画素値順ポアソンディスクサンプリングによる点描画
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(2) . 画素値順ポアソンディスクサンプリングによる点描画 李 少龍. 王濤. 井上 光平. . 原 健二. . 小野 直樹. . 浦浜 喜一. . 概要:点描画を生成するポアソンディスクサンプリング では,通常ランダム順に画素をスキャンす るが,物体輪郭や細い線が不明瞭になる.そこで本稿では,入力濃淡画像の画素値順にスキャンする を提案し,灰色の背景のなかに白点と黒点を打つ 値点描画にも拡張する.この 値点描画は,通常の白 地に黒点や黒地に白点の点描画よりも入力画像の再現性が高いことを示し,カラー画像での実験例も示す.. はじめに. による点描画. 点描画 の生成法としてポアソンディスクサ. モノクロ濃淡画像を点描画に変換する手法として,通常. ンプリング
(3) や 法 などがよく使われる.. のランダム順
(4) は入力画像の保存性が低いことを示し,. . 改善法として画素値順
(5) を提案する.. 法は
(6) よりも点配置の均一性が高いが,計算量. が多く濃淡変化のコントラストが低い.コントラストを高 める改善法も提案されている が依然として計算量が多. ランダム順 濃淡モノクロ画像 サイズ 総画素数 を. い.従って本稿では,計算が容易で濃淡コントラストが高. とする を点. い
(7) を用いて点描画を生成する.通常の
(8) では,ラ. 描画に変換する通常の
(9) の手順は以下である.. ンダムに画素をスキャンするので,入力画像のなかの線状. ランダム順
(10). の構造やテクスチャなどの模様の保存性が低い.誤差拡散. . 法によるハーフトーニングでは,構造の保存性を高めた改. . 善法が提案されている .また ら は最適. . 化問題による定式化を提案しているが,シミュレーテッド. . アニーリングで解を求めるので計算量が多い.. へ.. 本稿では,手順が単純で計算量も少ない
(11) について,. . の手順:. での半径 を設定する. 全ての画素にランダム順に番号 を付ける. の画素に点を打つ. を 増やす. なら終了. ならステップ 各画素. 番号が の画素. を中心として半径 . の円内に,. 同様な構造保存点描画の生成法を提案する.通常の
(12). まだ点が打たれてなければ,その画素に点を打ってステッ. ではランダム順に画素をスキャンして点を打っていく.ラ. プ へ.既に点が打たれていれば点を打たずにステップ . ンダム順スキャンはラスタースキャンの誤差拡散よりも人. へ.. 工的パターンが生じにくく,性質のよい点描画が得られる.. この
(13) による点描画でのエッジや細い線の保存性を. しかし,入力画像の濃淡に関係なくランダムスキャンする. 検証する.まず,エッジが分かりやすい図 の入力画. と,入力画像の模様の保存性が低下する.そこで本稿では,. 像から作った点描画を図 に示す.半径 は,入力画. 入力画像の画素値順に画素をスキャンする
(14) を提案し,. 像の画素値を . ¾ とすると
(15) と. ランダム順
(16) よりも入力画像の再現性が高いことを示. した.図 は での結果である 図 で. す.また,白地に黒点や黒地に白点を打つ通常の点描画よ. は眼や口が黒く塗り潰されているが,これは点が見やすい. りも,灰色地に白点と黒点を打つ 値点描画のほうが汎用. ように点を大きく描いたためであり,実際の点は癒着して. 性が高いことを示し,カラー画像への応用例も示す.. いない .図 では顔の輪郭が所々で乱れている.これ は,図 に図 のエッジを重ね描きした図 ! 左下. 九州大学 芸術工学研究院,福岡市 . .
(17) !
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(20) . 部の拡大を図 に示す から分かるように,エッジのす ぐ外にも点が打たれているので,それらの点が輪郭の内側 か外側なのかが不明瞭なためである.このように,ランダ ム順に点を打つと,顔の外側に先に点が打たれて,その後.
(21) Vol.2012-CG-148 No.3 2012/8/29. 情報処理学会研究報告
(22) . 各画素の値 に値が 以上 以下の一様乱数. で内側に点が打たれると,顔の外の点での半径以内にも,. . 内側の点が打たれ,外側の点が内側に属すように見えてし. えて . まい,輪郭の形状が乱れる.. . 次に,線状の模様が含まれる図 の画像の点描画を図 . . とした.大きな螺旋. . の太めの黒線が乱れており,それから出ている細い直線も このように,ランダム順の
(23) は入力画像中の構造や. が小さい順番に,全ての画素に番号 を. の画素に点を打つ. を 増やす. なら終了. . ならステップ . へ. . ほとんど視認できない.. . を加. 付ける.. に示す.図 では点は 画素のままである.点ど. うしが癒着しないように. . . とする.. 番号が の画素. を中心として半径 . の円内に,. まだ点が打たれてなければ,その画素に点を打ってステッ プ へ.既に点が打たれていれば点を打たずにステップ . 模様の保存性が低い.. へ.. . 画素値順 . 図 の画像での,この画素値順
(24) の結果を図 . そこで,画素のスキャンをランダム順でなく,半径が小. に示す.図 では,図 のようなエッジのすぐ外に. さい暗い画素から順番にサンプリングするように,上記の. 打たれた点がなく,エッジが明瞭である 従ってエッジの. 手順を以下のように変える.. 重ね描きは省略する .図 は図 と同じ部位の拡大. 画素値順
(25). である これにはエッジを重ね描きしている .エッジのす. . 各画素. の手順:. での半径 を設定する.. ぐ外には点が打たれていないので,図 よりも顔の輪 郭が明瞭である.また,図 の画像での画素値順
(26) の結果を図 に示す.螺旋の黒線も乱れておらず,細い直 線も視認できる.. 値点描画 このように,通常のランダム順の
(27) よりも画素値順 の
(28) のほうが,入力画像の構造の保存性が高いことが 確認された.そこで次に,画素値順
(29) について,どの画. "#
(30) !. "$#
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(33) "# ランダム順 '() による点描画 "エッジ保存性# )
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(36) % 図 ランダム順 '() による点描画 "線の再現性# )
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(38) * % #. 像でも暗い順番でよいかを検証する.以上の点描画では,. "#
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(40) * "#& . 図 図 "# の画像での画素値順 '() による点描画 )
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(48) . 通常通り白い背景に黒い点を打った.図 や図 の. 景や灰色の背景のなかに,白い線と黒い線の両方が描かれ. ように,入力画像の背景が白い場合にはこれでよいと思わ. ている場合も多い.従って一般には,点描画も背景を灰色. れるが,背景が黒い場合にはこの点描画は不適切な可能性. にして,そのなかに白い点と黒い点の両方を打つほうがよ. がある.. いと考えられる.そのような白黒 値の点描画を生成する. そこで,図 を白黒反転した図 の画像では,図 . のような点描画になった.点描画の背景は白で点が黒. 画素値順
(49) の手順は以下となる. 準備:. なので,図 のなかの白い線は図 では点がない空. 画素の数を. 隙になっている.これでも線は視認できるが,図 の線. とする. . の値を 乱数とする.各画素 に つの. とする.入力画像の画素. . よりも太くなっており,図 のような細い線としては認知 され難い.. ネガ点描画 従って,図 のように黒い背景のなかに白い模様が描 かれている入力画像では,点描画も黒い背景に白い点を打 つ方がよい.そのためには,入力画像の画素値を とす. ると,半径を . 記の手順の から. . .
(50) として,番号を上. . に変えればよい.すなわち明. るい画素から順番にスキャンする.図 の画像での点. "#
(51) !. 描画を図 に示す.これは図 を白黒反転させたものと同 じである.. . 値点描画 以上のように,白い背景に黒い模様が描かれた入力画像. では白背景に黒点の点描画がよく,黒い背景に白い模様が 描かれた入力画像では黒背景に白点の点描画のほうがよ い.しかし,部分的に黒い領域と白い領域とが混在した背. "$# %
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(54) % 図 図 +"# のネガ画像の点描画 )
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(56) ! * +"#. . . 図 図 "# の画像での黒背景に白点の点描画 ,
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(65) %. 図. . グレイスケール画像例 -.!% * % ! . .
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(67) . 番号. . と. . を付ける. は暗い順番, は明るい. 順 番 で あ る .つ ま り , が 小 さ い 順 番 に. . . . . . を付け,. と す る .半 径 も 各 画 素 に つ 付 け. £
(68) ,白点の半径 £
(69) とする.. る.黒点の半径を を . . . . 値点描画の画素値順
(70) の手順:. . とする. . . . . の画素に黒点を打つ. . . . . . . . の画素 に黒点が打たれていたらステップ . へ.打たれてないならステップ へ. . その画素を中心とする半径 の円のなかに白点がまだ. の. 打たれていたら白点を打たずにステップ へ.. なら. は,黒い背景のなかに白い線がある.図 は白い背景に. 実験結果を図 ∼図 " に示す.まず,図 の入力画像. とする.もし . なら終わり.. . ステップ へ. . . 打たれてないなら,その画素に白点を打ってステップ へ.. 画素に白点を打つ. . 打たれてないなら,その画素に黒点を打ってステップ へ. 打たれていたら黒点を打たずにステップ へ.. 黒い点を打った点描画で,白い線が太くなっており,元々. の画素 に白点が打たれていたらステップ. の線の幅が分かり難くなっている.図 ! は黒い背景に白. へ.打たれてないならステップ へ.. . その画素を中心とする半径 の円のなかに黒点がまだ. "#
(71) !. "#
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(81) %. グレイスケール画像例 + -.!% + * % ! .
(82).
(83)
(84)
(85) . 図. . グレイスケール画像例 / -.!% / * % ! . .
(86) Vol.2012-CG-148 No.3 2012/8/29. 情報処理学会研究報告
(87) . い点を打った点描画で,白い線が分かりやすいが,背景の. し, 値点描画ではその半分しかないので,コントラスト. 濃淡は均されてしまって分かり難い.図 は 値点描. が低い.そこで,図 ,図 # ,図 " の点のサイズ. 画で,線も分かりやすく,背景の濃淡変化も視認できる.. を少し大きくしたのを図 に示す.点の間隔が狭い所で. 次の図 # は,灰色の背景の中に白い月や白い直線と黒. は点同士が癒着して点描画よりもディザ画像に近づいてし. い木の幹や枝がある入力画像である.図 # は白い背景. まっているが,図 ,図 # ,図 " よりもコントラ. に黒い点を打った点描画で,月や白線がほとんど分からな. ストが上がり,入力画像の模様の再現性が向上している.. い.図 # ! は黒い背景に白い点を打った点描画で,白い線. カラー画像の実験例. が分かりやすいが,背景の濃淡は均されてしまって分かり 難い.図 # は 値点描画で,木の枝や白い線も分かり. 以上ではモノクロ画像について述べたが,カラー画像の 場合は,入力画像を $%& 成分に分け,それら 枚のモノ. やすい. 図 " は,灰色の背景のなかに黒い線と白い線とが混在す. クロ画像をそれぞれ点描画に変換し,それらの点描画を結. る画像である.図 " は白い背景に黒い点を打った点描. 合してカラー点描画にする.各成分画像を 値点描画にす. 画で,白い線が分かり難い.図 " ! は黒い背景に白い点を. ると,$%& それぞれが白,灰色,黒の 値になるので,. 打った点描画で,黒い線がほとんど分からない.図 " は. 結合したカラー点描画は ¿ 色となる.. . 値点描画で,白い線も黒い線も分かりやすい.. 図 の入力画像について,$%& それぞれを 値点. 以上のように,通常の白地に黒点や黒地に白点の点描画. 描画に変換してカラーに戻した結果を図 に示す.図. よりも,灰色地に白点と黒点の 値点描画のほうが入力画. ∼" と同じく,背景が灰色で点が小さいのでコントラスト. 像の模様の再現性が高い.しかし,白地に黒点や黒地に白. が低い.図 と同様に,図 の点のサイズを少し大. 点の点描画では背景と点との明暗差が であるのに対. きくした結果を図 に示す.図 と同様に,部分的に 点同士が癒着しているが,コントラストが上がっている. このカラー点描画においても入力画像の細かい模様が再現. "# 0"# 1
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(94) 図 点を大きくした + 値点描画 3
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(101) % 図. . カラー点描画. 5%
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(103) Vol.2012-CG-148 No.3 2012/8/29. 情報処理学会研究報告
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(117) 図. . . 点を大きくしたカラー点描画. 5%
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(120) . されているのは,画素値順
(121) の効用である.なお,図 . では背景の灰色がまだ残っているが,点を更に拡大. して図 にすると,背景がほとんど点で塗り潰され, 鮮やかさが増すが,細部の模様も塗り潰されてしまう.. おわりに 入力濃淡画像の画素値順にスキャンする
(122) を提案し, 灰色の背景のなかに白点と黒点を打つ 値点描画にも拡張 した.この 値点描画は,通常の白地に黒点や黒地に白点 の点描画よりも入力画像の再現性が高いことを示した.本 稿では,カラー画像は $%& 各成分をモノクロ点描画にし てから結合してカラー点描画としたが, 値点描画を多値 に拡張して,直接カラー点描画を生成する方法も考えられ る.そのような多値点描画への拡張が今後の課題である. 参考文献 .
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(125) . ! . "#$.
(126) .
(127) . # % . &'& (( &. .
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