後期教育期世帯における子供の私的空間 : 高度経済成長期とその後における住宅問題の一側面
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(2) . 後期教育期世帯における子供の私的空間 -- 高度経済成長期とその後における住宅問題の-側面 --. 関. 1. 谷. 嵐. 子. は し がき -- 現代の住生活における子供の私的空間 --. 1 1 日本の住宅における子供空間 -- 研究事例についての若干の考察 -- m 戦後における子供空間の特質 -- 子供の生活史における私的空間の成立過程 (事例研究) I V 教育期の最後の段階・大学生期における私的空間の定着 (事例研究・続) -- むすび. 1. はしがき‐綱‐ 現代の住生活にお ける子供の私的空間 --. 本稿は, 現代の教育期世帯における消費生活ニー ズの拡大的な変化 を, 住宅の面について明らか にしたいと考える。 生活ニーズの変化は, 住宅内の私的空間の変化について端的にあらわれる と 。 くに, いわゆる 『子供部屋』 の成立過程とその実態は, それを示す一つの具体的指標 である 。 そこ で, 本稿の目的は, 学齢の進行における, 子供の私的空間の成立過程を指摘することにある 。 その場合, 子供の私的空間のいわば完成段階としての意味をもつ, 大学生期ま でが 総じてその対 , 象となる. 現代の核家族世帯の世代再生産のプロセ スを念頭におけば, 未婚の子女の成長 のいわば. 最終段階の生活空間も, これを子供空間の延長上においてとらえる以外に 適切な位置づけをする , ことが出来ないからである。 なお, 本稿は, 対象を後期教育世代に 主として限定するために 住宅 , 1 内部の問題に焦点を絞り, 庭や戸外のあそび空間についてはふれない 注 . さて, 次の諸点が本稿の問題意識 であり, 同時に仮説ともなる。 第1は, 戦後の日本において, 子供の私的空間が住生活のなか で大きなウエイ トをもっ てきたの. は, 住水準が徐々に高まっ てくる高度経済成長の過程にお いてであった, ということ である . 第2は, その前段として, 戦後, 家族員の私的空間とく に就寝の プライ バシーについて 住宅研 , 究者や住宅設計者が問題意識 を掲げ, また農村の生活改善運動な どのなかでもそれが正面にとりあ げられるなどの動向があっ た。 子供の私的空間の成立や, そのいわゆる 『子供部屋』 への志向は , この就寝分離論の, はるかな線上に おいて成立したものである。 ただし, 子供の私的空間に ついて は次にのべるように, 就寝分離のニーズよ り学習機能充実のニーズが, 明確に先行していること が その特徴である. 第3は, 子供の私的空間が重要視されてきた時期は, 明確に, 世代再生産におけるライフ・サイ クルのパターンの変化が顕著になってきた時期と, 関連してとらえられる 196 0年代以降の, 進学 。 率の上昇の時期がそれ である。 したがっ て, 第2に指摘したよう に, それは先ず何よりも 勉強部 ,. 25.
(3) . 関. 谷. 嵐. 子. 屋としての子供の居場所が必要視され, そのための 空間が成立していっ た. 親と子の或いはきょう だい間の就寝分離は, 子供の年齢段階でみると, 学習空間の成立に後続するという経緯を持 ってい る.. 第4に, 今日の 住宅問題の核心をなす所有関係別の住宅水準の格差が, 子供の私的空間について も明確に指摘さ れる. いわゆる 『子供部屋』 のとくに 『個室』 の存在 状況は, 持家世帯において突 出しているの である. これにたいし, 非持家世帯群では, 『個室』化の実現はかなり低いレベ ルにあ. り, 家族の 就寝状況も安定性 を欠いている. 第5に, 世帯の持家化の時期は, す ぐれて, 子供の教育 期に集中し, また, 持家化を契機に子供 970年代後半以降に顕著な, 持家 の私的空間が成立したり拡大していること, があげられる. 特に1 パ あらわれてくる. す ターンが鮮明に のいわゆる 大衆化の過程で, この教育期世帯の持家化という なわち, 今日の持家化は, あきらかに世帯 主の壮年期の生活設計と してのそれであり, 1960年代に 2 支配的であっ た退職後の住宅取得とは, 性格のちがっ た問題となっている.注. 1 日本の住宅における子供空間 一一 研究事例につ いての若干の考 察 -- 1 戦前の日本の住宅の特質は, プライ バシーの欠如 である. それは, 中流世帯においては, 接客機 能の確保のために, 日常生活 空間を圧縮することによ ってうまれた. また, 空間は広くとも間仕切 りが不完全 なために発生した. 一般に, 多くの世帯住宅では, 個 人名称のついた 空間はすくなく, 3 注 多人数の世帯員がどのように生活していたかはつかみにく い例がすくなくない. 一方, 下層世帯住宅では, 長屋形式に代表 的にみられるよう な住空間の狭さそのものが, プライ バシーの存在を否定していた. たとえば, 豊田正子の 『綴方教室』 にみられる, 下層の日雇労働者 4 世帯の場合がそう である.注 このようにみる と, 戦前の生活水 準の格差は大きいに しても, 一般的に, いずれの階層において も住宅内の個人空間は不充分であっ たといえる. その中で, 子供空間の問題, あるいは住宅と教育 問題との関連をと らえようとする問題意識は, 住宅運動や住宅研究者の間 で, 古く大正の末ごろか 5 ら 存 在 し て は い た, と い わ れ て い る.注. 『子供室』 についての, 現代に関連する主要な研究の若干を挙 げる. その先駆者は西 山卯三であ. る.. ◎西山卯三は1 936年に大阪の中 学生 (男子) を対象に室名 調査をおこなった. 調査室数3332のう ち使用者名称は168に付き, うち, 子供室 (部屋)59 , 長女室1, 僕 (私) の部屋3, 兄の部屋2, であ っ た.住6 である. また普通用途名称423のうち, 勉強室は114 , 2階勉強室は 1 945- ◎また,西山は,終戦直後の非 戦災3都市の小学校5・6年 児童の住宅調査 で次の指摘をした( 屋があるがほかの 38 0% ②きまっ た部 50年調 査) . ①きま った部 屋があり子供だけが使 っ ている, . , 0.2%, だとかできまっ た場所がある,3 机だとか椅子 屋としてはないが 用事にも使う,17 , .8%,③部 ④別にきま った場所がない, 14.0%. ここ では 小学校高学年あたりから学習空間の 成立が一般化す る こ と が 指 摘 さ れ て い る.注7. 0年代後 940年代の終り から196 また鈴木成文は,食寝関係などを中 心とする次の 一連の調査を,1 半にかけておこなっ た. これらによれば,子供の学習 空間の存在状 況は,調査時期・地域・住宅所有関 係によっ てさま ざまにことなっているが, 後期の調査の方に 子供室の成立傾向を多く 見ることが知 ら れ る. 26.
(4) . 後期教育期世帯における子供の私的空間. ◎川崎横浜工業労働者住宅住み方調査 ( 1949 o51年。 給与住宅世帯) 。 子供の 『勉強空間』 は, 高校 生以上はその場所がほぼ定まっているが, 小中学生 では定まっ ていないものが約3分の1, 勉強に 8 使う机は過半数がチャ ブ台 であることが指摘さ れている.注 ◎東京都営木造住 宅住み方調査 ( 1 95 2年) では, 2室住宅と比較して3室住宅の分析がおこなわれ. たが, 2室住宅でも小中学生の 7 5%, 3室住宅では85%において勉強室の安定性がみられた。 就寝 9 場所との相関はあまりない. 専用机は約半数がもち, チャ ブ台使用は18%である 注 。 ◎公営・住宅協会・公社ア パート (中層耐火造) 住み方調査 ( 1953年,東京都および川崎市) では, 勉強場所の不定の者が多く, 場所のきまっている例が小学生63%, 中学生53%, 高校生64%, 高専 および大学生6 4%で, 3室住宅事例に比しその値が低いばかり でなく, 学年が上っても, 比率が必 o ずしも上昇しないことが指摘された滋l ◎住宅公団アパー ト住み方調査( 19 60年, 東京都)では, 『子供の私室の確保』意識が明確 であった。 勉強机の専有度は9 3%ときわめて高い. また, 勉強のみ, または勉強プラ ス就寝という個人の空間. の専有度が成長段階に応じて大きくなっている. 小学校低学年 児でも『すでに40%以上がほぼ完全 1 1 な私室を有』 しており, また3室住宅の方が専有度はより高い。注 ◎電々公社社宅住 み方調査 ( 19 67年, 東京都) における, 子供の専用机の所有状況は, 小学校入学 前13%, 学校在学中88%, 学校卒業後25%である。 机の共有は, 多人数家族の小学校低学年 児にみ 1 2 られ, また食卓利用も みられる.注 以上の一連の鈴木調査から, ほぼ1960年代あたりから, 今日いう子供の『専用の学習およ び就寝 空間』 を成立させる住み方が指摘 できることになる。 中鉢正美ほかによる児童養育費調査 グルー プでは, 子供部屋と勉強机に ついて, 次の点が指摘さ. れた。. ◎1965年川崎調査 (大都市の大企業組織労働者家族で持家・公営住宅, 給与住宅その他居住) で , 『段階とともに子供部屋 (専用・共用) の有無, 勉強机の有無がどのように動いていくのだろうか』 をみると,児童が専用の部屋をあたえられる (勉強机はそのなかに置かれる) のは,児童1人のとき. に多く ( 28%) 12%) 10%) , 2人のときがそれにつぎ ( , 3人のとき最もまれである ( 。 児童の成長 につれて, まず勉強机があたえられ, つ ぎに, 事情が許せば専用か共用の子供部屋があたえられる. という過程は, 児童1人の世帯において最もあ ざやか であり, かつ一貫している, という。 ◎196 6年の北会津調査 (東北地方における水田単作農 家家族) によると, 『農家では, 拡大の努力. を払わずとも,児童の成長に応じて専用の区劃をあたえるだけの広さを,彼らの住居はもともともっ ている』 0 .1%, 専用の子供部屋なく共用の子供 。 そこでは, 専用の部屋をもつ子供が1人以上いる4 部屋あり28.7%, 子供部屋なし1人以上の子に勉強机ある16.4%, どの 子にも勉強机もない1 4.. 8%, であ る。 灘. ◎19 68年の掛川調査 (地方小都市の常用勤労者家族) では, 子供部屋と勉強机の児童数別およ び段 階別の様相のうち, 頻度の最も多い ( 31%) のが共用の子供部屋であって, 川崎市の最頻値 (勉強. 机のみ, 43%) と北会津の最頻値 (専用の子供部屋, 40%) とのまさに中間的地位をしめす。 住宅 所有関係別では, 専用の子供部屋がある世帯は持家の22%, 借家の8%, 共用の部屋がある世帯は 4 持家の41%, 借家の27%であり, 子供部屋のない世帯は持家の37%, 借家の65%である注1 浦良一他は, 愛知県および新潟県で195 7-8年に農家住宅を調査し, 子供の勉強室57例のうち, 自分の寝室を兼ねているものは2 8%にす ぎず(愛知県) , 多くは他の機能をも兼ねていたことを指摘 1 5 した.注. 厚生省児童家庭局は, 家庭における児童の状況について1 9 69年度に調査をおこない, 学校段階の 27.
(5) . 関. 谷. 嵐. 子. 49.2%) と公団住宅 ( 56.2%) に 高いほど, 所得水準の高いほど, また住宅所有関係別 では持家 ( 1 6 注 . 『 』 では, 児童環境調査 82年の おいて, 子供部屋の成立がみ られる, と指摘した. また同局の19 年齢の上昇につれて専用率は高まるが, 平均 で, 専用の子供部 屋がある者31.5%, 共用の子供部屋 がある者, 36 .6%, ない者31.9%で, 一戸建の住宅における方が専用室の成立の多いことが指摘さ れ て い る.. 江上徹は, 19 75年の福岡市住宅需要調 査のうち住み方部分の資料を分析し, 6歳以上になると子 供のス ペースが個室化の方向で充実すること, 公的借家ではその条件が最も 悪いこと, を指摘した. またその追跡調査では, 対象児童生徒の45%が個室をもち, 共用をふくめると83%の子供に住 空間 が設けられていること, 中学生頃から個室化が圧倒的に多くなること, 個室での生活行為は睡眠と 7 勉 強 が 大 き い こ と, を明 らか と し て い る.注1. 以上の諸調査は, 日本社会の, 主として戦後の住生活における子供の私的空間の成立過程を, あ とづけている. これらによれば, 消費生活の場である住宅のなかに, 子供の勉強・学習の機能と 空 間を確保 しようとする住意識の確立は,明確 である.なかでも1970年代に入っ てからは,それに向っ ての行動が一般化してきた, といってよい.. m. 戦後における子供空間の特質 -- 子供の生活史における私 的空間の成立過程(事例研究) --. 高等教育への進学率 が30%近くに達している 現代家族では, 成人到達前後の年齢群の若者が, 出 生世帯に同居していることも多い. この世代の, 特に男女大学生および女子短大生の, 現状にま で いたる住生活の経緯をとらえることが, 本章と次章の目的である. あらかじめ予想されるのは, このライフサイ クル段階は, 子供の生活史の過程のなかで最も完成 度の高い個室状況があるであろうこと, また大学生・短大生のいる世帯は, ライフサイ クルの進行. の上からも, 非進学世帯との対比上も, 世帯の生活水準が相対的に高い であろうということ である. 資料は, 札幌市内の国 立大学生について, 1977年におこなっ た学習空間の形成過程と現状につい 19 8 3年におこなっ た住居歴の記述の収集, の2つ ての調査, および札幌市内の私 立短大生について, が中心である.. ( 1 ) 四年制大学生事例 (男女). 1 977年6-7月に, 北海道内都市における学生・生徒の学習 空間の実態を把握する目的で, @住 生活の現状 (通学の状態, 家族構成, 住宅所有関係と建築形成, 自宅 (あるいは生家) における学. 習空間の状態, ⑩自宅 (生家) の平面図 (家族員の就寝場所, 食事の場所, 自分の部屋における家 具の配置など住い方を明示) , ◎自分の学習空間や自分の部屋の成立史, ⑥小中高校生の住状況につ いての事例観察記 入, のアンケートを札幌市 内および旭川市内の四年制大学生および女子短大生約. 500 名 に つ い て お こ な っ た.. 1 1 )はそのうち, 住居歴についての詳細な記述が得られた札幌市内の国立大学の 本章の( )と次章の( 学生, 男子49名女子89名 (1~4年) について整理したものである.. ◎住移動の状況と持家化. 2 小学校 入学前後からの大まかな住移動をみると, 幼児期以降同一地に定住 しているケースは3 . 行な ている %が地域移動を含む住移動を 5 1.1%にあり, あとの67 5%, うち増改築の記述は1 っ . . 住移動者は, 移動毎に学習空間や就寝空間のレベ ルに変化のあっ たことを記している. 住移動の 3.3%, 女 終止譜は持家化であり, 表1によると, 現在の持家への移動は中学生期に多い (男子の3. 28.
(6) . 後期教育期世帯における子供の私的空間. 表1. 四年制大学生 e 持家化の時期 (現在その持家に居住する者, 自宅通学生*・他出生の合計). 持家化の時期 生家または小学校 入学前から居住 小学校1~ 3 年. 小学校4 ~ 6 年 中学校 (含a浪 人期). 高等学校 (含・浪人期). 大学 (含o 高 専) 不明 計. 男子 17. 女子 24. 1. 4. 2. 5. 13* * 5. 13* * *. 11. (計)% 39.4 4.8 6.7. 25.0. 15.4. -. 10. 8.7 -. 39. 75. 1OO・〇. 1. 8. 家族は他地へ移動し, 本人ときょうだいだけで住んでいる場合を含む. * ** うち 再持家新築1, 祖父母の家へ2. ** * うち 再持家新築1.. 表2 四年制大学生・始めての学習空間 (小学校入学前後時) 男子 6. 女子 18. 両 親の寝 室. 1. 10. 祖 父母の 寝室. 2. 2. 学習場所 居間, 食卓, 廊下の 隅. きょ う だいと共用の 部屋・兄弟と きょ う だいと共用の部屋・姉妹と 不 完全専用 (家具置場, 通路な ど) 完 全専用 (およ びそれに近い型) 現 在 の個 室 言十. 未記入. 15 6 1 1 2*. 11 23* * 3 6 1. 34. 74. 15. 15. (計)% 22.2 10.2 3.7. 24.1 26.8. 3.7 6.5 2.8. 1m.〇. うち現在他出間借1. * ** 兄妹と3人一緒1, 弟妹と3人一緒1. 子 の 20.0%)。. ◎始めての学習空間の成立。 学習空間は, まず机の所有の形で具体化されている。 小学校 入学前後に学習目的の机を与えられ. たケースが多いが, その置き場所は往々居間や両親の寝室である (このことは後述の親との同室就 寝を推定させる) 。 また, この机は, おさがりや坐り机のこともある。 多く が北海道で育っ たこの世. 代は, 蛍光燈つきのいわゆる 『学習机』 を必ずしも当初から与えられた世代ではない。 小学校 入学前後の学習空間は, 表2のように, 居間, 家族寝室のほか, きょ うだい共用の学習室. が多い。 いわゆる 『個室』 は, まだ殆ど存在していない。 また, 学習机はあまり使わず食卓など家 族の集 っている所で勉強した, という記述も多い。 この年齢段階では, 多くの世帯がまだ持家以外 の住宅に住んでいるし, 子供自身の私的空間ニー ズも生まれていないのである. むしろ, 『みんなの そば』 での勉強が子供自身によっ ても選択された年齢といえよう。. 当時, 共用の学習室が成立していた約半数のケー スでは, 同性との同室の方がす でに 多いが, 異 性きょ う だいとの同室学習 (およびおそらく同室就寝) もかなりみられる。 すなわち, 教育期の最. 初の段階の多くの世帯 では, 次に述べる就寝空間も含め, その生活はいわばごちゃ ごちゃ と流動的 29.
(7) . 関. 谷. 嵐. 子. で無造作な形をとっ ていたことがあきらかである. ◎学習就寝空間の変遷.. 子供の住生活史では, 同一住宅内においても, 生活の自立化に伴ない短い期間での, 空間利用の 変動が多い. なかでも, 学習空間と就寝空間の両者は, しばしばからみあっ て動いている . 小学校入学時前後の就寝状況 (表3) では, 男子の12 .5%, 女子の26.6%が両親と一緒, 男子の. 58.3%, 女 子 の 43.8% が同 性 き ょ う だ い と 一 緒, 男 子 の 16 7%, 女 子 の 21 9% が 異性 き ょ う だ い と , .. 一 緒という就寝形態をとっている 独立就寝は, 学齢初期 では極く少数である . . 後述のように, この時期から数年後にまず, 両親から就寝分 離し, きょうだいとの共寝が多くな る. ついで持家化等の段階で, かなり多く が家族員と分離して独立就寝に変っ てゆく 前掲の表2 . とあわせてみると, きょうだいとの学習就寝関係 はかなり ごたごたしており, 学習だけ一緒 就寝 , だけ一緒というケー スも少なくない. したがっ て, いわゆる 『子供部屋』 機能が整った住宅で 学 , 童期 を過 ごした例はそう多く ないの である.. 同性きょ うだいとの就寝の方が多いが, 女子の場合弟と同室の例もかなりみられた . ◎始めての専用学習空間の成立.. 学齢の上昇に伴っ て, 専用の学習空間が成立してくる しかし, 一度成立してもそれは必ずしも . 固定化しない. きょ う だいの成長という 家族内の条件によっ て, あるいは転勤等の外的条件によっ て, 専用室の既得権は失われたり共用化したりもする.. 始めての専用学習空間は, どの段階で, どのような理由や契機 で成立したか 男子では, 小学校 . 低学年時に 7.0%, 高学年時に23 .3%, 中学時に39.5%, 高校時に23 .3%, 大学的に7.0%(成立. 時期不明, 専用経験なしを除いた計) 8.5%, 12.3%, 42 9.8%, 7 , 女子ではそれぞれ1 .0%, 1 .4% の時期に, 始めての専用学習空間が獲得されている. 中学生期における成立がほ ぼ4 0%前後あり, この時期から高校生期にかけての成立が最も 多い. 但し, この始めての専用学習空間は, 持家化によるもの以外 では, いま述べたようにそのまま固 定化するとは限らない. また独立性の高い 『個室』 であるより, さま ざまな不完全な空間形態 であ. ることが多くの事例から指摘される.. 表3 四年制大学生・小学校入学前後時の就寝状況 就寝状況 両親と 一緒 (の部屋) 同性き ょ う だいと一緒 異性き ょ う だい と一緒* 祖父母と一 緒. 家族全員* * 不明. 不明 である が机は両 親の部屋 不明 である が始めから 専用 学習空間あり 不明 であるが机と就寝室が同じ. 不明であるが机は祖母の部屋 不明であるが就寝場所転々 計. 女子. 1. 3. 20. 19. 姉, 弟, 本人一緒などを含む. 家族の一部の場合を含む.. 17 28 14 2. (計)% .. 22.7 47.8 20.5 4.5 4.5 -. 1 3 1. 3 1 1. 1 49. ** 30. 男子 3 14 4 2. 89. 100.O.
(8) . 後期教育期世帯における子供の私的空間. 表4 短大生・最初の専用空間の成立 時期. 同一住宅内. 幼 児期. 2. 増改築 -. 移転 1. 新築 -. 小学校低学年期 小学校高学年期. 16 11. 1 6. 5 13. 中学校期. 14 12. 16*. 5. 9. 8. 3. 5. 6. 4. 高校期* * 中高 不明. 1. 短大期 計. 1 49. ・7. 35. 38. (計)% 2.2. 25 .9 30 .1 27.3 12,9. 0.8 0.8 100.0. 以前に新築4. * * * 現在他出中6 .. この始めての専用学習空間の生まれた契機は, 住宅内の移動によるきょう だいか らの 空間分離 32 2.1%, 転勤あるいは同一地 .3%, 居間や両親の寝室その他に置かれていた机が別 の場所に分離1. 域内の住宅の移転1 2.9%, 増改築1 0.5%, 新築などの持家化26.6%, 始めから専用化していた5 . したが 6% (男女計) である て っ , 専用空間の成立のきっ かけは, 住宅内移動と持家化移動が主 , . で あ る と い え る。. ( 2 ) 札幌市内女子短大生事例 本項( 2 )と次章( 2 )は, 1 98 3年7月, 札幌市内の女子短大2年生1 14名について, 文章記述の住生活 歴と現況 とを収集したものである (自宅通学生は約70%) 。 ◎最初の専用空間の成立。. この事例 でも, 最初の専用空間は, 不完全なもの, 勉強だけ, 寝るだけ, 通路や物置兼用, など の形態が多い. 表4によっ て, その成立時期を見ると, 小学校低学年期に25 .9%, 小学校高学年期. に30.1%, 中学生期に2 7 .3%, 高校生期に12.9%, である。 前述の大学生の事例よりも, 専用空間の獲得は低年齢化している. この両調査の対象 では, 約5-. 8年の年齢のずれがあるから, 一般に近年の数年間のうちに, 子供に専用空間を与える慣習は一層 定着化し, また低年齢化してきた, と考えることが出来る。 ◎就寝の変化. 就寝状況を整理してみると, 学齢の上昇に伴ないほぼ次のように変化している, と推察出来る. すなわち, 小学校低学年期あたり で, 親と一緒の就寝から次第にきょうだいとの共寝に移り, 次. いで小学校高学年期あたりから異性き ょうだいとの分離就寝がおこる. 一方, 同性きょう だいとの 共寝はその後も比較的長く続く, という傾向である。. ◎学習と就寝の関係. 学習空間と就寝空間の関係を見ると, 小学校入学時で学習机 (共有もある) を居間, 親の部屋, きょうだいの部屋または専用室に置く状態が成立するが, まだ寝る場所と机のある場所とは一致し. ていないことが多い. 小学校の高学年から中学生期にかけて, 次第にこの両者は一致して, 上述の ように同性きょ うだいとの共用の学習 o 就寝室が生まれてく る. そして, 中学生期あたりから, 専 用室が成立し就寝分離も成立してくる, ということになる. 以上の2つの調査事例から見ると, 子供の私的空間の成立過程においては, 学習・就寝状況のか なり頻繁な変動が経過的に繰りかえされ, 次第に専用室化してゆく形が, 一般的 である。 また, 専用室が成立する年齢は近年になるほ ど, 低学年化している傾向にある, ということも出. 31.
(9) . 関. 谷. 嵐. 子. 来る. このうち, 最も完全な私的空間 である専用 室の成立は, 持家化の時期ときわめて関連性が高いと いえる. 本稿のこの2つの対象は, 北海道のとくに札幌圏居住世帯 が多数であるという 以外は, や. や異質な集団であり, 両者のあいだに経年的な継続と変化と を見ることが出来る資料ではない. し 1章で示した従来の研究動向との関連でいえば, こうした子供空間の成立の パターンは, かし, 第1 まぎれもなく近年の日本社会の傾向的な特質として存在するものである, と考えることが出来る.. I V 教育期の最後の段 階・大学生期における私的空間の定着 (事例研究o続) -- 本章は, 前章にその生活史をみた男女大 学生およ び女子短大生の1 住生活の現況の分析である. ( 1 ) 四年制大学生事例 ◎通学の状況. 男子の65.3%, 女子の80.9%が, 札幌市内および近郊からの自宅通学生である. 但し, 『自宅居 住』 ではあるが, 教育期後半に特有の過渡 的な世帯分離が見られ, 家族全員と同居しているとはか ぎら な い.. ◎家族の状況. このため, 家族員の実数はかなりつかみにくいが, 進学のための他出などを含めて整理してみる 2%が核家族であり, 家族員数は4~5人が多 と(婚出は除く) , 現在のライフサイ クル段階 では81. い. きょ うだい数は2~3人が多い. 自宅通学生以外では, きょ うだいの他出も多い. なお, 母子 世帯は8.7%, 父子世帯は1 .4%で, 男子学生に 多い。 ◎世帯の職業. 世帯の職業 (多くは父親の) は, 公務員・公社員34 .5%, 民間企業41.8%, 自営業18.2% (うち なし5 また父親や母親 % である 農業世帯2) 5 , 兄姉などが教員の者もかなりある. 公務員(教 . , , .. 員を含む) およ び民間企業世帯のかなり 多く が (過去または現在の) いわゆる転勤族であり, 前章 でみたようにかなり頻繁な住移動を経験しているケースがこれらにあたる. が, この多くは, 子供 が大学生である現在のライフサイ クル段階では, す でに札幌市内で持家化している.. ◎現住宅の所有関係. 82.5%の世帯が持家であり, 教育期後半期における持家到達度の高さが指摘される. これを総理 府等の諸調査と比較すると, 子弟が大学に通う世帯の持家率とほぼ一致しており, したがって北海 1 8 道における同段階の世帯の持家率よりも高い, といえる.注 本調 査 では, 男子学生の77.6%, 女子学生の85 ,3%, または自宅通学生の 88.3%, 他 出 者 の 63.. 6%が, 持家世帯に属している. とくに, 女子学生に持家からの自宅通学生が多い. 後述のように, これら持家層の 多くは, 食寝およ び就寝分離が, 現在の世帯規模においてかなり充足した住平面を もっ ており, いわば安 定した住状況にある.. ◎専用部屋の所有. 男子自宅通学生の9 0. 6%, 女子自宅通学生の86 .1%が, 専用の個室をもっ ている. 共用部屋は, 妹と学習だけ -しょ (公住男子1) , 寝る部屋.も妹と一緒 (民借男子1) -- いずれも自宅通学生 で母子世帯 -- の例のほかは, 同性きょ うだいとのもの である.. 『部屋のない』 ケースは, 他出男子で同 じく他出した兄ともども 『生家での自分たちの部屋はな くなっ た』 (民借) のが一例, 他出女子でもとから 『妹と共同で居間のすみ』 の2例 であるが, 他出 32.
(10) . 後期教育期世帯における子供の私的空間. 者の大半は生 家にそれまで生活していた部屋を残している。しかし帰省時には共同就寝が多くなり,. その部屋はす でに何らかに使用されている傾向にある。. この, 圧倒的多数 で存在する専用個室の機能は, 全員が 『学習と就寝』 と記入している。 平面図 によれば, 多くは壁と ドアに仕切られた完全に近い独立空間 である。 ◎専用部屋の大きさと住宅におけるその位置 (自宅通学生について) 。 押入れ等を除いた部屋の大きさ(和室は畳数, 洋室は畳に換算したもの)をみると,男子の5 9 .3%, 女 子 の 52.5% が 6 畳 程 度 の 部 屋 で生 活 し て い る。 8 畳は 男 子 の 22.2%, 女 子 の 19.7% で あ り ま た ,. 男子の11 2%がさらに広い部屋や2室を使用している。 また, 部屋のある位置は, .1%, 女子の8. 一戸建て住宅では2階部分の場合が多い。. したがって, 本調査における大学生の専用部屋 は, 一戸建住宅の2階部分にある 6 ~ 8畳の個室 , というのが代表的な形態 である。 これに対し, 共用部屋の自宅通学生 では, 部屋の広さは 4.5 畳 が 1, 6 畳 が 5, 8 畳 が 2, 10 畳 が 1, 12 畳 が 1 (妹 と 2 人と), な ど であ り, 一 人 あ た り の 面 積 は. より狭い傾向にある。 ◎食寝分離の状況。. 食寝分離はほとんど全数の世帯 でおこなわれている。 なかで, 公営住宅や木賃アパートの2 DK の数例に, 食寝の分離の出来ない状況が見られた。 これらの場合, 殆ど常に, 両親や母親 (母子世 帯) の方が食事室等に就寝している。 この場合にも, 大学生の就寝や学習の空間は常に, 両親のそ. れより広かったり独立性を持っ ているのを特徴としている。 ◎家族員との住関係 (表5) 。. 持家のうちの大半 (男子の75.6%, 女子の85.7%) を占める2階付き一戸建住宅のなか で, 両親 9 の就寝空間はかなり多く が1階部分にある蓬1. 両親の部屋の大きさは最も一般的には6畳である。 前述のように, 大学生の専用空間は2階の 6 畳程度の部屋が多いから, 両親は1階部分の6畳に, 子は2階部分の6畳の個室に, という就寝パ ターンが代表的である, ということに なる. 6畳の両親はフトン就寝と推定してよく, 2 階 の 6 畳 (子供室) にはベ ッ ドがかなりおかれている。 一般に両親の部 屋 が広い場合には, 大学生の部屋も. 平均より広い傾向にあった。 なお若干の世帯に, 母親と本人やきょう だいの同室就寝例 が見られた 。 世帯員全員の就寝室の大きさと就寝状況が明記されている事例について, その関係を見たのが,. 表5 である(同居世帯員 4人以上の自宅通学生のみ) 。 本稿の対象は, 消費生活の最も拡大している 時期の世帯であるが, 形式的に見ると, この表5の多く では, す でに子供の個室化が完成しており, 住 ニ ー ズ が 充 足 した 傾 向 に あ る, と い っ て よ い。. ところで, 本調査の対象である大学生 (本人) ときょうだいとはその年齢関係によっ て, それぞ れの個室状況に差が見られる。 一応, 広いほど専用空間の充足度が大きいものと仮定すると, 例外. もあるが兄姉がいる場合 (特に兄姉も大学生の場合) には, 本人との室の大きさは同 じか兄姉の部 屋の方 が大きめである。 この場合,,特に兄の部屋が大きめであ る。 また, 兄は個室, 本人と同性の. きょう だいは共用室, といっ た例も多い。 一方, 弟妹は, より狭い部屋や共用室の場合も多い。 明 確ではないが, 部屋の充足には, 子の長幼の序列と男女の序列が存在する面があるともいえる。 兄. 姉の他出によって始めて専用の部屋を確保した例などはこれを物語る。 但しきょ うだい同士による 部屋の交換の経緯等を見ると, 受験期の子に条件の良い部屋を提供する傾向があることもあきらか であ る。 以 上 の 限 り でい え ば, き ょ う だ い 間 の 住 ニ ー ズ の 充 足 に は, ば ら つ き が あ る と い っ て も よ. い こ と に な る.. 一方, 公営住宅世帯 では, 持家世帯に比べかなり大きな落差が見られ, 食寝分離の不充分な例も 33.
(11) . 関 ・谷. 嵐. 子. 表5 四年制大学生・家族の就寝関係 (同居世帯員4人以上の家族)(自宅通学生) 備考 きょ う だいその他 兄 (大) 1階4 畳半 弟 (高) 2階6畳 弟 (高) 2階4畳半, 妹 (小) 1階6 畳 弟 (高) 2階6畳, 妹 (中) 2階4畳半 弟 (中) 2階6 畳 妹 (高) 2階7畳半 兄 (大) 2階6畳十 9畳 祖母1階8 畳 母と姉 一 緒 弟2 人 (勤・中) 4畳半共用 襖を開放 して使用 妹と母 一緒 弟と父 一緒 祖父6 畳 兄 (大) 2階6畳 弟 (高) 2階6畳 妹 (中) 2階6 畳 姉 (勤) 2階6畳 姉 (勤) 2階6畳 兄 (大) 2階6 畳, 姉 (大) は本人と共用 (高) 2階8畳 弟. 兄2階8畳, 妹 (高) 2 階8畳 姉 (勤) 2階6 畳, 祖父母1階7畳半 妹 (高) 2階6 畳, 妹 (音大) 1階8 畳十6 畳. 両親 1階6 畳 1階6 畳 1階6 畳 1階6 畳 1階6 畳半 1階6 畳 2階10 畳 母と姉6畳 母DK 母と妹3 畳半 父と弟6 畳 4畳半 1階6畳 郡皆6 畳 1階 6畳 1階母 6 畳 1階母 6畳 1階母6畳 1階11畳 郷皆母6 畳 1階4 畳半 1階8 畳 郡皆4畳半 1階6 畳 1階6 畳父 1階6 畳 1階6 畳 1階4畳半 1階6 畳 1階6 畳. 本人 (大学生) 男子 2階6畳十6畳 男子 2階6畳 男子 2階6畳 男子 2階6 畳 男子 2階 7 畳半 男子 2階8畳 男 子 1階8畳半十6 畳半 6畳 男子 8畳 男子 4畳半 男子 男子 6畳 6畳 男子 女子 2階6畳 女子 2階6畳 女子 2階6畳 女子 2階6 畳 女子 2階6 畳 女子 2階10畳 (姉と) 女子 2階6畳 女子 2階8畳 女子 2階4畳半 女子 2階8畳 女子 2階6 畳 女子 2階6 畳 女子 2階13畳 女子 2階6畳 女子 2階6 畳 女子 2階4畳半 女子 2階4畳半十3畳 女子 2階6 畳. 持家 持家 持家 持家 持家 持家 持家 持家 持家 持家 持家 持家 持家 持家 持家. 1階8畳 1階6 畳 郷皆父4畳半 1階母 6 畳 1階6畳 1階6 畳 1階6 畳 1階6畳 1階6 畳 1階6 畳 1階4 畳半 1階4 畳半 1階6 畳 2階6 畳 2階両 親と弟. 女子 女子. 2階7 畳 2階6 畳. 兄 (大) 2階6畳 兄 (大) 2階6畳. 女子 女子 女子 女子 女子 女子 女子 女子 女子 女子 女子 女子. 2階6 畳 2階9畳 2階4畳半 2階6 畳 2階6 畳 2階6 畳 2階6 畳 2階 8 畳 2階6畳 2階6 畳 (妹と) 2階8畳 (妹と) 2階12畳(妹2 人と). 弟 (中) 2階7畳半 弟 (大) 2 階4畳半, 祖父母1階4畳半 兄 (勤) 2階6畳 妹 (高) 2階4畳半 妹 (高) 2階4畳半 弟 (高) 2階6畳 姉 (大) 2階6 畳 弟 (予備校) 2階8畳, 祖父1階4畳 妹 (中) 2階4畳半, 妹 (小) と本人と共用 祖父母1階6 畳, 妹 (中) は本人と 一 緒 弟(小)は両親と一緒, 妹2人(大, 高)は 本人と一. 持家. 2階10畳. 女子. 2階8畳. 祖母1階8畳. 住宅の所有関係 持家 持家 持家 持家 持家 持家 持家 ) 持家 (Ap . ) 公営 (Ap . ) 公営 (Ap . 公営 (Ap ) . ) 給与 (Ap . 持家 持家 持家 持家 持家 持家 持家 持家 持家 持家 持家 持家 持家 持家 持家 持家 持家 持家. 34. 8畳. 弟2階6畳 姉 (勤) 2階10畳, 祖母1階8畳 弟 (予備校) 2階16 畳, 祖母 郡皆8畳 祖母1階6 畳半 妹2人 (中・小) (共用) 2階6畳 兄 (大) 2階6 畳, 姉 (勤) 2階6 畳 弟2人 (大・高) 2階 15畳 弟 (高) 2階6畳, 双生 児妹 (高) (共用) 2階. 兄 (勤) 2階6畳.
(12) . 後期教育期世帯における子供の私的空間. 持家. 2階 6畳. 女子. 3階6畳. 兄(大)3階6畳, 妹(中)3階8畳, 1階部分は店. 持家. 2階4畳半. 女子. 2階6畳. 弟 (高) 2階6畳. 女子. 1階8畳. 女子. 1階6畳 (妹と). 姉 (勤) 1階4畳半, 妹 (中) は 本人と一緒. 女子 女子 女子 女子. 1階6畳 (妹と) 6畳 (妹と) 6畳 (妹と) 8畳十アトリエ. 妹 (中) は 本人と一緒 妹 (高) は 本人と一緒 妹は本人と一緒 祖母4畳半. 持家. 脚皆4畳半. 持家平 家. 1階6 畳. 持家平 家. 1階 7畳半. 持家平 家 1階6 畳 公営 (Ap ) 母D K . 給与 (Ap ) 6畳 . 給与 (Ap ) 6畳 . 表6. 舗. 全員 2階就寝 弟 (中) 2階6畳 姉 (勤) は本人と共用 全 員 2階就寝. 女 手姉2 (鴎)〒). 妹 (中) 1階6畳, 双性 児 (中) 妹1階4畳半. 平 家就 寝 平 家就 寝. 四年制大学生・現 在の空間の成立時期 (自宅通 学生). 成立時期 小学校低 学年 高学年. 中学校 高校 大学 部屋なし に. 近い共用. 未記 入. 計. 男子 1 1. 14 (1) 12(1) 2 1(1) 1. 32(3). 女子 2 4. 14 21(3) 24(1) - 7. 72(4). 計 3 5. 28 33 26 1. 平 家就寝. ( ) 内は共用 % 8.4. 29.5 34 .7 27.4. 8. 1O4. る。 この場合には大学生の専用 空間も確立しているとはいえないが, それでも家族員のなか では ニーズは相対的に充足していることを特徴とする した時期。 前章で述べたように, 多くの場合, 専用空間や 『個室』 , あるいはきょ うだい室 (共用室) が成立 るま でには, 住宅移動や住宅内移動がかずかずおこなわれている. したがって, 現在の学習。就 空間が成立したのは, 本人の生活史のなかでも, あまり古い時期 ではない 表6によると 小学 . , 時代から部屋を持っている者は少ない。 中学生になって男子の45 .2%, 女子の21 .5%が, 高校生 代に 男 子 の 38.7%, 女 子 の 32,3% が, 大 学 に 入 っ て か ら男 子 の 6.5% 女 子 の 36 9% が 現 在 の , . ,. 習空間を使うようになっている。 この表で見る限り, 女子の方が, 現在の学習空間を得た年齢段 はやや遅れているよう である。. 札幌市内女子短大生事例. 前章( 2 )で対象とした女子短大生が, 現在の住生活において得ている個 人空間は次のよう である。. 専用の個室。. 現在, 専用の個室を持っている者は91. 7%で, 圧倒的な比率である. 一方, 過去から現在まで- ′ して個室はないという5名もふくめて8.3% ( 12人) が, 現在個室はない, と答えている。 他出 の大半は帰郷した時の自宅に自分の部屋が残っていることを記しており, す でにその部屋が弟妹 部屋になったなどの用途変更を訴えているのは, 少数である。. 持家と推定される者は, 他出者を含め, 短大生の85 .4%である. 現在の持家化の時期を, 始めて 専用室の成立の時期と関連させてとらえてみたのが, 表7 である. 現在の持家化の時期は, 小学 35.
(13) . 関. 表7 短大生・現在の持家化の時期 始めての専. 谷. 嵐. 子. 現在の持家化 高 中 小高. 用室の 成立. 生家. 幼. 小低. 3. -. -. -. 1. 1. 1. 小低. 36. 6. 13. 4. 2. 2. 小高. 42. 10. 2. 16. 5. 2‐. 中 ゼケ. 38. 幼. 同 中高. 10. ー8. 4. 1 く -. 1. 不明. r 2 1. 3 31 37. 2. 3. 持家数. 34 14. 7. 1. 1. 1. 大. 1. 1. 一. 一. 計. 139. 3・. 2. 2〇. 部屋なし 5. 2. ずっ と. 13. 4. 1. 大. 中高. 1 21. 22. 5. 15. 120. 3 持家数 123. 1. 非持家数2 1 (含3不明) 表8. 短大生. 始めての専 用室の成立 幼. 小低 」 ノ 、高 中 高 中高. 現在の専用室の成立 氏 小高 小低. 現在の専用室の成立時期 中. 高. 中高. 大 一. 不明. 生家. 『建てた』 という文字 3. なし. 計 36. 7. 3. 3. -. 1. 1. 1. 一. 36 42 38 18 1. 10. 3. 7. 5. -. 3. 6. 2. -. 25. 9. 3. -. 2. 3. -. 42. 10. 27. 6. -. 2. 1. 2. 38. 10. -. 17. - -. - ー. 1. 18. 1. -. . . . 4 1. 1. -. -. 8. 10. 大. 1. 計. 139. 10. 29. 44. 32. 1. 5. 塾. 27. 塾 10. 1 139. 32. 89. 8.3%, 中学校17 7%, 高学年時1 校低学年時16. .8%の生家のうちに .5%, 高校12.5%である. 25 成立の時期と持家化とは う 始めての専用室の この表からは も持家がかなり含まれているであろ . , , かなり関連が高いことが指摘される. 小学校から中学校時にかけての持家化 では, 3割強が専用室 の取得につながっ ており, 高校期 では4割に 上る. ◎現在の専用室の成立.. 現在使用している専用室が, 成立したのは何時か. 表8によると, 小学校低学年時7 .5%, 高学年 1 ( ) の大学生の成長期より 前掲の 大学時6 0 %である 高校時2 3 9 % 8% 時2 1.6%, 中学校時32 . . , . . , 数年のちにす でに, 専用室の成立時期がかなり低学年化しているといえる.. 始めての専用室と 現在の部屋との関係はどうか(表8) . 始めての部屋をそのまま現在ま で使用し j ている者は,ノ ・学校低学年時に成立したものの27.8%,高学年時の者の59.5%,中学校時の者の71.. 1%, 高校時の者の94.4%である. 始めての部屋が低年齢時に成立した者ほ ど, その後の自室に変動 が あ っ た こ と が 推 定 さ れる.. では, (持家を) 『建てた』 ケースではどうか. 幼児期の3例を別とすると, 現在の専用室を得た 時期は, 小学校低学年時に『建てた』持家では41,7%, 高学年時の建築 では92.6%である. 高学年. 化してから持家建設をおこなった世帯ほど, その時に現在の 短大生の専用室が出来たこと, すなわ ち学習就寝空間が現在の形で 『安定』 したこと, を示していることが多い.. 36.
(14) . 後期教育期世帯における子供の私的空間. む. す. び. 子供空間のニーズは, 短期間のうちにかなりの速さ で変化する。 戦後の日本社会ではそれは, 学 習機能の確保を第一義とした, 子供の成長に合わせた拡大的な変化である。 学習機能は次第に, 専 用的な個 人空間のなかに確保されるようになる。 その時期になると, 学習機能の空間は就寝機能の 空間と (次第に完全に) 合わさり, 子供が生活時間のかなりの部分をすごす 『個室』 として成立す るようになっ てくる。 この年齢段階は, 本稿では, ほぼ中学生および高校生期 であると確認するこ とが出来た。 そしてまた,197 0年代の終りから80年代にかけての数年間に, それは若干低年齢化し て き た の では な い か と も, 考 え ら れた。. 子供の私的空間の成立についてのこうした実態が, 今日の教育期段階の世帯における典型的な, 住ニーズの実現パターンである。 狭小住宅においてはいわば 『親の寝る場所を犠牲とする』 形で, 一般的にいえば少なくとも親より数段良い住条件において, この子供空間確保の行動が展開されて. いるのである。 それらは, とりわけ, 高等教育への進学家庭において強く現われている傾向といえ るかも知 れない。. 本稿は, こう した住意識が, 住宅の取得, 増改築, 移動などの形で主として1970年代後半以降の 2 0 住宅市場の活性化を支えてきた, 内部的な要因の一 つであったろう, と考えている。注. ところで, 近年における住宅市場の需要層のこうした動向を見る時, ライフサイクル論としてい くつかの問題点が存在するとも考えられる。. 例えば, 住宅取得にさいしては本来, その家族の長期的なライフサイクルが展望される筈である が, 実際に, 緊急なそして決定的な要因として働くのは, 周知のように取得価格 である。 または, 1こ さしあた って現住居よりは広いという程度のプラスア ルフ ァの空間が確保さ れること である差2 こでは, 長期的展望は, 多くの人々には, とても望めない。 せいぜい10年程度の将来についての予. 測も不充分である。 特に,教育期の住ニーズに合せた住宅取得を行なう 多くの世帯 での問題には,その後の時期の生活. スタイ ルの展望が必ずしも明らかでないことがあろう。 本稿の対象世帯の住宅の平面を見ると, 三 世代同居が出来るほ どの広さや機能のものはさして多く ないといえそう である。多くは,成人になっ たが未分離の子供を含むという核家族型の規模の住宅なの である. しかし一方で, また, 世帯における教育期のこの最後の段階は, 家族の分離が進行してゆく時期 でもあるから, 数年後には, 若い成人のかなり多く が出生世帯から出てゆく。 親世帯にのこされる 住宅の中味には, 三世代同居は不可能 であるが, 『帰郷した時そのまま使える部屋』や, 就職や結婚. 後も残さ れる空室が含まれる場合も生まれてくるであろう。 平面そのものが狭い住宅 であれば, 子 供の他出により空いた部屋は転用され, ようやくその世帯の住ニーズが充足することになろう。. すなわち, 教育期の住ニーズの充足はそのまま向老期 の住ニーズの充足と一致するもの でもない ということである。 そこから, 教育期の住ニーズの充足をいわば人生 の頂点と考える近年の傾向が, 適切か どうかなどの課題が登場することにもなろう。. ともあれ, 本稿は, 教育期にほぼ住ニーズの充足を みた世帯の状況の一端を分析してみた, とい うことになる。 これらの世帯の住ニーズが, 今後どのように動くかは, 本稿の段階では, まださま ざまに推測する以外にない。. 37.
(15) . 関. 谷. 嵐. 子. ) 9 79 こ の 朝こついては, 日笠端 「都市化と子どもの環境」 (東大公開講座 『子ども』 所収, 東大出版会, 1 , )など 岩波新書1 9 7 9 住宅貧乏物語 』( ) 早川和夫『 9 一番ヶ瀬康子他『子どもの生活園』(NHK ブックス, 196 . , 注2 筆者は, 持家の大衆化現象として, 持家化世帯の低年齢化と収入5分位階層の低層化, 住宅ローン利用の普 及, 建売住宅の一般化などが指標となると考えている. 拙稿「日本の住宅問題 -- 勤労者世帯における持家志 l 向について --」(本学紀要, Vo .30 No .2) , 「建売分譲住宅ニー ズ層の分析 (その1・その2) -- 札幌 I 市における住宅生協の供給住宅事例 --」(同, VO .31 No .1・2) . ) 96 7 『 』 所収, 勤草書房, 1 ) ( 「 1 9 4 3 西山卯三著作集1 室名称呼の分析 」( 注3 西山卯三 . ) 9 39 p 注4 永野順三 「綴方教室の生活構造」 (同 『国民生活の分析』 所収, 時潮社, 1 , .32 . f 69 )p )p 979 9 of 注5 平井聖 『日本住宅の歴史』 (NHK ブックス, 1 . .1 , 大田博太郎 『住宅近代史』(雄山閣, 19 f f な ど ) 岩波書店 2 1 9 6 1 9 3 『 教育的環境学 』( 1 32 山下俊郎 p . 。 . , , 注1. 注6 注7 注8 注9 0 注1 注11 注1 2 注1 3 注1 4 注1 5 注1 6. 本稿注3を参照. ) 『西山卯三著作集2』 所収, 勤草書房, 196 8 西山卯三 「子どものための住空間」( ) 9 1 7 鈴木成文「2室住宅における食寝関係」(吉式泰水編『建築計画学』6『集合住宅住戸』所収, 丸善書店, 1 . 同 「3室住宅における食寝」(同書) . 同 「公営アパートにおける食寝関係」(同書) . 同 「公団住宅における公・私空間の分化」(同書) . 同 「家具からみた住生活の動向」(同書) . ) 22 6 中鉢正美編『家族周期と児童養育費 -- 児童養育費調査報告書 --』(至誠堂, 1970 ,91 , 16 , pp ,1 . ) 2 』(至誠堂, 1 9 2 1 2の表4から算出 ) 71 同編 『家族周期と家計構造 -- 児童養育費調査報告書( p . , . 浦良一 「農家住宅」(吉武泰水編 『建築計画学』 7 所収, 丸善 書 店, 1976), pp.114 , 130 . ) 9 71 厚生省児童局『家庭における児童の現況 -- 全国家庭児童調査結果報告書』(日本児童福祉協会,1 . ,pp. ‐80 77- .. 8 90年度 注1 7 江上徹「住宅計画の家族周期論的研究」(日本建築学会『学術講演梗概集』197 7年度秋期大会, 同1 秋期大会, 所収) 0によれば, 大学生のいる3人世帯 9年全国消費実態調査報告』第一巻, p 注1 8 例えば, 総理府統計局『昭和4 .39 2. 2%である. の持家率は, 83.8%, 子供が1 5一21歳で在学していない3人世帯では7 注1 9 狭い土地の一戸建て住宅では1階部分の面積が相対的に小さく, 家族の就寝はすべてが2階型になりやす 1 1参照) 1 9 い. 札幌市郊外のT中学校生徒の住宅を見ると( 77年調査, 本稿1 , 本稿の大学生の場合にくらべかな り狭い住宅が多い. そこで多くみられたのは, 家族全員の2階就寝であった. ) 1 98 3 3 4一3 5 注2 0 第一勧銀ハウジングセンター 『戸建て住宅の増・改築に関する調査』( . , pp . ) 8 2 注21 国民生活センター編 『住宅と生活 -- 大都市の持家取得をめぐって --』光生館, 19 , 第2・3・4章. (本学教授・札幌分校). 38.
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