職員への個別禁煙指導 の試 み
富山大学保健管理セ ンター ○ 廣上員里子、角間純子、岸本寛史、西村優紀美、齋藤清二
Mariko Hirokami, Junko Kakuma, Norihumi Kishimoto, Yukimi Nishimura, Seiji Saito : A trial of individual coachins to stop smoking
〔は じめに〕
今 や喫煙が健康 に悪 いことは科学的にも明 らか な事実 とされ、環境 の無煙化 は社会全体のニーズ とな っている。本学 において も保健管理 セ ンター の役割 として禁煙 を希望す る職員 に対 しての支援 に取 り組んだので報告す る。
〔目 的 〕
禁煙を目的に来所 した職員 に対 して、看護師が 個別禁煙指導を行 い、その有効性 と今後の課題 を 明 らかにす る。
〔方 法 〕
期間:H15年 9月〜H16年 9月
対象:禁 煙 セ ミナーを受講 した後、禁煙希望で来 所 した職員 7名 。
方法:当 セ ンターの禁煙プログラム (図 1)に そっ て看護師がニ コチ ン代替療法 を主 とした個別指導 を実施。指導の フォローア ップは 1年 間 とし、来 所時に行 う初回指導 と訪問及び電話訪間によるフォ
ローア ップ指導 8回 で構成する。
(表 1)
〔結 果 〕
7名 を禁煙継続期間でみると 1年 間継続 した人
は 2名 で、禁煙開始後 に再喫煙 した例 は 2ヶ 月後 が 1名、 4ヶ 月半後が 2名 、 5ヶ 月後が 1名 であっ た。 また 6ヶ 月間は禁煙で きたがその後、宴会時 のみ に 1〜 2本 の喫煙 とい う例 が 1名 で あ った (表 2)。
〔考 察 〕
1年 間禁煙 を継続 した人 は 7名 中 2名 であ り再 喫煙 した 5名 中 4名 が喫煙本数が減少す るなど喫 煙 に関 しなん らかの行動変容があ った。 この こと か らフォローア ップ指導で行 った禁煙継続への賞 賛 と励 ま し、禁煙の効果 と喫煙再開への きっかけ に対するア ドバイスはセルフ ・エフィカシイーの 向上 につなが り行動療法の継続 に有効であったと 考え られた。
一方、再喫煙のきっかけは宴会の席、パチンコ、
イライラ時であ り、喫煙 に変わる行動をお こせな か った ことが再喫煙 につなが ったと考え られた。
事前 に喫煙習慣 を観察 し、 タバ コが吸いた くなる 状況を知 り、それに対処す る方法を検討 してお く ことが必要であ った と考え られた。 また、 A,D, E氏 は同一集団をなす職種 の顔見知 りであ り、お 互 いに禁煙 に対 してのモチベーションを高めてい たと考え られるが、禁煙開始 日か ら数 ヶ月でそれ ぞれ再喫煙 とな った。 この ことか ら今後 F6か ら
56
F7で の工夫 として来所 などを加えた強化が必要 と考え られた。
〔まとめ〕
0個 別禁煙指導 はセルフ ・エフィカシーの向上 に つなが り禁煙へのアプローチとして有効である。
・再喫煙者 に対 しては行動療法の提示だけでな く、
個 人 の背景 に応 じた指導 が今後 の課題 で あ る。
・喫煙者 が さ らに禁煙 を継続 で きるよ う①職場 の 環境 の整備②継続 した禁煙 サ ポー トが重要 で あ
る。
図 1 禁 煙プ ログラム
初 回 指 導
↑ 処方 00濃 度測定
禁 燿 開 始
F 4 来 所
↑ 処方 00濃 度測 定
F 5 お F 7 来
所
↑ 処 方 CO濃 度 測 定
F=フ ォロニアップ
表 1〈 指 導 内容〉
初 回 指 導 フ ォロー ア ップ指導
禁煙 サポ ニ トの 内容 を説 明
問診 票 を用 いた評価
タバ コ依存度 テ ス トとスモー カー ライザ ー によ る Co濃 度測定 と結果説 明
指 導 用 チ ャー トを用 いて タバ コの害 と禁煙 の効 果 につ いて説 明
ニ コチ ン代替療法 につ いて説 明
フ ォロー ア ップ につ いて説 明
禁煙開始 日の確認 と励 ま し
ニコチンパ ッチの貼 り方、副作用 とその対処療 法
離 脱 症状 の確認 と対処方 法 の説 明、 喫煙 再 開防 止 につ いての ア ドバ イ ス
励 ま し、 タバ コを吸 いた い気持 ちへ の対処方法 の説 明
禁煙 の効果 と禁煙継続 のための方法 の紹介
職員への個別禁煙指導 の試み
表 2 個 別禁煙指導経過表
事 例 (氏 )
項 目 A B C D G
性 男
一 難
轟 男 男 男 男
年 齢 駆│:81 1418
本 数 / 日 3101
禁 煙 開 始 年 齢 ( 才 ) 21:5
禁 煙 動 機
競輪場へ行 く バスが禁煙 と な った禁煙ム ー ドにのった
麟義華議株
1‐:曇蓋お■ 自1勢1鶴│た│お知人に勧 め られて
職場の雰囲 気で何 とな
く
自分のため 自分│ど家族 のため
過 去 の 禁 煙 経 験 ( 回) な し 131´■141 2 3〜 4 1 1
家 族 の 協 力 者 い る
一 拓
1‐ ,導│
いない い る い るいない
禁 煙 成 功 の 自 信 かな りある多等轟撼
少│も,あ│る 少 しあ る 少 しあ る 少 しあ る 少 しあ る ニコチン依存度テス ト 結 果 (点)TTS配 布枚数 ( )は 使用枚数
サイ ズ 3 0 31(31) 31■:(1黎131) 1 一 9一 31(31) 1 7 ( 1 7 ) 1 7 ( 1 7 ) 17(17) サイズ 2 0 21(18) 1:411(11導) 7 ( 1 ) 21(21) 1 4 ( 1 4 )
サイズ 1 0 1114:│(1121) 1
1 週 間 後 経 過 ( F 3 ) 禁煙中 111::11:I:111, │
禁騨 │
禁煙中 禁煙中 禁煙中 禁煙‐中 2 週 間 後 経 過 ( F 4 )4 週 間 後 経 過 ( F 5 ) 一″ 1本 吸う 1本 吸 う
3 ヶ 月 後 経 過
無篠中
揚鎌鶴
6 ヶ 月 後 経 過 ( F 7 1 躙 輻
1 年 後 経 過
稀1二 │‐ l‐ 〜 2
本喫煙
現 在 の 状 況 禁煙再チ ャレ ンジ予定
脚 ‐請
│ 1 1 1 1 1 1 : 1 麟│ : : :
鯛 瀞締1黎
再喫煙で
転勤 喫煙中
喫煙中なが ら 再 チ ャレンジ 希望有 リ
1幣に■‐│■12 11:繰 種│
現 在 の 本 数 / 日 1211
受 診 回 数 (処 方 含 む ) ■: 1
来 所 相 談 1
訪 問 ( 丁 E L 含 む )
フ ォローアップ指導
Fl 初 回指導か ら 3〜 4日 後 に電話で 1回 目のフォローア ップを行 う。
禁煙開始 日の確認 ・禁煙 に向けての励 ま しをする。
F 2 禁煙開始 日か ら 3〜 4日 後 に電話訪間で 2回 目のフ ォローア ップを行 い禁煙で きたことを誉めるとともに脱症状を確認 し、喫煙再開の対策をア ドバイスする。
ニコチン製剤副作用の有無の確認 と対処方法について説明する。
禁煙開始 1週 間 目に電話訪間で 3回 目のフ ォローアップを行 い禁煙開始 して 2 週間 目が最 も再喫煙 し易 い時期なのでなんとか この時期を乗 り切るよう励 ます。
前回同様 にニコチン製剤 について尋ねる。
第 2回 目の来所。呼気中 CO濃 度測定 し、禁煙できた ことを誉める。再喫煙の 有無 について尋ね、 タバ コを吸いたいという気持 ちがあるな らば、時間の経過 とともに吸 いたい気持 ちがな くな ってい くことを話 し、禁煙を続 けるように励 ます。呼気中 CO濃 度の測定値を見て禁煙 に対 しての励みにもなる。
第 3回 目の来所。呼気中 CO濃 度測定 し禁煙の経過 について尋ねる。
禁煙後 lヶ 月すると体調が良 くな ったことを体感 していると思われる。禁煙 に 対 しての自信が出来始めている頃で、 lヶ 月禁煙できればその後 も禁煙できる 確率が さらに高 くなることを伝え、 自信を高めるよう働 きかける。
初回指導 よ り3ヶ 月後 に電話訪間でフォローアップを行 う。禁煙の効果を尋ね る。味覚が もど り食物 もおい しく感 じ、食欲がでて くることか ら体重増加がみ られることがあるので肥満予防へのア ドバイスをする。
初回指導 よ り6ヶ 月後 に電話訪間でフ ォローア ップを行 い、禁煙 を継続するた めの方法を紹介する。
0タ バ コの害について自分な りのイメージをもつ
。禁煙理由や禁煙中の努力を思い浮かべる 0禁 煙 して良か ったことを考える
。禁煙できたことに自信をもつ 0周 りの人に禁煙を勧める
F 3
F 4
F 5
F 6
F 7
F 8 初 回指導 よ り 1 年 後 に電話訪間でフ ォローアップを行 う。
F 7 同 様 にフ ォローアップを行 う。