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安福, 規之

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(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

広範な応力域における異方圧密砂の降伏特性と弾塑 性構成式に関する研究

安福, 規之

https://doi.org/10.11501/3054272

出版情報:Kyushu University, 1990, 工学博士, 論文博士 バージョン:

権利関係:

(2)

第5章 相異なる三主応力状態における異方E密砂の削曲線

5. 1 概説

第3章において、 三軸空間における砂の降伏特性を広範な応力域において詳細 に検討し、 砂の降伏に関する基礎的な 知見を与えた。 本章では、 その応用として、

前章までに行ってきた三軸空間における砂の降伏に関する議論を相異なる三主応

力条件下にまで広げようとするものである。 相異なる三主応力下において砂の降

状挙動を調べておくことは、 一般応力状態におけるより現実的な構成式を確立す

る上で大切な ことであり、 かっ必要な ことである。 このことを踏まえ、 ここでは、

等方及び異方圧密を受けた砂の降伏挙動を三主応力空間において実験的に検討し、

その特性を正八面体面上において考察している。 この面に着目すれば、 土の応力、

ひずみ状態は、 今までに用いてきた応力、 ひずみパラメータを利用して簡単に表 すことができ、 大変都合がよい。

さて、 三主応力下における砂の変形挙動は、 一般に、 異方的である。 異方的な 特性は、 砂の構造骨格に起因する構造的な異方性(初期構造異方性)と応力経路 題歴によって誘導される異方性すなわち、 応力誘導異方性とに分けて議論できる が、 本章は、 この中で砂の応力誘導異方性に着目した検討である。 ここでは、 中

空せん断試験機を用いて、 三主応力を独立に制御した種々の試験が行われる。

以下、 節に従って、 本章の概要を述べる。 まず、 第2節では、 中空せん断試験 機の概要と、 中空せん断試験機で実験を行う場合の応力とひずみの考え方につい て言及する。 次いで、 第3節では、 降伏応力を決定するための実験手順と方法及 び、 試験機の有用性を検証のために行った予備的な試験とその結果について言及 する。 また、 第4節では、 一連の平均有効主応力、 中間主応力係数(ロードアン グル)一定の試験から得られる応力ひずみ曲線と降伏応力について述べると共に、

正八面体面上での降伏曲線の形状を実験的に示し、 その形状の圧密経路依存性を

明らかにする。 加えて、 この節では、 第3章で示した三軸空間における降伏関数

を、 強度異方性を取り入れた形に拡張し、 その適用性を検討する。 そして、 最後

(3)

!:本章で得られた知見をまとめ、 要約とする。

150・

(4)

5. 2 三主応力制御の載荷試験

ここでは、 中空ねじりせん断試験機(安福・村田・兵動・山本・伊東,1989a;伊東,

1990)を用いて、 相異なる三主応力下における砂の降伏挙動を調べている。 本装

置は、 中空円筒供試体に相異なる内圧、 外圧を独立に作用させ、 さらに、 軸カと ねじり 力を与 ることによって、 任 意の主応力を発生させるものであ この タイプの試験機は、 Kirkpatrick(1957)が開発し、 その後、 Wu, Lok and Malvern (1963 )、 Broms and Jamal(1965)、 Tatsuoka, Iwasaki and Takagi(1978)、 Hight,

Gens and Symes(1983)、 Miura, Miura and Toki(1985) 、 その他多くの研究者に

よって、 それぞれ改良 され用いられている。 この装置は、 供試体内で半 径 方 向に 均分 布を作 用できないという 難点を含んでいるものの、 任 意の三主応力

を比較的簡 単に制 御できることと、 ねじカを負荷することにより主応力を 回 転 させることができる利 点を有しており 発 展 性の高装置であ

5, 2. 1 中空せん断試験機の概要

中空セルの概略図と載荷系統図を 図5・1に、 また、 試験機の概観を写

真5・1に示している。 本試験機の特 徴をまとめると以下のようになる。

1 )試験装置の徳造、 操作の簡易 化を図るために、 負荷応力をすべて 空圧で制御している。

2 ) ピストンの摩擦を軽減、 外圧

の安定を図るために、 ピストン部に ストロークベアリングを用いシール を廃止している。

3 )外力を精度よく測定するため に、 ロードセル、 トルク計、 非接触 型 変 位 計をセル内部に設置している

写真5・1 中空せん断試験機の概観

(5)

Double b uret① Double buret② Double buret③ Water reserver De-aired water tank Belofram cylinder

E/P transdusor Function generator Liner-head speed control motor

10. Dialgage

11. Regulator

12. Vias-relay

13. Vacuum eおctor

14. Filter

15. Compres sor

1i?“qδdAFUQU門/oonHU

〈O}Cヨ巾nyωコom

04リ4ココ巾寸 門巾-- .、A nr

ill-v

nドE ・EE・E・--v 円。

ßell ofra� cylinder

Axial loading

『一-w

、aa- -E'

e r

「』 戸』

nu U 5 .パu nu, n川

a r

e

0 0

5 LT

Porous stone Specirnen

(b)中空せん断試験機の載荷系統図

152・

(a)中空セルの概要、

図5・1

(6)

4)背圧負荷時の内圧、 外圧の増圧を自動化するために、 バイアスリレーを使 用している。

5 )垂直、 半径及び円周方向のひずみ重を評価するために、 内容積の測定を可 能にしているなどである。

中空供試体の寸法は、 概ね、 外径10crn、 内径6crn、 高さ20cmであり、 メンブレン の厚さは、 外側、 内側共に0.5rnrnである。 供試体への載荷は、 軸荷重、 ねじり力、

外圧、 内圧、 背圧の5系統により行われるが、 ここでは、 正八面体面上における 降伏曲線の形状に与える圧密経路の影響を明確にすることを主目的としているた めに、 ねじりカを負荷した実験は一切行っていない。

さて、 輸荷重制し は、 載荷枠の上段に取り付けられたベロブラムシリンダーを介 して載荷され、 圧縮 ・ 引張載荷が可能である。 軸荷重の載荷能力は、 ロードセル の測定範囲により、 最大:t 2.0 kNである。 外圧p。 はセル上部から直接空気圧を 負荷することによって制御され、 内圧Pi は内セルにつないだ二重ピュレット中に 空気圧を負荷することにより制御される。 内 ・ 外圧は、 最大0.6 MPa まで負荷可 能である。 実験時の各計測器による計測は、 ヂジタルメーターを直読みすること により計測される。 軸変位Zは、 最小目盛りO.Olrnrn のダイヤルゲージにより計測 される。 供試体自身の体積変化V1) , 内体積変化V1は、 それぞれ最小目盛りo.1ml のビューレットで計測される。

5. 2. 2 平均的な応力とひずみの定義

本節では、 以下に示す応力とひずみの算定式を用いて、 中空円筒供試体(図5

・2参照)に平均的に作用する応力とひずみの定義を行った(Hight, Gens and

Symes, 1983)。

平均的な垂直応力σz と軸ひずみE z :

M Po(do2・dr2)-Pld12

σ'z - +

π(do2-di2) do2-d12

E z - Z (5-1)

H

(7)

Vertical displacement

(a)

Po

(b)

図5-2 中空円筒供試体の説明

平均的な半径方向応力σr と半径方向ひずみf r :

Podo+pt.d1 Uo・Ul

σr - εr -

do+d1 do・d1

平均的な円周方向応力σθと円周方向ひずみf 8

Podo-p1d1 Uo+Ul

a 8 - ε。 = ー

do-dt. do+d1

(5-2)

(5・3)

ここで、 Hは、 供試体の高さ(cm)、 d。 とdt. は、 それぞれ外径(cm)と内径(cm)、

そして、 U 。 とUi は、 図5-2に示すようにそれぞれ供試体の外周と内周の半径

方向変位(cm)である。 これらの式を導くに当たり、 半径方向の応力が線形弾性的

に分布し、 また、 半径方向の変位が供試体断面に対して線形的に変化することを

仮定している。 後述するように、 これらの算定式に基づいて本試験機で得られる

実験結果を整理した場合、 結果的ではあるが、 不都合は何んら見られなかった。

154

(8)

σ Z

f--、 ) LU σz

σz>στ〉σ。 σz>σe>σr

、、

。。 σて Oe

Or>σ。〉σz σe>σr>σz

。r

図5-3 正八面体面上での応力状態; (a)応力状態の説明、 (b)主応力の説明

5. 2. 3 応力ひずみパラメータ

図5-3(a)に示すような正八面体面上の点Aの応力状態を表すために、 ここで は、 以下で定義される平均有効主応力p 、 軸差応力q、 応力比η、 せん断応力の方 向を示すロードアングルO 及び中間主応力係数b値を用いている。 なお、 。は、

図(b)に示すようにσz 軸に対して反時計方向を正としている。

p =一一(σz+σr+σθ) 3

(5・4)

q = 一一 ( (σ0 ・σr)2+(σγσz)2+(σz σθ)2) 1/2 (5・5) Jτ

η= q/p (5-6)

tan f) = r 、、,,,

,、‘,,

一0一σ 8一­ 一庁υ-

・ - 一

r-庁u

-

­

σ一-z ,,E‘、-一庁Uq、u一qfu ,,E‘、

σ2-σ3

b = (5-7)

σ1・σ3

ここで、 図5 - 3 (b) に示した正八面体面上におけるσr、 σz、 σ8 のf) =0. � 180・ の筒聞における大小関係を参考にすると、 。とb値には以下のような関係が

(9)

成り立つ。

σ r - σ8

b = for 0・< e < 60. (5-8a)

σ z σ。

σ z σθ

b = for 60. < e �三120. (5-8b)

σ r σ。

σ8 ・ σ z

b = for 120・< e < 180. (5・8c)

σ r σ z

図5・4は、 O値が、 0・-.- 180・の範囲におけるb儲との関係をまとめたものである。

また、 ひずみ状態を表すパラメータとして、 以下で定義される体積ひずみに 軸 差ひずみε、 及びひずみの方向を規定するパラメータωを用いている。

v = ε z+E r+E 8 (5-9)

、‘.as'ハU4li 「「U,,目、、

内L

/ 4EE・、ttJ司4、‘E,,8 PE

Z PE ,,E‘、4・「L、‘E,JZ Rt

r rE ,,.E‘、+ qt 、‘.E,,r rE

o rc r'a、、〆'EE、

一一pt v2

3

180

なお、 こららのパラメータは、 軸対称条

件を考えた場合、 第3章で定義した応力ひ ずみパラメータと一致するものである。

30

0.5 1.0

tanω = --- oE -8一 -FE 、、E,,司 r 、‘.,,

r-FE

-

­ EL­-z fak-Eつム,,目、、

150

120

nu nuJ

) 門叫JQU戸」」U(

、‘E,,,1B4 ‘li Fhu ,,E・、、

60

b-value

5・4 e値とb値の関係

156 ・

(10)

5. 3 実験手順と実験の応力経路

5. 3 . 1 供試体の作成方法

本節で用いた試料は秋穂砂であり、 その物性値は、 第2章で示した通りである。

以下に中空供試体の作成方法を簡単に示す。

1 )内メンブレン、 外メンブレンを内モールド、 外モールドに固定した後、 メ ンブ.レン中に、 気乾燥した試料を専用ロートを使って空中落下させ、 所定の密度 になるように充犠する。 目標とした初期間隙比e。 は、 0.78:!:0.02 (相対密度約

60 %)である。

2 )中空供試休を30 kPa の負圧で自立させ、 供試体の内径、 外径及び高さをの ぎすとシリンダーゲージで、 それぞれ測定する。

3 )負圧をセル圧に置き換え、 供試体内の空気を炭酸ガスに置換した後、 供試 体に脱気水を注水し、 100 kPa の背圧を負荷し、 飽和させるD

4 )制御する各外力(内圧、 外圧、 軸 荷重)や各測定量(体積変化、 内容積変 化及び紬変位)の初期値を記録した後、

実験を開始する。

5. 3 . 2 実験手順

応力制御で行う実験の具体的な手11債を 以下に示す。 その作業手11債の流れは、 図 5・5にまとめられている。

1 )まず、 実験を行う応力経路とその 際の応力ステップを選定し、 各ステップ に対応するp, q, b, e{1直を決定する。

2 )次いで、 p, q, b {直に基づいて各 主応力の計算と今の応力状態での内径と

外径の計算を行う。 p, q, b値に基づく 各主応力の計算式は、 以下のように与え

りれる。

今の応jJ状態での 内任、 外nのñl・J-r.

〔式(5・13))

制御する内圧、 外圧及び制 荷重のn1r. (式(5・H), (5・15))

戦荷後の各測定量(内容積変化、 体積変化 州方!íiJ変位)から3つのひずみの計算

〔式(5-1),(5・2), (5・3))

図5-5 実験手順

(11)

q

σ1 ご + σ3 (5-12a)

(b2幽b+l)

σ2 - σ3 + b(σ1・σ3 ) (5・12b)

σ3 = p + 、‘,J41i aEゐ / 勺ι qa-hυ

内42nu f‘t q、U (l+b) (5-12c)

また、 荷重 を負荷した後の供試体の内径rl'(cm)と外径ro'(cm)は、 その段階での

軸変位、 体積変化、 内容積変化を測定することにより、 結果的に以下の式で評価 される。

πri2Ho・V1+R+門p1

rl'= ( ) 1/2

π(Ho・z)

(5-13a)

πHo(r02・rl2+fi'2)ーπZfl'2+Vo+Mpl+Mpo

fo'= ( ) 1/2

π(Ho・Z)

(5-13b)

ここで、 H。 は、 供試体初期高さ (cm)、 flと r。 は、 供試体初期の内径(cm)及び外 経(cm)、 z は、 垂直方向変位(cm)、 Vlと V。は、 供試体の内容積変化(ml)及び体積 変化(ml)、 Rは、 内圧の変化に伴う内容積補正量(ml)、 I1plと恥。 は、 内圧 、 外

圧の変化に伴う内メンブレン と外メンブレンの貫入量をそれぞれ示している。 な

お、Rの評価に関しては、 事前に調べた補正曲線(供試体がない状態での内圧の

変化に伴う内セル用ビュレットの変化を示す曲線、 図5-6参照)を利用し、 また、

メンブレン 貫入量に関する補正は、 Vaid and Negusey(1984)の示した第一法に基 づいている。 本実験で は、 図5-7に示す補正曲線を用いている。

3) e値より、 σz , σr , σθ とσ1 , συ σ3の対応を式(5-8)によって評価 し(鉛直方向をz納、 半径方向をr輸、 円周方向をO軸としている)、 前述の内径、

外径、 高さの各測定量に基づいて制御する内圧、 外圧及び軸荷重の計算を行う。

158 -

(12)

と 円 周 方 向 応 力 σe

〔式(5-2)) 結果的に次式で計算される。

半 径 方 向 応 力 σ r 外圧P。は、

より、

内圧Pl、

(式(5・3)) まず、

(5-14a)

、、,,,., -A r ., o FA ,,a、、

2

σθ σ r(ro'+rl')

一ー

aA nva

rl

(5-14b)

、、EE,,., aE­TA ., o F且,,目、、

2

+ σg σ r(ro'+rt')

P 。 一一

r。

次式で与えられる。

式(5・1)より、

の計算式は、

n6

({巴) 7'

ιu phJ

A斗

qL 1i パ戸ωLコ円以LωパV咽玄

Lωcc→

また、 軸荷重W

100 200 300 400

Inner cell pressure (kpa)

内圧負荷に伴う内容積 補正曲線

図5・6

( b)

Aio sand Dr=63%

Unloading

30 50 100 200 500 1000 Effectivc confining pressure

(kpa) 10

nU

FhJ Ooo-xEωlcoニ司L一ECω{]ωCED-cωεパVFCコ

(a)

Aio sand Dr=63%

Loading

00OHHFum

rJ covμ司eLμωcωaωC司LDEωFEμhcコ

20 50 100 200 500 1000 Effective confining pressure

(kpa) 0

10

(b)除荷時の補正曲線 (a)載荷時の補正曲線、

メンブレン貫入量補正曲線;

図5・7

(13)

(5・15) w = (σz(r。'2-r1'2)+r1F2P1・(ro'2-dr2)Po) 1c

軸荷重を負荷することにより所定の応力経 計算された内圧、 外圧、

以上により、

路を保ったせん断試験が可能となる。

定常な状態(内容積変化、 体積変化及び軸方向 供試体の変形が、

4)載荷後、

体積変化及び糊方向変 内容積変化、

に落ち着いたら、 再び、

変位から判断する)

円周方向の各ひずみ 半径方向、

鉛直方向、

それらの結果を用いて、

位を計測し、

このような手順を各荷重ステップで繰返し行うことにより、 所定 (図5・5参照)。

の応力経路下での試験を実施している 重を計算する。

実験に用いた応力経路

5. 3. 3

図5-8と図5・9に示すように2つのシリーズに分けられる。

本節での実験は、

等方圧密履歴を受けた砂の正八面体面上における降伏

」つ(シリーズ6・A)は、

(シリーズ 他一つ

履歴の大きさに注目して調べるものであり、

曲線の形状を、

異方圧密履歴を受けた砂の正八面体面上における降伏曲線の形状を異 6 -B) は、

以下に具体的な実験の内容を示す。

方圧密の方向に着目して調べるものである。

3つのタイプに分けられる(図5 このシリーズは、

シリーズ6 -A

( 1 )

まで圧密した後、 p一定か (p=100 kPa)

等方的に点3 Type A-1は、

-8参照)。

(B = O' , 15' ,30' ,45' ,60' ,90' ,120. ,150' ,180') にせ

。一定の9種類の方向

(p=200 点2

それぞれ、

Type A-2とType A-3 は、

ん断を加えるものである。

Type その後、

点3まで除荷し、

-1lmu まで等方圧密した後、

900

l G;一長

(p=400 kPa)

(a)

200

100

日a)、 点、1

(市門豆)σ

1200 /

r

150。 。。

Type A-1 ,A-2,A-3 180。

等方圧密砂の降伏曲線を決めるための実験

160 ・ 図5・8

(14)

ト!と同じ条件でp 一定、 。一定のせん断試験を行うものである。 これらの試験 により、 点1、 点、2に対応する降伏点の評価が正八面体面上で行える。

( 2 )シリーズ6-B ... このシリーズは、 6つのタイプに分けられる(図5

3参照) 0 Type B-1は、 図(a)と図(b) に示すようにe = 00 (b= 0.0)上を点2

(p=100 kPa)まで応力比η= 0.6で異方圧密した後、 点、3まで除荷し、 その後、

図5・8(b)に示す9種類の方向に p 一定、 。一定(e =0・,15・,30・,45・,60・,90・,

120・,150・,180・) のせん断試験を行うものである。 Type B-2は、 Type B-1と同

経路を点1(p=200 kPa)まで先行的に 異方圧密し、 その後、 点、2を経て 、 点3ま で除荷し、 以下Type B-1と同じ条件でp 一定、 。一定のせん断試験を行うもの である。 この試験により、 。=0. 上の点1に対応する降伏点の評価が正八面体面 上において行える。 ま た 、 Type C-1, D-1は、 図5・9(C)"'" (f)の示すようにそれ ぞれÐ= 300 (b= 0.5)、 。= 600 (b= 1.0)の方向に点2(p=100 kPa)まで異方圧 密を行った後、 点3まで除荷し、

その後、 Type B-1と問機の条件 でせん断試験を行うものである。

そして、 Type C-2, D-2は、 それ ぞれÐ =300 (b=O. 5)、 。=600 の 方向に点1 (p=200 kPa) まで、

応力比0.6で先行的に 異方圧密を

行った後、 点2を経て点3まで除 荷し、 その後、 Type B-2と同様 の条件でせん断試験を行うもので ある。 これらの試験により、 正八 面体面上における異方圧密経路の 遣いが陣伏点に与える影響を検討

することができる。

なお、 Type A-1、 Type 8-1、

Type C-1、 Type D-1 のような処

女圧密後、 せん断を加える試験 It、 3. 2. 3で も述べたよう

cr

cr

。。

Type 8-1,B-2

Or 。。

Type C-1,C-2

p (kPa)

。r σE

Type D-1,D-2

図5・9 異方圧密砂の降伏曲線を 決める ため の実験

(15)

1:、 降伏点を決定する上での補助的な役割をはたすものである。

5. 3. 4 予備的な実験の結果

本節では、 本試験機 の妥当性を検証するために行った実験結果の一例を示す (安福・村田・兵動・山本・伊東, 1989a)。

図5・1 0は、 同じ相対密度で作成された秋穂砂を対象に、 通常の三制圧縮試験 機と本試験機を用いて行ったp 一定の三制圧縮試験の結果を比較したものである。

本試験機を用いて得られたη- f 関係、 η-v 関係共に、 ひずみレベルに関係なく 通常の三軸試験機による結果(太い実線)とよい対応を示している。 また、 図中 には、 B=O', 15' , 30', 60' 一定の条件で行った、 p一定のせん断試験の結果も まとめて示している。 得られた

応カひずみ関係は、 既に実績の ある真の三主応力試験機を用い て行われた同様な試験(Lade and Duncan,1975; Yamada and

Ishihara, 1979; Ochiai and Lade, 1982)の結果と定性的に

よい対応を示していると思われ る。 これらの結果は、 本試験機 の信頼性の高さを示すーっの要 素となろう。

次いで、 図5 - 1 1は、 図中に 示すように、 e =30'、 60'、 と

。= -30'.. -60'一定条件の基で p一定せん断試験を行った結果

を比較したものである。 この 場合、 Oが、 30・と 60・の場合 には、 内圧と外圧の比Po/Pl

1;1:、 常にPo/Pl<lであり、

が、 -30・と -60・の場合には、

c

Cア

1.8

1.2

0.6

1.8

1.2

0.6

(a)

2 3 4

E (%)

e=�� (b)

。=15

-1.5 -1.0 -0.5 0.5

v (%)

図5 -1 0 応力ひずみ関係のb値依存性 (a)η- f関係、 (b)η - v関係

162 -

(16)

1.6 η

n 1.6

εz σz

ーエトむ

(a) トイ Or ( b) X 。r

-3.0 -2.0 -1. 0 1.0 2.0 3.0 -3.0 -2.0 -1.0 1.0 2.0 3.0

Principal strain (%)

. Principal strain (%)

08

図5-1 1 p一定、 O値一定のせん断試験

(a) 8=300 、 ー30・の試験結果の比較 (b) 8=600 、 -60・の試験結果の比較

m

m

m

m

m

m

nu

nu

nu

rhu

円U

nU

1i 司/h vi F' ph p』

令L

φし

φし

r e r e

hH

e m e m

g

n a

+aMan

I yAAunUAuun u--e A斗 nu

rhu

-- 1i

nu

Po/Pi=O.9

図5-1 2 内、 外圧比の特性

常にPo/Pl>lである(図5・1 2参照)。 内圧と外圧の比が、 それぞれ異なる条 件であれば、 供試体内 の応力の不均一位の状態も異なると考えられるが、 それに も関わらず、 図に示すようなひずみレベルではe = 30.と-30.、 。= 60・と-60.の

応力ひずみ関係の対応はよい。 つまり、 この結果は、 本試験機から得られる応力

ひずみ関係が 、 要素としての応力ひずみ関係に近いものであることを示唆する。

(17)

5. 4 陣伏曲線の形状とその定式化

5. 4. 1 各タイプの試験から求まる応力ひずみ曲線と陣伏応力

( 1 )等方圧密除荷履歴を受けた場合の結果(シリーズ6 -A)

図5・1 3と図5- 1 4は、 シリーズ6 -Aの試験から得られたη- E曲線および 降伏点を示したものである。 ここでは、 代表的な試験結果のみを示しており、 降 仇長の決定は、 3. 3で述べた方法に基づいて行っている。 図5 - 1 3 (a) � (d) は、 それぞれ、 Type A-2 (過圧密比=2の場合)の e =0・, 30・, 60・, 180・ 一定の 条件で行った試験結果を示し、 図5・1 4 (a),-._, (d)は、 Type A-3 (過圧密比=4の 場合)のType A-2と同様の試験条件での結果をまとめたものである。 また、 そ れぞれの図中には、 Type A-1 (処女載荷試験)試験から得られたη- E曲線も、 実

C

no

nU7J

nununu --

=

= 0・bo戸』

0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4

(%)

Type A-2

8 = 60 b = 1.0 eo = 0.78

0.2 0.4 D.6 0.8 1.0 1.2 1.4

ε (%)

1.4.r

1.2

L(b)

lトY.P.

C 8= 30

b=0.5 eo=0.78

o 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4

ε(X)

1.2 í (d)

l 卜I Y.P.

0.8 :

亡了

。=180 b=l.O eo =0.78

0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4

ε(%) 図5・1 3 Type A -2 (過圧密比=2)試験のη- E関係と降伏応力;

(a) e =0・の場合、 (b) e =30・の場合 、 (c) e =60・の場合、 (d) e =180・の場合

164・

(18)

Type A-1

8 = 0

TVD白 日

0.4 0.2

b = 0.0 e 0 = 0.78 1.6

Type A-3

C

QU

07

nununu --

=

=

6bB

o 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4

ε (%)

Type A- 3

。 = 60 b = 1. 0 e 0 = 0.78

0.6 0.8 1.0 1.2 1.4

ε (%)

C了 。= 30

b=0.5 eo=0.78

o 0.2 0.4 0.6 0.8 1.2 1 .4

ε(%)

0.8

0.6 8=180

E二 b=1.0

0.4 eo=0.78

0.2

0.2 0.4 0.6 0.8 1.2 1.4

ε(%)

図5・1 4 Type A - 3 (過圧密比=4)試験のη1関係と降伏応力;

(a) 8 =0・の場合、 (b) 8 =30・の場合、 (c) 8=60・の場合、 (d) 8 =180・の場合

線によって示している。 この場合のη- t曲線は、 降伏点をより明確に決定するた めの手段として、 3. 3て述べた方法によって、 Type A-2, Type A-3のη- f曲 線と重なるまで原点を移動させて描いている。 これらの図から、 まず、 降伏点は、

すべての応力経路上で見いだされ、 また、 その時の応力比には、 明らかなO値依 存性が表れていることがわかる。 さらに、 Type A-3 (過圧密比=4の場合)の隣伏 点における応力比は、 何れのせん断方向においても、 Type A-2 (過圧密比=2の 場合)のそれに比べて、 大きくなっている。 これは、 等方的な先行圧密の大きさ が大きくなればなるほど、 降伏点は、 それに対応して正八面体面上において全体 的に広がることを示すものである。

(19)

( 2 )異方圧密除荷履歴を受けた場合の結果(シリージ6-B)

図5・1 5から図5- 1 7は、 シリーズ6・Bの試験から得られたη- E曲線を降 依点と共に示したものである。 図5・1 5は、 Type B-2 ( e =0・方向に異方圧密し た場合)試験の結果であり、 。=0・, 30・, 60・, 180・ 一定の条件で行った試験結 果をまとめている。 同様に、 Type C-2 ( e =30・方向に異方圧密した場合)とType

0-2 ( e =60.方向に異方圧密した場合)の試験結果は、 図5・1 6と図5・1 7に まとめられている。 なお、 各Type のη-km 曲線は、 η-E曲線とほぼ同様な傾向

を示すことから、 煩雑ざを避けるために示していない。

l.6

C

l.2

0.8

c" 0.6

0

0.2 0.4 0.6 0.3 1.0 1.2 1.4

ε (X)

。= 60 b=1.0 eo=O.78

o 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4

ε (%)

仁7

o.

1.2

0.8

c"

0.6 0.4 0.2

。= 30 b=0.5 e =0.78

0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4

ε(%)

o 0.2 0.4 0.6 0.8

ε(%)

。=180 b=l.O eo=0.78

図5・15 Type B-2 (e =0・ 方向に異方圧密した場合)試験のη- E関係と隊伏応力;

(a) e =0・の場合、 (b) e=30・の場合、 (c) e =60・の場合、 (d) e =180・の場合

166 ・

(20)

図5・1 5に示したType B-2試験の結果から、 この場合の降伏時の応力比(正 確には、 破壊時の応力比ηp に対する降伏時の応力比ηyの割合、 ηy/ 7] p)は、

異方圧密方向、 すなわち、 。= 0・方向から正八面体面上のせん断方向が離れて行

くに従って、 減少する傾向にあることが知れる。 そして、 せん断方向が90・より 大きくなると、 η- í、 (η-km)曲線共に、 処女供試体のそれとほぼ一致し、 明 確な降伏点は得られないという結果になった。 次に、 Type C-2試験では、 異方圧 密方向である8 = 300 方向を中心に、 せん断方向が離れるに従って、 降伏点の応 力出(正確には、 ηy/7]p )は減少しており、 。が150。 以上では、 障伏点は評価 できず、 降伏がせん断初期から生じる結果となっている。 また、 Type D-2試験で

c

。= 0

0.8' H-ρ --- b=O.O

eo=0.78

0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 l.2 1.4

ε (%)

1.2 Type C-2

。= 60 b=1.0 eo=0.78

(c)

1.�

1.2

1.0

---ーIype しーl 。= 30 b=0.5

0.6 eo=0.78

0.4

0.2ト (b)

1.0 0.8

c 0.6

0.4 0.2

o 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4

ε (%)

(d)

。 = 180 b = 1.0 eo = 0.78

ー」

0.-2 0‘4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4

ε (%) ε (%)

図5・16 Type C-2 (8=30' 方向に異方圧密した場合)試験のη- í関係と降伏応力;

(a) 8=0'の場合、 (b) 8 =30.の場合、 (c) 8 =60.の場合、(d) 8=180.の場合

(21)

も、降伏点の応力比(正確には,ηy/ηp )は、 異方圧密方向と一致する8= 600 方向が、 最も大きく、 せん断方向が圧密方向から離れるに従って、 減少する傾向 にある。 以上のことから、 正八面体面上における降伏応力の表れ方は、 圧密経路 属歴の方向に大きく依存したものであると結論づけられる。

C

。= 0 b=O.O eo=0.78

o 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4

ε(%)

戸』

0

o 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4

ε (%)

1.4 1.2 1.0

c

0.6 0.4 0.2

。= 30 b=0.5 eo=0.78

0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4

ε (%)

司〆』nu ρ』nドHVJ Tー

「11111トIIl-LIli--L

門/』

nu no rb -A 1A nu nu

C

0.4

1.0 1.2 1.4

。 = 180 b = 1.0

eo =0.78

ε (%)

図5・17 Type D-2 (8=60. 方向に異方圧密した場合)試験のη寸関係と降伏応力;

(a) 8=0.の場合、 (b) 8 =30'の場合、 (c) 8=60.の場合、 (d) 8=180.の場合

168 ・

(22)

5. 4. 2 正八面体面上における降伏曲線の形状

図5・1 8は、 5. 4. 1で言及したType A-2, Type A-3のη- E関係とη-km 関係から求めた降伏点とそれに基づいて描いた降伏曲線の形状を、正八面体面上 に示したものである(安福・村田・兵動・山本・伊東, 1989b)。 図中には、 実験から 得られた破填点(実験で得られた最大の応力比の点として規定した)と各種の破 壊基準(Mohr-Coulomb、Matsuoka and Nakai(1974)、Lade and Duncan (1975)、及 び後述の式(5・22))に基づく予測破壊曲線(Ð = O.を基準にして描いている)も 比較のために示している。 なお、式(5-22)の説明については後述する。

図(a)のType A-2試験の降伏曲線の形状は、0点を中心にややσz軸方向に膨ら 1んだ楕円型の形状をしており、 全体的には、Drucker-Prager タイプの基懲よりも、

ここで示した、Matsuoka and Nakai、Lade and Duncan 、及び式(5・22)の破壊基 準の特性と良い対応があることがわかる。 このことを詳しく見るために、 図5・

1 9 (a)には、Type A-2試験で得られた降伏点における応力比とb値の関係が、

破壊時の応力比とb値の関係と共に示されている。 降伏点における応力比は Oが rから600 の腕囲では丸印、600 から1200 の範囲では三角印、1200 から1800 の範囲では四角印でそれぞれ示されている。 さらに、 図中には、Matsuoka and NakaiとLade and Duncan の破壊規準から求まる破壊時の応力比とb儲の関

l'lohr Coulomb

Observed q(kpa) yield point

O ηf ムη-km

�bs�rved failure point Yield curve

o 11-E ムη-km

門U1ph .円up」&Ilw nH nむp、JW《HL・"'' nuvH

Yield curve

図5・1 8 正八面体面における等方圧密砂の降伏曲線; (a)Type A-2 (過圧密比=2) 試験の結果、(b)Type A-3 (過圧密比=4 )試験の結果

(23)

C

1.8卜(a) 0:8=0 -60

6. :8=60 -120 口:8=120-180 1.6卜凸 Yミミト\

1.4ト a '\. " -""

1.2ト トa1 I ue A (、 ι �ーーーーーー

0.8

/ ηー|くm

0.4ト

0.2卜 Yield

0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 b-value

Eご

ム:8=60 120

Failu 口:8=120 180

6�

�、

presented

1.4ト \\\

" 'σ

\

1.2ト\

囚υ\

Oi~ js-

0.6

n-kr:1 .

Yield

0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 b-value

図5 - 1 9 降伏点、の応力比と中間主応力係数b値の関係;

(a)過圧密比=2の場合、 (b)過圧密比=4の場合

の係も併せて示している。 この 図より、 OがO。 から600 の範囲では、 降伏点の 応力比は、 b {i直の増加に伴い徐々に減少し、 その傾向 は、 概ね、 図中に示した破 壊規準のそれ と似ている。 次に、 図(b)のType A-3試験による降伏曲線の形状も やはり、 Type A-2と同様に、 0点を中心にσz 軸方向にやや膨らんだ楕円型の形 状をしている。 しかし、 Type A-3試験での降伏曲線の形状は、 Type A-2試験 の それよりも、 大きな履歴が与えられた分、 正八面体面上で外方向に全体的に広が

った形状 となっている。 また、 図5 - 1 9 (b) の結果から、 b値と降伏時の応力比

の関係には、 概ね、 図(a)のType A-2と同様 の傾向が存在する。

図5・2 0は、 Type B-2試験(e = 0。 方向に応力比0.6で異方圧密した場合) より得られた降伏曲線を正八面体面上に示したも のである。 また、 同様に、 Type

け試験( e =30・方向に応カ比0.6で異方圧密した場合)、 Type D-2試験(e =60・

方向lこ応力比0.6で異方圧密した場合)から求めた降伏曲線は、 図5 ・2 1 、 図5

-2 2にそれぞれ描かれている。 図中には、 Type A (等方圧密)の場合 と同様に、

つの破壊規準による予測破綴曲線 と本実験より得られた破綴点も示されている。

170 -

(24)

Presented eq.

�latsuokil &

Nakai

Mohr Cou 10mb

q(kpa)

0 η-ε Observed ムη一km yield point

。Observed failure point Yield curve

図5 - 2 0 異方圧密砂の降伏曲線; (e =0・

方向にη=0.6で異方圧密した 場合の結果: Type B-2試験)

q(kpa)

o Tl-ε Observed ムη-km yield point o �bs�rved

fa il ure poi nt Yield curve

Mohr Coulor.1b 50

q(kpa)

0ηーε ムトkm

�5. 2 1 異方圧密砂の降伏幽線; (e =30.

方向にη=0.6で異方圧密した 場合の結果: Type C-2試験)

図5・22 異方圧密砂の降伏曲線; (e=60' 方向にη=0.6で異方圧密した 場合の結果: Type D-2試験)

(25)

それぞれの降伏曲線の形状は、 異方圧密を受けた方向に相対的に膨らんだよう な楕円型の形状を呈しており、 圧密方向に依存した異方的な特性を示している。

ここで、 その形状の特徴的なことをまとめると次のようになる。

まず、 Type B-2試験( a = 0。 方向に異方圧密した試験)での降伏曲線の形状 li、 e= 0・方向に、 膨らんだ形状であり、 。= 900 以上では、 明確な降伏点は表 れず、 せん断初期から降伏が始まる形となっている。 三軸圧縮領域( a = 0・に対 応)と三軸伸張領域( a = 1800 )の変形特性の狛立性ということが、 Tatsuoka

and Ishihara (1974)やYamada and Ishihara(1982)によって示されているが、 こ のことは、 先の結果から過圧密比2程度の異方圧密履歴を加えた場合にも成り立 つものと考えられる。 ただし、 この場合には、 変形が完全に独立ではなく、 異方 圧密履歴の方向に対してせん断の方向が離れるに従って、 独立的な特性へと徐々

に変化して行くと考えるべきである。

次に、 Type C-2試験から得られた降伏曲線の形状( a = 300 方向に異方圧密し

た試験)は、 。= 300 方向のある点を中心して広がった凸状の形をしている。 こ の場合には、 せん断方向がa= 1500 以上で異方圧密履歴の影響が消失し、 明確な 降伏点が得られなくなっている。 さらに、 。= 600 方向に異方圧密を行った

Type 0-2試験から得られた降伏曲線の形状は、 。= 60.方向のある点を軸として、

非対称的な歪んだ楕円で形容できそうである。 この場合には、 何れのロードアン グルに対しでも降伏点の決定は可能であった。

以上、 正八面体面上の降伏曲線の形状について言及してきたが、 その形状は、

1) e値そのものに依存した特性を示し、 かつ、 2)異方圧密履歴の方向と大き さに依存した異方的な特性を示すことが明らかになった。

5. 4. 3 相異なる三主応力状態における降伏関数の誘導

ここでは、 第3章で定式化した三鍬条件下における降伏関数に先に述べた降伏 特性のO値依存性と誘噂異方性の効果を取り入れることを試みる。 それによって、

どの程度、 先に示した正八面体面上における降伏曲線の特性が評価できるかを検 討する。

般に、 相異なる三主応力下における降伏関数fは、

172・

(26)

(5-16)

= 0 kn) q、 。 、

= f(p、

。 kn) f = f(J1、 イ寸2、

(5・17a)

川一2

ここで、

(5-17b) J3

q3

1 27

= -3 arccos (一一2

式(5-7) 及び その定義は、

ロードアングルであり、

ただし、 。は、

で表される。

J2は、 偏差応 応力テンソルの第1不変量、

J1 は、

図5・3 (b)に示されている。

偏差応力テンソルの第3不変重であり、 偏差応 J3 は、

カテンソルの第2不変堂、

応力テンソ σi j は、

で表される。

(1/3)σkk・Ô i j σi J

S 1 J ーー

力テンソルは、

は式(5-4)で示した平均有効 また、 P

クロネッカーデルタである。

j LV は、

J3 と これらのパラメータを、

主応力、qは式(5-5)で定義した車両差応力であり、

テンソル表示すると、

共に、

(5・18) p =一ーσi j・Ô i j

3

(5-19) Sij .SiJ] 1/2

(5・20) S i J . S j k . Sk i

n個の内部変数(硬化パラ kn は、

において、

式(5-16) で与えられる。 さらに、

を意味する。

メータ)

P、q、 N 降伏関数は、

第3章の知見と先の実験的な成果を踏まえると、

さて、

すなわち、

の関数として表示できる。

及びkn

(27)

f = f(p、 q、 N( 8 )、 kn) = 0 (5・21)

となる。 ここで、 Nは、 降伏特性を評価するパラメータであり、 降伏曲線の勾配 がOとなるときの応力比である。 降伏曲線の0値依存性(強度異方性)を取り入 れるためには、 Nの値は、 8 1直に依存するものと考え、 その関数として与えるの が概成式に発展させる場合、 便利である。 ここでは、 正八面体面上での降伏曲線 が歪んだ楕円型を呈していることと、 第3章で示した降伏関数に組み込む際の簡 便さを踏まえて、 N( 8 ) として、 次式を導入する。

N

(8) = Nc.g(8)

A

= Nc・

[A2coS2 ((3/2) 8) + sin2 ((3/2) 8) ] 1/2

(5・22)

ここで、 Nc は、 三割fi圧縮状態(8= 0.)の時の Nの値である。 上式の g( 8 ) は、

ドO。 の時、 g(O.)= 1.0となり、 。=π13の時(三鮪伸張状態)、 g(π13) =A となる特性を有する。 ただし、 Aは、 材料定数であり、 Ne/Ncで定義される。 も し、A = 1と置くと、 g( 8 )はπ面上で円となり、 A = 3/(3+Nc) と置くと、 g( 8 ) はπ面上で三軸圧縮と伸張状態でMohr-Coulomb基準を満足する歪んだ楕円とな る特徴を有している。 ここでは、 Aの値は、 基本的には、 実験結果に基づいて決 定されるが、 その際、 g( 8 )のπ面上での形状は、 常に外側に凸であるべきであり、

実際には、 最もうまく実験結果に適合し、 かつ、 この制約を満足するAの儲を用 いなければならない。 以下では、 式(5・22)を導入することによって、 降伏関数の

般応力状態への拡張を試みるが、 式(5田22)を用いた降伏関数の誘噂を等方硬化 を仮定した場合と、 異方硬化を仮定した場合に分けて示すこととする。

( 1 )等方硬化を仮定した場合の降伏関数

第3章において、 等方硬化を仮定した場合には、 三紬空間における降伏関数と て次式が有効であることを実験的に示している。

174・

(28)

c 1= 1の場合:

p c (c-l)η2+N2

f = ln一一+ ln( J = 0

c= 1の場合:

Po 2(c-1) N2

f = η2 + 2N21n Po/p = 0

(5-23a)

(5-23b)

この時、 pとqを、 式(5・18)、 式(5-19)で表し、 η= [(3/2)η1 j・ηljJ 1/2 で定 義すると、 上式は、 一般応力状態へ拡張した降伏関数の表示式としてそのまま利 用できる。 ただし、 Nは、 式(5・22)で定義される。 また、 ηiJ= Sij/P である。

式(5・23)は、 N = Nc =門c の時、 エネルギー的考察に基づいて、 橋口(1972)が噂 いた降伏関数 と等価となる。 加えて、 式(5・23a)で c = 2 を代入すると、 降伏関 数は、

P N2 + η2

f = ln一一ー+ ln ( J = 0 (5-24a)

P。 N2

または、

f = p2 ・ PPO + 一一ー が = 0 (5-24b)

N2

となる。 この場合、 もし N = Nc = Mc であれば、 修正Cam-clayモデルの降伏関 数と一致する。

さて、 式(5・23)を ηについて整理すると、 次のようになる。

c;t 1の場合:

P

η = N [ (一一) 2(c-1)/c - 1] 1/2 (5・25a) P

(29)

c == 1の場合:

η = N [2・ln(po/p)J 1/2 (5-25b)

また、 式(5-25a)から c = 2の時、

0

η = N [ (一一J - 1 ] 1/2 (5・25c)

P

を得る。

これらの関係により、 π面上における降伏曲線の形状を Po/pと関係づけて描 くことができる。 図5・2 3は、 式(5-25a) Cc=1.5を仮定)、 式(5-25b)、

式(5・ZSc)を用いて描いたπ面上での降伏曲線の形状を比較したものである。 図

(a)は、 Po/p = 2.0の場合、 図(b)は、 Po/p = 4.0の場合の結果 である。 降伏曲

線の予測に際し、 Ncの値は、 4. 5で述べた方法で決定しており、 どの降伏関数

を用いるかによってその値が異なってく るが、 こ こ で は、 実験結果 から、 c = 1 の時、 Nc = 0.82、 c = 1.5の時Nc = 1.044、 c = 2.0の時Nc = 0.80をそれぞ れ与えている。 また、 定数Nの0値依存性を規定する式(5・22)中の定数A (Ne/Nc) は、 実験結果に基づいて、 0.75としている。 図中 には、 予測結果との比較のため

に、 図5 -1 8に示した降伏曲線の形状をレンジで 示している。 予測曲線 は、 実験

曲線のO値に依存する特徴を、 少なくと もMohr-Coulombや Cam-clay タイプの 降伏曲線に比べると、 うまく表わすこと ができる。

176 ・

(30)

σz σz

q(kPa)

rl、 ) 'hu

q(kPa)

(a)

明記)eq./ . /'才一EXEJ12;:;

Presented eq.

(Failure)

Predicted yield curve c=1.。

Experimental yeild curve Predicted

yeild curve c=1.0, 1.5, 2.0

Or 。r

Po/p=2.0 Po/p=4.0

図5- 2 3 正八面体面上における等方圧密砂の降伏曲線の予測 (a)過圧密比=2の場合、 (b)過圧密比=4の場合

(2 )応力誘導異方性を考慮した降伏関数

降伏特性の圧密経路依存性を表現するために、 軸対称条件下(第3章)では、

以下の降伏関数が有用であることを示した。

c* 1の場合:

p c (1・c)(2α-η)η+{N- (2-c)α } N

い1n 一一 + 1n( ) = 0

Po 2(c-1) (l-c)α2 + {N-(2-c)α}N

(5・26a)

c= 1の場合:

fこ(ηーα)2 + 2N(N-α)lnpo/p = 0 (5-26b)

(31)

加えて、 式(5・26a)において、 c = 2 の時、

p N2-2αη+η2

f = ln 一一 + ln( J = 0

Po N2・α2 (5・26c)

ここで、 αは、 第3章で詳しく述べたように、 隣伏曲線が、 静水圧軸に対してど の程度傾いているかを表すパラメータであり、 具体的には、 降伏曲線の勾配が無 限大となる応力比として定義される。

さて、 上式の一般応力状態への拡張を考えるために、 ここでは、 第4章で主と して用いた式(5-26b)を用いずに、 式(5-26c)の降伏関数を用いた議論を進めるこ

ととする。 これは、 一つに、 一般応力状態を対象とした場合、 この関数形が、 誘 導異方性を評価する降伏関数として、 数式上、 大変簡便であること(式の展開が 簡単なために、 構成式の中に組み込むことが容易である)、 また、 結果として、

等方硬化を仮定した場合の式(5・26c)の実験結果への適用性が、 正八面体面上にお いて比較的高いこと(図5 -2 3参照、 他の2つの降伏関数と同程度に良いという 意味)、 さらに、 第3章で示したように、 降伏特性を評価する材料定数Nc とα値 を正当に与えれば、 過圧密比2 程度までであれば、 この降伏関数を用いた構成式 の適用性は、 式(5・26b)の降伏関数を用いた場合と大差はなく、 その有用性が軸対 象条件下では保証されていること、 加えて、 次章で述べるように、 結果として、

この降伏関数が、 三主応力条件下でも十分に適用可能であることが明らかになっ

たこと、 などの理由からである。

きて、 式(5-26c)は、 p 、 q 、 α の関数として整理すると、

f = p2 ・ PPO + 一一 (q2-2αpq+α2PPoJ = 0

N2 (5-27)

で書き換えることができる。 異方性を表す変数αは、 2次の無次元化された軸差 応力テンソノレα1 j によって、

178 ・

(32)

α = [一一α1 J・αiJJ 1/2 3 (5・28)

で与える。 この時、 三軸圧縮条件でのαは、 α = α1 1 - α33 (α22 - α33) で与えら、 長軸方向には等方であることを仮定している。

式(5・28)を用いると、 式(5-2 7)は、 次のように一般化される。

3

f = P 2 ・ PPO +一一一((SlJ-PαlJ)(SlJ-Pα1J) + (Po・p)pα1Jα1 j ) = 0

2N2

(5-29) また、 上式を不変重で記述すると、

l

f = p2 - PPO + 一一一(q*2 + (Po-p)p α2 ) = 0

N2 (5・30a)

となる。 ここで、 式(5-19)で定義されるqは、 次式で置き換えられ、

3

q* = (一一(S1j-P.αlJ)(S1J-PαiJ)) 1/2

2 (5・30b)

また、 Nは、 式(5・22)で定義されるパラメータであり、 この時、 式(5・20)で定義 される不変量J3 は、

J3 * =

-一3 (S1J・P.αlj)(Sjk-PαJ k ) (Sk 1 - Pαk 1 ) (5-31)

と書き換えられる。 こららの式は、 α1 j のすべての成分が、 恒等的にOであれば、

当然のことながら、 式(5-19) 、 式(5-20)に帰着する。

図5 - 2 4は、 過去に受けた最大のp とqの値が、 図中のA点、 B点、 C点にあっ

(33)

Presen ted eq.

(Fa i 1 u re)

σr

Oz

Q (kPa)

Experiment Type B Type C

.:-:-:-:-:-: Type 0

Prediction

(pc=0.2 C

qC=0.12)

σ r

σz

'A (PA =0.2 qÄ=0.12MPa)

OCR=2

η=0.6 08

図5・24 正八面体面上における異方圧密砂の隊伏曲線の予測 (a) 3つの方向に異方圧密した時の降伏曲線の予測、

( b)その時の応力経路

た場合の正八面体面上における予測降伏曲線を示したものであるロ ただし、 予測 した降伏曲線は Po/p の値を2に固定した時のものである。 また、 α の方向は、

過去に受けた最大の応力履歴の方向と同じであり、 その大きさとして、 便宜上

α = 0.4を仮定している。 したがって、 αの定義から、 その成分(α1 1 , α22,

α33)は、 。=0', 30', 60' の場合でそれぞれ、 (0.27, -0.13, -0.13)、 (0.20,

0, -0.20)、 (0.13, 0.13, -0.27)となる。 この図より、 αの方向、 すなわち、 圧 密経路の方向が、 予測される降伏曲線の形状に大きな影響を与えることがよくわ かる。 加えて、 図中には、 比較のために、 図5 -2 0、 図5 - 2 1、 及び図5・22 に示した実験的に得られた降伏曲線もレンジで示している。 予測曲線は、 Cam- clayモデルでは表すことのできない、 圧密経路方向やロードアングルに依存した 降伏曲線の異方的な特性をうまく表現することができる。

180 ・

(34)

5. 5 本章の要約

中空せん断試験機を用いて、 三主応力を独立に制御した試験(p一定、 中間主 応力係数b値一定の多くの試験)を種々行い、 正八面体面上における隣伏曲線の

形状を、 圧密経路に着目して検討した。 本章で得られた結果を要約すると次のよ うであった。

(1) (a)中空せん断試験機と通常の三軸試験機を用いて行った p一定三制圧縮

伸張試験の比較から、 それぞれの応力ひずみ関係に良い対応が見られたこと、 (b) ロードアングル0を30., -30.、 及び60., -60.で行ったp一定、 e {I直一定の試験 結果の比較から、 それぞれの応力ひずみ関係によい一致が見られたことによって、

第ー近似としては、 この試験機から得られる平均的な応力とひずみの関係を要素

としての応力とひずみの関係と見なし得ることを示した。

(2 )等方圧密除荷履歴と異方圧密除荷履歴を与えた砂供試体に対する降伏応力 には、 破壊応力(実験で得られた最大の応力比として規定している)と同様、 明 確な強度異方性( e値依存性)が存在する。

( 3 )等方圧密除荷履歴を与えた砂供試体の場合、 正八面体面上における降伏曲 線の形状は、 静水圧納を中心とし、 ややa z車Iß方向に膨らんだ楕円型の形状である ことを示した。

(4 )異方圧密除荷履歴を与えた砂供試体の場合、 降伏点の表れ方は、 異方圧密 の方向(正八面体面上での方向)に大きく依存したものである。 すなわち、 異方 圧密履歴を与えた方向に対して、 せん断の方向が相対的にどの位置にあるかによ って、 降伏点の生じ方が、 異なってくることを示した。 結果として、 初期の圧密 の方向に対して、 ある角度以上せん断の方向が離れると、 応力ひずみ関係は、 処 女供試休のそれと同様なものとなり、 せん断初期から降伏が生じることとなる。

これは、 Tatsuoka and Ishihara の指摘する変形の独立性ということを意味する が、 この場合、 突然に変形が独立になるのではなくて、 圧密の方向とせん断の方

向の位置関係によって、 徐々に独立的な特性へと変化するものであるとする認識

が大切であることを指摘した。

( 5) e =0・ 方向に応力比0.6 で異方圧密した場合、 。= 30・ 方向に応力比0.6

異 方 圧 密した場合、 a =60' 方向に応力比0.6で異方圧密した場合の降伏曲線

(35)

の形状は、 何れも異方圧密を受けた方向に相対的に膨らんだ楕円型の形状を呈し ており、 結果として、 異方的な特性を有した形状となる。

( 6 )正八面体面上での降伏曲線の形状を表す関数として、 式(5・22)を与えた。

この関数は、 係数の与え方によって、 色々な形状となり、 特殊な場合として、

Drucker-Prager タイプの形状や、 三軸圧縮と伸張でMohr-Coulomb基準に従う楕

円型の形状を与えることができる。 次いで、 この式を第3章で示した降伏関数に

組み込み、 等方硬化型の降伏関数として、 式(5-23), 式(5・24)を、 また、 異方硬 化型の降伏関数として、 式(5-29)或いは、 式(5・30)を与えた。 そして、 これらの 降伏関数の適用性がある程度良好であることを示した。

182・

図 5・4 e値とb値の関係

参照

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