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実践編ⅩⅡ 学級活動 互いの考えや意見の多様性を認め合い、自らよりよい集団を築こうとする生徒の育成

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Academic year: 2021

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ⅩⅡ 学級活動 石沢 拓也 島 武臣 関川 暢洋 互いの考えや意見の多様性を認め合い、自らよりよい集団を築こうとする生徒の育成 1 研究の概要 (1) 生徒の実態 学級活動部では、生徒の現状を次のようにとらえている。 (2) 目指す生徒像 学級活動部では、生徒の実態をふまえ目指す生徒像を次のように設定した。 ① 話合い活動に興味や関心をもって参加することができる生徒 ② 情報を基にしながらよりよい解決策を話し合うことができる生徒 ③ よりよい実践活動につながるために必要なことを自己決定することができる生徒 ①の生徒とは、学級活動の授業において、どのような議題でも積極的に話合いに参加することのでき る生徒である。話合い活動に積極的に参加するためには、議題に対して切実感を感じたり、関心をもた せたりしていく必要がある。そのような議題で話し合うことで、集団の成員がよりよい集団を築こうと する雰囲気をつくることができるようになる。 ②の生徒とは、話合いを通して一人一人の生徒が協力したり、他者の考えを取り入れたりしながら自 己の考えを深め、よりよい集団にするための方策を提案して、学級や学校の生活の充実と向上に主体的 にかかわることができる生徒である。その際、自分たちだけでは気付かない新しい情報を取り入れなが

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ら話合い活動を行い、これまでの生活での経験からさらに視野を広げたり、新しい見方を得たりするこ とが重要である。意見の違いを認め合いながら解決策を出し合うことで、互いの意見を尊重し、自己の 見方や考え方を広げ、互いを高め合うことができるようになる。 ③の生徒とは、よりよい学級や学校の生活を築いたり、よりよい自分に成長したりするために生徒同 士が話し合ったことを踏まえて自己決定していくことのできる生徒である。自己決定していくためには 集団で諸課題を解決するための話合い活動を通して、集団の一員であるという自覚をもつことが重要で ある。こうして自己決定したことを生徒が継続的に実践活動に取り組んでいくことで、学級や学校とい った生徒が所属している集団の生活の充実と質的な向上を図ることができる。 (3) 研究の構想 本校生徒の実態と、本校学級活動部が目指す生徒像をふまえて、以下のような構想で研究を進めてい く。 (4) 今年度重点的に取り組む手だてについて 本校生徒の実態と、本校学級活動部が目指す生徒像とをつなぐ手だてを次のように考えた。本年度は ①の「新情報を受けての話合い」②の「話合いグループの作り方」に重点を置き授業実践を進めていく。 ① 新情報を受けての話合い ② 話合いグループの工夫 ③ 実践活動の評価 ①学級活動での話合いの議題を生徒にとって切実感のある議題とするために、外部人材を招いての講 話やロールプレイ、アンケートやインタビュー結果、他学年との意見交流などといった生徒にとって新 しい情報を話合いの前や話合いの途中に組み入れていく。このことによって、議題に対して生徒が新た

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に気付いたり、議題の意義をより感じたりできるようになり、生徒の話合いを活発化させ、学級活動の 事後にも実践活動として表れてくるものになっていく。 ②話合いを行う際にグループの編成は話合いの結果に直接関連してくるものである。グループを編成 する際に議題や話合いの目的に応じて共通する考えや要素をもっている生徒や相反する考えや要素をも っている生徒でグループ編成を行っていく。このように、話合いを行う際のグループ編成を工夫してい くことで、同じ考えをもっている生徒同士がより深く話し合うことができるようになったり、違う考え をもっている生徒同士がより広い視野で新しい見方を見いだしたりできるようになったりするようにな る。 ③話合いの結果、集団決定や自己決定したことを継続的に行っていくことで集団の質的向上や個人的 資質の向上を図ることができる。継続的に実践活動を行っていくために、事後において定期的に個人で の振り返りや他者からの評価を行う機会を設ける。定期的に評価を行っていくことで、実践活動への自 己の取組や実践活動の目的を振り返ることができ、実践活動への意欲を持続することにつながっていく。 2 実践例 第2学年題材「通学時の危険を予測し、安全な通学について考えよう」を例に「新情報を受けての話 合い」「話合いグループの作り方」を設定して実践した授業の流れは、以下のようになる。 3 省察と展望 (1) 実践例について ①問題の把握では、事前のアンケートと 附属中の交通事故や違反の状況の比較を司

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会の生徒が発表し、多くの生徒が自分は安全に注意していると思っているが、違反する生徒が多い現状 があることを知らせた。ここでは、生徒から「自分は守れていると思っている」といった感想が多く出 て、(ワークシート1)自分のこ ととしてとらえられていない様子 がうかがえた。 ②問題の追究では、普段の自転 車の運転でどの程度危険を意識し ながら運転できているかを把握さ せるために、新情報としてシミュレーションソフトを使い、自転車運転の際の危険予測とその原因を考 え、学級で意見を共有した。(ワークシート2)ここでは、シミュレーションソフトを用いてある場面 を切り取ることで、客観的に危険の予測ができるとともに、他の生徒の意見の発表から広い視野で見る ことができるようになってきた。 ③解決策の検討では、実際に通学する際の危険な場所とどのような危険が潜んでいるかを共有したり、 多くの情報を挙げることができるようにしたりするために、登校する方面別にグループを作り、実際の 登校を想定して事故防止のために行うことを話し合った。 ④実践化ではこれまでの交通安全に対する意識を振り返り、考えたことをワークシートにまとめた。 (ワークシート3)ここでは、これまではできて いるつもりであったが、交通に対する意識が薄く ワークシート2「シミュレーションソフトから」 ワークシート1「実態と現状の比較から」 ワークシート3「これまでの振り返り」 作成した安全マップ

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なってきている自分に気付いたり、具体的な場所で気を付けることを挙げたり、普段は何気なく通学し ている所でも危険があることを発見したりしながら、安全に自転車の運転を行っていこうという意識を 高めることができた。さらに、具体的な危険個所を安全マップとして模造紙にまとめ、教室に掲示した。 ここでは、生徒が授業の後も安全に注意して登下校する意識を持続したり、実践活動の発信を行うこと ができた。 (2) 今後の展望 これまでの実践に対するアンケート調査を行ったところ、項目①、②、③とも全然あてはまらないと した生徒が減っており、特に①、②の項目ではAまたはBの判定をする生徒が大幅に増加している。新 情報をふまえて話合いを行ったり、同じ意見同士のグループや違う意見でグループの編成で話合いを深 めたりすることで、話合いにおいて生徒が自分のこととして参加している姿が見られ、よりよい解決方 法について考えられているといえる。しかしながら、学級活動での自己決定を継続的に行うことに関し ては増加してはいるものの、まだ十分な状況であるとはいえない。これは、授業の後のふりかえりの場 面がまだ不足しているためであると考えられる。自己決定したことを継続的に行うことに関しては、実 践活動の評価の工夫をしていくことが今後の課題として残された。 研究主題「互いの考えや意見の多様性を認め合い、自らよりよい集団を築こうとする生徒の育成」に 向けて、本年度から2年間の研究をスタートした。生徒がよりよい集団を築くために行うべきことを自 己決定できるような授業を想像したいと考えている。自己決定したことを自己や他者から振り返りなが ら継続的に行えるようにしていくことで授業から飛び出していける学級活動の授業を創造していきたい と考えている。 <参考文献> 1)杉田洋 (2009) 『よりよい人間関係を築く特別活動』 図書文化 2)水上和夫(2010) 「人間関係力を育てる」『指導と評価七月号』 日本教育評価研究会

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