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Showers-of-Emotion Theoryに基づくものづくり教 材を用いた小学生工作教室

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(1)

Showers‑of‑Emotion Theoryに基づくものづくり教 材を用いた小学生工作教室

著者 松永 泰弘, 河村 翔太

雑誌名 静岡大学教育学部研究報告. 教科教育学篇

号 46

ページ 119‑132

発行年 2015‑03

出版者 静岡大学教育学部

URL http://doi.org/10.14945/00009182

(2)

静岡大学教育学部研究報告 (教科教育学篇

)第

46号 (20153)119〜132

Showers‐ o,Emotion Theoryに 基づ くものづ くり教材を用いた 小学生工作教室

ヽ4antlfacturing Classes for the Primtt Schoolchildren Using tlle Teachhg A/1aterials Based on

Sho、vers―OfElllotion Theory

' 'け

寸 翔 太 …

Yぉuhiro MATSUNACA and Shota KOヽ

URA

(2014年10月 2日受 理)

In this paper,we practlce■ e manufacturing classes using tlle teaching materials based on showers oiemotion theory(SET),alad study tlle tralsformation of primary schoolchildren ln the manufacturing classes, children make the teaching materials and think about the mechanism and principle of its moving、vith their various emotions Mre considered the transformation of children by use of consciousness change analysis, work analysis, qtlestionnaire result,and interview hvesigatlon As a result of the practice,it becme clear tllat children had decreased veak point awareness for the tool and their concentration for the work had imprOved

Key words:Showers ofEmotlon Theory(SET),Buildung Approach Theory,Manufacttlring classes, Teaching material, 卜任echanism, Consciousness change analysis, VVork analysis, Questlonnalre

緒言

学習指導要領の改訂°により、小学校生活では、中学年以降の理科の学習を視野に入れて、

児童が 自然の不思議 さや面 白さを実感す るよう、遊びを工夫 した り遊びに使 うものを工夫 して 作 るな どの学習活動 を充実す るもの としている。小学校 図画工作力では、「生活や社会 とのか かわ り

,も

のをつ くる楽 しさな どの観点か ら

,手

や体全体 の感覚 を働かせて材料や用具などを 活用 してつ くった り

,身

の回 りの形や色

,環

境な どか ら感 じ取 ったことを伝 え合 った りす る」

とある。 また、「第3期、第4期科学技術基本計画」では、 ものづ くりを担 う子 どもたちを継 続的、体系的に育成 してい くために、幼い頃か らものづ くりの面 白さに馴染み、創造的な教育 を行い、子 ども自らが 知的好奇心や探究心 を持 って、科学技術 に親 しみ、 目的意識 を持 ちな が らものづ くり、観察、実験、体験学習 を行 うことによ り、 ものづ くりの能力、科学的に調べ る能力、科学的なものの見方や考え方、科学技術の基本原理 を体得で きるようにすることが強 調 されている。

この ような背景の もと、平成

2年

度文部科学省指定研究開発学校 において「持続可能な社会 の構築 を目指 し、考え、行動す る児童

 

生徒の育成 ―創造的な ものづ くり活動 を通 して 一

Jを

・技術教育講座

̀恵那市立恵那西中学校

119

(3)

松 永 泰 弘

テーマに掲 げ、小 中学校9年間を通 した新教科「み らい創造科が創設 された。 ここでは、 も のづ くり活動 を通 して、複限的な観察力及び思考力 を高めるとともに、緻密 さを重視 した技術 的能力 を習得 し、持続可能な社会の構築 に向けて行動する能力 を育てる授業 を実施 している。

また一方で、小学生 を対象 とした調査 においては、 ものづ くりに対する意欲 は非常 に高 く、

ものづ くりをしたい と感 じている子 どもたちは多いが、小学校5年生頃か ら急速に ものづ くり に対する意欲が低下する傾向が見 られることが報告 されている°。

そこで、本研究では、小学生の子 どもたちを対象 に、 ものづ くり活動 を通 して動 く原理やメ カニズム、不思議 を探究する教材 を用いた講座型 ものづ くり教室 を実施 し、教材の特徴や もの づ くり教室における子 どもたちの活動や意欲などを調べる。また、授業の評価に関 しては、行 動主義的アプローチ、認知主義的アプローチ、社会構成主義的アプローチを用いる。意識変化 分析法・行動分析法 を用いて子 どもたちの変容について考察する。 さらに、家庭での対話の中 か ら知 識 の社 会 化 につ い て考 察 す る。 講座 型 ものづ く り教 室 で は、Showers o■Emotion

Theory(SET)°

に基づ くものづ くり教材・授業構想 を用い る。Showers of EmouKln Theory

(SET)は

Hd&Renlmger(m06)Dの

「興味発達の鍛 階モデル」 を

Ryan&ped(2002)9

の「外発的動機づけか ら内発的動機づけに変容する諸段階」に適用 した理論であ り、感情の表 出と興味発達の段階が繰 り返 し出現する、教材 と授業 によって内発的動機づけを深化 させる理 論である。教材 には、遊びによる発達の促進 (Vygottky)の 考 えか ら、動 くお もちゃを中心

にものづ くり教材 として取 り上げる。

実践概要

2‑1 

講座型ものづ くり教室

本研究における実践の授業は、図1に示す流れを基本 として実施 した。本実践では「不思議」

をキーワー ドに、 ものづ くり活動 を通 して動 く原理やメカニズム、不思議 を探究す る授業 とし た。導入では、歩 くロボッ トやテープルクロス引 き等の動画、や りがんな 。のこぎり等 の実演 を通 して、不思議に興味 を持ち、製作 ,遊 びを通 して道具や材料 に触れるとともに、動 く原理 やメカニズム、不思議を探究す る授業構想 とした

ものづ くり活動 を通 して動 く原理や メカニズ ム、不思議 を探究す る授業構想 は、

Hidi&

Relaningerの「興味発達の4段階モデル」 を

Ryan&Deciの

「外発的動機づけか ら内発 的動機 づけに変容する諸段階」 に適用 したShowers‐

of Emoion Theory(SET)(感

情 の表 出 と興味 発達の段階が繰 り返 し出現する、教材 と授業 によつて内発的動機づけを深化 させ る考 え

)に

基 づいて構成する。

120

(4)

ShoWers‐of Emo■on Theo″ に基づ くものづ くり教材 を用いた小学生工作教室

    121

導 入

遊 び

まとめ

ものづくり教室の授業構想

小学生 を対象 とした ものづ くり教室実践 を以下の 日程で実施 した。

【場所】静岡市清水区

 

不二見生涯学習交流館

【日時】2012年9月 15日10月 6日20日

11月 10日17日12月1日 (全6回、土曜日)

【対象】小学校3〜 6年生

 

計8名

2‐

教材

本実践で使用した教材 と各テーマを表1に、使用 した教材を図2に示す。

本実践でのテーマ「不思議を探る

Jに

合わせ、

SETに

基づ き感情の表出と興味発達の段階 が繰 り返 し出現することを予汲1して開発 した

6つ

の教材を取 り上げ、追究点を設けて実践を 行った。「不思議」の追究点としては動 く模型の動作原理や、使用する道具の歴史や工夫点、

材料の性質などを小テーマとして設け、子 どもたちが「驚 きJ「おもしろさJ「不思議さJ「楽 しさ」「よろこび」「興味」「新鮮さJ「気づきJ「自由」「達成感」などの感情を伴って取 り組め ると考えられる題材を選んだ。学習する内容は高度な内容であり、授業内で子 どもたちが正 し い認識に至るとは限らないが、Btllldtmg ApprOacll Theoryl° 1つで提起 されている、子 どもが

自らの感覚や思考を通して外界を理解 し深化させてい くことの重要性に照 らせば、小学生の学 習段階での理解を促 し、成長とともにそれまでの認識が否定され、新たな認識に到達すること

になる。

通具・ 材料に触れる

'   

製作を通 して

(5)

教 材 小テーマ「不思議」の追究 ゆ らゴリ どうしてひもを移動するの?(慣性 の法則)

ひょこザ ル どうしてひもをのばるの?(摩擦)

受動歩 行模 型 どうして歩くの?(位置エネルギー)

は し 道具 の不 思議(かんな・道具)

曲 げ木 木が 曲がるつて本 当?(木材 の性質)

カラコロ プレゼントをつくろう1(他者を意識したものづくり)

松 永 泰 弘

 

河 村 翔 太

教材と小テーマ「不思議」

(a)ゆらゴ リ° (c)受動歩行模型

D

(d) は し (e)曲げ木

DD

使用教材

2(a)〜

(c)に示す動 くお もち ゃ教材 を用いた授業 モデ ルを以下 に示す。 また、授業終 了後 の家庭 において も、家族 に工作教室の様子や模型の動 く仕組 みな どを話す ことで、学 んだ こ との再構築や 自己肯定感、家族 の「驚 き」「楽 しさ

Jが

子 どもたちの内発 的動機づ けの深化 につ なが るこ とを想定 した。 これは1歳半の乳児 か ら持 ってい る「相手の認識 を推 し量 り、 自 発 的に情報 を提供す る能力」

nに

裏付 け られた ものである。

【導入】

驚 きや不思議さを伴 う動画

(BMW S1000RRの

テーブルクロス引きlつ

EVOLTAグ

ラン ドキャニオン登頂181、

Honda ASIMOり

および実験の提示により、製作への意欲、教材 に対する興味関心を誘起する

・動画

 

実験を見ての気づきがあり、それを自由に発言することにより授業に積極的に参加 する

驚きや不思議さから動 く原理を探究する

【製作】

・新 しい道具、電動工具、工作機械 との出会い、それを使って工作できたことの達成感

・製作することでわかる設計者の工夫

(b)ひ よこザル の

(f)カラコロ

(6)

Showers―Of Emoton Theoryに 基づ くものづ くり教材を用いた小学生工作教室

    123

・動 く教材 の製作 は生命の ない ものに命 を吹 き込 む作業、適度 な困難 さ、巧緻性・精度が要 求 され る、動 いた ことによる達成感

【遊び】【まとめ】

。他の人とおもちゃを使つた競争、模型の改良

遊びの中で動 く原理の探究、科学的データの共有、新 しい課題の発見

【家庭】

。兄弟との遊び、家庭での会話、家族の驚きや学び、誇 りを持つて説明する子どもの姿

2‑3 

参カロ者詳細

蜀 回のものづ くり教室に参加 した子どもたちあ基本情報を表2に、出欠状況を表3に示す。

参加者基本情報

兄弟│ものメ リは工作経潮 作つたことのあるもの 好きな教科 趨 味

男子A 3 0 体・口 奎 備 の 幸 着

男子B 4 島 好き ロボット 何かを作る

男子C 4 好 き レゴて色々 理 科 レゴ

男子D 6 ,12 大好き 貯金箱.火起こ曙 算・体・園 釣 リ 男子E 6

男子F 4

男子G 3 好 き 膚しゴムを飛ばす道Л 体・理 水泳

女 子A 3 0 好き ・社・理・音・図 図工・絵雄 く

本実践には小学校3年生3名、4年生3名、6年生2名の計8名が参加 した。講座前半に実施 した 基本アンケー トからは、参加者の多 くはものづ くりが好きな子 どもが多 く、また、これまでに もものづ くり経験があると答える子どもたちが多 く見 られた。 しか し、実際に作ったことのあ るものは組み立て式のロボットやレゴなどといったキット化されたものが多 く、道具を使つた 経験はほとんどないということがわかる。

2‑4 

評価手法

本実践では意識変化分析法・作業分析法・アンケー ト調査・インタビュー調査・授業者によ る観察 といつた5つの評価手法を用いて複合的にものづ くり教室を評価 した。各評価の手法に

出席状況

一回

一回

男子A O O 0 0 0 O 男子B O 0 O 0 0

男子C 0 0 O 0

男子D 0 0 O O 0 0

男子E 0 0 O O O O

男子 F O O

男子G 0 0 O 0 O 0

女 子A 0 0 O O O O

(7)

ついて以下 に述べ る。

意識変化分析グラフ例と回答例

臓しいな

サごく豪い

●●●しい'

"り ●し:

ぜ 畝崚∝ ●い

"0●

●●K壼,な1:

●●●,0い1

●●り0,かしく¨ ヽ ,ごくか

^産 !

●駆

"瀬

,こくわ●つた1 颯●"つ

¨ 山 ぜ 口

^わ etl

0ゆ■1墟

もつとつリヨll

●ぉやり ,

̀り やゆ碑く摯II やりたくなt=

12 松 永 泰 弘 河

 

 

 

ものづ くり教室 におけるカテゴリ表

71fり 力詢

1け力tt :印つ汗 ●り:をセする

a鰤

L●fり

"0

■かんを油チを

●●ttJやサンダ●籠う 5きりやボ→ レ壼を腱う 0沐工桂量を使う

3轟E●

=て

凛 み苦ゎせる L優 IH"誕 菫う 蜘 打ちやネジけ 4■■lr ,│● ttjがttる

11最け る

i蘭

^る.観椰け

0

,ユ凛 か

!4くらべる

15幅・粛封 6 ,戯ぶ 試す 6工.●│●●取り薇い

,■工奥●材料を出し入れ

1"""ヽ.取リウける lo ln姜する ●●する

,韓

│コ

24‑人で考える

2●K綱菫する

│1手仁夕 もらう

0■│■

11コ

31凛 えやすい出 へ■く 32●●やま選は ら蘇

や工異

342作皇へ薔ぐ 郎̀=ぶ ,

11靴・●●

五鋼醸tt● 手を差う :岬腱rrる

,族増する

1241● 38轟t・

,■持つ

,3菫 リ ̀0緯.うろうらする 01よそ見する

12XEけ 14アンケート に″ ‐ 樹К

2‐

4‑1 

意識変化分析法

.Im変化分析法は、ラッシユ (R h,1988)の 開発 した運勢ライン法a)の手法を参考にした 評価手法であ り、各場面

 

各工程での子 どもたちの意識の変イヒをグラフ化させる手法である。

本実践では意識の変化を測る指標を「楽 しい度」「難 しい度」「理解度」「や りたい度」の4つと 設定 した。理 のような意識変化分析グラフを作成 し、製作の進行に合わせ、各作業における 意識の度合いを子 どもたちがその都度、回答 してい くこととした。

2‐

4‑2 

作業分析法

作業分 析法 とは、 もともとIE(Indllstri」 EnJneerhg)20と 呼ばれる、生産作業 の効率化 を 求める評価手法のひとつである。本研究では作業分析法のひ とつである、上田 (1997)2のによ るカテゴリ表を改良 した作業分析を行 つてい く。

:0撃 科●●鳳菫●を見 21¬ 輌を口К =

口 示籠や作業部

=―トロ"

は してみせる

2ょ手伝う 綸動する

,゛

l■

¨

¨

¨

(8)

Showers―of Emotlon Theo,に基づ くものづ くり教材 を用 い た小学 生工作教 室

    125

子 どもたちの作業の様子をビデオ撮影 し、撮影 した動画をル を1単位 とし、その区間で子 ども たちがどのような活動を行うているのか、カテゴリ表の中から活動単位に分類 し、頻度を積算

していく。上田の表を参考にしたものづ くり教室におけるカテゴリ表を表5に 示す。

2‑4‐

アンケー ト調査

本研究では自由記述 をメインとしたア ンケー ト調査 を実施 した。質問の内容 は、感想、不思 議 についての理解度 (「なぜ動 くか説 明 して くだ さい」「道具 の秘密 について教 えて くだ さいJ

な ど

)を

主 として調査 を行 つた。

2‑4‑4 

インタビユー調査

連続型講座の第6回 目終了後、6名の参加者にインタビュー調査 を実施 し、その様子 をビデオ 撮影 した。質問の内容 は、「一番楽 しかつた教材J「一番楽 しか つた作業内容」「他 に どんな も

のがつ くりたいか

Jと

いつたことに加 え、教室全体の感想などを自由に回答 して もらった。

結果と考察

特徴的な現 われ として、第1回 日、第2回 日、第4回 目の意識変化分析法の結果 (子どもたち 全員の平均値

)を

図3に示す。

1回 目の意識変化分析グラフでは、「接着」の作業 において子 どもたちが他の作業 に比べ、

「楽 しくないJ「難 しい

Jと

感 じていることがわかる。 また、この ような傾向は、単発型の もの づ くり教室2)241る)において も同様 にみ られ、瞬間接着剤 を用いた作業 に子 どもたちは苦手意 識 をもっていることが これ までに も明 らか となっている。 しか し、第2回 目には、同 じような 作業内容だつたにも関わ らず、『楽 しい度

Jの

低下、F難しい度』 の上昇はみ られなかった。 こ れは、道具 を繰 り返 し使用することを通 して、子 どもたちが道具 に慣れ、音手意識が低下 して いることを示 している。 また、図

3(c)に

み られるかんな作業の際にも、同様 に道具 を繰 り返 し使用す ることで 『難 しい度』が低下 している傾向がみ られる。 このように、初めて扱 う道具 に対 して、は じめは「難 しい」「楽 しくない」 と評価 している子 どもが多 く見 られるが、繰 り 返 し作業 を行 うことで子 どもたちが道具 に慣れ、難 しい作業や道具 に対 して吉手意識が低下す

るとい うことが明 らか となった。

さらに、いずれの教室で も「の こぎりJ「ボール盤」な ど、普段使 うことがで きない道具 を 使 う作業 について、子 どもたちは「楽 しいJ「面白い」 と回答 してお り、アンケー トには、「 と て も難 しかったけ どたの しかつた」「す ご く楽 しくて どきどきした」な どといつた記述がみ ら れ (図4(a))、 道具 を使 う体験 を、喜びを持 つて行 っていることがわかった。これ らは、内発 的動機づけの深化 につながる有能感 を高める記述である。

インタビュー調査では、ほとんどの子 どもが楽 しかった作業 に釘打 ち・ボール盤・イヽ刀 。か んななどといつた作業 を挙げてお り、難 しかつた作業や、普段使 うことのない道具 を使用で き たことに対 して「楽 しかつたJ「また使いたい」 と回答 した。その理由として、「や りがんなと 台がんなの違いが面白かった」「小刀 を使 つて別な ものを作 りたい」「電動の機械が使 えて楽 し かった

Jな

どを挙げてお り、道具 を使用す る楽 しさ、難 しい作業 に挑戦す る記述がみ られた。

これ らは、内発的動機づけの深化 につながる有能感 を高める記述である。

(9)

126 松 永 泰 弘

 

河 村 翔 太

´´

=2

1

3

E

1

4

J3

2

E

↓ 1

楽しい度 むずかしい度

ピ どが dが ず    ぷ どが ¢がず

(a)第l回目 ゆ らゴ リ (n=7)

楽しい度 むずかしい度

 4

3

12

 1

ピ ど〆 ご゛ピ    ∫ どが ゛がバ

(b)第2回目 ひょこザル (n=7) むずかしい度

4

311B

2

1

最初の説明 かんな  =本目完成 2本日完成  しあげ

(c)第4回目 はし (n=つ 図

意識変化分析グラフ

竜 七 [ゝ ヽ 年 糀∵臀← 鰺 ず 槙 tヽ あ

(b)「かんなを使つた感想を教えてください」回答

ア ンケー ト記述

kてモし 方グ

̀う

`´

友 ′ザと` た′

̀分

,(

2'cftvl:t\" Cイ

(a)「感想を教えてください」回答

(10)

Sho、vers of Emotlon Theoryに 基づ くものづ くり教材 を用いた小学生工作教室

    127

また、参加者の一人はボール盤の作業 中に「穴があいた ときには音が変わるよ」「 ここを持 つ とうまく穴があけられるよ」などの発言がみ られた。教 える側 として、小学生がボール盤に よる穴あけ作業で音が変わることに気付いたことに驚か されただけでな く、音が変わったこと に対 して、穴が貫通 した とい う仮説 を立て、それを検証 している点が さらなる驚 きであつた。

さらに、第4回 目のかんなを使用 した際のアンケー ト記述 には、「むか しのかんな (や りがんな)

は大変だけど今のかんなはや りやすい」 といつた記述 も見 られた (図4(b))。 この ように、新 しい道具 に挑戦 し使用す ることで、単純 に楽 しさを感 じるだけでな く、道具の歴史や工夫 され た点や道具の特徴、 どの ように使用すればうま く使 えるか、 といつたことを追究 してい く姿勢

も養われることがわかる。

次に、作業分析法 により積算・算 出 した活動の推移 を図5に、カテゴリ別頻出度 を図6に、製 作作業別頻出度 を図7に示す。 これ らの結果か ら、参加 した子 どもたちの活動の実態や、各教 材 を製作する上でそれぞれの道具 をどの程度の時間使用 しているかが明 らか となった。

また、作業分析法 により得 られた数値か ら特徴的な子 どもの行動 も読み取 ることがで きる。

6,7に

示す男子B、 C、 女子

Aそ

れぞれの特徴 は、男子

Bは

集中力があまり続かず、す ぐに 遊んだ りふ らふ らす る傾向があ り、それに対 して男子

Cは

様 々な作業 に興味 を持 ち、積極的に 製作 に取 り組んでいる様子がみ られた。 また、女子

Aは

ボール盤に興味 をもち、丁寧に作業 を 行 つた り観察 している様子がみ られ、ポール盤の特徴 を発見す る姿がみ られた。 この ような授 業 中の様子が作業分析法の結果にも表れてお り、「

製作活動」のカテゴリにおける頻出度は、

男子

Bが

363に対 し、男子

Cは

517、 女子

Aは

450、 また、「

無意味活動」 カテゴリにおいて は男子

Bは

318、 男子

Cが

136、 女子

Aが 21と

なってお り、授業 中の観察 された傾向 を裏付 け る結果 を確認す ることがで きる。 さらに、「 きり。ボール盤での作業」においては、男子

Bが

92、 男子

Cが

110なのに対 し、女子

Aは

154と 他の子 どもたちよりも多 く作業 を行 つている様子 がわかる。 この ように、子 どもたちの活動の実態や特徴が数量的に表す ことが可能 となった。

また、作業の連続性 を明 らかにするため、作業分析結果か ら作業がカテゴリか ら他のカテゴ リヘ移動す る点 (他の作業へ移 った点

)を

数え、全体 の作業頻 出度で割つた値、「作業断切 率」

を算 出 した。結果 を表6に示す。第5回目は作業内容 自体が少な く、ほ とんどの時間「待つ ・遊 ぶ」 とい う「無意味活動」カテゴリで占め られていたため、極端 に低い数値 となっているが、

第1回目か ら比較すると、全体的に断切率 は低下 している。作業断切率は数値が高いほ ど作業 の連続性がな く、数値が低いほど連続 して作業 を行 つていることを示 してお り、回を重ねるご

とに子 どもたちが集中 して作業 に取 り組んでいることがわかる。

(11)

128 松 永 泰 弘

 

 

経 燿 餞 口(3) 男子C

,

3

0    200   400   611   8∞    10Ю9   1200   1400

番透峙置(つ

活動 の推移 (ひょこザル)

(1製作活動 2製作の援助活動

 3製

作に対する情報活動

 4有

意味活動 5無意味活動)

600

500

400 ヨ 300

200

100

O

■勇辛B 擦 男 子C

■        口女子

A

製作活動

 

援助活動

 

情報活動

 

有意味活動 無意味活動

カ テ ゴ リ別 頻 出度 (ひょこザル)

ざど∬どが辟 鑽び

製作作業別頻出度 (ひょこザル)

作業断切率

(/:欠

 

― :未撮影) 男子 B

男子

A

男子

B

男子

C

男子

D

男子

E

男 子

F

男 子

G

女 子

A

第 1回

22% 23%

第2回 18%

15%

14%

第3回 1511

14%

13%

第4回 15% 8%

第5回 6% 5%

8%

第6回

8% 15%

8%

(12)

Showers―orEmouon TheOryに 基づ くものづ くり教材を用いた小学生工作教室 129

次に、アンケー ト調査の一部抜粋 を図8に示す。

アンケー トの自由記述 には、模型の動作原理 を絵や言葉で表現 しているものが多 く見 られた。

授業中にも自分で作 つた模型 を何度 も動か して遊びなが らどうして動 くのか考 える姿や、受動 歩行模型の洗濯バサ ミの位置や坂の角度 を変 え、動 きにどの ような違いが出るか調べている様 子がみ られ、体感的に原理や仕組みなどの「不思議」 を解明 していることが うかがえた。

また、歩 く模型の動作原理 を考 える際に、「大や馬が歩 くの と同 じ」 な どといつた ように、

自分の過去の経験 と結び付 けなが ら考えている子 どもの姿 もみ られた。 これは、実体験 同士 を 結び付 ける深い理解 につなが る記述 といえる。 さらに、「理科が楽 しくで きる」「音がお もしろ い」「動 く原理がわかつて楽 しかつた」 といつた回答 もみ られ、本実践で使用 した教材が子 ど

もたちに多様 な視点か らの ものの見方や考 え方が生 まれていることがわかった。

ll̀ ぁつい

(ひょこサル)

J留

羊革 ,.た り

ζず Fう

(ひょこザル)

)Ffツ 貌だ ThlR属 わ 淵「

(受動歩行模型)

保護者のアンケー トを図9に示す。アンケー トには、「工作だけの講座か と思って最初参加 さ せ ましたが、それぞれのお もちゃにどんな力が働いているのか勉強になった。子 どももその力

(原

)の

ことに興味を持 つていました」「 自分で作 ったお もちゃなので、出来上がって買 つた お もちゃより大切 に扱い、大切 にするようになった」「(子どもが

)お

もちゃにどんな力が働い ているのか丁寧 に話 して くれま した」「つ くることだけではな く、原理 にも興味 を持 つていた 様子がわか りました」な どといつた記述が見 られた。本実践では ものを作 ることだけに主眼を 置いていたのではな く、その模型に働 く原理や法則 などの理科的要素 を多 く取 り入れた実践で あった。 これまでの ものづ くり教室 におけるね らいは、子 どもたちが ものづ くり活動 を通 して

アンケー ト結果

(13)

河 村 翔 太

原理 について考 え、生活概念 を構築する、また、それを家庭 に持ち帰ることで家庭のコミュニ ケーシ ョンの手段 とな り、さらに子 どもが親に説明 した り解説 した りすることで子 どもにとつ ての学習のフイー ドバ ックにつなが ることや、親 にほめ られることで 自己肯定感を感 じること がで きる効果が期待 されていた。本実践では、 これ らの効果があったと考 えられる。 さらに、

家族の感情「驚 きJ「楽 しさ」が子 どもたちの学習への動機の深化の可能性、社会的背景 をもっ た家族 と製作 した教材 についての対話か ら知識の社会化 につながる可能性が うかがえる。

不二見生涯学習交流館ものづくり教室

 

第 6回

 

カラコロ

1今回の講座を受鷹 された感想 を教 えて くださしヽ

2つ回のものづくり数室を通 して、何かお子様に変化はありましたか

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ていましたか?

お疲れ様で した !あ りがとうこさいました。

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保護者向けアンケー ト 130

2012/1,01

(14)

SkⅣers ofEmouon TheO呼 に基づ くものづ くり教材を用いた小学生工作教室

    131

結言

本研究で は、Showers―of Emotloll Theowに基づ くものづ くり教材・授業構想 を用い、児童 を対象 とした連続型 ものづ くり教室 を実施 し、授業 の評価 に関 して は、行動主義的アプローチ、

認知主義 的アプローチ、社会構成主義的アプローチ を用いた。意識変化分 析法・行動分 析法 な どの評価方法 を用いて子 どもたちの変容 について、 さらに、家庭での対話 の中か ら知識 の社会 化 について考察 した。本実践 で は同 じ子 どもを対象 とし、鋼 回 にわた りものづ くり教室 を実 施 したが、回を重 ねるごとに様 々な子 どもたちの変容が見 られた。意識変化分析法・作業分 析 法

 

ア ンケー ト調査

 

インタビユー調査・授業 中の観察 によって得 られた子 どもたちの特徴・

変容 は以下 の通 りであ る。

普段使 わない道具 を繰 り返 し使用す ることで、道具 に慣 れ、苦手意識が低下す ることが わか つた。

道具 を使用す ることで、単純 に楽 しさを感 じるだけでな く、道具の歴史や工夫 された点、

道具 の特徴 、 どの ように使用すれば うま く使 えるか、な ど道具 に対す る追究の姿勢がみ られた。

ものづ くり活動 を連続 して体験す ることで、 回数 を重 ね るごとに子 どもたちの作業 に対 す る集 中力が高 くなってい くことが明 らか となった。

模型 の動作原理や道具・模型 に隠 された製作者

 

設計者 の工夫 を追究 し、体感的に原理 や仕組みな どの「不思議」 を解明 してい る姿がみ られた。

家族 に工作教室 の様子や模型 の動 く仕組み な どを話す ことで、学 んだ ことの再構築や 自 己肯定感 につなが る様子があ らわれた。

また、作業分 析法 に より、子 どもたちの活動の実態

 

特徴 を数量 的に表す ことが可能 となっ た。 さらに、各教材 の特徴 を明 らかに した。

本論文 は、平成26年 度科学研究費補助金 (課題番号 :24501095)の援助 による。

参考文献

1)中

央教育審議会 :「幼稚 園、小学校、 中学校 、高等学校及 び特別支援学校 の学習指導要領 等 の改善 について (答)」 (21X18)

2)文

部科学省 :小学校学習指導要領

 

図画工作 (2008)

3)文

部科学省 :第3期科学技術基本計画 (2006)

4)文

部科学省 :第4期 科学技術基本計画 (2011)

5)み

らい創造科 ―上三川 町立本郷小学校 httpブ /w、

kaminokawatcgedjp/schoolhp/hongoele/?page ld=19 (2014年10月 3日確認)

6)土

井康作 :初等教育 における技術教育 の現状 と危機、 日本機械学会2006年 次大会講演資料 集(8)(2006)

7)松

永泰弘 :Showers―of Emclion Theorvに基づ く動 くお もちゃ ものづ くり授業 一授業 と家 庭 の連携 に よる内発 的動機づ けの深化 ―

日本産業技術教育学会第57回 全 国大会 (熊)

機械分科会講演要 旨集

,p4(2014)

8)S Hidi,K A Renninger:The Four― Phase卜

lodel of lnterest Development,

(15)

松 永 泰 弘 ・ 河 村 翔 太

EDUCATIONAL PSYCHOLOGIST,41(2),111‑127(211C16)

9)E L Deci&Rヽ

l Ryan:Handbook of SeliDetermination Research,University of Rochester Press(2∞2)

10)松

永泰弘 。中村玄輝 :教材用2足 前後型受動歩行模 型 の歩行 に関す る研 究、静岡大学教育 学部研究報告、人文 ・社会

 

自然科学篇60、 pp 225‑235(2009)

ll)松

永泰弘

 

杉 山雄也 :も のづ くり教室用題材 としてのひ もを伝 い移動す る模型の開発、 日 本産業技術教 育学会第

"回

全国大会

 

講演要 旨集、

p121(2012)

12)河

村翔太・松永泰弘 :アイロンを用いた曲げ木教材 の開発 、 日本産業技術教育学会 第55回 全 国大会

 

講演要 旨集、

p57(2012)

13)河

村翔太

 

鄭基浩

 

松永泰弘 :薄板 を用 いた曲げ木教材 の開発、第30回 日本産業技術教 育 学会東海支部大会

 

議演論文集、pp l17120(2012)

14)山

中さやか:保育における子 どもの「学び

Jに

関する検討:シェーファー

(Schater,GE)

の自己形成論 としての

Bldung観

に着 目して

:保

育学研究

,第

51巻2号,pp 154162(2013)

15)山

岸耕平 :ICSに おける

L∞

wledge build嗜'アプローチ と総合学習

,神

戸親和女子大学

研究論叢

34,A69A92(2001)

16)「赤ちゃん も教 えたが り 九大 未知の物推測 指 さす」毎 日新聞2014年9月 14日付 17)BMW SlKlllllRRの

YouTube動

画が175万ビュァを記録

http:〃respclnsejp/ande/2010/03/16/137411ht耐 (2014年10月 3日確認)

18)EVOLTA(エ

ボルタ

)グ

ラン ドキャニオン登頂 ドキュメン ト 【始動篇】

lttp://b10ggoonejp/36172/e/1732ccfaf2b8c6bfc9c21ed3ac8d8dda(2014年10月 3日確認)

19)HondaRobotics

http//w―

hondacojp/AЫ

MO/(2014年

10月 3日確認)

20)リ チ ャー ド・ホワイ ト/リ チ ャー ド

 

ガンス トン、中山迅 ・稲垣成哲監訳 :子 どもの学 び を探 る

 

知の多様な表現 を基底 に した教室 を目指 して、東洋館 出版社、第7章、p●137154

(1995)

21)藤

田彰久 :新版 IEの 基礎、建畠社 (1978)

22)上

田邦夫・宮野高広 :技術科 における生徒 を主体 とした実習の授業分析、 日本産業技術教 育学会誌、第39巻、第3号、pp 167‑176(1997)

23)松

永泰弘・河村翔太 :イヽ学生 を対象 とした ものづ くり教室教材の実践、第28回日本産業技 術教育学会東海支部大会

 

講演論文集、

pp潟

‑46(2010)

24)松

永泰弘

 

河村翔太 :多様 な世代が参加で きるものづ くり教室の評価規準の構想 と実践、

29回日本産業技術教育学会東海支部大会

 

講演論文集、pp3 6(2011)

25)松

永泰弘・河村翔太 :児童 を対象 とした ものづ くり教室 における運勢 ライン・行動分析 を 用いた評価手法の開発、第30回 日本産業技術教育学会東海支部大会

 

講演論文集、pp 12) 128 (2012)

132

参照

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