九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
アバットメント結合様式の差異がアバットメントス クリューの緩みとマイクロギャップ部における微少 漏洩に与える影響
鶴田, 勝大
http://hdl.handle.net/2324/1959091
出版情報:九州大学, 2018, 博士(歯学), 課程博士 バージョン:
権利関係:やむを得ない事由により本文ファイル非公開 (3)
(様式6-2)
氏 名 鶴田 勝大
論 文 名 アバットメント結合様式の差異がアバットメントスクリューの緩み
とマイクロギャップ部における微少漏洩に与える影響
論文調査委員 主 査 九州大学 教授 築山 能大
副 査 九州大学 教授 西村 英紀
副 査 九州大学 教授 石川 邦夫
論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨
イ ン プ ラ ン ト 治 療 に お い て は 、一 般 的 に 機 能 負 荷 開 始 後 1 年 で イ ン プ ラ ン ト 体 周 囲 に 深 さ 1.5mm 程 度 の 皿 状 の 骨 吸 収 が 生 じ る こ と が 報 告 さ れ て い る 。こ れ は イ ン プ ラ ン ト の コ ン ポ ー ネ ン ト 内 部 に 存 在 す る 嫌 気 性 グ ラ ム 陰 性 菌 や そ の 内 毒 素 が イ ン プ ラ ン ト と ア パ ッ ト メ ン ト の 接 合 部 の マ イ ク ロ ギ ャ ッ プ(MG)か ら 漏 出 す る こ と が 原 因 で あ る と さ れ て い る 。そ こ で 本 研 究 で は 、3 種 類 の 代 表 的 な 結 合 様 式 を 有 す る イ ン プ ラ ン ト と ア パ ッ ト メ ン ト 間 に 生 じ る MG の 観 察 を 行 い 、上 部 構 造 に 荷 重 負 荷 を 与 え た 際 の MG か ら の 微 小 漏 洩 に つ い て 検 討 し た 。
ま ず 、パ ラ レ ル イ ン タ 一 ナ ル コ ネ ク シ ョ ン タ イ プ(IC)6 種 、エ ク ス タ ー ナ ル コ ネ ク シ ョ ン タ イ プ(EC)2種 に 対 し て 規 定 の ト ル ク 値 に て ア バ ッ ト メ ン ト 締 結 を 行 い 、MG を 観 察 し た 。 そ の 結 果 、8 種 類 中 2 種 に 明 ら か な MG が 認 め ら れ た 。 次 に 、IC, コ ニ カ ル イ ン タ ー ナ ル コ ネ ク シ ョ ン タ イ プ(CC),EC の イ ン プ ラ ン ト 各 1 種 類 に つ い て 、 カ ン チ レ バ ー 構 造 を 有 す る 上 部 構 造 作 製 後 、ア バ ッ ト メ ン ト ス ク リ ュ ー を 用 い て 規 定 の ト ル ク 値 で 締 結 し た 。ス ク リ ュ ー ホ ー ル に 卜 ル イ ジ ン ブ ル ー 溶 液 を 滴 下 し 、圧 縮 お よ び 引 っ 張 り 方 向 に 規 定 回 数 の 間 欠 的 オ フ セ ッ ト ロ ー ド を 行 っ た 後 、 ス ク リ ュ ー の 撤 去 ト ル ク や MG か ら の ト ル イ ジ ン ブ ル ー 漏 洩 量 を 計 測 し た 。そ の 結 果 、荷 重 負 荷 後 の ス ク リ ュ ー 撤 去 ト ル ク に は 群 間 差 は な か っ た も の の 、CC に お け る 撤 去 ト ル ク 値 の ば ら つ き が 最 も 小 さ か っ た 。 ま た 、 ト ル イ ジ ン ブ ル ー 漏 出 量 の 平 均 値 は す べ て の 条 件 で EC群 が 最 大 で CC 群 が 最 小 で あ り 、500 サ イ ク ル 時 に は EC 群 と CC 群 間 で 、1500 お よ び 2000 サ イ ク ル 時 に は そ れ に 加 え て IC 群 と CC群 間 に も 有 意 な 漏 出 量 の 差 が あ っ た 。
以 上 よ り 、 イ ン プ ラ ン ト コ ン ポ ー ネ ン ト 間 の MG は メ ー カ ー や コ ン ポ ー ネ ン ト の 結 合 様 式 の 違 い に よ っ て 差 が あ る こ と が 示 さ れ た 。ま た 、間 欠 的 負 荷 作 用 後 の 撤 去 ト ル ク お よ び 各 サ イ ク ル に お け る ト ル イ ジ ン ブ ル ー 漏 出 量 の 分 散 の 違 い に つ い て は 、CC 群 の 結 合 犠 式 が テ ー パ ー ジ ョ イ ン ト 構 造 で あ る た め 、イ ン プ ラ ン ト ー ア バ ッ ト メ ン ト 界 面 の 摩 擦 抵 抗 が 非 常 に 大 き く 、緩 み が 起 き に く い 上 に 、発 生 し た 緩 み も 徐 々 に 進 ん で ゆ く と 考 え ら れ る の に 対 し 、EC、IC 群 は バ ッ ト ジ ョ イ ン ト 構 造 で あ る た め に イ ン プ ラ ン ト - ア バ ッ ト メ ン ト 界 面 に お け る 摩 擦 抵 抗 は 小 さ く 、ま た 界 面 の 微 細 な 粗 さ の 違 い に 影 響 さ れ や す く 、一 旦 緩 み 始 め る と 一 気 に 緩 む た め と 考 え ら れ た 。 こ れ ら の こ と か ら 、CC は ア バ ッ ト メ ン ト の 緩 み や MG か ら の 起 炎 物 質 の 微 小 漏 洩 を 防 ぐ の に 有 用 な 結 合 様 式 で あ る こ と が 示 唆 さ れ た 。 本 研 究 で 得 ら れ た 結 果 は 、 イ ン プ ラ ン ト - ア バ ッ ト メ ン ト の 結 合 様 式 の 違 い が MG か ら の 微 小 漏 洩 に 影 響 す る こ と を 示 す 新 し い 知 見 を も た ら す も の で あ り 、博 士( 歯 学 )の 学 位 授 与 に 値 す る も の と 判 断 さ れ た 。