看護職の大学院への進学ニーズに関する調査 : A大学の実習関連施設に勤務する看護職を対象に
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(2) 甲南女子大学研究紀要第 5号. 看護学 ・リハ ビリテーション学編 (20H年 3月. ). 2009年 7月 20日 か ら 8月 6日 で ,7施 設 に勤務す る看護職 2120名 を対 象 に実施 し,1551人 か ら回 答 が 得 られ (回 収率 73.2%),1531人 を分析対 象 と した (有 効 回答率 72.2%)。 対 象者 の 年齢 幅 は,20歳 か ら 60歳 まで で ,20歳 代 751人. (49。. 1%),30歳 代 450人. (29。. 4%)の. 順 で 多 く,平 均年齢 は 32.1± 8.8歳 で あ った 。性 別 で は女性 が 1478人 (96.6%),男 性 51人 (3.3%) で ,看 護勤務年数 の平均 は 9.8年 ±8.6年 で ,実 務経験 年数 10年 未満が 60%以 上 を占めて い た。 大学 院進学希望 の 有無 で は,希 望群が 414名 (27.1%)で あ り,先 行研 究 の 調査 と同程 度 に高 い こ とが 示唆 された。 そ の結果 を分析 した ところ,以 下 の こ とが 明 らか になった。. 1)進 学希望群 の背景 と しては,「 30歳 代」「男性 」「既婚」「子 ども有」「大 学卒」 で 有意 に高か った。 2)進 学希望 の主 な理 由 は,「 よ り専 門的 な知識 の必 要性 を感 じて い る」「幅広 い視 点 での看護 を見直 した い」 であ り,入 学 後 の ニ ーズ と しては,「 自分 の専 門領域 を深 めた い」が最 も高か った。. 3)大 学院へ の要望 としては,仕 事 との両立 を図 りなが ら就学で きる制度 を求める意見が多 く,多 様 な学習形態 ,お よび教育環境 の整備が望 まれてい る。 キーワー ド :大 学院教育,修 士課程,進 学 ニーズ,看 護職. 今 後 ,大 学 院教 育 の 充実 を図 るための示唆 を得 る こと. は じめ に. が で きた と考 える。. 医療技術 のめ ざま しい 発展 に加 え,少 子高齢者社 会. Ⅱ。 研 究 方 法. の 進展 に よ り,看 護職 の 役割 は 質 ・量 ともに拡大 し ,. 多様 な場 にお け る看 護 実践 が 求 め られ て い る。 そ し て ,看 護 師 として どの よ うな方 向 を 目指す のかが 問 わ れ る よ うにな って い る。 こ う した社 会背景 の なか で. ,. 1.対 象 と調査方 法 1)対 象. A大 学 の 実 習 施 設 で あ る 7カ. 所 の 病 院 に就 業 す る. 1992年 に「看護 師等 の人材確 保 の促進 に関す る法律 」. 看護職 2120名 。. が制定 され ,基 本 方針 と して ,「 質 の 高 い看護 師養 成. 2)調 査期 間. のため に,今 後需要 の増 える看護系大学 の教員 や研究. 2009年 7月 20日 ∼8月 6日. 者 養成 のために,看 護系大学 ・大学 院 の整備 ,充 実 の. 3)デ ー タ収集方法. 必要があ る」 と謳 われて以 降 ,一 気 に看護 系大学 が増. 対 象病 院 の看護部長 に調査 の 目的 を回頭 で説 明 し協. 加 した。 そ の よ うな中 ,2007年 に「豊 か な人 間性 を. 力 を依頼 した。 同意 を得 た後 ,調 査用紙 お よび回答用. 培 い ,高 い ヒューマ ンケアの視点 で看護及 び リハ ビ リ. 紙 を入 れ るための封筒 を回収箱 とともに郵送 または持. テ ー シ ョン領域 の専 門職者 としての実 践力 を備 え,医. 参 し,看 護管理者 に配布 を依 頼 した。調査方法 は 自記. 療 及 び保健福祉 の分野 で ,地 域社 会及 び 国際社 会 にお. 式 質問紙 を用 い ,記 入 した調査用紙 は厳封 を して回収. い て活躍 で きる人材 を育成す る」 とい う教育 目的 を掲. 箱 に投 函 す る よ うに依 頼 し,A大 学 教 員 が 回収 箱 を. げ,実 践者 の育成 を 目指 して甲南女子大学看護 リハ ビ. 回収 した。. リテ ー シ ヨン学 部 が 開設 した。 2010年 度 に完 成年 度 を迎 える こ とにな り,卒 業 生 の スキルア ップ及 び臨床. 2.倫 理 的配慮. で 活躍 中 の看護 師 の 更 なる生涯学習 の場 と して の大学. 対象者 には,書 面 で研究 の 目的 ,方 法 につい て説明. 院 (研 究科 ;修 士 課 程 )開 設 の 準 備 を始 め た。 そ こ で ,看 護 師 の教育 ニー ズ や教育支援体制 に関す るニ ー. し,質 問紙 へ の 回答 は無記名 で あ り,個 人が特定 され る こ とが ない こ と,調 査 へ の協 力 は強制 で はな く本人. ズ ,お よび本学大学 院へ の進学 の 意向 につい て知 るこ. の 自由意志 で あ る こ と,協 力 しない こ とで不利 になる. とを 目的 に,本 学 の 実習施設 に勤務す る看護職 を対 象. こ とは一切 な い こ と,ま たデ ー タについ ては統計 的 に. に質問紙調査 を実施 した。その結果 は,本 学 にお ける. 処理 され ,個 人や施設が特定 され るこ とはない こ とや. 大学 院教 育 を構 築 して い く上 での 貴重 な資料 とな り. 研究 目的以外 には使用 され ない こ とを説 明 し,質 問紙. ,.
(3) 江 口秀子. 他 :看 護職 の大学 院へ の進 学 ニーズ に関す る調査. 2検. へ の 回答 に よ り研 究協力 へ の承諾 と した。. た。 有 意 差 の 検 定 に は χ. (3)統 計 処 理 に は EXCEL及 び. 質問紙 の 内容 につ い ては大学 院準備委員会 メ ンバ ー で検討 し,得. られた結果 の活用 につい ては研 究者が所. 定 を用 い た。 SPSS staistics 17.0. を用 い た。. 属す る大学 の研 究倫理委員会 の承認 を経 て実施 した。. Ⅲ。結. 3.調 査 内容 1)看 護 師 の属性. 果. 配布 施設 7施 設 にお い て ,質 問紙 の 配布 数 は 2120. 年齢 ,性 別 ,結 婚 の 有無 ,子 どもの有無 ,現 在持 っ. 人 で ,そ の うち 1551人 か ら回答 が あ った (回 収 率. て い る資格 ,最 終学歴 ,実 務経験 年数 ,現 在 の勤務形. 73.2%)。 施設 ご との配 布 数 ,お よび 回収 数 ,回 収 率. 態。. は表 1に 示 した とお りである。 ただ し,今 回 の調査 は. 2)大 学 院進学希望 の有無 とそ の理 由. 大学 院進学 に関す る調査 で あ るため ,現 在准看護 師 の. 大学 院進学 の希望 で は ,「 大学 院 に進学 す る希 望 は. もの は対 象 か ら除 き,1531人 を分析 対 象 と した (有. あ ります か. ?」. と尋 ね ,「 強 く希望す る」「機会が あれ. 効 回答率 72.2%)。. また ,対 象 者 の 中 には大 学 院修. ば希望す る」「希望 して い ない」「わか らない」 で 回答. 士課程修 了者が含 まれて い るが ,こ れは看護系大学 院. を求 めた。 この 回答者 の うち,「 強 く希望す る」「機会. の修 了 で あ るか ど うかが不 明 で あ り,さ らに進学 の 要. があれば希望す る」 と回答 した者 を進学希望群 (以 下. 因 の ひ とつ に専 門看護 師資格取得があ るため ,今 回 は. 希望群 ),「 希 望 して い な い 」「 わか らな い 」 と回答 し. 分析対象 に含 めた。. た もの を非希望群 とした。 希 望群 に対 し,進 学 の理 由 につ い て ,「 進学 を希 望 す る理 由 をお 聞か せ 下 さい (複 数 回答 可 )」 と尋 ね. 1.対 象者 の背景 対象者 の背景 につい ては表 2に 示 した。対象者 1531. ,. ① より専門的な勉強の必要性を感じている,② 幅広い 視点で看護を見直したい,③ 研究の必要性や研究方法 の学習の必要性を感じた,④ 現状に行きづまりを感じ. 人 の 年齢 幅 は,20歳 か ら 60歳 までで ,20歳 代 が 751. ている,⑤ 将来,看 護教員になりたい,⑥ 人から勧め. 性 別 で は女性が 1478人 (96.6%),男 性 51人 (3.3%). られた,⑦ その他,か ら選択させた。. で あ り,既 婚 者 は 446人. 3)大 学 院 で学 びた い こ と. 1%)と 最 も多 く,つ い で 30歳 代 が 450人 (29。 4%)で あ り,平 均年齢 は,32.1± 8.8歳 で あ った。. 人. (49。. (29。. 1%),子. ど もを有 す る. 者 は 346人 (22.6%)で あ つた。. 大学院で学 びたいことについても希望群に対 し「大 学院でどのようなことを学びたい と思 っていますか ?. 保有 して い る資格 (職 種 :複 数 回答 )で は,看 護 師. 1526人 ,保 健 師 205人 ,助 産 師 57人 で あ り,そ の他. と尋ね,① 研究能力を身につけたい ② 自分の専門領域を深めたい,③ 修士の学士を取得 し. の職種 で は,専 門看護 師 ,認 定看護 師 ,ケ アマ ネ ー ジ. たい,④ 専門看護師の資格をとりたい,⑤ 教育能力を 身につけたい,⑥ 博士課程に進学 したい,⑦ その他. 看 護 基 礎 教 育 の 最 終 学 歴 は ,専 門 学 校 1050人. (68.6%)で 最 も多 く,つ いで 看 護系 短期 大 学 ,看 護. から選択させた。. 系 大 学 の 順 で あ った 。 そ の 他 と して は 大 学 院修 士 課. (複 数回答可)」. ,. ,. ャー な どがあ った。. 4)大 学院進学における希望条件. 程 ,あ るい は看護以外 の大学 (通 信大学 も含 む)な ど. 大学院での希望条件 は,「 大学院で学ぶにあた りど. がみ られた。. のようなことを希望 しますか ?(複 数回答可)」 と尋. 現在 の勤務形態 と しては,夜 勤 の あ る病棟勤務者が. ね,① 長期履修制度,② 昼夜開講,③ 土曜日開講,④ 平 日の昼間開講,⑤ 現場で働 きながら履修で きる,⑥ 休職 ・退職 して学業に専念する,⑦ その他,か ら選択 させた。. 4.分 析方法 (1)属 性 と進学 理 由 と進 学希 望 は記 述統 計 処 理 し た。. (2)大 学 院進学希望 の有無 と属性 の 関連性 を分析 し. 表 1 対象施設 と回収数 対象施設. 配布数. 回収数. A病 院 B病 院 C病 院 D病 院. 200 210. 162 127 113 199 271 261. E病 院 F病 院. G病 院 合計. 130. 200 300 290 790 2120. 418. 回収率 (%) 81.0 60.5 86。 9 99。 5 90。 3. 90.0 52.9 73.2.
(4) 看護学 。リハ ビ リテ ー シ ョン学編. 甲南女子大学研究紀要 第 5号. 最 も多 く,70。 3%を 占 め て い た。 次 い で 多 い (14.6. (20H年 3月. ). 年 ∼5年 未満 に細分す る と表 2に 示す とお りで あ る。. %)外 来勤 務 には ,透 析 室 と地域 連携 室 も含 ん で い 2.対 象者 の属性 と大学 院進学希望 の有無. る。 また ,看 護経験 年 数 の 平均 は,9。 8± 8.6年 で ,5年 未満 が 538人. (35。. 年 未満 が 405人. 1%)と. (26。. 大学 院進学 の希望 の 有無 で は,強 く希望す る と回答. 最 も多 く,次 い で 5年 ∼ 10. したの は 24名 (1.6%),機 会 が あ った ら希 望 す る と. 5%)で あ り,実 務 経 験 年 数 10. 回答 した のは 390名 (25.5%)で ,そ れ らをあ わせ る. 年 未満 が 60%以 上 を占めて い た。 さ らに一 番 回答数. (以 下 希 望 群 とす る )と. の 多 か った 5年 未満 を 1年 未満 ,1年 ∼ 3年 未 満 ,3. また ,希 望 して い な い は 928名 (60.6%),わ か らな い は 183名. 表 2 対 象者 の背景. 年齢. %. 人数. 区分. 項 目. n=1531. 20歳 代 30歳 代 40歳 代 50歳 以上. 望群 とす る)と. 9%)で ,両 者 を合 わせ る. lHl名 (72.5%)で あ り,無 回答 は 6. 名 (0.4%)で あ つた (図. 1)。. 751. 49.1 29。 4 14。. 3. 90. 5。. 8. 21. 1.4. 外 し,希 望群 と非希望群 に分類 し,対 象者 の属性 との 関連性 をみ た (表 3-1)。 そ の 結 果 ,年 齢 区分 で み る 無回答. 平均 年齢 (歳 )± 中央値 (歳. SD. 結婚. 30(20∼ 60). 女性 男性 無 回答. 1478. 既婚 未婚 無 回答. 446 1077. 96。 6. 51. 3。 3. 2. 0。. 1. 29。 1 70。 4. 8. 0.5. 346. 22.6. 1035. 67.6. 無 回答. 150. 9.8. 看護 師 保有 資格 (複 数 回答 )保 健 師 助 産師 その他. 1526 205. 子 ども. 有 缶. 最終学歴. 現在 の勤務 形態. 1. 大学 院進学希望 の 有無. 43. 専 門学校 看護系短期大学 看護系大学 そ の他 無 回答. 68.6. 218. 14.2. 希望群. 30歳 代. 192. 12.6. n=408. 40病 譴イ t. 66. 4.3 0。. 50歳 以上. 3. 20歳 代. 224. 14.6. 非希望群. 30歳 代. 1076 94. 70.3 6.1. n=1098. 40デ 表イ t 50歳 以上. 91. 6. 24. 1.6. 22. 1.4. 5年 未満. 538. 35。. 114. 7.4. 224. 14.6. 3年 ∼5年 未満. 200. 13。. 405 208. 26.5 13.6. 114. 7.5. 5年 ∼ 10年 未満 10年 ∼ 15年 未満 15年 ∼20年 未満. 20年 ∼25年 未満 25年 ∼30年 未満 30年 以上. 8.6. 72. 4.7. 45. 2.9. 17. 無 回答 9。. 8±. 1。 8。. 1. 6. 3(2ケ 月 ∼ 39年 3ケ 月 ). 7。. 150(36。 8) 74(18。 1) 16(3。. 9). 582(53.0) 298(27.1) 144(13.1). p=0.001a. 74(6.7) 22(5.3). p=0.015b. 29(2.6). 1081(97.4) 140(34.0). 1. 132. 168(41.2). 391(94.7). 1. 1年 未満 1年 ∼3年 未満. SD. 20歳 代. 1050. 5. 主 に外 来勤務 主 に病棟勤務 (夜 勤有 ) 主 に病棟 勤務 (夜 勤無 手術室 看護音Б その他. 平均年数 (年 )± 中央値 (年 ). 図. 表 3-1 対 象 の属性 と大学 院進学希望 の 有無. 44. ). 勤務年数. 強く希望する. 32.1± 8.8. ). 性別. (以 下 非希. これ らの回答結果 か ら,欠 損箇所 の あ るデ ー タを除. 450 219. 無 回答. (H。. 414名 (27.1%)で あ っ た。. 272(66.0) 305(27.6) 800(72.4). 希望群. n=376 非希望群. n=1000. 子 ども有 子 ども無 子 ども有 子 ども無. 114(30.3) 262(69。 7). 231(23.1) 769(76。 9). 注〉a:Mann_whtneyの u検 定 〈 2検 b i Pcarsonの χ 定 Fisherno直 接法. p=0.016b.
(5) 他 :看 護職 の大学 院へ の進学 ニーズ に関す る調査. 江 口秀子. 表 3-2 対象 の最終学歴 。実務経験年数 と大学院進学希望 の有無 希望群. 項 目. 属性. 看護基礎教 育 最終学歴. 専 門学校 短大 大学 合計. 253(24.2) 62(28。 4). 1年 未満 1年 ∼ 3年 未満. 10年 ∼ 15年 未満 15年 ∼20年 未満. 20年 ∼25年 未満 25年 ∼30年 未満. 夕ヽ来 病棟 (夜 勤有) 病 ) 彰筆. 希望群 人 (%). 74(73.3) 159(75。 4) 156(80.8). 91(23.2) 74(36。 6). 301(76.8) 128(63.4). 42(38。 9). 66(61.1) 53(79。. 10(50.0). 64(50.0) 10(50.0). 7(16。. 3). 36(83.7). 7). 1056(73.3). 合計 人数. 202(100.0) 124(100.0) 67(100.0). そ の他. 人 から勧 められた. 将 来看 護 教 員 になりたい. 現 状 にいき 詰 ま り を 感 じている. に比 べ 男性 の ほ うが 有意 に高 い。 さらに既婚者お よび. p<0.01 p<0.01. 43(100.0) 1441(100.0). 研 究 の必 要 性. と,希 望群 は 30歳 代 で 有 意 に高 く,性 別 で は ,女 性. p<0.05. 108(100.0). 幅 広 い視 点 で 看 護 を 見 直 したい. 86(100.0) 20(100.0) 20(100.o) 1457(100.0). より 専 門 的 な 勉 強 の必 要 性. 6(30.0) 14(70.0) 393(27.0) 1064(73.0). 101(100.0) 211(100.0) 193(100.0) 392(100.0). 1). 385(26。. 59(27.7)154(72.3) 213(100.0) 270(26.1)763(73.9) 1033(100.0) 26(30.6) 59(69。 4) 85(100.0) 22(25。 6). に 堡:無 その他 合計. 艦:器 S p<剛. 83(66。 9). 14(20.9). 非希望群 人 (%). 1047(100.0) 218(100.0). 8). 27(26。 7). 勤務形態 と大学 院進学希望 の 有無. 所属部署. 合計 人数. 。 。 。 。 。 。 。 関3 5 2 。 。 5 2 1 0 ︲ 5. 項目. 3-3. 794(75。 156(71.6). 41(33.1). 合計. 人 (%). 114(59.4) 1064(73.0). 30年 以上. 表. 非希望群. 78(40。 6) 393(27.0). 52(24.6) 37(19.2). 3年 ∼5年 未満 5年 ∼ 10年 未満 実務経験年 数. 人 (%). 図 2 大学院進学の希望理由. 子 どもあ りで有意 に高か った。 看護基礎教育 の最終学歴 で は,大 学卒業者 の希望群 が有意 に高 く,実 務経験 年 数 で は,10年 ∼ 15年 未満. 現状 を打破 す るための ひ とつ の手段 と して大学 院 での. と 15年 ∼ 20年 未満 の 希 望 群 が有 意 に高 い 。 これ は. 学 びに期待 す る傾 向がみ られた。 さらに「将来看護教. ,. 年齢 区分 で は 30歳 代 の希 望群が高 い とい う結 果 と一. 員 にな りた い」26名 (6.3%),「 人か ら勧 め られた」13. 致す る。逆 に 3年 ∼5年 未満 で は希望 群 が 有意 に低 い. 名 (3.1%),「 そ の 他 」 21名. 結果がみ られた (表 3-2)。. 2)。. また,勤 務形態別 にみ る と,看 護部所属 の看護 師が. (5。. 1%)で あ っ た. (図. 大 学 院 で 学 びた い こ と (複 数 回答可 )で は ,「 自分. 合 計数 20名 と少 な い が ,希 望群 と非希望群が そ れ ぞ. の専 門領域 を深 めた い 」 と回答 した者 が 323名. (78.0. れ 50%を 示 した以外 は,ど の勤務形態 にお い て も希. %),「 専 門看護 師 の 資格 を と りた い 」 が 105名. (25.4. 望群 は 25∼ 30%で あ り勤務 形態 に よる差 はみ られ な. %)で ,臨 床 にお け る実践能力 の 向上や専 門領域 の エ. か った (表 3-3)。. キ スパ ー トを 目指 した回答が最 も多 く,次 い で「研 究 能力 をつ け た い」が. 3.大 学 院進学希望 の有無 とその理 由. 100(24.2%)名 ,「 教育能力 を身. につ けたい」が 82名. (19。. 8%)と ,臨 床看護 におけ. 大学 院進学希望群 414名 の進学 を希望す る理 由 (複. る指導 ・教育 ・研究 とい う後輩育成 や 自己の能カア ッ. 数 回答 可 )と して は ,「 よ り専 門的 な勉 強 の必 要 性 」. プに関連 した回答が続 いた。 さらに「修士 の学位 をと. と回答 したのは 281名 (67.9%),「 幅広 い視 野 で看 護. りたい」が 98名 (23.7%),「 博士課程 に進学 したい」. を見 直 した い」 と回答 した の は 265名. が 17名 (4.1%)と. 究 の必要性」 86名. (20。. (64.0%),「 研. 8%)で あ り,い ず れ も臨床看. 護 へ の志 向性 を示 す理 由 で あ った 。 また ,「 現状 に行 きづ ま りを感 じて い る 」 が 66名. (15。. 9%)で あ り. ,. ,学 位取得 を目標 とす る回答 も約. 4分 の 1み られた。「その他」 は H名 (4.1%)で あっ た. (図. 3)。. 希望する専門領域 に関する回答は表 4に 示す とお り.
(6) 甲南女子大学研 究紀要 第 5号. 看護学 ・ リハ ビ リテ ー シ ヨン学編. (20H年 3月. ). 大学 院進学 要件 と して は ,「 現場 で働 きなが ら」 と 回答 した ものが 270名. (65。. 2%)で ,「 休 職 ・ 退職 し. て」が 102名 (24.6%)と 働 きなが ら進学 を希 望す る 者 が 多 か った 。 そ の ため ,希 望 条件 と して は ,「 長期 履 修 制 度」 が 151名 (36.5%),「 土 曜 日開講 」 が 95 名 (22.9%),「 昼夜 開講」 が 79名 を修 取士. [言. そ の他. 研究 能 力 を つけた い. 専 門看 護 師 の 資 格 を とり た い. 自 分 の専 門領 域 を 深 めた い. 。 。 。 。 。 。 関3 5 5 3 5 。 。 。 。 2 2 1 0 ︲ 5. 4.大 学院進学 にお ける希望条件. 身教 に育. 昼 間開講」が 27名 (6.5%)と 望がみ られた. (19。. 1%),「 平 日の. ,多 様 な学 習形態 の希. (図 4)。. [意. Ⅳ.考. 図 3 大学 院で学 びた い こ と. 察. 。 。 。 。 。 関3 5 。 。 。 5 。 2 2 1 0 ︲ 5. 1.大 学院進学 に対 す るニ ーズ. A大 学 の 7カ. 所 の 実 習施 設 に勤 務 す る看 護 師 の 大. 学 院進学 に対 す る希望 は「強 く希望 す る」「機会 が あ れば希望す る」 と回答 した者 が 414名 (27.0%)で あ った。先行研究 で は,26%口 ∼ 15%〕 とあ り,本 調査 の 対 象者 の進学 に関す るニーズ も先行研 究 と同程度 に高 い こ とが 示唆 された。 また,進 学 を希望す る理 由につ そ の他. 平 日 昼 間 開講. 昼 夜 開講. 土 曜 日開講. 休職。 退 職 して. 長期 履修. 現 場 で働 き な がら. 図 4 大学 院進学 にお ける希望 条件 表 4 希望す る専 門領域. い て は ,「 よ り専 門的 な知識 の 必 要性 を感 じて い る」 「 幅広 い視 点 での 看 護 を見直 した い 」 とい う理 由が多 く,大 学 院 で学 びた い こ とにつ い て もの理 由 も「 自分 の専 門領域 を深 めた い」 とす る理 由 を選択 した者 が 8 割 で あ った。 看護職 に対す る役割 へ の期待が変化 して きて い る現 在 ,看 護基礎教育 にお ける専 門職業教育 だけで は複雑 化 ,多 様化 した現代社会 には対応 で きな い こ とを,現 場 の看護 師 は実感 して い る と思 われ る。 さらに,専 門. 専 門 看 護 師領 域. が ん看護 急性 ・重症患者看護 (ク リテ イカルケア) 精ネ 申看護 菫 )巳 Й 言 争 家族支援 (家 族看護 ) 老 人看護 母性 看護 慢性疾患看護 (慢 性 看護 地域 看護 /1ヽ. ;言. ). 認定看 護 師 領 域. 救急看護 が ん化学療 法看護 緩和 ケア 集 中ケア 皮膚 ・排 泄 ケア 感染管理 訪 問看護. 看護 師 ,認 定看護 師 をは じめ とす る様 々 な看護実践 に 関 る資格 があ り,生 涯教育 と して形 に残 る学位 や資格 取得 に対す るニーズが高 ま ってい る と推測 され る。 また ,背 景 別 にみ る と,「 男性 」,「 既 婚 」,「 子 ども 有」「大学卒」 で進 学希望が優位 に高か った。 さらに. ,. 30歳 代 の進学希望者が多か った。平 井 らの調査 で は. ,. 20歳 代 ,30歳 代 の 進学希 望 が 多 い とい う結 果 で あ つ たが神,本 研 究 で は ,20歳 代 の 希 望 は低 く 30歳 代 で の 希望 群 の比 率 は 高 か った 。 30歳 代 の 進学 希 望 の 多 さは,臨 床現場 にお い て指導 的役割 を担 う こ とに よる 専 門能力 を向上 させ た い とい う思 い や ,看 護職 を継続 す るための次の ステ ップ と して進学 を考 えて い る と推 測 され る。 また ,「 子 ども有 」群 で希望 が 多 か ったの. で ,「 が ん看護」 が最 も多 く,次 い で「急 性 ・重 症患. は ,希 望群 で 有 意 に高 か ったのが ,30歳 代 お よび既. 者看護」 で あ った。 そ の他 と しては,専 門看護 師領域. 婚 であ った こ とが 影響 して い る可能性 が あ る。 これ ら. お よび認 定 看護 師領域 の どち らに も入 らな い 災 害 看. の 変数 の 因呆 関係 につ い ては,今 後詳 しく検証 して い. 護 ,タ ー ミナルケ アな どがみ られた。. く必要が あ る。.
(7) 江 口秀子. 他 :看 護職 の大学 院へ の進学 ニー ズ に関す る調査. 本研 究 の対象者 は臨床経験 が 5年 目以下 の割合が高. つ○. か った。 この 時期 は,一 人前 レベ ルの看護 師 と して未. 大学院へ の要望 ,研 究分野 の開設に関 して,仕 事 と. 熟 さが見 られ るが ,臨 床 での不測 の事態 に対応 し管理. の両立 を図 りなが ら就学で きる制度 を求める意見が多 かった。 これは小松 ら°が行 なった愛知県 の調査 とも. す る能力 を もちは じめ ,よ うや く臨床 の世界が整理 さ れて見 えて くる段 階で あ る とい われて い る°。 そ の た. 同様 の結果 であ った。本調査 の入学希望者 は,既 婚. ,. め,臨 床現場 に慣 れ る こ とが優先 されて い るこ とが示. 子 ども有 の対象者が多か った。先行研究において,進. 唆 された。. 学希望者が 「進学 を妨 げ る」 とした理 由では,「 職場. さらに,本 調査対 象者 の男性看護 師が 占め る割合 は. の調整が困難 である」「長期 にわたる場合 に休職 な ど. 3%(51名 )で あ ったが ,そ の 中 で も進学 を希 望 す る もの は 4割 を超 えてお り,女 性 よ りもキ ャリア志 向 の 強 い こ とが 明 らか になった。 また,最 終学歴 にお い て は大学卒 の進学希望が高 いの は,看 護系 の大学大学 院 が増 えた こ とに よ り,看 護基礎教 育 の なかで大 学 院 を 身近 に感 じて い る こ とが伺 える。逆 に,短 期大学 お よ び看護専 門学校 卒業 生 は,通 信教育 な どで学位 を取得. の身分制度 の仕組みがない」「経済的に無理」 といっ た理 由 と,少 数 ではあるが「家族 の協 力が得 られ な い」 といった理由 も見 られたつ。 また 瀬 らが行 っ. ,廣. た山梨県 での調査 では,大 学院へ の進学における困難 として,「 経済的に困難」「未就学児がい る」な どが挙 げ られてい る°。本研究結果において も,「 休職 0退 職 して学業に専念」 よ りも「現場 で働 きなが ら」の希望. す るか大学 院 の 受験 資格審査 を受 けなけれ ばな らな い. が多 く,「 長期履修制度」や 「平 日昼夜開講」 と「土. とい うプ ロセスが ,大 学 院進学 へ のハ ー ドル を高 くす. 曜 日開講」 を希望するなど多様 な学習形態 を希望する. る要 因 の ひ とつ になって い る と考 える。. 者 も多か ったのは,こ のような背景が影響 してい ると 推察 で きる。就学意欲 の高い学生の入学促進 は望 まし. 2.入 学後 の ニー ズ. いこ とではあるが,仕 事 と家庭 を両立 しなが ら就学 で. 大学 院 で学 びたい こ とで は「 自分 の専 門領域 を深 め. きるよう,教 育環境 の整備 を検討 して い く必要が あ. た い」 と回答 した者が 8割 弱 で あ った。 さらに「専 門. る。加 えて,臨 床現場 には専門学校 卒者が多 いこ とも. 看護 師 の 資格 をと りた い」「研 究能力 をつ けた い」「修. 考慮 にいれた教育方法 の検討 も必要になって くる。. 士の学位 をとりたい」「教育能力を身につけたい」 と. また,実 習施設 の看護師の レベ ルアップは,実 習 の. いつた回答が 2割 前後であった。大学院進学に対 して. 場 を提供 して もらう大学 にとって も大 きなメリッ トで. も,「 現場 で 働 きなが ら」,「 長期履修 制度」 の希 望 が. ある。そのためには,臨 床現場 と大学 の協働が欠かせ. 多 く,そ の ため ,「 平 日昼夜 開講 」 と「土 曜 日開講 」. ない。それぞれが歩み寄 った,進 学体制 と就学体制 を. を希望 す る者 も多 か った。. 整 えてい くことが今後 の課題 である。. 希望す る専 門領域 で は,「 が ん看護」「急 性 ・重症患 者看護」「感染管理」「小 児看護」 な どの専 門看護 師 を. V。. 結. 論. 希望す る回答 の ほか に,「 が ん化学療法看護」「皮膚 ・ 排 泄 ケ ア」「緩和 ケ ア」 とい った 認定看護 師 の分 野 名. 大学 院 (研 究科 ;修 士 課程 )の 開設準備 と して ,7. を挙 げて い る回 答 もみ られ た。 看 護系 大 学 大 学 院 で. ヶ所 の 実 習病 院 に勤 務 す る看 護 師 2120名 を対 象 に. ,. は,看 護系大学協議会認定 の専 門看護 師 の カ リキ ュ ラ. 看護 師 の教育 ニー ズ や教育支援体 制 に関す るニー ズ を. ムの ほか に,日 本看護協会 の 認定看護 師教 育課程 を開. 知 る こ とを 目的 に,質 問紙調査 を実施 した。 そ の結 果. 設 して い る場合 があ る。 そ のため ,大 学 院教育 の 目的. か ら以下 の こ とが 明 らか になった。. ての理解 の混乱が うかがえる。 したがって大学院にお. 1)A大 学 の 7カ 所 の 実 習施 設 に勤務 す る看 護 師 の 1%が 進 学 を希 望 して お り,そ の 主 な理 由 は. ける開設 コースの周知 の徹底 と,対 象者 のニーズ に対. 「 よ り専 門的 な知識 の必 要性 を感 じて い る」「 幅広 い. 応 した専門分野の充実 を図る必要がある。内田らの調. 視 点 での看護 を見直 した い」 で あ り,入 学後 の学習. 査では,修 士課程に対する認知度が低 く,受 験資格 を. ニ ーズ と して は ,「 自分 の専 門領域 を深 め た い 」 が. 満 たさないが進学希望 をしていることや,長 期履修制. 最 も高か った。進学希望群 の 背景 と して は ,「 30歳. 度や昼夜開講制度に関する認知度 も低 い と報告 されて. 代」,「 男性」,「 既婚」,「 子 ども有」,「 大学卒」 で有. い る'。 本学 の大学院開設 に向け,そ の教育内容や方. 意 に高か った。. と大学が 開設 して い る生涯 学習 のための コー ス につ い. 法 に関す るア ピール を具体的に行 うことが必要であろ. 27。. ,. 2)大 学 院へ の要望 と しては,仕 事 との両立 を図 りな.
(8) 甲南女子大学研 究紀 要 第 5号. 看護学 ・ リハ ビ リテ ー シ ヨン学編. が ら就 学 で きる制 度 を求 め る意 見 が 多 く,「 長 期 履 修 制 度 」 や 「 平 日昼 夜 開講 」「 土 曜 日開講 」 な ど 多 様 な学 習 形 態 ,お よび教 育 環 境 の 整 備 が望 まれ て い た。. (20H年 3月. 花、 日本看護研究学会雑誌. 3)前 掲書. 2009;23(4):39-50. 1). :ベ ナ ー 看護論 新 へ 一初心者 か ら達 人 ,医 学書 院 ,東 京 ,2005,22. 4)Patricia Benner著 訳版. ). ,井 部俊 子 監訳. 5)内 田宏 美 ,津 本優 子 ,小 林 祐 太他. :島 根 県 内 の 看 護. 師 の キ ャ リア ・ニ ー ズ と修 士 課 程 看 護 学 専 攻 に対 す る. 2008;31:59-64 6)小 松 万 喜 子 ,平 井 さ よ子 ,曽 川 葉 子 他 :愛 知 県看 護 認識。 島根大学 医学部紀要. 謝辞 業務多忙 に も関 らず調査 に協力 をい ただい た実 習施設 の看護職 の皆様に心 より感謝いた します。 文. 献. 看護大学紀要. 1)平 井 さよ子 ,海 老真 由美 ,山 田聡子他 :看 護職 の大 学院へ の進学 ニーズ に関す る調査 .愛 知県立看護大学 己,暮 2002; 8: 33-40 糸. 2)松 下年子 ,岡 部恵子 ,天 野政美他. 大学 の 教 育改 革 に関す る調 査 (1)一 本 学 大 学 院 へ の 進 学 及 び修 了者 雇 用 に関す る ニ ー ズ の 総括 一.愛 知 県 立. :大 学病 院関連医. 療施設 に就業す る看護師 の大学 院修士課程入学 へ の 関. 2005;H:69-78. 7)前 掲書 5):63 8)廣 瀬幸 美 ,松 下優 美子 ,石 田 貞世 他 :山 梨 県 内看 護 職者 の 大 学 院 (専 門看 護 師課 程 )へ の 進 学 に関す る ニ ー ズ実態 調 査 (そ の 1)一 看護 職者 へ の 調 査 ―.山 梨 県 立大学看護ミ 己要 2008; 10: 83-91 諄音Б 糸.
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