電

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子政府の構成要件としては、つぎのような内容を持つ6項目である: ① 政府の情報・サービスに対して電子的アクセスを可能にする。② 安全なネットワークを構 築し、またそれを維持する法制を確立する。③ 省庁間における税金・報告・支払いの電子的プ ロセスを確立する。④ 国際的な通商貿易データシステムを確立する。⑤ 環境関係データの電 子的索引を作る。⑥政府の電子メールシステムを計画・実演・作成する。 そして、このNPRによる行政改革の精神は、公経営論者であるオズボーン・ゲーブラーによれ ば、つぎのような10項目に纏めることができる(24) ① 触媒としての政府:船を漕ぐより舵取りをせよ。② 地域社会が所有する行政:サービスよ りもエンパワーメント(権限附与)をせよ。③ 競争をする行政:競争が活性化を促進する。④ 使命重視の行政:規制重視の行政から転換する。⑤ 成果重視の行政:成果志向の予算システム を実施せよ。⑥ 顧客重視の行政:官僚ではなく顧客のニーズを満たす。⑦ 企業化する行政: 支出するより稼ぎなさい。⑧ 先を見通す行政:治療よりも予防する。⑨ 分権化する行政:階 層制から参画とチームワークへ移行せよ。⑩ 市場志向の行政:市場をテコに変革する。 この10項目は、まさにバーチャル・ガバメントの構成要件そのものでもある。また、バーチャ ル・ガバメントは、具体的には、①紙を使わない政府、②デジタル政府、③ネットワーク政府とし て実現される。1993年10月には、大統領は、各省庁の長官宛に “Streamlining Procurement through Electronic Commerce”という通達を出して、1997年1月以降、政府調達はすべて電子商取引による ことを義務づけた。また、1997年5月には、連邦政府全省庁にCIO(Chief Information Officer) を設置することが決定した(25)。この民間企業に準じたCIOは、システム工学・リスク管理・品 質管理・事務事業評価・価値工学・信頼性工学・ロジステックス・ソフトウエア工学・オープンシ ステム論など、主として管理工学の専門的な問題解決のための科学的手法を身につけて、情報政策 の作成・行政プロセスの改善などを担当する役割が与えられている(26) 。 3.4.デジタル社会における経営管理の脆弱性 1996年6月、クリントン大統領は、デジタル化された情報社会における経営管理を危機に陥れる 情報基盤の脆弱性をあらゆる側面から検討することを命じた。この大統領命令(Executive Order) により、重要基盤保護大統領特別諮問委員会(President’s Commission on Critical Infrastructure Protection)が組織され、1997年10月に答申書が出された。それによれば、情報社会の基本的基盤 が破壊的行為に曝されたとき、国家の防衛と国民経済に関する安全性への影響が脅かされるとする シナリオが検討されている。ここにおける情報社会の脆弱性は、リアル・プレース(real place)に おける物理的な脅威とバーチャル・スペース(virtual space)における情報に対する脅威に区分し

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て考察されている。前者は、従来からの国防システムによる対応としているのに対して、後者は、 サイバー空間上の脅威(cyber threat)として新しく規定され、それに対する検討が加えられた。

脆 弱 性 に つ い て の 検 討 を 必 要 と す る デ ジ タ ル 社 会 の 基 本 的 基 盤 は 、 ① 電 気 通 信 (telecommunication)、②電力(electrical power)、③ガス・石油の貯蔵・輸送(gas and oil storage and transportation)、④銀行・金融機関(banking and finance)、⑤輸送(transportation)、⑥水供給 (water supply )、⑦緊急サービス(emergency services:medical, police, fire, rescue)、⑧政府サービ ス(government services)という8部門の問題とされている。近年、わが国でも東京都世田谷区地 下通信ケーブル火災事故、阪神淡路大震災などを始めとする都市大災害に際して、社会基盤におけ るライフラインの脆弱性が露呈し、大きな社会問題になったことは記憶に新しい。わが国の場合、 この点について、デジタル社会システムに関する脆弱性の観点から、米国情報社会における危機管 理に対する対応の方法などを検討することが必要となる。 4.デジタル社会の基本的概念枠組みと領域 4.1.デジタル社会の基本的概念枠組み デジタル社会が創生するに際しては、従来からのニューメディア、マルチメディアなどの術語に 替 わ っ て 、 情 報 ス ー パ ー ハ イ ウ エ イ 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 、 C A L S 、 E D I ( electronic data interchange)、グループウエア、バーチャルリアリティ、バーチャルコーポレーション、バーチャ ルコミュニティ、e-コマース(電子商取引)、デジタルマネー(電子貨幣)、SOHO(small office ,home office)などの、多数の新しい技術概念・用語が、生成してきている。組織体の経営管 理に携わる者にとっても、恐らく幻惑を覚えるほど、それらの技術概念は錯綜している。 技術は、本来、人間個人が持つ能力を成育・伸長させる手段となり、新しい生活様式を創出させ、 やがては経済社会・文化の構造まで変革させる力を持つ。15世紀のグーテンベルグが発明した活字 印刷技術は、人間の情報保持・伝達能力を飛躍的に増大させ、今日に至るまでの人間の情報共有化 を促進させた。20世紀初頭、ヘンリー・フォードは、T型フォードの大量生産方式を確立し、人間 の陸上における空間的な移動能力を著しく高めた。同じ20世紀初頭、マルコーニが無線通信を発明 し、大西洋を隔てた送受信に成功した。それは、やがてラジオ・テレビなどの通信技術が生み出し たマスコミュニケーションによって、情報の広範で一様な伝送能力を高め、個人間や社会全般の情 報格差をきわめて縮小させた。これらの事実は、何れも、技術が人間個人だけではなく、やがては 社会そのものまで変革させる影響力を持つことを示している。 情報技術の場合は、個人や社会組織体をどのように変革させうるのであろうか。1936年、英国の

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数学者チューリングが、万能の計算処理能力を持つ仮想上の抽象的計算機であるチューリング・マ シン(Turing machine)を考案した(27)。この計算機は、無限長のテープ、読み書きヘッド、有限状 態制御部から構成され、テープ上に書き込まれた記号列を読み・書きヘッドで走査・変形しながら、 一定の計算をする原理を有する。彼は、実際に計算可能な関数ないしアルゴリズムを持つ関数とい う直観的な概念に、一つの厳密な定義を与えた。この定義は、A.チャーチらの帰納的関数 (inductive function)による定義と等価であることが証明され、現在では、その妥当性が一般的に 了解されている。したがって、現実のコンピュータによって計算可能な関数は、すべてこの機械に よって計算できる。つまり、この計算機の限界が、コンピュータの理論的限界そのものを示してい る。チューリングの理論的計算機研究は、現実のコンピュータが多種多様な実現可能性を持つこと を理論的に保証することになった。 このようなコンピュータやそれと一体的に構成されたネットワークは、さまざまな実現可能性が 約束されている。デジタル化された情報社会において、われわれが個人的・社会的に認識・行動す るとき、これまでの工業社会と区別する意味で、多様な表現形態を採りながら、つぎのような3つ の主要な判断基準が、さまざまな組織体の経営管理に対して基本的な影響を与えると考えられる。  ① 情報創発主義:人工知能研究者であるアービブは、人間の脳の神経回路内に内的モデル (inner model)が存在することが仮定できるといい、過去に遭遇したことのない新たな事態に 接するとき、新しい適応モデルを構築することを指摘した(28)。それは、神経回路の構造変化 を前提とするものであるが、その構造変化を通じて、人間はその情報を基盤に情報の蓄積ない し、蓄積形態の改新をすることができる。われわれは、蓄積情報がある種の構造を形成するこ と、それと新たに受け入れる情報との相互作用を通じ、人間の脳内に新規に情報が生成される と い う き わ め て 重 要 な 事 実 が 存 在 す る 。 北 原 ・ 伊 藤 は 、 そ れ ら を 纏 め て 情 報 創 発 仮 説 (hypothesis of information emergence)として提示している(29)

。このことは、人間の脳内に情 報構造を仮定できるとともに、学習、組織・認識の進化、意識・心などについての新しい理論 展開の基礎を与えている。われわれは、脳内において情報を形態形成して、暗黙知(tacit knowledge)(30)として認識し、それをさまざまな相互作用を通じて、語ることのできる分節化 された明示的知識としての形式知(articurable knowledge)として表現することができる(31) このような情報創発をしていくことは、情報を形にして表現する(inform)、情報を伝え共有 化する(communicate)、協働して、協創する( collaborate)など、さまざまな展開が考えられ る 。 デ ジ タ ル 社 会 に お け る 、 こ う し た 一 連 の 状 況 は 、 情 報 創 発 主 義 ( information emergencism)と命名して纏めることができる。  ② 境界自由主義:上述したように、デジタル化された情報社会においては、多様で多数の人び

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とによる情報創発行動が、さまざまな新しい眞・善・美を求めて価値を創造することになる。 われわれは、アッシュビーも主張するように、さまざまな状況における認識や行動に際して、 その選択肢の多様性が拡大するなかで、主体はその最小有効多様性(requisite variety)を求め る意思決定を繰り返し、自己の生存を維持・発展させることになる(32)。1970年以降に発展し たコンティンジェンシー理論は、組織は環境が生成する情報負荷としての多様性を削減するた めに、組織内において最小有効な情報処理能力としての多様性を構築しなければならないと説 明する。環境が生成する多様性と組織の構成要素が構成する多様性について、両者がバランス することが、組織の生存にとって最も重要な条件になる。    デジタル社会における人びとは、自己の価値観・嗜好・個性・意思・能力・適性などの特性 に応じて、人が人らしい認識・行動をとることになる。そこで、社会を構成する個々人が、異 質・信頼・協力の精神のもとに相互作用を続けるならば、多様な特性を共有化する多様にして 多重な社会が構築されることになる。ネットワークで結ばれたデジタル社会においては、共有 化する特性に応じて社会の境界を相当程度自由に設定できる可能性を持つようになってきてい る。このことを、境界自由主義(free bounderism)と呼ぶことにする。インターネットに象徴 されるネットワークのグローバルな市民社会への普及は、それを可能にし始めている。それは、 地球規模でこれまでの社会が均一化してしまうことを意味しない。多様な社会を構成する人び とが、お互いに異質・信頼・協力の精神を共有化することが真に求められている。  ③ 双対主義:第1は、デジタル社会とは、実世界としてのリアルプレース(real place)とデジ タルネットワーク世界のなかに構築されたバーチャルスペース(virtual space)とが、双対的 に共存し、相互補完性を持つ双対社会(dual community)の生成である(33) 。われわれ人間が、 リアルプレースにおいて実体験をする機会は、自由ではあっても、やはり物理的に限られたも のにならざるを得ない。われわれ人間は、バーチャルスペースを共有化することで、社会を構 成する個々人の持つかけがえのない情報・知識を、時空を越えて共有化する。そのことで、わ れわれは、多様な情報へのアクセス、知識を共有することによるコミュニティの形成などを通 じて、協創していくことが可能になる。    第2は、デジタル社会では、一様な表層構造と多様な深層構造という双対層(dual layer)か ら形成されるといえる(34)。表層構造を形成する社会では、ネットワークを通じて、さまざま

な世界ごとにデファクト・スタンダード(de facto standard)やデジュリ・スタンダード(de

jure standard)などの社会標準が存在し、また多様な連結(consolidation)、統合(integration) なども行われ、一様な表層を形成し易くする。一方、多種・多様な固有性を持つ価値観・文化 などが多様な表現のもとに存在する。情報技術を利用することによって、表層の一様構造と深

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層の多様で異質な価値感・情報・知識・文化などを協創させることができる。    第3は、エコロジカルな生命系の循環と人間性に基づく心の循環への回帰である。工業社会 においては、自然を破壊して商品を大量生産・大量消費・大量廃棄することが、多くの社会に おける優先的な事項であった。そこでの豊かさとは、主として物質的な豊かさを意味し、限ら れた自然資源を子孫の時代まで残して、持続的発展を願うようになったのは、ごく最近のこと に過ぎない。工業社会では、規模の経済性が、合理的な判断基準とされてきた。情報社会にお いては、工業社会とは袂を分かち、ネットワークを通じた範囲の経済性・連結の経済性などの 判断基準が、さらに加わることになる。特定の人たちが、特定の自然資源を大量に生産・消 費・廃棄する生活様式は、地球規模の環境破壊を招来し、人類の存亡を危なくする。情報社会 においては、自然循環を中心とする綜合経済に立脚し、エコロジカルな生命論パラダイムに基 づく行動が期待されている。また、ネットワークを共有する社会においては、人びとが、自己 の考えを形式知として能動的に表現し、またそれを受けた他人がそれを認知・評価する、精神 的な心の循環が尊重されなければならない。  ここでは、3つの双対性を考察したが、このような把握を双対主義 (dualism)と呼ぶこと にする。 4.2.デジタル社会の領域と支援システム デジタル化された情報社会には、どのような領域で構成され、またそれらはどのような支援シス テムにより維持・発展しているのであろうか。ここでは、それらを① 個人、② 社会的生産組織 体、および③ コミュニティの3領域に分けて考察する。①の個人は、組織体・社会を形成する最 小的な構成単位として考える。そこでの個人は、置かれた状況に応じて、欲求 ・選好・能力・個 性・適性・創造力などの適性を発揮して問題解決のための行動をする。デジタル社会において、こ うした個人の行動を支援するシステムとしては、個人の情報管理・コミュニケーション・行動の支 援などをするためにエージェント(agent )が有効となる。②の社会的生産組織とは、一般的に社 会的な生産を最終的な目的とする組織体のことをいう。このような組織体の具体例としては、生産 組織体、研究組織体、教育組織体、三権に基づく立法・司法・行政組織体、NPO・NGOなどの 非営利組織体などをいう。デジタル社会において、このような組織体の経営・管理を支援するシス テ ム と し て は 、 チ ー ム の 日 程 管 理 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 、 協 創 な ど の グ ル ー プ ウ エ ア (groupware)が有効となる。③のコミュニティとは、②とは違って社会的な生産を必ずしも最終 的な目的とはしない組織体のことをいう。このような組織体の具体例としては、家族、親族、友人、 知人、地域コミュニティ、職域コミュニティ、趣味・同好会、クラブ、サークル、などの組織体を

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いう。デジタル社会において、このような組織体を支援するシステムとしては、パソコン通信、イ ンターネット、電子掲示板、メーリングリスト、インターリレー・チャットなどのコミュニティウ エア(community-ware)が有効となる。 5.おわりに 本論において、上述したようにデジタル化された情報社会を構成する個人・組織体などの経営管 理行動における変革について、詳細に検討してきた。最後になったが、そのような情報社会を構成 する主体は、どのように状況を認識して行動したらよいかについて総括的に纏めることにする。 これまでの工業社会においては、基本的に国→都道府県→市町村→自治会→町内会→家庭→個人 という、ダウンストリームによる統治形態が重視されてきた。このような統治形態は、ヨコへの流 れがほとんどなく、中央からの集権論理に立脚したガバナンスに依拠している。とくに、個人(家 庭)から上流に位置する行政への流れは、次第に閉塞するように意図的に設定されてきた。 デジタル社会の構成員は、どういう立場であれ、ネットワークの参加者になれる。とくに個人は、 市民主導のネットワークの参加者になることができる。欧米の場合、市民、あるいはNPO・NG Oなどが、その目的を実現するためにネットワークを活用し、大きな力を得ていることは、広く知 られている。インターネットなどのネットワーク技術を利用して、個人は自由に世界と繋がること ができる。個人は、自己責任のもとに、同じ意見を持つ人びとをウエブサイトで呼びかけて、世界 中の仲間とともに計画を立案して、政府・企業など関係組織体へ独自の提案をすることができる。 デジタル社会では、真の能動的個人主義(active individualism)のあり方が問われているといえ る。そこでの人びとは、血縁・地縁・職縁だけで繋がるのではなく、さらに同じ意見・好みなどを 持つ人たちとも繋がることが可能になる。そうすれば、例えば必要な政策情報などは政府のホーム ページなどから、分からない政策などについては議員・専門家・オンブスマンなどに電子メールで 照会が可能になる。企業などについても、同じことが可能であるし、現在すでにそのようなことは 行われている。このようなシステムは、これまでの官民間の情報の非対称性を相当に緩和させるも のである。このように、ネットワークを利用した情報伝達の直接性・即時性・広域性・透明性など の飛躍的増大は、個人・組織体の情報能力をきわめて増大させるものである。 しかし、デジタル社会の進展は、先述したシステムの脆弱性のほかにも、解決すべき問題点のい くつかがが残されている。そうした社会を構成する主体は、居住する場所・年齢・利害などの異な る集団、厳格な本人確認、母集団の特定が困難な集団などを、どのようにして把握したり、取り込 めるのであろうか。また、情報リテラシーに遅れをとっている人たち、情報弱者の存在など、ネッ トワークに参加することが、相当に困難な人たちに対して、その社会はどのように公平・公正に対

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処するのであろうか(36) 最後に強調すべきは、ネットワークの中核として接続されたコンピュータという機械は、人間を 支援はするが、決して人間の代理者ではない。デジタル社会のネットワーク技術は、それに関係す る人間自身の自己責任において操作する必要がある。そのとき、グローバルなコミュニケーション は、地球規模における共生意識・市民意識などを創発させることになる。 参考文献と註 (1) 涌田宏昭教授は、近年の情報技術による社会的基盤変革の構図は、複雑系(complex system)を検討する ことから把握できると述べている。涌田宏昭編著(1999):『複雑系の経営学』税務経理協会。

(2) Schuwaltz, P. and Leyden, P.(1997):”The Long Boom: A History of the Future, 1980-2020”, Wired, July.

(3) インターネットとは、インターネット・プロトコール(IP)を使って相互接続されたコンピュータ・ ネットワークの世界的結合のことをいう。それは、データ・ネットワークやWWW(World Wide Web)の ようなアプリケーション、このネットワーク上を流れるEメールのすべてを意味する。しかし、電子商取 引データなどの一部は、インターネットに依らず、企業間専用回線を利用することもある。 (4) 松行康夫・松行彬子(1999):「遺伝子組み換え食品と環境経営」『地球マネジメント学会通信』第29号、 pp.5-16、地球マネジメント学会。本論において、環境経営の観点から遺伝子組み換え食品の持つ問題点 について詳細に検討した。 (5) 松行康夫(2000 ):「自動車産業における環境経営と企業間におけるデファクト・スタンダード」『経営研 究所論集』第23号。本論において、新エネルギーのうち、次世代自動車の中核技術としての燃料電池を中 心とする諸問題について、とくに環境経営の観点から検討した。

(6) U.S. Department of Commerce (1998):The Emerging Digital Economy, ” Star-USA”.室田泰弘訳『ディジタル・ エコノミー:米国商務省レポート』東洋経済新報社。

(7) U.S. Department of Commerce (1998):op.cit., p.3. (8) U.S. Department of Commerce (1998):op.cit., p.4.

(9) 野村裕知(2000):「新たなミレニアム:絶え間ない革新の波」日本経済新聞1月1日号。 (10) 野村裕知(2000):op.cit.. (11) 野村裕知(2000):op.cit.. (12) 米国における新興コンピュータ関連企業の動向は、デジタル社会の先駆けを担う企業としてグローバルに 注目されている。それらを代表する5大企業として、マイクロソフト、インテル、コンパック、デル、シ スコ・システム各社の経営行動に注目する必要がある。 (13) 野村裕知(2000):op.cit..

(14) U.S. Department of Commerce (1998): op.cit., p.9-10.

(15) 松行康夫監修・国際電信電話株式会社・日本電気株式会社共編(1991):『国際企業通信ハンドブック』工

業調査会。本書において、松行は、グローバルな企業通信の展開について、経営的観点から豊富な実証的 データに基づき詳細に検討した。

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日本計画行政学会、75-76ページ。 (17) 松行康夫(1996 ):「米国における全国情報基盤構想と情報通信リエンジニアリング」『公営企業』公営企 業金融公庫、7-14ページ。 (18) 水田浩(1998):「デジタル革命への展開」『行政&ADP』(社)行政情報システム研究所、8-18ページ。 (19) 水田浩(1998):op.cit.。 (20) 松行康夫(1996):op.cit.。 (21) 松行康夫(1999):「パブリック・ガバナンスと行政評価」『計画行政』第22巻第4号、日本計画行政学会、 1ページ。 (22) 松行康夫訳(1986):「第4章生産性論究」IEハンドブック翻訳委員会(秋葉雅夫委員長)『IEハンド ブック』日本能率協会。本章において、日本のTQC運動におけるQCサークルが、米国の企業における Qサークルとして受容された状況について、専門経営者の立場から検討されている。 (23) 上山信一(1999):『行政経営の時代』NTT出版。

(24) Osborne, D. and T. Kaebler(1992): Reinventing Government, International Creative Management, Inc.野村隆監

訳・高地高司訳(1995):『行政改革』日本能率協会マネジメントセンター。

(25) http://www.cio.fed.gov./ciocount.html (26) http://www.cio.fed.gov./ciocount.html

(27) A.M.Turing(1921-1954)が、その理論的計算機を考案した経緯については、The President and Fellows of Harvard College(1973):A Computer Perspective, Harvard University Press, pp.124-125.に詳しい。

(28) Arbib, M.A.(1971):The Metaphorical Brain: An Introduction to Cybernetics as Artificial Intelligence and Brain Theory, John Wiley and Sons.金子隆芳訳(1982):『脳』サイエンス社.

(29) 北原貞輔・伊藤重行(1986):「情報創発に関する仮説」『オフィス・オートメーション』オフィスオート

メーション学会、第7巻、第3号。

(30) Polanyi, M.(1966):The Tacit Dimension, Routledge & Kegan Paul Ltd. 佐藤敬三訳(1984):『暗黙知の次元』 紀伊国屋書店。 (31) 野中郁次郎(1990):『知識創造の経営』日本経済新聞社。 (32) ある主体としてのシステムが、任意の対象を制御して、望ましい結果を獲得しようとすれば、その対象が 反応できる多様度と同程度の多様度を保持する必要がある。これが、アッシュビーによって、“最小有効 多様度の法則”と呼ばれている。これらについての詳細な検討は、松行康夫(1999):「組織サイバネティ クスと生存可能システム」『経営研究所論集』第22号、55-70ページを参照されたい。 (33) リアル・プレースとバーチャル・スペースという二分法的な表現法は、日本社会情報学会全国大会におけ る小林宏一東大教授の講演(於電気通信大学講堂)のなかの表現法に従っている。 (34) システムを一般的に表層構造と深層構造に二分して研究をする方法は、システム論者であった松田正一早 稲田大学教授の論法による。 (35) 北原貞輔・松行康夫共編著(1998):『環境経営論Ⅰ』税務経理協会。 (36) 現代の社会システムにおける経営管理の再検討をする場合、公正・公平などの基本思想にまで立ち戻って 再考する必要が出てきている。デジタル社会が進展すれば、社会的意思決定過程の透明性が高まるのは自 明であろう。 (2000年1月12日受理)

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