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日本人大学生のスポーツ観に関する一考察 : 教員養成系大学学部生のスポーツ愛好者を対象として

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Academic year: 2021

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(1)日本人大学生のスポーツ観に関する一考察 ∼教員養成系大学学部生のスポーツ愛好者を対象として永木耕介*千駄忠至**寺岡敏郎* H uff1. I.はじめに. 1.調査内容. 「新人類」の表現のように、いわゆる「大人」から 「若者」を見る目の変化はいつの時代にもあるように思 われる。そして、あたかも「若者文化」がいつの時点に おいても独自に存在するかのように評される。しかし、 いかに近年の社会変化が急速であるとしても、果たして 5年、 10年という短いスパンで、若者の物事に対する態 度や価値観が猫の目のごとく変化するのであろうか。 スポーツ・シーンに目を向けると、 「Jリーグ現象」 に象徴されるように、若者を中心としたスポーツのプロ 化、祝祭化、スベクタル性の優位など確かにこれまでと は違う現象が起こっているように映る。しかし、この. 本研究では、対象者のスポーツ観を把握するために質 問紙法を用いた。質問内容は、これまでのスポーツ観に 関する先行研究を検討し、 H.Webb(1969): 、G.Kenyon (1968)'、多々納(1984)'蝣、鬼塚(1987)'らによるもの を一部修正のうえ適用した。これらの先行研究は主に国 際比較研究に使用されてきたもので、尺度として一応の 標準化がなされているものである。各々の具体的内容に ついては結果と関わって後述するが、これらの質問内容 を用いることによって、これまでの諸結果との比較考察 が可能となり、また本研究を単発的なものに終わらせず に、今後異なる国家や地域あるいは異質な特性を持つ集 団との比較が可能となる。. 「これまで」とは、いつのことを指しているのかは極め て抽象的で暖味な場合が多い。大相撲やプロ野球あるい は甲子園野球を見ればスポーツのプロ化、視祭化、スベ クタル怪の優位などの現象は決して目新しいものとは思. 2.調査時期 1995年11月. われない。 「Jリーグ現象」についても、ここ5年程度の 表面的で部分的な変化を捉えて、あたかも若者を中心と したスポーツ文化が大きく変容しているかのような印象 を与えているのに過ぎないのではないだろうか.スポー ツを文化として捉えようとする立場の筆者には、若者で あれ年寄りであれ、文化の内面的なるものがそう簡単に 変容するとは思えない。ロバート・ J ・スミスl'が指摘 するように、特に日本においては文化維持の傾向が強い のではないだろうか。 また、例えばロス・マオアら2)は、従来の日本人論で 語られる日本人像は極めて印象記的であって実像からは 遠いと指摘し、多々納5)はその指摘がこれまでの日本人 のスポーツ観論にもそのまま当てはまると述べている. もし仮に日本人の若者のスポーツ観が変容したとすれば、 従来に比べて何がどの程度変わったのかを実証的に明ら かにする必要があるであろう。 本研究は、このような問題意識を底流に有しつつ、事 例的ではあるが、現代の「日本人の若者」である大学生 のスポーツに対する態度や価値意識を実証的に把握しよ うとするものである。これらから得られる知見は、現在 の大学生に対する体育実技指導の基礎的資料となるのみ ならず、今後の日本人のスポーツ観を占うための-資料 を提供するものといえよう。. 3.資料蒐集および対象グループの特性 本研究では、ごく一般的な「スポーツ愛好者」を対象 として選ぶことに努めた。それは、スポーツに対する態 度や価値意識は集団の特性によって異なるという認識に よる。具体的には、教員養成系大学の課外スポーツ部活 動に所属する者を対象として質問紙を配布し回収した (340名、回収率95%)。なお、対象グループをできるだ け偏りのないスポーツ愛好家集団として捉えるために、 多種目におけるスポーツ実践者から資料を得るように配 慮し、高い競技レベルの者(全国ベスト16以上)を除外 した。また質問の一部は日本人的スポーツ観に関わる内 容であるため、日本人的スポーツ観を強く有するとあら かじめ想定される武道人グループについても除外した。 年齢層は18-23才、性別比は男子約45%、女子約55%で ある。 図1は、対象グループの「組織的スポーツ活動」、 「野 外活動」、 「軽い運動」の頻度を見たものであるが、課外 活動を中心とする組織的スポーツ活動については、過23日以上活動する者がそのほとんどであり、熱心である と捉えられる。スキーやキャンプなどの野外活動および 自主的に行う軽い運動については、全般的に活動率は低. *兵庫教育大学学校教育学部附属実技教育研究指導センター(体育教育分野) **兵庫教育大学第5部(生活・健康系教育講座). -77-.

(2) いといえる。鬼塚6)は、西ドイツ大学生との比較におい て、日本人大学生の野外活動および軽い運動の頻度はか なり少ないと指摘しているが、対象グループも大学での 課外活動を中心とした-種目集中型のスポーツ活動を行っ ている様子がうかがえる。. 図1. 組寿故的スポーツ活動の頻度 (N-319). 0.6. 0.9. 80.3傍塑. ⊂コ週 EZl週 ロ 週 ■ 月 ■ ほ. 4 日以 上 2∼3 日 1 日 2一 一3 日 と ん ど し な カ、つ た. 野外活動の頻度 (N-319). ⊂コ 1 カ月 以 上 CZ I 1 週 間 以 上 (年 F;珂) 【 =3 1 週 間 以 下 行 わ な カ、つ た. -I≠ <%葬43.1 _____ _ 軽い運動の頻度 (N-316). ⊂コ週3日以上 E21週1日以上 【コ月2-3日 ■■行わなカ、っ. 「主物唇司 10. 20. 30. 40. SO. 60. 70. Ⅲ.結果と考察 1.スポーツの目的志向性. 80. 90. 100. (96). 図2スポーツの目的志向性. ここでは、 H.Webb3のスポーツの目的に関する態度 尺度を参考とし、 「ベスト志向」、 「勝利志向」、 「フェア 志向」、 「楽しみ志向」、 「自己鍛錬志向」の5項目につい て質問した。元来この尺度は、 「ベスト志向」、 「勝利志 向」、 「フェア志向」の3項目から「勝利志向」をスポー ツの専門化との関連で問題化するものであるが、これら の尺度に多々納5'、山口7'を参考として、欧米人的スポー ツ観に不可欠とされる「楽しみ志向」、そして日本人特 有と仮説化される「自己鍛錬志向」を加えたものである。 各項目の中から第1位にランクされた項目について見た ものが図2である。 対象グループの結果は、 ① 「楽しみ志向」 ② 「ベスト 志向」 ③ 「自己鍛錬志向」 ④ 「勝利志向」 ⑤ 「フェア志 向」の順であり、特に「楽しみ志向」が目立っている。 また全般的に男女差は認められない。多々納5'、鬼塚6' の先行研究の結果においても、日本人大学生は男女とも に「楽しみ志向」が最も高く、本結果と同様である。こ のことから、スポーツに対して楽しみを最優先させると いう志向性は少なくとも10年来の一般的傾向であると指. 摘できる。この点からのみいえば、現代の大学生は欧米 的スポーツ観に近いと言い得るのかもしれない。 「勝利志向」は、スポーツを行う目的としてはほとん ど重要視されていないと捉えられる。このことを元来の H.Webblの研究に照らしてみれば、まずは対象グルー プが、勝利を目的として専門化された集団ではないとの 確認がなされよう。. -78-. 第2位に位置づいた「ベスト志向」は、過程(プロセ.

(3) ス)を重視する日本人的価値観と結びついているとも考 えられるが、日本人特有として設定した「自己鍛錬志向」 が低いためにここではこれ以上言及できない。. を重視するのは、同世代の人間の集まる場としての大学 課外活動の特徴であるのかもしれない。特に女子ではこ の2項目によって約80%に達しており、活動の中心的な. また「フェア志向」についてはすでに山口8)が述べる ように、元来欧米的な価値観であるため、ここでも日本. 動機となっている。男子が「スリル」 (15.3%)、 「禁欲 鍛錬」 (ll.1%)にもポイントを挙げていることと比べ れば、女子の動機には明らかに偏りがあるといえ、スポー ツに対する一面的な関わりが示唆される。また「スリル」 については、多々納ら5'の結果においても男子優位が認 められており、男女差が指摘できる点である。 イギリス・カナダ・アメリカ・オーストラリアの青少. 人の志向性には合わないものであると指摘することがで きよう。. 2.スポーツ活動実施の動機 G.Kenyon4によるスポーツ-の態度尺度(社会的経 験、健康・体力、スリル、動きの美しさ、緊張の解消、 禁欲・鍛練の6次元構成)を用いて、現在最も実施して いるタイプの活動についておよび、将来に最も求めるタ イプの活動について質問した(図3)0 現在最も実施している活動については、男女ともに 「健康・体力」、 「社会的経験」が目立って高い。 このことからスポーツが健康・体力に役立つという認 識はやはり普遍的なものといえるであろう。 「社会的経 験」として「友人と出会ったり、一緒にいるための活動」. 年を対象としたG.Kenyon(1970)9)の研究結果によれば (ただし本研究で用いた6次元に「チャンス志向」を加 えた7次元構成である)、全般的に女子は「社会的経験」、 「健康・体力」、 「動きの美しさ」、 「緊張の解消」を男子 よりも重視し、男子は女子よりも「スリル」、 「禁欲・鍛 練」を重視する傾向にあると報告されており、本結果と 同じ傾向であるといえる。しかし、 Kenyonの結果にお ける女子の場合、 「社会的経験」、 「健康・体力」以外の 次元(項目)にもある程度ポイントを挙げており、特に. 図3スポーツ活動実施の動機 ■■ 男子 (N = 14 4 ). 現在の活動. -. 】. 将来の活動. EZヨ 女子 (N = 17 6 ). 一. 一. 一 一 T T. 一. 28.. 者 mm m m m m m m m I l l - t l I. 社会的経験. 健康や体力 // .. 27 1 V//////////////////////A 31 8 1 i - I 3 .63 // / / .効 ,. ∼. , 16. 1 5 .3. I. 6.. 5 .7 2 Y7 . .7 ?.. i 1. 6.. 動きの美しさ i. I-. 4 .1. li. 5 .1. 3 .9. 緊張の解消. 1 .1 I E -. 10 .. .1. .5 7.. 禁欲・鍛練. .6. 5. (96)40 35 30 25 20 15 10 5. -79-. i. 10152025303540(%).

(4) 日本の女子における動機の一元性を指摘することができ. 表1主成分分析の結果. よう。. 将来に求める活動についても、 「健康・体力」、 「社会 的経験」が男女とも最も高い。 男子では、次いで現在と同様に「スリル」が挙げられ、 「緊張の解消」が増加傾向にある。また「禁欲鍛錬」は 減少している。 「緊張の解消」と「禁欲鍛錬」の逆転現. 主成分NO・固有卓寄与率累有期. 象については、日本に伝統的な「短期燃焼型」部活動の 在り方と、社会人のスポーツとの関わり方とのズレを認 識している結果ではないかと推察される。 女子では、 「禁欲鍛錬」の減少を除けば、 「スリル」、 「動きの美しさ」、 「緊張の解消」に若干の増加が見られ、 やはり社会人になってからのスポーツに対して多少なり とも柔軟性を求めている様子がうかがえる。. 2.9664. 19.8 (%) 19.8 (96). 1.5324. 10.2 (%) 30.0 (%). 1.3838. 9.2 (%) 39.2 (%). 1.1847. 7.9 (%). 47.1 (%). 第1主成分における負荷量0.35以上の主な要因を見る と、正の方向に恥・義理意識、甘え主義がある。 恥10)とは、他者や集団との比較において何らかの劣位 感情を抱いたときに起こるものであり、義理'1)は、他者 や集団との契約関係への忠誠や好意的施しに対する返礼 の意の表出である。また甘え12)とは、自他の分離を否定. 3.日本人的スポーツ観 多々納ら5)は、日本人的スポーツ観の特殊性を把握す ることを目的とし、これまでの一般通説的日本人価値意 識および日本的スポー・ツ観論を背景とした質問内容を作. し、感情的一体化がなされているという前提のもとで他 者や集団に依存する欲求の表出である。いずれも他者や 集団との関係を前提とした日本人的な情緒・感情である と捉えられる。すなわち第1主成分は、 「日本人的情緒. 成している。そして、これらの内容を日本人大学生へ適 用し、因子分析等を施すことによって主要な因子を抽出 するとともに、尺度としての妥当性が検討されている。 本研究では、この結果を再検討し、主要な因子に関わる 項目を中心に取り上げるとともに、新たに必要と思われ. 性」ファクターであると解釈できよう。 第2主成分における負荷量0.35以上の主な要因を見る. る項目を追加して質問項目を構成した。項目の内容は、 一般通説的日本人価値意識として5要因(間人主義、甘 え主義、恥・義理意識、タテ社会意識、パーソンズのパ. と、正の方向にパターン変数(無限定性一限定性)、恥 ・義理意識、負の方向にプレイ重視がある。 パーソンズのパターン変数13) 14)である無限定性一限定. ターン変数)、日本的スポーツ観として6要因(精神鍛 錬主義、全力主義、形式主義、国家主義、プレイ重視、. 性とは、客体(スポーツ)が含みもつ意味や様相のすべ てを問題とするのか(無限定性)、あるいは客体(スポー ツ)を一定の関心に限って問題にするのか(限定性)と いうことである。恥・義理意識は先に見たように、他者. 修行的技術観)である(具体的質問内容については稿末 の資料参照) 0 無論これだけの内容で日本人的スポーツ観が十分に把 握できるとは言い難く、また尺度としての精緻な妥当性 の検討も踏まえていないが、多々納らの先行研究に基づ いて、対象グループの傾向性を見ることはできるものと 考える。また性差などの属性も本来考慮されねばならな いが、今回はあくまで全般的特徴を把握することを目的 とし、各項目を変数とした主成分分析を施し結果を得た。 なお、各項目は5段階尺度(非常に賛成-5点、少し賛 成-4点、どちらともいえない-3点、少し反対-2点、 全く反対-1点)によって点数化した。 図4-7は、第1主成分から第4主成分の類似性のあ る各要因を正負方向へまとめたもの、つまり固有ベクト ルを表している。なお、できるだけ結果の単純化を図る ために、固有値1.0以上の4主成分を取り上げた(表1)。 そのために累積寄与率は47.1%と高くはないが、それは 基本的に価値観という多様で複雑なテーマを扱っている ことによると捉えられる。. や集団との関係において表出される情緒であり、無限走 性なる価値志向といえる。またプレイ重視は、スポーツ そのものへの本質的価値を志向するものであり、限定性 としての捉え方である。以上のことからこのファクター は「スポーツの無限定性一限走性」からなる価値基準で あると解釈できよう。 第3主成分における負荷量0.35以上の要因は、正の方 向にパターン変数(所属本位一業績本位)、負の方向に パターン変数(個別主義一普遍主義)、プレイ重視があ る。. 正の方向にある所属本位一業績本位は、質問内容から 見て、特定のスポーツ集団に所属するという資質を優先 するのか、それとも集団の目的遂行のために個人的技術 レベルを重視するかの対立である。また負の方向にある 個別主義一普遍主義は、例えば審判という個人レベルの 判断が鑑賞的であるのか認知的であるのかを問う内容で ある。同じく負の方向にあるプレイ重視は全く個人レベ. -80-.

(5) 図4第1主成分 主成分負荷量. 項目名. 0.37S3. 恥acai atM . -w.f巨買コ 33:呈⊇r-^r ^Ti ■■力主■■. 0.3846 0.343 0.3304 0.3228 0.31S3. -事丁的txmm ll■人生■■ 糟I<*Mt*ォ主形JG主■■ ノヾタ-ンseat く■l- 」ォfe--丁亡世) ′ヾタ- I'ME- くMBJ.-CCI句=人志向) EEl ■【主■■. く挿管Jlt本位*m*亡位). "蝣'^^ lらK5T.-J. 0.28840.221S O.211A O.2100 0.I821 蝣H.I:│-づ. ′tタ-ン事ヒ事■ くJPtサォ蝣--什中立t* ). 0.0137 -0.111. ′**-ン-- く蝣su主■■一一■∃■主-). -0.1113. フFレイIも■. 図5. 第2主成分. 項目名. 主成分負荷量 -O.3. !ヾタ-ン■巳■く-1■定i*-m刃EォO 恥aaaae ak ./<タ-.ンKH C事ftBIXt向人.ォIftj> Jヾタ-ン■Et■く巾蝣so主- =ヨ■主義) UEME∃車コ t■事チ■勺txmm ⊆j Eai^Tiこコ !ヾター・ンKMくォwサォ=-aw中立性) 形式主旨■■. _0.0535 -0.0961. rqノ虐■■ ノヾタ-ン■巳■■く所蝣**ヒ位, MUM本位). -0.1*T -0.1918 -0.2479. ササ*・一己宗主■■ フ′レイtm. ′ヾターン■巳放く所Jlt本位-KM*位) ノくターン蝣emくda;缶*0--●■人.ォォ】) 負:力主■■ ●■fナ■勺tfcォSW Tq人∃三■■ パターンJt■くJd¶サォL- ¶■中立性) 形式∃三嶋 恥■■tS XCMt 羽■書蝣t> M>ォ■主■■ 甘メし主■■ Jtタ-ンIEtくォttnカビ牡-FI刃EォO IX-JZ X- ∃Ejこコ. EFl群生.odCEd「 ¥IA ノtタ-ン・CWt (ォ>II主tffe---^frjM主IL). -0.2692 -0.3249 -0.3717. 主成分負荷量 0.4402 0.3411 0.2701 0.1827 -0.0011 -0.036S -0.042 -0.071S -0.1458 -0.1493 -0.1029 -0.2278 -0.27 -0.404B -0.4B4. 図7第4主成分 項目名 ノヾタ-ン変欺く/Btir-ek-・LC¶■中立tk) ; i Jm∃[コ Jヾタ'-ン事E■たく-月一定世-m>e牲) E^iコFヨ[コ. rq人生ォf? IK>ォォォl プレイ一m&t JK>ォat *c t■ Jヾターンseatく月斤Jt本位-†mm本位> 沖*+ mm童■■ !<ターン事E alISU主a* -srm主-) Ea家主■■ 形式主●■ ノtタン・EM CJUBB.TSKa-ノJ缶rq> タE2TJ巨∃rr ̄i. 0. ト. 図6第3主成分 項目名. -0.1. 0.I. O.2. 0-3. 0.4 ■ 喜 ■ ■. 0.3S3B O.3403 0.207S O.I332 -0.039S -0.042S. EF ■E主●■ 金力主■l. -0.2. 0.4BS8. 主成分負荷量 0.7364 0.31aa O.1787 0.I482 0.1461. 0.nsa O.1136 0.0954 0.0477 -0.049S -0.0739 -0.2034 -0.206S -O.2637 -0.2866. -81-.

(6) ルでの価値意識である。これらのことに、正の方向にあ る集団志向一個人志向(負荷量0.34)を加えて考慮すれ ば、スポーツ状況に対する集団レベルでの価値と個人レ ベルでの価値との対立であると捉えられる。従ってやや 広義的ではあるが、このファクターは「集団主義一個人 主義」と解釈できよう。 第4主成分は、正の方向にパターン変数(感情性一感 情中立性)のみが負荷量0.7以上と極めて高い値を示し ている。 感情怪一感情中立性は、客体(スポーツ) -の即時的 な欲求充足を求めるのか、それとも道徳的関心のために それを放棄するのかについての対立である。したがって、. ここではそのまま「スポーツの感情性一感情中立性」ファ クターと解釈する。 以上から、対象グループは、測られた日本人的スポー ツ観を、主に「日本人的情緒性」 ・ 「スポーツの無限定 性一限定性」 ・ 「集団主義一個人主義」 ・ 「スポーツの 感情性一感情中立性」の価値観から捉えたということが できる。 多々納ら5)の日本人大学生に対する調査結果は、因子 分析によって人間関係重視・礼節・精神鍛錬・情緒的一 体感の主要因子を抽出しており、また数量化理論Ⅲ類に よって間人主義(特に相互信頼一自己中心、相互依存一 自己依存) ・パターン変数(普遍主義一個別主義)が価 値パターン分類の軸として重要であると指摘している。 同質問内容をベースにおいた今回の結果と照合すれば、 恥・義理意識などに見られる日本人的情緒性および、集. 定性一限定性」、 「集団主義一個人主義」、 「スポーツの感 情性一感情中立性」が主要な価値観のファクターとして 挙げられた。 先行研究との照合を踏まえれば、スポーツにおける日 本人的情緒性および日本人的人間関係観は、現代の日本 人の大学生(-若者)にも確かにあると指摘できよう。 また、精神鍛錬・修行的技術観などの修養主義的要因に ついて強い傾向はうかがわれなかった。これまで伝統的 日本人スポーツ観として論じられてきた修養主義的価値 観が希薄になったとすれば、それが近年の若者における スポーツ観の変容であるといえるのかどうかという一つ の課題を提示する。ただしこのことについては、 「一般 的スポーツ愛好者」である対象グループの特性に留意す る必要があろう。 以上、いずれにしても本研究の調査内容は比較研究を その前提としており、今後技能レベルの異なるグループ や武道人グループなどあらゆる対象との比較調査によっ て、より現代の若者のスポーツ観の全体像が明らかにな るものと考えられる。. 文献 1)ロバート・J・スミス村上健草津攻訳(1995)日 本社会-その暖昧さの解明-.紀伊国屋書店:東京 2)ロス・マオア杉本良夫(1982)日本人は日本的か一 特殊論を超え多元的分析へ-.東洋経済新報社:莱 京 3) Webb,H. (1969) Professionalization of attitudes. 団主義・間人主義などによるいわゆる日本人的人間関係 観が共通の要因として認められる。. toward play among adolescent. In Kenyon, G.S. (ed.) , Aspects of Contemporary Sport Sociology. North Palm Beach, Fla∴ The Athletic Institute.. zmri屈 以下、各々の尺度から明らかになったことをまとめる. 4) Kenyon,G. (1968) Values held for physical activity. と次のようになろう。 1)スポーツの目的志向性として、 「楽しみ志向」が最 優先されており、先行研究を踏まえれば近年の若者の一 般的傾向であると捉えられる。また「勝利志向」は低く、 日本人特有として設定した「自己鍛錬志向」も低い。こ. Canada, Australia, England, and the United States.. のことから、日本人的スポーツ観15)16)として従来から言 われてきた「勝利至上主義」 「鍛錬主義」は強い傾向と してうかがわれない。 2)スポーツ活動の動機については、 「健康・体力」、 「社会的経験」が現在および将来ともに目立っている。 特に女子についてはその傾向が顕著であり、スポーツを 行う動機が一元化されすぎているきらいがある。またさ ほど顕著ではないが、男子は「スリル」を重視する傾向 がうかがえる。 3)対象グループの日本人的スポーツ観における主成分 分析の結果から、 「日本人的情緒性」、 「スポーツの無限. -82-. by selected urban secondary school students in. Washington D.C. : United States Office of Education.. 5)多々納秀雄研究代表(1984)スポーツ行動における 行動特性と態度・価値パターンに関する国際比較研 究.科学研究費研究成果報告書. 6)鬼塚幸一(1987)スポーツ活動の実態と意識に関す る国際比較研究一日本・西ドイツの大学生の調査-. 鹿児島工業高等専門学校研究報告21:199-211 7 ) Yamaguchi,Y. (1984) Socialization into physical activity in corporate settings: a comparison of Japan. and Canada. Doctoral Dissertation, Dept. of Kinesiology, University of Waterloo, Ontario, Canada.. 8)山口泰雄(1988)日本人のスポーツ観.森川貞夫・ 佐伯聴夫編スポーツ社会学講義: 56-67大修館書.

(7) 店:東京 9) Kenyon,G. (1970) Attitude toward sport and physical activity among adolescents from four English speaking countries. In Luschen, G. (ed.) Cross-Cultural Analysis of Sports and Games. Champaign, Illinois : Stipes, pp.138-155.. 10)作田啓一(1967)恥の文化再考.筑摩書房:東京. ll)源了園(1969)義理と人情一日本的心情の一考察. 中公新書:東京. 12)土居健郎(1971)甘えの構造.弘文堂:東京. 13)パーソンズ永井道雄他訳(1960)行為の総合理論を めざして.日本評論新社:東京 14)高城和義(1986)パーソンズの理論体系.日本評論 社:東京 15)岸野雄三(1968)日本のスポーツと日本人のスポー ツ観.体育の科学18-1:12-15 16)上杉正幸(1982)日本人のスポーツ価値意識と 道・修行の思想.体育スポーツ社会学研究1.道和 書院:東京pp.39-57 17)浜口恵俊(1982)間人主義の社会日本.東洋経済 新報社:東京. 18)中根千枝(1967)タテ社会の人間関係一単一社会の 理論-.講談社現代新書:東京.. -83-.

(8) <資料>日本人的スポーツ観における質問内容 日本人的価値意識 l)r人主義 ・スポーツにおける友人とのつきあいは、日常の判事関係かないので楽しい. く対人M傭本質鶴一手段楓) ・チームの勝利のためであっても、自分は犠牲になりたくない。 ara目Ei二=貰軍E Z3. ・相互の協力と自分の抑制なしには、チームの団結はない. (相互依存自己依#) ・自分か努力すれば、コーチも熱心に指導してくれるはずだ. (相互信義一自己中心) ・勝敗は、運や仲間の凍助ではなく、自分の努力や能力によってきまる。 (相互依存-自己依存) 司reran. ・よく知っている人の特会、一方的に勝つと気かひける. m wsrm n - r均汽筒RvxxxmK*恕HHiant* ・スポーツの試合では、弱い方を応援したくなる。 ・大事な試合で負けた時、だれかにとりすかって泣く気持ちはよくわかる。 3)恥・義題*義 ・他のチームや、クラブから誘われても、これまで世蕗になった人のことを考えれば、薗単にそれを変わるべきではない。 ・全力を尽くして負けても、やはり指導してくれた人に申しわけなく息うだろう. ・スポーツに負けると、がっくりきたり、ゆううっになるほうだ. ・技術か下手な時は、あまり人前で練習したくない. 4)タテ社会象JL ・自分のチ-ムのメンバーは、 「自分の仲間や家族のような」気持ちかする. ・技術が同じなら、年上の人を選手とすべきである。 ・コーチは技術的にすぐれた人より、人間的にすぐれた人かいい。 ・チームのコーチやキャプテンの命令には、メンバーは全面的に従うべきだ. 5 )パーソンズのバターン変畿 ・事判か自分の不利に判定しても、あまりしつこくアピールすべきではない。 (Btttt-S惰中立革) ・チ-ムの目標より、自分の目標を価先させてはいけない。 (集団志tt-m.人恵内) ・事判の判定か、審判と同じ国や地域の選手に有利なようになることはしかたのないことだ。 (J別主義一着題主義) ・大試合のための選手の決定においては、錬習執心な者より上手な者を、優先させるべきである. (新車本位:-ォ・本位) ・試合に負けると、自分自身のすべてかタメであるという気になる。 (義PL定性一隈定性). 日本的スポーツ親 日SEErn日義 ・スポーツにおける苦しい坊面をのりこえる最大の要素は体力や技術ではなく、精神的な力である. ・スポーツで得た鍾験は、必ず日常生活にも役立つだろう。 2)プレイ意禎 ・他人か嶺いているときにスポーツをすると何となくうしろめたい. ・スポーツの目的は健康・体力づくりよりも、活動自体を楽しむことにある. 3)形式主義 ・スポ-ツの上達のためには、そのスポーツの伝麓的な礼儀作法を行うことか大切だ. ・テニスの試合は、やはりテニス・ウエアを着てプレイすべきだ. EfFT-TTi ・オリンピックでの国歌演奏や国旗掲壬削ま、中止すべきだ。 ・自分の国の選手か金メダルをとると、国民としての狩りを感じる。 5)全力主義 ・負けてもベストを尽くせばよい。 ・勝っても全力を尽くさなくては撫意味である. 3*3(1コ問コロ ・技術の向上のためには、繰り返し基礎凍習を行うことが重要である0 ・基礎技術を十分に身につけてから試合をすべきだ.. -84-.

(9) A Study oHapanese University Students attituds and Values toward Sport Kosuke NAGAKI, Tadashi SENDA, Toshio TERAOKA. Abstract. The purpose of this study was to clarify sttitudes and values toward sport of Japanese Universitystudents. A Group of Japanese teacher's training University students who were in a position of general sport like people (N-340) were given questionnaires based upon the scales of H.Webb(1969) , G. Kenyon(1968) , H.Tatano(1984). The data were analyzed and revealed the following results. 1)They tend to do Sport to enjoy themselves", and not to win" and not to self-discipline". 2) They possessed positive attitudes toward Sport when it was perceived as a health and fitness, as a social experience. Females especially were more motivated by these two attitudes than the other attitudes (an aesthetic experience, catharsis, the pursuit of vertigo, an ascetic experience) , while males possessed more positive attitudes than females toward Sport perceived as the pursuit of vertigo. 3) The results by Principal Component Analysis indicated that the group had the Japanese contextuaレ ism and Japanese emotions (e.g. Amae" and Haji-Giri", similar English words seem to be identification and obligation"). It was suggested that these values were based upon traditional Japanese social cultural background.. -85-.

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