Title
成年後見の社会化における法人後見の意義−沖縄県内の
市町村社会福祉協議会の取り組みを通して−
Author(s)
西尾, 敦史
Citation
地域研究 = Regional Studies(9): 13-26
Issue Date
2012-03
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/9661
〔亘二
重二
)
西尾敦史 :成年後見 の社会化 における法人後見 の意義成年後見 の社会化 における法人後見 の意義
一沖縄県 内の市町村社会福祉協議会 の取 り組み を通 して 一
西尾 敦史*
A JuridicalPersonasaGuardianinAdultGuardianshipSystem:
FocusingontheEffortsoFMuniclpalSocialWelfareCouncilsinOklnaWaPrefecture
NISHIO Atsushi 要 旨 成年後見制度 の社会化 にお いて重要な役割 を果たす法 人後見 の取 り組みが全国的 に広 がってきている。沖縄 における 権利擁護 ・成年後見ニーズの拡大 を踏 まえ、総合的な権利擁護 システム構築 の視点 に立ち、県 内の市町村社会福祉協議 会 (社会福祉法人)が法人成年後見 に取 り組む意義 と課題 について、県 内外 の先行事例か ら検討す る。 要 約 介護保険制度 と車の両輪 としては じまった成年後見制度 は、 民法の家族法部分 を改 正す る形 で行われた。 家族法の枠 組みを超 えて、家族だけでな く第三者 の後見 人が選任 され るが、 「介護 の社会化」 と同様,成年後見 を社会全体で支 える 「成年後見 の社会化」 が重要 とな る。成年後見 の社会化 にお いて、重要な役割 を果たす と思われ る新たな制度 に 「市民後 見
」
「複数後見」 な どと並んで 「法人後見」があ り、全国的 にも社会福祉協議会な どの社会福祉法人やNPOを中心 に、 法人が後見人 として受任す る事例が徐 々に広が って いる。 本論 にお いては、沖縄県 内にお いて高 まる成年後見ニーズの状況 を踏 まえ、成年後見 の社会化 の重要な指標 として法 人後見 に焦点 をあて、先行事例 として、広 島県呉市、福 岡県 北九州市、沖縄県沖縄市 の各社会福祉協議会 の取 り組み の 調査結果か ら、介護 と同様,家族 の負担感 を軽減 し、第三者 を含めたゆるやかなネ ッ トワー クによる総合的な権利擁護 システムの構築 を構想す るO その上で、県下 の市町村社会福祉協議会が担 い手 とな る場合 の、 法人後見 を推進す る 「社会化」 の意義 を考察 し、そ の実務上の課題 として、利益相反 とな らないこと、適切な事務推進および監査体制 と財政基盤が重要であることを見出 した。 キーワー ド :地域福祉権利擁護事業 (日常生活 自立支援事業)、市民後見人、社会福祉法人、家庭裁判所 Abstract工n2000,theadultguardianshipsystem wasestablishedinJapantoensuresupportfortheelderlyandthe disabledwhohavediminishedmentalcapacitiesandprotectthem from fraudandotherfoulplay.Thenumber ofpeoplerequlringguardlanSWillsnowball.Infact,therearealready130,000peoplearoundthenationreceiv -1ngSupportundertheadultguardianshipsystem.
Clearly,thecurrenttrendistoappointasguardianslawyers,judicialscriveners,welfareworkersand
*沖縄大学人文学部福祉文化学科 [email protected]
(
諭す■
-「地域研究
」9
号2
01
2
年3
月otherspecialists.ByappolntlngSuchthird-partyprofessionalstroublecanbeavoidedandtherightsofthei n-capacitatedelderlyordisabledwardbeprotected.
Forsocializing theadultguardianship system,somenew systemssuch as-'citlZen guardians'■,'■plural
guardlanSl●and"juridicalperson asguardiansHwereintroduced.Somepublicservicecorporationsrelatedto welfareandothernon-profitcorporatlOnShavebeenchosenasguardiansrecentlyinJapan.
ThepurposeofthisstudyistoclarifythefunctionofHjuridicalpersonasguardians…asakeyforsocial -izlngtheadultguardian shipsystem.Weexamlnedcasestudiesforsomeprecedent'1Juridicalpersonasguardi -ans'practicesln OtherreglOnSln Japan and analyzed thefamily structureand currentsituatlOn Ofright protectlOnandsoclalsupportpolicleSinmunlClpalitiesinOklnaWaprefecture.EachreglOnmustbuildalast -1ng,reliablesystem.
Wesuggestthatmuniclpalsocialwelfarecouncilshouldtackle‖juridicalpersonasguardiansHsystem in whichexpertsbeentrustedwithdifficultcases,whllecltizenguardlanSmaySufflCeinsimplercases.Andthe system shouldbeflexible,makingitpossibletochangeguardianswhenaperson■scircumstanceschange.The lossofstrongcommunitytiesisfeltevermoreacutelythesedays.WeproposethefunctlOnOf''juridlCalper -sonasguaLr・dians'tsystem fordevelopnew klndsofrelationshipslnCOmmunitleS.
Keywords:munlClpalsocialwelfarecouncil,civllguardian,socialwelfarecorporation,familycourt
は じめ に 長 く、介護は家族が担 うもの とい う意識がわが国で は一般的だったが、そ の介護 を社会全体 で支 えること (介護 の社会化) を目的 と して介護 保険制度が作 られ た。従来 の社会福祉制度 にお ける措置 (行政処分) で はな く、利用者がサー ビスを選択できる利用制度 となっ たが、成年後見制度は、その利用契約 をサポー トす る 役割 をもつ。 この成年後見制度 は、民法の家族法の部分 を改正す る形で
2
0
0
0
年 にスター トしたが、改正 された内容は、 第三者の専門職が後見人に選任 され るな ど、家族 だけ が後見 を担 う形 にはな って いな い。 制度 は、 「介護 の 社会化」 と同 じよ うに、成年後見 を 「社会化」す る こ とが志向 され、従来 の家族法の枠組み を大 きく変 える こととなった。 この 「社会化」 は、成年後見 による支 援 を国や地方 自治体が中心 にな って広 く市民 に保 障す るシステムを構築す る ことであ り、単 に民法上の財産 管理 システムである ことにとどま らず、判断能 力が不 十分な人び との福祉の増進 をめざす総合的な社会福祉 システム (権利擁護 システム) として運用 され る必要 があることを意味 している (上山2
0
0
8:
8
-
1
6
)
0 新たな制度は、複数成年後見人 と法人後見 人という2
つの仕組 み を導入 し、配偶者法定後見制度 を廃止 し たが、 これ は成年後見制度 の画期 的な変化で あ り、 「社会化」 の上で、 非常 に重要な役割 を果 たす ことに なる (上山2
0
0
8:1
9
-
2
3
)
。 本論 にお いて着 目す るのは、法人後見制度である。 総合的な権利擁護 を推進す る社会福祉 システムにおい て、 また成年後見 の社会化の推進 の上で、法人後見が どのよ うな役割 を果 た しうるか という問題意識か ら、 その意義 と課題 を明 らかにす ることを目的 としている。 研究方法 としては、2
0
0
8
年前後か ら沖縄県内外の市 町村社会福祉協議会 にお いて、高 まる権利擁護ニーズ、 成年後見ニーズ に応 えよ うとす る体制のあ り方 として、 法人後見が検討 され、 また、先行実施 されてきた こと か ら、それ らの調査 を通 して、取 り組みの経緯 と背景、 実践内容 とその現状 を把握 し、法人後見 を担 うことが ふ さわ しい法人の要件および体制のあ り方 を検討 して いきたい。(
遍互 )
西尾敦史 =成年後見の社会化における法人後見の意義1
成年後見制度 と 日常生活 自立支援事業 の経緯 (1) 成年後見制度2
0
0
0
年の民法改正以前は、判断能力が不十分な成年 者を保護す る制度 として禁治産 ・準禁治産制度があっ た。その名称 も 「治産 を禁 じる」 というものであ り、 戸籍に記載 されるので差別的なイ メー ジが付随す る、 さらに旧制度の後見人には強力な権 限があるため、相 続財産争いに利用 され るといった問題がある ことが指 摘されていた。 そのため、 自己決定権の尊重、残存能力の活用、ノー マライゼー シ ョンの新 しい理念 に基づき、判断能力や 意思能力が不十分な状態 にある人を支援 し、そ の権利 擁護を図るための新 しい成年後見制度が、2
0
0
0
(平成1
2
)
年4
月、介護保険制度 の導入 と同時 に施行 された。 介護保険制度 にお いては、利用者がサー ビスを選択 し、 提供者 と契約す る ことが必要 となる。 したがって判断 能力が不十分で契約の内容の理解が困難な人の権利擁 護が必要にな り、制度化 された という背景がある。 したがって、成年後見制度 と介護保険制度は車の両 輪であ り、成年後見制度 による権利擁護が適切 に行わ れては じめて、利用制度 としての介護保険制度が機能 する。 しか しなが ら、制度創設1
0
年以上 を経た現在 に おいて も、高齢化のさ らなる進展、虐待や悪質商法へ の対応な どのニーズの高 ま りに対 して、制度 の活用が 十分に行われているとは言い難 い状況がある。 その背景 には、成年後見制度が十分 に知 られていな い、 どこに相談 した らいいかわか らない、多様なニー ズに対応できる後見人が不足 している、 申立て に関す る手続 きが煩雑で期間 も長 く、 申立ての費用、後見人 への報酬等経済的な負担 も大きい、 中心的な推進機関 やネ ッ トワー クが確立 されていないな ど、 さまざまな 問題が指摘 されている。 (2) 日常生活 自立支援事業 日常生活 自立支援事業 (地域福祉権 利擁護事 業、2
0
0
8
(平成2
0
)
年4
月名称変更) は、 福祉サー ビスの 利用が措置か ら契約 (利用)へ と移行す る中、判断能 力の不十分な人の適切な福祉サー ビス利用 を支援 し、 権利擁護 を図る ことを 目的 とした事業で、成年後見制 度 に半年先がけ、1
9
9
9
(平成1
1
)年1
0
月に厚生省社会 ・ 援護局長通知 によ り、都道府県社会福祉協議会 を実施 主体 として開始 された。本人 との契約 に基づき、定期 的な訪問を行 い、福祉サー ビス利用 の支援や、 日常的 な金銭管理 の支援 を行 う。本人が契約能力を有 してい ることが前提 となってお り、判断能力の低下や困難性 に対 して、本人や周囲の気づきか ら早期 の対応が可能 であ り、 よ り抵抗感が少な く利用できる初期段階にお ける支援制度 といえる。 したが って、 この制度での援 助が困難 になった場合は、市町村への連絡等、適切な 対応 を行 うよ う努 める こととされてお り、利用者の判 断能 力の低下 に伴 って成年後見制度 の利用 につなげて いくことが重要 になる。 (3)成年後見制度の現況2
0
0
8
(平成2
0
)
年1
年 間の、 成年後見 関係事件 (後 見開始,保佐 開始,補助 開始及び任意後見監督人選任 事件) の申立件数は合計で2
6,
45
9
件 (前年は2
4,
7
2
7
件) であ り、対前年比約7
.
0%
の増加 となっている。 内訳は、 後見が2
6,
45
9
件(
85.
2%)
、保佐が2,
5
3
9
件(
9.
6%)
、補 助が9
47
件(
3.
6%)
となって いる (裁判所事務総局家 庭局2
0
0
8
年)0 国際的 にみると、 ドイツでは8,
1
0
0
万の人 口に対 して 約1
0
0
万人が利用 してお り、成年後見制度 の利用率 は 総人 口の約1%
に相 当す る といわれ る。 日本 は世界一 の高齢社会であ り、成年後見制度の潜在的利用者は、 仮 に総人 口の1%
とすれば、1
2
7
万人 とな る。具体的な 制度 の利用者 として想定 され る知的障が い者 (18歳以 上) は約3
0
万人、精神障が い者約21
7
万人、 認知症 高 齢者 は2
01
2
年 には約2
2
5
万人 と推計 されて いる ことか ら見て も、制度が十分 に活用 されているとはいい難 い 状況 にあるといえる。1
5
(
遵亘 、
こ
:
会福祉協議会 を対象 とした調査 によれば、法人 として 成年後見人等 を受任する必要性 を感 じている理 由は、 「地域福祉権利擁護事業 の利用者への継続的な支援 を 行 う必要性 があるため」 とい う回答が6
5
.
0%
で最 も多 く, ついで、 「成年後見人等 の候補者が いないため」 が2
8.
0%
であった (山口県社会福祉協議会2
0
0
5
)
0 この調査結果は、権利擁護事業の利用者の判断能力 が低下 し、本人の意思 を確認 しなが ら金銭管理 を行 う ことが困難 になった場合、成年後見制度 の利用移行が 不可欠である ことを明 らか にしている。専門員が成年 後見制度 に向けて関係者の調整を行 いなが らも、市町 村長 申立が行われなかった り、後見人の担い手が見つ か らないな どの理 由で移行が適切 に行われていない実 態がある。 また、第三者後見人を必要 とす る利用者が 生活保護 を受給 していた り、低所得であった り、資力 に余裕がな く、後見人報酬が期待できない場合は、受 任者がみつか りに くく、後見人の選任 に長 い時間を要 しているという状況 もある。 成年後見制度 の担 い手 につ いての全国的な概況を見 ると、2
0
0
9
(平成2
1)年、親族以外 の第三者が成年後 見人等 に選任 されたのは、全体 の約31
.
5%
で、 その内 訳 は、 弁護士が2
,
2
6
5
件(
9.
1
%)
、 司法書士 が2
,
8
3
7
件(
ll
.
4%)
、 社 会福祉士が1
,
6
3
9
件(
6
.
6%)
とな って い る。 また、 法 人が成年後見 人等 に選任 され た ものは4
87
件で、全体 の2
.
0%
となっている (裁判所事務総局 家庭局2
0
0
8
)
0 制度が始 まった2
0
0
0
(平成1
2
)
年度 の統計では、本 人の親族が成年後見人等 に選任 された ものが全体の9
0
%以上を占め、親族以外 の第三者が成年後見人等 に選 任 された ものは全体 の1
0%
弱程度 であった ことを考え ると,親族以外 の第三者が成年後見人等 に選任 され る 割合 も年々増加 してきていることは確かである。 第三者 の成年後見 人等 の候補者 については、弁護士 会,司法書士会、社会福祉士会な どの専門職団体が家 庭裁判所 (以下、 「家裁」 と表記す る ことがある) に 対 して候補者 を推薦 し、家庭裁判所では 申立人が後見 人等 の候補者 を推薦 していない場合や 申立人の推薦す =r地域研究」9
号2
01
2
年3
月 (4) 日常生活 自立支援事業の利用状況 日常生活 自立支援事業の利用状況は、 制度創設2年 目の2
0
0
0
(平成1
2
)
年度の全国の契約件数は、1
,
6
8
7
件 であったが、2
0
0
7
(平成1
9
)
年度 には、8,
5
8
0
件 と5
倍 以上 に増加 してお り、2
0
0
9
(平成2
0
)
年3
月末の実利 用者数は2
5
,
5
2
2
人 となっている (平成2
0
年厚生労働 自 書2
0
0
8
)
。 この数字は、成年後見制度 の1
年間の申立て 件数 とほぼ同 じである。利用者の増加はあるものの、 ニーズが高 まる中で、ニーズに対 して十分 に応え切れ ているとは言 い難 い状況がある として、積極的な活用 への制度改善の提言 も行われている (日本弁護士連合 会2
0
0
5
)
02
0
0
7
(平成1
9
)
年度の全国の契約者の対象者別 内訳 は、認知症高齢者等が6
4.
0%
、知的障がい者等1
4.
1
%
、 精神障が い者等1
6.
2%
であ り、 うち生活保護受給者が3
5.
6%
となっている。 沖縄県内の状況では、2
01
1 (平成2
3
)
年1
0
月現在 の 実利用 者数は4
6
4
人で、利用 希望が あるが契約 に至 っ て いな い待機者 は2
8
6
人 を数 える。 待機 者が多 い市町 村は、那覇市(
61
人)、沖縄市(
5
9
人)、 うるま市(
47
人)な どが 目立 って高 くな ってお り、市町村 による利 用者数、待機者数 の違 いが大 きい。待機者が多 い背景 として、以下の節でふれ るよ うに、判断能力の低下 に よって成年後見 につな ぐ必要のあるケースの移行がス ムーズに行われていないことも一つの要因となっている。2
法 人後見 の必要性 と現状 (1) 法人後見を必要 とする背景 沖縄 県社 会福祉 協議会 が、 日常 生活 自立支援事業 (当時、地域福祉権利擁護事業、以下、 「権利擁護事業」 と略す る ことがある) の利用者 につ いて2
0
0
7
年3
月に 行 った調査 によれば、判断能力が 「後見」 レベル程度 と見 られる利用者が5.
9%
あ り、 また 「成年後見制度 に つな ぐ必要がある」ケースが9.
0%
存在 した (沖縄県社 会福祉協議会2
0
0
8
)
0 また、 山口県社会福祉協議会が2
0
0
4
年度 に市町村社(
二
重
二
二
亘つ
西尾敦史 ‥成年後見の社会化における法人後見の意義 る候補者がふ さわ しくない ときに、 これ らの団体 の推 薦に基づいて後見 人等 を選任 している。 日本成年後見 法学会 によれば、2
0
0
6
年現在、第三者後見人等 の候補 者 として全国の弁護士会 に登録 されている弁護士は約3
,
0
0
0
名、 「成年後見セ ンター ・リーガルサポー ト」 に 登録 されている司法書士は約4
,
0
0
0
名、 「ぱあ となあ」 に登録 されている社会福祉士 は約1
,
7
0
0
名で、3
団体合 計で約8
,
7
0
0
名いるものの、 この中で実際に受任 してい る実働者は、約3
割下回った6
,
0
0
0
名程度 とみ られて い る (日本成年後見法学会2
0
0
7
)
0 第三者 による成年後見 の必要性が高 まってきている にもかかわ らず、担 い手が見出 しに くく選任 につなが らない状況 となっているのである。 (2)法人後見の意義 と特徴 成年後見 の社会化 の仕組み としての 「法人後見」 の 理解 については、学説の中にも若干の違 いがみ られ る。 田山 (輝明)説 によれば、営利法人は好 ま しくな く、 社会福祉法人であれば問題はないが、 入所施設の場合、 本人 との利害関係 (利益相反) を考慮 し、避 けるべ き であ り、社会福祉協議会 (以下、 「社協」 と表記す る 場合がある) については、本人に十分な財産がある場 合は、社協以外が望 ましい としている。社会福祉協議 会の問題点は、利益相反の可能性であ り、具体的 には、 それを避ける方法 として、杉並 区 (東京都)成年後見 センターのように、社協 と区 とが構成員 (社員) とな る別法人を設立す る方式が考え られ るとしている。 田 山説には、世話人は原則 として 自然人であ り、法人が なるのは例外であるという ドイツ世話法の考え方がある。 これ に対 して、上山 (秦)説は、法人後見 を成年後 見の 「社会化」 のバ ロメーター ととらえる。法人後見 が必要な状況 として、認知症高齢者、知的障がい者、 精神障がい者 らのニーズが多様化 した ことで、福祉関 係の事業 を行 う法人が、その人的 ・物的な態勢 を組織 的に活用 し、利用者 の財産管理や身上監護 を行 うこと が必要かつ適切な場合、 また、本人に身寄 りがな く、 成年後見人の適任な候補者 を見つけるのが難 しい場合 などの受け皿 として必要であるとしている (新井2
0
0
9:
7
-
8
)
0 上山説は、 また法人後見 のメ リッ トとして、(丑長期 継続可能性、②広範な対象地への対応、③事務担 当者 の交代可能性、④心理的負担感の軽減等、⑤集団申立 てへの対応可能性 を挙 げ、 また、離島のよ うな専門職 の人数がゼ ロかそれ に近 い地域での事案 について も、 法 人後見 によ る対応 が期待 され る として いる (上 山2
0
0
8:5
4
-
5
5
)
0 一方、法人後見が陥 りやす いデメ リッ トも指摘 され ている。 ひ とつには後見 は田山説が指摘す るよ うに、 本来顔 の見 える後見でなければな らず、法人後見 とは いえ、実際の担 当者が短期間で変わ って しまう状況で は本人 との信頼関係が構築できないという問題がある。 また、 日本型組織 の一般的な悪弊 として、個 人が組織 に埋没 して しまうことで、責任 の所在が不明確 になっ て しまう危険性 も指摘 されている。 (3)市町村 申立の福祉機能 と法人後見 行 政 によ る協 力体 制 の整備 と充実 は、 成年後見 の 「社会化」 にお いては欠かす ことができな い条件であ り、市町村長 申立てはその重要な指標 となる。市町村 長 申立ては親族による申立てが現実に期待できないケー ス (た とえば、 民法上 の 申立権 者である4
親等 内の親 族がいない場合、 いて も音信不通 の状態だった り、非 協 力的だった りす る場合) を中心 に運用 されてお り、 厚生労働省の通達では、 「市町村 申立てに当たっては、 市町村長 は、 あ らか じめ2
親等以 内の親族 の有無 を確 認す ること」 とされている。 申立てを担 って くれ る家 族がいない状況 にある場合、 よ り負担 の重 い成年後見 人の適任者 を家族 の中か ら探す のは困難であ り、市町 村長 申立事案では必然的 に第 三者後見人が選任 され る 割合が高 くなる。市町村 申立てを行 う必要のある利用 者は 「社会化」 に対 して最 も強 いニーズをもってお り、 その意味では法人後見の必要性 も自ず と高 くなる。 したがって市町村長 申立て事案 は、行政 をは じめ、 福祉関係者等 (地域包括支援セ ンター、関連専門職、 17し垂
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l
l
.
l
l
.
一
・
■
市町村長 申立てが1
3
.
3%
(全体4.
0%)
であ り、施設入 所者が約7
1
%
、独居生活者が約1
3%
となっている。親 族間に紛争のあるものが約2
8%
(うち財産管理の紛争 のあるもの約8
8%
、 身上監護 の必要性があるもの約3
0
%) となってお り、経済的虐待 を受けているものが約2
1
%
(うち約2
5%
は身体的虐待 も)見 られた。 つぎに、 岡山家庭裁判所は、法人後見 を選択す る視 点 として、以下の3点 を挙げている。 =r地域研究」9
号2
01
2
年3
月 ケアマネ ジャー、ホ-ムヘルパー、施設関係者、民生 委員等)の連携 ・協 力が求め られ ることになる。 全国の市町村長 申立ての状況 を見 ると、その件数は 制度導入以降、順調 に件数 を増や してお り、2
0
0
6
(平 成1
8
)
年度 には1
0
0
0
件 を超 えて いる。 申立 て全体 に占 める割合も、2
0
0
0
年度 に0.
5%
であった ものが、2
0
0
8
年 には7
.
0%
に増えている。 とくに2
0
0
7
年度か らの伸びが 顕著で,高齢者虐待防止法の施行や地域包括支援セ ン ターの創設 によ り、権利擁護相談 の対応が行われ、取 り組みが拡大 した ことが、市町村長 申立ての増加 につ ながったものとみ られ る (裁判所事務総局家庭局2
0
0
8
)
。 また、2
0
0
5
(平成1
7
)
年の 日本成年後見法学会 の調 査 によると、市区町村 自治体 の5
5.
3%
が、市 区町村長 申立て に関す る要綱 を作成済みであ り,1
4.
7%
が作成 検討中としている。 また、2
0
0
4
(平成1
6
)
年度 中に市 町村長 申立て を検 討 した市 区町村 は2
4
5
団体 (回答 団 体 の4
0.
3%)
に上 ってお り、市 区町村長 申立ての実施 に向 けた体 制が整 いつつ あ る (日本成 年後 見法学 会2
0
0
8
)
。 老 人福祉法第3
2
条、精神保健福祉法第51
条 の 11の2
、知的障害者福祉 法第2
7
条の3
は, 「福祉 を図 る ために特 に必要 と認め られ る とき」 に成年後見制度利 用の申立権 を市区町村長 に与えているが、 これは、成 年後見制度が福祉 の一翼 を担 う制度である ことを示 し ている。 (4)法人後見の現状 と拡が リ さて、成年後見 の社会化 にお いて重要な法人後見 の 拡が りはまだ全体の後見人等 の担 い手の2
.
0%
に過 ぎな い。年々増加傾向にあるものの,全国的にば らつきが あ り、いまだ少ない現状 にある。 そ こで、比較的詳細な報告 のある岡山家庭裁判所の 状況を見 る ことにす る。 岡 山県 内 にお いて2
0
0
5
(平成1
7
)
年4
月か ら2
0
0
8
(平成2
0
)
年1
2
月まで に終局 した事件 の うち、 法人後 見事案 は1
2
0
件 あ り、 その中の7
2%
は専 門家 のネ ッ ト ワーク型の特定非営利活動法人が選任 されている。 申立者の内訳は、本人 申立てが1
6.
7%
(全体7
.
5%)
、 ① 第三者後見人の選任が必要な事案 ② 資産が少な く、報酬 を支払 う能力に乏 しく、 第三者後見人が困難 ③ 親族間 に紛争があった り、虐待がある、対応 (丑の類型では、成年後見人等 を受任す る親族がいな い場合、法人はその組織 力によ り個 人 に比べて多数の 案件 を受任す ることが可能であることが挙げ られてい る。(塾の類型では、法人が多数 の案件 を受任すること でコス トの分散が可能 になる こと,③ の類型では、多 数の専門家が所属す る法人であればチームを組むなど して複雑困難な事案 にも対応が可能であるな どの点が、 法人後見 を活用す る利点 として挙げ られている (岡山 家庭裁判所成年後見小委員会2
01
0:1
8
-
2
2
)
0 つぎに専門職団体 の状況 を見てみると、 司法書士会 では、全国の司法書士4,
7
0
0
人が社員 となっている社団 法人成年後見セ ンター ・リーガルサポー トを2
0
0
0
(平 成1
2
)
年 に設立 している。 リーガルサポー トでは、本部 ・支部(
5
0
支部)体制 をとってお り本部 の法人後見部門 と支部の管理指導の もと、事務執行機関である担 当者が実際の後見事務 を 行 っている。組織的な専門性が求め られ る事案 に限定 して (受託 の際の基準 を設けている) 法人後見を選択 しているO 設立か ら2
0
0
8
(平成2
0
)
年3
月まで に、法人 として 成年後見人の選任 を受けた件数は新規48件、終 了1
3
件、 継続71件、 同様 に保佐 人は、新規1
4
件、終 了3件、継G仁夏)
西尾敦史 ‥成年後見の社会化における法人後見の意義 続2
2
件、補助 人は新規 1件、終 了1
件、 継続0件 とな っ ている。 この他、成年後見監督人 (新規8
7
件、終 了5
0
件、継続7
3
件)、任意後見監督 人 (新規4
6
件、 終 了1
8
件、継続5
2
件) な どとな っている (杉 山2
01
0:2
7
-
3
1)0 社会福祉士会では、社団法人 日本社会福祉士会権利 擁誇セ ンターぱあ となあが、支部ばあ となあの体制整 備の方法 として法人後見 に取 り組んでいる。社会福祉 士会では、基本的 には個人後見 が望 ま しい と考 えてい るが、法人後見は、 同一家族 に複数の成年後見人が必 要な場合な どの困難事例で、個 人では限界があ り、個 人の過重な負担の軽減、成年被後見 人の利益、権利擁 護につながる場合に検討 され実施 されている。 「東京ばあとなあ」では、法人のバ ックアップを得 て、個人後見に近い形で対応できることか ら,主担当 ・ 副担 当の2
名体制で後見 を行 って いる。 組織的 に、担 当者 レベルで決定す る こと (日常的な手続 きや金銭管 理など) と、運営委員会で決定す ること (後見方針 の 検討や決定な ど)、 さ らに東京会 の理事会で決定す る こと (不動産処分な ど大 きな財産 を動かす場合、長期 的施設入所契約、辞任 に関す ることな ど) を分担整理 し、監督機関 として、外部委員3
名、 内部委員4
名か ら なる業務監督委員会 を設置 している (星野2
01
0:3
8
-
4
1)0 (5)市民後見人の取 り組み 成年後見の社会化 の取 り組み に、複数後見、法人後 見に加えて第三者 による後見 の類型 として、市民後見 (あるいは社会責献型後見) の取 り組みが各地で試み られている。 具体的 には、第三者後見 人等が必要 とされている事 案の中には、た とえば 日常的な金銭管理が中心 の事案 など、後見人等 に特別な専門性が必ず しも要求 されな いケース も存在す る。そ こで、弁護士や司法書士な ど の資格はもたないものの社会貢献 への意欲や倫理観が 高い一般市民の中か ら、成年後見 に関す る一定の知識 や技術 ・態度 を身に付けた第三者後見人等 の候補者 を 募集 し、養成す る取 り組みである。専門職の後見人等 を 「専門職後見人」 というのに対 して 「市民後見 人」 と呼ばれ る。 施設入所者 の場合 には、基本的な 日常生活上の支援 は施設が行 ってお り、金銭管理 も後見人等か ら施設 に 委任す ることも可能であ り、通常 の後見 人等 の職務 と しては、定期的な訪問による見守 り、施設ケアのチェッ ク等が中心 になる。 このよ うな場合、市民後見人で後 見業務 を担 うことは可能であ り、時間に余裕があ り、 必要 に応 じて頻 回の訪問 も可能である市民後見人のほ うが,本業 をもつ専門職 よ りふ さわ しいという考え方 もできる。 また、市民後見 人の養成 ・確保 には、第三者後見人 等の候補者不足 を補 うだけではな く、一般市民が成年 後見制度 の担 い手 として活動す ることで、認知症高齢 者や陣がいのある人等への地域 における理解や権利擁 護 への意識が高 ま り、市民が社会全体 で支 えることに つながる意義 を見出す ことができる。 3 社会福祉 協議会 の法 人後 見の状況 と先行事例 (1) 社会福祉協議会が取 り組む法人後見の状況 全国社会福祉協議会が行 った 「法人後見受任社協 ア ンケー ト」 の調査結果がある。 これは、 「社会福祉協議会 にお ける法人後見 の実態 および具体的支援課題 を明 らか に し、今後の社会福祉 協議会 にお ける成年後見制度 に関す る取 り組み を検討 す るための基礎データを集積す ることを 目的」 に実施 されたもので、2
0
0
9
(平成2
1)年8
月時点で都道府県 ・ 指定都市社協が把握 し、法人後見および後見監督 人を 受任 している8
9
市区町社協 を対象 として行われた。 法人後見実施社協7
7
か所 の回答 を集計 した結果、法 人後見 受任数 につ いては、後見3
7
7
件、保佐5
8
件、補 助2
6
件、任意後見2
3
件で合計4
8
4
件 となっている。1
社 協あた りの受任件数は、6.
3
件、生活保護受給世帯は6
3
件(
1
3
,
0%)
、住民税非課税世帯2
0
3
件(
41
.
9%)
となっ て いる。 また、首長 申立が3
0
5
件(
6
3.
0%)
、成年後見 利用支援事業 の適用 (申請経 費の助成)が8
2
件(
1
6
.
9
%)、施設入所者が3
0
5
件(
6
3.
0%)
となっている (全1
9
し
垂.
吏 一
==
=
=
=
=
:
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:
:
:
:
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:
=
二
見9件) で、 うち生活 保護 ケ ース2件、 複 数後見3件 (身上監護 を社協で財産管理 を司法書士 と分担等)。市 長 申立て5
件、親族 申立て5
件、成年後見利用支援事業 の適用は1件 (申請経費助成、報酬助成) となっている。 市長 申立ての場合、やは り社協の法人後見になる場 合が多い。受任件数の制限は設けていないが、内容を 見て判断 してお り、社協以外での対応が可能な場合は 他 を紹介す る場合 もある。家庭裁判所 も社協の法人後 見 の役割 をよ く理解 してお り、 司法書士 ・弁護士 ・社 会福祉士・NPO
な どへの振 り分 けのなかで、特 に社協 がふ さわ しい というケース を依頼 され るよ うになって きている。権利擁護事業か ら法人後見 に移行 した利用 者は、5
名で、権利擁護か ら移行 した場合には、専門 員 ・支援員の担 当者 も変わ り、法人後見の担 当が引き 継 ぐことになっている。 引継 ぎにあたっては、前後の 担 当者が同行訪問をす るよ うにし、時間をかけて移行 させているため、大 きな混乱 はない。 b.事務の流れ 法人後見 に伴 う要綱 ・様式類 (パ ンフレッ ト、法人 後見事業実施要綱、法 人後見事業利用 申込書等) を整 備 している。 成年後見人候補者 とす る申し出をす る際、および家 庭裁判所 による成年後見人 としての選任の際の承諾に 関 して、法人としての意思決定を会長決裁で行っている。 運営監視委員会等 は設置 してお らず、事務局内で運 営委員会 を設置 している。家庭裁判所が後見監督を行っ てお り、年1回、家裁 に報告書 を提出 している。 被後見 人が死亡 した場合、親族がいた場合 には財産 を返還 して、親族で対応 していただ く。親族がいない 場合 には、財産処理 (遺産分割等)や通帳印鑑な どの 処理は司法書士会な どに対応 を依頼 している。C
,財源 ・予算 後見報酬 については、報酬付与の申立てを行 うよう に している。 これ まで、 資力が まった くない方は1名 のみで、その他は関係専門機関に相談 し検討 した結果、 少な くともある程度 の報酬 は必要 との結論 とな り、報 酬 は頂 くよ うに している。財源 については、市か らの =r地域研究」9
号2
01
2
年3
月 国社会福祉協議会2
0
0
9
)
02
0
0
5
(平成1
7
)
年4
月末 の調査では、 全 国の市 区町 村社協34か所 で実施 されて いたので、4年間の間 に法 人後見 に取 り組 む市 区町村社協が2
倍以上 に増 えた こ とが分か る。 (2)法人後見の先行事例 社協が法人 として後見人の選任 を受け、活動 を行 っ て い る2
か 所 の 市 町 村 社 会 福 祉 協 議 会 の調 査 結 果(
2
0
0
9
年11月) を報告す る。 ① 呉市社会福祉協議会 (広島県) イ 経過 ・背景 法人後見は、2
0
0
4
(平成1
6
)
年5
月 に受任 開始 して いる。呉市社協では、介護保険施行後、基幹型在宅介 護支援セ ンター を受託 し、地域福祉権利擁護事業 (か けは し) を実施 していた。相談活動の中で福祉サー ビ スの利用困難者 (公共料金の支払 いやサー ビス利用料 金の支払 いの問題) がお り、権利擁護事業の対応が増 えてきた。その中で成年後見制度への移行が必要なケー スが見えてきた。 当初は、個別 に弁護士や司法書士 に相談 してきたが、 成年後見制度 の相談会 (月1
回、 予約制) を開始 し、 社協 として も来談者の相談対応、書類の書 き方 を含め た 申立て支援 も行 ってきた。 その中で弁護士、 司法書 士、税嘩士な どの専門職 との関係が構築 されてお り、 社協 として法人後見 に取 り組む必要性が高いと判断 し、 事業を開始 した。 口 現状 a.法人後見の対象 ・受任数 対象者要件は、要綱 に次の とお り規定 している。 1)福祉サ- ビス利用援助事業の利用者2)
療養看護 に福祉的配慮が特 に必要な者3
) 著 しい権利侵害 を受 けてお り、保護 の必要性、 緊急性が高い者4)
他 に適切な法定後見人を得 られない者 受任件数は1
4
件 (任意3
件、補助1
件、保佐 1件、後I
_
垂_星 一
一 ・
一
一
一
一
一
一
一
一
一一一一一一・・・・.ll.ll.ll.ll.ll.ll.ll.ll.ll.ll.ll.・.・・ 委託費 (介護保険 ・地域支援事業)で、相談会 ・啓発 費に充て られている。 d.事務局体制 法人後見担 当職 員は兼任 (1名) で、 民生委員児童 委員事務局業務 と兼務 (地域福祉課所管) している。 担当者は社会福祉士 を取得 している。 当初は兼務で開始 したが、兼務体制では業務推進が 厳 しい (業務量の増加) ので、専任職員の配置 を市 に も要請 している。書類の書 き方な どの申立て支援 も必 要であ り、後見業務そのものよ りも、相談対応 に相 当 の時間が とられている。 担当者配置替 えは行 っていない。個人 としての経験 や力量が重要であ り、顔 の見 える担 当者がいて、個人 としてのネ ッ トワー クを作 り上げてきた ことが信頼や 実績の基礎 となっている。 e.関係機関等 との連携 ・ネ ッ トワーク 月1回の相談会 (事前予約制) には月に2
4
件 ほ どの 相談件数があ り、増加傾向にある。弁護士会 ・司法書 士会 ・社会福祉会 とNPO・社協の5者が毎回2団体 を当 番として対応 している。市内には権利擁護 の窓 口機能 をもつ地域包括支援セ ンターが8か所 あ り、 連携 して 相談対応 を行 っている。 ハ 課題 ・展望 支援員の養成 (市民後見人養成講座) を行 う必要が あると認識 している。 法人後見 のメ リッ トは、法人内で相談 し合える こと と、関係機関 との相談 も可能で安心感がある ことであ る。法人後見は、市民 にとって社協への信頼 にもつな がっている。社協では介護保険サー ビス も提供 してお り、利益相反の恐れ もあるが、家裁か らの信頼 を得て 受任をしている。最近では将来の身を案 じ、任意後見 を社協 に依頼 したいという相談が増えてきている。 ② 北九州市社会福祉協議会 (福岡県) イ 経過 ・背景1
9
9
9
年1
0
月か ら権利擁護事業 を実施 してきたが、利 用者の判断能力の低下か ら、対応できない場面が増え、 西尾敦史 :成年後見の社会化における法人後見の意義 一一一一一一一一一・・・・・.ll.ll.一・・・・・・.・・.ll.ll.ll.ll.ll.ll.ll.ll.ll.ll.ll.・.・・● 北九州成年後見セ ンター 「み ると」 (
2
0
0
6
年4
月設立) へつないできたが、 「みる と」 での法人後見が1
0
0
件 を 超 え、それ以上対応できない状況 にあった。 「みると」 とは、成年後見制度 の受 け皿不足、法人後見の必要性 か ら、弁護士 の呼びかけによ り、志 のある専門職が中 心 となって立ち上げた 「有限責任中間法人北九州サポー トネ ッ ト」 と、 「北九州市社会福祉協議会」 が社 員 と な って2
0
0
6
(平成1
8
)
年4月に設立 した 「有限責任 中 間法人北九州成年後見セ ンター」 で、現在は 「一般社 団法人」 となっている。2
0
07
(平成1
9
)
年度 よ り、行政か らの委託 による社 会貢献型市民後見人の養成研修 を受託 し、養成 を行 っ ている。社会福祉協議会 としては、法人後見事業 を担 い、その担 い手 として市民後見人の力を活かせないか と考 え、2
0
0
9
(平成2
1)年4
月に 「権利擁護セ ンター」 を 「権利擁護 ・市民後見セ ンター 『らい と』」 と改称 し、法人後見 を開始 した。研修修 了生の うち、希望者 に採用面接 を実施 し、支援員 として雇用 している。 口 現状a.
法人後見の対象 ・受任教 法人後見 の受任件数は1
2
件で、法定後見 が6
件 (捕 助1
件、後見5
件)、任意後見が6
件である。首長 申立て はな く、成年後見利用支援事業の適用 も0件 とな って いる。 権利擁護事業か ら法人後見 に移行す る利用者が多 く、 受任件数6件 中、3件が移行 した事案である。権利擁護 事業の利用者数 (全市) は、2
81
件(
2
0
0
9
年9
月末) と なっている。 受任 の要件は、親族 間に紛争性がない方 としている。 北九州成年後見セ ンター 「みる と」 と事務所 を同 じく してお り、専門職 中心 の法人 と役割分担 を行 い対応 し ている。 b.事務の流れ 権利擁護事業 については、利用料 は金銭管理サー ビ ス1
回1
,
0
0
0
円 (月4
回 まで)、 財産 保管サ ー ビス年間3,
0
0
0
円となっている。法人後 見事業は、年 に1
回報酬 請求 を行 い、家庭裁宵J所が報酬額 を決定 している.支21
∴論
文∴
・
+e.
関係機関等 との連携 ・ネ ッ トワーク 北九州成年後見セ ンター 「みると」 と事務所 (ウェ ル とばた内) を共有 してお り、 日常的で緊密な連携 と 役割分担が行われている。権利擁護 に関わる問題は、 包括 ・統括支援セ ンター (行政・7
区役所 内) ととも に 「み ると」 と 「らい と」 を中心 として、 どの窓 口に 相談 して も適切な支援ができるよ うな体制 になってお り、 申立て支援 を含む相談対応は、ほとん ど 「みると」 の専門職 によって対応 されている。 「らいと」 の事業の監視 ・サポー トの仕組み として、 「権利擁護 ・市民後見セ ンター監視委員会」(
1
2
名)、 「権利擁護 ・市民後見セ ンター運営委員会」(
5
名)、ア ドバイザー (司法書士、税理士各1名) をおき、専門 職団体 との連携 を図っている。監査等 については、監 視委員の中か ら、 司法書士 と社会福祉士 に業務監査を、 金融機関関係者 に会計監査 を依頼 している。 f.市民後見人養成 北九州市が市民後見人養成の必要性 を認識 していた ことか ら市民後見人養成講座 を、市か らの委託 によ り、 社協が実施主体 とな って実施 している。 市が年1回一 般公募 し、作文試験や面接試験 を行 い、受講者を決定 している。 基礎研修、 実務研修 あわせて1
0
0
時間の講座内容 と なってお り、受講生は1
期生31
名が修 了、2
期生1
6
名が 受講 中となっている。 ただ、家庭裁判所 の考 え方 としては、調査時点では 市民後見人個 人を選任す る考 え方はないため、現状で は、市民後見人が活動す るためには、市社協 「らいと」 の法人後見 の支援員 として登録す ることが必要 になる。 ハ 課題 ・展望 北九州市社協 「らいと」の法人後見事業のパンフレッ トには、 そ の特色 (メ リッ ト) として以下 の8
点が記 されている。 1)公的団体 としての専門機関 とのネ ッ トワーク 2)地域福祉権利擁護事業の支援のノウハ ウ 3)継続的な支援が可能 4)「支援員」は研修 を受 けてお り、家族的できめ こ =r地域研究」9号201
2
年3月 援員 については、 時間あた り賃金6
8
0
円 (最低賃金 を 保証) とし、対象時間 (出勤か ら日誌 を提出す るまで) に対 して支給 して いる (「権利擁護事業」 も 「法人後 見事業」 も同額)0 金銭管理等の流れ については、後見人等 に就任 した 段階で、通帳の名義 を会長名 に、届出印を会長印 に変 更 している。押印 には、担 当専門員 の確認 を経て、所 属長の決裁が必要 となる。 また活動終了後は通帳 を返 却す るとともに、活動記録 を提 出 し専門員の確認 を受 けることとしている。 訪問な どの実際の後見活動は後見支援員が行 い、後 見担 当専門員が書類の作成や 日々の業務 における相談 に対応 している。被後見人が死亡 した場合、残 った財 産処理、書類等 (通帳印鑑) の手続 きについては、推 定相続人を召集 し代表者へ引き渡す という。C.
財源 ・予算 財源は、市の補助金 ・委託費と後見報酬 となっている。 d.事務局体制 職員体制は、所長1
(非常勤嘱託 [弁護士])、次長1
(プロパー [社会福祉士])、統括 専門員1
(プロパー [社会福祉士])、企画調整主任1
(特任 [金融機関OB
])、 事務員1
(嘱託)、法人後見事業担 当専門員1
(嘱託 [精 神保健福 祉 士])、 権 利 擁 護 事 業担 当専 門員4
(嘱託 [社会福祉士2
、 ケアマネ ジャー兼看護師2
])、 支援員2
0
(日々雇用パー ト [銀行OB
、 行政OB
等]) となっ ている。 北九州市 には、7
区の区社協 があるが、 職 員配置が 十分ではな く、権利擁護、法人後見 については、市社 協で一括 して行 っている。 受任件数の制限 を行 うことは当面考 えてお らず、市 民後見人は一 人1件 を予定 してお り、 全体 としては5
0
人程度が限度 と考 えて いる。 バ ックア ップ体制 として、 運営委員会 にお いて、受任 に関す る審議や後見事務 を 行 う際の困難ケースの審議、助言 を得ている。実務的 な援助や助言は、 ア ドバイザー契約 を している司法書 士 と税理士に依頼 している。(二重
二亘 〕
西尾敦史 :成年後見の社会化における法人後見の意義 まやかな支援が可能 5)「専門員」は有資格者 6)専門家 ・第三者 による 「監視委員会」 7)必要性 を 「運営委員会」が検討8)
所長が弁護士であるな ど、専門的相談対応 法人後見の課題 としては、 1)見込みの難 しい後見 報酬、 2) 専門的知識が少ない支援員で後見業務 を行 うリスク、 3)市民後見人が個 人で選任 され るしくみ づ くり、な どである。 2) については、精神障が い者 で対応 の難 しい被後見 人の後見業務 を行 うのに際 し、 専門的知識が少ない市民後見人で不都合がないか懸念 している。 また、支援員は権利擁護事業 と法人後見事 業の両方の支援活動を行 っているが、活動範囲が異な るため支援員が混乱 した り、各事業の枠 を崩 して しま わないか という懸念 もある。 これ らの役割分担 の整理 を行 い、将来的 には市民後見人が単独で受任 され る仕 組み作 りの検討が必要 と考えている。 (3)山口県社会福祉協議会の調査の概要 先行事例か らは、社協が法人後見 に取 り組む動機 と して、権利擁護事業の利用者の継続的な支援 の必要性 があったが、 こうした利用者の判断能 力の変化 に伴 う 環境の変化、支援の必要性 について、 山口県社会福祉 協議会 ・山 H県 法 人成 年後見支援セ ンターが行 った 「成年後見制度利用 に関す る地域福祉権利擁護事業利 用者 と親族 との関係調査」 (平成18年7月末) の概要 を 紹介 しておきたい。 地域福祉権利擁護事業利用者674件 中、成年後見 制 度への移行が必要 となった際、親族 申立てが期待でき ないケース478件 (71%)、 また、第三者後見人が必要 となるケース606件 (90%) が あるが、 移行が 円滑 に 進むケースは68件 (10%) にとどまる。 また、成年後 見制度 へ の移 行 が必 要 と思 わ れ る利 用 者 は、 233名 (34%) となっている。 また、要移行者233名の うち、 移行が順調 に進んで いないケースが、 190件 (81%) となっている。 移行が必要な理 由 (複数 回答) は、 「判断能 力が低 下 したため」 168件 (72%)、 「法的な取消権 が必要な ため」65件 (28%)、 「入所契約、財産 の処分等が必要 とな ったため」 127件 (55%)、 「法的なバ ックア ップ 体制が必要なため」45件 (19%) な どで、要移行ケー ス1件 につき、2つ以上の理 由があるケース も多 く、複 合的なニーズを抱えるケースが増加 している。 移行 が進 まな い理 由 (複数 回答) としては、 「本人 申立が進 まな い又はで きな い」 125件 (66%)、 「親族 申立が進 まない又はできな い」1
1
1
件 (58%)「市町村 長 申立が進 まな い又は断 られ た」
11件 (6%)、 「申立 費用 ・後見報酬等 の支払が難 しい」93件 (49%)、 「後 見人候補者が見つか らない」41件 (22%)、 「その他」 33件 (17%) とな ってお り、 申立て に関す る問題 と 金銭的な問題が特 に多 くなっている。 つ ぎに、 親族 との関係では、 「親族が いて 申立 ・受 任が期待できる」26件 (11%)、 「親族がいて 申立は可 能だが、受任 は期待できない」45件 (19%)、 「親族は いるが 申立 ・受任 は期待 で きな い」 139件 (60%)、 「身寄 りが全 くいな い」 23件 (10%) となって いる。 親族 による申立 ・受任 が期待 で きるケースは全体 の1 割程度 となってお り、 申立 ・受任 において、要移行者 の大半 に親族か らの協 力が得 に くい状況がある ことが わかる。 後見人受任 の状況では、 「親族 による後見人の受任 が期待 で きる」 26件 (11%)、 「第三者後見人が必要」 207件 (89%) と、約9割 のケースが親族か らの協 力が 期待できず、第三者の後見人が必要 となっている実態 がある (山口県社会福祉協議会2008)0 山口県社協 の調査結果は、改めて法人後見の必要性 の高さを浮かび上が らせているといえる。4
沖縄 県 内の市 町村社 会福祉協議会 にお ける法人 後 見 の取 り組み と課題 沖縄県内の市町村社会福祉協議会で、法人後見 を行っ ているのは、沖縄市社会福祉協議会、豊見城市社会福 23[
論文.
ll.ll.ll.一一一一一一一一一一一一一・一一一一・・・・・・・・・・.ll.ll.l
l
.
・
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一
・
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一
一
一
・
・
・
・
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・
.
・
.
・
.
・
.
・
.
・
■
国庫補助で、市 の負担がない ことか ら、沖縄市 も実施 に踏み切 った。2
01
0
年2
月現在、受任8
件 (高齢者6
件、精神2
件)坐 活保護6
件 となっている。 事業の運営体制 として、沖縄市 (行政) に 「法人後 見受任事業委託運営委 員会」 を置き、実務的 には、福 祉事務所各課長等で構成す る 「後見等受任判定会議」 を設置、法人後見 を受任す る沖縄市社会福祉協議会 に は、 「後見支援専門員」1
人 を配置 している。1
人の専 門員で、2
0
人の後見対応が可能 になると考えている。 この事業 に取 り組んだ ところ、 1)地域 に密着 した 後見活動の実施が可能 になる こと、 2)
費用対効果、 3)組織対応 による継続的な支援 (担 当者が変わって も切れ 目のない支援が可能) の実施、 4)住民の理解 と参加 の促進、 といった 目に見える効果が上がってき ている。 2)の費用対効果 につ いては、 市行政は、 1件あた り2
0
-3
0
万 円 (年間) の報酬 を助成す る必要があ り、 また、複数の後見 人 と調整す ることで、業務量が増加 している現状があるが、社協 の法人後見 によ り報酬助 成は発生 しないため、 コス トの削減 にもつなが り、費 用を 「分散」か ら 「集約」 した ことで、業務の効率化-行政 ・社協二者で調整が可能 となっている。 実施 の効果 と しては、 1) 審判 まで の期 間が短縮 (申立か ら1
週間程度で審判が下 りることもある∼通常 は1か月-3か月) され ること、 2)複数の利用者を対 応す るメ リッ ト (複数の利用者 を担 当す ることで対応 の比較検証が可能 になる)があ り、 3)金融機関等関 係機関 とのや り取 りもスムーズになった ことな どが挙 げ られ る。 残 された課題 としては、 1)死亡時等の緊急対応、 2)「市民後見」への取 り組み、 3)「緊急 あずか り体 制」 の検討、4)
行政の課題意識が希薄 になった こと、 等が挙げ られている。 沖縄市社協では、地域福祉権利擁護事業 ・成年後見 ・ 緊急預か りの総合的体制 - 「権利擁護支援 システム」 として、 トータル に考 える ことが重要であ り、 「福祉 =r地域研究」9
号2
01
2
年3
月 祉協議会の2
つの社会福祉法人である。 ここでは、後見受任件数、その実施体制の点か らも 充実 した体制 を作 りあげている沖縄市社会福祉協議会 の取 り組みを取 り上げる。 (1) 沖縄市社会福祉協議会の取 り組み 沖縄市社会福祉協議会は、権利擁護事業 の基幹的社 協 として事業 を展開 してきたが、その中で、 1)契約 者の判断能力の低下があ り、継続 した支援が難 しい こ と、2)
後見人等への引き継 ぎ ・選任 まで に時間がか かって しまうこと、な どの問題があった。 また、権利 擁護事業の限界 として、 3)契約 の取 り消 し権 を持た ないために、悪質な宅老所 ・有料老人ホーム等への介 入が難 しい、4)
安 易な借入、通信販売、年金担保借 入な ど法的サポー トの必要性 を痛感 した ところにある。 先進地視察 も行 い、行政 との連携、財政基盤の確立、 職員複数配置、法的な専門性のバ ックア ップ等 の課題 の検討を行 った。 沖縄市 における権利擁護の状況か らは、2
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1年度 に 県内で初めて市長 申立要綱 を整備 し、その後、2
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年 度か ら地域包括支援セ ンターが設置 され、虐待相談 の 対応窓 口が開かれた こともあ り、 身上監護ニーズが増 加 (年5件程度) した ことが背景にある。 一方で、第三者 (専門職)後見人の受 け皿は、沖縄 市内、 中部地区には少な く、確保が困難な状況 にあっ た。 そ こで、 沖縄市福祉部 各課、 市社協職 員 による 「自立支援課題検 討会」 を2
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年度 に設置、後見 人の 受け皿、その体制整備 を検討す る中で、社会福祉協議 会が法人後見 に取 り組む方向性 を確認 した。2
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年度か ら、沖縄市が国庫補助金 「ふ るさと雇用 再生特別交付金事業」 を活用 した 「法人後見受任事業」 (平成21
年度∼2
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年度) を開始 した。 この事業は、社協が法人組織 として、身寄 りのない 認知症高齢者や障がい者の後見人等 になるもので、後 見業務の実施、成年後見制度等 の相談、広報啓発、が その事業内容である.事業効果 としては、法的サポー トの強化、後見人等受 け皿の確保が挙 げ られ る。 全額〔亘亘〕
西尾敦史 :成年後見の社会化における法人後見の意義 成年後見セ ンター」 としての機能拡充 を検討 している (沖縄市社会福祉協議会2
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。 (2)法人後見の今後の課題 沖縄 においては、少子高齢化の進展,生活保護率の 増加、施設入所待機者が増加す る中で、 ケア実態 の把 握の難 しい宅老所、有料老人ホーム等 の介護資源が増 加するな ど、第三者 による成年後見 の充実が喫緊の課 題 となっている。一方で、第三者 による成年後見 を推 進するには、担 い手である専門職団体 との連携が欠か すことができないが、弁護士、 司法書士な どの専門職 団体の取 り組み も積極的であ り、専門職 との連携 ・ネッ トワー クをつ くりやすい環境 にある。 県内の複数の市町村社協での法人後見 の先行実践が あり、家庭裁判所の理解があ り、社協 における経験が 少しずつ蓄積 されてきている ことか らも、市町村社協 が法人後見 に取 り組む必要性は高 まっている。 法人を成年後見人等 として選任す る際の基準 につい て、岡山家庭裁判所は、報告の中で、適格性 の審査の 基準 として、 以下 の4
点 を挙 げて いる (岡山家庭裁判 所成年後見小委員会2
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)法人の種類、 目的、事業内容2)
適切な後見事務 を処理す る態勢 (理事 ・監事、 顧問に弁護士、司法書上な どの法律専門家、会計専門 家が就任 し、法人運営 に関与 しているか、専門家の成 年後見制度への理解、意欲、経験、後見事務の複数担 当、担 当者が経験者か、専門家か、担 当者の研修制度 の整備な ど) 3)後見事務担当者に対する監査の態勢 (監査の頻度 ・ 方法、会計専門家の監査の頻度、方法、担当者のチェッ ク態勢等) 4)財政基盤が安定 している 仮に法人が、法人 として成年後見人の職務 を担 いた いという意欲 を持 っていた として も,家庭裁判所か ら、 その法人が後見人 として適格であると判断 され、選任 されない限 り、法人後見 を担 うことはできない。少な くとも上記の基準 をク リアできる実務的な体制づ くり を行 う必要がある。 このほか、本人 との信頼関係、法人 としての意思決 定が迅速 にな され るルールづ くり、利益相反 にな らな い工夫、個 人情報保護 の体制整備 も実務 的な課題 とし て認識 してお く必要がある。 また、事務局体制 にお いては,複数の担 当者を置 き、 スーパーバイザーや、運営審査委 員会の設置によ り専 門職か らの相談助言 を得 られ るよ うにす る こと、経理 担 当との分離な ど内部牽制体制 をつ くる ことは最低限 の要件 となる。 そ の上で、社会福祉協議会 としては、 日常生活 自立 支援事業の充実 と法人 としての成年後見の推進のステッ プ (段階) を、社協の地域福祉活動計画や、市町村地 域福祉計画の中に位置づけ、権利擁護ニーズに対応す るための、 人的配置および必要な予算措置 を市行政に 要請 してい く必要がある。 社協が法人後見ニーズに対応す るには、行政の予算 措置や市町村長 申立て、成年後見制度利用支援事業の 確実な実施が不可欠である ことは、先行 し法人後見 に 取 り組む社会福祉協議会が繰 り返 し指摘 している点で もある。市町村行政 にお いては、首長 申立ての推進体 制づ くり、総合的な権利擁護体制の確立 と推進 を、地 域福祉計画等 の計画 の中に位置づけ、推進 してい く体 制が重要 となる。 社会福祉協議会は、福祉推進機関 ・施設 ・団体、行 政 と地域住 民が構成 している公私協働のネ ッ トワーク 組織である。職員 による専門機能の発揮 のみな らず, 地域住民 と一体 とな って、判断能力に不安が生 じた場 合 も安心 して 自分 らしく尊厳 ある生活が継続できるた めに、地域社会全体で総合的な権利擁護の体制をつ くっ ていく必要がある。 また、権利擁護、成年後見への理解 を地域住民に広 げつつ,新たな市民後見 の担 い手 として, シニア層等 への働 きかけを行 い、 ボ ランテ ィア精神 をもつ市民の 発掘 ・養成 を行 うことも重要である。 た とえば障がい のある人の親なき後 の権利擁護 を考 え、陣がい当事 者 の会や親 の会 と協働で研究会 を開き、必要なサー ビス 25・_
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上 山 泰,2008,
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那覇市2008「第4次 高齢者 プ ラン」http://www.c om-net.city.naha.okinawa.