• 検索結果がありません。

学位論文題名Impact of the Soil SalinityandWaterLoggingContr011ing ProjectonAgriculturalProductivityinSindh,Pakistan

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "学位論文題名Impact of the Soil SalinityandWaterLoggingContr011ing ProjectonAgriculturalProductivityinSindh,Pakistan"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

博 士 ( 農 学 ) メ モ ン サ イ ー ド ア ク ノ ヾ ル

     学位論文題名

Impact of the Soil SalinityandWaterLoggingContr011ing   ProjectonAgriculturalProductivityinSindh ,Pakistan

(塩害・湛水制御プロジェクトの農業生産への効果)

学 位論文 内容の要旨

  /`キスタンの塩害及び過剰湛水問題(以下、塩害問題と略記)は、農地環境の悪化をも たらしているだけでなく、農業生産性の向上や食料供給の拡大にとって大きな障害となっ ている。塩害は、バキスタンのバンジャブ地方をはじめインダス川下流部のシンド州にお いて特に甚大であり、耕作可能農地の減少、農産物単収の低下など、農業生産に対して、

多大な影響を及ぼしている。バキスタン政府は、従来、灌漑設備に対して重点的に投資し てきたが、排水施設に対しては、投資してこなかった。こうした、排水施設の不備に加え、

基幹水路の老朽化による農業用水の農地への浸透、地下水位の上昇が塩害の要因である。

  この塩害問題を解決するために、世界銀行はじめとする国際機関が資金を提供して1987 から1997年にかけてLBODプ口ジェクト(Left Bank Outーfall Proect)を開始した。このプ 口ジェク卜は、大規模な排水設備を整備し、塩害問題を解決することを目的とした。農地 に パイプラ イン暗 渠や基幹 排水路を整備すること、強制排水するために約12馬力程度の 排 水ポンプ を多数 設置する こと等が主たる事業内容であり、受益面積は58万haに及ぶ。

こ れまで、LBODのよう な塩害を 解消するための大規模プ口ジェクトが、農薬生産や農家 経 済にいか なるイ ンパクト をもたらしたのかに関する社会科学的実証研究は皆無に等し い。

  本論文は、このプ口ジェクトが実施されたバキスタンのシンド州のミルプールカース市 を 対象とし て、LBODプ ロジェク トが農業生産や農家経済に及ぼす効果を明らかにしたも のである。

  本論文の分析結果は以下のとおり要約できる。

  第1章では、パキスタンの塩害問題がいかに農業生産にダメージを与えているかその実 態 について 詳細に 分析して いる。 バキスタ ンの全農 地3千万haのうち約15%、特に、本 論 文 が 分 析 対 象 と し た シ ン ド 州 は 、 全 農 地 の 約48% が 塩 害 に 直 面 し て い る 。   第2章で は、LBODプ 口ジェク トにつ いて、そ の事業 規模、事業内容、調査対象地域の 概要について述べている。調査対象地域としてソド口村を選定した。この村の農家戸数は 308戸、農地面積は、3.746haであること、農家戸数の39%が耕作面積0.4ha以下の小規模 階層に属し、62%が苅分小作農家であること、主たる栽培作物は綿、砂糖黍、小麦である こと、さらに苅分小作の制度的特質を明らかにしている。

  第3章では、LBODプ口ジェク卜によって、ソド口村の農業生産性がいかに向上したか、

    ―115―

(2)

ラスバイレス型の総合生産性指数を計測することに よって数量的に明らかにした。1999 年から2002年にかけて実施した農家経済調査と農家 の営農管理帳簿から、総合生産性の 計測 に必 要な デ一 夕を 収集 した 。LBODプ □ジェクトによっ て、1994/95年から2000/01

↓こかけて、@耕作可能農地が470haから520haへと 約10%増加したこと、◎砂糖黍、綿な どのキャッシュ・ク口ップ(換金作物)の作付構成 比が55%から66%に高まったこと、

◎ク□ッピィング・インテンシティ(土地手f亅用率)が39%から68%ヘ向‑上二したこと、@

こうした、農業生産の拡大によって、労働日数でみた農業雇用機会がプ口ジェクト開始以 前に 比べ58%増加 し たこ と、 ◎村 平均 の農 業総合生産性(Agricultural Total Factor Productivity:以 下ATFP)は14%増加したこと、◎ATFP向上の 要因が塩害緩和による作物 単収の向上にあること、などを明らかにした。

  第4章では、プ□ジェク卜のもつ農業生産性向上の潜在的可能性について分析している。

その ため に、 第3章 で分 析し た30戸の 農家 から 、最 もATFPが 高か った 先進的農家を選 定し、この農家の営農管理技術に注目した。その結果、@水路のライニングに自己資本を 投下し、農業用水の利用効率を高めたこと、◎地下水を汲み上げて、塩類を合んだ農業用 水を稀釈し、分析対象地域の農業生産にとって最大の制約要因である農業用水を確保した こと、◎苅分小作人に無利子の融資を供与し、彼らの労働インセンティブを高めたこと、

◎先進的農家は、農産物および農業生産資材の商人をも兼ね、近代的生産要素や新しい農 業技術に対するアクセスが容易であり、他の農家よりも情報的に優位な地位にあったこと、

が明らかになった。したがって、水路改修に向けた 融資によって、他の農家のATFPは向 上すると結論付けている。

  第5章 では 、費 用便益分析を用いて、LBODプロジェクトの 持続可能性について分析し てい る。 ミル プー ルカ ース 地域 を対 象と して便益費用比率 (BCR)ないしは内部収益率 (IRR)を 計算 した 。その結果、BCRはI.ll、IRRは11.9%であ り、プ口ジェクトは経済的 に自立可能であることを明らかにした。ただし、BCRは、かろうじて1を上回っており、

塩害問題が解消に向かいつっある二方、農業用水が農業生産の拡大にとって制約要因とな っていることを裏付けている。

  第6章 では 、本 論文の結諭を述ペ政策的合意を示している 。LBODプ口ジェクトは、農 業生産をはじめ、環境面でも、社会面でも大きなインパク卜をもたらしたことを明らかに している。環境面での改善点として、塩害問題が緩和するすることで、農村の雇用機会が 増加し、都市部から農村部へ人口が還流し、都市部での犯罪率が低下したこと、子供の就 学率が向上したことがあげられる。綿花や砂糖黍の増産に伴い、地域内に綿工場、砂糖黍 工場が建設されるなど経済活動も活発になりつっある。さらに、農業生産性を向上させる には、こうしたプ口ジェクトに加え適時での農業用水供給がますます重要になりつっある ことも明らかにした。この地域で多数を占める、小作人の経済的厚生を向上させるために は、地主と小作の投入資材費用の負担割合を定めた小作制度の見直しが必要であるとして いる。

  以 上、 本論 文は 、パ キス タン にお ける 塩害問題を解決す ることを目的としたLBODプ 口ジェクトが、農業生産に及ぼした効果を経済学的視点から定量的に評価したものであり、

分析結果は、今後の塩害問題解決のプ口ジェクトの立案、投資効率の向上に寄与するもの と考えた。

‑ 116

(3)

学 位 論 文 審 査 の 要 旨

     学位論文題名

Impact of the Soil Salinity and Water Logging Controlling   Project on Agricultural Productivity in Sindh ,Pakistan      (塩害・湛水制御プロジェクトの農業生産への効果)

  本 論 文 は 図20、 表32を 含 み 、 総 頁 数87頁 、6章か ら な る英 文 論 文で あ る 。別 に2 本の参考論文が添えられている。

  パキスタンの塩害及び過剰湛水問題は、農地環境の悪化をもたらしているだけでなく、

耕 作可能農 地の減少 、農産 物単収の 低下な ど、農業 生産性の向上や食料供給の拡大にと っ て大きな 障害とな ってい る。排水 施設の 不備に加 え、基幹水路の老朽化による農業用 水 の農地へ の浸透、 地下水 位の上昇 による 塩類蓄積 がその主要因である。バキスタンの 全 農地3千万haのう ち約15% 、特に、 本論文 が分析対 象とし たインダ ス川下 流部のシン ド州は、全農地の約48%が塩害等に直面している。

  本 論文 は 、 シン ド州 において1987から1997年 にかけ て実施さ れたLBODプ 口ジェク ト (Left Bank Out‑fall Drain Proect)の事後評価によって、塩害及び過剰湛水問題解決の技 術 的な可能 性と経済 性を明 らかにし たもの である。 なお、このプ口ジェクトは、アラビ ア 海にっな がる258kmの大規 模排水路 を掘削 し、農地 にバイ プライン 暗渠や 基幹排水路 を 整備する こと、強 制排水 するため に約12馬 力程度の排水ポンプを多数設置すること等 を事業内容とし、受益面積は58万haに及ぶ。

  本論文の分析結果の概要は以下のようである。

  LBODプ 口ジ ェ ク トのミル プール ハース地 区のう ち、塩害 および湛 水害の 影響が大 き な ソド口村 を選定し 、1999年か ら2002年に かけて実 施した農家経済調査結果と農家の営 農 管理帳簿 を分析し た結果 、以下の ようなLBODプ口ジェクトの成果が明らかになった。

@ 耕作可能 農地が470haから520haへ と約10%増 加したこと、◎砂糖黍、綿などのキャツ シ ュ・ク口 ップ(換 金作物 )の作付 面積構 成比が55%から66%に高まったこと、◎ク口 ッ ピング・ インテン シテイ (土地利 用率) が39%から68%へ向上したこと、@労働日数 で みた農業 雇用機会 がプ口 ジェクト 開始以 前に比ベ58%増加したこと、◎村平均の農業 生 産性につ いては、 ラスバ イレス型 の農業 総合生産 性(AgncultumlTotalFactornoduc― tivity: 以下ATFP) がプ口ジ ェク卜 直後に14% 増加したこと、◎ATFP向上の要因が塩害 緩和による作物単収の向上にあること、などを明らかにした。

彦 巧

史 克

南 村

長 出

授 授

   

   

教 教

査 査

主 副

(4)

  プ□ジェク卜のもつ農業生産性向上の潜在的可能性について、調査農家から近年ATF Pが高くなった先進的農家を選定し、この農家の営農管理技術に注目した。その結果、

@水路のライニングに自己資本を投下し、農業用水の利用効率を高めたこと、◎地下水 を汲み上げて、塩類を含んだ農業用水を稀釈し、この地域の農業生産にとって最大の制 約要因である農業用水を確保したこと、◎苅分小作人に無利子の融資を供与し、彼らの 労働インセンティブを高めたこと、@先進的農家は、農産物および農業生産資材の商人 をも兼ね、近代的生産要素や新しい農業技術に対するアクセスが容易であり、他の農家 よりも情報的に優位な地位にあったこと、が明らかになった。したがって、水路改修に 向けた個別農家への融資によって、他の農家のATFPも向上すると結諭付けている。

  ミルプールハース地区を対象として便益費用比率(BCR)ないしは内部収益率(IRR)を 計算した結果、BCRは1:11、IRRは11.9%であり、プ口ジェク卜は事後的にも経済性があ ることが明らかになった。また、社会環境面でも大きなインバクトをもたらしたことを 明らかにしている。環境面での改善点として、塩害間題が緩和することで、農村の雇用 機会が増加し、都市部から農村部へ人口が還流し、都市部での犯罪率が低下したこと、

子供の就学率が向上したことがあげられる。綿花や砂糖黍の増産に伴い、地域内に綿工 場、砂糖黍工場が建設されるなど経済活動も活発になりつっある。さらに、農業生産性 を向上させるには、適時の農業用水供給機能がますます重要になりつっあり、農業用水 組合の必要性を明らかにした。また、この地域で多数を占める小作人の経済的厚生を向 上させるためには、地主と小作の投入資材費用の負担割合を定めた小作法の見直しが必 要であるとしている。

  以上、本論文は、バキスタンにおける塩害問題を解決することを目的としたLBODプ 口ジェクトが、農業生産に及ぽした効果を経済学的視点から定量的に評価したものであ る。

  これまで、LBODのような塩害を解消するための大規模プ口ジェクトが、農業生産や 農家経済にいかなるインバクトをもたらしたのかに関する社会科学的実証研究は皆無 に等しい。分析結果は、今後の塩害・湛水問題解決のプ□ジェクトの立案、投資効率の 向上に有用な情報を提供し、学術的にも高く評価される。

  よって審査員一同は、メモンサイードアクバルが博士(農学)の学位を受けるのに 十分な資格を有すると認めた。

参照

関連したドキュメント

 収益分配金につきましては、基準価額水準 や市況動向等を勘案して、300円(1万口当た

 基本波を用いる近似はピクセル単位の時間放射能曲線に対しては用いることができる

 食品事業では、「収益認識に関する会計基準」等の適用に伴い、代理人として行われる取引について売上高を純

当社グループにおきましては、コロナ禍において取り組んでまいりましたコスト削減を継続するとともに、収益

(約13万店)は、一般廃棄物に ついて収集運搬業の許可不要 で、収集運搬費用徴収可能(処 分費用は預り金).

 リスク研究の分野では、 「リスク」 を検証する際にその対になる言葉と して 「ベネフ ィッ ト」

本論文での分析は、叙述関係の Subject であれば、 Predicate に対して分配される ことが可能というものである。そして o

設備がある場合︑商品販売からの総収益は生産に関わる固定費用と共通費用もカバーできないかも知れない︒この場