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Title
№17:骨格性下顎前突症患者における上顎骨上方移動
を伴った外科的矯正治療による咽頭気道変化
Author(s)
吉野, 直之; 西井, 康; 神尾, 崇; 髙木, 多加志; 柴原,
孝彦; 末石, 研二
Journal
歯科学報, 118(5): 481-481
URL
http://hdl.handle.net/10130/4719
Right
Description
481
歯科学報 Vol.118,No.5(2018)
№17:骨格性下顎前突症患者における上顎骨上方移動を伴った外科的矯正治療による咽
頭気道変化
1)
吉野直之1)
,西井 康1)
,神尾 崇2)
,髙木多加志2)
,柴原孝彦2)
,末石研二1)
(東歯大・矯正)
2)
(東歯大・口腔顎顔面外科)
目的:顎矯正手術において骨格性下顎前突症を改善
するため上顎骨後方部の上方移動が必要な場合があ
る。これにより,効果的な下顎の後方移動が行われ
るが気道が狭窄する可能性がある。上顎骨後方部の
上方移動量が大きい場合,馬蹄形型 Le FortⅠ型骨
切術(以下,馬蹄形 LFⅠ)が選択されることがあ
る。こ れ ま で 従 来 の Le FortⅠ型 骨 切 術(以 下,
LFⅠ)を併用した顎矯正手術前後の気道形態変化
に関する報告は多いものの,馬蹄形 LFⅠと気道形
態に関する報告は極めて少ない。また気道形態の評
価は,従来よりセファログラム分析など二次元的な
評価が多く,三次元的な評価は少ない。今回我々は
馬蹄形型 LFⅠと従来の LFⅠによる気道形態の変
化について二次元および三次元的分析を行ったため
その概要を報告する。
方法:東京歯科大学千葉病院において,平成12年か
ら平成26年までに骨格性下顎前突症と診断され,馬
蹄形 LFⅠおよび LFⅠを併用した上下顎移動術を
行った患者,各20名を対象とした。顎矯正手術術前
と術後1か月後に撮影した頭部エックス線規格写真
およびエックス線 CT 画像を資料とした。方法とし
て,術前後の頭部エックス線規格写真の分析を行
い,術前後での骨の移動量の計測と共に,エックス
線 CT 画像データから気道領域の三次元モデルを構
築し,術前後の気道の重ね合わせを行い,変化を定
性的に評価した。そして,定量的評価として気道を
鼻腔,上咽頭,中咽頭,下咽頭と4つの区域で分割
し,それぞれ気道容積の計測を行った。統計解析に
は Wilcoxon の符号付順位検定,Mann-Whitney の
U 検定を行った。
結果および考察:術前後での気道容積計測の結果,
従来の LFⅠ群では上咽頭領域,下咽頭領域の気道
容積の有意な減少が認められた。それに対し,馬蹄
形群では下咽頭領域のみ気道容積の減少が認められ
た。馬蹄形型 Le FortⅠ型骨切術は安定した上顎骨
後方部の上方移動が可能であるという利点は報告さ
れているが,本研究の結果より,気道に対しても悪
影響が少ないことが示唆された。
№18:顔面非対称を伴う骨格性下顎前突患者における術前・術後の咀嚼筋体積の評価
有間英仁1)
,立木千恵1)
,野嶋邦彦1)
,西井 康1)
,末石研二1)
,西川慶一2)
,髙木多加志3)
1) 2) 3)
後藤多津子4)
,阿部伸一1)
(東歯大・矯正)(東歯大・化学)(東歯大・口腔顎顔面外科)
,
4) 5)
(東歯大・歯放)(東歯大・解剖)
目的:顔面非対称症例の病態,後戻りの一因として
筋の影響があるとされている。咬筋や内側翼突筋に
関して筋機能の指標の一つである体積の報告がされ
ているが,咀嚼筋全体の報告は散見されるのみであ
る。そこで本研究の目的は顔面非対称を伴う骨格性
下顎前突患者の咀嚼筋体積の術前の特徴および術後
の変化を解析することとした。
方法:2002年4月1日から2017年3月31日に東京歯
科大学千葉病院にて Le Fort I 型骨切り術及び下顎
枝矢状分割法を伴う外科的矯正手術を施行され顔面
非対称を伴う骨格性下顎前突と診断された患者30名
(Asymmetry 群,男性15名女性15名,初診時平均
23.9±8.1歳),非対称を伴わない骨格性下顎前突と
診断された患者30名(Symmetry 群,男性15名女性
15名,初診時平均23.8±7.3歳)で,初診時(T1)
術後1ヵ月-2ヵ月(T2),術後2年(T3)各時
,
点の CT データを資料とした。各スライスのトレー
スを行い咀嚼筋・顎骨3D モデルを作製し体積を計
測した。① T1の咀嚼筋体積の比較,② T3の咀嚼
筋体積を3群間(Asymmetry 群の偏位側,非偏位
側および Symmetry 群両側の平均値)で群間比較
し,③咀嚼筋体積の経時的変化を調べるため群内比
較を行った。
結果:①では咬筋,内・外側翼突筋は3群間に有意
差は認めず,側頭筋は Asymmetry 群の偏位側が非
偏位側に比べ有意に小さく,両側とも Symmetry
群との有意差は認めなかった。②では各咀嚼筋の3
群間に有意差は認めなかった。Asymmetry 群にお
ける③では咬筋,内側翼突筋は各時点に有意差は認
めず,外側翼突筋は T1から T2で有意に減少,
T2から T3で有意に増加,T3は T1との有意差
がなく,側頭筋は T1から T2で有意に減少,T2
から T3で有意に増加,T3は T1より有意に増加
した。
考察:Asymmetry 群の T1,T2において偏位側
側頭筋は非偏位側より小さく偏位側の機能低下が示
唆された。また T3でその差が減少しており,咀嚼
機能の回復を示すと考えられた。外側翼突筋も同様
に術後咀嚼機能の回復を示すと考えられた。咬筋,
内側翼突筋の各時点で有意差がないのは,T2での
顎矯正手術時の侵襲による影響の可能性が示唆され
た。以上から顔面非対称を伴う骨格性下顎前突患者
において,術前の偏位側側頭筋は非偏位側より小さ
く,術後に両側が同等となる可能性が示唆された。
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