社会
系教科教育学会
『社会
系教
科教育学研究』第11
号 1999
(pp.19-26)
「技術革新
一
小学校
」
「 ̄
社会変容」の相互関係を視点とした産業学習の授業設計
第
5学
年
「自動
車産
業
とわ
た
した
ちの
くら
し」
を事例
と
して
−
On Constructing
a Lesson Plan of the Industry Studies on the Viewpoint of the
Interrelation between "Technological Innovation"
and
"Social
C
h
a
n
g
e
¨:
A Case Study of Unit "The Influence of Automobil Industry on
Our Living" in the 5th Grade
山
梨
弘
樹
(静
岡
県
下田
市
立
下
田小
学校)
I。は
じめ
に一
問題の
所在
と課
題の
設
定一
社
会
科教
育の
目的は
,現
代社
会に
対す
る
科
学的
な
認識
を深
め
,未
来社
会
を科
学
的
に予
測
でき
る資
質
・能
力を子
ども
た
ちに
育
成す
る
こ
とに
ある
。
で
は
,産
業
学習
で
この
よ
うな
資質
・能
力
を育成す
る
授
業
を設計
す
るた
め
には
どの
よ
うに
した
ら
よいの
で
あ
ろ
うか
。
この
問
い
に応
え
る重
要
な
示
唆
と
して
,
厂
起
源
と来歴
を知る
ことに
よる
現
代社
会の
理
解」
,
「過
去の
社
会
の
理
解
を通
しての
現
代社
会
の
理
解」1)
と匚
科
学
的根拠
に
よる価
値
判断の
重要
性」2)
か
お
る
。前
者は
,過
去か
ら現
在
ま
での
学習
内
容の編
成
に
関わ
る
提言
で
あ
り
,
後者は
現
在か
ら未
来への
学
習過
程の
組
織
に
関わ
る提
言
で
ある
と捉
える
こ
とが
で
きる
。
ここで
,
内容編
成
と
学習過
程の
2つの
側
面か
ら従
来の
産
業
学習の
理
論や
実
践
を検
討
してみ
る
と
,次の
問題
点
を指摘
す
る
こ
とが
でき
る
。
学習
内容
を編
成す
る
上
での
問題
点の
第
1は
,産
業の
捉
え方に
ある
。従
来の
理
論や
実践
では
,産
業
を学ぶ
こ
とを
目的概
念
と
して捉
え
,産
業活
動に
関
す
る様
々な事
実
を網
羅
的に
理解
させ
よ
う
とす
る
も
の
が
大半
を占め
て
いる3)
。
しか
し,産
業社
会の
特
質
を効
果
的
に把
握
させ
よ
う
とす
る
な
らば
,産
業
を
学ぶ
こ
と
を方法概
念
と
して捉
え
,産
業活
動
とそれ
を取
り巻
く社
会
との
関係
を認
識
させ
て
い
くこ
とが
求め
られ
る4)
。従
って
,産
業
を
目的概
念
と
してで
は
な
く
,方法
概
念
と
して
捉
え
,産
業社
会
の
基本
構
造
を認識
させ
る学
習
内容
を編
成
を
して
い
くことが
第工
の
課
題
となる
。
問題
点の
第
2は
,産
業学習へ
の
時間
軸の
組み
込
−
みにある
。従来の理論や実践では
,意図的に時間
軸
を組み
込み
,過去か
ら現代に至るまでの時間の
流れに沿
って学習内容を編成
している事例が非常
に少ない5
‰先の提言が示す
ように
,現代の産
業
社会
をよ
り深
く認識させようとす
るならば
,近現
代史を通
した産
業社会の起源や来歴
,及び過去の
産
業社会の基本構造を捉
えさせていくことが求め
られる
。よって,一つの時代だけに着
目するので
は
なく
,過去か
ら現在に至るまでの産業社会の趨
勢や産業活動の
変遷を認識させる学習内容
を編成
す
ることが第2の課題となる。
学習過程
を組織す
る上での問題
点は
,現在
と未来
の接続に
ある
。従
来の
理論や実践には
,現在
までの
学習で獲得
させ
た知識
を未来
予測に応用
させ
て
いな
か
った
り,現在
までの
学習で獲得
した
知識とはかけ
離れ
た
ところで未来
予測
をさせた
りして
いるものが
数
多
く含
まれ
ているS
)
。科学的な未
来予測
を実現す
るためには
,現
在までの学習
と未
来の
学習との接続
の
問題
を克服
しなけれ
ばな
らない
。従
って
,現在か
ら未
来へ
を
一連の流れ
と
して捉
えるた
めのス
トラテ
ジ
ー
を提言す
る
ことが課
題の第
3となる
。
以
下では
,まず
,本稿の
2つの問いに
,すなわ
ち
「産
業社会の特
質や趨勢
を認識
させる学習内容
をどの
ように編成すべきか
」と
「獲得
した知識
を
応用
して未来を予測
させ
る学習過程をどのように
組織すべきか
」に応
える形で産
業学習論
を提言す
る
(第
Ⅱ章)
。次に,この産業学習論を具現化
し
た授業モデル
を構想
し
,提案する
(第Ⅲ章)
。そ
して最後に,内容編成上,学習過程上それぞれの
工9
−
成
果
と意
義
に
つい
て
論及す
る
(第IV
章
)
。
尚
,本
稿
では
,我が
国の
代
表
的な
産
業で
あ
る
自
動車
産
業
を具体
的
な考
察
対象
と
して
い
く
O
n。
「技術革新」
「社会変容
」の相互関係に基づく
産業学習論
1.科学的な社会認識
を形成する内容編成
子どもたちに
,現代における産
業社会の特
質や
趨勢を掴ませ
ようとするならば
,次の
ような認識
が求め
られ
る
。第
1に
,近代産業が誕生してから
今
日までの
それ
ぞれの時代における産業活動とそ
れ
を取
り巻
く社会との基本構造を認識させること
である
(構造的認識)
。第2に
,近現代史を通
し
た産業社会の基本構造を歴
史的に認識させること
である
(歴史的認識)
。第3に
,産業活動の
変遷
を認識させる
この
ような認識を育むためには
ことである
(一般的傾向性)
,産業活動を捉
。
えさせるための視
点と産
業活動を取
り巻
く社会
を
捉
えさせるための視
点を設定し
,両者を関係
づけ
ながら産業社会
を把握させていくことが必要とな
る
。ここで,産業活動に
おける生産,流通,販売
という
3つの領域の
中から,特に生産領域を本質
的に捉
えさせるために
匚
技術革新」7
)
を,産
業活
動を取
り巻
く社会における事象や現象
(
「 ̄
社会生
活
コ,その背景にある制度や仕組み
「匚
社会的条
件
」
)の連続的な変化を捉えさせるために匚
社会
変容
」8
)
を設定する
oこれ
らの相互関係の視
点で
産業社会の特質や趨勢を把握させ
,更には産
業活
動の
変遷を捉
えさせていくことに
しよう
。
(1)構造的認識
匚
技術革新」と匚
社会変容
「厂
社会的条件」
,
匚
社会生活
」
)
」には
,匚
技術革新」が匚
社会的条件」
に規定され
,厂
社会生活」に影響を及ぼすという
相互関係が認められ
る
。この相互関係の視
点で産
業学習の
内容を編成
し
,時代ごとに追求させるこ
とに
より
,ある時代の産
業活動と産
業を取
り巻く
社会の関係
を構造的に認識させることができる
。
例
えば
,昭和50
年代に
,地方都市が発展
した
り
(生活)
,都市郊外にあ
りとあらゆ
る商業施設が立
地
した
り
(産業)するように
な
ったのぱ なぜ’
だろうか
(
匚
社会生活
コ。この
原因は
,自動車産
業が中品種中量生産を確立し
(工程革新)
,女性
専用車
,リッター
カー
,排気ガス対策車や低燃費
車な
どを次々に製品化した
(製品革新)ことにあ
る
(
匚
技術革新)
)
Oでは,
‘なぜ’このような
厂
技術革新
」が進展
したのだ
ろうか
。匚
技術革新」
の背景には
,女性の保有を意識
した乗用車の複数
保有の進展
(
ニーズ)や政府の環境政策の実施
(政策)かおる
「
匚
社会的条件」
)
。更に,アメリカ
との貿易問題が深刻になったため
,政府は昭和56
年から対米乗用車自主規制を実施した
(政策)
(
匚
社会的条件
コ。これ
に対
して自動車産
業ぱど
の
ように’対応
したのだろうか
。自動車産業は
,
輸
出台数を制限されたため
,海外現地生産を本格
的に
開始
した
(経営革新)の
である
「匚
技術革新
」
)
。
匚
技術革新」
〈製品革新〉
〈工程革新〉
〈経営革新〉
一 厂
社会変容」一
一 匚
社会的条件」
−
〈経済
的条件
〈ニ
ーズ
〉》
〈政治
的条件
〈政
策〉》
「社会
生活」
〈生活
〉
〈産
業
〉
【図
1
「技術革新」
「社会
変容」の相互関係】
【図
一
1】を用
いてこれ
までの
関係
を説
明する
と
次の
よ
うになる
。身近
な社会事
象や現象
を
‘なぜ
’
と問う
ことによって,可視的なものに隠
された
「技
術
革新
」
を捉
えさせる
こ
とが
で
きる
(①
)
Oこの
「技術
革新
」
を
‘なぜ’
と問
うことで,その
背景に
ある
「社
会
的条件
」
を掴ませる
ことが
できる
(②
)
。更には
,
「社会
的条件
」
を
‘どの
ように’と問
うことで
,
「社
会
生活
」に直接的な影響
を及
ぼさない
「技術革新
」
を把握
させる
ことが
でき
る
(③
)
。この
よ
うに
,ある
時代の相
互関係
を追求
させる
ことを通
して
,産
業社
会
を構造的に
認識
させ
ることが保
証され
る
。
(2
)歴史的認識
糺相互関係の視点
で産業学習の内容を編成
し,こ
枦関係
を我が国産
業社会の近代化の過程に沿
って
遭求させることにより,近現代史を通
した産
業社
会の基本構造
を歴史的に認識させる
ことができる
。
71例
えば
,明治時代には
,一部の特
権階級
,企
業の
ニー
ズに応
えるため
に
ヨー
ロッパの高級
車が輸入
さ
−20−
れ
ていた
。この
結果
,自動車は
特権
階級の
象徴
と
し
て
,あるいは企業の宣伝
媒体
と
して活用
され
る
よう
に
なった
。大正時代か
ら昭和初
期には
,第
一次大戦
後の
好景気によ
り営
業用
と
して
自動車
を活用
しよう
とす
る業者が現れ
る
ように
なったた
め
,日本市場
を
有
望視
した
アメ
リカ資本が進
出
し
,大量生産方
式に
よ
り自動車
を供給する
よ
うに
なった
。この
結果
,営
業用
と
しての
自動車が普及
し始め
,バス
やタクシー
が
日常の
交通機関
と
して活躍す
るよ
うにな
った
。昭
和10
年代に
は
,国際情勢の悪
化に伴
い物資が不足す
るという状況が生まれ
た
。この
よ
うな背景の
中,自
動車産
業は
軍用車輛
を開発
し
,結
果的に
自動車文
明
は
衰退
していった
。戦後
を迎
えても
,自動車産
業は
,
それ
ぞれの
時代の厂
社会
的条件
」に規
定され
なが
ら
民需技
術と
しての
「技術革新
」
を確
立
し,この厂
技
術革
新」が
,各時代の
「社会
生活
」に
大きな影響
を
及
ぼ
してきたの
で
ある
。
以上のように
,各時代の
「 ̄
技術革新
」と匚
社会
変容
」の
内容は連続
的に変容
しては
いるけれ
ども,
産業社会の基本構造は各時代に
一貫
している
こと
がわかる
。従って,様
々な時代の相互関係
を追求
させる
ことを通
して
,近現代史を通
して見出
され
る産
業社会の基本構造を歴史的に認識
させる
こと
が保証
される
。
(3
)
「技術革新
」の一般
的傾
向性
匚
技術革新
」の歴史的過程に着
目させ
,これ
を
追求させることを通
して
,技術
を導入す
る段階か
ら自主技術を確
立する段階
へ
と進展する後発産業
国に
おける匚
技術革新」の一般的傾
向性を認識さ
せ
ることができる。
我が
国自動車産業の厂
技術革新
」は
,匚
導入期
」
,
匚
軍事期
」
,
「 ̄
確立期」の
3つの段階を経
て進展
し
てきた
。第
1段階の匚
導入期
」は,自動車先進技
術国である欧米か
ら
,自動車
を輸入
した
り,資本
を受け入れた
りすることによ
り自動車を供給
して
いた段階である
。いわばノ我が国自動車産業の
匚
技術革新
」の前段階であるといえる。第2段階
の
「 ̄
軍事期
」は
,国際情勢が悪化
し,欧米諸国に
よる
自動車供給ができな
くなった
ことを背景に
,
我が国自動車産
業の厂
技術革新
」が確立
した段階
である
。しか
し,戦時下という特別な時代であっ
たため
,
「技術革新」は,軍用
トラ
ックやティー
−
ゼルエンジン
を搭載
した戦車の
ように軍需技術と
して進展
した
。第3段階の匚
確立期」は,第二次
世界大戦後から現在にまで及び
,民需としての
「 ̄
技術革新
」が確立
した段階である
O
「技術革新」
は
,それ
ぞれ時代のニー
ズや政策に規定
され
,価
格
,品質
ともに優れた匚
製品」を,よ
りフ
レキシ
ブル
な
「 ̄
工程
」を目指
して進展
してきた。この過
程の中で国際競争力を高めた自動車産
業は
,輸出
や海外現地生産という
匚
経営」面での革新を実現
し
,匚
技術革新」の領域を拡大
してきたのである。
この
ように
,我が国産
業活動における匚
技術革
新
」の歴史的過程を追求させることを通
して,外
国からの技術
を移植
していた段階から
,自国で製
品革新
,工程革新を確立する段階へ
,更には経営
革新を通
じて外国企
業と競争
して
いく段階
へ変遷
する
一連の匚
技術革新」の一般的傾
向性
を認識さ
せることができる
。そ
してこの
ことは
,後発産業
国がこれ
まで辿
ってきた
,あるいは
これか
ら辿る
であろう匚
技術革新」の
一般的傾向性
を認識
させ
ることにも繋がる。
2.科学的な未来予測
を保証す
る学習過程
子
どもた
ちに未
来の産
業社会
を科
学的に予測する
能
力
・資
質を育成す
るためには
,現在
までの
学習で
獲得
した産
業社会の
基本構造に
ついての
知識
を根拠
に
,これ
を応用
させ
て未
来の
予測
をさせ
てい
くこと
が求め
られ
る
。科
学的な未来
予測
を保
証す
るために
は
,現在の
「技
術革新」
と
「社会
変容
」のそれ
ぞれ
の内容
を分析
的に検討
し
,相互関係の
枠組み
を未来
予測
に転移
させて
い
くことが
必要
となる
。本項
では
,
授
業を想定
し
,科
学的な未
来
予測
を保
証す
るための
方略
を具体
的に提
言
して
いく
ことに
しよ
う
。
学習過程は
,概念探究過程
と未来予測過程の
両
者で組織
していく9
)
。概念探究過程は,昭和60
年
代までの産
業社会の基本構造
を認識
させ
る
匚
時代
分析学習
」と明治から昭和60
年代までの基本構造
を歴史的に認識させ
,厂
技術革新」の一般的傾
向
性をも認識
させる
「 ̄
概念形成学習
」の2つで組織
す
る
。未
来予測過程は
,現在の事実や状況を分析
的に検討させる
「 ̄
現状分析学習
」と2
工
世紀一
平成
20
年
−
を予測させる
「概念応用学習」の
2つで組
織する
。概念探究過程については
,前章でその概
要を述べ
ているので,ここでは科学的な未来予測
2工
一
を実
現す
るため
の
鍵
とな
る未
来
予測過
程
に
焦
点
化
し
,論
じて
い
くこ
とにす
る
。
【図一
2】は
,学習
過
程
の
全体像
を示
した
もの
である
。
く明
治〉
〈大正・昭和初期〉
〈昭和10年代〉
〈昭和20
・ 30
年代〉
〈昭和40年代〉
〈昭和50年代〉
〈昭和60年代〉
《明治∼
昭和60
年代》
〈現
在〉
く
未
来
一
平
成
加
年
う
・
大
④
作
匚
社
会的条衽
↓
⑤
「社
会生活
」
【図
2
学習過程の全体像】
注
)概念
探
究
過
程
未
来
予測
過
程
工器港
工訟と
恰
昌
昌
冫
⇒
→
- 一
一
¥
(1
)現
状分
析
学習
「現状分
析
学習
」は
,厂
社
会
的条件
」で
ある現
在
の
消
費者の
ニ
ー
ズ
と政
府の
政
策
を
(①
)
,匚
技術
革新
」で
ある
現在
既
に開
発
され
て
いる
技術
や
開発
中の
技術
を
(②
)
,更には匚
社会
生活
」の
事
実や
状
況
を
(③
)把握
させ
,分析
的に検
討
させ
る過
程
と
して位
置
づけ
て
いる
。
この過
程
で
は
,まず匚
技
術革
新
」の
背景
に
ある
現在
の匚
社
会
的条
件
」
をニー
ズ
と政策の
2つの
側
面か
ら検
討
させ
て
い
く
。ニー
ズ
に
つ
いては
,今ま
で
以上に環
境
対
策が
施
され
て
いる
,安
全性
が
追求
され
てい
る
,あ
る
いは
操作
性の
よ
い
自動車
が
求め
られ
てい
る
こと
を捉
えさせ
て
い
く。政
策
に
つい
て
一
は
,政府が環境問題や安全対策などの
問題に
どの
ように対処
しているか
を捉えさせてい
く
。
次に
,現在の
自動車産
業の厂
技術革新
」を把握
,
検討
させる
。まず
,開発に成功
したハイ
ブリッ
ド
車
,直噴エンジンや開発段階にある燃料電池車な
どかおることについて捉えさせていく
。次に,こ
れ
らの
自動車の
長所と短所を
,分析的に検討させ
ていく
。この検討を通
して,例
えば,
「現在開発
されて
いる環境に優
しい車は
,二酸化炭素の
排出
量を減
らす
ことはできるけれ
ど
,ガソリン
を使
う
ので完全にな
くす
ことはできない
」
,匚
リサイクル
できる部品は増えているけれ
ど
,全
ての
部品
をリ
サ
イクル
できるわ
けではない
」というような現在
の匚
技術革新
」のメ
リッ
トとデメ
リッ
トについて
わか
らせていく
。ここでは
,製
品革新の内容
を検
討することが中核となるが
,検討の過程で,匚
環
境対策車は量産できないか
ら値段が高
い
」という
ような事実に着
目させ
,工程革新や経営革新の現
状にも目を向けさせていきたい
O
最後に
,匚
社会生活」の事実や状況を把握,検
討
させる
。ここでは
,現在の
「社会生活」の
内容
が
,昭和60
年代における匚
自動車は,運転する人
の趣
味や
目的に応
じて使われ
るように
なった
」と
いう内容
と比較
しても大きな変容は認め
られ
ない
ことに気付かせていく
。昭和60
年代か
ら現在に至
るま
での
自動車産
業の匚
技術革新
」は厂
社会生活」
に対
して影響を与え続
けているものの
,これ
を大
きく変容させ
るまでには進展
していないことを捉
えさせ
ることで
,自動車産
業が新たな技術
を実現
するまでは
,消費者のニーズや政府の政策の動
向
は今後も変わ
らないことを掴ませ
,匚
概念応用学
習」に繋げていきたい。
以上のように
,匚
現状分析学習」では,現在の
自動車産業の匚
技術革新
」と匚
社会変容」それ
ぞ
れの
内容に
ついて把握させ
,これ
らの
内容
を分析
的に検討させていく
。この過程を意図的に組織す
ることが
,次時の未来予測をより現実に即
した
,
科学
的なものにするための伏線となる
。
(2)概念応用学習
匚
概念応用学習
」では
,21
世紀一
平成20
年−の
自動車産業の匚
が
どのように変容するかについて,産
技術革新
」とそれ
を取
り巻
業社会の基
く社会
22−
本構
造をおさえなが
ら予測
させてい
く
。ここでは
,
匚
技術革新」
,「
社会的条件」
,匚
社会生活」の3視
点を全てを未来予測させるの
ではな
く
,前時の学
習成果を生か
しながら厂
社会
的条件」の未来像
を
仮定
し
,子どもたちには
,この仮定に基づいた
匚
技術革新」
を(④)
,更には匚
社会生活」を(⑤)
未
来予測
させていく。
この過程では
,まず
,前時の匚
現状分析学習」
の
内容である
匚
自動車産業が新たな技術を実現す
るま
では
,消費者の
ニーズや政府の政策の動向は
変わ
らな
い」ことを確
認させる
。この
内容を基に
,
10年後の
平成20
年の匚
社会的条件」を
,次の
3つ
のタイ
プに類型化
し仮定
していく
。Aは
,環境
・
エネルギ
ー
問題重視型であり,例
えば
,厂
環境問
題やエネルギ
ー
問題が深刻になるの
で,ガソ
リン
を使わな
い環境に優
しい自動車が求め
られ
る(
ニ
ー
ズ)」
という仮定である
。Bは,安全性重視型で
あ
り
,匚
交通事故が増え続けるので,政府の安全
基準に関する政策が厳
しくなる(
政策)」
,Cは,
操作性重視型であ
り
,匚
高齢者や運転が苦手な人
が
,簡単に運転できる自動車が求め
られ
るように
なる(
ニ
ー
ズ)」
という仮定である。子
どもたちに
は
,この
3つの立場の
いずれか
を選択
させ
ていく。
次
に
,未
来
予測
問題①「
み
んな
が
予測
した21
世紀一
平成20
年
−の社
会の
よ
うす
は
,自動
車産
業の
技術
を
どの
よ
うに
変
えるだ
ろうか」
を設
定す
る
。
ここでは
,
子
どもた
ちが選
択
した
平成20
年の社
会よ
うすが
,自
動車産
業の技
術に
どの
ような影響
を与えるの
かにつ
いて
,先に
示
したA,
B, Cのそれ
ぞれの
立場
ごと
に未来
予測
を
させ
て
いく
。例
えば
,Aの
環境
・エネ
ルギ
ー
問題重視
型の立場か
らは
,「
ソー
ラー
カー
が
実用
化され
るよ
うにな
る(
製
品)」
,「
 ̄
燃料電池で動
く
自動車
も実用
化
され
る(
製
品)」
とい
う未
来予測がな
され
る
であろ
う
。
Bの
安全問題
重視
型の
立場か
らは
,
匚
事故
を起
こさな
いための
装置
を量産できるよ
うに
な
る(
工程)」
,Cの
操作性
重視
型か
らは
,「
自動運転
の
車
をつ
くるため
には
コン
ピュ
ー
ター
が
必要なの
で,
今
よ
りも
コン
ピュー
ター
メー
カー
との
結びつ
きを強
め
る(
経
営)」
と
いう未来
予測が
な
され
るで
あろう
。
「技術革
新」の
製品革新
,工程
革新
,経
営革
新と
いう
3つの領
域の
うち
,捉
え昜さとい
う点か
ら考
えるな
らば
,子
どもたちの意
識は
製品革新に集
中す
ること
ー
が
予想
され
る
。しか
し,
「技術革
新」の特質
を掴ま
せ
るため
に
,これ
ま
での
学
習と
同様に
,製
品
,工程
,
経
営の3つの領域か
ら
自動車産業の技術
を捉
えさせ
て
いく。
次に
,未来予測問題②匚
み
んなが予想
した21
世
紀
一
平成20
年−の
自動車産
業の技術は
,わ
た
した
ちの
くら
しをどのように変えるのだ
ろうか
」を設
定する
。厂
社会生活」についても,
A, B, Cの
それ
ぞれの立場ごとに未来予測をさせていく
。例
えば
,Aの立場からは,匚
環境問題
を気にせずに
自動車を利用できようになるので
,自動車
を使
う
時間が今まで以上に増
え便
利になる
(生活)
」とい
う未
来予測がな
され
るであろう
。Bの
立場か
らは
,
匚
安全な車が量産
され値段も下がるので,お年寄
りが
自動車
を安心
して使
えるようになる
(生活)
」
,
Cの立場からは
,匚
よ
り高性能の部品が
求められ
る
ようになるので
,コン
ピュー
ター産
業が更に発展
す
る
(産
業)
」という未来予測がな
され
るであろう。
ここでも
,それぞれの立場ごとに10
年後に予測さ
れ
る匚
社会生活」の事実や状況を産
業と生活の
2
つの側面か
ら捉
えさせて
いく。
このように
,厂
概念応用学習」では
,まず
,匚
現
状分析学習
」で検討
した匚
社会的条件」の学習内
容を生か
して
,平成20
年の匚
社会的条件」の3つ
のタイ
プを仮定させる
。そ
して,この3つを出発
点と
し
,既習の相互関係の
枠組み
を転移させなが
ら
は
「社会生活」を科学的に未来予測
,それ
ぞれの立場ごとに匚
技術革新
させ
」を,更に
ていく。
Ⅲ。相互関係の視
点を組み
込んだ授
業設計
1.小単元名
小学校第5学年
匚
自動車産
業とわ
た
したちの
くら
し
」
2.授
業モデル
(全23
時間扱い)
本節
では
,概
念探究過程に相
当す
る
「時代分析学
習
」の
「昭和60
年代
」
(第17
∼20
時
)と
「概
念
形成学
習
」の
「明治∼
昭和60
年代
」
(第21
時
)の
主な
問
いと
目標
となる知識
を示す
。更には
,未
来予測過程に相
当す
る
「現
状分
析学
習
」の
「現
在
」
(第22
時
)と厂
概
念
応用学
習
」の
「21
世紀一
平成20
年
−
」
(第23
時
)を
示す
。
ここでは
,これ
らに
限定
して授
業モデルの概
略
を提
示す
る
ことに
しよ
う。
23−
過 程 時 段 階 主 な 問 い 目 標 と な る知 識 主 な 資 料 等 概 念 探 求 過 程 時 代 分 析 学 習 17 情 報 収 集 ( 昭 和60 年 代 ) ↓ 問 い の把 握 ↓ 予 想 ・ 仮 説 ↓ 検 証 ↓ 検 証 ↓ 知 識 の獲 得 ○ 自 動 車 は, わ た し た ち の 生 活 の 中 で ど の よ う に 使 わ れ て い る の か 。 ○ 自 動 車 は, 単 に移 動 と 輸 送 の道 具 と し て だ け で な く, ユ ー ザ ー の 趣 味 や 目 的 に 応 じ て 活 用 さ れ る よ う にな っ た。 ◇ グ ラ フ 匚自 動 車 保 有 台 数 の 推 移」 ◇ 広 告 「 自 然 と 遊 ぶ , 大 地 と 遊 ぶ」 ◇ 広 告 「 家 族 お も い の 特 別 ワ ゴ ン」 ◇ 広 告 匚私 はシ ー マ を 待 っ て い ま し た」 ◇ 多 品 種 少 量 生 産 に つ い て の ビ デ オ ◇ ワ ー ク シ ー ト 「 昭 和60年 代」 な ぜ , 自 動 車 は 運 転 す る人 の 趣 味 や 目 的 に 応 じ て 使 わ れ るよ う に な っ た の か。 ○ ど の よ う な 自 動 車 を 生 産 す る よ う にな っ た のか 。 ○ 運 転 す る 人 の希 望 に 応 じ た 様 々 な 種 類 の 自 動 車 を 生 産 で き る よ う にな っ た の は な ぜ か。 ・ 仮 説 「 多 様 な 自 動 車 を 製 品 化 し た」 と 仮 説 「 様 々 な ニ ー ズ に 対 応 し て 多 様 な 製 品 を 製 造 で き るよ う に な っ た」 を た て る こ と が で き る。 ○ 高 級 車 ・ 大 型 車 や パ ワ ー ス テ ア リ ン グ, DOHC, ATな ど を 装 着 し て い る 高 機 能 ・ 高 性 能 車 , 更 に はRV 車 な ど , 運 転 す る 人 の 希 望 に応 じ た自 動 車 を 製 品 化 し た。 ○ コ ン ピ ュ ー タ ーを 積 極 的 に 活 用 す る こ と で 多 品 種 少 量 生 産 体 制 を 確 立 し , より 付 加 価 値 の 高 い多 様 な 自 動 車 を ムダ を な く生 産 で き る よ う に な った 。 自 動 車 産 業 の「 技 術 革 新 」 は , 多 品 種 少 量 生 産 体 制 の 確 立 , 高 級 車 ,RV車 や 様 々 な 車 種, オプ ショ ン装 着 車 な ど の 多 様 な 自動 車 の 製 品 化 と し て 進 展 し た の で, 人 々 の 趣 味 や 生 活 様 式 が 多 様化 し た。 18 問 い の把 握 ↓ 予 想 ・ 仮説 ↓ 検 証 ↓ 検 証 ↓ 知 識 の 獲得 ◇ グ ラ フ 「 免 許 保 有 者 数 の 推 移 」 ◇ グ ラ フ 「 乗 用 車 国 内 販 売 数 の 推 移 と 内 訳 」 ◇ グ ラ フ 「乗 用 車 とRV 車 の 国 内 販 売 台 数 の 推 移」 ◇ 資 料 厂物 品 税 廃 止 前 と 廃 止 後 の 自 動 車 価 格」 ◇ 資 料 Γ 自 動 車 税 金 制 度 の 改 正 」 * ワ ー ク シ ー ト 「 昭 和60年 代 」 な ぜ, 昭 和60 年 代 にな る と色 々 な 種 類 の自 動 車 が 売 り 出 さ れ る よ う に な っ た の か。 ○ ど の よ う な 自 動 車 が 求 め ら れ る よ う に な っ た の か。 ○ 政 府 は , 自 動 車 の 売 り 上 げ を 伸 ば す た め に ど の よ う な 政 策 を 行 った のか 。 ・ 仮 説 「 ユ ー ザ ー の好 み が 多 様 化 し た」 と仮 説 「 政 府 が 自 動 車 の売 り 上 げ を 伸 ば す 政 策 を 行 っ た」 を たて る こ とが で き る。 ○ 女 性 ユ ー ザ ーや シ ル バ ー世 代 を 中心 と す る 潜 在 的 ニ ー ズ が 拡 大 す る 中 , バ ブ ル 景 気 と 呼 ば れ る 未 曾 有 の好 景気 に 見 舞 わ れ た ので 自 動 車 霾 要 は 増 加 し , 高 級 化 , 多 様 化 の傾 向 を 示 す よ う に な っ た。 ま た , バ ブ ル 景 気 崩 壊 後 に 自 動 車 需 要 は 減 少 傾 向 を 示 す よ う に な っ た が, 余 暇 を 重 視 す る 傾 向 が 顕 著 に な っ た ので , RV の 需 要 が 拡 大 す る と い う 新 し い ト レ ント が 生 ま れ た。 ○ 消 費 税 の 導 入 に と も な う 物 品 税 の 廃 止 や 自 動 車 税 の改 正 で ユ ー ザ ーの 負 担 が軽 く な っ た こ と , 軽 自 動 車 の規 格 が 改正 さ れ た。 女 性 ユ ー ザ ーや シ ル バ ー ド ラ イ バ ーを 中 心 と し た 自 動 車 需 要 の 増 大 , 高級 化 やRV 指 向 な ど の多 様 な ニ ー ズ が 生 ま れ た り, 自 動 車 税 が 改 正 さ れ た り し た の で, 自 動 車 産 業 の「 技 術 革 新」 は , 多 様 な 自 動 車 の 製 品 化, 多 品 種 少 量 生 産 体 制 の 確 立 と し て 進 展 し た 。 19 情 報 収 集 ↓ 問 い の 把 握 ↓ 予 想 ・ 仮 説 ↓ 検 証 ↓ 知 識 の 獲 得 ○ 昭 和60 年 代 に 入 り , ア メ リ カ と 日 本 の 関 係 は ど の よ う に な っ た のか 。 ・ 円 高 が 進 む 中 , 自 動 車 の 輸 出 台 数 は ど のよ う にな っ た の か。 ・ 自 動 車 の 総 生 産 台 数 は ど の よ う にな っ た の か。 O G 5( 先 進 5 力国 蔵 相 会 議 ) 以 降 円 高 が 進 行 し, 輸 出 に よ る利 益 が 少 な く な っ た ので , 対 米 自主 規 制 台 数 は平 成 6年 度 か ら 撤 廃 さ れ た 。 ・ 昭 和62 年 以 降 , 輸 出 が減 っ て い る 。 ・ 総 生 産 台 数 は昭 和62 年以 降 も 順 調 に 伸 び た が , 平 成 3年 か ら は 減 っ て い る。 ◇ グ ラ フ 「 輸出 規 制 台 数 と 輸 出 台 数 の 推 移 」 ◇ グ ラ フ 「 円 高 の 推 移 」 ◇ グ ラ フ 「 総 生 産 台 数 の 推 移 」 ◇ グ ラ フ 「 海外 生 産 台 数 の 推 移 」 ◇ グ ラ フ 「 ̄地 域 別 海 外 生 産 台 数 の推 移 」 * ワ ー ク シ ー ト 「 昭 和60 年 代 」 な ぜ , 輸 出 台 数 が 減 っ て い る の に平 成 元 年 ま で の 総 生 産 台 数 は増 え て い る の か。 ○ 急 激 な 円 高 が 進 む 中 , 自 動 車 メ ー カ ー は ど の よ う な 経 営 を 始 め た の か。 ・ 仮 説 匚海 外 で の生 産 台 数 を 増 や し た 」 を た て る こ とが で き る。 ○ 自動 車 メ ーカ ー は利 潤 追 求 の た め に , 輸 出 段 階 を 超え , 現 地 生 産 を 核 と し た 本 格 的 な 国 際 化 戦 略 を 開始 し た こ と が わ か る。 昭 和60 年 の G 5( 先 進 5力 国 蔵 相 会 議 ) 以 降 円 高 が 進 行 し た ので , 自 動 車 産 業 は 本 格 的 な 海 外 現 地 生 産 を 進 め た。 20 問 い の 把 握 ↓ 予 想 ・ 仮 説 ↓ 検 証 ↓ ◇ 新 聞 記 事 「 日 産 座 間 工 場 の 閉 鎖 」 ◇ 資 料 「 バ ブ ル の つ け は 大 き か っ た」 平 成 元 年 以 降 の生 産 台 数 の減 少 は, 自 動 車 メ ーカ ー にど のよ う な 影 響 を 与 え た の か 。 ○ 生 産 台 数 が 減 少 す る 中 , 自 動 車 メ ー カ ー は ど の よ う な 経 営 を 始 め た の か。 ・ 仮説 「 従 業 員 の 数 を 減 ら し た り , 工 場 を 閉 鎖し た り し た 」を た て る こ とが で き る。 ○ バ ブ ル景 気 崩 壊 後 は国 内 の 自 動 車 需 要 が 停 滞 し た た め, 部 品 の共 有 化 や 車 種 の削 減 な ど の リ ス ト ラ を 進 め た。
24
概 念 探 求 過 程 知 識 の獲 得 円 高 に加 え , 平 成 に入 り バ ブ ル 景 気 が 崩 壊 し た た め国 内 販売 台 数 ま で 減 少 し た ので 自動 車 産業 は 部 品 の 共 有 化 や 従 業 員 の削 減 な ど の リ ス ト ラを 進 め た。 * ワ ー ク シ ー ト 「 昭 和60年 代」 概 念 形 成 学 習 21 問 い の把 握 ↓ 知 識 の獲 得 ↓ 問 い の把 握 ↓ 知 識 の獲 得 * 明 治 か ら 昭 和 60 年 代 ま で の ワ ー ク シ ート こ れ まで の ワ ー ク シ ート を 比 べ て, ど の 時 代 に も共 通 し て い る こ と は何 だろ つO ↓ 自 動 車 産 業 の 技 術 は, 社 会 の よ う す に , す な わ ち ニ ー ズ と 政 策 に規 定 さ れ, わ た し た ち の く ら し に, す な わ ち生 活 と 産業 に 影 響 を 及 ぼ す 。 ↓ 自 動 車 産 業 の 技 術 は, ど のよ う に進 展 して き た の か。 ↓ 後 発 自動 車 産 業 国 の技 術 は, 外 国 の 技 術 を 移 入 す る段 階 か ら 独 自 の製 品 , 工 程 技 術 を 確 立 す る 段 階 へ , そ し て 経 営 技 術 に領 域 を 拡 大 す る 段 階 へ と 進 展 して き た。 未 来 予 測 過 程 現 状 分 析 学 習 22 事 実 の 分 析 的 検 討 ① ↓ 事 実 の 分 析 的 検 討 ② ↓ 事 実 の 分 析 的 検 討 ③ @ 現 在 , 社 会 の よ う す は ど の よ う に 変 わ っ て きて い る のか 。 @ 現 在 , 開 発 さ れ て い る 自 動 車 の長 所 と 短 所 は 何 か 。 瑤 わ たし た ち の く ら し は , ど の よ う に変 わ っ た の だ ろ う か 。 @ 自 動 車 を 求 め る 人 は, 環 境対 策 車 , 安 全 対 策 車 , 操 作 の 楽 な 車 な ど, 多 種 多 様 な 自 動 車 を求 め て い る 。 瑤 政 府 は, 地 球 温 暖 化 な ど の 環 境 問 題 や 資 源 の 枯 渇 に対 応 す る た め の 政 策 を 徐 々 に 始 め て い る。 @ ハ イ ブ リ ッ ド 車 な ど , 排 出 ガ スを 大 幅 に 削 減 し た 環 境 に 優 し い 自 動 車 の 開 発 が 進 ん で い る が, 排 出 ガ スを 完 全 に な く す こ と は で き な い, 価 格 が 高 い な ど の問 題 が あ る。 @ リ サ イ ク ル で き る 部 品 が多 く な って き て い る が, 全 て の 部 品 を リ サ イ ク ル す る ま で に は至 っ て い な い。 @ サ イ ド エ ア バ ッ ク の装 着 な ど, 衝 突 安 全 性 を 高 め た車 が 開 発 さ れ て い る が , 人 間 が 運 転 す る以 上 事 故 は な くな らな い 。 e 自 動 車 産 業 が 新 し い 技 術 を 開 発 し て い る 段 階 な の で , わ た し た ち の く ら し は, 昭 和60 年 代 に 勉 強 し た 内 容 と ほ と ん ど 変 わ っ て い な い。 ◇ 資 料 「 車 に っ いて の ア ンケ ー ト 結果 」 ◇ グ ラ フ 「 交 通 事 故 死 亡 者 数 と負 傷 者 数」 ◇ 新 聞 記 事 「 地 球 温 暖 化 防 止 国 際 会議 」 ◇ 広 告 「21 世 紀 に 間 に あ い ま し た」 ◇ 広 告 厂最 先 端 の セーフ テ ィ ー テ ク ノ ロ ジ ー」 ◇ 資 料 匚現 在 開 発 さ れ て い る 自 動 車 」 概 念 応 用 学 習 23 未来 像 の 仮 定 ↓ 未 来 予 測 問 題 ① の 把 握 ↓ 未来 予 測 ① ↓ 未 来 予 測 問 題 ② の 把 握 ↓ 未来 予 測 ② (10 年 後 の 社 会 の 様 子 は , 3 つ の 立 場 か ら 捉 え る こ と が で き そ う で す ね。) A 環 境・ エ ネ ル ギ ー重 視 型 づ ⑤ 二 c 操 作 性 重 視 型 ◇ ワ ー ク シ ー ト 厂21世 紀 一 平 成 20 年 −」 * ワ ー ク シ ー ト 「21 世 紀 一平 成 20 年 −」 みん な が 予 測 し た21 世 紀 一平 成20 年 − の 社 会 の よ う す は, 自 動 車 産 業 の技 術 を ど のよ う に変 え る だろ う か。 廿 矼 ↓ A ソ ー ラ ー カ ー や 燃 料 電 池 車 が 実 用 化 さ る よ う に な る の で は な い か( 製 品) 。 B 事 故 を 起 こ さ な い た め の 装 置 を 量 産 で き る よ う に な る の で は な い か( 工 程) 。 C コ ン ピ ュ ー タ ー メ ー カ− と の 結 び っ き を よ り 強 め る の で は な い か( 経 営) 。 | 心 廿 ↓ | み ん な が 予 測 し た21 世 紀 一平 成20 年 − の 自 動 車 産 業 の技 術 は, わ た し た ち の 生 活 を ど の よ う に変 え る の だろ う か。 | ↓ 廿 ↓ A 環 境 問 題 を 気 に せ ず に 自 動 車 を 利 用 で き るよ う に な る の で , 自 動 車 を 使 う 時 間 が 今 ま で 以 上 に 増 え る の で はな い か(生 活)。 B 安 全 な 車 が 量 産 さ れ 値 段 も下 が る の で , お 年 寄 り が 自 動 車 を 安 心 し て 使 え る よ う に な る の で は な い か (生 活) 。 C よ り 高 性 能 の 部 品 が 求 め ら れ る の で , コ ン ピ ュー タ ー 産 業 が 更 に 発 展 す る の で は な い か( 産 業) 。 | 注 ) 概 念 的 知 識 , 及 び そ れ に対 応 す る 問 い : 一 説 明 的 知 識 , 及 び そ れ に対 応 す る 問 い : 一 下 位 の説 明 的 知 識, 及 び そ れ に 対 応 す る 問 い : ○ 現 在 の 分 析 , 及 び そ れ に対 応 す る問 い : ● 未 来 予 測 , 及 び そ れ に対 応 す る 問 い : 一 一 資 料 : ◇ 既 に示 し た 資料 : *