Matsumae Tacl の物性(I) : X線分析
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(2) . 第19巻 第1号. 北海道教育大学紀要 (第二部A). Matsumae talc. X. 武. 線. 田. 昭和43年9月. 1 の物性 ( ). 分. 析. 女. 司. 北海道教育大学函館分校物理学教室. 1 i 1 Properties of Mat Bunj i TAヱ こ賎DA ; Phy c (1) s ca sumae Ta X‐ray Ana lys i s. 北海道松前郡で産出する滑石を原料とするタルクは, 国内需要の面 から今日極めて重要な位置 にあるが, 本稿では, X 線分析によっ て松前タルクの純粋タルク分 が極めて安定した上質 のもの であることを指摘し, 且つ含有不純物についてのX 線定性分析結果を報告する. SI 緒. ・ 言. タルク (滑石末) は粘土鉱物に属し, カオリ ソ・酸性白土・ペ ントナイ ト等と共に用 途極めて 多岐にわたるものであるが, 国内産滑石の原鉱石は輸入品 (主として中共産) に比べて品質が良 くなく, かなりの滑石原鉱石を輸入しているのが実状である. i ) を四面体の中 心におき, 四隅に酸素 (○) をもつ六角網状板が二 滑石は構造的に, 珪素 (S 枚向い合わせに結合し, その間に主として OH を有する三層格子をつくり, この三層格子が重な り三層構造を形成していて, 一般に電気的に中正である. この典型的三層構造が実状鉱物におい ては, 四面体の中 心にある珪素原子が A1 , Mg に置換される場合 が多く, 滑石の特徴は主に珪素 原子が Mg に置換された ものであり, その遷移過程を含むため極めて構造面で複雑性をおび, 産 地によってそれ ぞれ X 線回析図を異にする. 松前タルクは, 北海道松前郡松前町字清部に 産し, 松前駅より 25km 国道を経て情部に至り, 更に大鴨津川に沿 って 6km 山道に入った大鴨津川の北岸及び南岸に埋蔵されている. 鉱床を形 成する母岩は, 古生層の輝緑岩・粘板岩であり, これらが酸性熱水溶液で蛇紋岩化し, 更に滑石 化したものである, 従っ て鉱床には石英質の徴脈が網状に走り, 所謂 「サメ」 を 形 成 し て い る. 松前タルクを 800oC に灼熱すると褐 色化するが, その中に白色粒状の石英質のものがみられる, 松前滑石は, 国内産のうちで, 品質及 び工業面でもかなり重要な位置を占めている. 本報告は 松前滑石を原料と する松前タルクを主としてX線によっ て調査したものである, S2 構 造”及び 組 成 構造及び組成調査にあたっては, 主にX線分析法を用いた, 鉱物の化学分析による成分決定は, 必ずしもす べてに有効であると は限らない. 特に粘土鉱物のように主体自身に種々雑多の元素を 含み, その結 晶構造内部に 遷移変化のある場合はなおのこと である. 更に原鉱石には幾多 の不純. (ZO ).
(3) . 武. 田. 女. 司. 物を含有し, 砕粉した製品タルクにもこれらの不純物を含むのであるから X線分 析を必要とする. 然しX線分析によっ ても, 結晶構造に遷移過程があり, 且つ砕粉工程によっ てもかなりの差違が 1 ) ( ) ( 3 ) ( 4 2 )も幾つかあるが, それぞれ異なっ た値をもち,本調 あり, タルクに関するX線調査報告( 査ではX線分析を, 主として定性分析として用 いた, 1 ) 測 定 条 件 測定には, 工業的に細粉化した製品タルクを使用するので, 以下に工程の概略を述 べる. 原鉱石を視覚選別によっ て選鉱を行ない, 各用 途に応じて原鉱石をクラッ シャー→レイモンド 叉 は ク ラ ッ シャ ー 一 ミ ク ロ ンミ ル に か け て細 粉 化 し, 場 合 に よ っ て は 回 転 翼 式 セ パ レ ー タ ー で. ”g煽ごで除去する, タルク 「トビ」 を除去する. 含有鉄分の大半は, 機械砕粉工程での風送中 “ ? の製品としての品質は, 概略的に粉体の粒度及び白色度 (東精製ハンターで測定) によっ て格付 9 けされる. X線分析は, 各種 鉱石各種工程品 (300 メ ッ シュ 通 過 9 ,0%) について理学電機製 婦好餌c 件下で行な D を用いて次の条 った, Cu-Kα ,35kv lomA 32‐1‐1 。 1 1 { . ・ ・ ・ ・ ・ 5o~75o ) .4mm 20. 2 ) 測定 解 折結果 測定の結果, 選鉱された原鉱石の種別及 び工程による違いは, 各 2夕 で の 不 純 物 に よ る ピー ク に差が生ずるのみで, タルク構造そのものによる ピークの相対強度に差はなく, 本稿では, 白色 度78度の松前タルク上級品及び比較対照として輸 入原鉱石よりの白色度92度の上質タルク (以下 使用した試料を China Pink と称す) の二種についての結果を述 べる.. 10. ・. 20. 30. 今0. 50. 28 fta Figure l X-ray pat l t c ern (Cu-Kd) o ,. 60. 『○.
(4) . Mat l sun ・aeta c の物性(1) X線分析 i i Re l Table l ty of x‐ ve int ens at ray peak , l Ddat ・ae ta sun c. d(A). 1 l / o. Chi na pi nk. d(A). 1 .00. 4 .58. 1 .00 0 .28 0 ,06. 3 .12 2 ,61. 1 ,00 0 .03. 4 ,60 3 .11 2 .60. 2 .49 2 ,11. 0 ,08 0 ,06. 2 .49 2 ,10. 0 .06 0 ,03. 1 .87 1 ,68. 0 .10 0 ,04. 1 .87 1 .67. 0 .09 0 ,04. 1 .53 1 .39. 0 .06 0 .06. 1 ,53 1 .39. 0 .04 0 .04. 1 .34. 0 .06. 1 ,34. 0 .04. 9 .35 4 .69. 9 ,45 4 ,68. (ん もZ ) ,最. 1 l / o. 0 .28 0 ,03 1 .00 0 .04. (0 ) ,0 ,2 (0 ) ,4 ,0 ( 0 ,2 ,0) ( 0 ,0 ,6) (2 ,0) ,0 (1 ) ,3 ,2 (2 2 ,,2) (0 ,0 ,10) 3 (1 ,,8) (0 ,6 ,0) 0 (2 ,,10) (0 ,14) ,0. (1 ,1 ,1) 1 ( ,2) ,3 0 (2 ,,4) (2 ,3 ,6) ,0 ,4) (1. (3 ) ,3 ,2 3 (1 1 ,, 2). i l i lquant ive ana i Tabie 2 l ta cs sumae and China ta sof N1 at ys . Chem ca S i02. Mgo. 凸 江at l l c su庄 aeta. 61 ,9%. 33 .O. China pink. 60 ,1%. 30 ,5. Ca。 0 .2 0 .5. A1 203. Fe 203. 0 ,3 3 .3. 0 .6 2 ,O. に 松 前 タ ル ク と china pink の X 線図を示し, Table l に両者の d(A) , 相対強度 1 l l / ) を示す, 但し, Tab e l は, タ ル ク の 結 晶構 造 に よ る ピ ー ク の み に つ い o ,た ,Z ,原子平面 (み Figure l. てであっ て, 結晶構造外の不純物による ピーク は Table l に記載してない. X 線図から明瞭に, 松前タルクは China pink に比 べて, 製品化された粉体中に, タルクでは ない所謂不純 物がかなり混入されていることがわかる. 2Si 2 解析結果, 不 純 物 の 主 要 な も の は, CoC03 及 び MgC03・CaC03 が大半を占め, 其の他 A1 06(OH)4 と Fesー+× 及び CaC03 で あ る, CoC03 は X 線 ピー ク で は MgC03・CaC03 より 強く, C。C03 は 一般岩石鉱物中には少なく, 含まれる場合は蛇紋岩系が多い。 この点 からも, 松前滑石 O”“” は 蛇 紋 岩 よ り 遷 移 変 化 し た も の で あ る こ と を 示 し て い る. MgC03・CoC03は 岩 石 と し て DOZ. と呼ばれ, 近時土壌改良剤としての用 途が拓け各地で採掘され, 道南では各所に見られる, Z A1 ’ z であり,CaC0 , は 績αoZ 205(OH) 3 は硬度がタルクに比べて高く, 製紙工程での摩耗度 2Si . に影響するが, 松前タルクの場合含有量からみて無視してよい程度の微量である. 然し鉱区内で i na 典型的方解石としての大形結 晶を見る場合がある. 磁硫鉄鉱である Fes 7 +× については, Ch nk に も 微 量 含 ま れ て い る が, 松 前 タ ル ク の 場 合 前 述 の よ う に “鋤g〃“ に よ っ て 除 去 さ れ て い pi. るが, 尚, 製品化されたものにも明瞭な X 線 ピークが示され, 製品としての白 色度低下の一要因 となっ ている. 緒言に記した 「サメ」 をつくる石英質のものは, X 線分析には殆どかからない。 iが遊離珪酸として存在するためと これは, 滑石化過程で Si と Mg の置換によっ て遊離した S 考えられる. l e 2 に示す, 尚, 両試料の原鉱石の化学分 析値を Tab S3 考. 察. 松 前タ ル ク の タ ル ク 分 そ の も の に つ い て は, Tabl el の両者を比較して質的な差違はみられず,.
(5) . 武. 田. 交. 司. l e で 差 の み ら れ る 点 は (0,0,2) の 典型的タルクの結晶構造をもっ ている上質のものである. Tab 0 )面の格子間隔変動は粘土鉱物の一般性とし て 格子間隔が約1%違っ ている点であるが, ( ,0 ,Z その含有水分によるものであり, 構造的に問題はない. 然し, 一方では, 松前タルク総体としてかなりの不純物を含み, これが製品の白色度に大きな 影響を及 ぼし ている. 謝. 辞. l 調 査 に あ た り, Nor e co の 使用に種々御便宜をあたえていただいた北大水産学部川原鳳策教授. 及び石井次郎助教授に謝意を表します, 文. (1) (2) (3). 献. i Har f t t s ord Co ,J , W, Gruner . Kr , . Md ,Z ,88 (1934) 412 ,. i l j , , W.Gruner ,27 (1942) 581 , Am M nera , i G A M l W u n e r J r e r m a n , , , . , ,29(1944) 366 ,. (4) ASTM Card.
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