九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
超臨界相吸着による芳香族化合物異性体の高度分離 に関する研究
内田, 博久
九州大学工学化学工学
https://doi.org/10.11501/3134994
出版情報:Kyushu University, 1997, 博士(工学), 課程博士 バージョン:
権利関係:
第4章 ジメチルナフタレン異性体の液相 吸着における吸着挙動
4.1
試料
溶媒であるかオクタンとしては、 ナカライテスク側製の特級試薬( 純度98.0%以上) をそのまま使用した。
分離対象物質である 2,6-および2,7-ジメチルナフタレン(D�創)は、 それぞれ和光 純薬工業側製の特級試薬(2,6-D�必J,純度99.0%以上; 2,7-D1心.J,純度98.0%以上)を使 用した。 実験には、 第 3 章で用いた実験装置による超臨界流体抽出であらかじめ揮
発性不純物等を取り除くことにより純度を高めたものを使用した。
吸着剤としては、 第3章において2,6-および2,7-D1心J異性体分断に対して最も分 離効果が高いことが確認された N aY型のペレット状ゼオライト(東ソー側製HSZシ リーズ320NAD;物性値に関しては第3章のTable3.1を参照)を使用した。 実験では、
このゼオライト吸着剤を乾燥器により393.2 Kで24時間乾燥させたものを使用した。
ガスクロマトグラフィ一分析用のキャリアガスとしては住友精化側製高純度窒素 ガス(純度99.999%以上)、水素としては日本酸素附製高純度水素ガス(純度99.99999%
以上)のものをそのまま使用した。
4.2
実験装置
本研究では、 恒温水槽内に吸着セルを静置した静置法により実験を行った。 以下 に、 装置の詳細を示す。
[IJ恒温水槽(water bath)
恒温水槽としては、 ヤマト科学側製の水槽MODEL BT-35を使用した。 また、 水 温の制御には、 大洋科学工業側製の水槽用恒温器THERMO MINDER H-1 00 を使用し
[2]吸着セル(adsorption cell)
吸着セルとしては、 岩城硝子側製の三角フラスコ(内容積100 mL)を使用した。
[3J乾燥器(dηing oven)
乾燥器はヤマト科学側製のMODEL DS-42型乾燥器を使用した。
[4]天秤(balance)
天秤は 附島津製作所製のL2-Jを使用した。 重量は0.1 mgまで測定可能で、ある。
[5]ガスクロマトグラフィー(gas chromatography)
ガスクロマトグラフィーは、 岡島津製作所製のガスクロマトグラフィー GC-8A(水 素炎イオン化[FID]検出器)を使用した。 ガスクロマトグラフィーに設置した カラム
は、 キャピラリーカラム(長さ50 m�内径0.2 mm)を使用し、 充填剤は液相として D1心�-267 を使用した。 分析条件は、 カラム温度140 oC, 気化室温度260 oC, キャリ アガス(窒素)の入口圧力0.078恥1Pa, 流速0.3mL min-1, Split比90 : 1, Scavenger速度 40 mL min-\水素の入口圧力0.049 MPa, 空気の入口圧力0.049 MPaである。 エアー コンプレッサーには、 日本ジュコマティッ ク附製LGH210 型を使用した。 データ処 理には、 側目立製作所製のD-2500形クロマトデータ処理装置を使用した。
4.3
実験方法
精秤 した2,6-および2,7-D1⑪Jを50 mLのかオクタンに溶解させ、 混合溶液を調製 した。 溶液の濃度は、 溶媒であるかオクタンに対する 2,6-および 2.7圃D1企Jの溶解度 が、 温度308.2 K,圧力14.8MPaにおける超臨界二酸化炭素に対する溶解度(Y2.6 = 3.8
x 10・1yu=5 5×10勺3勺こ等しくなるように 調製した。 調製した溶液に1 gのゼ、オラ イト吸着剤を加え、 実験温度に調節した恒温水槽内に 48 時間静置した。 静置時間に
関しては、 24, 48および72 時間と変化させて実験を行い、 得られた結果を検討した 結果、 48時間で十分であることを確認した。
吸着平衡達成後、溶液から直接0.2μLサンプリングし、溶液中の2.6-および2.7-D1心J の濃度をガスクロマトグラフィーにより分析した。濃度決定のための較正曲線は、2,6- および2,7-D1必Jの濃度が既知で、ある数種類の溶液を用いて 作成した。 2,6-および
-69圃
2,7・Dtv⑪Jの吸着量は、 溶液中の2,6・および2,7-Dtv到の初期濃度と平衡後の濃度を用 いることにより物質収支より計算した。
実験は大気圧下, 温度308. 2 Kで、行った。 2回の実験を行い、 データの再現性を確 認するとともに、 その平均値を測定値とした。
4.4実験結果9,40, 134)
本研究では、 第3章と同様に、 吸着分離係数Kと成分iの平衡吸着量 Q;をそれぞ
れ次式のように定義した。
04一νJ
q一y一一K
(4.1)
Q; = q; /-wノzeo (4.2)
ここで、 Q2,6およびQ2.7はそれぞれ 2,ふおよび2,7-DM1ぜの吸着量、 Y2.6およびY2.7は 溶液中の2,6-および2,7-D乱⑪Jの濃度である。 また、 w は用いたゼオライト吸着剤 の重量である。
得られたKとQ;の実験結果をTable 4.1に示す。 本実験値の再現性は、 KおよびQ;
それぞれに関して+50/0以内であった。 また、 NaY型ゼオライトを用いた液相吸着分 離の場合のKの文献値として、InuiとPU3乃により得られた温度308.2Kにおける値(溶 媒, シクロヘキサン)および、 Rotaら問により得られた温度308.2Kにおける値(溶媒 ルオクタン)を比較として Table 4.1に示す。 ただし、 InuiとPUは流通法により測定 を行っており、 Rotaらは本研究と同様である静置法を用いている。 これより、 本研 究の結果は、 同様の実験により得られたRotaらの結果とほぼ一致しており、 本研究 の結果が妥当であるといえ る。 一方、 Inuiと PUの結果は、 本研究およびRotaらの 結果とわずかに異なっているが、 これは本研究およびRotaらが用いた測定法とInui とPUが用いた測定法の差異および、 用いた溶媒の差異によるものと考えられる。
Table 4.1 Separation Coefficients of Adsorption, K and Saturated Adsorption Amounts, Qi for Liquid Phase Adsorption Using NaY-Type Zeolite.
T(K) This work 308.2
lnui and Pu a 298.2
Rota et al. b 298.2
a Ref. 37.
b Ref. 99.
K(ー)
1.4 0.95
1.3
Q2.6 (g/g of zeolite)
0.056 0.094 0.065
-71-
Q2.7 (g/ g of zeolite)
0.114 0.0986 0.085
り得られた 値とほぼ同様であるが、 概してKの値は超臨界相吸着分離によるも のよ り小さく、 分離効果が低いことがわかる。
4.5本章の総括
本章では、 液相吸着分離による2,6・および2,7・DM1ぜ異性体混合物の分離の可能性 について示した。 その結果、 液相吸着においても、 2,7-DI\心Jが選択的に吸着される ことが示された。 しか しながら、 液相吸着分離は超臨界相吸着分離より平衡吸着量 は大きいが、 分離効果は低いことが確認された。 このこと より、 超臨界相吸着分離 の有効性が示された。
第5章 インパルス応答法によるジメチル ナフタレン異性体の超臨界相吸着に
おける吸着特性の解明
5.1
試料
超臨界流体クロマトグラフィーの移動相である超臨界流体としては、 住友精化側 製の高純度液化炭酸ガス(純度99.9 %以上)をそのまま使用した。
2,6-および2,7-ジメチルナフタレン(D�心�)は、 それぞれ和光純薬工業側製の特級試 薬(2,6-D�心�,純度99 0%以上: 2.7-D1心d純度9. 8.0%以上)を使用した。 実験には、 第
3章で用いた実験装置による超臨界流体抽出であらかじめ揮発性不純物等を取り除く ことにより純度 を高めたものを使用した。
サンプル溶液用溶媒として、和光純薬工業側製のかヘキサン( 特級試薬i純度9 6.0%
以上)を使用した。
吸着剤としては、 第3章において2.6-および2.7-D1企4異性体分離に対して最も分 離効果が高 いことが確認された NaY型のペレット状ゼオライト(東ソー側製HSZシ リーズ320NAD;粒子径, 1. 5 mm;細孔径, 0.8 nm;粒子空隙率, 0.15 ; 吸着剤粒子密度,
9 70 kg m-3;全ての値は東ソー附のカタログから引用;他の物性値に関しては第 3 章 のTable 3.1を参照)を使用した。 実験では、 このゼオライト吸着剤 を乾燥器により
39 3.2 Kで24時間乾燥させたものを使用した。
5.2
実験装置
5.2.1
装置の概要
本研究で は 、 実験装置として超臨界流体クロマトグラフィー(日本分光 附製 SUPER-201型システム1)を用いた。 装置の概略図をFigure 5.1に示す。 ガスシリン ダー(1)から送られた二酸化炭素は冷却器 ( 3)により 冷却され、 ガス供給ポンプ(2)によ り加圧される。 加圧された二酸化炭素は、 予熱カラム(6)により加温され超臨界流体 となる。 系内の圧力は、 背圧弁(13)により所定の圧力に調整する。 系内の圧力はブル
-7 3-
4 5 12 13
『,B'
'J下AS
15 14
gas cylinder 7. in
j
ector 13. back岨pressure re gulator2. feed pump 8. switching valve 14. なap
3. cooling unit 9. adsorption column 15. wet gas meter
4. digital pressure gauge 10. UV detector 16. thermostated bath 5. safety valve 1l. personal computer
6. preheater 12. precision Bourdon pressure gauge VI-3. stop valve 10
、
、
‘ ー ー ー 圃 圃 ・・ 園 田 園・ 圃 圃 圃
16
ドン式精密圧力計(12)により測定する。 溶質はサンプルインジェクター (7)から導入 し、 スイッチン グバルブ (8)を切り替えることにより、恒温槽(16)内に設置 した吸着 カラム(9)に送る。 吸着カラム出口における応答は、 紫外可視(UV)多波長検出器 (10) により検出する。 紫外可視(UV)多波長検出器により検出された応答はパーソナノレコ ンピュータ (11)に取り込み、 紫外可視(UV)多波長検出器ソフトウェア(日本分光岡製
DP -L 910/915 Ver.8. 2.2)により処理する。
5ム2
装置の詳細
本研究で使用した超臨界流体クロマトグラフィー の仕様は、設計圧力34.3 MPa,常 用圧力 29.4 MPaである。 以下に、 装置の詳細を示す。
[1]ガス供給ポンプ(2.feed pump)
ガス供給ポンプは、 日本分光岡製の液化炭酸送液用ポンプPU・986 を使用した。 仕 様は、 流量範囲0.2-20mL min-1 設計圧力35 MPa 常用圧力30MPa 吸入圧力 4-6 MPa, 最大吐出圧力50MPa (10 mL min-1) 設計温度40 Oc 常用温度-5-40 Ocである。
[2]冷却器(3. cooling unit)
ガス供給ポンプ のヘッド部分に 冷却液を循環させることにより、 二酸化炭素を冷 却し液化させた。 冷却液は、SCINICS Scientific In str umen ts 製のCoo l Circulato r CH-20 1 により冷却した。 冷却液は、 側オムロン製の温度調節器E5BXにより-5 Ocに保った。
[3]安全弁(5. safety valve)
安全弁は、 岡武井製作所製の揚程型安全弁 06F43-CM を使用した。 仕様は、 設計 圧力37.3恥1Pa,常用圧力 29.4 MPa,設計温度-196-200 oc ,常用温度40 Ocである。
[4]サンプルインジェクタ一(7. injector)
サンプルインジェクターは、Rl王EODYNE,Inc 製のステンレス製インジェクタ
Mode17125を使用した。仕様は、材質 S US316,設計圧力34.3乱。a (常用圧力29.4MPa) , 設計温度100 Oc (常用温度80 OC)である。ループ サイズは20μLである。
[5]スイッチングバルブ、(8. switching valve)
スイッチンクゃバルブは、RHEODYNE, Inc.製のステンレス製 6 ポートバノレブ、Model
-75 -
7000を使用した。 仕様は、 材質SUS316設計圧力34.3恥1Pa(常用圧力29.4孔1Pa) ,設 計温度100 Oc (常用温度80 Oc)である。 スイッチングρバルブ、は、 町側と OUT側の 2つの流路に切り替えることが可能であり、 問側に切り替えた場合は吸着カラム側 に切り替わり、 OUT倶.1]に切り替えた場合はバイパ スライン側に切り替わる。
[6J吸着カラム(9.adsorption column)
吸着カラム は、 ジー エルサイエンス側 製分析用ステンレス空カラム(ONタイプ )を 使用した。 仕様は、 材質SUS316,外径3/8 inch, 内径7.6 mm,長さ250 mmである。
吸着カラムの両側には、 2 J11l1のフ ィルターが設置しである。
[7J紫外可視(UV)検出器(10. UV detector)
紫外可視(UV) 検出器 は、 日本分光附製の紫外可視(UV)多波長検出器孔1D-910 を 使用した。 仕様は、 測光方式:シングルビーム測光方式, 測定波長 195-650 nm, ス ペクトル バンド幅3.6nm 測定 吸光度範囲0-2.56 AU, 光源:重水素ランプならびに
ヨウ素ランプ(同時点灯) , 時間積算0.1,0.2,0.4, 0.8, l.6 s,波長積算1,2,4, 8, 16 nmで あり、 SCSI通信によりパーソナルコンヒ。ュータにデータを転送することが可能であ る。 また、 フローセル は日本分光附製の高耐圧セルを用いた。 仕様は、 材質 SUS316
およびサ ファイア ,設計圧力34.3 MPa, 常用圧力29.4 MPa,設計温度100 oc, 常用温 度80 0C, 光路長5 mm, 内容積4X 10・9 m3である。
[8Jパーソナルコンビュータ(11.personal computer)
紫外可視(UV)多波長検出器により検出された応答は、 側DELL 製のパーソナノレコ ンビュータ OptiPlex GXL 5133 (CPU Intel P entium プロセッサ 133お任Iz)に取り込み、
紫外可視(UV)多波長検出器ソフトウェア( 日本分光岡製DP-L910/915 Ver.8.2.2)によ り処理した。
[9]ブルドン式精密圧力計(12. precision Bourdon pressure gauge)
圧力計は、附長野計器製作所製のブル ドン式精密圧力計GP35-141(精度+0.15% FS) を使用した。 最大使用圧力は35 MPaである。
デジタル圧力計(4. digital pressure gauge)が付属されている。
[IIJ トラップ(14. trap)
トラップは、 岩城硝子側製の三角フラスコ(内容積100 mL)を使用した。
[12]湿式ガス流量計(15. wet gas meter)
流量計は、 附シナガワ製の湿式ガスメータW- NK-0.5Bを使用した。 この流量計に より、 1 mLまでの精度で測定可能である。 本研究における流量測定の対象流体は二 酸化炭素 であるため、 使用前に流量計内の水を二酸化炭素により飽和させた。
[13J恒温槽(16. thermostated bath)
恒温槽は、 日本分光岡製のカラムオーブンCO-965を使用した。 温度制御範囲は室 温+10-80 Ocであり、 +0.1 Oc以内の精度で制御可能で、ある。
[14Jストップバルブ(Vl - 3. stop valve)
ストップバルブは、羽守丑TEY社製のストップ弁SS-410-FP-恥但( SNO- TRIK)を使用 した。仕様は、材質SUS316, 設計圧力5l.5 MPa, 常用圧力29.4孔1Pa, 設計温度100 oc ,
常用温度80( -5 -40) Ocである。
[15]シリンジ(syringe)
サンプルを導入するためのシリンジとしては、 HM但LTON 社製のマイクロシリン ジ 702 SNR( 容量25μL)を使用した。
[16J天秤(balance)
天秤は、 MET TLER TOLEDO社製のメトラーAT400天びん(電子天秤)を使用した。
仕様は、 読取限度0.1 mg,秤量範囲0-405 gである。
[17]乾燥器(dηing oven)
乾燥器は、 ヤマト科学側製の乾燥器MODEL DS-42を使用した。
-77 -
5.3
実験方法
まず、 吸着カラム(9)にあらかじめ秤量しておいたゼオライト吸着剤を充填し、 恒 温槽内の所定の位置に設置した。次に、 実験装置を全て稼働させ装置の全てが正常 に作動していることを確認した後実験を開始した。 本研究では正確な移動相流速が 必要となるため、 インパルス応答実験を行う前に実験条件における移動相流速(空塔 速度)を測定した。 移動相流速は、 スイッチングバルブ(8)をO目側に切り替えるこ とによりバイパスラインに一定時間、 移動相である超臨界二酸化炭素を流し、 その 流量を湿式ガス流量計(15)により測定することにより決定した。 このとき湿式ガス流 量計で測定される流速は大気圧下の流速であるため、 Adachi 1)らの提案した5 パラメ ータ3次状態方程式CAppendix 1参照)により計算した超臨界状態の二酸化炭素の密 度を用いて、 大気圧下の流速を超臨界状態下の流速に換算した。 移動相の流速測定 後、 スイッチング、バノレブをIN側に切り替えることにより、 吸着カラムに超臨界二酸 化炭素を導入し、 移動相流速が一定になったことを確認した後、 インパルス応答実 験を開始した。 希釈後の溶質濃度が0.01 mol L-1 になるようにかヘキサンを用いて調 製したサンプル溶液を、 シリンジを用いてサンプノレインジェクター(7)から 5μL打ち 込み、 吸着カラムに導入した。 サンプル溶液の溶質濃度に関しては、 0.006,0.01,0.02 および0.1 mol L-1と溶質濃度を変化させて実験を行い、 得られた結果を検討するこ とにより、0.02 mol L-1以下の溶質濃度で信頼性の高い結果を得られることを確認し、
0.01 mol L-1と決定した。 吸着カラム出口における応答は、 紫外可視Cuv)多波長検出 器(10)により検出した。 紫外吸収に用いた波長は、 ベンゼン環に対する最大吸収波長 である199 nmである。 また、 吸光度から溶質の濃度を求める際は、 Lambert-Beerの 法則が成立すると仮定した。 得られた応答曲線をモーメント解析することにより、 1 次絶対モーメントおよび2次中央モーメントを求めた。 同一のサンプノレについて 5 回以上分析を行い、 それぞれに対する 1次絶対モーメントおよび2次中央モーメン トを求め、 それらの値の平均値をそれぞれの測定値とした。 ただし、 他の値と比較 して極端に大きい、 もしくは小さい分析値が得られた場合には その値を除外して
5.4 モーメント解析
5.4.1 基礎式問)
固定層吸着において、 層内の流れが押し出し流れであり、 その流速が一定である と仮定すると、 物質収支より次式が得られる。
。C � θ2 C 8C 1
-
6\. 3_ (
8cì
一一一=j_ノ。t axθZ2
一一一一一
ν一一一一一一一一一
8z cb Rp二 一一-
1ノ- e \_ 8r|一-
1ノ R
戸、J〆'・1、 、、,,ノ噌a'A
ここで、 Cは溶質濃度,cは吸着剤粒子細孔内の溶質濃度tは時間,zは距離,νは移動 相の空隙速度, Daxは軸方向混合拡散係数,εbは層空隙率, Rpは吸着剤粒子半径, DE
は粒子内有効拡散係数rは吸着斉IJ粒子の半径方向距離である。
吸着剤粒子内拡散は、 吸着剤粒子内の物質収支より次式で表される。
Ma一臼
ρ、、 11j'ノC一 y 「UスU
r
/FIll--lt\ 。一か
l一
2rD伝一白
ε (5.2)ここで、 q'は吸着斉IJ粒子当たりの溶質の吸着量,εpは吸着剤粒子空隙率, ρpは吸着 剤粒子密度である。
境膜における物質移動速度は次式で表される。
、、,EF'
cc /11 官A 'K 一一 C 一
rコU二U
Dat r = Rp (5.3)
ここで、 kFは境膜物質移動係数である。
初期および境界条件は次式で表される。
C = c = q'= 0 at t = 0 (5.4)
生二O
8r at r = 0 (5.5)
cが小さい場合、 物理吸着速度がl次で表されると仮定すると、 吸着速度式は次式 で表される。
千
人c( d
(5.6)-79-
ここで、 kaは吸着速度定数である。 また、 βは吸着係数であり、 超臨界流体中の溶 質濃度は非常に希薄で、あることより、 直線(Henry)型吸着平衡が成立すると仮定する と次式で表される。
β= q'/C (5.7)
式(5.1)
一
(5.3), (5.6)を、 初期および境界条件(5.4), (5.5)の下で解析的に解くと、 1次 絶対モーメントμ11および2次中央モーメントμ2は次式のように表される。件
;(
1+δ0)
(5.8)(5.9)
δo=
17i (
日pEpß) F、J/,.‘、、 、‘,ノハU噌EZA
「111111」 ρμ' 一
+
ρ一
E一k可一
出P
3+
l一切 巴 /illli--1\ 、、EE,f RY E P + E /'SEE- 「SIlli---L ε一 b
一一
E5 、‘.,ノ噌EEA唱EEA F、d〆,,‘、、
ここで、 Lは吸着カラムの長さである。
5.4.2解析方法
本研究では、 次の式(5.12), (5.13)で示されるAμltおよびdんを用いることによりモ ーメント解析を行った。
中戸川札制二;(ldo)
(5.12)dμ2ニμ2 -
(
μ2)
mertこそ [ 与 (
1+80r
+81 (5.13)δ
o
=17i (
勺+PpEpß)
(5.14)ここで、(μ1')in出および、(
川
町民は、 それぞれ1次絶対モーメントおよび2次中央モー メントの装置特性補正項である。これは、吸着剤を充填していない吸着カラムを設 置した場合のインパルス応答実験から得られた応答曲線の1 次絶対モーメントおよ び2次中央モーメントである。境膜物質移動係数kFは、次式で示されるWakaoとFunazkri13川こ提案された推算式 により求めた。
\Ill-ノ ρ 一
位η勺& 一 /Illl\ 五 /Il---\ + ハU今,h
m一凡
(5.16)ここで、pは移動相(超臨界二酸化炭素)の密度,ηは移動相(超臨界二酸化炭素)の粘 度, uは移動相(超臨界二酸化炭素)の空塔速度,Dmは溶質(2,6-および2,7田DI\⑪J)の分 子拡散係数である。移動相である超臨界二酸化炭素の密度は Adachiら1)により提 案された5パラメータ3次状態方程式(Appendix 1 参照)により求め、 超臨界二酸化 炭素の粘度はChungら23)�こより提案された高密度気体の粘度推算式(Appendix 2参照) により求めた。溶質の分子拡散係数は、Funazukuriにより提案されたSchmidt数によ る推算式玖101)(Appendix 3 参照)により求めた。また、吸着速度定数に関しては、物 理吸着過程 では吸着速度は非常に速い と考えられるため、 k =∞と仮定した。
式(5.12)より、吸着係数は、 L/νを横軸にとりAμlfを縦軸にとった直線の傾きから 求めることができる。また、式(5.13)より、粒子内有効拡散係数および軸方向混合拡 散係数は、 1/ν2を横軸にとりdμ2 / (2L /ν)を縦軸にとった直線の切片および傾きか ら求めることができる。
インパルス応答実験より得られた応答曲線のl次絶対モーメントおよび 2 次中央 モーメントはそれぞれ次式により得られる。
μ1h
r
C(以)吋tI
foC:O
c(μ)dtμ 2 = j �C:O
C(μ)(t一μl'r
dt�
foC:O
c(μ)dt(5.17)
(5.18 )
得られた応答曲線が、Fig ure5.2 に示されるようなガワス 分布で近似できる場合は、
圃81-
c-VIIIax
HH一一一一一一一一ハ
ら Hmax
85fan-〈
4σ
Time
Typical observed chromatographic response curve.
Figure 5.2
l次絶対モーメントと 2次中央モーメントは応答曲線のピーク の位置tRと分散σ2よ り、 次の式(5.19), (5.20) の関係を利用して簡単に求めることが できる76)
μ1'= tR (5.19)
μ2 -σ2 (5.20)
しかしながら、 本研究で得られた応答曲線(Figures 5.3 および5.4参照)のように、 テ ーリングが生じる場合 は、 式(5.20)により2次中央モーメントを正確に求めることは 困難となる。 そこで本研究では、 Figure 5.2に示されるように、 応答曲線のピーク高 さHmaxの叫
(
-1)
イ音の高さにおける応答曲線の幅が2J2"
σとなる関係 145)を利用して 2 次中央モーメントを求めた。5.4.3解析結果136) [1J吸着係数
温度308.2 K,圧力12.0, 14. 8 および19. 8 MPaにおけるdμl1対L/νのプロットを Figure 5.5に示し、圧力14. 8 MPa, 温度308.2, 318.2 および32 8.2 KにおけるAμ10対 L/νのプロットをFigure 5.6に示す。 これらの図より、 全ての条件において2,6-およ び2,7-Dl\企dに対して良好 な直線関係が 得られていることがわかる。 これらの直線の 傾きより 2,6-および2,7-Dl\心Jに対する吸着係数を求めた。 2,6・および2,7-D恥⑪Jに対 して得られた吸着係数をそれぞれTables 5.1および5.2に示す。 また、 第3章におい て得られた、 温度308.2 K,圧力14. 8 MPaにおける単一溶質系の2,6・および2,7-Dl\到 の平衡吸着量から、 直線(Henry)型吸着 平衡が成立すると仮定した場合に得られた吸
着係数をTables 5.1および5.2に示す。 これらの結果より、 インパルス応答実験より 得られた吸着係数と平衡吸着量から得られた吸着係数はほぼ良好に一致しているこ とがわかる。 また、 2,7-D恥到の吸着係数は、 2,6・D乱闘の吸着係数よりも 値が大きい ことがわかる。 これは、 平衡吸着量から得られた吸着係数の結果と一致しており、
2,7-Dl\心Jとゼオライト吸着剤との間の吸着力が2,6-D孔⑪Jとゼオライト吸着剤との聞 の吸着力よりも大きいことを示唆している。 さらに、 2.6-および 2,7-Dl\心J の吸着係 数は、圧力が低い場合または温度が高い場合に値が大きくなっていることがわかる。
これは、 第 3 章 でも述べたように、 超臨界相吸着において溶媒である超臨界流体自
国83-
-m ・m・m・m mmmm
mmmm
Aυハυハυハυ 11咽EI--唱EI
×××× ハυハUハUハυ 声、J/O巧/OO
0.02
唱EIハυ ハυ
85fgA〈
ハυ咽EI
Experimental chromatographic response curves for 2,6-dimethylnaphthalene at 308.2 K and 14.8 :MPa.
8
m 的. 6
4 2
。
Figure 5.3
0.02
5.0 x 10・6m3mm-1 6.0 X 10-6 m3 min-1 7.0X 10・6m3mm-l 8.0 X 10・6m3min-l
--Ea---
tn川、 1 h.
lil--
-aEa---''
' 川・
・
・・
t'lE・.,E・E.,BEE-EE
i---t、ιFart‘h}t-』iU'川ハい川河Il'11111
111111111iaEl--SE---z.,.EEE---E
a --E
E!}
hトLリ
taaElili--BEa--E・E・---
tEi ハリ
ハU
85fan-〈
ハU噌EEA
Experimental chromatographic response curves for 2,7・dimethylnaphthalene at 308.2 K and 14.8 MPa.
-85-
8
m 川町. 6
2 4
。
Figure 5.4
(∞)-d寸
2ラ7・Dl\⑪J
・ 12.0 MPa  14.8 MPa
・ 19.8恥1Pa
120
ハUハυ 噌EI
80 60 40 20
80
Plots of first absolute moments of 2,ふ and 2,7- dimethylnaphthalene (DMN) at 308.2 K.
60 40
L/ν(s)
20
。
Figure 5.5
(∞)-d寸
ハυハU 噌EEA
60
40
20 80
60
Plots of first absolute moments of
2,ふand
2,7・・dimethylnaphthalene (DMN) at
14.8MPa.
-87-
40
L/ν(s)
。 20
Figure
5.6身の吸着挙動が重要で、あり 超臨界相吸着が溶質と超臨界流体の競争吸着であるこ とを示している。 ただし 温度308.2 Kにおける2_6-および2_7-D恥⑪Jの吸着係数の 圧力依存性に対して、圧力14.8 MPa に得られた吸着係数が最小値をとることが示さ れている。 この結果は、 第3章の混合溶質系に対して得られた温度308.2Kにおける 2,6-および2,7-D1⑪Jの平衡吸着量の傾向と同様で、あり、非常に興味深い傾向である。
この傾向は、 溶質(2.6-および2_7・DM1ぜ)が従う吸着平衡関係と二酸化炭素が従う吸着 平衡関係の差異によるものであると考えられる。
[2J輸送物性
温度308.2 K,圧力12.0 , 14.8および19.8 MPaにおけるL1JL2/ 2L /ν
( )
対1/ν2のプロットをFigure 5.7 に示し、 圧力14.8 MPa, 温度308.2, 318.2および328.2Kにおける dμ2 / 2L /ν
( )
対1/ν2のプロットをFigure 5.8に示す。 これらの図より、 全ての条件における2,6-および2_7-D1⑪J に対して良好な直線関係が得られていることがわかる。
これらの直線の切片から粒子内有効拡散係数、 傾きから軸方向混合拡散係数を求め た。 2,6-および 2_7-D1到に対して得られた粒子内有効拡散係数および軸方向混合拡 散係数をそれぞれTables 5.1 および5.2に示す。 本研究で得られた粒子内有効拡散係 数は、 Carraら19)の大気圧下, 温度330.2および373 .2KにおけるY型ゼオライトに 対する種々の芳香族化合物(0- , m- , p・キシレンiエチルベンゼンiトルエンおよびか オクタン)の粒子内有効拡散係数と同じオーダー( 10・9 m2 S-I)であり、 本研究で得られ た値が妥当であるといえる。 Tables5 1. および52より、 温度が高い場合に、. 2,6-およ び2,7・D1⑪Jに対する粒子内有効拡散係数および軸方向混合拡散係数は大きくなるこ とがわかる。 これは、 温度の上昇に伴い、 分子の運動エネノレギーが大きくなること によるものと考えられる。 それに対して、 2,6・および 2,7-D恥⑪Jに対する粒子内有効 拡散係数および軸方向混合拡散係数は、 圧力変化に対してほとんど変化を示してい ないことがわかる。 また、2,6-D恥到の粒子内有効拡散係数は、2,7-D恥制とほぼ同じ であることがわかる。 これより、 ゼオライト吸着剤の細孔内および表面における2,6- および2,7-D1⑪Jの分子拡散挙動は、 ほぼ同様で、あることが示唆される。
60
刷111 四四印
D・&-
MOA口
40
20
写会 \対)
ミ寸 \ N
60000
Plots of second central moments of 2,ふ and 2,7- dimethylnaphthalene (DMN) at 308.2 K.
田89-
20000 40000
lIv2 (S2/m2)
。
Figure 5.7
窓会\対)
\ Nミ寸
広6-DMN 2グーD削
.J'
I 0 ・ 308.2K 7jl A A 3182K
..L ;' I 口 圃 328.2K
F 一一一一アア
・・・ , "
Mヲ
1 ... ‘ '
/同 ノ;るノ
グ ぶ/
グ 企ぶ/
f jムー
120
60 40 20
ハリハリ 11
80
60000
Plots of second central moments of 2,ふ and 2,7- dimethylnaphthalene (DMN) at
14.8MPa.
20000 40000
1/ν2 (S2/m2)
。
Figure
5.8Table 5.1 Adsorption Coefficients, Intraparticle Effective Diffusion Coefficients, and Axial Dispersion Coefficients for 2,6・
Dimethylnaphthalene- Carbon Dioxide Systems
T(K) p (MPa) ρpβ De (m2 S-l Dax (m2 S-l)
308.2 12.0 2.4 2.5 x 10・9 3.2 x 10・5 308.2 14.8 1.6 2.8 X 10-9 2.4X10-5 308.2 19.8 1.7 2.8 x 10・9 2.0 x 10・5 318.2 14.8 3.7 7.4 x 10・9 6.5 x 10・5 328.2 14.8 5.4 8.9 x 10・9 1.2 X 10-4 308.2 14.8 2.4 a
a Calculated from the saturated adsorption amount.
-91-
Table 5.2 Adsorption Coefficients, Intraparticle Effective Diffusion Coefficients, and Axial Dispersion Coefficients for 2,7・
Dimethylnaphthalene-Carbon Dioxide Systems
T(K) p (MPa) ρpβ De (m2 S-1) Dax (m2 S-1
308.2 12.0 2.9 2.5 x 10・9 2.9 x 10・5 308.2 14.8 2.1 3.1 x 10-9 2.8 x 10・5 308.2 19.8 2.1 3.0 x 10・9 1.6 x 10・5 318.2 14.8 4.1 6.4 X 10-9 6.4 x 10・5 328.2 14.8 5.9 1.0 x 10・8 1.3 X 10-4 308.2 14.8 3.9 a
a Calculated from the saturated adsorption amount.
5.5
超臨界相吸着分離の分離機構に関する考察
ゼ、オライト吸着斉IJを用いた吸着分離の要因としては主に、 溶質分子の分子径と吸 着斉IJ細孔径との差異に基づく分子ふるい機能 溶質分子の吸着剤細孔内および表面に おける拡散挙動の差異および吸着剤に対する溶質分子の吸着力の差異が考えられる。
Table 5.3に、 2,6-および2,7-DI\創異性体に対する分子径, 双極子モーメント, 分極率 および molecular connectivityの値140)を示す。 以下に、 これらの物性と本研究で得ら れた結果を基に、 超臨界相吸着分離の分離機構に関する考察を行う。
2,6-および2,7-D乱企ぜの分子径は同じ値(0.72 nm) 88)であり、 これはNaY型ゼオライ トの細孔径である0.8 nmよりも小さい。 また、 置換基の位置の違い等による分子構 造の差異を表すノミラメータであるmolecular connectivity 引)も、 2,6-および2,7-DI\心Jに 対して同じ値であるため、 吸着剤の細孔に対する溶質分子の立体障害が原因となる 分子ふるい機能による分離ではないことが考えられる。 また、 5.4 節の結果より、 超 臨界相吸着における2,6-および2.7・D1⑪Jの粒子内有効拡散係数はほぼ同様であり、
吸着剤細孔内および表面における拡散挙動の差異による分離ではないことがわかる。
そのため、 分離機構として2,6-および2,7-DI\心J とゼオライト吸着剤の聞の吸着力の 差異が考えられる。 5.4節において、 吸着力を示す吸着係数は、 2,6-D1心Jと比較して 2,7・Dl\闘のほうが大きな値を示すことが確認されている。 ゼオライト吸着剤は表面 に極性をもつため、 双極子相互作用により双極子モーメントの大きな極性分子をよ り強く吸着することが知られている34,133)。 Table 53より、 2.6・DI\⑪Jの双極子モーメ ントと比較して、 2,7-DI\心イの双極子モーメントは約3倍に大きいことがわかる。 ま た、 吸着剤と溶質分子問の相互作用として、 London の分散力による相互作用が考え られ、 これは分極率が大きいほど強くなる56)。 しかしながら、 Table 5.3 より2.6・お よび2,7-Dl\⑪Jに対する分極率は同じ値であり、 分散力による相互作用の差異による 分離ではないことがわかる。
以上の考察より、 超臨界相吸着分離による2.6-および2.7・D:M1ぜ異性体分離の分離 機構は、 2,6-および 2.7-Dl\心dとゼオライト吸着剤の聞の吸着力の差異であると考え られる。 また、 この吸着力の差異は、 2.6-および2.7-DI\⑪J の双極子モーメントの違 いにより生じるゼオライト吸着斉IJと溶質問の双極子相互作用の差異によるものであ ると考えられる。
-93-
Table 5.3 Kinetic Diameters, d, Dipole Moments, μ, Polarizabilities, α,
and Molecular Connectivities, % for 2,6- and 2,7-Dimethyl- naphthalenes
lsomer d(nm) μ(Cm) α(C m2 V-1)
x2ラ6-D�企J 0.72 a 4.72 x 10引b 2.369 x 10・39b 5.751 b 2,7四D恥⑪J 0.72 a 1.37 x 10・30b 2.370 x 10羽b 5.751 b
a Ref 88.
b Ref 140.
5.6
本章の総括
本章では、 超臨界流体クロマトグラフィーを用いたインパルス応答法による 2,6- および2,7-D!\-⑪Jの超臨界相吸着における吸着特性の解明について示した。 その結果、
2,7-D恥到の吸着係数は2,6-D!\-創よりも大きいことが確認され、 2,7-D閲吋とゼオライ ト吸着剤の問の吸着力は、 2,6-D!\-⑪Jとゼオライトの吸着剤の間の吸着力よりも大き いことが示された。 また、 2,6-および 2,7・D!\-到の吸着係数は、 圧力が低い場合また は温度が高い場合に大きくなることが示された。 一方、 2.6-および2.7-Dl\心Jの粒子 内有効拡散係数はほぼ同様であり、 圧力変化に対してはほとんど変化を示さなかっ たが、 温度の上昇に伴い大きくなることが示された。 さらに、 超臨界相吸着分離の 分離機構は、 2,6-および2,7-Dl\心Jの双極子モーメントの差異により生じる、 2,ふおよ び2,7-D恥⑪Jとゼオライト吸着剤の聞の吸着力の差異であることが示唆された。
-95-
第6章 ジメチルナフタレン異性体の超臨界 相吸着における破過曲線の相関
6.1
相関式136)
固定層吸着において、層内の流れが押し出し流れであり、軸方向の混合が無視で きるものとすると、成分iに関する物質収支より次式が得られる(Appendix 4参照)。
KJ一臼 ハU + ε γ' 似一白 民一白 +
u (6.1)
ここで、Cjは成分jの溶質濃度, q'は成分 iの吸着剤粒子平均吸着量, uは超臨界二 酸化炭素の空塔速度, tは時間,z は距離, rは吸着斉IJの充填密度,んは層空隙率である。
超臨界二酸化炭素中の 2.6-および 2.7-D恥⑪dの濃度が希薄で、あるため、超臨界相吸 着における2,6-および2,7-DI\⑪Jの吸着平衡に対して、次式で表される直線(Henry)型 吸着平衡が成立すると仮定する。
q'j=βjCj+ (6.2)
ここで、 β1は成分iの吸着係数であり、C+はq'と平衡な溶質濃度である。
吸着速度式は、超臨界二酸化炭素中における成分 i の濃度Cと平衡濃度Cホとの濃 度差を推進力と考え、さらに境膜における物質移動と粒子内拡散を総括して考える 総括物質移動係数を用いると次式で表される。
Y
3L
二KFaV(
Cj-
Cj (6.3)ここで、 KFは総括物質移動係数である。 ανは固定層単位体積中の吸着剤粒子表面積 であり、次式で定義される。
α 3(1一九。sRp
)
(6.4)初期および境界条件は以下のように与えられる。
C; (0, t) = Co; (6.5)
q'; (L, 0)二O (6.6)
ここで、 Lは固定層の長さ, Co;は成分iの吸着セノレ入口における濃度つまり超臨界 相における2,6-および2.7-D乱⑪Jの濃度である。
式(6.1)-(6.3)を初期および境界条件(6.5), (6.6)の下 で解析的に解くと、直線型吸着 平衡系の破過曲線の解析解である式(6.7)が得られる(Appendix4参照)47, 54, 100)。
ト
xp(-τ;- ç;)昨日)小却(一τ-ç;)10(日ト K円α.t K�a. tτ= ----'---'
a β;Y m;
51=KFav'z
u
(6.7) (6.8)
(6.9)
ここで、m;はβ;Yで定義される成分jの無次元吸着係数である。1んOは虚数O次のべ ツセル関数(第1種変形ベツセノルレ関数)でで、あり1、次に示される近似式3
ることがでで、きる。
刷二1+ 3.5156229
同
+3…ω
4+12…(剖
6+ 2"732
(375)
8+o…8H
10+0 0山国
12制0)んx10 (x) = 0.39山8+ O.01328S92
(子)
+ O.0022S31ge
.:S)'吋子r
+0…81閉
-0…06閉
+0…
(6.11) -97-
総括物質移動抵抗は境膜における物質移動抵抗と粒子内拡散抵抗の和で表すこと ができるため、総括物質移動係数んは次式のように表される48)。
1 1 1
一一一
KF=
kF ρβjks一一 + 一一一一-
(6.12)ここで、んは境膜物質移動係数,kは粒子内物質移動係数である。ρは溶媒(超臨界 二酸化炭素)の密度であり、高精度状態方程式により求められる。境膜物質移動係数
kFはWakaoとFunazkri 13勺こより提案された次式により求められる。
\--11ノ
P 一
れ
p一
η今ム 一 /Illl-、\
/flati--\ 剖
ハU今,h +
k'
一
mR F一
D今ム 一
(6.13)ここで、ηは溶媒(超臨界二酸化炭素)の粘度,Dmは溶質(2,6-および2,7-DI\心�)の分 子拡散係数であり、それぞれに対して種々の推算式が提案されている93)。また、粒 子内物質移動係数kは次式により求められる48)。
15De(1-cb)
pß人αv一一-1R
(6.14)ここで、Deは粒子内有効拡散係数であり、次式により求められるお)。
De二会(十士r (6.15 )
ここで、cpは吸着剤の空隙率,k2は吸着剤の屈曲係数である。また、DKは溶質の Knudsen拡散係数であり、次式により求められるお)o
fni-\ 叫ん2
D (6.16)
ここで、Rは気体定数,rは平均細孔半径,M2は溶質の分子量である。
界相 吸着における混合溶質系および単一溶質系 の 2,ふおよび2,7・DMNの破過曲線の 計算を行った。 式(6.7)中の 、 虚数 0次のベッセノレ関数は式(6.1 0), (6.11 )の近似式によ り計算し、 積分計算はGauss-Legend r eの公式124)により計算を行った。 また、 破過曲 線の 相関の際に必要となる吸着剤 溶媒および溶質に関するパラメータは、 以下のよ
うに決定した。
[1J吸着剤(NaY型ゼオライト)に関するパラメータ
本研究で用いたゼオライト吸着剤はペレット状粒子であるため、形状係数仇は0.91 を使用した。 また、 粒子半径九は1 .5 m m, 平均細孔半径fは0.4 nm, 粒子空隙率Bp は0.15である。 屈曲係数k2は、 Y型ゼオライトに対する値が報告されていなかった ため、 骨格構造が同じであるX型ゼ、オライトに対して報告されている値(k2二3.4 ) 49) を使用した。
[2J溶媒(超臨界二酸化炭素)に関するパラメータ
二酸化炭素の密度は、 Ad achiら1)により提案された5パラメータ3次状態方程式 (Appendix 1 参照)により求めた。 二酸化炭素の粘度は、 Chungら均により提案され た高密度気体の粘度推算式(Appendix 2参照)により求めた。 超臨界二酸化炭素の 空 塔速度は、 大気圧下で測定された流速と超臨界状態における二酸化炭素の密度を用 いることにより計算した。
[3J溶質(2,6-および2,7・DMN)に関するパラメータ
超臨界二酸化炭素中の2,6-および2,7-D�到の濃度COiは、 超臨界二酸化炭素に対す る2,ふおよび2.7-D!'v創の 溶解度(モル分率)39)と二酸化炭素の密度から計算した。 無 次元吸着係数mは、 第3章の 式(3.3)により求めた値を使用した。 総括物質移動係数 KFは、 式(6.12)一(6.16)を用いることにより求めた。 その際、 超臨界二酸化炭素中の 2,ふおよび2,7-D�到に対する分子拡散係数は、 Funazukuriにより提案されたSch midt 数による推算式玖101)(Appendix 3参照)により求めた。 ただし、 この 推算式では2,6- および2,7-D�心Jに対して同じ分子拡散係数が得られるため、 それぞれに対する総括 物質移動係数も同じ値となる。 しかしながら、2.6-および2.7・D�必Jは分子構造が非 常に類似していることより物質移動抵抗は同程度であると考えられるため、2,6-およ び2,7・D!'v必Jに対して同じ総括物質移動係数を用い計算を行った。
-99 -
混合溶質系の相関に使用したパラメータをTables 6. 1および6.2に示し、 単一溶質 系の相関に使用したパラメータをTable 6.3に示す。
6.3 相関結果日6)
Figures 6.1 - 6.3に、 温度308.2 K,圧力12.0, 14.8および19.8恥1Paにおける混合溶 質系の2,6-および2,7-D孔創の破過曲線の相関結果を示す。 Figures 6.4-6. 6に、 温度
3 18.2 K,圧力12.0, 14.8および19.8 MPaにおける混合溶質系の2,6-および2,7-D恥到 の破過曲線の相関 結果を示す。 また、 Figure 6.7に、 温度308.2 K,圧力14.8 MPaに おける 単一溶質系の2,6-および2,7-D孔引の破過曲線の相関結果を示す。 これらの結 果より、 総括物質移動係数は 2,ふおよび2,7・DÌ'v到に対して同じ値を用いているのに かかわらず、 各条件における混合溶質系および単一溶質系の2,6-および2,7-DÌ'v到 の
破過曲線が良好に再現できていることがわかる。 この結果より、 ゼオライト吸着剤 の細孔内および表面における2,6-および2,7-DI\⑪Jの物質移動抵抗がほぼ同じであり、
ゼオライト吸着剤の細孔内および表面における2,6-および2,7-D恥⑪J分子の動的 (拡 散)挙動はほぼ同様であることが示唆される。
6.4本章の総括
本章では、 総括物質移動係数 と直線(Henry)型吸着平衡を仮定した 吸着モデ、ルを用 いた、超臨界 相吸着における2.6-および2.7由DÌ'v到の破過曲線の相関について示した 。
その結果、 本研究のモデ、ルにより超臨界相吸着における混合溶質系および単一溶質 系の2,6-および2.7田D孔到の破過曲線が良好に再現できることがわかり、 本研究の吸 着モデ、ル の有効性が示された 。 本研究の吸着モデ、ルにおいては、 必要となる実演.11値 は溶質の吸着係数 のみであり、 それ以外 のパラメータは全て文献値 または相関値で ある。 そのため、 目的 物質の吸着係数を用いることのみにより 破過曲線の推算が可
Table 6.1 Parameters for Two-Component Systems at 308.2 K
p CO2.6 CO2.7 u X 105 Y ε b 庁12,6 庁12,7 K?1vX 103
(1在Pa) (kg m勺(kgm勺 (m S-l) (kg m-3) (
ー) (
ー) (
ー) (S-l)
12.0 8.53 12.4 2.40 495 0.49 2.03 3.39 5.34 14.8 11.0 15.9 2.24 537 0.45 0.59 1.25 5.28 19.8 13.1 19.1 2.16 494 0.49 0.68 1.50 4.33
-101-
Table 6.2 Parameters for Two-Component Systems at 318.2 K
p CO2.6 CO2.7 u X 105 Y ε 白 m2,6 m2,7 KpGv X 103
。1Pa) (kg m勺(kg lTI勺 (lTI S-l) (kg m-3 (
ー) (
ー) (
ー) (S-l)
12.0 8.66 12.5 2.73 525 0.46 2.55 3.44 6.91 14.8 13.6 19.6 2.60 484 0.50 l.46 2.07 5.60 19.8 19.4 27.9 2.31 519 0.46 0.83 l.36 5.22
Table 6.3 Parameters for Single-Component Systems at 308.2 K and 14.8 MPa
C。 u X 105 Y ε b m K]ßv X 103
(kgm勺 (m S-l) (kgmう (
ー) (
ー) (S-l)
2,6-D:l\⑪J 8.66 2.25 516 0.47 1.25 5.28
2,7田D:l\⑪J 13.3 2.21 511 0.47 2.04 5.28
15
ハυ e
噌EI
5 (門gg∞u{)ト
Nh) れ沼 Nh)
2,かDJ\心ぜ2ラ7・DI\心d
0 ・ Exp.
Calc.
。 5
Calculated and experimental breakthrough curves of 2,6- and 2,7-dimethylnaphthalene (DMN) for何'0・
component systems using NaY田type zeolite at 308.2
4
nC02
(mol)
Figure 6.1
(門B5 3 )ト バ)
れ甲 NU
3
Calculated and experimental breakthrough curves of 2,6- and 2,7-dimethylnaphthalene (DMN) for t\市0- component systems using NaY-type zeolite at 308.2 K and 14.8 MPa: nC02' flow amount of carbon dioxide; C2•6 and C2•7, concentration of 2,6- and 2,7・
DMN in supercritical carbon dioxide at the adsorption cell outlet, respectively.
2ラかDl\但吋 2ラ7・D恥⑪J
0 ・ Exp.
Calc.
ヴノ】 \、,ノ o m /'E\ o c n
。 20
ハυ唱EI
5 15
Figure 6.2
-105-
20 一一一一一一一一--- ゐ �- - �
15 •
ハυ 噌EI
(門ES ∞
ぷ) ト NU れ 沼N U
2ラかD1\⑪� 2ラ7・D1\心d
0 ・ Exp.
Calc.
5
3
Calculated and experimental breakthrough curves of 2,6- and 2,7田dimethylnaphthalene (DMN) for何0-
component systems using NaY田type zeolite at 308.2
2
nC02 (mol)
。
Figure 6.3
15
2ラ6・D:t\⑪� 2ラフ-D:t\⑪J
0 ・ Exp.
Calc.
10
5
(門45
2
)ト NUれ
甲NU
• •
5
Calculated and experimental breakthrough curves of 2,6- and 2,7・dimethylnaphthalene (DMN) for n市0-
component systems NaY-type zeolite at 318.2 K and 12.0 MPa: nC02' flow amount of carbon dioxide; C2•6 and C2•7, concentration of 2,6- and 2,7圃DMN in supercritical carbon dioxide at the adsorption cell outlet, respectively.
4
nC02
(mol)
2
Figure 6.4
ー107-
25
3
Calculated and experimental breakthrough curves of 2,ふ and 2,7-dimethylnaphthalene (DMN) for Í\布0・
component systems using NaY-type zeolite at 318.2
一一一一一一一一一一一一-一-
--一一
20
ハU噌EEA
15
(門ES∞u{)トNUれスh)
ウム o \h,ノ 〆isE\ m n o c
-・2ラ6・D�位対2ラ7田D�⑪J
0 ・ Exp.
Calc.
5
。
Figure 6.5
PEES)トNUれ。U
3
Calculated and experimental breakthrough curves of 2,6圃 and 2,7・dimethylnaphthalene (DMN) for何'0-
component systems using Na Y圃type zeolite at 318.2 K and 19.8 MPa: nC02' flow amount of carbon dioxide; C2•6 and C2•7, concentration of 2,6・and 2,7- DMN in supercritical carbon dioxide at the adsorption cell outlet, respectively.
2ラ6・D�心ぜ2ラ7圃D恥1N
0 ・ Exp.
Calc.
\、,ノ ウム /'EK 。m
n O 「u
5
。
AU --
30
20 25
15
Figure 6.6
帽109-
15
3
Calculated and experimental breakthrough curves of 2,ふand 2,7-dimethylnaphthalene (DMN) for single
component systems using NaY-type zeolite at 308.2 2ラ6・DÏ\⑪� 2ラ7・DI\必d
0 ・ Exp.
Calc.
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5
(門ESωu{)トNUれ沼Nh)
ウム o \‘,ノ /'E\ m n o c
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Figure 6.7
第7章 結論
本論文は、 超臨界相吸着分離による芳香族化合物異性体の高度分離プロセスの構 築を目的として、 超臨界相吸着分離の可能性の検討 超臨界相吸着の吸着特性に関す るデータの蓄積ならびに、 超臨界相吸着における破過曲線に対する工学的に有用な 相関手法の提案を行ったものである。 本研究で得られた成果は次のとおりである。
(1)本研究で新たに考案した超臨界相吸着分隊により、 難分離系混合物である芳香族 化合物異性体の高度分離が可能であることを示した。
本研究において、超臨界二酸化炭素に難分離系混合物である2.6・および2,7-D恥創 異性体混合物を溶解させた後、 ゼオライト吸着層を通過させることにより吸着分 離を行う「超臨界相吸着分離Jを新たに考案した。 NaY型 H Y型US- Y型およ びH-mordenite型の4 種類のゼ、オライトを用い、 温度308.2 K 圧力14.8 MPaに おいてその有効性を検討した。 その結果、 NaY型ゼオライトを用いた場合に2,7- D恥闘が選択的に吸着され、 吸着初期ではほぼ純粋な2.6-Dl'v創が得られることが
確認され、 超臨界相吸着分離による高度分離が可能で、あることが示された。
(2) 超臨界相吸着分離の分離特性の解明を目的として、 超臨界相吸着における混合溶 質系(超臨界二酸化炭素(1)-2,6-DMN(2)-2,7-DMN(3)系)および単一溶質系(超臨 界二酸化炭素(1)-2,6-D恥⑪�(2)および超臨界二酸化炭素(1)-2,7・D乱創(2)系)の吸着
特性に関する基礎データを種々の温度・圧力において蓄積した。
超臨界相吸着分離の分離特性の解明を目的として、 NaY 型ゼ、オライトを用い た超臨界相吸着における混合溶質系(超臨界二酸化炭素(1) -2,6-DI\⑪�(2) -2,7- Dl'v⑪�(3)系)および単一溶質系(超臨界二酸化炭素(1)-2,6-DM1ぜ(2)および超臨界二
酸化炭素(1)-2,7・Di\⑪�(2)系)における吸着特性を検討した。 実験は半回分式流通 法に基づく固定 層吸着実験装置により行い、温度308.2 および318.2 K,圧力12.0,
14.8 および19.8 MPa における吸着分離係数および平衡吸着量を測定し、 超臨界 相吸着分離に及ぼす温度・圧力の影響を検討した。 その結果、圧力が高い場合ま
-111-
たは温度が低い場合に分離効果が高く平衡吸着量が小さい、 圧力が低い場合また は温度が高い場合に分離効果が低く平衡吸着量が大きいことが確認され、 分離に 最適な条件が存在する可能性が示された。 また、 単一溶質系においても混合溶質 系と同様に2,7-D恥創が選択的に吸着されることが示された。
(3)超臨界相吸着分離は、j夜相吸着分離と比較して分離効果が高く、 超臨界相吸着分 離が工学的に有効な分離手法であることが示された。
NaY型ゼオライトを用いた液相吸着分離により 2.6-および2.7-D1企d異性体混 合物の分離を試みた。 溶媒としてかオクタンを用い、 温度308.2Kにおいて静置 法により実験を行った。 その結果、 液相吸着分離は超臨界相吸着分離より平衡吸 着量は大きいが、 分離効果は低いことが確認された。 これにより、 超臨界相吸着 分離の有効性が示された。
(4)超臨界流体クロマトグラフィーを用いたインパノレス応答法により、 2,6・および 2,7-D1⑪J異性体の超臨界相吸着における吸着特性を検討した。
超臨界流体クロマトグラフィーを用いたインパルス応答法により、 NaY型ゼ、
オライトを用いた 2.6-および2,7-D�⑪Jの超臨界相吸着における吸着特性を、 温 度308.2,31 8.2および328.2K 圧力12.0.14.8および19.8MPaにおいて検討した。
その結果、 吸着係数は全ての条件において2,6-D1⑪Jより2.7・D�企dが大きく、 圧 力が低い場合または混度が高い場合に大きくなる傾向が示された。 さらに、 2,6- および2,7-D1⑪J の粒子内有効拡散係数はほぼ同様で、あり、 温度の上昇とともに 大きい値を示したが、 圧力に対しては明確な傾向を示さなかった。 これらの結果 より、 超臨界相吸着分離は、 主として吸着剤と溶質との吸着力の差に基づく分離 であることが明らかになった。
(5)総括物質移動係数と直線(He町)型吸着平衡を仮定した吸着モデルにより、 破過
た吸着モデ、ルにより、 得られた破過曲線の相関を試み、 その適用性を検討した。
その際、 2_6-および2_7・D�仰に対する吸着係数は実験結果より求め、 総括物質移 動係数は推算により求めた。 その結果、 得られた相関結果は良好で、あり、 本研究 で提案した吸着モデ、ルが工学的に有用であることが示された。
以上が本研究で得られた成果である。
ー113圃
Nomenclature
αv
c
C
Dax
K m
D D
D
Dp
飢 え
A d
AKFAY吋k
p k r 日r 九 九 ks
LM
m
particle surface area per unit volume of packed bed, m2 m-3 concentration of solute in the supercritical fluid phase, kg m-3 concentration of solute in the intraparticle pore volume, kg m-3 axial dispersion coe庄icient, m2 S-1
intraparticle effective diffusion coefficient, m2 S-1 Knudsen diffusion coefficient, m2 s・l
molecular diffusion coefficient, m2 S-1 pore diffusion coefficient, m2 S-1
surface diffusion coefficient, m2 s・l kinetic diameter, m
maximum peak height of chromatographic response curve separation coefficient of adsorption
parameter ofLangmuir equation, m3 kg-1 overall mass-transfer coefficient, m S-1 distribution coefficient
capacity factor
parameter ofFreundlich equation, m3 kg-1 tortuosity factor of adsorbent
adsorption rate constant, m3 kg-1 S-1
external fluid film mass-transfer coefficient, m S-1 intraparticle mass-transfer coefficient, m S-1 column length, m
molar mass, kg mol-1
dimensionless adsorption coefficient
nF = mass flux in the fluid film, kg m・2 S-1
nm = amount of solute in the mobile phase, mol
ns = amount of solute in the stationary phase, mol
p = pressure, Pa
Q
= saturated adsorption amount, kg kg-1 q = adsorption amount, kgq' = adsorption amount per unit weight of adsorbent, kg kg-1
qm - parameter ofLangmuir equation, kg kg-1 R = gas constant, J mol-1 K-1
�
= adsorbent pellet radius, mr - radial distance, m
T = absolute temperature, K tlme, s
to = peak retention time of nonadsorbable solute, s
tR = peak retention time, s
u = superficial velocity of solvent, m S-1
Vm - volume of mobile phase, m3
Vs = volume of stationary phase, m3
ν = interstitial velocity of solvent, m S-1
ν - molar volume of solvent, m3 mol-1
ν。 = hard-sphere close-packed volume of solvent (= Nσ13 /
J2
), m3 mol-1W zeo
= amount of packed zeolite, kg
y = mole fraction in supercritical fluid phase (solubility)
z = distance, m
Greek lefters
α = polarizability, C m2 V-1
β = adsorption coefficient, m3 kg-1 r - mean pore radius, m
同115-