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共感性とおもてなし態度が社会的迷惑行動の実行に及ぼす影響に関する発達心理学的研究

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Academic year: 2021

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(1)共感性とおもてなし態度が社会的迷惑行動の実行に及ぼす影響に関する発達心理学的研究         学校教育研究科 人間発達教育専攻           学校心理・発達健康教育コース.                     M11042C                     山内智香           問題と目的. 又,2つの質問への回答が自由記述で求められた。社会.  おもてなし行動は,人と人とを積極的に結びつける行. 的迷惑行動尺度を作成するため調査が行われた。質問紙. 動である。この行動は,本質的に向社会的行動と同じで. は自由記述で求められた。得られた回答より項目を,大. あり(Mussen&Eisenberg・berg,1980),思いやりは共. 学院で心理学を専攻する教員と共に抽出し,類似の項目. 感性と向社会的行動に密接に関わっているという。よっ. を整理した上で尺度が試作された。. て,思いやりと本質的に同じであるおもてなしの精神が. 2.本調査 社会的迷惑行動に対しておもてなし行動が. 強ければ,近年,社会的な問題のひとつとして取りあげ. 及ぼす影響について検討する。. られている社会的迷惑行動を抑制するのではないかと. (1)研究協力者 兵庫県内の公立中学校中学2年生. 考えた。共感性の高さでは社会的迷惑行動を抑制するこ. 138名、兵庫県内の公立A高等学校高校2年生81名,. とはできないという先行研究があるが(谷,2008),今回,. 兵庫県内のA大学の学生,兵庫県内のB大学の学生116. 相手に共感し,相手を思ってもてなすという行動を多く. 名計314名(有効回答314,男子152名,女子162名). 生起させる者であれば,社会的迷惑行動を抑制すること. が本調査に参加した。. ができるのかどうかを検討することとした。本研究では,. (2)手続き 調査は集団場面で実施された。調査に先. 児童青年用おもてなし尺度と社会的迷惑行動尺度を開. 立ち各教室で研究者からの教示がなされた。実施前に,. 発し,社会的迷惑行動に対しておもてなし行動が有する. この調査は①成績に影響のないこと,②回答しないこと. であろう抑制効果について,検討することが主たる目的. の自由があること,③個人情報は守秘され保護されるこ. であった。なお,本研究中の社会的迷惑行動は青年期に. と,などが伝えられた。質問紙は,フェイスシート(教. ある人々を対象に,学校・大学内で起こりうる行動とし. 示が印刷され,性別・年齢を記入するようにしたもの). て設定された。. および,「児童青年用おもてなし尺度」・「社会的迷惑行.            方法. 動尺度」・「児童青年用共感性行動目録」から構成され,. 1.予備調査 児童青年用おもてなし尺度・社会的迷. 使用された。. 惑行動尺度を開発する。.            結果. (1)研究協力者 兵庫教育大学大学院生52名,宮崎. (1)児童資年用おもてなし尺度の因子構造 主因子. 県下公立A小学校教諭・B中学校教諭62名,宮崎県下. 法・バリマックス回転による因子分析を行った。その結. の成人20名,計122名が研究協力者として参加した。. 果,解釈可能な2因子14項目が抽出された。各因子の. (2)調査時期 予備調査は2011年7月から8月,. 解釈について各因子に含まれる項目の内容を考慮し,第. 2012年9月に実施された。 (3)手続き 児童青年用おもてなし尺度を作成するた め質問紙は,フェイスシート(性別・年齢・出身地)に加. 一因子を「歓待の精神(α=.873)」,第二因子を「事前 準備(α=.571)」と命名した(全体α=.851)。.

(2) (2)祉会的迷態行動尺度の因子構造 因子構造を明. =.070(pく.OO1))であり,社会的迷惑行動に影響を及ぼ. らかにするため,主因司法・バリマックス回転による因. している尺度は,情緒的反感(β=・1138(pく.05)),情緒. 子分析を打つだ。その結果,解釈可能な2因子12項目. 的共感(β=.127(pく.05)),憐偶の情(β=・.177(pく.O1)). が抽出された。各因子に含まれる項目の内容を考慮し,. であった。情緒的共感は正の影響を示し,情緒的反感,. 第一因子をr公共の迷惑(α=.782)」,第二因子をr仲. 憐欄の情は負の影響を示した。. 間外し(α=.754)」とそれぞれ命名した(全体α=.816)。. (7)階層的貫回帰分析 階層的重回帰分析を行った。. (3)児童脅年用共感性行動目録の因子情追 主因司. 社会的迷惑行動を従属変数とし,おもてなし態度・共感. 法・バリマックス回転による因子分析を結果3因子に分. 性を独立変数としたが,有意な結果は得られなかった。. かれ,第一因子を「情緒的反感(α:.757)」,第二因子. おもてなし態度を従属変数とし,社会的迷惑行動・共感. をr情緒的共感(α=.716)」第三因子r憐欄の情(α. 性を独立変数とした場合も同じく,有意な差は見られな. =.548)」とそれぞれ命名した(全体α=.776)。. かった。しかし,共感性を従属変数とし,社会的迷惑行. (4)性差の検討 3(年齢群)×2(性)の分散分. 動・おもてなし態度を独立変数とすると交互作用が確認. 析によりそれぞれの平均点の比較を行ったところ,おも. できた。これらの結果から,共感性に対して,社会的迷. てなし合計(f(1.31):1O.98(pく.OO1)),歓待の精神. 惑行動・おもてなし態度が影響を及ぼすことがわかった。. (f(1.31)=15.20(pく.OO1)),共感性合計(f(1.31)=68.50.            考察. (pく.OO1)),情緒的反感(f(1.31)=22,068(pく1OO1)),情.  今回の調査より、共感性の低い者は高い者より社会的. 緒的共感(魚1.31)=72.43(pく.OO1))、憐欄の情. 迷惑行動をより迷惑と認知する(小池,2007)のみでなく,. (f(1131)=21.96(pく.OO1))において男性より女性の方. が有意に高得点であった。. (5)年舳差の検討 年齢間の差異を検討するために. 共感性が高いことが社会的迷惑行動を抑制するという 結果となった。また,谷(2008)の,共感性が公共場面で. の迷惑行動に与える影響について検討した研究にあっ. 3(年齢群)×2(性)の2要因分散分析が実施された。. たように,共感性の有意な主効果や交互作用はともに認. その結果によれば,社会的迷惑行動のr仲間外し(ト4,41. められなかった,という報告とは反する結果となった。. (pく.05))」,おもてなし態度のr事前準備. 今回の研究からは,共感性が高いことが,社会的迷惑行. (仁4.38(pく.05))」について中学2年生群の得点が高校. 動を抑制しているという結果となった。また,廣岡他. 2年生群・大学生群よりも有意に高いことがわカ・った。. (2006)による小学生・中学生・高校生の規範意識と. また,共感性については「共感性合計(f=1O.46(pく.OO1))」,. 関連する要因の分析では,学年が上がるにつれて規範意. 「情緒的反感性3.85(pく.05))」「情緒的共感. 識が低下すること,違法・暴力行動や迷惑行動に対する. (f:28.10(pく.001))」のいずれも大学生群の得点が他の2. 規範意識は,男子は学年が上がるほど低下するが,女子. 郡よりも有意に高い結果となった。. は中1∼中2以降は低下しないということ,遊びや快楽. (6)重回帰分析 下位尺度得点の影響過程を検討す. を追求する行動に対する規範意識は女子の方が低いこ. るため,重回帰分析(強制投入法)を行った。社会的迷. とを見出しているが,本研究も,この研究を支持する結. 惑行動(合計得点)を目的変数,おもてなし尺度・共感. 果となった。       主任指導教員 浅川潔司. 性行動目録を説明変数とした。重決定係数は有意(R2.              指道薪昌    性111潔司              」目1■ト仏』ぺ         I^’ 1.月、 I」.

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