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真菌感染における自然免疫の活性化とNKT細胞及びγδT細胞による制御機構

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Academic year: 2021

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(1)

真菌感染における自然免疫の活性化とNKT細胞及び

γδT細胞による制御機構

著者

川上 和義

(2)

真書感染における自然免疫の活性化とNKT細胞及び

γ∂T細胞による制御機構

(研究課題番号18590413)

平成18年度∼平成19年度科学研究費補助金

(基盤研究(C))研究成果報告雷

平成20年3月

研究代轟曽 川上和義

東北大学医学部 教授

(3)

はしがき 宿主は微生物の侵入に対して、Toll様受容体(TLR)やマンノース受容休・βグルカ ン受容体などを介したPathogen−aSSOCiatedmolecularpattern(PAMP)の罷織を契 機として、自然免疫による防御システムを発動させる。自然免疫は・その後の獲得免疫 成立に至るまでの単なる「つなぎ」にとどまらず、獲得免疫のr質」・特にThlThZ バランスを決定し、微生物感染の経過に重要な影響を及ぼす。一方、クリプトコツカス やペ二シリウム・マルネフェィ、カンジダなどの真南はエイズに合併する重要な日和見 病原真菌であり、免疫低下宿主では肺から中枢神経系への播種性感染を引き起こし・致 死的な経過をたどることも少なくない。また、HlV感染に対してhighlyactive anti−retrOViraltherapy(HAART)が実施されるようになり、クリプトコツカスに対す る免疫再構築症候群が臨床上重要な問題となっている。本来エイズでは・CD4陽性T リンパ球の減少によって獲得免疫能の障害が引き起こされるが、近年では川∨感染に ょる自然免疫系への影響も数多く報告されるようになってきた。このような背景から、 真菌感染における自然免疫の役臥そして自然免疫の活性化及びその制御機構について 十分理解することは、エイズ患者における日和見真菌感染症の発症病態の解明、さらに はその治療・予防法の開発において極めて重要であると考えられる。 本研究では、いかにして自然免疫系が真菌感染を認識し、活性化を受け、獲得免疫の 成立に連動させていくのか、そしてNKT細胞及びγ∂T細胞がこの過程にどのように 関与するのかについて解明することを日的とし、樹状細胞による真菌の認識機構ならび に関与するPAMP受容体について明らかにするとともに、真菌の構成成分の中からNKT 細胞及びγ∂T細胞の認識抗原を探索し、本真菌に対する獲得免疫の成立におけるこれ ら自然免疫リンパ球の役割について分子レベルで解析を実施した。

(4)

研 究 組 織 研究代表者:川上和義 (東北大学医学部 教授) 研究協力者・:仲川清隆 (東北大学大学院農学研究科 准教授) 宮里明子 (東北大学病院 助教)

交付決定叡(配分額)

(金額単位−:円) 直 接 経 費 間 接 経 費 合  計 平 成 1 8 年 度 1 ,9 0 0 ,0 0 0 0 1 ,9 0 0 ,0 0 0 平 成 1 9 年 度 1 ,6 0 0 ,0 0 0 4 8 0 ,0 0 0 2 ,0 8 0 ,0 0 0 総  計 3 ,5 0 0 ,0 0 0 4 8 0 ,0 0 0 3 ,9 8 0 ,0 0 0 研 究 発 表

(1)雑瞳輪文

原著輸文

l)KinjoT,MiyagiK,NakamuraK,HigaF,XiaoG,MiyazatoA,KakuM,FujitaJ, KawakamiK.AdjuvanteffectofCpG−OLigodeoxynucleotideinanti−fungaF Chemotherapy against fatalinfection with Cbptococcusneofom7anSin mice.MicrobioHmmunol.Sl:74l−746,2007.

2)NakamuraK,KinjoT,SaijoS,MiyazatoA,AdachiY,OhnoN,FujitaJ,Kaku M,IwakuraY,KawakamiK.Dectin−1isnotrequiredforthehostdefenseto

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C/押tOCOCCuSneOfolmanS・Microbio=mmunol・5l=1115−1119・2007・

3)Xiao G,Miyazato A,lnden K,Nakamura K,ShiratoriK,Nakagawa K・

MiyazawaT,SuzukiK,KakuM,KawakamiK・C′yptOCOCCuSneOfolmanS

inhibits nitric oxide synthesis caused by CpG−Oligodeoxynucleotide−

stimulated macrophagesin a fashionindependent of capsular

polysaccharides・MicrobioHmmunol・52:171−179・2008・ 4)NakamuraK,MiyazatoA,XiaoG,HattaM,IndenK,AoyagiT,ShiratoriK, TakedaK,AkiraS,SaijoS,lwakuraY,AdachiY,OhnoN,SuzukiK,FujitaJ, KakuM,KawakamiK・DeoxynucteicacidsfromClyPtOCOCCuSneOformans activatemyeloiddendriticce”sviaaTLR9−dependentpathway・Jlmmunol・ 180:4067−4074,2008. 総 脱 l)NannoM,ShioharaT,YamamotoH,KawakamiK,lshikawaH・Y8Tcells: firefightersorfireboostersinthefrontLinesofinflammatoryresponses・ lmmunoIRev.215:103−113,2007. 2)金城武士,藤田次郎,川上和義.自然免疫リンパ球による真菌感染防御の協調 的制御臥日本医真菌学会雑誌47:20ト207,2006. 3)川上和義.肺クリプトコックス症の免疫病態・呼吸器科12:14−19,2007・ 4)川上和鏡.呼吸器感染症と粘膜免疫一一一自然免疫から獲得免疫への連携・医学の あゆみ221:891−896,2007. (2)学会発表 1)宮里明子,仲村 究,金城雄軌竹田和由,中山俊憲,谷口 克,賀来満夫,川 上和義.クリプトコツカス感染防御におけるNKT細胞の役割とその活性化機構 の解析.第36回日本免疫学会総会・学術集会.2006年12月大阪. 2)仲村 究,富里明子,八田益充,河村伊久弘光山正雄,西条 軋岩倉洋一郎, 審良静男,藤田次郎,賀来満夫,川上和義.マウス樹状細胞におけるToMke

(6)

receptorsを介したPeniciWummameffeiの認識機構の解析・第36回日本免疫 学会総会・学術集会,2006年12月大阪. 3)川上和義.マウス樹状細胞におけるTolHike receptorsを介したfbniciWum mame触Jの認識機構の解析.第80回日本細菌学会総会シンポジウム・2006 年12月 大阪. 4)仲村 究,宮里明子,八田益充,藤田次郎,賀来満夫,川上和義・MyD88依存性 及び非依存性の経路を介した樹状細胞によるP加/cJ仙m′”ame仲原識機構に ついて.第81回日本感染症学会総会学術講演会.2007年4月京都. 5)MiyazatoA,NakamuraK,SaijoS,lwakuraY,KakuM,KawakamiK・Roleof

dectin−1inthehostdefensetoinfectionwithCMtOCOCCuSneOformans・

FASEBMeeting,2007年5月MiamiBeach・ 6)IndenK,XiaoG,NakamuraK,MiyazatoA,KakuM,Kawakami・Suppression

of To”−Iike receptor一mediated signallng by CIWtOCOCCuS neOformans・

FASEBMeeting.2007年5月MiamiBeach, 7)KawakamiK.γ6Tce”s andinfectioninlung・The13thInternational CongressofMucosaHmmunology,Symposium・2007年7月東京・ 8)川上和義,仲村 究,富里明子,XiaoG,賀来満夫∴真菌DNAによる樹状細胞の 活性化とその分子機構.第18回日本生体防御学会学術総会.2007年7月手引乱 9)西条 忍,藤門範行,安達禎之,大野尚仁,仲村 究,川上和義,岩倉洋一郎・ Dectin−1の生体防御機構における役割.第51回日本医真南学会総会.2007年 11月 高山. 10)仲村 究,宮里明子,肖 臥八田益充,青柳哲史,位田 剣,西城 私岩 倉洋一部,竹田 潔,審良静男,鈴木和男,賀来満夫,川上和義・伽rococc〟5 〃eOb〝manS由来DNAによるマウス骨髄由来樹状細胞の活性化機序の解析.第 37回日本免疫学会総会学術集会.2007年11月東京. ll)宮里明子,仲村 究,Xiao G,鈴木和男,賀来満夫,川上和義・真菌由来DNA による樹状細胞活性化における細胞内動態の解析:CpG−ODNとの比較検討.第 37回日本免疫学会総会学術集会.2007年11月東京.

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(3)阿 曽 1)川上和義.深在性真菌症と免疫の関係は?河野 茂縞深在性真菌症q&A∼ 2007ガイドラインを踏まえて∼.医薬ジャーナル社pp37−39,2007・ Z)川上和義.肺炎の病態と免疫反応・鈴木和男編生体防御医学事典・朝倉書店 PPl19−126,2007・ 研究成果による産業財産権の出願・特許状況 特になし

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1.真菌感染とパターン認識受容体 病原体の特定の分子構造pathogen−aSSOSiatedmolecularpatternを認識する機構 としてパターン認識受容体(patternrecognitionreceptors:PRR)が重要な役割を果 たしており、その中ではToMkereceptors(TLR)が最も精力的に研究がなされてき た。真菌認識におけるTLRの役割に関しては、UnderhiHらがSacccharoJTyCeS ceretdsaeの細胞壁構成成分であるZymosanの認識にTLRZ/TLR6ヘテロタイマーが 関わり、NF−kBの活性化を通してTNF−a産生を誘ヰするのを報告した。最近Levitzら は、クリプトコツカスの主要な策膜多糖体であるグルクロノキシロマンナンの認識にお けるTLR4の関与を示唆する報告を行い、さらに、遺伝子欠損マウスを用いた解析から・ MyD88がクリプトコツカスの感染防御に必須であること、少なくともTLRZやTLR4 はそれほど重要な役割を担っていないことを報告した。これまでの我々の研究でも、 TLRZKO、TLR4KOマウスを用いて同様にクリプトコツカス感染に及ぼす影響について 検討を行ったが、いずれのマウスでも感染経過に大きな影響はみられなかった。これら の知見から考察すると、クリプトコツカスの認識にTLR2、TLR4以外の何らかのTLR が関与している可能性が推察された。 今回の研究では、この予想と一致して、クリプトコツカスDNAが骨髄由来樹状細胞 (BM−DC)を活性化してILlZ産生、CD40、CD80、CD86発現を誘導すること、こ の活性化はCpG−DNA依存性BM−DC活性化を抑制するbafilomycinAやChroloquinに ょって同様に抑制されること、TLR9KOマウス由来BMTDCで完全に消失することを明 らかにした。また、蛍光標識したクリプトコツカスDNAを樹状細胞と培養し共焦点レ ーザー顕微鏡を用いて細胞内での動態を解析したところ、CpG−DNAとほぼ一致した局 在を示し、一部はTLR9の局在とも重なり合うことが明らかとなった。さらには、 TLR9KOマウスの肺内にクリプトコツカス爽膜欠損株を感染させると、野生型マウスに 比べて菌の排除が有意に低下する結果も得られている。これらのことから、宿主免疫細 胞によるクリプトコツカス認識の少なくとも一部にはTLR9を介した真菌DNAの認識 機構が関与するものと考えられた。 近年、微生物の多糖体を認旅する受容体としてC−tyPelectin−likereceptors(CLR) が注目されている。特に真菌では、細胞壁にマンナンなどの多糖体が豊富に存在するた

(10)

め免疫細胞による認識にCLRが関与している可能性が高いと予想される。Saijoらは、 遺伝子欠損(KO)マウスを用いた解析から、伽eumoq借地・に対する感染防御反応に CLRのひとつであるdectin−1が重要なこと、しかし同じ真蘭であるCbnmdba仏icans ではdectin−1欠損の影響がみられないことを明らかにした9)。一方、Taylorらは、同 様なマウスを用いてCbndidbaIbicansの認識にもdectin−1が重要であることを示した。 今回の研究で我々は、dectin−lKOマウスを用いることで、クリプトコツカス感染によ るサイトカイン産生や感染抵抗性にこの分子が必須でないことを明らかにした。 2.真電感染と自然免疫リンパ球 リンパ球には、通常のT、B細胞の他に、NK細胞、NKT細胞、Y8T細胞、B1−B細 胞の存在が知られている。これらの細胞群は非常に速やかに活性化され、自然免疫の時 期に機能するという意味で自然免疫リンパ球と呼ばれる。近年の研究では、自然免疫リ ンパ球がThl−Th2バランスなど、獲得免疫のr質」を決定する可能性が推察されてい る。これまでに我々は、クリプトコツカス感染において、NKT細胞がThl型の免疫応 答を誘導することで感染防御的に、一方Y8T細胞はThl免疫応答を抑制することで抗 炎症的に作用することを明らかにしてきた。 NKT細胞は、その抗原受容体の構造に基づき、当初から脂質抗原を認識することが 推測されており、α−galactosylceramide(α−GalCer)が最初の認識抗原として見出さ れた。その後、病原微生物の中からNKT細胞認識抗原の探索が進められ、Leねわma〃由 SPP.からのIipophosphoglycan、glycoinositoI phospholipids、結核菌からの PhosphatidyIinositol mannoside、郎hingomonas spp.の α一galacturonosyI Ceramide及びα−glucuronpsylceramide、BorTeNaburgdorferjからの1,2−diacyI−3−0− a−galactosyトsr7−gFycerolが見出されてきた。今回の研究で我々は、クリプトコツカス 菌体にもNKT細胞によって認織される楯脂賞抗原が存在する可能性を考えて、クリプ トコツカスをパルスしたBM−DCから磁気細胞分離装置を用いて余分な菌体成分を除去 した後、NKT細胞を豊富に含む肝臓由来単核細胞(LMNC)と共培養を行い、上溝中に 産生されるIFN−gをELISAで測定した。クリプトコツカスをパルスしたBM−DCは、α −GalCerパルスBM−DCと同様にLMNCからのIFN−Y産生を誘導し、この反応は抗CDld

(11)

抗体投与で強く抑制された。また、CDldKOマウスから作製したBM−DCを用いると同 様にIFN−Y産生が完全に消失した。さらには、iNKT細胞が存在しない山18KOマウス 由来のLMNCを用いた検討では、クリプトコツカスをパルスしたBM−DCによるIFN−Y 産生が部分的ではあるが有意に抑制された。これらの結果から、他の病原微生物と同様 にクリプトコツカスにもNKT細胞によって認識される楯脂賞抗原が存在する可能性が 推察された。

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TOUR : Tohoku University Repository コメント・シート 本報告書収録の学術雑誌等発表論文は本ファイルに登録しておりません。なお、このうち東北大学 在籍の研究者の論文で、かつ、出版社等から著作権の許諾が得られた論文は、個別にTOUR に登録 しております。 TOUR

参照

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