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第 4 回桜ヶ丘循環器カンファレンス 最新の不整脈治療 ~ おねだん以上 選べるしあわせ ~ 鹿児島大学病院心臓血管内科助教市來仁志 Reprint is prohibited. / 本資料の無断転載 複写を禁じます.-----

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(1)

2018.04.07

4

回 桜ヶ丘循環器カンファレンス

最新の不整脈治療

~おねだん以上・選べるしあわせ~

鹿児島大学病院 心臓血管内科

助教 市來 仁志

(2)

1. 心房細動に対するクライオ(冷凍凝固)アブレーション 2. リードレスペースメーカについて

3. 完全皮下植え込み型除細動器 (S-ICD) について

本日の内容

(3)

1. 心房細動に対するクライオ(冷凍凝固)アブレーション

2. リードレスペースメーカについて

3. 完全皮下植え込み型除細動器 (S-ICD) について

本日の内容

(4)

Haissaguerre M et al: N Engl J Med, 1998; 339: 659-666.

心房細動開始のきっかけとなる心房性期外収縮の約 90 % が 肺静脈内 から発生する

心房細動のきっかけ (APC)

(5)

心房細動に対するカテーテルアブレーション きっかけ に対する治療: 主に発作性心房細動に対する治療

基質 に対する治療: 主に持続性心房細動に対する治療

・肺静脈隔離術

・左房内線状アブレーション

・ CFAE アブレーション

(6)

PV isolation point

AF termination point during ablation

肺静脈隔離術

(7)

肺静脈隔離術後の心房細動早期再発

Das M et al. Circ Arrhythm Electrophysiol 2015; 8: 846-852.

肺静脈隔離術後の心房細動早期再発を認めた症例では 肺静脈

-

左房間再伝導を認めた肺静脈数が多い

ERATEarly recurrence of atrial tachycardia

(8)

肺静脈隔離術

CARTO VISITAGTM

(9)

肺静脈隔離術時の急性期再伝導予防 肺静脈隔離術後の心房細動再発

Andrade JG et al. Heart Rhythm 2014; 11: 1919-1924.

Contact force

モニター下の肺静脈隔離術では

LA-PV

再伝導が少なく、心房細動再発率も低い

(10)

クライオバルーン

クライオバルーン:

-80℃

程度での冷凍凝固によりアブレーションを行える

バルーンの先にリング状カテーテルがついており、肺静脈電位を確認しな

がらアブレーション可能

(11)

クライオアブレーション

左上肺静脈

左下肺静脈 右上肺静脈

右下肺静脈

LAO 45°

(12)

クライオアブレーション

左上肺静脈

左下肺静脈 右上肺静脈

右下肺静脈

RAO 30°

(13)

クライオアブレーション

肺静脈隔離術前 肺静脈隔離術後

(14)

高周波アブレーションとクライオアブレーションの比較

Kuck KH et al. NEJM 2016; 374(23): 2235-2245.

(15)

高周波アブレーションとクライオアブレーションの比較

Kuck KH et al. NEJM 2016; 374(23): 2235-2245.

(16)

高周波アブレーションとクライオアブレーションの比較

Kuck KH et al. NEJM 2016; 374(23): 2235-2245.

(17)

高周波アブレーションとクライオアブレーションの比較

Kuck KH et al. NEJM 2016; 374(23): 2235-2245.

(18)

Kuck KH et al. NEJM 2016; 374(23): 2235-2245.

高周波アブレーションとクライオアブレーションの比較

(19)

クライオアブレーション後の心房細動非再発率

(20)

症例経験の異なる施設における有効性のばらつき

-

クライオバルーン群

vs

高周波

(RF)

-

Rovidencia R et al. Europace 2017; 19(1): 48-57.

(21)

高周波アブレーションとクライオアブレーションの比較

Khairy P et al. Circulation 2003; 107(15): 2045-2050.

クライオアブレーション 高周波アブレーション

(22)

高周波アブレーションとクライオアブレーションにおける無症候性脳塞栓の比較

Gaita F et al. J Cardiovasc Electrophysiol 2011; 22(9): 961-968.

(23)

クライオアブレーションの適応

薬剤抵抗性の有症候性の発作性心房細動症例

肺静脈隔離術で治療できる症例が適応

(24)

クライオアブレーションが適さない症例

・持続性心房細動症例

→ 特に左房拡大症例で、左房に対するアブレーショ ンも必要となる可能性が高いため

・肺静脈の形態変化がある症例

→ 左肺静脈共通幹

右中肺静脈が存在する症例

左房 - 肺静脈接合部の屈曲が目立つ症例

肺静脈隔離術のみで治療できない症例・クライオバルーンが肺静脈

入口部にうまくはまらない症例は、クライオアブレーションには不適

(25)

クライオアブレーションの利点

・術者の経験によらず、画一的な肺静脈隔離術が施行可能

・肺静脈隔離完成に要する時間が短く、手技時間が短縮される

・アブレーション中の痛みは非常に稀

・理論的には血栓形成性が少ないと考えられている

患者様に優しいアブレーション治療

(26)

クライオアブレーションのマイナス面

・肺静脈隔離以外 ( 左房アブレーション ) には適応できない

・高周波と違い、肺静脈隔離ラインが解剖学的理由で決定される

・高周波と比較して、右横隔神経麻痺の合併頻度が高い

・クライオバルーン挿入用のシースが太い (15Fr)

・クライオコンソール導入の費用が高価

すべてにおいて優れているわけではないが、

重大なマイナス面もない

(27)

1. 心房細動に対するクライオ(冷凍凝固)アブレーション 2. リードレスペースメーカについて

3. 完全皮下植え込み型除細動器 (S-ICD) について

本日の内容

(28)

現在のペースメーカ患者における課題

1. リード・ポケット関連の合併症

・リード関連合併症:術後5年で約8%

・皮下ポケット関連合併症:術後5年で約11%

2. 外科的な皮下ポケット作成やリード挿入による患者負担

Udo EO, et al: Heart Rhythm 2012;9: 728-735

(29)

現在のペースメーカ患者における課題

3. ペーシング治療アクセスの制限

・鎖骨下静脈アクセスに制限があり、開心術も出来ない場合の代替手段がない 4. 植え込み後の課題

・ペースメーカ植え込み側の上腕の激しい運動の制限

・皮下ポケットによる美容上の問題

・患者自身が触ることによるペースメーカの転回 (twiddler症候群)

Udo EO, et al: Heart Rhythm 2012;9: 728-735

(30)

リードレスペースメーカ

Micra

®

: Medtronic

(31)

リードレスペースメーカ

Micra

®

: Medtronic

(32)

リードレスペースメーカ

Micra

®

: Medtronic

(33)

リードレスペースメーカ植え込みシステム

Micra® : Medtronic

(34)

リードレスペースメーカ植え込みの実際

1. 右大腿静脈より専用システム(27Fr)を挿入。

2. 右室中隔心尖部側にリードレスペースメーカ留置(タインで心筋に固 定)。

3. ペーシング閾値等の測定値に問題なければ、システム抜去。

<推奨される範囲>

閾値:≦1.0V/0.24ms、R波高値:≧5mV、抵抗:400~1500Ω

4. 右大腿静脈創部は、8字縫合および二重巾着縫合、用手圧迫にて止

血。抜糸は、24時間後(2日目の朝)に行なう。

(35)

リードレスペースメーカ植え込み手技の実際

Micra® : Medtronic

(36)

リードレスペースメーカ植え込みシステム

Micra

®

: Medtronic

(37)

1. 心房細動を併発した症候性の発作性または慢性の高度 房室ブロック

2. 心房細動を併発しない症候性の発作性または慢性の高 度房室ブロックを有し、心房へのリード留置が困難または ハイリスクあるいは効果的と認められない場合 (Dual

chamber pacemakerの代替手段)

3. 症候性の徐脈頻脈症候群または洞不全症候群で、心房 へのリード留置が困難またはハイリスクあるいは効果的と 認められない場合 (心房ペーシングまたはdual chamber pacemakerの代替手段)

リードレスペースメーカの適応

(38)

リードレスペースメーカの利点

1. リードが不要であるため、デバイス感染のリスクが低い。

2. 前胸部に切開創が残らない。

3. 入院期間が短縮される。

Kalbfleish SJ, Langberg JJ.

(39)

リードレスペースメーカの欠点

1. モードが、VVIRのみしか選択できない。

2. 植え込みの際に大腿静脈から植え込み専用の27Frシース を挿入する必要がある。

3. 通常のペースメーカと比較して、植え込み時の心タンポナ

ーデ発生率がやや高い。

(40)

リードレスペースメーカの電池寿命

1. 電池の予測寿命は、約12.5年

2. 電池寿命の切れたペースメーカの抜去は困難(おそらく不可能) 3. 旧ペースメーカは電源オフにして、新規のリードレスペースメー カを追加する。

4. 右室内に留置できるペースメーカは、3個ぐらいが限界 (留置ス ペースの問題、閾値の問題)

若年者への植え込みの際には、考慮が必要

(41)

Reynolds D, et al: NEJM 2016;374(6): 533-541

(42)

対象

Reynolds D, et al: NEJM 2016;374(6): 533-541

(43)

エンドポイント

Reynolds D, et al: NEJM 2016;374(6): 533-541

【安全性に関する 1 次エンドポイント】

システム関連あるいは手技関連の合併症を認めないこと

【有効性に関する 1 次エンドポイント】

・ 6 ヵ月後のペーシング閾値が 2.0V/0.24ms 以下であること

・植え込み時と比較しての閾値上昇が 1.5V/0.24ms 以下で

あること

(44)

リードレスペースメーカ植え込み後の合併症回避率

Reynolds D, et al: NEJM 2016;374(6): 533-541

(45)

リードレスペースメーカ植え込みに関連した合併症

Reynolds D, et al: NEJM 2016;374(6): 533-541

(46)

リードレスペースメーカ植え込み後のペーシング閾値・心内波高

Reynolds D, et al: NEJM 2016;374(6): 533-541

(47)

リードレスペースメーカ植え込み後の合併症率

-

経静脈的ペースメーカと比較

-

Reynolds D, et al: NEJM 2016;374(6): 533-541

(48)

1. アクセス血管がない場合(鎖骨下静脈閉塞、CVポート留 置例など)

2. デバイス感染既往例、感染リスクの高い症例

→血液透析、慢性皮膚疾患、ステロイド服用、tattoo 3. 徐脈性心房細動でVVIペーシングの適応症例

4. ADL低下や認知機能低下のある高齢者

5. 美容的に前胸部の切開創が気になる若年女性

リードレスペースメーカの良い適応 – 具体例

(49)

リードレスペースメーカ植え込みの実際

【症例】 86歳、女性

【診断名】 #1. 完全房室ブロック

#2. 慢性腎不全(維持透析)

#3. 中等度大動脈弁狭窄症/中等度僧帽弁閉鎖不全症

#4. 慢性C型肝炎

【現病歴】 2013年より、紹介医にて慢性腎不全に対して血液透析導入(左 前腕にシャントあり)。

2017年12月より、透析時に高度房室ブロックを認めていた。歩行中の転倒 歴数回あり。

2018年1月、透析目的で紹介医受診した際に、完全房室ブロック(HR:20~

30/min)を認めたため、当院へ紹介搬送。

→同日、冠動脈造影にて有意狭窄認めず、一時ペーシング留置。

(50)

入院時心電図

完全房室ブロック、HR:25/min、P rate:80/min、QRS幅:160ms

(51)

慢性皮膚炎

(52)

リードレスペースメーカ植え込み後胸部X線

(53)

リードレスペースメーカ植え込み後 心電図

All VVI pacing、HR:70/min、QRS幅:160ms

(54)

1. 心房細動に対するクライオ(冷凍凝固)アブレーション 2. リードレスペースメーカについて

3. 完全皮下植え込み型除細動器 (S-ICD) について

本日の内容

(55)

完全皮下植え込み型除細動器 (S-ICD)

EMBLEM

®

: BostonScientific

(56)

完全皮下植え込み型除細動器 (S-ICD)

EMBLEM® : BostonScientific

(57)

完全皮下植え込み型除細動器 (S-ICD)

EMBLEM

®

: BostonScientific

(58)

完全皮下植え込み型除細動器 (S-ICD)

EMBLEM

®

: BostonScientific

(59)

S-ICD 植え込み手技の実際 –スクリーニング-

EMBLEM® : BostonScientific

臥位・坐位・立位のうち 2つ以上でパスする誘 導があればOK

運動負荷時も確認す

ることが望ましい。

(60)

S-ICD 植え込み手順

EMBLEM® : BostonScientific

(61)

S-ICD 植え込み手順

EMBLEM® : BostonScientific

ジェネレーターのサイズが大き

いので、前鋸筋と広背筋の間に

ジェネレーターを広背筋の下に

潜り込ませるように置く

(62)

S-ICD 植え込み後の創部

EMBLEM® : BostonScientific

(63)

1. 徐脈に対するペーシングが不要な心室細動蘇生後 (特 発性心室細動など)

2. 心室頻拍に対する抗頻拍ペーシングや両室ペーシング が不要な症例

3. ICD 植え込みの適応があるが、デバイス感染の既往が ある症例や鎖骨下静脈閉塞がある症例

4. ICD植え込みの適応があるが、ステロイドや免疫抑制剤 内服中などの易感染症例

S-ICD の適応

(64)

S-ICD の欠点

1. 徐脈に対するペーシングや心室頻拍に対する抗頻拍ペー シングが出来ない。

2. 意識消失を伴わない心室頻拍に対しても頻拍レートによっ てはショック作動が生じる。

3. 通常の経静脈リードを使用する ICD と比較して、植え込み 手術時の痛みが強い。

4. スクリーニングをパスしないと植え込み出来ない。

→T波のオーバーセンスに伴う不適切作動のリスクが高い

(65)

Brouwer T.F, et al: JACC 2016;68(19): 2047-2055 S-ICD

と経静脈的

ICD

との比較

(66)

S-ICD

植え込み後の合併症率

-

経静脈的

ICD

との比較

-

Brouwer T.F, et al: JACC 2016;68(19): 2047-2055

(67)

S-ICD

植え込み後のデバイス関連合併症

-

経静脈的

ICD

との比較

-

Brouwer T.F, et al: JACC 2016;68(19): 2047-2055

(68)

S-ICD

植え込み後の作動率

-

経静脈的

ICD

との比較

-

Reynolds D, et al: NEJM 2016;374(6): 533-541

(69)

S-ICD 植え込みの実際

【症例】 59歳、男性

【診断名】 #1. 心室細動蘇生後→ICD感染抜去後

#2. 慢性心房細動

#3. 化膿性脊椎炎→改善後

#4. 甲状腺Ca.疑い

【現病歴】 2011年より、慢性心房細動、頻脈誘発性心筋症疑いにて、大阪 の病院で定期外来follow中であった。

2016年、心室細動にて蘇生され、他院にて植え込み型除細動器(ICD)植え 込みを施行された。

2016年8月より、転居に伴い、当院外来followを開始されたが、同年12月に

ICDポケット感染、感染性心内膜炎(起炎菌:MSSA)を生じ、他院にてICDシ

ステム全抜去された。併発した化膿性脊椎炎に対する抗生剤投与が終了

した後、S-ICD 植え込み目的にて当院紹介入院。

(70)

S-ICD 植え込み後胸部X線

EMBLEM® : BostonScientific

(71)

かかりつけ医 専門医

紹介

アブレーション検討症例

アブレーションの検討が必要な患者様

大学病院不整脈外来へ御紹介下さい。

(

不整脈外来:月、水、木

)

外来にて適応判断

適応があれば入院予約

予定入院

(72)

3

ヵ月後 大学病院外来再診

6

ヵ月後 大学病院外来再診

(

アブレーション効果判定

)

定期外来受診・定期内服処方

をお願い致します。

かかりつけ医

専門医 逆紹介

定期的な受診

アブレーション後の follow up

参照

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