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マウス体細胞核移植胚の胚移植前選別に関する基礎的研究

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Academic year: 2021

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(1)判立論文審査結果の報告書 氏. 大畠. 名. 生年月日. φ亘1φ・平成6 3年7月1 7日. 本籍(国籍). 日本. 学位の種類. 博士(農学). 学位記番号. 農第212号. 学位授与の条件. 輝. 学位規程第5条該当. (博士の学位). 論 文題目. マウス体細胞核移植脛の 脛移植前選別に関する基礎的研究. 審査委員 加藤容子. (主査) (副主査). 重岡成. (副主査). 佐渡敬. フ.1.印. 廉 ゞ. と3. (副査). ⑳. (副査). ⑳. - 39 -.

(2) ^. 1997年に体細胞クローン個体が初めて誕生してから、すでに20年近く経とうとしてぃる が、未だに、分化した体細胞核の情報の初期化、そして最終的に非常に低率ながらも個体まで 発生する詳細な機構は明らかとはなっていない。体細胞クローン脛と受精卵との違いは一体ど のような点にあるのだろうかと、最終的には作出効率を向上させることを目的として、現在ま でに多くの研究が行われてきた。その結果、核移植脛と体内受精卵では遺伝子やタンパク質の 発現レベル、局在など非常に多くの点で異なっていることが明らかにされ、低発生能の原因で あると考えられている。そして、そのような受精卵との差異を、受精卵の状態に近づけるべく 改善することによって、クローン効率はわずかながら向上してきた。しかし、どのような特徴 を持つ核移植脛が最終的に個体まで発生するのかについては明らかとなっておらず、個体まで 正常に発生する核移植脛と、脛移植後に発生を停止する核移植脛の詳細な特徴は不明である。 実験動物、家畜の体細胞核移植腫の発生の特徴として共通しているのは、着床直前の脛であ る脛盤胞までは数10%と高率に発生するものの、脛移植後の体内発生中にほとんどが発生を停. 止し、妊娠満期まで発生する核移植庭は移植した腫の 10%と非常に低いととである。本研究 で実験対象としたマウスにおいても、初期脛で核移植脛特有の異常が見られるが、それらを改 善することによって体外発生能を改善させることで、成功率も若干ながら向上してきてぃる。 すなわち、初期歴で見られる異常は、胎子ヘの発生能と深く関連していると考えられている。 そこで学位申請者は、胎子まで正常に発生すると推測できる核移植脛を、脛移植前に、初期 脛の段階で選別できないかと考えた。高発生能を有する核移植1丕のみを脛移植することができ れば、脛移植当たりのクローン効率向上が見込めると共に、使用する代理母も削減することが できる。また、胎子ヘ発生する核移植脛とそうでない核移植脛の特性を明らかとすることがで きれば、クローン研究における重要な知見となる。このことから、最終的には家畜脛ヘの応用 を目的として、本研究では実験の利便性からマウスをモデルとして体細胞核移植肱の脛移植前 での選別が可能かどうかを検討した。 マウス核移植屡に見られる異常の1つに初期屡での遺伝子発現の異常がある。用いるドナー 細胞に限らず、核移植脛での全体的な遺伝子発現レベルは、体内受精卵と比較して、大きくば らついていることが報告されている。このような遺伝子の発現異常を整えることによって、核 移植脛の発生能が向上することが明らかとなっており、初期脛での遺伝子発現様式はその後の 発生能と深く関わっていることが分かる。 そこで、まず、第2章では、遺伝子発現様式による核移植脛の選別を試みた。本章では、着 床前後の歴発生に、特に重要である多能性遺伝子Oct4、SO×2に着目し、両者の発現様式を選別 の指標とした。遺伝子解析するためには、遺伝子発現の解析と脛移植を同一歴で行う必要があ るため、体細胞核移植卵から、一卵性の双子(twin)脛を作出する方法を新たに確立する必要 がある。そして、得られた双子脛盤胞の片方を遺伝子解析、もう片方を脛移植するという実験 系を構築した。. 体細胞核移植由来の加血脛が脛盤胞ヘ発生したときに、片方の脛盤胞を遺伝子解析した結果、 Oct4、SO×2共に核移植双子脛では発現が大きくばらついていたが、体内受精卵と同程度の発現 レベルを示す脛も存在し、そのような脛は高発生能を有していると考えた。しかし、それとぺ アになる加in脛を受脛雌ヘ脛移植したところ、妊娠満期、妊娠中期どちらにおいても胎子を得. ることができなかった。体内受精卵を2細胞期に分離して作出した双子脛は、比較的高率に胎 子まで発生,、るので、加in脛作出技術は、確立された技術であるが、体細胞核移植由来の加in. 脛の発生能は非常に低く、双子脛を用いた選別は困難であると判断した。その理由の1つに、 受精卵と比較して、加in脛盤胞の細胞数が極めて少ないことが挙げられる。これらのことから、 以降の実験では、分離させないままで選別する手法の開発が必要となった。. - 40 -. ,ーーーーー.}ー﹁.﹁ー.k 十 1ーーt1﹂、ー[、ーー、{︻ー﹂ーートーーーーt、ー、ーー. の.

(3) そこで核移植歴の1丕盤胞までの発生を注意深く観察したところ、核移植脛では第一卵割にお いて、不等分裂する脛が多く見られることを見出し、2細胞期脛の2つの割球のサイズ比を指 標として核移植脛を選別した。その結果、脛盤胞ヘの発生率は等分裂歴で有意に高かったもの の、脛移植後の満期胎子ヘの発生能には影響しなかった。そこで、割球サイズ比と脛盤胞ヘの 発生能との関連を詳細に検討すると、サイズ比が125を超えると脛盤胞ヘ全く発生しないこと が明らかとなった。このことから、2細胞期の割球サイズ比によって、脛盤胞まで発生するこ とができる核移植脛の選別は可能であることが明らかとなった。 また、細胞の分裂には主にアクチンなどの細胞骨格タンパク質が関わっているが、核移植脛 ではこのようなタンパク質が異様な動態を示すことが報告されていることから、アクチン重合 阻害剤の種類やドナー細胞を注入する位置で不等分裂が改善できるか検討したが、改善するこ とはできなかった。このような細胞骨格タンパク質は染色体の分離にも関与しており、 Mizutaniらは、核移植脛において8細胞期以前で染色体の分離異常が起きると胎子まで発生で きないことを報告している。本実験において不等分裂は満期発生能に影響を及ぽさなかったも のの、染色体分離異常を起こしているかどうかは不明であり、核移植歴の第一卵割の不等分裂 に関してはより詳細な検討が必要である。形態的な特徴は満期胎子までの指標とはならなかっ たことから、より発生能と密接に関連した因子を指標とする必要がある。. 第4章では、遺伝子発現様式を指標とした選別をintad核移植脛で検討した。遺伝子発現様式 の観察と脛移植を同一脛で行う必要があるため、本実験では指標遺伝子にGFPを融合させた. Tgマウス由来のドナー細胞を用いて核移植を行い、その蛍光様式によって核移植脛を脛盤胞 の段階で選別した。指標とした遺伝子は、多能性に関与するod4、 N即ogであり、これらは ICM、 TE分化、さらに着床後のICMの発生に重要なため、核移植脛の胎子ヘの発生を大きく左 右すると考えられる。. 脛盤胞期において、 oct4およびNanogの発現様式によってそれぞれ3つのグループに選別で きることがわかった。すなわち、 oct4遺伝子の発現様式では、脛全体で発現している強発現. グループ、中発現グノレープ、弱発現グループに分けて検討した。その結果、強発現グノレープか らのみ、妊娠中期の胎子が得られた。. また、 Nanog遺伝子の発現様式では、脛盤胞の全体で発現しているグループ、1CMのみに発 現しているグループ、ほとんど発現していないグノレープの3グノレープに分けることができた。 それぞれを脛移植した結果、 Nanogが脛盤胞全体で発現しているグループ、すなわち、1CM、 TE両方で発現しているグループでのみ胎子を得ることができた。. このことから、少なくともod4とNanog遺伝子では、歴盤胞における発現様式によって、 胎子まで発生する核移植脛を選別することが可能であることが明らかとなった。. Nanogは体内受精卵では脛盤胞のICMのみで発現するが、本研究では、本来、異所発現とさ れるTEでN2nogが発現する核移植1丕でのみ胎子まで発生した。 5日目脛盤胞を3グループに. 分けてから、さらに、 24時間継続して培養すると、 NanogがICMのみに発現していた脛盤胞 は、24時間後にその発現が低下している割合が多かった。しかしながら、脛全体で発現して. いたもの、すなわち、1CM、 TE両方で発現していた脛盤胞は、ほぼ全てが24時間後もNanog の発現が維持されていることが明らかとなった。 TEでも発現することによって長期間N印og の発現がICMで維持されることが1つの理由であると考えられる。. - 41 -. ft卜〒﹁tコf゛k! fft.、ーート, L卜皇、'.f﹂γ{1Et1f、卓 C 乍0支軍、主、ト;亀1ーー﹁一1ξ1ーー五tr11町1E、L1ーーーーーーー.T風力1f1一,1t聿F{ー!1t1ー゛ーーー!ーーーι.ー. 第3章では、 mねd脛での選別方法として最も簡便な方法である形態的特徴での選別を試みた。 まず、脛盤胞の形態に着目したが、体内受精卵と核移植脛で脛盤胞の形態には全く差はなく、 脛盤胞の形態で発生能を推測することは困難であることがあらためて確認された。.

(4) また、核移植に用いるドナー細胞によって核移植1丕の遺伝子発現様式や、発生能が異なるこ とが報告されているため、 Nanog・GFP牌臓細胞を用いて核移植を行い、同様に選別、脛移植 した。その結果、卵丘細胞の結果とは異なる発現様式を示す歴盤胞から胎子が得られ、用いる ドナー細胞によって適する遺伝子発現様式は異なる可能性があり、各々のドナー細胞に適した 手法で選別できる可能性が示唆された。 第2章から第4章までの実験において、核移植脛の脛移植までの選別が可能かどうかを検討し てきた。そこで、第5章では、これまでの検討で有用であった核移植脛の培養法および選別法 を組み合わせることによって、マウスクローン効率を改善することができるかどうかを検討し た。まず、核移植脛の体外培養法では、体内受精卵と一緒に共培養した。2細胞期で、形態を. 調ベ、両割球間に差異がないものを選ぴ、さらに脛盤胞期では、 Nanogの発現様式で選別し、 最終的に残った脛盤胞のみを脛移植した。. その結果、脛盤胞率、そして妊娠中期、妊娠満期における生存胎子率は、選別を行わなかっ た対照区と比較して2倍以上向上した。すなわち、本研究で検討した選別法によって、胎子ま で正常に発生する核移植脛のみを選別すことが可能であることが明らかとなった。 本研究では、高発生能を有する核移植歴の選別が可能かどうかを検討した。手法は、まず核 移植卵から1卵性双子脛を作出して、片方を診断、片方を脛移植するという新しい選別法を開 拓したが、核移植卵では脛盤胞期の細胞数が著しく少ないため、twin矮を作り、細胞数をν2に すると発生能そのものが失われてしまうことが判明した。そのため、intad肱で選別方法を検討 したところ、遺伝子発現様式が指標となり得ることが明らかとなった。 選別後のクローン効率も向上させることができ、マウス核移植脛の脛移植前選別法を確立で きたといえる。本研究では、選別のためにTg動物を用いたため、家畜ヘ応用するためには実験 系の改善が必要ではあるが、マウスクローン作出効率向上に向けた研究においては大きく貢献 できたと考えられる。. 近年、核移植脛の低発生の原因と推測される因子が少しずつではあるが同定されてきた。特 に、エピジェネティクスの修正が効果を示しており、例えば、トリニスタチンAといった脱ア セチル化阻害剤で体細胞核移植卵を処理すると、発生率が向上することが報告されている。ま た、 X染色体の不活化に関わるXist遺伝子が、核移植脛では、異常に高発現しており、全体的な 遺伝子の発現レベルも大きく低下していることも明らかとなっている。核移植脛でXistの発現 を抑制することによっても、クローン効率は向上している。また、 ZGAの引き金となる遺伝子. であるSpiCが核移植脛では抑制されており、ZGAの時期で起こる新規遺伝子発現が不十分で あることも報告されている。受精卵とは異なり、核移植脛では卵子、精子とは全く異なる、体 細胞の情報を初期化するととによって発生する。しかし、精子から転写される数種類の遺伝子. が、歴発生には非常に重要であることが明らかとされている。精子が侵入せずに発生する核移 植歴では、このような精子由来因子を欠いていることも、低発生能の原因であると考えられる。 このように、今後、体内受精卵と核移植歴を比較して、大きく異なっている点を詳細に検討. し、そのメカニズム、原因を究明していくことが、体細胞核移植脛の発生能向上のための大き な手がかりとなるだろう。本研究では新たに、歴移植前に脛を診断する手法を開発したが、 今 後、複数の指標を組み合わせることにより、成功率をより高められる可能性があると考えられ る。. - 42 -.

(5) の. ^. 噛乳動物の核移植は、 1983年に受精直後の1細胞期卵の前核置換が成功したのが最初で、そ の後、除核した受精卵をレシピエント卵とした核移植が実施されるようになった。その後、第2減 数分裂中期未受精卵の染色体を除去する技術が開発されると、除核未受精卵をレシピエントとした 核移植が実施されるようになった。そして、 1997年に成獣雌ヒツジの乳腺の体細胞をドナー細 胞とした核移植が実施され、そこで初めて成体体細胞由来のクローン産子が得られた。翌1998 年には、学位申請者の研究室で、ウシ、他の研究室でマウスの体細胞クローンが作出され、その後、 約20種の動物種で、同種間異種間の体細胞核移植が実施され、この技術が多くの動物種で可能で あるととが判明した。. 功してきた。. できないか、という考え方である。 しかしながら、これまでに、核移植卵を受脛雌ヘ屡移植する前に選別するという試みはほとんど. 行われてぃない。唯一、ライブセルイメージングを用いて、核移植卵の染色体動向を観察し、正常 な動態を示す核移植卵を選別してから移植する取り組みが成功しているが、成功率が顕著に向上し たわけではなかった。ライブセルイメージングで観察するには、蛍光マーカーを使用する必要があ リ、制限がある。そのため、広く応用できる手法で、健康に発生する脛のみを脛移植前に診断して 選び出すことができれば、流産してしまうケースが多い核移植卵を受け取る受脛雌の負担を軽減し、 効率を上げるととができるので、特に大型家畜では強く望まれる。 そこで、本研究では、マウスを用いて、脛移植前に脛を選別する手法開発を試みた。まず、体細 胞核移植技術は、技術そのものが高度であり、習得するのに時間を要する。そのため、学位申請者. は、学部3年生から修士課程の2年間も含め、技術習得に励み、博士課程進学時には、日本屈指の 核移植技術ならびに一連の技術を身につけた。そして、博士論文では、修士論文で実施した研究を 継続するべく、核移植由来一卵性双子脛を作出して、片方を脛移植、片方を解析するという実験を おこなうた。つぃで、多能性維持に重要な遺伝子の中からいくつか選んで、核移植卵の生存性マー カーとして使用できないかを検討した。 下記に、各章の概要を示す。. 1)一卵性双子脛を用いた検討:oct4、 SO×2 の発現様式による選別 本実験では、核移植由来の一卵性双子脛を用いた選別法を検討した。個々の脛でドナー細胞の. 初期化状態が異なるが、双子脛を用いることにより同じ初期化状態を持つ脛を得ることができる。 得られた双子脛盤胞のうち、片方は、 oct4、 SO×2 遺伝子の発現レベルを解析し、もう片方を脛移 植した。核移植脛由来の双子腫盤胞では、これらの遺伝子の発現は体内受精卵と比較して大きく 異なっていたが、双子脛盤胞の約 22%は、oct4、SO×2 共に体内受精卵と同程度発現していた。 しかし、核移植由来双子脛の体内発生能は非常に低く、解析した脛盤胞と対となる脛盤胞から胎 子を得ることはできなかった。このことから、双子脛を用いた選別は困難であると示唆された。. - 43 -. !﹁ー﹁トーL己1f1ー'ーー,ーー、. 体細胞核移植卵の発生能を向上させるには、上述の、培養条件の改善やエピジェネティクスの修 正以外に、用いるドナー細胞を選ぶ、初期化を強化する、着床後の受脛雌のホルモン制御を管理す るなど、非常に多くの改善が必要である。その中に、脛移植前診断というアイデアがある。すなわ ち、核移植卵が発生した脛盤胞の中には、その段階で、予め、正常発生するものと、そうでないも のが混在してぃる、とみなし、受脛雌ヘ脛移植する前に、正常発生するもののみを選び出すととは. 、ー、1ιt監1. しかしながら、正常産子の生産率はマウスだと3%程度と極めて低く、約20年経過した現在で も、動物種により若干差があるものの、ほとんど向上していないのが現状である。発生率を向上さ せるためには、体外培養条件等の改善など、生物学的な検討に加え、エピジェネティクスの修正も 重要であり、これまでに、トリコスタチンA(TSA)など脱アセチル化阻害剤等の薬剤で核移植卵を 処理することにより、核移植卵の造伝子の発現様式を正しく修正し、発生能を向上させることに成. t ーロ゛ι、1里1E﹂ 1ー、乢ιτt 生t︹!.'〒島'︻fr1ー﹁1t゛ L 、重、t E1' Eξ11 ξ1Ξ、'"昏イt 1. 査.

(6) 2)形態的特徴による選別. 1)の結果から、本実験では intact 脛(分離しない完全な脛)での選別法を検討した。受精 卵では、脛盤胞の形態がその後の発生能を推察する良い指標となるが、核移植卵では、脛盤胞の 形態はその後の発生能と無関係であることが示されている。本実験でも、同様の観察がなされた。 そこで、学位申請者は、2 細胞期核移植脛を慎重に観察したところ、 2 つの割球サイズが異なる 脛が多く存在していることを見出した。このため、核移植脛の 2 細胞期の割球サイズを指標と て、選別後の脛発生能を検討した。体内受精卵と比較すると、核移植脛では割球サイズ比が有意 に大きいことが明らかとなった。さらに核移植脛では、脛盤胞まで発生した脛の 2 細胞期での割 球サイズ比は、脛盤胞まで発生しなかった脛よりも有意に小さかった。そこで、後者のサイズ比 を基準に核移植脛を 2 細胞期で選別したところ、この値未満の脛で脛盤胞率は有意に高かった。 続いて、脛盤胞ヘの発生率とサイズ比との詳細な相関をみると、サイズ比が 1.25 を超えると、 脛盤胞ヘ全く発生しなくなることが明らかとなった。すなわち、 2細胞期割球のサイズ比が脛盤 胞ヘの発生指標となることを明らかにした。しかしこれらの脛を受脛雌ヘ脛移植したところ、胎 子までの発生率には影響を及ぽさなかった。本実験の結果から、核移植脛において 2 細胞期脛の 割球サイズ比は、胎子ヘの発生能の指標にはならないものの、脛盤胞ヘの発生能の指標になるこ とが明らかとなった。. 3) oct4、 N釦og の遺伝子発現様式による選別 本実験では、 oct4、 Nanog の脛盤胞での発現様式を指標とし、 intact 脛での遺伝子発現によ る選別法を検討した。遺伝子発現の観察と矮移植を同一脛で行うため、これらの遺伝子に GFP を融合させた遺伝子改変マウス由来のドナー細胞を用いて核移植を行った。oct4 又は Nanog・. GFP 核移植脛を脛盤胞期でグループ分けし、それぞれを脛移植した。その結果、oct4、 Nanog が 低発現のグノレープでは着床率が有意に低かった。そして、oct4 が強発現している脛、 Nanog が. ICM、TE 両方で発現している脛のみで生存胎子を得ることができた。さらに、これらの発現様式 の脛盤胞では、その他の発現様式と比較して長期間その遺伝子の発現が維持されることも明らか となった。 このことから、脛盤胞での遺伝子発現様式によって脛移植後の発生能は異なり、遺伝子発現様. 式による核移植脛の選別が可能であることが明らかとなった。特に、N飢og の発現様式による選 別実験の結果より、本来異所発現とみなされる TE での発現が核移植脛では必要であり、体内受 精卵の発現様式とは異なることが明らかとなった。. 4)新たな選別法がマウスクローン作出効率に及ぽす影響 本実験では、学位申請者の修士論文での結果も含めて、核移植脛の発生に有効であった培養法、 選別法を組み合わせて実験を行い、クローン効率が向上するかどうかを検討した。すなわち、. 移植脛と体内受精卵を共培養し、2 細胞期での割球サイズ比が 1.25 以上の脛を除外した後、 盤胞で ICM、 TE 両方に N飢og が発現している脛のみを燧移植した。その結果、腫盤胞ヘの発生 が有意に向上した。さらに、妊娠中期での生存胎子率は 8.2%であり、選別をしなかった対照区 (3.3%)と比較して約 2.5 倍向上した。さらに満期胎子率もそれぞれ 3.3%、 1.副と 2 倍以上向 上させることができた。このことから、本研究で有効であった選別法、培養法を組み合わせるこ とでマウスクローン効率を向上させることができ、マウス核移植脛の脛移植前選別法を新たに確 立することに成功した。 本研究では、新生子まで発生可能なマウス体細胞核移植脛の選別が可能かどうかをさまざまな 角度から検討した。その結果、2 細胞期の形態、脛盤胞での遺伝子発現様式によって、選別が可 能であることが明らかとなった。そして、妊娠中期、妊娠満期の生存胎子率を 2 倍以上向上さ せることができ、マウス体細胞核移植腫の脛移植前選別法を確立できた。また、本研究で選別の 指標とした因子は、核移植脛の発生を左右する因子であることが明らかとなったため、今後のク ローン研究に大きく貢献できたと考えられる。今後より詳細に検討していくことで、核移植燧の 発生能改善の手がかりになると考えられる。 以上の結果から、噛乳動物体細胞クローン脛を移植前に診断して、選別するという新しい手法 を確立することに成功た。これまで検討されてきた手法と異なる新しい手法を開発したことでこ の研究分野を大きく前進させたといえる。 よって、本論文は博士(農学)の判立論文として価値あるものと認める。なお、審査にあたっ ては、論文に関する専攻内審査および公聴会など所定の手続きを経たうぇ、平成28年2月5日、 農学研究科教授会において、論文の価値ならぴに博士の学位を授与される学力が十分であると認 められた。. - 4 -. 「.

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