平成
27年
度
学
位
論
文
「捕 」 に焦 点 化 した 教 材 づ く り とそ の授 業 実 践
― 小 学 校 低 学 年 ・ ゲ ー ム 領 域 に お い て一
兵 庫 教 育 大 学
大 学 院
学 校 教 育 研 究 科
教 育 内容 ・ 方 法 開発 専 攻
行 動 開発 系 教 育 コー ス
学 籍 番 号
M14205C
木
村
如
宏
次
目
序 章 第1節
研 究 の 動 機 及 び 目的 ・ 。・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。・ 第2節
研 究 の 方 法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 0。 ・ ・ 0。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 第1章
先 行 実 践 の 批 判 的 検 討 ― 「捕 」 に つ い て の 予 備 的 考 察 か ら一 第1節
捕 球 の 定 義 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 6 第2節
捕 球 の発 達 段 階・ ・00・
・ ・ 。・ 0。 ・ ・ ・ 。・ 。10
第3節
捕 球 に 必 要 な 能 力 ・ ・ 0・ ・ ・000。
・ ・ ・ ・ ・ ・13 第1項
調 整 力 とそ の 分 類 。・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・13 第2項
捕 球 に必 要 な 調 整 力・00・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。・ ・15 第4節
先 行 実 践 の 成 果 ど課 題 。・ ・ 0。 ・000。
・ ・ 0・ 17 第5節
ま とめ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。 ●20
第2章
「捕 」 の 教 材 づ く り 第1節
「捕 」教材 の位 置 付 け・・ ・00・
・ 。・ ・・ ・ ・ 。21
第1項
ゲー ム領 域 とは 。・ 。・ ・ 。・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ 。・21
第2項
ゲー ム領 域 にお け る 「捕 」 の教 材 の位 置 付 け 。・ ・23
第2節
具 体 的 な教 材 づ く り・・ ・ ・ ・00・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・24
第1項
教 材 づ く りの基 本 的視 点・ 0。 ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ 。24
第2項
単 元 教 材 づ く り・ ・ ・ ・・ ・ 0。 ・ ・ ・00・
0026
第3項
下位 教 材 の考 案・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・000・
・30
第3節
ま とめ・ ・ ・ 。・ ・ ・・ ・ ・・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・・31
第3章
「捕 」 の 教 材 を 用 い た 授 業 実 践 とそ の 検 証 ① 第1節
試 行 的授 業 実 践 の概 要・00・
・ ・・ ・ ・ 。・ ・ ・ ・32
第2節
検 証 の方 法・ ・ ・00・ 00。
・ 。・ ・ ・・ ・ ・ ・ 。34
第3節
結 果 及 び 考 察 ・・00・
・ ・ 。・ 0・ 。・ 0。 ・ ・035
第1項
ゲ ー ム の様 相・ 。・ ・ ・ 。・ ・ ・ 。・ ・ ・ ・ ・ ・ 。35
第2項
捕 球 率 と捕 球 形 態 0・ ・ ・ ・・ 。・・ ・ ・ ・ ・・ ・36
1 4第
3項
形 成 的 授 業 評 価 0・ ・ ・ ・ 0・ ・ 。・ ・ ・ ・ ・ ・ ・39
第4項
キ ャ ッチ の コ ツ と授 業 感 想 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。・ ・40
第4節
成 果 と課 題 ・000・
・ ・ ・ ・ ・ 。・ 。・ 。・ ・ ・ ・43
第4章
「捕 」 の 教 材 を 用 い た 授 業 実 践 と そ の 検 証 ② 第1節
追 試 授 業 の概 要 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。・ ・ ・ ・45
第2節
検 証 の 方 法000・
・ ・ ・ 。・ ・ ・ 0・e.o●
● ●48
第3節
結 果 及 び 考 察 0。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。・ ・ ・ ・ ・ ・ ・48
第1項
ゲ ー ム の様 相 0・ ・ ・ 。・ ・ 0・ ・ ・ ・ ・ 0。 ・ ・48
第2項
捕 球 率 と捕 球 形 態 ・00000・
・ ・ 。・ ・ ・ ・ ・50
第3項
捕 球 失 敗 の 形 態0000。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・052
第4項
授 業 評 価 と授 業 感 想 ・ 0・00・
・ 。・ ・ ・ ・ 0・57
第5項
授 業 観 察 者 か ら・ ・ ・0000。
・ ・ ・ 。・ ・ ・ ・59
第6項
実 践 者 か ら・00000・
・ 。・ 0。 ・ 0・00・
61
第4節
ま とめ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・00。
・63
第5章
「捕 」 の 教 材 プ ロ グ ラ ム の 提 案 第1節
教 材 の 特 性00・
・000。
・ ・ 。・ ・ ・ ・ ・00065
第2節
コー ト・ 用 具0ル
ー ル に つ い て 。・ ・ 。・ ・ ・00・
66
第3節
単 元 計 画・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。・ ・ 0・00・ 00・ 067
第4節
1単
位 授 業 の 流 れ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・068
結 章 第1節
総 括 。・e..●
● ● ● ●00・
0・ ・ ・ ・000069
第2節
今 後 に 向 け て ・ 0・ ・00・ 00・
0・ 0・ ・ ・0072
第1項
今 後 の 課 題 ・ 0・ ・ 。・ ・ ・ ・ ・ ・ 0・ ・ 0・ ・ ・72
第2項
開発 教 材 の 発 展 性 ・ 。・ ・ ・ ・ ・ ・000・
・ ・073
引 用 文 献 ・ 参 考 文 献 。・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・75
謝 辞 ・ ・ ・ 。・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・00。
・ ・77
巻 末 資 料 。・ 。00・
。・ ・ ・ ・ ・ ・ 。・ 。・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・78
序
章
第
1節
研 究 の動 機 及 び 目的
体 育 学 習 で 、 人 気 の あ る運 動 の1つ
に ボ ー ル 運 動 ・ 球 技 (以 下 、 ボ ー ル ゲ ー ム)が
あ る。 ボ ー ル 操 作 の 技 能 が 高 い 子 ど も は 、 ボ ー ル ゲ ー ム の 特 性 に触 れ て ゲ ー ム を 楽 し む こ とが で き て い る一 方 で 、 ボ ー ル 操 作 の 技 能 が 身 に 付 い て い な い 子 ど も は 、 ボ ー ル ゲー ム の 特 性 に 触 れ る こ とが で きず ゲ ー ム を 楽 しむ こ とが で き て い な い 。 そ の 大 き な 要 因 と して 、 そ の よ うな 子 ど も は 、 ボ ー ル を うま く捕 る こ とが で き な い こ とが 考 え ら れ る 。 岩 田 は『 体 育 科 教 育 』 誌 で 行 わ れ た 座 談 会 (藤 井 ・ 岩 田・ 佐 藤 、2003)に
お い て 、子 ど も の 「捕 」の 実 態 につ い て 「例 え ば 投 げ られ た ボ ー ル を キ ャ ッチ す る こ とが 、 子 ど も た ち は 上 手 じゃ な くな つ て き て い ま す よ ね 。 そ れ は 受 け 方 が で き な い ん じゃ な くて 、 時 間 と空 間 の 中 で 動 く もの に ど うや つ て 体 を対 応 させ る か とい う感 覚 の 世 界 が 耕 され て い な い 。」 か ら と指 摘 して い る。 ボ ー ル 遊 び の 経 験 が 少 な い 子 ど も は 、動 くボ ー ル に 合 わせ て 体 を動 か す こ とや ボ ー ル を扱 う感 覚 が 十 分 に耕 され て い な い 。 そ の た め 、 ゲ ー ム 中 に ボ ー ル ヘ の 恐 怖 心 か ら逃 避 行 動 を した り、 味 方 か らパ ス され た ボ ー ル を落 球 した り後 逸 した り して 、 ボ ー ル を捕 る こ とが で き な い の で あ る。 落 下 点 に移 動 す ら で き な か つ た りす る こ と も あ る。 自 らの 実 践 で も こ の よ うな 子 ど も の 姿 を よ く 目 に して き た こ とか ら、 ボ ー ル ゲ ー ム を学 習 す る前 段 階 の 低 学 年 で は 、 ボ ー ル を扱 う感 覚や 動 くボ ー ル に 体 を合 わせ て動 か す ボ ー ル 遊 び を十 分 に経 験 させ な が ら、「捕 」 の感 覚 を 養 つ た り技 能 を 身 に 付 け させ た り して 、 子 ど も に意 欲 と 自信 を 高 め させ て お く こ とが 大 切 で あ る と考 え る。 従 来 、 子 ど もた ち は 、 日常 の 遊 び を 通 して 、 ボ ー ル を 投 げ る こ とや 捕 る こ との技 能 を身 に 付 け て き た 。 例 え ば 男 子 は 、 空 き 地 で バ ッ トとボ ー ル を使 つ て 野 球 遊 び (三 角 ベ ー ス な ど)を
して き た 。 ま た 、 親 子 や 兄 弟 で キ ャ ッチ ボ ー ル した り、 壁 に ボ ー ル を 当て て 眺 ね 返 つ て く る ボ ー ル を捕 つ て は 投 げ る こ と を した り、 屋 根 の 上 に ボ ー ル を投 げ て 落 ち て く る ボ ー ル を キ ャ ッチ した り して 遊 ん で い た 。 一 方 、 女 子 は ボ ー ル を つ く マ リツ キ 遊 び を 通 して ボ ー ル に親 しむ 中 で 「捕 」 の感 覚 が 養 わ れ て き た 。 しか し、 現 在 は 子 ど も を 取 り巻 く環 境 が 変 化 し、 安 全 面 を理 由 に 遊 び を 制 限 す る場 所 が 増 え 、 テ レ ビゲ ー ムや カ ー ド遊 び な ど体 を積 極 的 に動 か さな い 遊 び が 増 え て き て い る (図1:中
村 、2000・ 2015)。 ま た 、サ ッカ ー 人 気 に 伴 い 、足 で ボ ー ル を操 作 す る遊 び が 多 くな り、現在
30才
以 上 の 大 人 が 子 ど も の 頃 に して い た よ うな 手 で ボ ー ル を 操 作 す る遊 び をす る 子 ど も は 少 な くな っ て い る。 そ れ に よ り投 ・ 捕 の 技 能 が 十 分 に 身 に 付 い て い な い 子 ど もが 増 え て き て い る と学 校 現 場 で 実 感 す る た め 、体 育 学 習 で の 指 導 の 必 要 性 を感 じる。 /()■ `t :メン │ :1.「 :i :め`く′ひ │`` ::´ -1 ■│サi,1/〕 50itit i缶 け り お 子「 く――――― :禁1,31ス
:慧:去だ
i=
:お はt,き 1石 鍛 つ ,ゴム摯 `び : 嗜!i' . 図1:子
ど も の 遊 び の 変 遷 (中 村 、200002015)
ボ ー ル 操 作 に は 、「投 げ る 、 つ く、 転 が す 、 当 て る 、捕 る 、 蹴 る 、 止 め る」 な どが 挙 げ られ 、 これ らの ボ ー ル 操 作 の 技 能 を 習 得 させ 向 上 させ て い く こ とは 、 ボ ー ル ゲ ー ム の学 習 の 質 を 高 め て い くた め に も重 要 に な る。 特 に 「投 」 と 「捕 」 は 身 に 付 け させ て お き た い 基 本 的 な 技 能 で あ り、 ボ ー ル ゲ ー ム に お い て 必 要 不 可 欠 で あ る。 ま た 、 金 子 ら(1993)が
「『 捕 る と投 げ る』 の 組 み 合 わ せ 運 動 は バ レー ボ ー ル な どに 見 られ る『 手 で 打 つ 』 運 動 に発 展 す る」 とい うよ うに 、「捕 」 と 「投 」 は他 の 動 き の 基 盤 とな る技 能 と して も重 要 とな る。「投 」 と 「捕 」 は 、 ボ ー ル 保 持 者 とボ ー ル 非 保 持 者 を繋 ぐた め に 必 要 な 技 能 で あ り、 ス ム ー ズ な 攻 防 を 展 開 す る た め に は 「捕 」 が よ り重 要 な ボ ー ル 操 作 に な る。 言 い 換 え る と、 ボ ー ル ゲ ー ム に お い て 「捕 」 は 、 ボ ー ル を 目的 地 点 ま で 運 ぶ た め の 中継 所 や ゴー ル 地 点 と して の機 能 を果 た す た の で あ る。 そ の た め 「捕 」 が 上 達 す れ ば 、攻 撃 や 守 備 で 協 力 的 に 動 け る よ うに な り戦 術 を活 か した ゲ ー ム が 楽 しめ る よ うに な る。 しか しな が ら、 体 育 学 習 で は 「投 」 に 関 る教 材 開 発 や 授 業 実 践 の 報 告 が 数 多 く見 ら れ る が 、「捕 」 に 関 して の 報 告 は 少 な く十 分 で は な い 。 (松 本 ・ 宮 崎 ら、2013:大
野 ・ 竹 田 ら、2013:宮
永0本
田 、 2014)。 そ の 理 由 と して 次 の 点 が 考 え られ る。1つ
目は 、 文 部 科 学 省 が 毎 年 実 施 して い る全 国 体 力・ 運 動 能 力 調 査 に は 「投 」 (小 学 校 は 、 ソフ ト ボ ー ル 投 げ)の
調 査 項 目が あ り、 数 値 と して 投 能 力 が 示 され る た め 教 師 の 「投 」 へ の意 識 や 関 心 は 高 い が 、「捕 」 に 関 して は 調 査 項 目が な い こ とか ら 「投 」 と比 較 して意 識 や 関 心 が 向 け られ て い な い こ と。
2つ
目は 、「捕 」は オ ー プ ン ス キル (開 放 ス キ ル)で
、 ボー ル の 大 小 ・ 重 軽0形
状0速
度0軌
道 ・ 捕 球 動 作 の 種 類 な ど多 くの 変 数 が 関 与 す る た め 指 導 が 難 しい こ と。3つ
目は 、 ボ ー ル ゲ ー ム の 得 点 は 「投 」 に よ つ て 獲 得 され る 種 目 が 多 く 、「捕 」 が 得 点 に な る ゲ ー ム が 少 な い こ と。 例 え ば 、 小 学 校 学 習 指 導 要 領(2008a)及
び 指 導 書 (1989)、 解 説 編 (1999、2008b)で
、 これ ま で の 低 学 年 ゲ ー ム 領 域 の 内 容 の 例 示 を 見 る と 「的 当 て ゲ ー ム 」「シ ュ ー トゲ ー ム 」「 ドッ ジ ボ ー ル 」 の 3 つ に 分 類 で き 、 これ らの ゲ ー ム は 、 シ ュ ー トす る (投 げ る)局
面 を 誇 張 した 標 的 に 当 て る タ ー ゲ ッ ト型 ゲ ー ム で あ る。 そ れ らは 、 ボ ー ル を遠 くに 投 げ る こ とや 正 確 に 投 げ る こ とで 「投 」 の 技 能 習 得 を ね ら つ た ゲ ー ム で あ る。 ドッ ジ ボ ー ル は 、 投 げ る (当 て る)、 捕 る 、 ボ ー ル を 「か わ す 」 とい う技 能 の 習 得 を 目指 す 教 材 と して 多 くの 学 校 で 扱 われ て い る。 ドッジ ボ ー ル(Dodgeba11)の
「dodge」 とは 、「ひ ら り とか わ す 」 とい う 意 味 で あ り、 相 手 が 投 げ て き た ボ ー ル か ら身 を か わ す こ とが ドッ ジ ボ ー ル の 本 質 的 課 題 で あ る た め 、 ドッ ジ ボ ー ル は 「捕 る」 教 材 とは 言 い 難 い こ と。4つ
目は 、 現 行 の 学 習 指 導 要 領(2008a)に
お い て ボ ー ル 運 動 が 戦 術 中 心 の 学 習 に な る な か で 「ボ ー ル を持 た な い と き の 動 き」 の 指 導 に 重 点 が 置 か れ 、「ボ ー ル 操 作 」 の 指 導 に 焦 点 が 当 た らな く な つ て い る こ と。 以 上 の こ とか ら、 これ ま で は 「捕 」 に 十 分 な 焦 点 が 当 て られ ず 体 育 学 習 で は あ ま り扱 わ れ て こ な か つ た と推 察 す る。 だ か ら こそ 「捕 」 を扱 う教 材 が 必 要 で 、 そ こ で は ボ ー ル に触 れ る 時 間 や 回 数 が た く さん 確 保 され 、 子 ど も た ち 一 人 ひ と り に捕 球 の 機 会 が 保 障 され て い る こ と。 そ して 、 成 功 体 験 が 得 られ 技 能 の 習 得 や 向 上 に つ な が り、 意 欲 や 自信 が 高 め られ る よ うな 教 材 を考 え な けれ ば な らな い。 そ こ で 本 研 究 は 、 低 学 年 を 対 象 と した 「捕 」 に 焦 点 化 した 教 材 づ く りを行 い 、 そ の 教 材 を用 い た 授 業 実 践 か ら得 た 結 果 や 知 見 を報 告 し、「捕 」 の 教 材 の プ ロ グ ラ ム の 一 試 案 を 提 示 す る こ とを 目的 とす る。第
2節
研 究 の 方 法
―
本 研 究 の 目的 を達 成 す る進 め に、 以 下 の手順 で研 究 を進 め る。(1)先
行 実 践 の批 判 的検 討 ∼ 「捕 」 に つ い て の 予備 的 考 察 ∼ 具 体 的 な教 材 づ く りに 向 か う上 で 、「捕 」につ い て の基 礎 的 な理解 を図 る と ともに、 低 学 年 の児 童 に身 に付 けて ほ しい 「捕 」 を明 らか に し、 先 行 実 践 の特 徴 と課 題 につ い て考 察 す る。 ① 捕 球 の 定 義 辞 書 的 な意 味や ゲー ム場 面 で の動 き な どか ら、捕 球 につ い て 考 察 す る。 ② 捕 球 の発 達 段 階 子 どもの年 齢 や 発 達 段 階 にお い て 、 どの よ うな捕 球 パ ター ンが示 され て い るか を先 行 研 究や 知 見 か ら考 察 す る。 ③ 捕 球 に必 要 な能 力 体 力 要 素 で あ る 「調 整 力 」 とい う視 点 で 、捕 球 に必 要 な能 力 を考 察 す る。 ④ 先 行 実 践 の成 果 と課 題 ① ∼③ の知 見 を も とに先 行 実 践 を整 理 し、課 題 を 明確 にす る。(2)「
捕 」 の教材 づ く り ① 「捕 」教材 の位 置 付 け 「捕 」 の教材 をつ くるの に あた り、 どの運 動 領 域 で取 り扱 うか を検討 す る。 ② 単位 教 材 と下位 教材 づ く り 岩 田の教 材 づ く りの プ ロセ ス に基 づ いて 、「捕 」 の教 材 づ く りを行 う。(3)「
捕 」 の 教 材 を用 い た授 業 実 践 とそ の検 証 ① 試 行 的 授 業 実 践 筆 者 自 らが授 業 者 とな つ て 、 開発 した 教 材 で 子 ど もの 動 きや 反 応 を確 か め 、 そ れ に よ つ て 表 出 した 問題 点 に つ い て 修 正 等 を 図 り、 よ り質 の 高 い 教 材 に 改 変 して い く こ と を ね らい と して 授 業 実 践 を行 う。 ・ 期 間:平
成27年
2月
(全8時
間) ・ 対 象:兵
庫 県S市
立F小
学 校 第2学
年 (全11名
) 。授 業 者:F小
学 校 男 性 教 諭=筆
者 (小 学 校 教 師10年
)・ 検 証 方 法 毎 時 間 ビデ オ 撮 影 した メ イ ン ゲ ー ム の
VTRと
授 業 者 の 記 録 を合 わ せ な が ら、ゲ ー ム の様 相 、 捕 球 率 、 捕 球 形 態 に つ い て 分 析 す る。 児 童 に つ い て は 、 形 成 的 授 業 評 価 、 学 習 カ ー ド、 感 想 文 を 通 して授 業 評 価 を 実 施 し、 開 発 した 教 材 の 有 効 性 を検 証 す る。 ③ 追 試 授 業 試 行 的 授 業 の 検 証 を踏 ま え 、 修 正 を加 え た 教 材 で 追 試 授 業 を 実 施 す る。 開 発 者 に よ る実 践 だ け で な く、 指 導 者 や 学 習 者 (学 習 集 団)が
変 わ つ て もそ れ が 効 果 的 な 教 材 で あ る か を検 証 す る。 ・ 期 間:平
成27年
6月
(全7時
間) ・ 対 象:兵
庫 県S市
立J小
学 校 第2学
年 (全34名
) 兵 庫 県S市
立F小
学 校 第2学
年 (全17名
) ・ 授 業 者:J小
学 校 男 性 教 師 (小 学 校 教 師2年
)F小
学 校 女 性 教 師 (小 学 校 教 師2年
) ・ 検 証 方 法 毎 時 間 ビデ オ 撮 影 した メ イ ン ゲ ー ム のVTRや
著 者 の 観 察 記 録 を合 わせ 、 ゲ ー ム の様 相 や 捕 球 率 や 捕 球 形 態(F小
)を
分 析 す る。 ま た 、 捕 球 の 失 敗(F小
)を
分 析 す る こ とで 、子 ど もの つ ま ず き に つ い て も検 討 す る。 児 童 に 対 して は 、 単 元 終 了 時 に授 業 評 価 や 感 想 文 を書 か せ る と と も に 、指 導 者 に は 実 践 終 了 後 に 、授 業 観 察 者(S
市 内 の 体 育 研 究 部 員)に
は授 業 観 察 終 了 後 に 自 由記 述 に よ る コ メ ン トを 書 い て も ら い 、 そ れ らを 総 合 的 に評 価 し、 教 材 につ い て 検 証 す る。(4)「
捕 」 の教 材 プ ロ グ ラ ム の 提 案 実 践 か ら得 た 知 見 を も とに して 、 プ ロ グ ラ ム 例 (単 元 計 画 等)を
提 示 す る。第
1章
先 行 実 践 の批 判 的検 討
一 「捕 」 につ い て の 予 備 的 考 察 か ら―
本 章 で は 、 具 体 的 な 教 材 づ く りに 向 か う上 で の 予 備 的 考 察 と して 、「捕 」 に つ い て の 基礎 的 な理 解 を 図 る と と も に 、低 学 年 の 児 童 が 身 に 付 け て ほ しい 「捕 」を 明 らか に し、 先 行 実 践 の 特 徴 と課 題 に つ い て 考 察 す る。第
1節
捕 球 の 定 義
ボ ー ル ゲ ー ム で は 、「ボ ー ル を キ ャ ッチ す る」 こ とを 「ボ ー ル を受 け る」 や 「ボ ー ル を捕 る」と言 うこ とが あ り、「受 け る」や 「捕 る」を 混 合 して 使 わ れ て い る場 面 が 多 い 。 例 え ば 、 小 学 校 で 多 く実 践 され て い る ドッジ ボ ー ル とバ ス ケ ッ トボ ー ル の キ ャ ッチ を 想 起 して み よ う。 ドッジ ボ ー ル で は 、 ボ ー ル 保 持 者 が 相 手 コー トの 敵 を ね らっ て ボ ー ル を 投 げ る。 守 備 側 は 、 投 げ られ た ボ ー ル か ら身 を か わ した リキ ャ ッチ した り して ボ ー ル に 当 た らな い よ うに 守 る。 キ ャ ッチ す る と き は 、 向 か つ て 来 る勢 い (ス ピー ド) の あ る ボ ー ル が 、 胸 か らお 腹 の 高 さで あ れ ば ボ ー ル を 迎 え入 れ る よ うに 両 手 と腹 部 で しつ か り と包 む よ うに キ ャ ッチ (ベ リー キ ャ ッチ)す
る こ とが 多 い 。 バ ス ケ ッ トボ ー ル で は 、 直 接 味 方 に め が け て の パ ス (対 人 パ ス)の
場 合 、 パ ス を も ら う人 は 自分 に 向 か つ て 来 る ボ ー ル を キ ャ ッチ す る。 ま た 、 空 間 へ の パ ス の 場 合 、 空 間 へ 投 げ 入 れ られ た ボ ー ル を 追 い か け て 行 き キ ャ ッチ す る。 こ の よ うな キ ャ ッチ の 例 か ら 「受 け る」 と 「捕 る」 は 同 じな の か 、 そ れ と も違 うの か を考 え て み る。 そ こ で 最 初 に 、広 辞 苑 で 「受 け る」 と 「捕 る」 を 引 く と、次 の よ うに記 され て い る。 「受 け る」:「 (下降 して く る も の や 向 か つ て く る も の を)さ さ え とめ る。うけ とめ る。」 「捕 る」:「捕 ま え る 、 と ら え る 、 捕 獲 す る」 広 辞 苑 に 記 され て い る意 味 か らす る と、 ボ ー ル を 受 け る とは 「 自分 に 向 か つ て く る ボ ー ル を 、 受 け止 め る」 こ とで 、 更 に 「受 け止 め る」 は 、 次 の よ うに記 され て い る。 「受 け止 め る」:自 分 の方 に来 る もの を受 け て 、 そ の進 み を止 め る。 ま た 、攻 撃 を受 け て 防 ぎ支 え る。よ っ て ボ ー ル を 受 け る とは 、「自分 に 向 か つ て く る ボ ー ル を受 け て 、 ボ ー ル の 動 き を 止 め る 」 こ と に な る。 捕 る は 、 動 物 を捕 ま え る 、 捕 獲 す る とい う意 味 合 い か ら、 獲 物 を 追 い か け るイ メ ー ジ が あ り、 捕 の 漢 字 に は “手
"辺
が 用 い られ て い る こ とか ら、 ボ ー ル を捕 る は 「 自分 か らボ ー ル を 追 い か け て 、 手 で 捕 ら え る」 とい うこ とに な る。 次 は 、 ボ ー ル に 対 して 「キ ャ ッチ す る 人 の 動 き 」 と 「ボ ー ル の 捕 り方 」 に 分 け て 、 そ れ を辞 書 的 な 意 味 と合 わ せ て み る。 キ ャ ッチ す る 人 の 動 き で は 、 ドッジ ボ ー ル の キ ャ ッチ や バ ス ケ ッ トボ ー ル の 対 人 パ ス の キ ャ ッチ は 「 自分 に 向 か つ て く る ボ ー ル を 迎 え入 れ る 」 動 き に な り、 空 間 へ の パ ス の キ ャ ッチ は 「 自 らが ボ ー ル を 追 い か け る 」 動 き に な る。 こ の 場 合 、 前 者 は ボ ー ル に 対 して キ ャ ッチ す る人 が 受 動 的 で あ る の に 対 し て 、後 者 は 能 動 的 と捉 え る こ とが で き る。向 か つ て く る ボ ー ル を 迎 え入 れ る こ とは 「受 け る 」 に な り、 自 らボ ー ル を 追 い か け る こ と は 「捕 る」 とい うこ とに して は ど うか 。 次 に ボ ー ル の 捕 り方 は ど うか 。 バ ス ケ ッ トボ ー ル の 場 合 、 ボ ー ル を 手 で 捕 ら え る “ハ ン ドキ ャ ッチ"が
用 い られ る た め 辞 書 的 な意 味 の 通 り、手 で 捕 るハ ン ドキ ャ ッチ が 「捕 る」 に な る。 しか し、 ドッ ジ ボ ー ル の ベ リー キ ャ ッチ は 、 手 で 捕 る に 該 当 しな い こ と か ら 「受 け る」 とい うこ とに す る。 しか しな が ら実 際 の ゲ ー ム 場 面 で は 、 ボ ー ル に 対 して の 動 き とボ ー ル の捕 り方 は 、 組 み 合 わ され て キ ャ ッチ して い る の で 、 表1の
よ うな4つ
の キ ャ ッチ パ タ ー ン が 考 え られ る。 表1:ゲ
ー ム 時 に 考 え られ る キ ャ ッチ の パ タ ー ン ボールに対しての 動き ボールの捕 り方 「動き」+「捕 り方 」Aパ
ターン
迎え入れる 両腕。込む(か上体を使つて包みかえ込む) 向かつて来るボールを迎え入れ、包み込むようににキャッチBパ ターン
迎 え入れ る 手で捕 らえる(ハンド) 向かつて来るボールを迎え入れ、ハンドキヤッチCパ
ターン
追いかける 両腕。込む(か上体を使つて包みかえ込む ) ボールの方向へ追いかけ動き、包み込むようにキャッチDパ
ターン
追いかける 手 で捕 らえる(ハンド) ボールの方 向へ追いかけ動き、ハンドキヤッチ仮 に 「受 け る」 を 「 自分 に 向 か つ て 来 る ボ ー ル を 迎 え入 れ 、 包 み 込 む よ うな キ ャ ッ チ 」 を
Aパ
ター ン と し、「捕 る」 を 、「 自分 か らボ ー ル を 追 い か け て 動 き 、 手 で 捕 らえ るキ ャ ッチ 」 をDパ
タ ー ン とす る。 そ うす る とBと
Cの
パ ター ン は ど ち らに 分 類 され るの か 。ボ ー ル に対 して の 動 き で 考 え る と、Bパ
タ ー ン は 受 け る 、Cパ
タ ー ン は 捕 る に な る 。 ま た 、ボ ー ル の 捕 り方 で 考 え る と、Bパ
タ ー ン は捕 る 、Cパ
タ ー ン は 受 け る に な るた め説 明す る こ とが 難 しい 。 今 度 は 、「受 け る」 と 「捕 る 」 の 目的 で 考 え て み る。 ボ ー ル を 受 け る は 「ボ ー ル の 動 き を 止 め る」 こ とで 、 ボ ー ル を捕 る は 「動 い て い る ボ ー ル を つ か ま え る」 こ とが 目的 に な る。 両 者 と も に 動 い て い る ボ ー ル を キ ャ ッチ す る こ とは 同 じで あ る が 、 そ の ボ ー ル を ど う した い の か とい う こ とに違 い が あ る の で は な い か 。 ボ ー ル を ど う した い の か と思 つ て い る の は キ ャ ッチ す る人 の 意 志 で あ る。 そ の こ とは 、 目的 を 果 た す た め に 自 らの 意 志 で 動 い て い る は ず で あ る。 そ うな る と 「受 け る」 も 「捕 る」 も 自分 か らの 能 動 的 な動 き とい うこ とで あ る。 そ こ で なぜ ドッジ ボ ー ル で は 、 ベ リー キ ャ ッチ な の か 。 そ れ は 、 ボ ー ル を 落 と した ら、 そ の ボ ー ル の 動 き を止 め る とい う 目的 は 果 た せ な く な りそ の 人 は ア ウ トに な つ て しま う。 そ の た め に ボ ー ル を 迎 え入 れ 、 ボ ー ル を 落 と さな い で キ ャ ッチ す る とい う こ とが 確 実 な 方 法 で あ る。 だ か ら ドッ ジ ボ ー ル の ベ リー キ ャ ッチ は 、 ボ ー ル の 動 き を 止 め る た め 「受 け る」 とな る。 次 に 、「捕 る」 を考 え て み る。 自 らが 対 象 物 を 追 い か け て 手 で つ か ま え る こ とだ け が 捕 る に な る の か 。 例 え ば 、 子 ど も た ち が トン ボ や 蝶 を捕 ま え よ う と して い る様 子 を 思 い 浮 か べ て み る。 子 ど も は 飛 ん で い る トン ボ や 蝶 々 を 追 い か け て 捕 ま え よ う と して い るで し ょ う。 ま た 、 追 い か けず に トン ボ や 蝶 々 が 飛 ん で 来 そ うな と こ ろ で 待 つ て捕 ま え よ う と もす る で し ょ う。 更 に は 、 通 り道 に 罠 を仕 掛 け て 捕 ま え る子 ど も も い る で し ょ う。 これ らは トン ボ や 蝶 々 の 動 く も の に 対 して 受 動 的 か 能 動 的 か で は な い こ とが 分 か る で し ょ う。 トン ボ や 蝶 々 の 動 い て い る も の を捕 ま え る とい う意 志 で 子 ど も は 能 動 的 に 動 い て い る。 そ して 、 そ の 動 い て い る も の を どの よ うに 捕 ま え て もそ の 目的 が 果 た せ た らす べ て が 捕 る とい う こ と に な る。 よ つ て 、 手 で 捕 る だ け が 捕 る とは 言 え な い だ ろ う。 だ か ら ドッ ジ ボ ー ル の ベ リー キ ャ ッチ も捕 る とい うこ とが で き る。 そ うな る と、受 け る と捕 る は 違 つ た もの で は な く同 じに な る。 但 し、 両 者 の 関 係 は 、 「捕 る」 とい う中 に 「受 け る」 が含 まれ て い る と考 え る の が 妥 当 で あ り、「受 け る」 は狭 義 の 「捕 る」 とい うこ とに位 置 付 け る こ とが で き る (図 lB)。 で は ど う して バ ス ケ ッ トボ ー ル で は 、 ドッ ジ ボ ー ル の よ うな キ ャ ッチ を しな い の か 。 ハ ン ドキ ャ ッチ は ボ ー ル を捕 つ た 後 にす ぐに 、 パ ス や シ ュー トな どの 次 の ボ ー ル 操 作 に 移 しや す い 有 効 的 な キ ャ ッチ の 方 法 で あ る。 も し、 ドッ ジ ボ ー ル の ベ リー キ ャ ッチ をす る と、 一 度 、 ボ ー ル を 手 に 持 ち 替 え な け れ ば な らな く、 次 の ボ ー ル 操 作 に移 る ま で に 時 間 を 要 して しま い 、 そ の 間 に 相 手 が ボ ー ル に 寄 つ て 来 や す く な る。 そ の た め 、 バ ス ケ ッ トボ ー ル や ハ ン ドボ ー ル な ど攻 守 入 り乱 れ ゲ ー ム で は 有 効 的 な キ ャ ッチ の 方 法 で は な い 。 しか し、 ドッ ジ ボ ー ル の 場 合 は 、 ボ ー ル を 落 と さな い た め に確 実 に ボ ー ル を 受 け 止 め る こ とが 最 優 先 の た め に適 した キ ャ ッチ の 方 法 とな る。 キ ャ ッチ して 投 げ る ま で に は 、 キ ャ ッチ した 位 置 か ら コー ト中 央 の ラ イ ン ま で 駆 け 寄 つ て 行 く間 に 、 ボ ー ル を 手 に 持 ち 替 え る だ け の 時 間 が 十 分 あ る た め ベ リー キ ャ ッチ が 有 効 的 で あ る。 しか し、 味 方 同 士 で 攻 撃 を 組 み 立 て る た め に ボ ー ル を 回 す 場 合 は 、 ハ ン ドキ ャ ッチ を 使 う こ とが ドッ ジ ボ ー ル で も有 効 的 に な る。 こ の よ うに 、 ベ リー キ ャ ッチ は ボ ー ル の 動 き を 止 め る た め に 適 した 方 法 で あ り、 ハ ン ドキ ャ ッチ は 手 で 捕 る こ とで 次 の ボ ー ル 操 作 に つ な げ る の に適 した 方 法 で あ る。 そ こ で 本 研 究 で は 、「ボ ー ル を 受 け る」 は 、「ボ ー ル の 動 き を止 め る た め の 捕 り方 」 と し、「ボ ー ル を捕 る」 は 、「次 の ボ ー ル 操 作 に つ な げ る た め の 捕 り方 」 と定 義 し、 両 者 を合 わ せ て 「捕 球 」 と呼 ぶ こ とに す る。
A)「
受 け る 」 と受ける
「捕 る 」 が 異 な る B)「 受 け る」 は 「捕 る 」 に 包 含 され る 図1:「
受 け る」 と 「捕 る 」 の 関係 図 受 ける第
2節
捕 球 の発 達 段 階
子 ど も は 共 通 の 発 達 の 系 列 に 従 つ て 、 基 本 的 な 運 動 ス キ ル は 習 得 され て い き 、年 齢 的 な 変 化 に伴 つ て 運 動 パ タ ー ン は 洗 練 され て 熟 達 して い く。 た だ し、 ス キ ル を 習 得 す る速 度 は 環 境 な どに よ つ て 左 右 され 個 人 差 が 生 じる。 発 育・ 発 達 途 上 の 子 ど も の 運 動 (体 育)を
指 導 して い く小 学 校 体 育 で は 、 そ れ ぞ れ の年 齢 。発 達 段 階 に お い て 、 どの よ うな 運 動 パ タ ー ン が 示 され る の か 、 そ の 特 徴 を把 握 す る こ とが とて も重 要 に な る。 そ の た め 、 本 節 で は 「捕 」 の 運 動 発 達 に つ い て 先 行 知 見 や 先 行 研 究 を整 理 す る。Wellman(1987、
松 浦:1982所
収)は
、比 較 的 大 き な ボ ー ル の捕 球 動 作 は 次 の3つ
段 階 を経 て 発 達 す る と報 告 した 。 ① 身 体 の前 に両 腕 を、ひ じを 曲 げず に真 直 ぐ伸 ば して 、胸 を使 つて捕 球 す る。(3.5 歳 ご ろ) ② ひ じを 曲 げ て構 え るが 、 手 の掌 は 開 い た ま ま で捕 球 す る。(4歳
ごろ) ③ 両 手 、 両腕 を体 側 に た ら した ま ま で 、 ボ ー ル が来 た とき に 両 手 、 両腕 を前 に 出 して捕 球 す る。 (5∼5.5歳
ごろ) この3段
階 と も ボ ー ル の 下 側 か ら捕 球 す る方 法 の た め 、 フ ライ ボ ー ル の 落 下 時 な どに は有 効 で あ る が 、 速 い 低 い ボ ー ル な どの 捕 球 に は 当 て は ま らな い 捕 球 の仕 方 で あ る。 ま た 、 向 か つ て 来 る ボ ー ル が 転 が つ て く る ボ ー ル か 、 フ ライ ボ ー ル か に よ つ て 捕 球 の 困難 さは 異 な つ て く る。 マ イ ネ ル(1960,金
子 訳:1981)に
よ る と、子 ど もが 大 き な ボ ー ル (体 操 用 ぐ らい) を手 だ け で確 実 に捕 る ま で に は 表2の
よ うな 形 態 発 達 を示 す とい う。 一 般 的 に年 齢 と とも に捕 ろ う とす る構 え が 高 め られ どん どん 分 化 して い く。 捕 る動 作 の な か に少 しず つ 全 身 が 参 与 し、 さ らに か らだ で 受 け る よ うな捕 り方 か ら6歳
ご ろ に は 手 だ け の捕 り 方 に 発 達 して い くの が 確 認 され て い る。 宮 丸 ら(1981)の
実 験 に よ る と、 直 接 飛 来 す る ボ ー ル(aerial ba11)に
対 す る捕 球 動 作 は 、 典 型 的 な5つ
の 捕 球 動 作 型 が 把 握 され て い る。 そ の パ タ ー ン の 特 徴 は 図2の
通 りで ゝ そ の捕 球 動 作 は 加 齢 に よ つ て 発 達 し、 捕 球 の 成 功 回 数 も増 大 す る と報 告 され て い る。表
2:ボ
ー ル を 手 で 捕 る ま で の 発 達 形 態 (マ イ ネ ル を も と に 、 筆 者 が 作 成)年 齢
手で捕るまでの形態
およそ 20か月 ◎ポールを投げても捕ろうとする姿勢は示さない ・投げられたボールが、近すぎたり、遠すぎたり、あるいは脇へ逸れても捕る姿勢を示さない ※この段階では、子どもはボールの軌道を先取りできる状態には至つていない 22か月 <2ヵ月ボールを捕る練習を続けた場合>
`ボールを待ち受けるのが見た日にもわかるようになる ・両腕はボールに向かつて伸ばされ、ボールが投げられると軽く曲げられる 。ボールが手や前腕に触れてから、胸のほうへ抱き込むようにする 3歳前後 ◎はつきりと捕る構えが認められる=「挟みつけの構え」 ・捕る姿勢が変化し始める 。両腕は飛んでくるボールに向かつて伸ばされ、手のひらはボールの直径より少し大きい間隔に 相対して構えられ、指は軽く開かれている。 ・ボールは空中で“つかまれ"、 それから確実に体に引き寄せられる 4歳 ◎投 げる間にやつと捕る構えをする ・ボールを横や上下への少々の投げはずれに対して、対応する動きのできる状態に持ち込こめる ※安定して捕るのは5歳 ぐらいの年齢の訓練した子どもに初めてできる 6歳 ◎手だけで捕るのが一般になる ・ボールは空中でつかまえられる ・ボールがきつく投げられていなければ、捕つた直後にそれを確実にするために、からだに引き寄 せられることはなくなつてしまう 捕球動作型 捕球動作型の特徴①
んms Straight型 両腕をそろえて伸ばした構えでボールを待ち、タイミングの これた反応で両腕を一緒にしてボールの方へ動かすが、捕球 動作がみられない未熟I.l^②
Scoop・ up]」 両腕を伸ばした構えからシャベルですくうような動作によつ て、両腕と上体を使ってかかえ込むパターン。③
〕lutchhg型 両腕で左右から万力ではさむような動作で、上体にボールを ぶつけるようにしてかかえ込むパターン。 ④」nderhand・Catth型 両手の手掌だけで捕球する熟達型で、両手の小指をそろえる ようにして下手で捕らえるパターンc一般に腰の高さより低 いボールの対応型とみなされる。 ⑤Overhand‐C江ぬ型 親指をそろえるようにして両手を上方に向けた構えから手掌 だけで捕球するパターンで、高いボールに対応する成熟型。 図2:5つ
の 典 型 的 な捕 球 動 作 型 とそ の 特 徴 (宮 丸 、1980)
年 少 児
(3∼
4歳
)の
段 階 はArms Straight型
が 多 く、 ボ ー ル に対 して 恐 れ る反 応 と して 頭 を後 方 や 側 方 へ そ らせ る逃 避 反 応 が 顕 著 に み られ る。 年 中 か ら年 長 児(4∼
6歳
)の
段 階 で は 、Scoop―up型
やClutching型
で あ る。ま た 、小 学 校102年
生 で は 、Hands―
Catch型
は移 行 期 で あ り、 小 学 校3年
生 に な れ ば 、 手 の ひ らだ け で 捕 球 で き るHands‐
Catch型
が ほ とん ど完 成 を む か え る。動 作 様 式 の 性 差 は 小 学 校2∼ 3年
生 で 著 し く、男 児 の 方 が 早 く熟 達 型(Hands catch)に
近 づ く こ とが 示 され て い る。5つ
の 動 作 型 の 出 現 は 、加 齢 に つ れ て 捕 球 動 作 の 協 応 性 が 著 し く向 上 し、 よ り洗 練 化 され た 動 作 様 式 へ と発 達 過 程 が と ら え られ て い る。5∼
6歳
か ら小 学 校102年
ま で の 時 期 は 、Arms‐Body Catchレ
ベ ル か らHands‐
Catch型
へ と急 速 に 技 能 が伸 び る臨 界 期 とみられ 、 こ の 時 期 の 基 本 運 動 に お け る重 要 な課 題 の
1つ
と して さま ざ ま なHands‐
Catch
が 取 り上 げ られ るべ き で あ ろ う と宮 丸 らは 示 唆 して い る。 以 上 、3者
の 先 行 研 究 の 知 見 よ り、 ボ ー ル を捕 る形 態 は 、 腕 と上 体 を使 つ た か か え 込 み の 形 態 か ら手 だ け で ボ ー ル を 捕 る形 態 へ 熟 達 して い く。 た だ し、 形 態 の 変 化 は 単 な る加 齢 に よ る も の だ け で な く、 ボ ー ル を捕 る遊 び の 経 験 に よ つ て 習 熟 度 に 差 が 現 れ る。 そ の た め 、 捕 の 上 達 に は 、 ボ ー ル を捕 る豊 富 な機 会 の 遊 び が 不 可 欠 で 、 ボ ー ル 遊 び を 通 して 、 ボ ー ル に 対 して 両 腕 を 伸 ば し、 手 の ひ ら を 向 け て ボ ー ル を捕 る こ とが 求 め られ るべ き と考 え る。第
3節
捕 球 に必 要 な能 力
捕 球 は 、 ボ ー ル の 大 小 ・ 重 軽 ・ 形 状 ・ 速 度 ・ 軌 道 ・ 捕 球 動 作 な どの 多 くの 変 数 が 関 与 す る た め とて も難 しい 技 術 で あ る。 そ の た め 、 捕 球 に は 多 くの 変 数 を持 つ 様 々 な ボ ー ル に 対 応 す る能 力 が 必 要 とな る (1982、 星 川0鬼
頭)。 実 際 の ゲ ー ム 場 面 で は 、そ の とき の 状 況 に 応 じて 自 らの 体 の 動 き を コ ン トロー ル しな が ら捕 球 しな け れ ば な らな い こ とか ら、 体 力 要 素 で 言 うな らば 、 ま さ に 、「調 整 力 」 が 関 与 す る と言 え る。 そ こ で 、 本 節 で は 、 調 整 力 の 視 点 で 捕 球 に 必 要 な 能 力 を整 理 す る。 第1項
調 整 力 と そ の 分 類 調 整 力 とは 、「体 カ ー行 動 力 の 一 要 素 で あ り、運 動 を コ ン トロー ル す る能 力 」 の こ と で 、脳 や 脊 髄 とい つ た 神 経 系 との 関 わ りが 強 く、一 般 的 に は 運 動 の 現 象 の 要 因 か ら「素 早 く動 くた め の 敏 捷 性 」「巧 み に動 くた め の 巧 緻 性 」「姿 勢 を うま く整 え る た め の 平 衡 性 」 の3つ
に 分 類 され て い る。 しか し、1つ 1つ
の 運 動 に あ て は め た 場 合 、 何 を 主 な ね らい とす る か が つ か み に く く、 具 体 的 に どの よ うに して 育 て て い け ば よ い か とな る と明 確 で は な い 。 例 え ば 、 跳 び 縄 を使 つ た 教 材 (な わ とび)で
一 般 的 な 調 整 力 の 考 え 方 を す る と、 動 い て い る縄 を眺 ぶ た め に は 、 敏 捷 性 ・ 巧 緻 性 ・ 平 衡 性 の ど こ に ね らい を置 くか は 分 か りづ ら く、 そ の 運 動 自体 す べ て を含 ん で い る た め 育 て た い 力 が 定 ま ら な く な る。 高 田典 衛(1967)は
「調 整 力 は 、 筋 力 や 骨 の 変 化 で は な く、 大 脳 の運 動 中枢 で起 こ つ て い る 変 化 、 つ ま り中枢 神 経 の 変 化 で あ る とい わ れ て い る。 神 経 が 互 い に か か わ り 合 つ て 興 奮 を伝 え 、 動 き を 起 こ し、 一 定 の 神 経 回 路 が 構 成 され 、 動 き の バ ラ ン ス や タ イ ミ ン グ を と りな が ら、 リズ ミカ ル に しか も か らだ の 解 緊 (リ ラ ク セ ー シ ョン)が
な され 、 む だ な 力 を 入 れ ず 美 しい 動 き が で き る こ と、 そ して 、調 整 力 の 最 後 の 決 め て と して 正 確 さに 対 す る感 覚 的 動 き で あ る」 と述 べ て い る。 こ の 考 え 方 を も とに 静 岡 県 横 内小 学 校 (1975、 横 内 小)で
は 、調 整 力 を位 置 感 覚 (「位 置 に 関 す る調 整 力 」)、 動 く も の に 体 を 合 わ せ る感 覚 (「視 覚 調 整 力 」)、 音 や リズ ム に 体 を合 わ せ る感 覚 (「聴 覚 調 整 力 」)、 そ の 他 の 要 素 (「補 助 的 調 整 力 」)と
分 類 して 体 育 実 践 を行 つ て き て い る (図 3)。 位 置 感 覚 は 、 自己 の 体 を 自 己 が 意 識 的 に操 作 す る運 動 感 覚 の こ とで 、 逆 さ に な つ た とき の 感 覚 (逆 さ感 覚)、 高 さ に 関 す る感 覚 (高 さ感 覚)、 バ ラ ン ス を と る感 覚 (平 衡 感 覚)、 回 転 し よ う とす る感 覚 や 回 転 して い る と き の 感 覚 (回 転 感 覚)、 振 りの 感 覚 の 135つ
に 分 け られ 、 これ らの 感 覚 的 動 き は 運 動 す べ て の 分 野 に 関 与 して い る。 視 覚 調 整 力 は 、 移 動 物 体 や 静 止 物 体 に 対 して 、 目 を通 して 瞬 間 的 に そ れ を 提 え 、 そ の 位 置 。方 向・ 速 度 を 正 し く判 断 し、 体 を協 応 させ る運 動 感 覚 で あ る。 例 え ば 、 ボ ー ル 操 作 (投 捕 、 ド リブ ル 、 打 つ な ど)や
短 な わ・ 長 な わ な どが 代 表 的 な も の と して 挙 げ られ る。 聴 覚 調 整 力 は 、 音 や リズ ム に 体 を 合 わせ る感 覚 の こ とで 、 音 に敏 感 に 反 応 して 、 運 動 を起 こす 感 覚 の こ とで あ る。 最 後 に補 助 的 調 整 力 は 、 位 置 感 覚・ 視 覚 調 整 力 ・ 聴 覚 調 整 力 の3つ
だ け で は 従 来 の調 整 力 が 網 羅 で き な い 側 面 で あ る 「筋 感 覚 」 や 「触 覚 」、 ま た は 、「心 像 ・ 形 象 (イ メ ー ジ)」 を持 っ た 運 動 感 覚 の こ とで す べ て の 運 動 に 関 与 して い る。 こ の よ うな 分 類 に よ り、 運 動 の 目的 自体 が 調 整 力 の ね らい と な り、 指 導 の ね らい が 明確 に な るた め 、 次 項 で は こ の 分 類 を 用 い て 捕 球 に必 要 な調 整 力 に つ い て 整 理 す る。図
3:調
整力の分類
(横
内小学校 の分類 をもとに筆者 が図式化
) 位置に関する調整力 (位置感覚) ・自己の体を自己がな議的に操作する ・4難惑寛 〔動くものに体を合わせる感覚〕 移難拘体や中止詢体に対して、日を通 て●目的にそれを饗え、その位置‐方 ・連瞳等を正しく判断し、体を嬢応させ 〔音やリズムに体を合わせる感覚: ・音を敏●に反応して騒甦盤 こす惑■ 筋●■や触■、または、心像・形彙(イ ジ を持つた菫耐●■第
2項
捕 球 に 必 要 な 調 整 力 捕 球 は 、 飛 ん で 来 る ボ ー ル の位 置 を 判 断 す る と と も に 、 そ の 速 度 、 方 向 等 を 瞬 間 的 に 予 測 しつ つ 、 必 要 な 筋 力 を働 か して 、 体 を 協 応 させ な けれ ば な ら な い 。 そ の た め に は どの よ うな 能 力 が 必 要 か を 考 え る た め に 、捕 球 を 「捕 に 至 る た め の動 き」 と 「捕 (捕 り方)」 に 分 け て 考 え る と、 図4の
よ うに 、捕 球 に 必 要 な調 整 力 は 示 され る。 ち な み に 「捕 に 至 る た め の 動 き」 とは 、 ボ ー ル の 正 面 や 落 下 点 に 身 体 を 素 早 く移 動 す る動 き の こ とで 、ボ ー ル の捕 りや す い位 置 に移 動 す る動 き の こ とで あ る。一 方 、「捕 」 は 、 ボ ー ル の 捕 り方 の こ とで 、「両 腕 や 上 体 (胸)を
使 つ て ボ ー ル を キ ャ ッチ (か か え 込 み キ ャ ッチ)」 と 「手 の ひ らだ け で ボ ー ル を掴 む キ ャ ッチ (ハ ン ドキ ャ ッチ)」 の2
つ が あ り、 飛 ん で く る ボ ー ル の 大 き さ・ 重 さ・ 形・ 速 さ・ 角 度 や 目的 な どに よ つ て ボ ー ル の捕 り方 は 異 な つ て く る。 構 造動き
技術
黒:二 能 力 図4:捕
球 の 構 造 と必 要 な調 整 力 (筆 者 作 成) 15捕 球 に 必 要 な 具 体 的 な能 力 を説 明 して い く。 捕 球 に 限 らず どの よ うな 運 動 に お い て も 、 自分 の 体 の 姿 勢 や 位 置 に 対 して 素 早 く情 報 を 把 握 し、 迅 速 に 判 断 を くだ す こ とが 必 要 とな る た め 、 位 置 感 覚 は 運 動 の 基 底 を な し、 欠 か す こ とが で き な い 能 力 で あ る。 例 え ば 、 ボ ー ル を捕 る 際 、 少 々 無 理 な 体 勢 で あ つ て も 、 自分 の 空 間 に お け る姿 勢 を よ く知 り、 ボ ー ル の 速 度 や 方 向 や 位 置 を 瞬 時 に 把 握 し、 タ イ ミ ン グ よ くボ ー ル を捕 る こ とが で き る の で あ る。 ま た 、 捕 球 で は 、 自分 の 体 を 動 か す だ け で な く、 飛 来 す る ボ ー ル に 対 して 自分 の 体 を合 わ せ て 動 か せ な けれ ば な らな い た め 視 覚 調 整 力 が 大 き く関 係 す る。 眼 とい う受 容 器 を 通 して 得 た 外 界 の 情 報 を 基 に 適 当 な 判 断 を くだ して 、 体 の 動 き を 決 定 させ 正 確 に 運 動 を発 現 す る こ とが 重 要 な 能 力 とな る。 同 時 に 、 ど こヘ ボ ー ル が 飛 来 す る か を ボ ー ル の 軌 道 や 速 さか ら予 測 して 、 そ の 位 置 へ 素 早 く移 動 しな け れ ば な らな い 。 予 測 が 遅 れ た りで き な か つ た りす る とい と捕 球 や 捕 球 自体 が で き な く な る た め 、 ボ ー ル の 動 き の 先 取 り (先 取 りす る 能 力
)も
重 要 な 能 力 とな る。 先 取 りす る能 力 は 、 小 学 校 低 学 年 で は 少 し しか 有 して い な い が 、 練 習 や 経 験 を 重 ね る こ とで 正 し く先 取 りす る こ とが で き る よ うに な る とマ イ ネ ル は 述 べ て い る。 先 取 りす る能 力 は 、 手 だ け で 捕 るハ ン ドキ ャ ッチ の 前 提 と もな る た め欠 か す こ とは で き な い 。 最 後 に 、 ハ ン ドキ ャ ッチ で は 、 手 で ボ ー ル を握 る こ とか らボ ー ル を つ か ん だ 感 覚 や ボ ー ル に 触 れ た 感 覚 で あ る 「触 覚 」 や 、 ボ ー ル が 手 に 対 して どの く らい の 圧 力 で 押 し て い る の か 、 そ れ に 対 して どれ だ け の 力 で 支 え て お け ば ボ ー ル は 落 ち な い か 、 ボ ー ル の 重 心 が 手 の ど こ に か か つ て い る か 等 を感 知 す る感 覚 す な わ ち 「筋 感 覚 」 も必 要 で あ る。 触 覚 や 筋 感 覚 とい う運 動 感 覚 で あ る補 助 的 調 整 力 も重 要 な 能 力 の1つ
で あ る。 こ の よ うに 多 岐 に わ た り能 力 が 関 与 す る た め捕 球 は難 しい ボ ー ル 操 作 の 技 能 で あ る。 そ の た め 小 学 校 低 学 年 で は 多 様 な 動 き を 数 多 く経 験 させ る 中 で 、 自分 の 体 を 自己 の 意 の ま ま に 動 か す こ とが で き る感 覚 (位 置 感 覚)を
捕 球 の 上 達 に 限 らず 高 め て い く こ と が 重 要 で あ る。 そ して 、「捕 」 に 至 る動 き と して 、 ボ ー ル に 対 して 自分 の 体 を合 わせ て 動 く 「視 覚 調 整 力 」 と、 手 で の ボ ー ル の 扱 い に慣 ら して い くた め 筋 感 覚 や 触 覚 の 「補 助 的 調 整 力 」 を養 つ て い く こ とが 捕 球 の 上 達 に つ な が る と して 、 ボ ー ル を 使 っ た 遊 び や ゲ ー ム を通 して 上 記 の 能 力 が養 え る よ うな 教 材 づ く りを考 え て い く。第
4節
先 行 実 践 の 成 果 と課 題 これ ま で 「捕 」 に 関す る教 材 開発 、授 業 実 践 は扱 われ て こな か つ た が 、近 年 に な つ て授 業 実 践 が 報 告 され る よ うに な つ た の は 、「捕 」 に対 す る重 要 性 や 必 要 性 が認 識 され 始 め た か ら と考 え る こ とが で き る。 それ らの 実 践 につ い て ま とめ た の が表3で
あ る。 表3:先
行 実 践 の 比 較 松本ら(2013) 大野 ら(2013) 宮内・本田(2014) 研究目的 自球働作の選択の学冒の可能性及び拍球抜能は に対するド習成果の検討 ・拍球抜能の向上に観点を向けた執材開発 ・ボールをお 餞きを高める観点での犠材開発 対像 卜学校1・2年生1年生1%名 、2年生、119名: Jヽ学校2年生 ´ 男子 “ 名・女子13ら、計28各: 卜1増セ年生:22名 時間′時歎: 0全 20時 間、授集冒車のサ 程凛 {2期に区分 各翔10時間、休土期間的4か月: 【各期第1・10時に技能テスト実施】 ひ鉾 時間の単元機威 :第1数第3申こスキルテハ 実施】 ひ全7時間の皐元綺威 :第1時 “ r7中 =スキルテスト実籠】 カ グラム「教材) ,9つの角は課■レログラム 0′リンドキヤンラザームi開発儀材` 下位機材「里当て」「ワンノシ。キリ チボール」 Dトン莉レコ "0キヤッジ ーム:第3時打 Dキヤンガ ーム 第4∼7時ます コート等 υ不 'さΨ却 ヽしし、ほ●m、口om″“ 。 ・ヨリト∼lm漱 ンスコノア ・l rn∼3mまでを「1点エリア」 ・3ぃ∼5miエンドラインlヨミ嗜r2点工lFu O●ォの萬さ8晰程度 υ不ツトを甲興こじモ、ほ5い、観 `m バ膚ントン‐ 卜薇半分: 。ネット∼3rnを「1"置」 ・3m∼ シ 「 ル ウ イン■R嗜「 `鐵 諄」 oゴ峰 の高鰤 程度iキャッチデームは卸帥: 教材の内容 (ルール等) 1第1期】 L・下′ヽパ■キッチで拍装 るようFこなるための ,つのドツル 1勲期 白球鶴作の選択を学口すい つのドリル 9ハワン■=υラクーム ・自い ―卜でバウンドで財動 ち相■ ―トヘ宙チメれ 、ネチ 腱Uこくるボールを直接拍撃する ・べ7J「ャリH廷ラけロー歯こ分かれ 1浮 コートに返泰 きたら役ヨを交代する ・得点は、ポールが丼らな り効 撃側の得点構 り、書 ン な リス颯射 打fl門砂 得点粋 る 0コ●コロキヤt″ヴーム ・コムの下を転がつてきたボールに対じa嗜0ま 両自の間を通 量す奪 うに移甦は 後奎i赫 壼の両由を過燿ビ ロポール を拍彗する 0キ ヤンガ ーム ・自口 "― 卜にワンバウンドさせて、相手ヨートヘ自チカれた ボー睦 直接拍球する,前奎、後聟 =け,らjn嚢い電 球 する 使用球 ライトドッジボール・1号球 ミ_ 7フト′し―ボール:ゲーム予小 同―球 : ゲーム球ミニソフツレ ポール テ小 球 スメレジ■ンジボールi円日的鋼 :ミ功サ3 評 価 方 法 スキル:技 建テス`l か方法 E繊球書ま■颯れ噸 力ち‖導者ヘボールを重ける(ラン アムに3回` 2宙チる位置3か所 畿期萬め、口より動 、主ち日E」り1…け載量 E口零手t鮨中求 ・ ほ零 ― ヽ ・rnttrし、τvノロlヽい01つmリコハα豫 ` 2殺球樹まアングースロー■ ゴム糧を通える日■の種 尋虔 げる:8口: E■fる雌 ・綺球者つ立ら位置:2口:・拍球者の前後1・ :各2回 ・拍球者の左右:各1回: 崚入回欽■ "コ'、 授球位置i各2回 D4点を得点化喘 薔 '選選行働■点: 拍装 る位ヨ摯で移腱 ない2点: 拍球苺掲 位ヨ沐で移職崚 "力 颯球夫歎3点 '描球成功14点: 授業評価 ■形験的侵線 輌 E形減釣授業議 2キリチゲームの‖障成功澤 結 果 スキル:技 lEテスト) 1翔 Dハンドキヤか の競作への改善が “ れ '働 ヽポールの ヽさこ対して題●にない′ツドキャッチの動作が多力つた コ睦翔】 Dボールの凛港に対する連切慮拍球動作が選択摯 うに いつた 0′ツドキヤ″ 島伸 “ 囀球のコける児童の目合が高まつた :拍球成功準】 Э椰 =下位群が著じ颯 ま要れわ吐 0すべての投球方向で綸球の上連傾向が赫 た 'クラえ鍼夕1■ 5%-843●│) 上位軒194""輸 "鶴:、中位群("い一“3●ざ、下位群 i333●│―鯰5●●` .投球方向別 中心187鶴‐輸26%i、前力:“1%-85'●●)、 と右(69出-83宵、後方:58島-730●●) 0ボ小 テル の字毬平均慮iま、フレπO織べ‐ 薄 │<0051● 1に向上 撮棄評優 0形成的授業辞口ヽま、全口県な もれ りいた 得■ヽる D形層覇 藻 語 ■な 肩騎 、■顧 で既 ″u-1 ,ヽる 0キリ 囀 ―ム時の輸耕 rム向上傾向を結 = 知見 0摘球動作の選択は、低学年児童に対して字習可能 よ内害であり、ハンドキャッチの綺球率成功の優違と ,ヽう捕球技鍵向上に対する学習効果が示唆 0下位な材および硼発教材への取り組みにょって、特 `下位群の児童に大きな成果が確認 0形成的摂蕪評価においても虫奸なスコアが得られ、 医学年の授業として妥当 0ボールの動きを先読みして補球技能の高まりがうか ltえた 0形成的撮美評価においても良好なスコアが得られ Lこどこより、開発な村│12年生の児童にとって週切な 壼瀞 17松 本 ら
(2013)は
、 小 学 校 低 学 年(102年
生)を
対 象 に した 捕 球 課 題 の 学 習 プ ロ グ ラ ム を 体 育 授 業 で 実 施 し、 捕 球 動 作 の 選 択 の 学 習 可 能 性 お よ び 捕 球 技 能 向 上 に対 す る学 習 効 果 の 検 討 を 目的 と した研 究 成 果 を報 告 して い る。 そ の 学 習 プ ロ グ ラ ム は 、 身 体 を 使 っ て 捕 球 す る動 作 か らハ ン ドキ ャ ッチ 動 作 で の 捕 球 改 善 、 捕 球 動 作 の 選 択 と体 幹 の 移 動 の 習 得 を ね らっ て 構 成 され て い る。 この よ うな 捕 球 課 題 の プ ロ グ ラ ム を全20
時 間 の授 業 を2期
に 分 け (各10時
間・ 休 止 期 間 約4か
月 間)、 授 業 の 冒頭15分
程 度 で 実 践 して い る。 長 期 に わ た つ た 実 践 は 、 教 材 に 触 れ て い る期 間 が 長 く な る こ とが 子 ど もの 技 能 を よ り伸 ば す こ とや 、 捕 球 技 能 に 関 して は あ る程 度 の 練 習 を保 障 す べ き との 先 行 研 究 の 知 見 に基 づ い て で あ る。各 期 の 第1時
と第10時
に は 、捕 球 技 能 テ ス トを実 施 し、そ の 方 法 は 、児 童 に 対 して4m離
れ た 地 点 か らボ ー ル(1号
球)を
児 童 の胸 よ り も高 め の位 置 、児 童 の 胸 よ り も低 め の位 置 、児 童 の い る位 置 よ りlmそ
ら した 位 置 の 3 か所 に ラ ン ダ ム に3回
投 げ 、 両 手 で 捕 球 させ る。 評 価 ・ 分 析 は 、 捕 球 動 作 の 選 択 に 限 定 して 検 討 した た め 、 移 動 を伴 わ な い 身 体 の 正 面 に 投 げ た ボ ー ル に 対 して の 捕 球 で 、 胸 よ り高 め の 位 置 と胸 よ り低 め の 位 置 の ボ ー ル の み を 対 象 と して い た 。 そ の 結 果 、 第1期
で は ハ ン ドキ ャ ッチ の 動 作 へ の 改 善 が み られ た が 、 そ の 動 作 は ボ ー ル の 高 さ に対 して 適 切 で は な い動 作 が 多 か っ た 。 しか し、 第2期
の捕 球 動 作 の 学 習 に よ つ て 、 ボ ー ル の 高 さ に対 す る適 切 な 捕 球 動 作 を選 択 (上 ハ ン ドキ ャ ッチ と下 ハ ン ドキ ャ ッチ)で
き る よ うに な り、 そ れ に 伴 い ハ ン ドキ ャ ッチ の 動 作 で 捕 球 で き る児 童 の 割 合 が 高 ま っ た。 以 上 の こ とか ら実 践 した 捕 球 課 題 の プ ロ グ ラ ム が 、 捕 球 成 功 の 促 進 とい う捕 球 技 能 向 上 に 対 す る 学 習 成 果 が 示 唆 され た と報 告 して い る。 しか し、 こ の研 究 で は 、 身 体 の正 面 の ボ ー ル に 対 して の 捕 球 動 作 で あ る 「捕 (ハ ン ドリン グ)」 の み を評 価 。分 析 し た結 果 で あ る た め 、飛 来 す る ボ ー ル に 対 して の 捕 球 者 の 動 き は 伴 わ っ て い な い 。ま た 、 実 践 され た捕 球 課 題 の プ ロ グ ラ ム は ボ ー ル 操 作 (捕 球)の
感 覚 を 高 め る た め の ドリル 教 材 で あ る た め 、 単 元 を構 成 して 捕 球 を課 題 と した メ イ ン教 材 (ゲ ー ム)と
して の 実 践 で は な い 。 一 方 、 大 野 ら(2013)は
、 捕 球 能 力 の 向 上 に 視 点 を 向 け た 教 材 開 発 を 目的 と して 、 捕 球 を 技 能 課 題 とす る 易 しい ゲ ー ム で あ るバ ウ ン ドキ ャ ッチ ゲ ー ム の 教 材 を 開 発 した 。 そ して 、 低 学 年 段 階 に お い て 、 ボ ー ル の 捕 球 機 会 が 保 障 され る ゲ ー ム を 中 心 に据 え た1単
元 の 授 業 が 、 捕 球 技 能 の 向 上 に どの 程 度 の 学 習 成 果 を 実 現 し うる の か に つ い て 実 践 的 に探 究 す る こ と を ね らい と して 、 開 発 教 材 を 用 い て2年
生 を 対 象 に 実 践 (全8時
間
:前
後 簡 易 ス キル テ ス ト含 む)さ
れ た 結 果 を 報 告 して い る。 こ の ゲ ー ム は 、 ネ ッ ト 中央 に して 縦5m、
横3mの
コー トで 、中央 に 高 さ80cmゴ
ム紐 を 張 る。 コー ト後 方 に 得 点 の 高 い エ リア と して 、 意 図 的 に軌 道 の 長 め の ボ ー ル が 返 球 され る よ うな 空 間 を設 定 して い る。 本 教 材 は 、 自陣 コー トに バ ウ ン ドさせ て か ら相 手 コー トヘ 投 げ 入 れ 、 ネ ッ トを越 しに く る ボ ー ル を 直 接 捕 球 す る課 題 の ゲ ー ム で あ る。 使 用 球 は 、 ミニ ソフ ト バ レー ボ ー ル で あ る。 簡 易 ス キル テ ス トの 方 法 は 、 投 球 者 と捕 球 者 が5m離
れ 、 そ の 間 に 高 さ1.5mの
ゴ ム紐 を 張 り、投 球 者 は ア ン ダ ー ス ロー 形 式 で ゴム紐 を越 え る程 度 の 軌 道 で捕 球 者 へ8回
ボ ー ル を 投 入 す る。投 入 され る位 置 は 、捕 球 者 の 立 つ 位 置(2回
)・ 捕 球 者 の 前 後lmの
位 置 (各2回
)と
左 右 のlm位
置 (各1回
)で
あ る。 実 践 の 結 果 、 簡 易 ス キ ル テ ス トの 捕 球 成 功 率 は 、 ポ ス トテ ス トは プ レテ ス トよ り上・ 中・ 下 位 群 と も に 高 ま り、 特 に 下 位 群(33_9%→ 62.5%へ
)が
著 しい 高 ま りを示 し、 投 球 方 向別 の捕 球 率 もす べ て の 方 向 で 上 達 傾 向 を示 して い た 。 ま た 、 形 成 的 授 業 評 価 の 結 果 も子 ど も か ら高 い 評 価 を得 て い る教 材 で あ る こ とが 報 告 され て い る。 さ らに 、 宮 内・ 本 田(2014)は
、 ボ ー ル を捕 る動 き を 高 め る視 点 で 教 材 を 開 発 し、 そ の 教 材 を用 い た授 業 実 践 (全7時
間・ 前 後 ス キ ル テ ス ト含 む)の
報 告 を して い る。 そ の 教 材 は 「 トンネ ル コ ロ コ ロ・ キ ャ ッチ ゲ ー ム 」 と大 野 らの 発 想 と同 様 の 「キ ャ ッ チ ゲ ー ム 」 で あ る。 両 ゲ ー ム は 、 バ ドミ ン トン コー トの 縦 半 分 を使 用 し、 コ ー ト中央 に高 さ50cm(キ
ャ ッチ ゲ ー ム は80cm)ゴ
ム紐 で 区切 つ て い る。 自陣 コー トは 前 後 に 区切 られ 前 衛 と後 衛 に分 け られ て い る。「 トンネ ル コ ロ コ ロ・ キ ャ ッチ ゲ ー ム 」 は 、転 が つ て き た ボ ー ル に 対 して 前 衛 は 両 脚 の 間 を 通 過 す る よ うに 移 動 して 、 後 衛 は 前 衛 の 両 脚 を通 過 した ゴ ロ ボ ー ル を捕 球 す る ゲ ー ム で あ る。 ま た 、「キ ャ ッチ ゲ ー ム 」 は 、 自 陣 コー トで バ ウ ン ドさせ て 返 球 させ た ボ ー ル を 直 接 捕 球 す る ゲ ー ム で あ る。 ボ ー ル は ミニ ソ フ トバ レー ボ ー ル を使 用 して い る。 ス キ ル テ ス トは 大 野・ 竹 田 と同 様 の 方 法 で 実 施 し、捕 球 者 へ の 投 入 回 数 を10回
で 、逃 避 行 動・捕 球 で き る位 置 ま で 移 動 で き な い 。 捕 球 で き る が 位 置 ま で 移 動 で き る が 捕 球 失 敗 ・ 捕 球 成 功 の観 点 を得 点 化 して 評 価 して い る。テ ス トで は ス ポ ン ジ ドッジ ボ ー ル (円 周 約56cmMIKASA製
)を
使 用 して い る。 実 践 の 結 果 、 キ ャ ッチ ゲ ー ム 時 の 捕 球 率 は 向 上 傾 向 を 示 し、 ス キ ル テ ス トで は 、 ポ ス トテ ス トの得 点 が プ レテ ス トと比 べ て 有 意(<0.05%)に
向 上 した との こ とか ら、 ボ ー ル の 動 き を 先 読 み して 捕 球 す る技 能 の 高 ま りが うか が え た こ とが 示 され 、 形 成 的 授 業 評 価 に で も 、 良 好 の ス コ ア が 得 られ 扱 っ た 教 材 が2年
生 に とつ て 適 切 な 教 材 で あ る と報 19告 を して い る。 以 上 の 大 野 ら、 宮 内 。本 田 の 開 発 教 材 を整 理 して み る と、 コー トの 大 き さ か ら捕 球 者 は 前 後 へ の 対 応 が 動 き の 中 心 に な る ゲ ー ム の た め 、 左 右 へ の 対 応 は 比 較 的 少 な い ゲ ー ム で あ る と推 測 す る。 ま た 、 ネ ッ トを 越 して く る ボ ー ル (フ ラ イ ボ ー ル